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明細書 :9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格を主鎖に含む重合体及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4281896号 (P4281896)
登録日 平成21年3月27日(2009.3.27)
発行日 平成21年6月17日(2009.6.17)
発明の名称または考案の名称 9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格を主鎖に含む重合体及びその製造方法
国際特許分類 C08G  61/12        (2006.01)
C07F   9/6568      (2006.01)
C09K   9/02        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
H01L  51/50        (2006.01)
FI C08G 61/12
C07F 9/6568
C09K 9/02 A
C09K 11/06 680
H05B 33/14 B
請求項の数または発明の数 35
全頁数 24
出願番号 特願2002-571565 (P2002-571565)
出願日 平成14年2月27日(2002.2.27)
国際出願番号 PCT/JP2002/001774
国際公開番号 WO2002/072661
国際公開日 平成14年9月19日(2002.9.19)
優先権出願番号 2001064202
2001310029
2001310030
2001310031
優先日 平成13年3月8日(2001.3.8)
平成13年10月5日(2001.10.5)
平成13年10月5日(2001.10.5)
平成13年10月5日(2001.10.5)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
日本国(JP)
日本国(JP)
審判番号 不服 2006-023540(P2006-023540/J1)
審査請求日 平成16年8月19日(2004.8.19)
審判請求日 平成18年10月18日(2006.10.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
発明者または考案者 【氏名】牧岡 良和
【氏名】田中 正人
【氏名】林 輝幸
個別代理人の代理人 【識別番号】100102668、【弁理士】、【氏名又は名称】佐伯 憲生
参考文献・文献 特開昭58-154718(JP,A)
特開昭58-154716(JP,A)
特開昭57-057716(JP,A)
特開2000-252065(JP,A)
特開2001-139650(JP,A)
調査した分野 C08G61/00-61/12
H01L51/50-51/56
H01L33/00
C09K9/00-9/02
C09K11/00-11/07
C07F9/6568
CA STN
REGISTRY STN
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式[I]
【化1】
JP0004281896B2_000016t.gif
[式中の-Q-は単結合、-Ar-(但しArはアリーレン基を示す。)又は下記一般式[II]
【化2】
JP0004281896B2_000017t.gif
(但し、R’は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アリール基、同アラルキル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を示し、上記式中のオレフィン結合のいずれの炭素に結合していても良い。)
で示されるビニレン基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。nは3~30000の整数を示す。]
で表される、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格、該骨格とビニレン骨格、又は該骨格とアリーレン骨格を主鎖に含む重合体。
【請求項2】
一般式[I]において、-Q-が単結合である、下記一般式[III]
【化3】
JP0004281896B2_000018t.gif
(式中のRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。nは3~30000の整数を示す。)
で表される請求項1に記載の重合体。
【請求項3】
一般式[I]において、-Q-が-Ar-である下記一般式[IV]
【化4】
JP0004281896B2_000019t.gif
(式中のArはアリーレン基を示す。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。nは3~30000の整数を示す。)
で表される、請求項1に記載の重合体。
【請求項4】
一般式[I]において、-Q-が前記一般式[II]で示されるビニレン基である下記一般式[V]
【化5】
JP0004281896B2_000020t.gif
(式中のR’は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アリール基、同アラルキル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を示し、上記式中のオレフィン結合のいずれの炭素に結合していても良い。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。nは3~30000の整数を示す。)
で表される、請求項1に記載の重合体。
【請求項5】
一般式[VI]
【化6】
JP0004281896B2_000021t.gif
(式中のRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)
で表される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンを脱ハロゲン重縮合させるか、アリーレンビスボロン酸と反応させて重縮合させるか又はオレフィンと重縮合反応させることを特徴とする請求項1に記載の重合体の製造方法。
【請求項6】
重縮合反応を遷移金属化学種の存在下に実施する請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
低原子価でない遷移金属化学種に還元剤を加えて発生させた低原子価遷移金属化学種を用いて重縮合反応を実施する請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
遷移金属がニッケルである請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項9】
遷移金属がパラジウムである請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項10】
一般式[VI]で表される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンを脱ハロゲン重縮合させることを特徴とする請求項2に記載の重合体の製造方法。
【請求項11】
重縮合反応を遷移金属化学種の存在下に実施する請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
遷移金属化学種が低原子価遷移金属化学種である請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
低原子価でない遷移金属化学種に還元剤を加えて発生させた低原子価遷移金属化学種を用いて重縮合反応を実施する請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
遷移金属がニッケルである請求項11~13の何れかに記載の製造方法。
【請求項15】
一般式[VI]で表される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに下記一般式[VII]
(HO)B-Ar-B(OH) [VII]
(式中のArはアリーレン基を示す。)
で表されるアリーレンビスボロン酸を反応させて重縮合することを特徴とする、請求項3に記載の重合体の製造方法。
【請求項16】
重縮合反応をパラジウム触媒の存在下に実施する請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
パラジウム触媒が低原子価の錯体触媒である請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
パラジウム触媒が、3級ホスフィンまたは3級ホスファイトを配位子とする2価の錯体である請求項16に記載の製造方法。
【請求項19】
パラジウム触媒が、反応系中で容易に低原子価錯体に変換し得る前駆体錯体である請求項17に記載の製造方法。
【請求項20】
パラジウム触媒が、3級ホスフィンまたは3級ホスファイトを配位子として含まないパラジウム錯体と、3級ホスフィン又は/及び3級ホスファイトとを併用し、反応系中で形成させた3級ホスフィン又は/及び3級ホスファイトを配位子とする低原子価錯体である請求項16に記載の製造方法。
【請求項21】
一般式[VI]で示される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンと一般式[VIII]
【化7】
JP0004281896B2_000022t.gif
(式中のR’は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アリール基、同アラルキル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を示す。)
で表されるオレフィンとを重縮合反応させることを特徴とする、請求項4に記載の重合体の製造方法。
【請求項22】
オレフィンがエチレンである請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
重縮合反応を遷移金属化学種の存在下に実施する請求項21又は22に記載の製造方法。
【請求項24】
遷移金属化学種が低原子価遷移金属化学種である請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
低原子価でない遷移金属化学種に還元剤を加えて発生させた低原子価遷移金属化学種を用いて重縮合反応を実施する請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
遷移金属がパラジウムである請求項23~25の何れかに記載の製造方法。
【請求項27】
パラジウム触媒が、3級ホスフィンまたは3級ホスファイトを配位子とする2価の錯体である請求項26に記載の製造方法。
【請求項28】
パラジウム触媒が、反応系中で容易に低原子価錯体に変換し得る前駆体錯体である請求項26に記載の製造方法。
【請求項29】
パラジウム触媒が、3級ホスフィンまたは3級ホスファイトを配位子として含まないパラジウム錯体と、3級ホスフィン又は/及び3級ホスファイトとを併用し、反応系中で形成させた3級ホスフィン又は/及び3級ホスファイトを配位子とする低原子価錯体である請求項26に記載の製造方法。
【請求項30】
一般式[I]
【化8】
JP0004281896B2_000023t.gif
(式中の-Q-は単結合、-Ar-(但しArはアリーレン基を示す。)又は下記一般式[II]
【化9】
JP0004281896B2_000024t.gif
(但し、R’は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アリール基、同アラルキル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を示し、上記式中のオレフィン結合のいずれの炭素に結合していても良い。)
で示されるビニレン基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。nは3~30000の整数を示す。)
で表される、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格、該骨格とビニレン骨格、又は該骨格とアリーレン骨格を含む重合体を含んでなる発光素子又はエレクトロクロミック素子。
【請求項31】
一般式[IX]
【化10】
JP0004281896B2_000025t.gif
(式中のRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。)
で表される9-オキソ-9-ホスファフルオレンをハロゲン分子でハロゲン化することを特徴とする、一般式[VI]
【化11】
JP0004281896B2_000026t.gif
(式中のRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)
で表される、2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン化合物の製造方法。
【請求項32】
ハロゲン化反応をルイス酸触媒の存在下に実施する請求項31に記載の製造方法。
【請求項33】
ルイス酸触媒が金属又は金属塩である請求項32に記載の製造方法。
【請求項34】
ルイス酸触媒を構成する金属が鉄、アルミニウム又はアンチモンである請求項33に記載の製造方法。
【請求項35】
一般式[VI]
【化12】
JP0004281896B2_000027t.gif
(式中のRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)
で表される、2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン化合物。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リン原子で縮環された9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格を主鎖に含む重合体に関する。詳しくは、当該骨格、当該骨格とビニレン基、および当該骨格とアリーレン基を主鎖に含む重合体及びその製造方法、並びにその発光素子または、エレクトロクロミック素子の構成材料としての用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
9-オキソ-9-ホスファフルオレン化学種の製造法は公知である。しかしながら、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格、或いは該骨格とビニレン骨格またはアリーレン骨格を主鎖に含む重合体およびその製造方法,並びに該重合体の発光素子又はエレクトロクロミック素子材料としての挙動は知られていない。また、当該重合体の原料モノマーとして用いられる2,7-ジハロ-9-アルキル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン化合物およびその製造方法も知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発光素子やエレクトロクロミック素子の構成材料等として利用可能な9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格、該骨格とビニレン骨格またはアリーレン骨格を主鎖に含む重合体およびその製造方法を提供することを課題とする。また、これらの重合体の原料モノマーとして用いられる2,7-ジハロ-9-アルキル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン化合物及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式[I]
【化13】
JP0004281896B2_000002t.gif[式中の-Q-は単結合、-Ar-(但しArはアリーレン基を示す。)又は下記一般式[II]
【化14】
JP0004281896B2_000003t.gif(但し、R’は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アリール基、同アラルキル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を示し、上記式中のオレフィン結合のいずれの炭素に結合していても良い。)で示されるビニレン基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。nは3~30000の整数を示す。]で表される、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格、該骨格とビニレン骨格、または該骨格とアリーレン骨格を主鎖に含む重合体及びその製造方法並びに該重合体を含んでなる発光素子又はエレクトロクロミック素子に関する。
【0005】
上記一般式[I]において、-Q-が単結合の場合、下記一般式[III]
【化15】
JP0004281896B2_000004t.gif(式中のRおよびnは前記と同じ。)で表される、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格を主鎖に含む重合体となる。
【0006】
また、上記一般式[I]において-Q-が-Ar-の場合、下記一般式[IV]
【化16】
JP0004281896B2_000005t.gif(式中R、Ar及びnは前記と同じ。)で表される、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格とアリーレン骨格を主鎖に含む重合体となる。
【0007】
さらに、前記一般式[I]において-Q-が前記一般式[II]で示されるビニレン基の場合、下記一般式[V]
【化17】
JP0004281896B2_000006t.gif(式中のR、R’及びnは前記と同じ。)で表される、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格及びビニレン骨格を主鎖に含む重合体となる。
【0008】
一般式[I]、[III]、[IV]及び[V]において、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、同シクロアルキル基、同アラルキル基、同アリール基、同アルコキシ基、同シクロアルキロキシ基、同アラルキロキシ基又は同アリーロキシ基を示す。
【0009】
前記Rが置換基を有していてもよいアルキル基である場合のアルキル基としては、好ましくは炭素数1~20、より好ましくは1~15の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-又はiso-プロピル基、n-、iso-、sec-又はtert-ブチル基、n-、iso-、sec-、tert-又はneo-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-オクチル基、n-ノニル基などが例示される。
【0010】
前記Rが置換基を有していてもよいシクロアルキル基である場合のシクロアルキル基としては、好ましくは炭素数5~18、より好ましくは5~10のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが例示される。
【0011】
前記Rが置換基を有していてもよいアラルキル基である場合のアラルキル基としては、好ましくは炭素数7~13、より好ましくは7~11のアラルキル基が挙げられ、その具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが例示される。
【0012】
前記Rが置換基を有していてもよいアリール基である場合のアリール基としては、好ましくは炭素数6~18、より好ましくは6~14のアリール基が挙げられ、その具体例としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基などが例示される。
【0013】
前記Rが置換基を有していてもよいアルコキシ基である場合のアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1~20、より好ましくは1~15のアルコキシ基が挙げられ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-又はiso-プロポキシ基、n-、iso-、sec-又はtert-ブトキシ基、n-、iso-、sec-、tert-又はneo-ペンチロキシ基、n-ヘキシロキシ基、n-ヘプチロキシ基、n-オクチロキシ基、2-オクチロキシ基などが例示される。
【0014】
前記Rが置換基を有していてもよいシクロアルキロキシ基である場合のシクロアルキロキシ基としては、好ましくは炭素数5~18、より好ましくは5~10のシクロアルキロキシ基が挙げられ、その具体例としては、シクロペンチロキシ基、シクロヘキシロキシ基、シクロオクチロキシ基、シクロドデシロキシ基などが例示される。
【0015】
前記Rが置換基を有していてもよいアラルキロキシ基である場合のアラルキロキシ基としては、好ましくは炭素数7~13、より好ましくは7~11のアラルキロキシ基が挙げられ、その具体例としては、ベンジロキシ基、フェネチロキシ基、ナフチルメチロキシ基などが例示される。
【0016】
前記Rが置換基を有していてもよいアリーロキシ基である場合のアリーロキシ基としては、好ましくは炭素数6~18、より好ましくは6~14のアリーロキシ基が挙げられ、その具体例としては、フェノキシ基、1-又は2-ナフチロキシ基、トリロキシ基、キシリロキシ基などが例示される。
【0017】
これらアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキロキシ基、アラルキロキシ基及びアリーロキシ基の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、n-又はiso-プロピル基等のアルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子等が挙げられるが、これ以外のものでも、本発明の製造方法に係る重縮合反応に支障を来さないものであれば何れの置換基でも良い。
【0018】
前記一般式[IV]において、Arは置換又は無置換のアリーレン基を示し、そのアリーレン基の炭素数は6ないし14の範囲である。具体例としては、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、2,5-ジメチル-1,4-フェニレン基、2,3-ジメチル-1,4-フェニレン基、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレン基、2,5-ジメトキシ-1,4-フェニレン基、2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレン基、2,5-ビス(1-メチルヘプチロキシ)-1,4-フェニレン基などが例示される。
【0019】
前記一般式[II]及び[V]において、R’は水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アリール基、同アラルキル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を示す。
【0020】
R’が置換基を有しても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アリール基、同アラルキル基の場合のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の定義及び具体例、並びに置換基の定義及び具体例は、Rについてそれぞれ前記したものと同じである。
【0021】
R’がアルコキシカルボニル基の場合のアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数1~20、より好ましくは1~15のアルコキシ基を含むものが挙げられ、具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-又はiso-プロポキシカルボニル基、n-、iso-、sec-又はtert-ブトキシカルボニル基、n-、iso-、sec-、tert-又はneo-ペントキシカルボニル基、n-ヘキソキシカルボニル基、n-ヘプトキシカルボニル基、n-オクトキシカルボニル基、2-オクトキシカルボニル基などが例示される。
【0022】
これらのR’は、オレフィンのどの部位に結合していても良い。
【0023】
前記一般式[III]で表される重合体は、下記一般式[VI]
【化18】
JP0004281896B2_000007t.gif(式中のRは前記と同じ。Xはハロゲンを示す。)で示される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンを脱ハロゲン重縮合することによって製造することができる。
【0024】
上記一般式[VI]において、Xで示されるハロゲン原子の具体例としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0025】
当該重縮合反応は、遷移金属化学種、殊に一般に酸化的付加反応として知られる反応形式において有機ハロゲン化合物に対し反応活性を示す低原子価遷移金属化学種の存在下に効果的に進行する。遷移金属としては、周期律表第8ないし10族のいわゆる後周期遷移金属が好ましく、具体的には、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金などが例示されるが、ニッケルが特に好ましい。低原子価遷移金属化学種は、あらかじめ調製して用いても良いが、原子価のより高い遷移金属化学種に還元剤を加えて発生させ、それをそのまま用いることも出来る。この場合の還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、金属亜鉛、ヒドラジン等が用いられる。遷移金属化学種は、前記2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに対して1当量以上用いるのが好ましいが、還元剤の存在下に実施する場合には、いわゆる触媒量の使用でも目的を達することが出来る。
【0026】
当該重縮合反応は、種々の温度で実施できるが、通常-70~180℃、特に0~150℃が好ましい。
【0027】
当該重縮合反応においては、溶媒を用いることが好ましい。その具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフランなどが例示される。重縮合の進行にとって用いる溶媒の量に制限はないが、前記2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン1mmolに対して通常は0.1~100mL、好ましくは1~20mLである。
【0028】
反応後の後処理法は、自体公知の押し出し晶出、濾取および水洗などを行えばよく、生成物の単離及び精製は再沈澱等によって容易に行うことができる。
【0029】
前記一般式[IV]で示される重合体は、一般式[VI]で示される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンを溶媒に溶かし、一般式[VII]
【化19】
JP0004281896B2_000008t.gif(Arは前記と同じ。)で表されるアリーレンビスボロン酸を反応させて重縮合することによって製造することができる。
【0030】
好ましく用いられるアリーレンビスボロン酸の具体例としては、1,2-フェニレンビスボロン酸、1,3-フェニレンビスボロン酸、1,4-フェニレンビスボロン酸、2-メチル-1,4-フェニレンビスボロン酸、2,5-ジメチル-1,4-フェニレンビスボロン酸、2,3-ジメチル-1,4-フェニレンビスボロン酸、1,4-ジメチル-2,3-フェニレンビスボロン酸、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンビスボロン酸、2,5-ジメトキシ-1,4-フェニレンビスボロン酸、2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレンビスボロン酸、2,5-ビス(1-メチルヘプチロキシ)-1,4-フェニレンジボロン酸などが例示される。
【0031】
アリーレンビスボロン酸は、前記2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン1当量あたり0.5~2当量、好ましくは0.7~1.2当量の割合で用いられる。
【0032】
当該重縮合反応は、パラジウム触媒の存在下に好ましい速度で進行する。パラジウム触媒としては、公知の種々のものを用いることができるが、好適なものはいわゆる低原子価の錯体であり、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子とする2価の錯体が特に好ましい。また、反応系中で容易に低原子価に変換される適当な前駆体を用いることも好ましい態様である。
【0033】
さらに、反応系中で、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子として含まない錯体と3級ホスフィンやホスファイトを混合し、反応系中で3級ホスフィン又はホスファイトを配位子とする低原子価錯体を形成させる方法も好ましい態様である。これらのいずれかの方法で有利な性能を発揮する配位子としては、種々の3級ホスフィンや3級ホスファイトが挙げられる。
【0034】
本反応において、好適に用いることができる配位子を例示すると、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。これらに組み合わせて、若しくは、組み合わせることなく用いられる、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子として含まない錯体としては、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)ビスヘキサフルオロペンタンジオナート、パラジウム(II)ビスペンタンジオナートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、好適に用いられるホスフィン又はホスファイト錯体としては、ジメチルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジフェニルメチルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。
【0035】
パラジウム錯体は、2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン1当量あたり0.00001~20当量、好ましくは0.0001~2当量の割合で用いられる。
【0036】
前記のパラジウム錯体によるカップリング反応では、塩基を用いることにより好ましい速度が達成される。塩基としては種々の無機又は有機塩基を用いることが出来、その具体例としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム、酸化アルミニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミンン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-N-メチルシピペリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N-メチルモルホリン、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドなどが例示される。使用する塩基は、2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン1当量に対して1~100当量、好ましくは2~20当量の割合で用いられる。
【0037】
本反応は、種々の温度で実施できるが、通常-70~180℃、特に0~150℃が好ましい。
【0038】
本反応においては、溶媒を用いることが好ましい。その具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、水などが例示される。重縮合の進行にとって用いる溶媒の量に制限はないが、2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン1mmolに対して通常は0.1~100mL、好ましくは1~20mLである。
【0039】
反応後の後処理法は、自体公知の押し出し晶出、濾取および水洗などを行えばよく、生成物の単離及び精製は再沈澱等によって容易に行うことができる。
【0040】
前記一般式[V]で表される重合体は、上記一般式[VI]で示される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンと下記一般式[VIII]で示されるオレフィンを一般にヘック反応として知られる重縮合反応に付すことによって製造することができる。
【化20】
JP0004281896B2_000009t.gif(式中のR’は、前記と同じ。)
【0041】
当該重縮合反応は、遷移金属化学種、殊にヘック反応に一般に用いられる遷移金属化学種の存在下に効率的に進行する。遷移金属としては、周期律表第8ないし10族のいわゆる後周期遷移金属が好ましく、低原子価のもの、特にニッケル、パラジウムを含む低原子価のものが効果的である。低原子価遷移金属化学種は、あらかじめ調製して用いても良いが、反応系中で容易に低原子価遷移金属化学種に変換される適当な前駆体を用いることも好ましい態様である。これらのあらかじめ調製して用いる態様、前駆体を用いる態様のいずれかの態様で用いられる遷移金属化学種として、金属粉末等の金属単体、活性炭等に担時した金属、各種の配位子を配位した金属塩または金属錯体などが挙げられる。3級ホスフィンや3級ホスファイト、イミン類、ピリジン誘導体を配位子とする錯体や、上記の後周期の金属化学種にこれらの配位子を添加して発生する化学種は特に好ましく用いられる。
【0042】
本反応において、好適に用いることができる配位子を例示すると、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、トリ(2-フリル)ホスフィン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、フェニル亜ホスホン酸ジメチル、ジフェニル亜ホスフィン酸メチル、エチレン-1,2-ビスオキサゾリン、ジフェニルホスフィノメチルオキサゾリン、ピリジン、1,1’-ジピリジル、オルトフェナントロリンなどが挙げられる。
【0043】
本反応においてこれらのあらかじめ調製して用いる態様、前駆体を用いる態様のいずれかの態様で用いられる遷移金属化学種として、好適に用いられる遷移金属化学種を具体的に例示すると、パラジウム粉末、活性炭担持パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)ビスヘキサフルオロペンタンジオナート、パラジウム(II)ビスペンタンジオナート、ジメチルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジフェニルメチルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ジメチル[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、ジメチル[1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(オルトフェナントロリン)パラジウム、ジクロロ[エチレン-1,2-ビスオキサゾリン]パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
遷移金属化学種は、前記2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに対して0.00001~20当量、好ましくは0.0001~2当量の割合で用いられる。
【0045】
本反応は、塩基を用いることにより好ましい速度が達成される。塩基としては種々の無機または有機塩基を用いることができ、その具体例としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、N-メチルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-N-メチルピペリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N-メチルモルホリンなどが例示される。使用する塩基の量は、大過剰であっても良いが、通常は2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに対して1~100当量、好ましくは2~20当量の割合で用いられる。
本反応の生起には用いるオレフィンの量に制限はないが、より高い重合度を実現するには一般的には2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに対して通常は0.5当量以上であることが好ましく、より好ましくは0.95~200当量である。用いるオレフィンが室温でガス状である場合には、その圧力は、当該ガスの溶解度や反応性を考慮して決められるが、一般的には0.1~100気圧、好ましくは0.5~10気圧の範囲から選定される。
【0046】
本反応は、種々の温度で実施できるが、通常-70~180℃、特に0~150℃が好ましい。
【0047】
本反応においては、溶媒を用いることが好ましい。その具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、キシレン、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどが例示される。重縮合の進行にとって用いる溶媒の量に制限はないが、2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン1mmolに対して通常は0.1~100mL、好ましくは0.3~10mLである。また、前記した塩基として液体の塩基を用いる場合には、該塩基を大過剰に用いてこれに溶媒としての役割を持たせることも、本発明の有利な態様である。
【0048】
反応後の後処理法は、自体公知の押し出し晶出、濾取および水洗などを行えばよく、生成物の単離及び精製は再沈澱等によって容易に行うことができる。
【0049】
本発明の製造方法において、原料として用いられる、2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン化合物は、下記一般式[IX]
【化21】
JP0004281896B2_000010t.gif(式中のRは前記と同じ。)で表される9-オキソ-9-ホスファフルオレンをハロゲン分子でハロゲン化することによって得られる。
【0050】
本反応は分子状の塩素、臭素、ヨウ素を用いて実施するのが好ましい。これらハロゲン分子の使用量は、上記一般式[IX]で表される9-オキソ-9-ホスファフルオレンに対して少なくとも2当量必要であるが、これより過剰に用いても良い。
【0051】
本反応は、ルイス酸触媒の存在下に効果的に進行する。ルイス酸触媒としては、芳香族親電子置換反応に一般的に用いられるものを好ましく用いることが出来、具体的には、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄、塩化アンチモンなどが挙げられる。また、これらの前駆体となる金属を用いても良く、例えば、金属アルミニウム、金属鉄などが例示される。これらの触媒の使用量は、原料である前記一般式[IX]に示される9-オキソ-9-ホスファフルオレンに対して1当量以上用いても良いが、いわゆる触媒量であっても効率的に進行する。
【0052】
本反応は、種々の温度で実施できるが、通常-70~180℃、特に0~150℃が好ましい。
【0053】
本反応においては、溶媒を用いることなく反応を行うことが出来る。しかし、出発原料の9-オキソ-9-ホスファフルオレンが固体の場合には、溶媒を用いて実施しても良く、その際の溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、酢酸等のカルボン酸類、二硫化炭素、ニトロベンゼン等の芳香族ニトロ化物等が好ましく用いられる。
【0054】
生成物の単離及び精製は常法、例えば再結晶、クロマトグラフィーなどによって容易に行うことができる。
【0055】
一般式[VI]で表される2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0056】
本発明の重合体は、スピンコーティングやキャスト法等の簡便な成形加工手法により、薄膜化が可能であり、有機薄膜エレクトロクロミック素子や有機発光素子の構成材料とすることが出来る。
【0057】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0058】
実施例1
窒素雰囲気下で、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル0.336g(1.2mmol)、1,5-シクロオクタジエン(0.2mL)、α,α’-ジピリジル0.200g(1.3mmol)、2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=n-ノニル基,X=臭素)0.484g(1.0mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド20mLに加え、60℃にて48時間加熱攪拌した。反応混合物を0.5M希塩酸100mL中に注ぎ、得られた粉末をろ過した。この粉末を水50mLで洗浄した後にクロロホルム5mLに溶解してメタノール100mLで再沈澱することにより、0.295g(モノマー単位で0.91mmol)の9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基を繰り返し単位とする重合体(一般式[III]において、R=ノニル基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であり、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)により算出した数平均分子量は3980、重量平均分子量は8025であった。
【0059】
そのNMRスペクトルデータ及び元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.83(3H,brs),1.22(10H,brs),1.37(2H,brs),1.61(2H,brs),2.17(2H,brs),7.87(4H,brs),8.09(2H,brs)。
31P-NMR(CDCl):δ43.7。
元素分析,n=12(C2523011212Br)としての計算値:C,76.17;H,7.63;Br,2.01。実測値:C,75.93;H,7.88;Br,2.22。
【0060】
実施例2
実施例1において、2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに代えて、2,7-ジブロモ-9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=2-オクチル基,X=臭素)0.470g(1.0mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にして、0.251g(モノマー単位で0.81mmol)の9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基を繰り返し単位とする重合体(一般式[III]において、R=2-オクチル基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であった。ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)により算出した数平均分子量は3356、重量平均分子量は4679であった。
【0061】
そのNMRスペクトルデータ及び元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.84(3H,brs),1.24(9H,brs),1.50(1H,brs),1.72(2H,brs),1.92(1H,brs),2.34(1H,brs),7.85(4H,brs),8.05(2H,brs)。
31P-NMR(CDCl):δ50.2。
元素分析,n=10(C2002311010Br)としての計算値:C,75.43;H,7.31;Br,2.51。実測値:C,75.23;H,7.45;Br,2.54。
【0062】
実施例3
実施例1において、2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに代えて、2,7-ジブロモ-9-プロピル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=n-プロピル基,X=臭素)0.200g(0.50mmol)を使用し、0.168g(0.50mmol)のビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル、0.1mLの1,5-シクロオクタジエン、0.100g(0.64mmol)のα,α’-ジピリジル、10mLのN,N-ジメチルホルムアミドを使用した以外は、実施例1と同様にして、0.99g(モノマー単位で0.38mmol)の9-プロピル9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基を繰り返し単位とする重合体(一般式[III]において、R=n-プロピル基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であった。また、赤外吸収分光測定により該重合体が水和物であることを確認した。元素分析により算出した数平均分子量は3180であった。
【0063】
そのNMRスペクトルデータ及び元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ1.03(3H,brs),1.64(2H,brs),1.95(2H,brs),2.18(2H,brs),7.74(4H,brs),8.04(2H,brs)。
31P-NMR(CDCl):δ43.5。
元素分析,n=12(C1801812412Br)としての計算値:C,67.99;H,5.74。実測値:C,68.05;H,5.72。
【0064】
実施例4
窒素雰囲気下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.012g(0.010mmol)と2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=n-ノニル基,X=臭素)0.484g(1.0mmol)、2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレンジボロン酸0.367g(1.0mmol)、リン酸三カリウム2.0g、N,N-ジメチルホルムアミド10mLの混合物を125℃に加熱し、この温度で48時間攪拌した。反応混合物を水100mL中に注ぎ、得られた粉末をろ過した。この粉末を水50mLで洗浄した後にクロロホルム5mLに溶解してメタノール100mLで再沈澱することにより、0.495g(モノマー単位で0.83mmol)の9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基および2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレン基を主鎖に含む重合体(一般式[IV]において、R=ノニル基,Ar=2,5-ジヘキシロキ-1,4-フェニレン基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化合物であり、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)により算出した数平均分子量は10100、重量平均分子量は22000であった。また、元素分析により算出した該重合体の平均分子量は8290であった。
【0065】
そのNMRスペクトルデータおよび元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.86(6H,brs),1.31(16H,brs),1.64(12H,brs),1.77(2H,brs),4.02(4H,brs),7.10(2H,m),7.84-7.87(2H,m),7.83-7.93(2H,m),8.09(2H,d,J=9.3Hz)。
31P-NMR(CDCl):δ43.9。
元素分析,n=13(C5287144014Br)としての計算値:C,76.45;H,8.68;Br,1.93。観測値:C,76.61;H,8.83;Br,2.20。
【0066】
実施例5
実施例4において、2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに代えて、2,7-ジブロモ-9-オキソ-9-ホスファ-9-プロピルフルオレン(一般式[VI]において、R=n-プロピル基,X=臭素)0.400g(1.0mmol)を使用した以外同様にして、0.460g(モノマー単位で0.89mmol)の9-オキソ-9-ホスファ-9-プロピルフルオレン-2,7-ジイル基および2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレン基を主鎖に含む重合体(一般式[IV]において、R=プロピル基、Ar=2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレン基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化合物であり、GPC法により算出したTHF可溶部の数平均分子量は6230、重量平均分子量は8980であった。また、元素分析により算出した該重合体の平均分子量は9090であった。
【0067】
そのNMRスペクトルデータおよび元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.87(6H,brs),0.99(3H,brs),1.31(2H,brs),1.77(6H,brs),2.13(2H,brs),3.98(4H,brs),6.98(2H,s),7.87(4H,m),8.09(2H,d,J=8.0Hz)。
31P-NMR(CDCl):δ44.0。
元素分析,n=14(C4775874315Br)としての計算値:C,74.94;H,7.73;Br,2.10。観測値:C,74.73;H,7.88;Br,1.76。
【0068】
実施例6
実施例4において、2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレンジボロン酸に代えて1,4-フェニレンジボロン酸0.166g(1.0mmol)を使用した以外同様にして0.319g(モノマー単位で0.80mmol)の9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基および1,4-フェニレン基を主鎖に含む重合体(一般式[IV]において、R=ノニル基、Ar=1,4-フェニレン基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化合物であり、GPC法により算出したTHF可溶部の数平均分子量は2110、重量平均分子量は2380であった。また、元素分析により算出した該重合体の平均分子量は4090であった。
【0069】
そのNMRスペクトルデータおよび元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.83(3H,brs),1.20(10H,brs),1.61(2H,brs),2.15(2H,brs),7.47(2H,m),7.65-7.87(6H,m),8.14(2H,m)。
31P-NMR(CDCl):δ43.9。
元素分析,n=9(C2642861010Br)としての計算値:C,77.55;H,7.05;Br,3.91。観測値:C,77.37;H,7.10;Br,3.98。
【0070】
実施例7
ガラス容器に酢酸パラジウム0.0012g(0.010mmol)、トリ-o-トリルホスフィン0.0061g(0.020mmol)、トリ-n-ブチルアミン0.43mL、2,7-ジブロモ-9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=2-オクチル基、X=臭素)0.235g(0.50mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド0.5mLを加えた。反応系を常圧のエチレン容器に接続して系内をエチレン雰囲気とし、ガラス容器を125℃の油浴に浸け、48時間加熱攪拌した。反応混合物を0.5M希塩酸100mL中に注ぎ、得られた粉末をろ過し、この粉末を水50mLで洗浄した後にクロロホルム5mLに溶解してジエチルエーテル100mLで再沈澱することにより、0.077g(モノマー単位で0.23mmol)の9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基及びビニレン基をを繰り返し単位とする重合体(一般式[V]において、R=2-オクチル基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であり、ゲル浸透クロマトグラフィー法により算出した数平均分子量は1530、重量平均分子量は2540であった。
【0071】
そのNMRスペクトルデータ及び元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.84(6H,brs),1.03(2H,brs),1.23(6H,brs),1.47(1H,brs),1.86(1H,brs),2.28(1H,brs),6.94-8.46(8H,m)。
31P-NMR(CDCl):δ50.4。
元素分析,n=5(C130148Br)としての計算値:C,72.55;H,6.93。実測値:C,72.15;H,7.27。
【0072】
実施例8
実施例7において、2,7-ジブロモ-9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに代えて、2,7-ジブロモ-9-プロピル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=n-プロピル基,X=臭素)0.200g(0.50mmol)を使用した以外は、実施例7と同様にして、0.112g(モノマー単位で0.39mmol)の9-プロピル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基及びビニレン基を繰り返し単位とする重合体(一般式[V]において、R=n-プロピル基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であった。また、赤外吸収分光測定により該重合体が水和物であることを確認した。元素分析により算出した数平均分子量は2410であった。
【0073】
そのNMRスペクトルデータ及び元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.99(3H,brs),1.35(2H,brs),1.76(2H,brs),2.14(2H,m),7.23(2H,s),7.43-8.04(6H,m)。
31P-NMR(CDCl):δ43.6。
元素分析,n=7(C13413416Br)としての計算値:C,66.84;H,5.61。実測値:C,66.96;H,6.05。
【0074】
実施例9
実施例8において、N,N-ジメチルホルムアミドに代えてキシレンを使用した以外は、実施例7と同様にして、0.114g(モノマー単位で0.40mmol)の9-プロピル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基及びビニレン基を繰り返し単位とする重合体(一般式[V]において、R=n-プロピル基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であった。また、赤外吸収分光測定により該重合体が水和物であることを確認した。元素分析により算出した数平均分子量は3260であった。
【0075】
そのNMRスペクトルデータ及び元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.98(3H,brs),1.37(2H,brs),1.97(2H,brs),2.14(2H,m),7.20(2H,s),7.57-8.16(6H,m)。
31P-NMR(CDCl):δ43.4。
元素分析,n=10(C1851852211Br)としての計算値:C,68.14;H,5.72。実測値:C,68.04;H,6.12。
【0076】
実施例10
9-オキソ-9-ホスファ-9-プロピルフルオレン(一般式[IX]において、R=n-プロピル基)5.88g(24.3mmol)と鉄粉0.243g(4.35mmol)の混合物に臭素12.3mLを30分間かけて加え、65℃にて24時間加熱攪拌した。反応液を水500mLと混合し、クロロホルム500mLで抽出した後、クロロホルム溶液を飽和チオ硫酸ナトリウム200mLで洗浄した。クロロホルム溶液を硫酸マグネシウム無水物で乾燥し、濃縮した後、得られた固体をメタノールで再結晶することにより、6.32g(15.8mmol)の2,7-ジブロモ-9-オキソ-9-ホスファ-9-プロピルフルオレン(一般式[VI]において、R=n-プロピル基)を単離した。得られた該化合物は無色の板状結晶で、文献未記載の新規化学種であった。
【0077】
そのIR及びNMRスペクトルデータ並びに融点測定及び元素分析の結果については以下の通りである。
IR(KBr):2956.3,2933.2,2875.3,1456.0,1394.3,1174.4,1072.2,817.7cm-1
H-NMR(CDCl):δ1.00(3H,t,J=7.3Hz),1.50-1.59(2H,m),2.04-2.14(2H,m),7.61(2H,dd,J=1.9,8.3Hz),7.71(2H,dd,J=0.6,8.3Hz),7.92(2H,dd,J=1.6,9.2Hz)。
13C-NMR(CDCl):δ15.5(d,J=16.8Hz),15.9(d,J=3.5Hz),32.3(d,J=69.7Hz),122.8(d,J=10.1Hz),123.6(d,J=13.7Hz),132.4(d,J=10.3Hz),134.0(d,J=98.4Hz),136.3(d,J=1.9Hz),139.0(d,J=9.98Hz)。
31P-NMR(CDCl):δ42.2。
融点:226.0-226.4℃。
元素分析,C1513OPBrとしての計算値:C,45.04;H,3.28。実測値:C,45.08;H,3.10。
【0078】
実施例11
実施例10において、9-オキソ-9-ホスファ-9-プロピルフルオレンに代えて、9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[IX]において、R=ノニル基)7.93g(24.3mmol)を使用した以外は、実施例9と同様にして、5.63g(11.6mmol)2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=ノニル基)を単離した。得られた該化合物は無色の針状結晶で、文献未記載の新規化学種であった。
【0079】
そのIR及びNMRスペクトルデータ並びに融点測定及び元素分析の結果については以下の通りである。
IR(KBr):2952.5,2921.6,2850.7,1454.1,1394.3,1176.4,1089.6,821.5cm-1
H-NMR(CDCl):δ0.86(3H,t,J=6.7Hz),1.21-1.27(10H,m),1.28-1.33(2H,m),1.47-1.53(2H,m),2.03-2.13(2H,m),7.61(2H,dd,J=2.3,8.0Hz),7.70(2H,dd,J=0.6,8.0Hz),7.92(2H,dd,J=1.5,9.2Hz)。
13C-NMR(CDCl):δ14.1,21.9(d,J=18.9Hz),22.6,28.9,29.2,29.3,30.0(d,J=69.8Hz),30.8(d,J=15.5Hz),31.8, 122.8(d,J=10.1Hz),123.7(d,J=13.6Hz),132.4(d,J=10.3Hz),134.0(d,J=98.6Hz),136.5(d,J=1.8Hz),139.0(d,J=19.5Hz)。
31P-NMR(CDCl):δ42.5。
融点95.0-96.0℃:。
元素分析,C2125OPBrとしての計算値:C,52.09;H,5.20。実測値:C,52.21;H,5.11。
【0080】
実施例12
実施例10において、9-オキソ-9-ホスファ-9-プロピルフルオレンに代えて、9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[IX]において、R=2-オクチル基)7.59g(24.3mmol)を使用した以外は、実施例10と同様にして、5.35g(11.4mmol)の2,7-ジブロモ-9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=2-オクチル基)を単離した。得られた該化合物は無色の針状結晶で、文献未記載の新規化学種であった。
【0081】
そのIR及びNMRスペクトルデータ並びに融点測定及び元素分析の結果については以下の通りである。
IR(KBr):2950.6,2925.5,2854.1,1450.2,1392.4,1172.5,1085.7,821.5cm-1
H-NMR(CDCl):δ0.84(3H,t,J=6.0Hz),1.00(3H,dd,J=6.9,18.9Hz),1.21(8H,brs),1,43-1.46(1H,m),1,74-1.80(1H,m),2.19-2.24(1H,m),7.57(2H,dd,J=2.8,8.2Hz),7.67(2H,d,J=8.2Hz),7.86(2H,dd,J=2.1,8.9Hz)。
13C-NMR(CDCl):δ12.2,14.0,22.5,27.3,27.5,28.8,31.6,33.6(d,J=69.7Hz),122.8(d,J=9.8Hz),123.5(dd,J=4.0,13.3Hz),132.8(dd,J=9.9,16.9Hz),132.9(dd,J=29.7,94.8Hz),136.3,139.8(dd,J=11.6,18.3Hz)。
31P-NMR(CDCl):δ49.2。
融点:84.4-85.2℃。
元素分析,C2023OPBrとしての計算値:C,51.09;H,4.93。実測値:C,50.89;H,5.14。
【0082】
実施例13
実施例1において、2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに代えて、2,7-ジブロモ-9-(3-エチルヘキシル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=3-エチルヘキシル基,X=臭素)0.470g(1.0mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にして、0.229g(モノマー単位で0.74mmol)の9-(3-エチルヘキシル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基を繰り返し単位とする重合体(一般式[III]において、R=3-エチルヘキシル基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であった。ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)により算出した数平均分子量は5680、重量平均分子量は6250であった。
【0083】
そのNMRスペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.76(6H,brs),1.21(4H,brs),1.33(4H,brs),1.67(1H,brs),2.16(2H,brs),7.85(4H,brs),8.10(2H,brs)。
31P-NMR(CDCl):δ44.1。
【0084】
実施例14(触媒量のNi塩/亜鉛を用いた反応)
窒素雰囲気下で、塩化ニッケル0.0016g(0.0125mmol)、α,α’-ジピリジル0.0020g(0.00125mmol)、亜鉛粉末0.0031g(0.50mmol)、2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=ノニル基、X=臭素)0.00627g(0.125mmol)をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、クロロトリメチルシラン1.6μL(0.0125mmol)を加え、100℃にて48時間加熱攪拌した。反応混合物を0.5希塩酸20mL中に注ぎ、得られた粉末をろ過した。この粉末を水10mLで洗浄した後にクロロホルム1mLに溶解してメタノール10mLで再沈澱することにより、33mg(モノマー単位で0.108mmol)9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格を繰り返し単位とする重合体(一般式[III]において、R=ノニル基)を得た。GPC法により算出した数平均分子量は2730、重量平均分子量は3720であった。
【0085】
実施例15
実施例4において、2,7-ジブロモ-9-ノニル-9-オキソ-9-ホスファフルオレンに代えて、2,7-ジブロモ-9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=2-オクチル基,X=臭素)0.235g(0.50mmol)を使用し、0.0058g(0.0050mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、0.184g(0.50mmol)の2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレンジボロン酸、1.0gのリン酸三カリウム、及び5mLのN,N-ジメチルホルムアミドを使用した以外は実施例4と同様にして、0.264g(モノマー単位で0.47mmol)の9-(2-オクチル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル基及び2,5-ジヘキシロキシ1,4-フェニレン基を主鎖に含む重合体(一般式[IV]において、R=2-オクチル基,Ar=2,5-ジヘキシロキシ-1,4-フェニレン基)を単離した。得られた該重合体は文献未記載の新規化学種であり、GPC法により算出した数平均分子量は19400、重量平均分子量は22000であった。また、元素分析法により算出した該重合体の平均分子量は13400であった。
【0086】
そのNMRスペクトルデータ及び元素分析の結果については以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.87(9H,brs),1.08(3H,dd,J=6.1,18.2Hz),1.36(18H,brs),1.73(7H,m),2.00(1H,brs),2.33(2H,brs),2.95(4H,brs),7.09(2H,s),7.85(2H,m),7.96(2H,m),8.04(2H,m)。
31P-NMR(CDCl):δ51.3。
元素分析,n=22(C85611456723Br)としての計算値:C,76.84;H,8.63;Br,1.20。実測値:C,76.38;H,8.65;Br,1.20。
【0087】
実施例16
実施例10において、9-オキソ-9-ホスファ-9-プロピルフルオレンに代えて、9-(3-エチルヘキシル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[IX]において、R=3-エチルヘキシル)12.5g(40.0mmol)を使用した以外は、実施例10と同様にして、11.7g(24.8mmol)の2,7-ジブロモ-9-(3-エチルヘキシル)-9-オキソ-9-ホスファフルオレン(一般式[VI]において、R=3-エチルヘキシル基)を単離した。得られた該化合物は無色の針状結晶で、文献未記載の新規化学種であった。
【0088】
そのIR及びNMRスペクトルデータ並びに融点測定及び元素分析の結果については以下の通りである。
IR(KBr):2958.3,2923.6,2856.1,1442.4,1390.4,1184.1,1085.7,817.7cm-1
H-NMR(CDCl):δ0.79(3H,t,J=7.4Hz)0.83(3H,t,J=7.0Hz),1.12-1.17(4H,m),1.28-1.32(2H,m),1.37-1.43(2H,m),1.65-1.71(1H,m)2.01-2.13(2H,m),7.60(2H,dd,J=2.9,8.2Hz),7.69(2H,d,J=8.3Hz),7.92(2H,dd,J=1.6,9.1Hz)。
13C-NMR(CDCl):δ10.3,14.0,22.7,27.4(d,J=8.8Hz),28.8,34.0(d,J=8.2Hz),34.3(d,J=69.2Hz),34.4(d,J=3.1Hz),122.7(d,J=10.3Hz),123.6(dd,J=4.1,13.5Hz),132.5(d,J=10.4Hz),134.5(dd,J=15.5,97.3Hz),136.2,138.9(dd,J=3.1,19.7Hz)。
31P-NMR(CDCl):δ42.7。
融点139.1-139.8℃:。
元素分析,C2023OPBrとしての計算値:C,51.09;H,4.93。実測値:C,50.86;H,5.14。
【0089】
実施例17
上記実施例1~9、13及び15で得られた重合体について、溶媒1mLに対する重合体1mgの溶解性を評価した。
結果を表1~4に示す。なお、評価基準としては、可溶なものを(◎)、一部可溶なものを{○又は△(溶解性:○>△)}、不溶なものを(×)とした。
【0090】
【表1】
JP0004281896B2_000011t.gif【0091】
【表2】
JP0004281896B2_000012t.gif【0092】
【表3】
JP0004281896B2_000013t.gif【0093】
【表4】
JP0004281896B2_000014t.gif【0094】
実施例18
上記実施例1~9、13及び15で得られた各重合体の光学的特性について評価した。測定項目としては、紫外線領域における吸収極大波長(UVλmax)とモノマー単位あたりのモル吸光係数(ε)、紫外光照射による蛍光スペクトルの極大波長(EMλmax)、溶液状態における量子効率を求めた。
結果を表5に示す。
【0095】
【表5】
JP0004281896B2_000015t.gif【0096】
表5からわかるように、実施例1~9、13及び15で得られた重合体は、CHCl溶液、薄膜両状態において可視光領域に極大波長を有する蛍光を発し、CHCl溶液中でのその量子効率は、0.59~0.81の高い値であった。
【0097】
実施例19 (重合体を用いたエレクトロクロミック素子)
実施例4で得られた重合体の分光電気化学的応答は、重合体1mgを200μLのジクロロエタンに溶解し、その重合体を市販の透明電極(50×5mm)上に重合体溶液をキャストし、これを作用電極とした。これを対極(白金板)、参照極(銀・銀イオン電極)とともに石英セル内に配置し、支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム、溶媒として脱水アセトニトリルを使用し、電位変化における重合体の色調変化を分光器により検出した。その結果、中性では実施例4で得られた重合体の薄膜は薄黄色であったが、キャストフィルムに印加する電位を高くすることにより、薄膜の色が薄黄色から深紫色に変化した。また、このとき、390nm付近に存在した当該重合体本来の紫外光吸収帯が消失し、570nm付近に新たな可視光吸収帯が現れた。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、発光素子及びエレクトロクロミック素子などの有用な構成材料として、9-オキソ-9-ホスファフルオレン-2,7-ジイル骨格、該骨格とアリーレン基及び該骨格とビニレン基を主鎖に含む該重合体及び該重合体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、機能性高分子合成用のモノマー等として有用な2,7-ジハロ-9-オキソ-9-ホスファフルオレン化合物及びその製造方法が提供される。