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明細書 :チタン酸リチウムを回収及び再使用する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4695368号 (P4695368)
公開番号 特開2006-021984 (P2006-021984A)
登録日 平成23年3月4日(2011.3.4)
発行日 平成23年6月8日(2011.6.8)
公開日 平成18年1月26日(2006.1.26)
発明の名称または考案の名称 チタン酸リチウムを回収及び再使用する方法
国際特許分類 C01G  23/00        (2006.01)
C04B  35/46        (2006.01)
FI C01G 23/00 B
C04B 35/46 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2004-266813 (P2004-266813)
出願日 平成16年9月14日(2004.9.14)
優先権出願番号 B02004A000428
優先日 平成16年7月9日(2004.7.9)
優先権主張国 イタリア(IT)
審査請求日 平成19年5月18日(2007.5.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】土谷 邦彦
【氏名】河村 弘
【氏名】エス・カサディオ
【氏名】チ・アルヴァニ
個別代理人の代理人 【識別番号】100089705、【弁理士】、【氏名又は名称】社本 一夫
【識別番号】100140109、【弁理士】、【氏名又は名称】小野 新次郎
【識別番号】100075270、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 泰
【識別番号】100080137、【弁理士】、【氏名又は名称】千葉 昭男
【識別番号】100096013、【弁理士】、【氏名又は名称】富田 博行
【識別番号】100092015、【弁理士】、【氏名又は名称】桜井 周矩
【識別番号】100093713、【弁理士】、【氏名又は名称】神田 藤博
【識別番号】100091063、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 英夫
【識別番号】100102727、【弁理士】、【氏名又は名称】細川 伸哉
【識別番号】100117813、【弁理士】、【氏名又は名称】深澤 憲広
【識別番号】100123548、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 晃二
審査官 【審査官】大工原 大二
参考文献・文献 特開2001-278623(JP,A)
特開昭63-044198(JP,A)
特開2004-143036(JP,A)
調査した分野 C01G 1/00-23/08
特許請求の範囲 【請求項1】
単斜晶相のセラミックであるチタン酸リチウム(Li2TiO3)を過酸化水素水に溶解させて、可溶性のペルオキソ錯体を形成させ、
当該溶液に、2配位子もしくは3配位子のキレート試薬を添加して、当該溶液を安定化させ、当該溶液中のリチウムの同位体比を調整し、濃縮した後に乾燥及び加熱することにより、Li2TiO3をセラミックスの製造に適した微粉末として回収することからなる、チタン酸リチウムを回収及び再使用する方法。
【請求項2】
前記2配位子もしくは3配位子のキレート試薬は、クエン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記濃縮は、ゾル-ゲル技術の製造のための先駆体として使うために適した値に濃縮することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記濃縮した溶液を乾燥、加熱することにより、成型及び焼結によりLi2TiO3の新しいセラミック成型体を製造するために適した微小粒径を持つチタン酸リチウムを得ることを特徴とする請求項1記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン酸リチウムの回収リサイクルと再使用プロセスに関するものである。特に、本発明は、セラミックであるチタン酸リチウム(Li2TiO3)を、過酸水素水で溶解させ、水溶性の2配位子もしくは3配位子のキレート試薬を加えることにより、この溶液を安定化し、6Li濃縮したLi2TiO3を添加し同位体を調整した後、この溶液を濃縮、乾燥及び加熱することにより、単斜晶系のLi2TiO3セラミックスの製造に適した微粉末とすることである。
【背景技術】
【0002】
(1)チタン酸リチウム
メタ-チタン酸リチウムは、化学式Li2TiO3、分子量:109.76、室温で安定な単斜晶系構造((-Li2TiO3)、密度:3.43g/cm3を有する酸化物である。これは、圧縮や気孔率の程度により、ある見かけ密度(密度ρの%、すなわちX線回折で測定された理論密度TDの%)を有する焼結体として使用される。また、Li2TiO3は複合材料として使用したり、各種システムや装置に組み込むことができる。
【0003】
(2)核融合炉での使用
このセラミックス材料のリサイクルの問題点は、原子力環境下で使用することである。水素同位体であるトリチウム(Tもしくは3H)及び重水素(Dもしくは2H)は、He、中性子(n)及び17.6MeVのエネルギーを生成する式(1)に示すような核融合反応を生じる。
【0004】
T + D → 4He (+3.5 MeV) + n (+14.1 MeV) (1)
トリチウムは自然には存在しないため、核変換によって人工的に生成する必要がある。最も効率的な核変換は、式(2)(4He = α粒子 + 2電子)で示されるような6Li(n,α)T反応である。
【0005】
n + 6Li → 4He (+2.1 MeV) + T(+2.7 MeV) (2)
天然リチウム中の同位体6Liは全リチウムの7.5%である。このため、式(2)のプロセスを産業的に利用するためには、6Liを濃縮したリチウムを得ることが必要である。例えば、将来の核融合炉では、20~70%まで6Liを濃縮したリチウムセラミックス(Li2O、Li4SiO4、Li2TiO3)が使用される。「トリチウム増殖」は、式(1)の核融合反応で生じる中性子を利用することによる式(2)のトリチウム生成のことを示している。そのため、稼動している炉の中では式(2)は起こり続け、「増殖材」中のリチウムは消耗する。この消耗の比率は、元のリチウムの%として与えられ、「Li燃焼度(BU)」と言われている。BUが特定レベルになったとき、「増殖材」は交換しなければならない。6Liを70%濃縮したチタン酸リチウムに関しては、予想される最大BUは20%である。そのため、その機能を終えるとき、「増殖材」はまだ6Liを50%含んでいる。同位体を濃縮することは大変コストが高いため、排出する「増殖材」のリチウムを回収すること、6Liの同位体目標値(Li2TiO3では70%)に修正すること、そして、それらを必要な形状、密度、構造、結晶及び純度(目標仕様)に再製造することは大変興味深いことである。
【発明を解決しようとする課題】
【0006】
一般的にリチウムの回収技術は、Li+イオンが溶解する濃縮された溶液にするために、強酸(例えば、硝酸(HNO3))中でリチウムセラミックスを分解することで可能であると考えられている。これらの強酸溶液は、不溶解性の残留物(例えば、Li2TiO3が分解した時の酸化チタンTiO2)を取り除くための濾過、リチウムの先駆体を準備するための処理、及び始発の「増殖材」の再製造を必要とする。メタ-チタン酸リチウムの場合、この種のプロセスは、ENEA(イタリア新技術・エネルギー環境公社)によって、CEAが開発したLi2TiO3微小球の製造プロセスヘ適用されている(参考文献1)。もし、Li2TiO3が複合材料及びシステムに入れられるならば、強酸による分解は選定されるべきでない欠点を有している。
(参考文献1)
C. Alvani, S. Casadio, V. Contini, A. Di Bartolomeo, J.D.Lulewicz, N. Roux, "Li2TiO3 pebbles reprocessing, recovery of Li as Li2CO3", Journal of Nuclear Materials, 307-311 (2002) 837-841
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、セラミックであるチタン酸リチウム(Li2TiO3)を、過酸水素水で溶解させ、水溶性の2配位子もしくは3配位子のキレート試薬、たとえばクエン酸などのオキシカルボン酸類、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)などのポリアミノカルボン酸類、縮合リン酸塩などの試薬を加えることにより、その溶液を安定化し、6Li濃縮したLi2TiO3を添加し同位体を調整した後、この溶液を濃縮、乾燥及び加熱することにより、単斜晶系のLi2TiO3セラミックスの製造に適した微粉末とすることである。
【0008】
このプロセスの基本的なステップは、以下のとおりである。
(1)強酸を用いないで、チタン酸リチウムが室温で市販の過酸化水素水(30体積%のH2O2溶液)と反応する能力を利用することにより、セラミックスのチタン酸リチウムを溶解させ、水溶液中に可溶性のペルオキソ錯体を形成する。
【0009】
(2)3近くのpHを持つ溶液に、クエン酸などのオキシカルボン酸類のような3配位子を加えることにより、この溶液を安定化する。リチウムの同位体比は、この溶液中で調整することが可能である。
【0010】
上記(1)及び(2)は、過酸化水素水による分解とクエン酸添加による安定化の組み合わせに基づく、Li2TiO3セラミックスの溶解技術である。
又、6Li同位体が濃縮されたリチウム酸化物、水酸化物、塩等を溶液中に加えることにより、安定化した溶液の6Li同位体比を調整する。
【0011】
更に又、Li:Ti(IV)=2:1(Li2TiO3を得るため定比)の錯体塩溶液のような高濃度(Li2TiO3が200~300g/リットル)の溶液(シロップ)を得るため、溶液に対して、水の蒸発、H2O2(過剰)の分解及びアンモニア(NH3OH(試薬R3))の添加を行うことによる、濃縮方法と最適酸性度(概略のpH範囲は、3≦pH≦8)の調整方法とが実施される。
【0012】
(3)その安定化溶液を、"ゾル-ゲル"技術の製造のための先駆体として使うために適した値に濃縮する。
(4)その濃縮溶液を乾燥、加熱し、(成型及び焼結により)Li2TiO3の新しいセラミック成型体を製造するために適した微小粒径を持つチタン酸リチウムを得る。
【0013】
即ち、ゾルゲルと呼ばれる技術や方法によるセラミックLi2TiO3の製造のためのシロップを使用し、そして図4に示した特性を有するLi2TiO3粉末を達成するための濃縮した溶液の乾燥と加熱が行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(1)過酸化水素水とチタン酸リチウムの相互作用の化学
ここでは、基本となる化学を記述する。すなわち、Li2TiO3が任意のタイプや性質の複合材料または装置中のセラミック挿入物として使用された後、Li2TiO3を回収するプロセスの化学のことである。
【0015】
本発明は、室温付近でLi2TiO3を選択的に溶解するための条件の個別化にある。これは、2量体であるペルオキソチタン(IV)のクエン酸錯体のリチウム塩が形成されること(式(3)に示す反応)、及びこの錯塩が、リチウム陽イオン(Li+)と3配位キレートチタン(IV)ペルオキソ錯体陰イオン(式(4)の大括弧の部分の経験式)に分解することによって、水溶液に溶解することに基づいている。
2 Li2TiO3+ 2H2O2 + 2C6H8O7.H2O → Li4[Ti2O5(C6H4O7)2] + 8H2O (3)
(過酸化水素)(クエン酸溶液)(チタン(IV)ペルオキソクエン酸錯体リチウム)
Li4[Ti2O5(C6H4O7)2] + xH2O → 4Li+(aq.) + [Ti2O6(C6H4O7)2xOH]4-x(aq.) + xH+(aq.) (4)
(リチウム陽イオンとチタン(IV)ペルオキソクエン酸燈体陰イオンの水中での分解)
Dibter Schwarzenbach氏(参考文献2)によると、チタン(IV)ペルオキソの構造は、3つの酸素ブリッジによって結ばれている2つのTi(IV)イオンを持つ2量体Ti2O(O222+である。1つのブリッジ(μ-酸素と名付ける)は1個の酸素イオン(O2-)により、2つのブリッジ(μ-過酸化基と名付ける)は過酸化基(O22-)により作られる。図で表すと以下のようになる。
【0016】
【化1】
JP0004695368B2_000002t.gif

【0017】
最近、この種類の錯体構造の問題が(参考文献3,4)で調べられ、この錯体はTi2O2(O2)22+(2つのμ-酸素ブリッジと2つのμ-過酸化基)(参考文献3)もしくはTi2(O2)24+(2つのμ-過酸化基のみ)(参考文献4)と考えられている。クエン酸のようなキレート化剤のない酸環境下では、TiO2+イオンが溶液中のTi(IV)種である。これ(TiO2+イオン)は、H2O2と反応し、不安定な過酸化チタン酸イオンを形成するものと考えられている。その水溶解化学反応は報告されている(参考文献5)。
【0018】
本発明においては、以下の方法(本発明の対象)は、最後のTi(IV)可溶性錯体の詳細を考察することからは離れて、クエン酸のようなキレート剤と組み合わせて過酸化水素水とセラミックのチタン酸リチウムを反応させ、安定に溶解することに本質がある。
【0019】
(2)Li2TiO3溶解と溶液の安定化の方法
本発明の方法は、市販の過酸化水素水(H2O2:30vol%)を用いて、他の不溶解相を含むセラミックス複合材料もしくはシステムから、(X線回折で解析される)純粋な多結晶の単斜晶相のLi2TiO3を回収するための主要な要求を構成している。
【0020】
例えば、Li2TiO3が、リチウムの減損、すなわち酸化チタン(TiO2)を過剰に含んだメタ-チタン酸リチウムとしての構造を持つならば、Li2TiO3相だけでなく、熱化学的に安定な立方晶スピネル構造のLi4Ti5O12を形成する(空気中、1030℃以下)。この事実は、TiO2を添加したLi2TiO3で得られた一連の試料のX線回折スペクトルを示した図1に示されている。図1は、各重量比(wt%)のTiO2粉末を混合したLi2TiO3粉末を始発粉末として焼結した試料のX線回折スペクトルを示している。
【0021】
TiO2添加量(wt%)の増加とともに増加することが観察される唯一の相は、スピネルLi4Ti5O12構造である。また、全体的にもしくは部分的に3価のチタン(Ti(III)を持つ「還元された」チタン酸リチウム、経験式はLixTi2O4(0≦x≦2))は、空気中500℃以上で酸化することにより、過剰のメタ-チタン酸リチウム(Li2TiO3)の存在もとでスピネル構造のLi4Ti5O12に相変化する。言い換えると、Li2TiO3ではLi/Ti比が定比の2であるのに対して、リチウムが損失すると、材料中にスピネル構造のLi4Ti5O12が生成し、存在する事になる。
【0022】
以下に詳細に記述されるが、スピネル相Li4Ti5O12は過酸化水素水に完全に溶解せず、Li/Ti比が2より小さいチタン酸リチウムは溶解しない。そのため、最終的に得られる溶解は、Li/Ti=2の溶液である。
【0023】
(参考文献2)
Dibter Schwarzenbach氏("The Structure of a Chelated Dinuclear Peroxytitanium (IV)", Inorganic Chemistry, Vol. 9, N0. 11, 1970, pag. 2391)
(参考文献3)
M. Dakanali et. Al, "A New Dinuclear Ti(IV)-Perxo-Citrate Complex from Aqueous Solutions, Suhthetic, Structural, and Spectroscopic Studies in Relevence to Aqueous Titanium (IV)-Citrate Speciation", Inorganic Chemistry, Vol. 42, No. 15, 2003, pag. 4632
(参考文献4)
Masato Kakihana et al., “Structure and Stability of Water Soluble”
Inorganic Chemistry, Vol. 40, No. 5, 2001, pag. 891
(参考文献5)
F.P. Rotzinger, M-Gratzel, Characterization of the perhydroxyltitaly ion in acidic aqueous solutions, Inorg. Chem. Vol. 26, 1987, pag. 3704
【実施例】
【0024】
(1)Li2TiO3試料の溶解
約20gのLi2TiO3試料(粉末もしくは2mm以下の球)を溶解するのに必要な化学試薬は以下の通りである。
【0025】
R1: クエン酸(2C6H8O7・H2O)、Rudi Pont試薬級:50g.
R2: 過酸化水素水(H2O2 30vol%):250cm3.
R3: アンモニア水(NH4OH 32%):30cm3.
試料の溶解及びクエン酸ペルオキソ錯体の合成は、図2に示されるように、還流カラム、反応温度制御装置及び撹拌機を有するパイレックス(登録商標)ガラス製反応容器(試料20gに対して体積1リットル)で行われる。図2は、過酸化水素水(H2O2)、クエン酸及びアンモニア水によるLi2TiO3溶解のための反応層を示しており、1は試薬導入ポート、2は撹拝器、3は還流カラム、4は恒温装置である。
【0026】
R2及びR1の試薬を導入(挿入)し、最後にクエン酸は撹拌しながら過酸化水素水で溶解する。この時、温度が上昇する傾向があるので、冷却層の中で30~40℃以上の温度上昇を避けなければならない。
【0027】
撹拌を停止し、試料の完全な溶解まではそのままにしておく。溶解時間は、粒子の大きさにより数時間から半日(夜通し)の間隔で変化する。溶液の色は赤茶色であり、pH=3の酸性である。この溶液中でリチウムイオンの同位体(6Li及び7Li)の調整が可能である。このpH~3の赤茶色の溶液に必要とされている6Li/7Li比にするため6Liが濃縮されたリチウムの塩、酸化物等を添加することにより、同位体比が調整される。
【0028】
最後に残された不溶解物は、前述の冷却層中でろ過し、取り除かなければならない。この残留物は、図3に示されるように、スピネル構造Li4Ti5O12であった。
この構造は、Li/Ti比が2以下である。一方、溶液中のLi/Ti比はちょうど2である。図3は、本発明の方法により、Li/Ti比が1.9(<2)の原子比を有するチタン酸リチウムの試料によって得られた典型的な残留物のX線回折スペクトルを示している。(2)溶液の濃縮過程(シロップ状)
僅かに酸性(pH~3)の赤茶色溶液から高く濃縮したチタン(IV)ペルオキソクエン酸リチウムを得ることは可能である。以下の方法は、高い濃縮液(溶解したLi2TiO3濃度:200-300 g/リットル)を必要とするpH~3とpH~8の限界値に関して記述している。
【0030】
1)酸の限界値:pH~3
赤茶色の溶液を加熱することにより、過酸化水素水は分解する。溶液は、赤色のシロップ状になるが、200~300g/リットルまで濃縮しても安定している。
【0031】
2)アルカリの限界値:pH~8
pH=8~9を得るために、最後にR3の試薬を少し加える。過酸化水素水の分解反応による熱の放出が起こり、温度が上昇するため、この操作は注意して行わなければならない。反応層及びレフレックスカラムを冷却することにより操作することが必要である。反応が終了したとき(溶液の色は橙色)、過酸化水素水の分解は完了する。この溶液は安定であり、200~300g/リットルの範囲で濃縮することができる。この時、(蒸発により)黄色のシロップ状になる。
【0032】
もちろん、R3の試薬を加えることにより、3 ≦ pH ≦8のLi2TiO3の200-300g/リットルに濃縮された溶液(シロップ)を得ることが可能である。リサイクルされたLi2TiO3の最終的な粉末のバッチが溶解プロセスの合計であるならば、以下の工程で用いられるシロップを得るために他のバッチを貯蔵することは便利である。
【0033】
ゾルゲルと名付けた技術による、メタ-チタン酸リチウムの製造のための先駆体として、この濃縮液(シロップ)を使用する。このシロップは、乾燥機の中(できれば真空中)で200℃に乾燥し、その結果として得られる固体はモルタル状の粉末である。
【0034】
粉末は、反応しない容器(たとえば、アルミナ製容器)に置かれ、電気炉の中で空気を流しながら加熱する。熱分析(TG, DTG及びDTA)により、乾燥したシロップについて安定したLi2TiO3粉末を得るための600℃×2時間の条件で熱処理を行った。
【0035】
粉体の特性は以下の通りである。
a)X線回折により、Li2TiO3純度は99%(図4参照)
b )B.E.T.法により測定した比表面積は8~12 m2/g
c)不純物元素は0.1%以下.
図4は、本発明の方法で得られたメタ-チタン酸リチウムのX線回折スペクトルを示している。図4では、比較のため、X線回折スペクトルは、同一測定条件で同じ測定装置を用いて得られた商用のLi2TiO3粉末(STREM-CHEMICALS)を示している。良好な結晶(結晶粒径は非常に小さい)のため、本発明の方法で得られたピーク幅は、SREM試薬と比較して広い。
[発明の効果]
【0036】
本発明により、任意のタイプの成型法及び焼結法により得られるセラミックスのメタ-チタン酸リチウム(ペレット、球状粒子及び任意の形状の物質)の製造における先駆体として得られる微粉末を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】各重量比(wt%)のTiO2粉末を混合したLi2TiO3粉末を始発粉末として焼結した試料のX線回折スペクトルを示す図である。
【図2】過酸化水素水(H2O2)、クエン酸及びアンモニア水によるLi2TiO3溶解のための反応層の概要を示す図である。
【図3】本発明の方法により、Li/Ti比が1.9(<2)の原子比を有するチタン酸リチウムの試料によって得られた典型的な残留物のX線回折スペクトルを示す図である。【符号の説明】
【0038】
1)試薬導入ポート、2)撹拝器、3)還流カラム、4)恒温装置













図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3