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明細書 :結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3887686号 (P3887686)
公開番号 特開2005-239520 (P2005-239520A)
登録日 平成18年12月8日(2006.12.8)
発行日 平成19年2月28日(2007.2.28)
公開日 平成17年9月8日(2005.9.8)
発明の名称または考案の名称 結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートの製造方法
国際特許分類 C01B  37/06        (2006.01)
B01J  29/84        (2006.01)
FI C01B 37/06
B01J 29/84 Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2004-054994 (P2004-054994)
出願日 平成16年2月27日(2004.2.27)
審査請求日 平成16年3月2日(2004.3.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
発明者または考案者 【氏名】杉 義弘
【氏名】窪田 好浩
【氏名】シャマール クマール サハ
審査官 【審査官】大工原 大二
参考文献・文献 特開平02-145410(JP,A)
特開昭60-086011(JP,A)
特開2001-114511(JP,A)
特開平07-089714(JP,A)
調査した分野 C01B 37/06
B01J 29/84
特許請求の範囲 【請求項1】
(i)酸化亜鉛源、(ii)酸化アルミニウム源、及び(iii)酸化リン源との混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気及びトリエチルアミンの蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することを特徴とするAFI及びATS構造を有する結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートの製造方法。
【請求項2】
(i)酸化亜鉛源、(ii)酸化アルミニウム源、(iii)酸化リン源、及び(iv)トリエチルアミンとの混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することを特徴とするAFI構造を有する結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートの製造方法。
【請求項3】
(i)酸化亜鉛源と、(ii)酸化アルミニウム源と、(iii)酸化リン源との混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気及びトリプロピルアミンの蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することを特徴とするATS構造を有する結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、AFI構造を有する結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェート(以下、ZAPO-5と略記する)及びATS構造を有する結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェート(以下、ZAPO-36と略記する)の製造方法に関するものである。
なお、AFI及びATSとは、ZAPO-5及びZAPO-36の構造に与えられた国際ゼオライト協会における登録コードを意味する。
【背景技術】
【0002】
従来、結晶性亜鉛アルミノホスフェートを得るための方法としては、酸化亜鉛(以下ZnOと略する)源、酸化アルミニウム(以下Alと略する)源、酸化リン(以下Pと略する)源及びアルカリ金属カチオン源を含む水性スラリーを加熱する方法(水熱合成法)が提案されている。しかしながら、この方法により結晶性微粒子ZAPO-5及びZAPO-36を得るためには、長時間高温で加熱する操作が必要である上、得られる製品には不純物が混入しやすいという問題を含むものであった。(特許文献1、2)。また、水熱合成法により得られる結晶性亜鉛アルミノホスフェートは粒子径の大きく、実用的に重要な結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートの製造は困難であった。
【0003】

【特許文献1】H.Lechert, H.Weyda, M.Hess, R.Kleinworth, V.Penchev, and Ch.Minchev, Stud. Surf. Sci. Catal., 69, 145 (1991).(ZAPO-5)
【特許文献2】米国特許第4567029号明細書(ZAPO-36)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートZAPO-5及びZAPO-36を効率よくかつ高純度で合成し得る方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来、ZAPO-5及びZAPO-36は水熱合成法により合成されてきたが、粒子径が大きく、また、不純物の生成がさけられなかった。しかし、本発明では、ZAPO-5及びZAPO-36の合成に当たり、水熱合成法と同様に調製したヒドロゲルを乾燥させたドライゲルを加熱する方法を適用することによりこれらの問題を解決することが可能となり、高純度の結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートZAPO-5及びZAPO-36の生成が可能となった。
すなわち、本発明によりZAPO-5を製造するには、(i)ZnO源と、(ii)Al源と、(iii)P源と、(iv)トリエチルアミンとの混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することを特徴とする結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートの製造方法が提供される。また、上記混合物中のトリエチルアミンに代わり、トリプロピルアミンを用いることによりZAPO-36を製造することが出来る。
また、本発明によれば、(i)酸化亜鉛源と、(ii)酸化アルミニウム源と、(iii)酸化リン源との混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気及びトリエチルアミンまたはトリプロピルアミンの蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することを特徴とする結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートZAPO—5、またはZAPO-36を選択的に製造する方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートZAPO—5及びZAPO-36を低温度で簡便にかつ高純度で製造することができる。
本発明による結晶性微粒子亜鉛アルミノホスフェートZAPO—5及びZAPO-36において、その構造は、AFI及びATSと同様の構造を有する。このものは、従来のゼオライトと同様に各種の用途に用いられる。この場合の用途には、吸着剤や触媒等が包含される。特に芳香族炭化水素のアルキル化反応、パラフィンのイソパラフィンへの異性化及び低級オレフィンへのクラッキングを行う触媒として有利に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明においては、ZAPO-5は、(i)ZnO源、(ii)Al源、(iii)P源、(iv)トリエチルアミン及び(v)水を用いることによって合成することができる。また、ZAPO-36は、(i)ZnO源、(ii)Al源、(iii)P源、(iv)トリプロピルアミン及び(v)水を用いることによって合成することができる。
【0008】
ZnO源としては、有機酸亜鉛や無機酸亜鉛等が用いられる。この場合、該有機酸は、水溶性亜鉛塩を与えるものであればよく、各種のものが用いられる。このようなものには、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等が包含される。なお、該無機酸には、塩酸、硫酸、硝酸等が包含される。
【0009】
Al源としては、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミニウムイソプロポキシド、アルミナ等が用いられる。
源としては、オルトリン酸(リン酸)、メタリン酸、ピロリン酸等の各種のリン酸及びそれらの水溶性塩が挙げられる。
本発明においては、構造規制有機物質(SDA)としては、トリエチルアミンを用いるとZAPO-5を容易に得ることが出来る。ZAPO-36を容易に生成させるSDAとしては、トリプロピルアミンが用いられる。
【0010】
本発明の第1の態様は、(i)ZnO源、(ii)Al源、(iii)P源の混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気及び構造規制有機物質の蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することにより高結晶性微粒子ZAPO-5及びZAPO-36を製造する方法である。本方法をVPT法と称する。
【0011】
本発明の第2の態様は、(i)ZnO源、(ii)Al源、(iii)P源、(iv)構造規制有機物質との混合物からなるドライゲルを、粉末状態において、水蒸気の存在下で90~200℃の温度に保持することより、高結晶性微粒子ZAPO-5及びZAPO-36を製造する方法である。本方法をSAC法と称する。
【0012】
本発明で用いる反応原料において、その組成モル比は、以下の通りである。
/Al:0.6~1.5、好ましくは0.8~1.2
ZnO/Al:0.05~0.5、好ましくは0.1~0.2
O/Al:5~100、好ましくは30~50
R/Al:0.5~3.0、好ましくは1.0~2.0
前記において、RはZAPO-5の製造に際してはトリエチルアミンを、また、ZAPO-36の製造に際してはトリプロピルアミンを示す。
【0013】
VPT法によりZAPO-5及びZAPO-36を合成するには、Al源、ZnO源、P源、及び水からなる混合物を作り、これを攪拌してゲル化物とし、これを攪拌しながら80~90℃に加熱して乾燥し、固形物(ドライゲル)を得る。この固形物を粉砕して粉体とする。この粉体の平均粒径は0.1~100μm、好ましくは1~50μmである。
【0014】
本発明において、ZAPO-5を得るには、この粉体を、水蒸気及び構造規制有機物質であるトリエチルアミンの存在下、90~200℃、好ましくは100~150℃の温度に保持して結晶化させる。
【0015】
本発明において、ZAPO-36を得るには、上記粉体を、水蒸気及び構造規制有機物質であるトリプロピルアミンの存在下、90~200℃、好ましくは100~160℃の温度に保持して結晶化させる。より好ましくは100-110℃において24-72時間エージングを行った後、130-150℃で24—48時間加熱することにより純粋なZAPO-36結晶が得られる。
【0016】
これらの結晶化物を450~700℃、好ましくは500~600℃にて空気中で焼成して、構造規制有機物質を焼失させることより、ZAPO-5及びZAPO-36を得る。これらの粒子径は、0.1~1μm程度である。
【0017】
SAC法によりZAPO-5を合成するには、Al源、ZnO源、P源、構造規制有機物質であるトリエチルアミンまたはトリプロピルアミン及び水からなる混合物を作り、これを攪拌してゲル化物とし、これを攪拌しながら80~90℃に加熱して乾燥し、固形物(ドライゲル)を得る。この固形物を粉砕して粉体とする。この粉体の平均粒径は0.1~100μm、好ましくは1~50μmである。
【0018】
本発明においては、この粉体を、水蒸気の存在下、90~200℃、好ましくは100~150℃の温度に保持して結晶化させる。
この結晶化物を450~700℃、好ましくは500~600℃にて空気中で焼成して、構造規制有機物質を焼失させることより、ZAPO-5を得る。これらの粒子径は、0.1~1mμ程度である。
【0019】
以上の方法により製造されたZAPO-5及びZAPO-36は、細孔内に包接されているSDAを除去する必要がある。通常は、空気中でマッフル炉内で450-600℃に加熱し、焼成することによりSDAを除去する。この際、急激な温度上昇は結晶構造の破壊を伴いやすいので昇温速度を小さくすることが求められる。また、この焼成は空気中で行っても良いが、炉内を窒素で置換することがより好ましい。この焼成により、ZAPO-5およびZAPO-36に細孔が生成する。ZAPO-5は0.73x0.73nmの細孔を有し、ZAPO-36の細孔径は0.65×0.74nmである。
【0020】
該ZAPO-5及びZAPO-36は、従来のゼオライトと同様に各種の用途に用いられる。この場合の用途には、吸着剤や触媒等が包含される。特に芳香族炭化水素のアルキル化反応、パラフィンのイソパラフィンへの異性化及び低級オレフィンへのクラッキングを行う触媒として有利に用いられる。
【0021】
図1に本発明の実施説明図を示す。
構造規制有機物質は、VPT法では、ゲルに直接添加せずに、オートクレーブの底部に充填された水に含有させる。また、SAC法では、ゲル中に構造規制有機物質を含有させる。
【0022】
前記のようにして得られる微粒子ZAPO-5及びZAPO-36は、そのまま触媒として使用することも可能であるが、通常は、加圧成形し、成形物の形態で使用される。この場合の形態は、粒状、球状、円柱状、円筒状、ペレット状等の各種の形態であることができる。
また、ZAPO-5及びZAPO-36を成形して成形物とする場合、成形助剤バインダーを併用することができる。バインダーとしては、α-アルミナのような表面積が小さく、不活性な無機物質が挙げられる。
【0023】
本発明のZAPO-5及びZAPO-36からなる触媒を用いてビフェニルのイソプロピル化を行うことができる。この場合、反応温度は200℃~350℃、より好ましくは250~300℃である。また、プロピレン圧は1atm~20atm、より好ましくは5atmから10atmである。この際、プロピレンは予め反応器中に必要量を導入しても、反応中一定圧に保っても良い。
【実施例】
【0024】
次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0025】
実施例1
(VPT法によるZAPO-5の合成)
(1)アルミニウムイソプロポキシド2.045gを、脱イオン水2.02g中において、室温で20分間攪拌した。
【0026】
(2)2.0gの脱イオン水を、1.15gのオルトリン酸(85%)に加えた。
【0027】
(3)0.220gの酢酸亜鉛[Zn(CHCOO)・4HO]に、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続攪拌しながら、滴下した。
【0028】
(4)前記リン酸水溶液を、前記(3)のスラリーに滴下し、30分間攪拌した。さらに1時間、撹拌を続けて均一混合物を得た。次いで、該ゲルを、連続攪拌しながら、油浴上80℃で乾燥して、水を蒸発させた。ゲルが濃厚になり、粘性を生じた時点で、テフロン(商標)製ロッドにより均質化した。この操作を該ゲルが乾燥するまで続けた。この場合の乾燥時間は、その合成条件により変化した(約0.45~1時間)。このようにして、白色固体(ドライゲル)が生成したが、このものは粉砕して微粉末とした。
【0029】
(5)この微粉末を小さなテフロン(商標)製カップ(高さ20mm、内径20mm)に入れた。このカップをテフロン(商標)ライニングしたオートクレーブ(23ml)に入れた。構造規制有機物質であるトリエチルアミン(EtN、0.19g)及び少量(ドライゲル1g当り約0.3g)の水を、オートクレーブの底部に充填した。この場合、その外部水が該ドライゲルに直接接触しないようにした。
【0030】
次いで、該ゲルを、オーブン中、175℃で自己発生スチーム圧下、1日間加熱した。
【0031】
得られた結晶化生成物は、蒸留水を用いる遠心法で洗浄し、100℃で一夜乾燥した。
【0032】
次に、該生成物(ゼオライト)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
【0033】
このようにして得た製品(I)の純度及び結晶度を、粉末X線回折法(XRD)により測定した。図2に示した様に、その純度は99%以上であり、その結晶度は99%以上であり、高純度、高結晶性の微粒子ゼオライトであることが確認された。
【0034】
なお、得られたZAPO-5のZnO/Al比は0.19であり、平均粒子径は0.5-1.0μmであった。
【0035】
実施例2
(SAC法によるZAPO-5の合成)
(1)アルミニウムイソプロポキシド2.045gを、脱イオン水2.02g中において、室温で20分間攪拌した。
【0036】
(2)2.0gの脱イオン水を、1.15gのオルトリン酸(85%)に加えた。
【0037】
(3)0.220gの酢酸亜鉛[Zn(CHCOO)・4HO]に、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続攪拌しながら、滴下した。
【0038】
(4)前記リン酸水溶液を、前記(3)のスラリーに滴下し、30分間攪拌した。次いで、トリエチルアミン(EtN、1.92g)を、アルミノホスフェートベースゲルに対し、室温で約30分間連続攪拌しながら、滴下し、該撹拌をさらに1時間続けて均一混合物を得た。次いで、該ゲルを、連続攪拌しながら、油浴上80℃で乾燥して、水を蒸発させた。ゲルが濃厚になり、粘性を生じた時点で、テフロン(商標)製ロッドにより均質化した。この操作を該ゲルが乾燥するまで続けた。この場合の乾燥時間は、その合成条件により変化した(約0.45~1時間)。このようにして、白色固体(ドライゲル)が生成したが、このものは粉砕して微粉末とした。
【0039】
(5)この微粉末を小さなテフロン(商標)製カップ(高さ20mm、内径20mm)に入れた。このカップをテフロン(商標)ライニングしたオートクレーブ(23ml)に入れた。少量(ドライゲル1g当り約0.3g)のスチーム源としての水を、オートクレーブの底部に充填した。この場合、その外部水が該ドライゲルに直接接触しないようにした。
【0040】
次いで、該ゲルを、オーブン中、175℃で自己発生スチーム圧下、1日間加熱した。
得られた結晶化生成物は、蒸留水を用いる遠心法で洗浄し、100℃で一夜乾燥した。
【0041】
次に、該生成物(ゼオライト)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
【0042】
このようにして得た製品(I)の純度及び結晶度を、粉末X線回折法(XRD)により測定した。図3に示した様に、その純度は99%以上であり、その結晶度は99%以上であり、高純度、高結晶性の微粒子ゼオライトであることが確認された。
【0043】
なお、得られたZAPO-5のZnO/Al比は0.185であり、平均粒子径は0.5-1.0μmであった。
【0044】
比較例1
(水熱合成法によるZAPO-5の合成)
実施例1と同様の組成で水熱合成法によりZAPO-5の合成を試みた。
(1)アルミニウムイソプロポキシド2.045gを、脱イオン水2.02g中において、室温で20分間攪拌した。
【0045】
(2)2.0gの脱イオン水を、1.15gのオルトリン酸(85%)に加えた。
【0046】
(3)0.220gの酢酸亜鉛[Zn(CHCOO)・4HO]に、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続攪拌しながら、滴下した。
【0047】
(4)前記リン酸水溶液を、前記(3)のスラリーに滴下し、30分間攪拌した。次いで、トリエチルアミン(EtN、1.92g)を、アルミノホスフェートベースゲルに対し、室温で約30分間連続攪拌しながら、滴下し、該撹拌をさらに1時間続けて均一混合物を得た。この溶液をオートクレーブに入れ、175℃で1日加熱した。
【0048】
(5)得られた結晶化生成物は、蒸留水を用いる遠心法で洗浄し、100℃で一夜乾燥した。
【0049】
(6)次に、該生成物(ゼオライト)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
このようにして得た製品の純度及び結晶度を、粉末X線回折法(XRD)により測定した。図4に示したとおりいくつかの不純物に基づく回折ピークが認められた。得られたZAPO-5の平均粒子径は10-20μmであった。
【0050】
実施例3
(VPT法によるZAPO-36の合成)
(1)アルミニウムイソプロポキシド3.76gを、脱イオン水3.7g中において、室温で20分間攪拌した。
【0051】
(2)次いで、0.373gの酢酸亜鉛[Zn(CHCOO)・4HO]を脱イオン水2.0g中に溶解した。
【0052】
(3)2.0gの脱イオン水を1.15gのオルトリン酸(85%)に加えた。
【0053】
(4)前記酢酸亜鉛水溶液を、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続攪拌しながら、滴下した。
【0054】
(5)前記リン酸水溶液を、前記(4)のスラリーに滴下し、30分間攪拌した。次いで、トリプロピルアミン(PrN、2.62g)を、アルミノホスフェートベースゲルに対し、室温で約30分間連続攪拌しながら、滴下し、該撹拌をさらに1時間続けて均一混合物を得た。次いで、該ゲルを、連続攪拌しながら、油浴上80℃で乾燥して、水を蒸発させた。ゲルが濃厚になり、粘性を生じた時点で、テフロン(商標)製ロッドにより均質化した。この操作を該ゲルが乾燥するまで続けた。この場合の乾燥時間は、その合成条件により変化した(約0.45~1時間)。このようにして、白色固体(ドライゲル)が生成したが、このものは粉砕して微粉末とした。
【0055】
(6)この微粉末を小さなテフロン(商標)製カップ(高さ20mm、内径20mm)に入れた。このカップをテフロン(商標)ライニングしたオートクレーブ(23ml)に入れた。少量(ドライゲル1g当り約0.3g)のスチーム源としての水を、オートクレーブの底部に充填した。この場合、その外部水が該ドライゲルに直接接触しないようにした。
【0056】
次いで、該ゲルを、オーブン中105℃で2日、140℃で自己発生スチーム圧下、1日間加熱した。
【0057】
得られた結晶化生成物は、蒸留水を用いる遠心法で洗浄し、100℃で一夜乾燥した。
【0058】
次に、該生成物(ゼオライト)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
【0059】
このようにして得たZAPO-36の純度及び結晶度を、粉末X線回折法(XRD)により測定した。図5に示した様に、その純度は99%以上であり、その結晶度は99%以上であり、高純度、高結晶性の微粒子ゼオライトであることが確認された。
【0060】
なお、得られたZAPO-36におけるZnO/Al比は0.15であり、平均粒子径は0.1-1.0μmであった。
【0061】
比較例2
実施例3と同様の組成で水熱合成法によりZAPO-36の合成を試みた。
(1)アルミニウムイソプロポキシド3.76gを、脱イオン水3.7g中において、室温で20分間攪拌した。
【0062】
(2)次いで、0.373gの酢酸亜鉛[Zn(CHCOO)・4HO]を2.0gHO中に溶解した。
【0063】
(3)1.5gの脱イオン水を2.305gのオルトリン酸(85%)に加えた。
【0064】
(4)前記酢酸亜鉛水溶液を、前記アルミニウムイソプロポキシドスラリーに、30分間連続攪拌しながら、滴下した。
【0065】
(5)前記リン酸水溶液を、前記(4)のスラリーに滴下し、30分間攪拌した。次いで、トリプロピルアミン(PrN、2.62g)を、アルミノホスフェートベースゲルに対し、室温で約30分間連続攪拌しながら、滴下し、該撹拌をさらに1時間続けて均一混合物を得た。この溶液をオートクレーブに入れ、105℃で2日加熱し、その後140℃で1日加熱した。
【0066】
(6)得られた結晶化生成物は、蒸留水を用いる遠心法で洗浄し、100℃で一夜乾燥した。
【0067】
次に、該生成物(ゼオライト)をマッフル炉に入れ、空気流通下(流速50ml/分)で加熱した。この場合、加熱温度は、1.5時間で室温から200℃に上昇させ、この温度に2時間保持した。該温度を再び3時間かけて550℃に上昇させた。この温度にさらに6時間保持し、最後に、該製品を室温(大気条件)に冷却した。
【0068】
このようにして得た製品の純度及び結晶度を、粉末X線回折法(XRD)により測定した。図6に示したとおりいくつかの不純物に基づく回折ピークが認められた。得られたZAPO-36の平均粒子径は10-20μmであった。
【0069】
応用例1
(ビフェニルのイソプロピル化)
実施例1で得たZAPO-5(0.25g)をビフェニル(7.7g、50mmol)とともにオートクレーブに入れ、内部を窒素で洗浄した。オートクレーブを250℃まで加熱し、プロピレン8atmを導入した。その後、撹拌を行うことによりイソプロピル化を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却し、過剰のプロピレンをパージした後、反応生成物をガスクロマトグラフにより分析した。
【0070】
生成物中にはイソプロピルビフェニル(IPBP)及びジイソプロピルビフェニル(DIPB)の生成が確認された。この際の反応率は9%、ジイソプロピルビフェニル中の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率は69%であった。
【0071】
応用例2
(ビフェニルのイソプロピル化)
実施例3で得たZAPO-36(0.25g)をビフェニル(7.7g、50mmol)とともにオートクレーブに入れ、内部を窒素で洗浄した。オートクレーブを250℃まで加熱し、プロピレン8atmを導入した。その後、撹拌を行うことによりイソプロピル化を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却し、過剰のプロピレンをパージした後、反応生成物をガスクロマトグラフにより分析した。
【0072】
生成物中にはイソプロピルビフェニル(IPBP)及びジイソプロピルビフェニル(DIPB)の生成が確認された。この際の反応率は45%、ジイソプロピルビフェニル中の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率は38%であった。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施説明図を示す。
【図2】VPT法により合成したZAPO-5のX線回折を示す。
【図3】SAC法により合成したZAPO-5のX線回折を示す。
【図4】水熱合成法により合成したZAPO-5のX線回折を示す。
【図5】VPT法により合成したZAPO-36のX線回折を示す。
【図6】水熱合成法により合成したZAPO-36のX線回折を示す。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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