TOP > 国内特許検索 > 動力付人工関節 > 明細書

明細書 :動力付人工関節

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4362588号 (P4362588)
公開番号 特開2006-026197 (P2006-026197A)
登録日 平成21年8月28日(2009.8.28)
発行日 平成21年11月11日(2009.11.11)
公開日 平成18年2月2日(2006.2.2)
発明の名称または考案の名称 動力付人工関節
国際特許分類 A61F   2/30        (2006.01)
FI A61F 2/30
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2004-211265 (P2004-211265)
出願日 平成16年7月20日(2004.7.20)
審査請求日 平成19年7月20日(2007.7.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
発明者または考案者 【氏名】木口 量夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査官 【審査官】川端 修
参考文献・文献 特開平11-262887(JP,A)
特開平08-098853(JP,A)
特開昭63-246152(JP,A)
特開平01-127289(JP,A)
特開2004-009281(JP,A)
調査した分野 A61F 2/30
特許請求の範囲 【請求項1】
人体の一の骨の端部に固定されるようになした頭部、及び、人体の前記一の骨に対向する他の骨の端部に固定されるようになしてあり、前記頭部を抱持する抱持部を具備し該抱持部に嵌め合わされた頭部が相対移動できる人工関節
前記頭部の抱持部に対向する部分及び/又は前記抱持部の頭部に対向する部分に配設され、給電により前記人工関節を動かすアクチュエーター部と、
アクチュエーター部に電流を供給する電源部と、
人体の前記人工関節に係る複数の筋肉にそれぞれ配置されるようになしてあり各筋肉からの筋電信号をそれぞれ検出する複数のセンサー部と、
センサー部からの信号に基づいて前記アクチュエーターの制御を行う制御部とを備えること
特徴とする動力付人工関節。
【請求項2】
前記請求項1に記載の動力付人工関節において、
前記アクチュエーター部が前記頭部に電磁石を複数配設し、前記抱持部に永久磁石を複数配設して構成され、
または、
前記アクチュエーター部が前記頭部に永久磁石を複数配設し、前記抱持部に電磁石を複数配設して構成されることを
特徴とする動力付人工関節。
【請求項3】
前記請求項1に記載の動力付人工関節において、
前記アクチュエーター部が前記頭部にコイルを配設し、前記抱持部に永久磁石を複数配設して構成され、
または、
前記アクチュエーター部が前記頭部に永久磁石を複数配設し、前記抱持部にコイルを配設して構成されることを
特徴とする動力付人工関節。
【請求項4】
前記請求項1に記載の動力付人工関節において、
前記アクチュエーター部が前記頭部に圧電素子を複数配設し、前記抱持部に金属プレートを配設して構成され、
または、
前記アクチュエーター部が前記頭部に金属プレートを配設し、前記抱持部に圧電素子を複数配設して構成されることを
特徴とする動力付人工関節。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかに記載の動力付人工関節において、
前記制御部及び電源部は前記頭部又は抱持部の内部に配設してあることを
特徴とする動力付人工関節。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、人工関節に関し、特に、人工関節を使い、又は、使うことを補助する動力付人工関節に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術となる人工関節は、特開平6-285098号公報に開示されるものがある。この人工関節は、先端に骨頭を備えたステムと臼蓋とから構成される全置換型人工関節において、臼蓋のチタン合金製アウターカップの表面に、傾斜機能セラミックスを被覆した構成である。
【0003】
背景技術となる関節動作補助器具は、特開2001-276100号公報に開示されるものがある。この関節動作補助器具は、用者の関節部に曲げ動作の補助筋力を付与する人工筋力発生手段と、この人工筋力発生手段の駆動を制御する制御手段とを有するものであって、前記制御手段に、前記人工筋力発生手段の補助筋力の発生を停止して前記関節部の拘束を開放する人工筋力開放手段を備えた構成である。

【特許文献1】特開平6-285098号公報
【特許文献2】特開2001-276100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記人工関節は以上のように構成され、人工関節を埋め込まれた患者は自己の筋力により人工関節を使って腕等を動かすことができるものの、患者の筋力が足りず自己の力で人工関節を使うことができないという課題を有する。したがって、この場合には、関節動作補助器具を別途使用する必要がある。
【0005】
また、前記関節動作補助器具は以上のように構成され、関節又は人工関節を使うことを補助することができるものの、人体外部に備えられてあり、目だって外観上好ましくないという課題を有する。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされ、人工関節の役目を果たすと共に外観上気付かれることなく人工関節と一体に構成され、当該人工関節を使うための動力をも供給する動力付人工関節を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る動力付人工関節は、人体の一の骨の端部に固定されるようになした頭部、及び、人体の前記一の骨に対向する他の骨の端部に固定されるようになしてあり、前記頭部を抱持する抱持部を具備し該抱持部に嵌め合わされた頭部が相対移動できる人工関節前記頭部の抱持部に対向する部分及び/又は前記抱持部の頭部に対向する部分に配設され、給電により前記人工関節を動かすアクチュエーター部と、アクチュエーター部に電流を供給する電源部と、人体の前記人工関節に係る複数の筋肉にそれぞれ配置されるようになしてあり各筋肉からの筋電信号をそれぞれ検出する複数のセンサー部と、センサー部からの信号に基づいて前記アクチュエーターの制御を行う制御部とを備えるので、使用者の意思をセンサー部を介して制御部が判断し、かかる判断に基づきアクチュエータ部を電源部からの電流供給で制御することができ、本来の人工関節の役目を果たすと共に、外観上目立つことなくアクチュエーターからの補助を受けながら人工関節を用いることができる。ここで、人工関節に係る筋肉とは、関節を動かす場合に用いる筋肉のことである。具体的には、肘関節では上腕二頭筋及び上腕三頭筋が該当し、膝関節では大腿四頭筋及びハムストリングスが該当し、肩関節では上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、大胸筋,棘下筋,僧帽筋,大円筋及び小円筋が該当し、股関節では腸腰筋、大腿直筋、縫工筋、ハムストリングス、薄筋、大臀筋、中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋、内転筋、恥骨筋及び外旋筋群が該当する。しかしながら、全ての筋肉にセンサーを配設しない場合もある。それは筋肉が既にない場合、動作を限定している場合であってかかる筋肉を使用しない場合には、センサーを配設しないか、配設しても制御部が制御に関してかかるセンサーからの信号を使用しない。
【0008】
また、本発明に係る動力付人工関節は必要に応じて、前記アクチュエーター部が前記頭部に電磁石を複数配設し、前記抱持部に永久磁石を複数配設して構成されもの、または、前記アクチュエーター部が前記頭部に永久磁石を複数配設し、前記抱持部に電磁石を複数配設して構成されるものである。このように本発明においては、前記アクチュエーター部が前記頭部に電磁石を複数配設し、前記抱持部に永久磁石を複数配設して構成されるので、モーター等を使用することなく、騒音もなく、潤滑油等の不純物の流出がなく、放熱も少なく、スペースもそれほど必要なく小型に形成することができる。頭部又は抱持部に配設される電磁石又は永久磁石は、それぞれ頭部又は抱持部の表面に配設される方が磁力の力を効率的に利用することができる。
【0009】
また、本発明に係る動力付人工関節は必要に応じて、前記アクチュエーター部が前記頭部にコイルを配設し、前記抱持部に永久磁石を複数配設して構成されもの、または、前記アクチュエーター部が前記頭部に永久磁石を複数配設し、前記抱持部にコイルを配設して構成されるものである。このように本発明においては、前記アクチュエーター部が前記頭部にコイルを配設し、前記抱持部に永久磁石を複数配設する構成であるので、モーター等を使用することなく、騒音もなく、潤滑油等の不純物の流出がなく、放熱も少なく、スペースもそれほど必要なく小型に形成することができる。頭部又は抱持部に配設されるコイル又は永久磁石は、それぞれ頭部又は抱持部の表面に配設される方が磁力の力を効率的に利用することができる。
【0010】
また、本発明に係る動力付人工関節は必要に応じて、前記アクチュエーター部が前記頭部に圧電素子を複数配設し、前記抱持部に金属プレートを配設して構成されるもの、または、前記アクチュエーター部が前記頭部に金属プレートを配設し、前記抱持部に圧電素子を複数配設して構成されるものである。このように本発明においては、前記アクチュエーター部が前記頭部に圧電素子を複数配設し、前記抱持部に永久磁石を複数配設する構成であるので、モーター等を使用することなく、潤滑油等の不純物の流出がなく、放熱も少なく、スペースもそれほど必要なく小型に形成することができる。頭部又は抱持部に配設される圧電素子は、頭部又は抱持部の表面に配設される方が振動を効率的に利用することができる。
一方、本発明に係る動力付人工関節は必要に応じて、前記制御部及び電源部は前記頭部又は抱持部の内部に配設してある。そのため、別途人体内部にスペースを作らなくともよく安全性の面から好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る動力付人工関節について、図1に基づき説明する。図1は本実施形態に係る人工関節を腕に取り付けた後の断面図である。
本実施形態に係る動力付人工関節は、一の骨の端部に位置する頭部10とこの一の骨に対向する他の骨の端部に位置し、前記頭部を抱持する抱持部20とからなり、頭部10が所定方向に動くことができるものであって、前記人工関節を動かすアクチュエーター部30と、このアクチュエーター部30に電流を供給する電源部40と、本人工関節に係る一対の筋肉に配設され、この一対の筋肉からの筋電信号を検出するセンサー部50と、このセンサー部50からの信号に基づいて前記アクチュエーター部30の制御を行う制御部60とを備え、前記アクチュエーター部30が前記頭部10に電磁石31を複数配設し、前記抱持部に永久磁石32を複数配設して構成されるものである。
【0012】
前記頭部10は、先端が球形状となっており、後端は尖形状となっている。先端が球形状となっているのは、前記抱持部20に嵌め合わされた場合に関節として機能すべく所定範囲で回動自在となるためである。一方、後端が尖形状となっているのは、上腕骨の海綿骨、骨髄空に穴を形成し、頭部を挿入し固定するためである。すなわち、骨髄にしっかりと固定するためである。また、頭部10は金属又はセラミック等から成形されている。
【0013】
前記抱持部20は、頭部10を抱持し嵌め合わせた場合に回動可能とするため頭部10との接触面部分が椀形状となっており、2層のカップから構成され(構成されない場合もある)、外側のカップをアウターカップと内側のカップをインナーカップとからなる。アウターカップ及びインナーカップは、通常合金等の金属、又は、セラミック等から成形されている。
【0014】
前記アクチュエーター部30は、複数の電磁石31を頭部10の抱持部20との対向表面に複数配設し、抱持部20の頭部10との対向表面に永久磁石32を複数配設した構成である。この構成により、前記電源部40の供給を電磁石31が受けることにより、磁力を発生し、抱持部20の永久磁石32と反発したり吸引したりして、頭部10が相対移動しアクチュエーターとしての機能を発揮する。
【0015】
前記センサー部50は、使用者の筋肉の動きを検知するためのものであり、検出対象となる筋肉に近接して配置される検出針を有し、筋肉の動作に伴って生じる筋電を検出針で検出した場合には増幅して制御部60に出力するものである。筋電信号は筋肉から発生し、これは筋肉が収縮運動するのが生化学反応(イオン反応)によるところに起因するものである。本実施形態では検出針を2つ設けることとする。一方の検出針は上腕二頭筋肉、他方の検出針は上腕三頭筋を対象とする。ここで、検出針の検出対象となる筋肉以外が動いた場合であっても微量ながら筋電を検出する場合があるが、回路によりあるしきい値を設定しこの値を超えない限りは増幅することもなく制御部60に出力することもないようにすることもできる。なお、本発明は検出針の形状、数に限定されるものではない。具体的なセンサーとしては、体内埋め込み型電気刺激装置(FES)で使用されている埋め込み型の電極等を用いることができる。
前記電源部40は、高効率で超小型な充電電池であること望ましく、充電方法も接点をもって充電するのではんく、無接点で充填する方法を採ることが安全上好ましい。
【0016】
前記制御部60は、センサー部50からの信号に基づき電源部40の電流をアクチュエーター部30に供給し動作させる制御をするものである。センサー部50からの信号は少なくとも2種あり、一方は上腕二頭筋が動いたことを知らせる信号であり、他方は上腕三頭筋が動いたことを知らせる信号である。初期状態で腕を伸ばした状態であるとすると、この状態から上腕二頭筋を動かせば、上腕二頭筋を動いたことを知らせる信号がセンサー部50から制御部60に出力され、使用者が腕を曲げようとしていると判断することができるので、アクチュエーター部30を腕を曲げようとする方向に動作させる。一方、腕を曲げた状態から上腕三頭筋を動かせば、上腕三頭筋を動いたことを知らせる信号がセンサー部50から制御部60に出力され、腕を伸ばそうとしていると判断することができるので、アクチュエーター部30を腕を伸ばそうとする方向に動作させる。ここで、どの程度の時間アクチュエーター部30を動作させれば良いかが問題となるが、センサー部から継続して同じ信号が出力されている場合には動作させる必要がある。逆に、センサー部50から信号の出力が止まり、逆の信号が出力されるようになった場合には逆方向にアクチュエーター部30を動作させる。さらに、アクチュエーター部30の動作は電源部40の出力電圧の大きさにより動作の強さを調整することができるが、センサー部からの信号が大きければ大きいほどアクチュエーター部30への出力電圧を大きくすることで使用者の意思に沿う動作が可能となる。さらにまた、センサー部50の電位変化が大きい場合には、使用者はすばやく腕の曲げ伸ばしを行いということが判断されるので、アクチュエーター部30をすばやく動かすように制御部60は制御する必要があり、電位変化を大きくして動作させる必要がある。しかしながら、あまりにも早く動作させるのは使用者の安全性の観点から好ましくないので、安全回路を配設し、所定速度以上に動作しないように制限することが好ましい。なお、筋電の電圧レベルは個人差があるので、予め使用者の筋電の電圧レベルの最大値、最小値、変化率等を調べ、制御部60を設定することが好ましい。
【0017】
本実施形態に係る動力付人工関節の人体への埋め込みついて説明する。人工関節の頭部10、抱持部20をそれぞれ上腕骨または橈骨に配設する必要がある。この順序はどちらからも行ってよい。頭部10から行う場合には、上腕骨の海綿骨を削り髄骨に頭部の尖形状の後端を押し入れる。同様に、抱持部20も、橈骨の海綿骨を削り髄骨に抱持部20の尖形状の後端を押し入れる。ここで、固定する場合にはセメントを頭部10と髄骨との間、抱持部20と髄骨との間に充填する。これにより頭部10と抱持部20とが固定されるので、頭部10と抱持部20とを嵌め合わせて関節を構成させる。さらに、本人工関節には、人工関節自体以外に制御部60、電源部40、センサー部50がある。制御部60、電源部40は頭部10又は抱持部20の内部に配設することで別途人体内部にスペースを作らなくともよく安全性の面から好ましい。さらに、センサー部50の検出針を対象となる上腕二頭筋、上腕三頭筋に近接し、検出針に接続される線路を制御部まで引いて接続する。なお、この埋め込み方法は一例にすぎない。
【0018】
次に、本実施形態に係る動力付人工関節の使用動作について説明する。手術により本動力付人工関節が配設された使用者は、腕を曲げようとすると上腕二頭筋を動かすこととなるので、センサー部50の検出針が制御部60に対して上腕二頭筋が動いているとの信号を出力する。制御部60はかかる信号に基づきアクチュエーター部30を腕を曲げる方向に動作させるために電磁石31に電流を流す。そうすると、アクチュエーター部30が腕の動きを補助するように働く。
【0019】
使用者は今度は腕を伸ばそうとすると上腕三頭筋を動かすこととなるので、センサー部50の他方の検出針が制御部60に対して上腕三頭筋が動いているとの信号を出力する。制御部はかかる信号に基づきアクチュエーター部30を腕を伸ばす方向に動作させるために電磁石31に先ほどとは逆に電流を流す。そうすると、アクチュエーター部30が腕の動きを補助するように動く。
【0020】
このように本実施形態に係る動力付人工関節によれば、体内に収納されて人工関節を動かすアクチュエーター部30と、当該アクチュエーター部30に電流を供給する電源部40と、本人工関節に係る一対の筋肉に配設され、当該一対の筋肉からの筋電信号を検出するセンサー部50と、当該センサー部50からの信号に基づいて前記アクチュエーター部30の制御を行う制御部60とを備えるので、使用者の意思をセンサー部50を介して制御部60が判断し、かかる判断に基づきアクチュエーター部30を電源部40からの電流供給で制御することができ、本来の人工関節の役目を果たすと共に、外観上目立つことなくアクチュエーター部30からの補助を受けながら人工関節を用いることができる。また、前記アクチュエーター部30が前記頭部10に電磁石31を複数配設し、前記抱持部20に永久磁石32を複数配設して構成されるので、モーター等を使用することなく、潤滑油等の不純物の流出がなく、放熱も少なく、スペースもそれほど必要なく小型に形成することができる。
【0021】
なお、本実施形態では肘関節についての人工関節について説明したが、他の部位の関節であってもよい。
また、本実施形態に係る人工関節の各構成とは別に、スイッチ、リモコンを設け、電源ON/OFFスイッチ、一時停止スイッチ等により制御部に対して制御信号を送り、人工関節を操作可能にすることもできる。特に、故障した場合などにメンテナンスモードを設け、使用者の体内から人工関節を取り出すことなく、故障の原因究明、修理を行うようにすることもできる。
【0022】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る動力付人工関節について、図2に基づき説明する。図2は本実施形態に係る人工関節を腕に取り付けた後の断面図である。
本実施形態に係る動力付人工関節は、前記第1の実施形態に係る動力付人工関節と同様に構成され、前記アクチュエーター部30が前記頭部10にコイル33を配設し、前記抱持部に永久磁石32を複数配設することを異にする構成である。
【0023】
本実施形態に係る動力付人工関節の使用動作について説明する。なお、本実施形態に係る動力付人工関節の人体への埋め込みついては、前記第1の実施形態と同様である。手術により本動力付人工関節が配設された使用者は、腕を曲げようとすると上腕二頭筋を動かすこととなるので、センサー部50の検出針が制御部60に対して上腕二頭筋が動いているとの信号を出力する。制御部60はかかる信号に基づきアクチュエーター部30を腕を曲げる方向に動作させるためにコイル33に電流を流す。そうすると、アクチュエーター部30が腕の動きを補助するように働く。
【0024】
使用者は今度は腕を伸ばそうとすると上腕三頭筋を動かすこととなるので、センサー部50の他方の検出針が制御部60に対して上腕三頭筋が動いているとの信号を出力する。制御部60はかかる信号に基づきアクチュエーター部30を腕を伸ばす方向に動作させるためにコイル33に先ほどとは逆に電流を流す。そうすると、アクチュエーター部30が腕の動きを補助するように動く。
【0025】
このように本実施形態に係る動力付人工関節は、前記アクチュエーター部30が前記頭部10にコイル33を配設し、前記抱持部20に永久磁石32を複数配設する構成であるので、モーター等を使用することなく、潤滑油等の不純物の流出がなく、放熱も少なく、スペースもそれほど必要なく小型に形成することができる。
【0026】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る動力付人工関節について、図3に基づき説明する。図3は本実施形態に係る人工関節を腕に取り付けた後の断面図である。
本実施形態に係る動力付人工関節は、前記第1の実施形態に係る動力付人工関節と同様に構成され、前記アクチュエーター部30が前記頭部10に圧電素子34を複数配設し、前記抱持部20に金属プレート35を配設することを異にする構成である。
【0027】
前記金属プレート35は、抱持部20の表面に配設されており、頭部10の滑動を促すものである。
本実施形態に係る動力付人工関節の使用動作について説明する。なお、本実施形態に係る動力付人工関節の人体への埋め込みついては、前記第1の実施形態と同様である。
【0028】
本実施形態に係る動力付人工関節の使用動作について説明する。なお、本実施形態に係る動力付人工関節の人体への埋め込みついては、前記第1の実施形態と同様である。手術により本動力付人工関節が配設された使用者は、腕を曲げようとすると上腕二頭筋を動かすこととなるので、センサー部50の検出針が制御部60に対して上腕二頭筋が動いているとの信号を出力する。制御部60はかかる信号に基づきアクチュエーター部30を腕を曲げる方向に動作させるために圧電素子34に電流を流し所定方向の振動を発生させる。そうすると、圧電素子34は振動してアクチュエーター部30が腕の動きを補助するように働く。
【0029】
使用者は今度は腕を伸ばそうとすると上腕三頭筋を動かすこととなるので、センサー部50の他方の検出針が制御部60に対して上腕三頭筋が動いているとの信号を出力する。制御部60はかかる信号に基づきアクチュエーター部30を腕を伸ばす方向に動作させるために圧電素子に電流を流し前記所定方向と逆の振動を発生させる。そうすると、圧電素子34は振動してアクチュエーター部30が腕の動きを補助するように動く。
【0030】
このように本実施形態に係る動力付人工関節は、前記アクチュエーター部30が前記頭部10に圧電素子34を複数配設し、前記抱持部20に永久磁石を複数配設する構成であるので、モーター等を使用することなく、潤滑油等の不純物の流出がなく、放熱も少なく、スペースもそれほど必要なく小型に形成することができる。
【0031】
(その他の実施形態)
前記各実施形態に係る動力付人工関節においては、肘関節について説明したが、例えば、肩関節、股関節及び膝関節等のその他の関節であっても各実施形態に係る動力付人工関節は適用可能である。以下、その他の関節の例として肩関節について説明する。
前記肘関節においては、関節の動きに関する筋肉が上腕二頭筋及び上腕三頭筋であって一対の筋肉であった。しかしながら、肩関節においては、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、大胸筋、大円筋、棘下筋、僧帽筋及び小円筋が関節の動きに関する筋肉であって、人工関節に動作に係る筋肉となる。
【0032】
本実施形態に係る動力付人工関節は、図4に示す構成とした(図4では便宜のため大胸筋を点線で示している)。頭部10、抱持部20は、一般の人工関節と同様に、肩関節に相応したものとなっている。アクチュエーター部30、電磁石31、永久磁石32、電源部40、センサー部50及び制御部60は、原則的に、前記第1の実施形態と同様のものである。しかしながら、肘関節と比べると、肩関節が発揮すべき力が異なるため、アクチュエーターとしての出力を向上させるべく、電源部40からの電気の供給量を大きくし、電磁石31及び永久磁石32の数を多くし、磁力の強さを大きくする必要がある。また、電磁石31及び永久磁石32の配置であるが、肘関節であれば関節の移動方向が略一定直線であるが、肩関節においては自由度が大きく、移動範囲に応じて電磁石31及び永久磁石32を平面的な広がりをもって配置する必要がある。さらに、センサー部50を構成する検出針も前記上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、大胸筋、大円筋、棘下筋、僧帽筋及び小円筋に配置し、制御部60はかかる複数の検出針からの信号を受け制御する必要がある。一般的には、出力される筋電の相対的出力レベルから肩関節をどこの方向に移動するかを決定することができる。しかしながら、病気を患っている方等は痛みから不均一に筋肉が発達している場合もあり、結果的に個人差が大きい。したがって、本発明の動力付人工関節を適用する前、後で、必要であれば補助者を伴って腕、肩等を動かし肩関節を動かして出力される筋電を検出し、かかる動きをサンプリングし、かかるサンプリングから制御部の制御を決定することが好ましい。このようなサンプリングは、術後経年し、使用者の年齢が変化するに伴い関節の動きと筋電の出力レベルとの関係が変化する場合もあり、メンテナンスが必要となる。したがって、メンテナンスを容易に行うことができるように制御部のみを皮膚組織近く等に配設するか、または、無線通信により制御部をメンテナンスできるように構成することが好ましい。
【0033】
また、本実施形態では、電磁石31、永久磁石32を用いて、すなわち、前記第1の実施形態を肩関節に適用した場合となっているが、第2及び第3の実施形態を肩関節に適用した場合も同様に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る人工関節を腕に取り付けた後の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る人工関節を腕に取り付けた後の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る人工関節を腕に取り付けた後の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る人工関節を肩に取り付けた後の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 頭部
20 抱持部
30 アクチュエーター部
31 電磁石
32 永久磁石
33 コイル
34 圧電素子
35 金属プレート
40 電源部
50 センサー部
60 制御部

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3