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明細書 :ピーク検出画像処理方法、プログラム及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4229325号 (P4229325)
公開番号 特開2005-221241 (P2005-221241A)
登録日 平成20年12月12日(2008.12.12)
発行日 平成21年2月25日(2009.2.25)
公開日 平成17年8月18日(2005.8.18)
発明の名称または考案の名称 ピーク検出画像処理方法、プログラム及び装置
国際特許分類 G01B  11/00        (2006.01)
G01N  15/00        (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
FI G01B 11/00 H
G01N 15/00 A
G06T 1/00 300
請求項の数または発明の数 10
全頁数 12
出願番号 特願2004-026362 (P2004-026362)
出願日 平成16年2月3日(2004.2.3)
審査請求日 平成18年6月28日(2006.6.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】大図 章
個別代理人の代理人 【識別番号】100089705、【弁理士】、【氏名又は名称】社本 一夫
【識別番号】100140109、【弁理士】、【氏名又は名称】小野 新次郎
【識別番号】100075270、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 泰
【識別番号】100080137、【弁理士】、【氏名又は名称】千葉 昭男
【識別番号】100096013、【弁理士】、【氏名又は名称】富田 博行
【識別番号】100092015、【弁理士】、【氏名又は名称】桜井 周矩
【識別番号】100093713、【弁理士】、【氏名又は名称】神田 藤博
【識別番号】100091063、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 英夫
【識別番号】100102727、【弁理士】、【氏名又は名称】細川 伸哉
【識別番号】100117813、【弁理士】、【氏名又は名称】深澤 憲広
【識別番号】100123548、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 晃二
審査官 【審査官】八島 剛
参考文献・文献 特開平05-273110(JP,A)
特開2000-155087(JP,A)
特開平08-054333(JP,A)
特開平06-160507(JP,A)
調査した分野 G01B11/00-11/30
G01N15/00-15/14
G01N21/00-21/958
G06T1/00-9/40
特許請求の範囲 【請求項1】
任意の物理量の空間における分布に対応する濃淡画像を複数の小区画に分割した各区画が有する濃淡を表す濃淡データを各区画の位置を表す位置データと関連付けて含む濃淡画像データ群の中の1つの区画の濃淡データ値を当該1つの区画の周囲を囲む全ての周囲区画の各濃淡データ値と個別に比較演算するステップと、
前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より大きいか又は等しい場合、又は前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より小さいか又は等しい場合、前記1つの区画のデータ値をピーク値と決定し、且つ前記1つの区画の位置をピーク位置と決定するピーク決定ステップと、
ピーク値として決定されたデータ値を有する複数の区画同士が互いに隣接又は隣り合う場合任意の選択手法でもって前記複数の区画のうちの1つの区画を選択するステップと
を備えるピーク検出画像処理方法。
【請求項2】
前記ピーク決定ステップが、前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より大きいか又は等しい場合に前記1つの区画のデータ値を極大のピーク値と決定し、且つ前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より小さいか又は等しい場合に前記1つの区画のデータ値を極小のピーク値と決定するステップを含む請求項1記載のピーク検出画像処理方法
【請求項3】
前記比較演算するステップ及び前記ピーク決定ステップを全ての区画に対して実行する請求項1又は2記載のピーク検出画像処理方法。
【請求項4】
前記濃淡画像が2次元の矩形画像であり、
前記各区画は、前記矩形画像の縦及び横方向それぞれを少なくとも3つに分割することにより形成されており、
前記比較演算するステップは、前記1つの区画が前記矩形画像の外周に接していない区画である場合は前記1つの区画のデータ値を前記1つの区画を囲む8個の区画のデータ値と比較演算し、前記1つの区画が前記矩形画像の縦及び横方向のうちの一方の方向のみの外周に接している区画である場合は前記1つの区画のデータ値を前記1つの区画を囲む5個の区画のデータ値と比較演算し、前記1つの区画が前記矩形画像の角にある区画である場合前記1つの区画のデータ値を前記1つの区画を囲む3個の区画のデータ値と比較演算する
請求項1から3のいずれか一項に記載のピーク検出画像処理方法。
【請求項5】
前記ピーク決定ステップにより決定されたピーク値の数を計数するステップを更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載のピーク検出画像処理方法。
【請求項6】
前記濃淡画像が、撮像管又はCCD等の光画像検出器により光学的に取得され、
前記濃淡画像データ群の濃淡データ及び位置データが、前記の取得された濃淡画像からディジタル値として生成される
請求項1から5のいずれか一項に記載のピーク検出画像処理方法。
【請求項7】
前記の決定されたピーク値及びピーク位置を記録するステップを更に備える請求項1から6のいずれか一項に記載のピーク検出画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項1から7のいずれか一項に記載のピーク検出画像処理方法を実行させるピーク検出画像処理プログラム。
【請求項9】
任意の物理量の空間における分布に対応する濃淡画像を複数の小区画に分割した各区画が有する濃淡を表す濃淡データを各区画の位置を表す位置データと関連付けて含む濃淡画像データ群の中の1つの区画の濃淡データ値を当該1つの区画の周囲を囲む全ての周囲区画の各濃淡データ値と個別に比較演算する手段と、
前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より大きいか又は等しい場合、又は前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より小さいか又は等しい場合、前記1つの区画のデータ値をピーク値と決定し、且つ前記1つの区画の位置をピーク位置と決定するピーク決定手段と、
ピーク値として決定されたデータ値を有する複数の区画同士が互いに隣接又は隣り合う場合任意の選択手法でもって前記複数の区画のうちの1つの区画を選択する手段と
を備えるピーク検出画像処理装置。
【請求項10】
前記ピーク決定手段が、前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より大きいか又は等しい場合に前記1つの区画のデータ値を極大のピーク値と決定し、且つ前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より小さいか又は等しい場合に前記1つの区画のデータ値を極小のピーク値と決定する請求項9記載のピーク検出画像処理装置
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の物理量の空間における分布に対応する濃淡画像を複数の小区画に分割した各区画が有する濃淡を表す濃淡データを各区画の位置を表す位置データと関連付けて備える濃淡画像データ群の中で濃淡データのピーク値、その位置及びピークの数を検出するピーク検出画像処理方法に関する。
【0002】
本発明は、工業品として生産される粉または細かな粒子が多数集まった粉体、粒子状物質等の画像計測で得られる画像から、画像処理・解析により(1)粉、粒子の数量、または画像中の粒子の輝度から(2)粉、粒子の大きさ、粒子径、及び(3)粒子の位置を検出する際に利用できる。または、空気清浄産業等の環境科学研究分野で、大気中または液中に浮遊する微粒子等を観測した斑点濃淡画像から微粒子の数、粒径及び画像中での位置を求める際に本発明を利用することができる。 さらに半導体シリコンウェハーのように平板上の凹凸検査やそれらに付着する微小な粉塵等のゴミの検出にも使用できる。
【背景技術】
【0003】
従来の手法では、本発明が対象とするような斑点が多数集まった濃淡画像中に多数ある斑点のピーク値と数を正確に検出あるいは取得するために、一般的には数々の特殊かつ煩雑なフィルタ処理を多用している。その一例を挙げると、まず画像を移動平均法やメディアンフィルタなどのローパス特性のフィルタで処理することによって画像を平滑化して、エンベロープ画像を作成する。次に、元の画像との差分をとって、スポットまたは点状の部分だけを抜き出す処理を経る。そして、この差分画像に対してしきい値処理で画像を2値化処理した後、細線化処理を一つの画素まで削り込むために複数回繰り返し施す。最後に、その一つの画素となった画素を数えることでピークを有する画素の数とピーク値を得る手法が必要となる。このとき、斑点ごとにピーク値を取得するとき、差分画像の斑点の領域の最高値(ピーク値)を残すような処理が必要となる。
【0004】
本発明に関連する従来技術を記載したものとしては下記のものが挙げられる。

【特許文献1】特開2002-262093号公報
【特許文献2】特開2003-259129号公報
【非特許文献1】K.R.キャストルマ著、斎藤恒雄訳「ディジタル画像処理」科学技術出版、2002年3月刊行
【非特許文献2】A. Rosenfeld著、長尾真監訳「ディジタル画像処理」近代科学社、1978年12月刊行
【非特許文献3】河田聡/南茂夫著「科学計測のための画像データ処理」CQ出版社、1994年4月30日刊行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像処理法で画像中に多数ある斑点のピーク値と数を求める場合、上述のようにフィルタ、2値化、細線化等の複数の画像処理法を繰り返し多用し、適用しなければならない。このため画像処理の手順、プロセスが煩雑になり、かつ膨大な画像処理時間が必要になるという問題が発生する。さらに、数々の画像処理により生のピーク値が保存・維持されず、変化する可能性が発生する。
【0006】
本発明は、任意の物理量の空間における分布に対応する濃淡画像中に多数ある斑点のピーク値及びその位置、並びに所望の場合ピーク値の数を求める場合の画像処理において、複数の画像処理法の適用手順、処理プロセスの煩雑さとそれに必要とされる膨大な画像処理時間の二つの大きな問題を解決して、簡単で且つ短時間で処理できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のピーク検出画像処理方法は、任意の物理量の空間における分布に対応する濃淡画像を複数の小区画に分割した各区画が有する濃淡を表す濃淡データを各区画の位置を表す位置データと関連付けて含む濃淡画像データ群の中の1つの区画の濃淡データ値を当該1つの区画の周囲を囲む全ての周囲区画の各濃淡データ値と個別に比較演算するステップと、前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より大きいか又は等しい場合、又は前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より小さいか又は等しい場合、あるいはこれら両方の場合、前記1つの区画のデータ値をピーク値と決定し、且つ前記1つの区画の位置をピーク位置と決定するピーク決定ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
前記比較演算するステップ及び前記ピーク決定ステップが全ての区画に対して実行されることが好ましい。
本発明の一局面においては、前記濃淡画像が2次元の矩形画像であり、前記区画は、前記矩形画像の縦及び横方向それぞれを少なくとも3つに分割することにより形成されており、前記比較演算するステップは、前記1つの区画が前記矩形画像の外周に接していない区画である場合は前記1つの区画のデータ値を前記1つの区画を囲む8個の区画のデータ値と比較演算し、前記1つの区画が前記矩形画像の縦及び横方向のうちの一方の方向のみの外周に接している区画である場合は前記1つの区画のデータ値を前記1つの区画を囲む5個の区画のデータ値と比較演算し、前記1つの区画が前記矩形画像の角にある区画である場合前記1つの区画のデータ値を前記1つの区画を囲む3個の区画のデータ値と比較演算することが好ましい。
【0009】
本発明のピーク検出画像処理方法は更に、ピーク値として決定されたデータ値を有する複数の区画同士が互いに隣接又は隣り合う場合任意の選択手法でもって前記複数の区画のうちの1つの区画を選択するステップを備えることが好ましい。
【0010】
本発明のピーク検出画像処理方法は更に、前記ピーク決定ステップにより決定されたピーク値の数を計数するステップを備えることが好ましい。
本発明の別の局面においては、前記濃淡画像が、撮像管又はCCD等の光画像検出器により光学的に取得され、前記濃淡画像データ群の濃淡データ及び位置データが、前記の取得された濃淡画像からディジタル値として生成されることが好ましい。
【0011】
本発明のピーク検出画像処理方法は更に、前記の決定されたピーク値及びピーク位置を記録するステップを備えることが好ましい。
上記課題は、コンピュータに、上記の種々の態様のピーク検出画像処理方法を実行させるピーク検出画像処理プログラムにより解決される。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明のピーク検出画像処理装置は、任意の物理量の空間における分布に対応する濃淡画像を複数の小区画に分割した各区画が有する濃淡を表す濃淡データを各区画の位置を表す位置データと関連付けて含む濃淡画像データ群の中の1つの区画の濃淡データ値を当該1つの区画の周囲を囲む全ての周囲区画の各濃淡データ値と個別に比較演算する手段と、前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より大きいか又は等しい場合、又は前記1つの区画のデータ値が前記周囲区画の全てのデータ値より小さいか又は等しい場合、あるいはこれら両方の場合、前記1つの区画のデータ値をピーク値と決定し、且つ前記1つの区画の位置をピーク位置と決定するピーク決定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記の構成を備えることにより、任意の物理量の空間における分布に対応する濃淡画像における濃淡データのピーク値及びその位置を簡単に且つ短時間で検出することができる。
【0014】
また、本発明は、上記の構成を備えることにより、従来画像中に多数あるピーク値の検出や解析に不可欠となっていた多種多様な画像処理、煩雑なプロセスが不必要となり、且つ多大な処理計算時間が大幅に短縮できる。さらに、従来では不可能であった画像中のピーク値のリアルタイム検出、解析が可能となる。
【0015】
例えば、濃淡画像に斑点が多数ある画像である場合、その画像中の各斑点のピーク値とピークを有する画素の数、及び画面上のピークの位置を同時に求めることができる。
また、本発明の一局面では、同じピーク値を有する画素が隣接し、画面上連続的に連なりあう領域を形成する場合、その中の一つの画素を選択する任意の方法または規準を付加することによってピーク値を一つに絞り込むことができ、ピーク値を有する斑点の数を正確に取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適な実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1は、本発明のピーク検出画像処理装置の好適な実施形態の構成を概略示したブロック図である。ピーク検出画像処理装置は、例えば、撮像管又はCCD(電荷結合素子)カメラ等の光画像検出器で光学的に取得された画像をディジタル形式で受け取る画像入力部10、画像入力部10で取得されたディジタル画像、及び当該ディジタル画像の中の濃淡のピークを検出するピーク検出画像処理プログラムを格納し、また処理中のワークエリアを含む外部記憶装置12、画像処理のため外部記憶装置12から呼び出されたピーク検出画像処理プログラム及び処理すべき画像のデータ、あるいは処理中に発生するデータを記憶するメイン・メモリ14、メイン・メモリ14のピーク検出画像処理プログラムに従ってピーク検出処理を実行する中央処理装置(CPU)16、ピーク検出処理を実行させるために必要な制御情報等を入力するためのキーボード等の入力装置18、及びピーク検出処理の中間結果、最終結果、入力された制御情報等を表示するためのディスプレイ20を備える。これら各構成要素は、通常のバスを介して相互接続されている。
【0017】
次に、本発明のピーク検出画像処理方法及びプログラムの好適な実施形態を図面を参照して以下に説明する。
本発明の処理対象である濃淡画像は、例えば、図4を参照して後述するように室内の任意の空間に浮遊する微粒子にレーザー光を照射し、その計測される微粒子からの散乱光を画素数324,064個のCCDカメラで撮影することにより得られた濃淡画像である。図4の濃淡画像中の各画素の濃淡は、散乱光の強度の強弱に対応し、各画素の濃淡を表すディジタル値は散乱光の強弱を表している。なお、本発明の処理対象である濃淡画像は、このようなCCDカメラ等で撮影して得られた画像に限られず、任意の手段を用いて、2次元あるいは3次元に分布している任意の対象を撮像することにより得られ、その結果としての画像が濃淡で表現されるものであれば、いずれものでよい。また、濃淡画像は、CCDの場合のように直接ディジタル形式であってもよく、また通常のカメラの場合のようにアナログ形式であってもよい。後者の場合は、濃淡画像のアナログ・データをディジタル・データに変換する任意の手段を外部又は本発明のピーク検出画像処理装置に設け、その手段によりアナログ値をディジタル値に変換すればよい。また、画像入力部10は、他の任意のシステムから直接又は通信回線等の通信媒体を介して送られてくる画像データを受け取るようにしてもよい。
【0018】
本発明によるピーク検出画像処理方法を画像中にスポットまたは点状の画像が多数集まった斑点状の画像データとして取得された図2に示されるようなn行m列のサンプル行列データに適用する。なお、n及び/又はmは2以上の整数であり、3以上であることが好ましい。図3にピーク検出画像処理フローを示す。ピーク検出画像処理の手順は、図3のピーク検出画像処理フローに示すように処理がスタートすると同時に、ステップS1において、処理の対象となる画像行列データを選択する。次に、ステップS2において、まだピーク検出画像処理に選択されていない、即ちまだ比較されていない任意の一つのi行j列の画素データ値x(i,j)を選択する。次いで、ステップS3において、選択された画素データ値x(i,j)をその周囲にある8つの画素データ値x(i-1,j-1)、x(i-1,j)、x(i-1,j+1)、x(i,j-1)、x(i,j+1)、x(i+1,j-1)、x(i+1,j)、x(i+1,j+1)と各々比較し、画素データ値x(i,j)が周囲の画素データ値と以下の関係式(1)を満たすとき、すなわち周囲の画素データ値各々と比較してこの画素データ値x(i,j)が全ての周囲の画素データより大きいかまたは周囲の画素データの中で最も大きいものと等しいとき、その画素データ値x(i,j)をピーク値として検出して、ステップS4に進み、これをピーク値を有する画素データ値x(i,j)として外部記憶装置12に記録、保存する。
【0019】
【数1】
JP0004229325B2_000002t.gif

【0020】
一方、ステップS3において、画素データ値x(i,j)が、周りの画素データ値のどれかよりも小さい場合にはこの画素データ値をピーク値を有する画素データとしては記録、保存しない。ピーク検出画像処理は、次いで、ステップS5に進み、n行m列の画像行列データの全画像データ(n×m個)を全部処理したか判定する。未処理の画像データがある場合には、ステップS2に戻り、前述の処理を繰り返す。ステップS5において、全画像データが処理されたと判定された場合、ピーク検出画像処理は終了する。
【0021】
上記実施形態のピーク検出画像処理方法は、簡単に述べると、画像行列データの全画素データについて任意の一つの画素のデータ値をその画素の周囲にあるか、または隣接する画素データ値一つ一つと比較演算することを全画素のデータに施すことにより、周囲にある画素のデータ値よりも高い値のデータ、ピーク値(極大値)を有する画素を見つけ出す処理法である。
【0022】
前述のような処理を行列データの全画素データに施すことにより、画像中にあるスポットまたは点の画素のピーク値を求めることが可能となり、同時にその数及び画素の位置も求められる。
【0023】
図2に示されるn行m列の画像行列データの角に位置する画素データであるx(1,1)、x(n,1)、x(1,m)、x(n,m)の場合には、各画像データはそれらの画素を囲む三つの画素データと比較される。例えば、x(1,1)の場合、x(2,1)、x(1,2) x(2,2)とそれぞれ比較処理する。さらに、画像行列データの端に位置する1列の2行1列x(2,1)からn-1行1列x(n-1,1)、m列の2行m列x(2,m)からn-1行m列x(n-1,m)、1行の1行2列x(1,2)から1行m-1列x(1,m-1)、及びn行のn行2列x(n,2)からn行m-1列x(n,m-1)の画素データの場合には、それらの各画像データをそれらを囲む五つの画素データと比較処理する。
【0024】
仮に、画像処理の結果、図2でx(i,j)、x(i,j+1)、x(i+1,j)、x(i+1,j+1)が同じ値を有し、かつこれら隣接する四つの画素全てが同一のスポット又は斑点のピーク値を持つものであると記録、保存された場合には、任意の手法によりこの中の一つをピーク値として記録、保存することによりピークの数を正確に求めることができる。例えば、このような場合に行と列の数値が大きい画素を選択するような手法を付加すれば、x(i,j)、x(i,j+1)、x(i+1,j)、x(i+1,j+1)のうちx(i+1,j+1)がピーク値を有する画素として外部記憶装置12に記録、保存され、ピークを有する画素の数を正確に取得することが可能となる。
【0025】
次に、図3に示すピーク検出画像処理フローを、室内の任意の空間に浮遊する微粒子にレーザー光を照射し、その散乱光を撮影した画像に適用した場合の測定例又は実験データについて説明する。図4は、室内の任意の空間に浮遊する微粒子にレーザー光を照射し、その計測される微粒子からの散乱光を画素数324,064個のCCDカメラで撮影した画像を示す。画像中に多数あるスポットまたは点状の斑点は、気中の微粒子一つ一つからの散乱光である。この画像データは、494行656列の行列データである。その一部分を図5に示す。散乱光の強度、画面では白黒の濃淡で表され、最も黒く見える所は散乱光の強度が最も弱く、最も白く見える所は散乱光の強度が最も強い。図5は、最小強度であるCCDの暗電流のみの状態を0とし、最大強度を212=4096として、図4に示す画像のそれぞれの画素の濃淡を相対値で表したものである。
【0026】
その図5の行列データを三次元グラフに示すと図6のようになる。図6に多数見える山形状または尖塔状のものの一つは、微粒子一つからの散乱光を示し、これが図4の斑点一つを表す。この山の数は、微粒子の数を表し、その高さ、ピーク値は微粒子の大きさを示す。
【0027】
図4の画像データである図5の行列データに本発明のピーク検出画像処理法を適用したものが図7の行列データである。図7の行列データ中、便宜のためピーク値以外の画素の行列データは0として表示し、ピーク値を有する画素にあたる行列データにのみピーク値を記した。これにより、ピーク値を有する画素の数とそのピーク値、及びその画素の画面上での位置を求めることができる。
【0028】
また、希望する場合には、この画像処理後の行列データをまとめてヒストグラム(度数分布グラフ)にした図8やピーク値の範囲ごとにその範囲に含まれるピークの数を表した図9に示す表を容易に得ることが可能となる。
【0029】
本発明のピーク検出画像処理装置は、図1に示される構成に限られず、通常のパーソナル・コンピュータ、マイクロプロセッサ、ワークステーション、汎用コンピュータ等の任意の形式のコンピュータを用いて、前述のピーク検出画像処理プログラムを実行させ得る。
【0030】
本発明は、前述の実施形態のように、ピーク値が極大値である場合に限られず、比較演算において、周囲の画素のデータ値の最も小さいデータ値と等しいかまたは全てのデータ値よりも小さい場合はその画素を極小値を有するデータ値x(i,j)として記録・保存する操作を繰り返し行うことによって、ピーク値を有する画素の検出と同様に画像中のマイナス側に窪んだ輝度分布を有する斑点の極小値(マイナスのピーク値)の数、ピーク値及び画面上での位置を取得することも可能である。
【0031】
上記の実施形態においては、濃淡画像として図4に示されるように、その外形が矩形である場合について説明したが、本発明は、濃淡画像の形状は、矩形に限られず、円形等いずれの2次元の形状であってよく、その濃淡画像を小区画に分割した区画(上記の実施形態における画素に対応)の位置が特定されていればよい。また、区画は、上記の実施形態の矩形に限定されず、区画の大きさが一様であれば任意の形状でよい。
【0032】
更に、上記の実施形態においては、濃淡画像は、図4に示されるように2次元の画像であるが、本発明は、濃淡画像が3次元の構成の場合にも適用し得る。その場合は、区画としては、例えば、小さい立体構造の濃淡画像を小さく分割した立方体等にし、その立方体の濃淡に対応するデータ値のピーク値を上記実施形態と同様にして当該立方体を立体的に囲む隣りの立方体のデータ値と比較することにより検出し、その立方体の位置を特定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明のピーク検出画像処理装置の好適な実施形態の構成を概略示したブロック図である。
【図2】図2は、画像中にスポットまたは点状の画像が多数集まった斑点状の画像データとして取得されたn行m列のサンプル行列データを示す。
【図3】図3は、本発明の好適な実施形態によるピーク検出画像処理フローを示す。
【図4】図4は、室内の任意の空間に浮遊する微粒子にレーザー光を照射し、その計測される微粒子からの散乱光を画素数324,064個のCCDカメラで撮影した画像を示す。
【図5】図5は、図2に示す画像の任意の部分を表したサンプル行列データを示す。
【図6】図6は、図4あるいは図5の散乱光画像の任意の部分の3次元分布図を示す。
【図7】図7は、図4の画像データである図5の行列データに本発明のピーク検出画像処理法を適用して得られたた行列データを示す。
【図8】図8は、図7に示す画像処理後の結果をピーク値ごとにその数、度数を表したヒストグラムを示す。
【図9】図9は、図7に示すデータをピーク値の範囲に対して、その範囲に含まれるピークの数を表した図表を示す。
【符号の説明】
【0034】
10 画像入力部
12 外部記憶装置
14 メイン・メモリ
16 中央処理装置(CPU)
18 入力装置
20 ディスプレイ

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図7】
4
【図8】
5
【図9】
6
【図4】
7
【図6】
8