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明細書 :符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4534038号 (P4534038)
公開番号 特開2006-197073 (P2006-197073A)
登録日 平成22年6月25日(2010.6.25)
発行日 平成22年9月1日(2010.9.1)
公開日 平成18年7月27日(2006.7.27)
発明の名称または考案の名称 符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システム
国際特許分類 H04B   1/707       (2006.01)
H04B   7/06        (2006.01)
H04B   7/08        (2006.01)
FI H04J 13/00 D
H04B 7/06
H04B 7/08
請求項の数または発明の数 13
全頁数 18
出願番号 特願2005-004973 (P2005-004973)
出願日 平成17年1月12日(2005.1.12)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成16年10月2日 電子情報通信学会信越支部主催の「平成16年度 電子情報通信学会信越支部大会」において文書をもって発表
審査請求日 平成20年1月8日(2008.1.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021288
【氏名又は名称】国立大学法人長岡技術科学大学
発明者または考案者 【氏名】太刀川 信一
【氏名】長谷部 悟史
【氏名】荻原 春生
個別代理人の代理人 【識別番号】100093104、【弁理士】、【氏名又は名称】船津 暢宏
【識別番号】100092772、【弁理士】、【氏名又は名称】阪本 清孝
審査官 【審査官】矢頭 尚之
参考文献・文献 特開平11-031995(JP,A)
特開平11-186984(JP,A)
調査した分野 H04B 1/707
H04B 7/06
H04B 7/08
特許請求の範囲 【請求項1】
直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法であって、
送信機側で、直交化巡回シフトM系列の集合の和に、拡散用符号系列を乗じて定振幅となる系列を生成し、当該生成した系列に送信データを乗じて送信することを特徴とする符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項2】
直交化巡回シフトM系列の全ての系列による合成振幅の値により、前記直交化巡回シフトM系列の各チップの値を除算して送信電力の正規化を行うことを特徴とする請求項1記載の符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項3】
直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法であって、
請求項1又は2記載の符号ダイバーシチ通信方法により送信された信号を受信する受信側では、拡散用符号系列と直交化巡回シフトM系列の部分集合の和系列によって逆拡散してブランチの相関を出力し、相関の分散から対応する重み係数を算出して、前記逆拡散した信号に対応する重み係数を乗算したものの和によって復調することを特徴とする符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項4】
ブランチの相関出力から、干渉による相互相関の分散と雑音の分散の和を推定し、更に符号長を用いて重み係数を算出することを特徴とする請求項3記載の符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項5】
直交化巡回シフトM系列の集合をダイバーシチブランチ数で分割し、ブランチに割り当てることを特徴とする請求項3又は4記載の符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項6】
直交化巡回シフトM系列の部分集合について、相関の分散の小さいものから各ブランチに順に一系列ずつ割り当てることを特徴とする請求項3又は4記載の符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項7】
直交化巡回シフトM系列の部分集合について、相関の分散の小さいものから一つのブランチに集中的に割り当てることを特徴とする請求項3又は4記載の符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項8】
相関の分散が最も大きいブランチを不使用とすることを特徴とする請求項7記載の符号ダイバーシチ通信方法。
【請求項9】
直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信システムであって、
直交化巡回シフトM系列の集合の和に、拡散用符号系列を乗じて定振幅となる系列を生成し、当該生成した系列に送信データを乗じて送信する変調器を有することを特徴とする送信機。
【請求項10】
直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信システムであって、
請求項10記載の送信機から送信された信号を、拡散用符号系列と直交化巡回シフトM系列の部分集合の和系列によって逆拡散する復調器と、逆拡散された信号を積分してブランチの相関を出力する積分器と、前記逆拡散した信号に、相関の分散に対応する重み係数を乗算する乗算器と、乗算された信号を合成する合成器とを有することを特徴とする受信機。
【請求項11】
積分器と乗算器との間に、前記積分器からの相関出力について、相関の分散の小さいものから各ブランチに順に一系列ずつ割り当てる並び替え回路を設けたことを特徴とする請求項10記載の受信機。
【請求項12】
積分器と乗算器との間に、前記積分器からの相関出力について、相関の分散の小さいものから一つのブランチに集中的に割り当てる並び替え回路を設けたことを特徴とする請求項10記載の受信機。
【請求項13】
並び替え回路が、相関の分散が最も大きいブランチを不使用とすることを特徴とする請求項12記載の受信機。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、直接拡散スペクトル拡散(Direct Sequence/Spread Spectrum:DS/SS)方式における符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムに係り、特に、干渉抑圧性能を向上させることができる符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や無線LAN(Local Area Network)などの移動体通信の需要が急速に高まってきており、様々な通信方式が検討されている。その中でも多様な通信形態が可能なスペクトル拡散(Spread Spectrum:SS)通信方式が注目されている。このSS方式の一つに、直接スペクトルを拡散させる直接拡散スペクトル拡散(Direct Sequence/SS:DS/SS)方式がある。このDS/SS方式では、符号を各局に割り当てて多元接続通信(DS/SSMA)を行うことができるものである。
【0003】
DS/SSMAでは、あらかじめ割り当てられた拡散系列を用いて、複数のユーザが共通の通信路を同時に利用するものである。しかしながら、このとき、多元接続による他局信号は、自局信号に対する干渉成分となってしまう。通常、この干渉の影響は小さいため、受信機では正しく自局信号を相関検出することができるが、干渉信号の電力が自局信号に比べて大きい場合には、大幅な通信品質の劣化を招いてしまう。この問題を一般に遠近問題という(非特許文献1、2参照)。
【0004】
この遠近問題に対して、他局間干渉除去方式(非特許文献1参照)が提案されているが、これは、受信信号成分に含まれる干渉信号の複製を作成し、除去するので、すべての局のPN(Pseudo Noise:疑似雑音)系列を知る必要がある。
また、直交化フィルタを用いて、干渉系列を直交させ、干渉を減らす方法も提案されている(非特許文献3、4参照)。しかし、この方法では、直交させるまでに収束時間がかかってしまう。
【0005】
この他にも、受信信号の部分部分で相互相関値を推定し、その区間に重み付けを行う部分相関重み制御法(非特許文献5参照)、部分相関重み制御法にLMS(Least Mean Square:最小二乗平均)アルゴリズムを導入する方法(非特許文献6参照)などが提案されている。しかし、これらの方法は、制御が難しくシステムが複雑になってしまう。
【0006】
そこで、他局のPN系列を知ることなく、また、他局の系列を推定することなく干渉を抑圧する一方式として、既存のシステムの応用による符号ダイバーシチ方式(非特許文献7参照)が提案されている。この方式は、いくつかの符号系列和を拡散系列として使用し、和を取る前の個々の系列でダイバーシチ受信するものであり、システム構成が簡単である。
【0007】
尚、直接拡散符号分割多元接続方式によるスペクトラム拡散通信を行う際に、直交化による干渉キャンセラを収束させるスペクトラム拡散通信装置については、平成9(1997)年7月31日公開の特開平9-200178号公報がある(特許文献1参照)。
【0008】

【特許文献1】特開平9-200178号公報
【非特許文献1】R.Kohno, Pseudo-noise sequence and interference cancellation techniques for spread spectrum system-spread spectrum theory and techniques in Japan, IEICE、 Trans., vol. E74, no.5, pp.1083-1092, May 1991.
【非特許文献2】M.Okubo and M.Nakagawa, Countermeasure against SSMA near-far problem using unknown sequence estimator, IEEE ISSSTA94, vol.1PP.167-170,July 1994.
【非特許文献3】吉田尚正、後川彰久、柳修三、古谷之綱、「移動通信環境に適したDS/CDMA適応干渉キャンセラ」、信学技報、RCS93-76,pp.47-54 (1993.11).
【非特許文献4】吉田尚正、後川彰久、柳修三、古谷之綱、「高速フェージング伝送路に適した遅延検波形DS/CDMA適応干渉キャンセラ」、信学論、vol.J77-B- II,no.11, pp.618-627 (1994.11).
【非特許文献5】]朝戸英樹、太刀川信一、丸林元、「部分相関重み制御法によるDS/SSMAの他局間干渉抑圧」、信学論、 vol.J79-A,no.3,pp.785-794 (1996-03).
【非特許文献6】梅香一也、太刀川信一、「DS/CDMA部分相関重み制御法とLMSアルゴリズムの適用」、信学技報、 SST96-99,pp.7-12 (1997-03).
【非特許文献7】T.Seki, M.Hamamura, S.Tachikawa, Suppression Effects of Multiple Access Interference in DS/CDMA with Code-Diversity, IEICE, Trans.,vol.E82-A,no.12,pp.2720-2727, December 1999.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の符号ダイバーシチ方式では、送信出力が多値レベルとなってしまうため、送信機出力段で線形性を保った大きな増幅器が必要となり、送信機出力段の負担を増大させるという問題点があり、更に、ノイズ除去のための振幅リミッタを使用した場合に、特性が劣化するという問題点があった。
【0010】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、送信信号の振幅を一定に保つ定振幅合成系列の構成とすることで、送信機出力段の負担を増大させることなく、干渉抑圧性能を向上できる符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の別の目的は、遠近問題下における特性を評価し、さらにその特性の改善を得るためにブランチの構成法を工夫した符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法であって、送信機側で、直交化巡回シフトM系列の集合の和に、拡散用符号系列を乗じて定振幅となる系列を生成し、当該生成した系列に送信データを乗じて送信することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記符号ダイバーシチ通信方法において、直交化巡回シフトM系列の全ての系列による合成振幅の値により、直交化巡回シフトM系列の各チップの値を除算して送信電力の正規化を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明は、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法であって、上記符号ダイバーシチ通信方法により送信された信号を受信する受信側では、拡散用符号系列と直交化巡回シフトM系列の部分集合の和系列によって逆拡散してブランチの相関を出力し、相関の分散から対応する重み係数を算出して、逆拡散した信号に対応する重み係数を乗算したものの和によって復調することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記符号ダイバーシチ通信方法において、直交化巡回シフトM系列の集合をダイバーシチブランチ数で分割し、ブランチに割り当てることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記符号ダイバーシチ通信方法において、直交化巡回シフトM系列の部分集合について、相関の分散の小さいものから各ブランチに順に一系列ずつ割り当てることを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記符号ダイバーシチ通信方法において、直交化巡回シフトM系列の部分集合について、相関の分散の小さいものから一つのブランチに集中的に割り当てることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記符号ダイバーシチ通信方法において、相関の分散が最も大きいブランチを不使用とすることを特徴とする。
【0019】
本発明は、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信システムであって、送信機が、直交化巡回シフトM系列の集合の和に、拡散用符号系列を乗じて定振幅となる系列を生成し、当該生成した系列に送信データを乗じて送信する変調器を有することを特徴とする。
【0020】
本発明は、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信システムであって、受信機が、上記送信機から送信された信号を、拡散用符号系列と直交化巡回シフトM系列の部分集合の和系列によって逆拡散する復調器と、逆拡散された信号を積分してブランチの相関を出力する積分器と、逆拡散した信号に、相関の分散に対応する重み係数を乗算する乗算器と、乗算された信号を合成する合成器とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記受信機において、積分器と乗算器との間に、前記積分器からの相関出力について、相関の分散の小さいものから各ブランチに順に一系列ずつ割り当てる並び替え回路を設けたことを特徴とする。
【0022】
本発明は、上記受信機において、積分器と乗算器との間に、前記積分器からの相関出力について、相関の分散の小さいものから一つのブランチに集中的に割り当てる並び替え回路を設けたことを特徴とする。
【0023】
本発明は、上記受信機において、並び替え回路が、相関の分散が最も大きいブランチを不使用とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法であって、送信機側で、直交化巡回シフトM系列の集合の和に、拡散用符号系列を乗じて定振幅となる系列を生成し、当該生成した系列に送信データを乗じて送信する符号ダイバーシチ通信方法としているので、送信機の出力段で負担を増大させることがないという効果がある。また、受信機前段に振幅リミッタを設けても、信号波形の劣化が少ないという効果がある。
【0025】
本発明によれば、直交化巡回シフトM系列の全ての系列による合成振幅の値により、直交化巡回シフトM系列の各チップの値を除算して送信電力の正規化を行う上記符号ダイバーシチ通信方法としているので、送信電力を抑えることができる効果がある。
【0026】
本発明によれば、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法であって、上記符号ダイバーシチ通信方法により送信された信号を受信する受信側では、拡散用符号系列と直交化巡回シフトM系列の部分集合の和系列によって逆拡散してブランチの相関を出力し、相関の分散から対応する重み係数を算出して、逆拡散した信号に対応する重み係数を乗算したものの和によって復調する符号ダイバーシチ通信方法としているので、性能が劣化することもなく、干渉抑圧性能を向上できる効果がある。
【0027】
本発明によれば、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信システムであって、直交化巡回シフトM系列の集合の和に、拡散用符号系列を乗じて定振幅となる系列を生成し、当該生成した系列に送信データを乗じて送信する変調器を有する送信機としているので、送信機の出力段で負担を増大させることがないという効果がある。
【0028】
本発明によれば、直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信システムであって、上記送信機から送信された信号を、拡散用符号系列と直交化巡回シフトM系列の部分集合の和系列によって逆拡散する復調器と、逆拡散された信号を積分してブランチの相関を出力する積分器と、逆拡散した信号に、相関の分散に対応する重み係数を乗算する乗算器と、乗算された信号を合成する合成器とを有する受信機としているので、性能が劣化することもなく、干渉抑圧性能を向上できる効果がある。
【0029】
本発明によれば、積分器と乗算器との間に、前記積分器からの相関出力について、相関の分散の小さいものから各ブランチに順に一系列ずつ割り当てる並び替え回路を設けた上記受信機としているので、自局系列と他局系列の初期位相のずれがあっても、特性を改善することができる効果がある。
【0030】
本発明によれば、積分器と乗算器との間に、前記積分器からの相関出力について、相関の分散の小さいものから一つのブランチに集中的に割り当てる並び替え回路を設けた上記受信機としているので、自局系列と他局系列の初期位相のずれがあっても、特性を改善することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
[本発明の実施の形態の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムは、送信機側では、直交化巡回シフトM系列の集合の和に、拡散用PN系列を乗じて±1で定振幅となる系列をつくり、それにデータを乗じて送信し、受信側では、拡散用PN系列と直交化巡回シフトM系列の一部の系列によって逆拡散して相関をとり、相関の分散から重み係数を求め、重み係数を乗じて各ダイバーシチのブランチの加算を得るようにしたものである。これにより、送信機の出力段で負担を増大させることがなく、また、受信機の振幅リミッタを設けても、性能が劣化することもなく、干渉抑圧性能を向上できる。
【0032】
[定振幅合成系列の構成]
まず、本発明の実施の形態に係る直接拡散スペクトル拡散方式における符号ダイバーシチ通信方法の原理及び構成法について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式における直交化巡回シフトM系列の集合の和を示す説明図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式における3つの信号系列の和を示す説明図である。尚、図2との対比において図11に従来の3つの信号系列の和を示す。
【0033】
本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式において、拡散に用いる定振幅合成系列を構成するためには、OMとPN1 の二つの系列が必要となる(実際には、PN1 のみでよいがその点は後述する)。ここで、OMはそれぞれ直交化した巡回シフトM系列の和であり、PN1 は別のM系列である。この直交化巡回シフトM系列の構成を示したのが図1である。
【0034】
図1のOrth M の各行の系列は、系列長Nの全てのチップに対して直交化係数αを加算して直交化している。そのため、行列式中のaは、通常のチップ値にαを加算したa1 =1+αのような値である。その直交化係数αは以下の[数1]に示す。但し、式中の±は、+又は-の片方のみをとるものである。
【0035】
【数1】
JP0004534038B2_000002t.gif

【0036】
このようにして表される直交化巡回シフトM系列の全ての系列による合成振幅(各列の和)は、ある一定値(図1ではc)となる。これは、各列において、M系列の性質上、-1が一つ多いということと、全てのチップ数Nに直交化係数αを加えていることから明らかである。その関係を次式[数2]に表す。
【0037】
【数2】
JP0004534038B2_000003t.gif

【0038】
この各チップが一定値となる直交化巡回シフトM系列和(OM)とM系列を各チップ積算するので、定振幅となる合成系列を実現することができる。しかし、このままでは、通常のDS/SS方式で通信しているものよりも、送信電力が大きくなってしまうため、次式[数3]で表される係数kを各チップに乗ずることにより、電力の正規化を行う。
図1では、各列の和cが一定値になるので、1/cを乗算することで原理的に正規化を図っている。
【0039】
【数3】
JP0004534038B2_000004t.gif

【0040】
このときのsi は送信信号の各チップの振幅成分を表している。ただ、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式における電力の正規化とは、直交化巡回シフトM系列の各チップの値を全て1にすることと同義である。
従って、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式において、データ送信時におけるチップの値は、図4のように±の定振幅となり、これは、PN1 のみによるDS/SS方式と等価となる。図4は、従来の符号ダイバーシチと提案する(本発明の実施の形態に係る)符号ダイバーシチでの送信時のチップ値の比較のグラフである。
図4に示すように、従来符号ダイバーシチはバー内部を斜線で示しており、提案符号ダイバーシチはバー内部を点線で示している。提案符号ダイバーシチの場合は、チップ値が±1の定振幅となるものである。
【0041】
このことは、図2に示すように、拡散系列(3つの系列の和)が、±1の定振幅となるものである。これに対して、従来の符号ダイバーシチでは、図11に示すように、拡散系列(3つの系列の和)が、多レベルとなるものであった。
【0042】
[システム構成]
次に、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信システムについて図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信システムの構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信システム(本システム)は、図3に示すように、送信機(Transmitter)10と、受信機(Receiver)20とから基本的に構成されている。
尚、送信機10と受信機20との間の伝送路に、図3では加算器が設けられているが、これは、擬似的に発生させた干渉(Interference)と雑音(AWGN[Additive White Gaussian Noise:相加性白色ガウス雑音])が送信信号に混入されることを示しているものである。
また、図示はしていないが、伝送路にインパルス性バースト雑音等が含まれる場合には、一般に、受信機20の前段に、振幅リミッタが設けられる。
【0043】
[送信機]
本システムの送信機10は、定振幅合成系列を構成する系列OM×PN1 によって送信するデータ(DATA)を拡散して出力する変調器11を備えている。ここで、OMは、直交化した巡回シフトM系列の和であり、PN1 は、別のM系列である。変調器11は、DSP(Digital Signal Processor)等で実現できる。
【0044】
また、送信機10では、図示はしていないが、原理的には、直交巡回シフトM系列を形成するために、各チップの値a1 ~aN を巡回シフトさせる巡回シフトレジスタと、当該シフトレジスタで巡回シフトさせて図1のように行列式となるよう内容を記憶する記憶部と、図1における行列式の各列(縦方向)の和を演算する各列和の演算手段と、当該和(一定値)の値から電力の正規化のための係数kを求める正規化係数演算手段と、係数kを各チップに乗算する乗算手段により得られるものである。
しかし、結果として、OMは、+1(又は-1)の一定値となる。そのため実際上は、送信機に限っては、OMの生成過程を省略でき、従来のPN1 のみによるDS/SS方式としてよい。
【0045】
[受信機]
受信機20は、送信側で用いる合成系列OMに対して、それを構成する個々の系列をブランチに割り当て、各ブランチで相関演算を行うために、M個の逆拡散を行う復調器21と、逆拡散された信号を積分するM個の積分器22と、積分結果に重み付けするM個の乗算器23と、各重み付けされた信号を合成する合成器24と、±1の情報を判定するデータ判定器25とを備えている。
【0046】
受信機20では、図1の直交化巡回シフトM系列の集合(N個)をダイバーシチブランチ数でほぼ等分割し、その等分割した集合がOM1 ~OMM となり、各復調器21でOM1 ×PN1 ~OMM ×PN1 で各々逆拡散される。
そして、各積分器22では、逆拡散された信号を積分することで相関を得るものである。
【0047】
OM1 ~OMM の生成は、図示はしていないが、直交巡回シフトM系列を形成するために、各チップの値a1 ~aN を巡回シフトさせる巡回シフトレジスタと、当該シフトレジスタで巡回シフトさせて図1のように行列式となる内容を記憶する記憶部と、図1における行列式の各列(縦方向)の部分集合の和を演算する各列和の演算手段とを備えている。上記各手段等をまとめてDSP等で実現するものである。
尚、各部分系列(OM1 ×PN1 ,…,OMM ×PN1 )を受信機20の外部の装置、例えば、コンピュータ等の演算装置で演算して、受信機20の復調器21に提供するようにしてもよい。
具体的には、巡回シフトレジスタで各チップの値を巡回させ、巡回結果を記憶部に記憶する。そして、OM1 ,…,OMM を構成するのに必要な各部分集合の和を演算させる。尚、受信機20では、巡回シフトレジスタの個々の系列の振幅を一定として演算すれば、全体の電力を正規化する必要がない。
【0048】
積分器22における相関値が自局のみによる値に近い場合、他局系列との干渉による相互相関の影響が小さいものであるから、乗算器23で係数gを用いて大きな重み付けを行うようにすれば、最も安定したデータ復調が行われるものである。
積分器22における相関値が自局のみによる値と大きく異なる場合、他局系列との干渉による相互相関の影響が大きいものであるから、乗算器23で係数gを用いて小さな重み付けを行うようにする。
つまり、干渉が多いと係数gは小さな値となり、干渉が少ないと係数gは大きな値となる。
【0049】
そして、合成器24で各ブランチの重み付けされた相関出力を合成して、データ判定器25を介して出力する。
尚、乗算器23における重み係数gについては、以下説明するが、各ブランチの相関出力から相互相関の分散と雑音の分散を推定して、重み係数gを決定するものであるから、受信機20には、図示していないが、各ブランチの相関出力を入力し、重み係数gを算出する制御部を備えており、その制御部から重み係数gが各乗算器23に出力されるものである。重み係数gの算出は、[数9]の式にて求められ、制御部では当該式を用いて重み係数gを算出する手段を備えている。
【0050】
[重み係数式の導出]
符号ダイバーシチでは、送信側で用いる合成系列に対して、受信側ではそれを構成する個々の系列をブランチに割り当て、各ブランチで相関演算を行う。このとき、各ブランチに割り当てられている系列はそれぞれパターンが異なるため、干渉による相互相関の影響も各ブランチで異なる。
【0051】
従って、相互相関の影響が最も少ない相関出力に対して大きな重み付けを行えば、最も安定したデータ復調が行われることになる。そのために、各ブランチの相関出力から相互相関の分散と雑音の分散を推定する方法と、重み係数gM の決定法を示す。
【0052】
まず、ブランチがいくつかある中の一つのブランチkに着目する。このブランチにおける積分後の出力を次式[数4]のように定義する。
【0053】
【数4】
JP0004534038B2_000005t.gif

【0054】
k は各ブランチにおける自局信号成分、Ik は干渉成分、Nk は雑音成分である。ここで、E[・]を・の平均を表すものとし、自局、他局のデータはランダムで平均が0とすると、それは次式[数5]で表される。
【0055】
【数5】
JP0004534038B2_000006t.gif

【0056】
また、Sk 、Ik 、Nk は互いに独立であるから、その積による平均は、それぞれ独立の平均の積と考えることができる。よって、以下の式[数6]で表される。
【0057】
【数6】
JP0004534038B2_000007t.gif

【0058】
従って、式[数4]の2乗平均は、次式[数7]のようになる。
【0059】
【数7】
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【0060】
ここで、自局信号のみの積分出力の二乗平均E[S2 ]が既知であるとすると、式[数7]を変形することによって、以下の式[数8]のように、干渉成分の分散と雑音成分の分散の和、つまり妨害成分の分散の大きさを推定することが出来る。
【0061】
【数8】
JP0004534038B2_000009t.gif

【0062】
このとき、各ブランチに入力する雑音の大きさは同じであるため、雑音の分散値は各ブランチとも同じである。従って、式[数8]より、それぞれのブランチに割り当てられた系列と干渉系列との相互相関の影響の大きさを知ることができる。これにより、各ブランチにおける他局系列との相互相関の影響も含んだ積分出力に対応する係数gM を以下の式[数9]のように定義する。ここで、kはブランチ番号(1、2、・・・M)、μは信号成分の積分出力である。
尚、係数gM は、干渉が多いほど値が小さくなるものである。
【0063】
【数9】
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【0064】
[ブランチ構成法]
符号ダイバーシチでは、送信側で用いる合成系列(各系列で互いに直交関係が成り立っている)に対して、受信側では、それを構成する個々の系列を割り当てる。従来の符号ダイバーシチでは、いくつかの符号系列を各チップ加算したもので拡散系列を構成し、受信側では拡散系列に用いた±1の定振幅系列ごとにブランチを設ける。
【0065】
しかし、この方法では、使用する符号系列を固定するため、自局系列と他局系列の初期位相のずれによっては、特性の改善効果に大きな差が生じることが考えられる。このとき、もし特性が悪い場合には、使用する拡散系列を変える、もしくは増やす必要があるため、送信機での系列制御が必要となってしまう。
【0066】
それに対して、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式の場合には、直交化巡回シフトM系列を利用した定振幅合成系列を用いているため、受信側では、N(系列長)個の系列を利用することができる。
このN個の系列を、干渉系列による相互相関の影響を小さくするように、ブランチごとに組み合わせることができれば、他局系列の初期位相がどの点であっても、より特性を改善することが期待できる。
【0067】
以下に、本発明の実施の形態で検討するブランチ構成法を5通り示す((a)~(d))。ここで、(b)~(d)では、逆拡散に使用する全ての系列(N個)を各位相ずれごとに相互相関の分散が小さい順に並べ、それらから構成する方法である。
また、図5に(a)のブランチ構成の例を示す。図5は、ブランチ構成法(a)の一例を示す概略図である。図5では、系列長N=31、ブランチ数M=3の場合を示している。図中のβは、図1の行列式で表される系列にPN1 を積したものである。(b)以後では、合成する要素の系列が変わるものである。
【0068】
ブランチ構成法(a)は、直交化巡回シフトM系列の集合(N個)をダイバーシチブランチ数でほぼ等分割し、ブランチに割り当てる方法である。
【0069】
ブランチ構成法(b)は、分散が小さいものから各ブランチに一系列ずつ割り当てる方法((a)の割り当て方法と似ている)である。
【0070】
ブランチ構成法(c)は、分散が小さいものから一つのブランチに集中的に割り当てる方法(あるブランチは分散が小さいものの集まり、あるブランチは分散が大きいものの集まりとなる)である。
【0071】
ブランチ構成法(d)は、(c)において分散が最も大きいブランチを不使用とする方法である。
【0072】
上記ブランチ構成法(b)~(d)をもう少し具体的に説明すると、例えば、図1のOMの行列における行(横方向)の各系列を行系列とよぶと、まず、その各行系列の相関値の分散値(以下、分散と記す)を求める。
そして、ブランチが3だとすると、第1のブランチに行系列の中で最も分散の小さいものを割り当て、次に分散が小さい行系列を第2のブランチに割り当て、次に分散が小さい行系列を第3のブランチに割り当て、更に、次に分散が小さい行系列を第1のブランチに割り当て、以下、同様に繰り返して、割り当てるのがブランチ構成法(b)である。
【0073】
ブランチ構成法(c)は、第1のブランチに各行系列の中で分散の小さい行系列を集中的に複数割り当て、第2のブランチに次に分散の小さい行系列を複数割り当てるようにしたものである。
尚、ブランチ構成法(d)は、上記(c)で第1~3のブランチに各行系列を割り当てた後に、分散が最も大きいブランチ、つまり第3のブランチを利用しないようにしたものである。
【0074】
[別のシステム構成]
ブランチ構成法(a)については、図3のシステム構成で実現可能であるが、ブランチ構成法(b)~(d)については、特殊であるため、図3のシステム構成では実現できない。そこで、ブランチ構成法(b)~(d)を実現する本発明の別の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信システム(別のシステム)の構成を図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の別の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信システムの構成ブロック図である。
【0075】
別のシステムは、図6に示すように、基本的には、図3と同様であり、相違するのは、受信機20において、 行系列(N個)毎の復調器21と積分器22を設け、また、積分器22と乗算器23との間に並び替え回路26が設けられている点である。
【0076】
並び替え回路26は、復調器21と積分器22で、各行系列の相関値を入力し、相関値によって分散の大小を決定して、ブランチ数に相当する乗算器23にブランチ構成法(b)~(d)による割り当てを行い、乗算器23で重み係数を乗算して合成器24で合成し、データ判定器25を介して出力するようになっている。
【0077】
従って、並び替え回路26には、相関値から分散の大小を決定する判定手段と、ブランチ構成法(b)~(d)のアルゴリズムに従って行系列を割り当て、その合成による相関値を算出する手段を有している。
【0078】
[シミュレーション]
提案する定振幅合成系列による符号ダイバーシチと、従来の符号ダイバーシチの特性を比較する。そして、受信機におけるブランチ構成方法の違いによる特性の変化を示す。
【0079】
[符号ダイバーシチの特性]
定振幅合成系列による符号ダイバーシチと、従来の符号ダイバーシチの特性を比較する。シミュレーション諸元を図7に示し、得られたBER(Bit Error Rate:誤り率)特性を図8に示す。図7は、シミュレーション諸元を示す図であり、図8は、提案法(本発明の実施の形態)と従来法のBER特性の比較を示すグラフである。このとき、従来法のブランチ数は5、提案法のブランチ構成法は(a)を用いるものとする。
また、式[数9]の重み係数設定のために、1000[bits]のE[Ii2]+E[Ni2]の推定時間を設けた。
【0080】
図8より、SIR(Signal Interference Rate)=-10[dB](他局信号電力が自局信号電力の10倍)において、本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式(提案方式)の特性が、従来の符号ダイバーシチ方式と同等の特性傾向を示し、干渉を抑圧できていることがわかる。
【0081】
具体的な数値にすると、Eb/Noが10[dB]において、DS/SS方式によるBERは3.8×10-2であるのに対し、提案方式では、最大8.5×10-3まで改善することができた。
【0082】
また、ブランチ数が2、3、5の特性を比較すると、ブランチ数が増えるに従い、特性の改善効果が大きくなっているが、ブランチ数が8になると、逆にその特性は若干悪くなっていることがわかる。これについては、合成後のSNR(Signal Noise Rate)と各ブランチのSIRとのトレードオフの関係から、ブランチ数には最適値が存在することが知られている。
【0083】
このように、提案方式が従来の符号ダイバーシチと同等の性能を持つのであれば、従来のDS/SS方式のように、一つのM系列などによって送信することができる提案方式の方が、ハードウェア構成上から見ても回路規模を小さくできるメリットがある。
【0084】
[ブランチ構成法による特性の変化]
ここでは、受信機におけるブランチ構成方法の違いによる特性の違いを比較する。検証するブランチ構成パターンは、(b)~(d)とし、シミュレーション環境は図7と同様である。
【0085】
但し、対象とするブランチ数は、(b)~(d)においては、3,5ブランチとした。また、(b)~(d)による結果を図9、図10に示す。図9は、ブランチ数3におけるブランチ構成法(b)~(d)の特性を示すグラフであり、図10は、ブランチ数5におけるブランチ構成法(b)~(d)の特性を示すグラフである。
【0086】
図9、図10の結果より、分散の小さい系列からブランチに集中的に割り当てる(c)のブランチ構成方法が最もBER特性がよいことがわかる。この理由としては、干渉系列との相互相関の分散が小さい系列で構成されているブランチの重み係数は大きくなり、相互相関の分散が大きい系列で構成されているブランチは重み係数が小さくなるため、正しい判定が行われているブランチがうまく強調されることになり、誤りが少なくなると考えられる。
【0087】
これに対して、同様のブランチ構成方法でも、(d)のように最も悪いブランチを不使用とする方法が(c)よりも劣化する理由は、次のように考えられる。まず、(d)の方法ではブランチの一つを捨てているので、各ブランチで使用する系列数が(c)に比べて少なくなる。そのため、各ブランチにおける信号成分は(c)の方が大きいので、(d)の特性は(c)よりも劣化すると考えられる(干渉干渉成分の劣化より、幾分でも信号成分としての寄与が大きいブランチは残した方がよいことになる)。
【0088】
このように、本提案方式では、従来の符号ダイバーシチ方式のように送信機側で符号系列を変えるのではなく、受信機においてブランチの構成を変更することによって特性の改善を図ることができるものである。
【0089】
[まとめ]
本発明の実施の形態では、定振幅となる合成系列を用いた符号ダイバーシチ方式を提案し、その原理および構成法を説明した。また、本提案方式が、従来の符号ダイバーシチ方式と同等の干渉抑圧性能を有することを確認し、ブランチの構成方法によっては、さらに干渉抑圧性能を向上させることができることを確認した。
【0090】
これらのことから、本提案方式は、送信機構成に関しては従来のDS/SSシステムでよく、干渉抑圧性能を向上させるために、受信機のブランチ構成を変更し、ダイバーシチ受信するという、受信機側における工夫だけでよいという利点がある。
【0091】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムによれば、送信機側では、直交化巡回シフトM系列全ての和に、拡散用PN系列を乗じて±1で定振幅となる系列をつくり、それにデータを乗じて送信し、受信側では、拡散用PN系列と直交化巡回シフトM系列の一部の系列によって相関をとり、相関の分散から重み係数を求め、重み係数を乗じて各ダイバーシチのブランチの加算を得るようにしているので、送信機の出力段で負担を増大させることがなく、受信機の振幅リミッタによって性能が劣化することもなく、干渉抑圧性能を向上できる効果がある。
【0092】
また、本発明の別の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムによれば、ブランチの構成法を工夫して上記ブランチ構成法(b)~(d)を採用することにより、自局系列と他局系列の初期位相のずれがあっても、特性を改善することができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、送信信号の振幅を一定に保つ定振幅合成系列の構成とすることで、干渉抑圧性能を向上できる符号ダイバーシチ通信方法及び符号ダイバーシチ通信システムに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式における直交化巡回シフトM系列の集合の和を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ方式における3つの信号系列の和を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信システムの構成ブロック図である。
【図4】従来の符号ダイバーシチと提案する(本発明の実施の形態に係る)符号ダイバーシチでの送信時のチップ値の比較のグラフである。
【図5】ブランチ構成法(a)の一例を示す概略図である。
【図6】本発明の別の実施の形態に係る符号ダイバーシチ通信システムの構成ブロック図である。
【図7】シミュレーション諸元を示す図である。
【図8】提案法(本発明の実施の形態)と従来法のBER特性の比較を示すグラフである。
【図9】ブランチ数3におけるブランチ構成法(b)~(d)の特性を示すグラフでである。
【図10】ブランチ数5におけるブランチ構成法(b)~(d)の特性を示すグラフである。
【図11】従来の符号ダイバーシチ方式における3つの信号系列の和を示す説明図である。
【符号の説明】
【0095】
10…送信機、 11…変調器、 20…受信機、 21…復調器、 22…積分器、 23…乗算器、 24…合成器、 25…データ判定器、 26…並び替え回路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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