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明細書 :9-置換フルオレン誘導体及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4139904号 (P4139904)
公開番号 特開2006-248984 (P2006-248984A)
登録日 平成20年6月20日(2008.6.20)
発行日 平成20年8月27日(2008.8.27)
公開日 平成18年9月21日(2006.9.21)
発明の名称または考案の名称 9-置換フルオレン誘導体及びその製造方法
国際特許分類 C07F   5/02        (2006.01)
C07F   7/22        (2006.01)
FI C07F 5/02 CSPA
C07F 7/22 D
C07F 7/22 F
C07F 7/22 M
請求項の数または発明の数 13
全頁数 15
出願番号 特願2005-067757 (P2005-067757)
出願日 平成17年3月10日(2005.3.10)
審査請求日 平成19年8月21日(2007.8.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】山口 茂弘
【氏名】若宮 淳志
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】110000017、【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
審査官 【審査官】本堂 裕司
参考文献・文献 特表2007-516319(JP,A)
特開昭58-021684(JP,A)
米国特許第06229012(US,B1)
Tetrahedron,1997年,53(29),10133-10154
Journal of Organometallic Chemistry,1991年,402(2),179-199
Journal of Organometallic Chemistry,1986年,307(1),7-14
調査した分野 C07F 5/02
C07F 7/10
C07F 7/12
C07F 7/22
C07F 7/30
CA(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
フルオレンの9位の炭素をホウ素に置換した、下記式(1)で表される9-置換フルオレン誘導体。
【化1】
JP0004139904B2_000013t.gif
(上記式(1)中、Eは置換基の結合したホウ素であり、Xはフッ素以外のハロゲンであり、Rはアリール基、アルキル基又はヘテロアリール基である)
【請求項2】
下記式(2)で表される9-置換フルオレン誘導体骨格を構成単位とするπ電子系化合物を合成するための中間体に用いられる、請求項1に記載の9-置換フルオレン誘導体。
【化2】
JP0004139904B2_000014t.gif
(上記式(2)中、Eは置換基の結合したホウ素であり、R1及びR2はそれぞれ独立にアリール基、アリールビニル基、アリールエチニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールビニル基又はヘテロアリールエチニル基であり、Rはアリール基、アルキル基又はヘテロアリール基であり、Xはフッ素以外のハロゲンである)
【請求項3】
はフェニル基、トリル基、キシリル基、2,4,6-トリメチルフェニル基(メシチル基)、2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2,4,6-トリアリールフェニル基、2,6-ジアリールフェニル基、3-アルキル-2-チエニル基、2-チアゾリル基、3-アルキルピリジル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基及びシクロペンチル基からなる群より選ばれた一つである、請求項1又は2に記載の9-置換フルオレン誘導体。
【請求項4】
下記式(4)で表される、9-置換フルオレン誘導体。
【化3】
JP0004139904B2_000015t.gif
(上記式(4)中、Aはスズ又はゲルマニウムであり、R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1~16のアルキル基又はアリール基であり、Xはフッ素以外のハロゲンである)
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の9-置換フルオレン誘導体を合成するための中間体に用いられる、請求項に記載の9-置換フルオレン誘導体。
【請求項6】
下記式(5)で表される9-置換フルオレン誘導体。
【化4】
JP0004139904B2_000016t.gif
(上記式(5)中、Aはスズ又はゲルマニウムであり、R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1~16のアルキル基又はアリール基であり、Jはトリアゼニル基である)
【請求項7】
請求項又はに記載の9-置換フルオレン誘導体を合成するための中間体に用いられる、請求項に記載の9-置換フルオレン誘導体。
【請求項8】
下記式(2)で表される9-置換フルオレン誘導体骨格を構成単位とするπ電子系化合物。
【化5】
JP0004139904B2_000017t.gif
(上記式(2)中、Eは置換基の結合したホウ素であり、R1及びR2はそれぞれ独立にアリール基、アリールビニル基、アリールエチニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールビニル基又はヘテロアリールエチニル基であり、Rはアリール基、アルキル基又はヘテロアリール基であり、Xはフッ素以外のハロゲンである)
【請求項9】
Rはフェニル基、トリル基、キシリル基、2,4,6-トリメチルフェニル基(メシチル基)、2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2,4,6-トリアリールフェニル基、2,6-ジアリールフェニル基、3-アルキル-2-チエニル基、2-チアゾリル基、3-アルキルピリジル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基及びシクロペンチル基からなる群より選ばれた一つである、請求項8に記載の9-置換フルオレン誘導体。
【請求項10】
9-置換フルオレン誘導体の製造方法であって、
請求項又はに記載の9-置換フルオレン誘導体とハロゲン化試薬とを反応させることによりトリアゼニル基をハロゲンで置換して請求項又はに記載の9-置換フルオレン誘導体を製造する方法。
【請求項11】
9-置換フルオレン誘導体の製造方法であって、
請求項又はに記載の9-置換フルオレン誘導体とハロゲン化ホウ素とを反応させることによりAR45をハロゲン化ボリル基に置換した反応生成物を得、続いて該反応生成物との金属試薬とを反応させることによりホウ素上のハロゲンをに置換して請求項1~3のいずれか1項に記載の9-置換フルオレン誘導体を製造する方法。
【請求項12】
9-置換フルオレン誘導体の製造方法であって、
請求項又はに記載の9-置換フルオレン誘導体とハロゲン化ホウ素とを反応させることによりAR45をハロゲン化ボリル基に置換した反応生成物を得、続いて該反応生成物を取り出すことなく、反応混合液へRの金属試薬を加えて反応させることによりホウ素上のハロゲンをに置換して請求項1~3のいずれか1項に記載の9-置換フルオレン誘導体を製造する方法。
【請求項13】
反応溶媒として炭化水素系溶媒を用いる、請求項11又は12に記載の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、9-置換フルオレン誘導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フルオレンを基本骨格に持つπ電子系化合物は、有機EL素子材料として幅広く用いられている。フルオレンの9位の炭素を電気的に陽性な元素であるホウ素や14族元素(スズ、ケイ素、ゲルマニウムなど)に置き換えた9-置換フルオレン誘導体は、pπ-π*共役やσ*-π*共役などの特異な軌道間相互作用によりフルオレンよりも低い最低非占有分子軌道(LUMO)を持つことから電子を受け取りやすい構造といえる。例えば、フルオレンの9位の炭素をホウ素に置き換えたジベンゾボロールは、電子受容能が高く、これを基本骨格とするπ電子系化合物は、有機EL素子材料における新たな電子輸送性材料及び発光材料として期待されている。ジベンゾボロール骨格のπ共役を拡張したπ電子系の合成には、3,7位をハロゲン化した誘導体(3,7-ジヨードジベンゾボロール)が鍵前駆体となる。最近、その効率的な製造方法が山口、玉尾らにより報告されている(例えば特許文献1)。

【特許文献1】特開2003-206289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来の方法では、ジベンゾボロールの3,7位にハロゲンを導入するために、2,8位に-OR,-NRなどのオルト誘導効果を持つ官能基を導入する必要があった。π共役系の電子構造という観点からは、-OR,-NRなどの官能基は電子供与基であり、そのような置換基の導入はジベンゾボロール骨格の電子受容能を低下させ、電子輸送性材料としても性能を下げてしまうと考えられる。つまり、ジベンゾボロールを電子輸送性材料としてみたときには2,8位に電子供与基を持たない方が好ましいが、そのようなジベンゾボロールの効率的な合成方法は未だ報告例がない。
【0004】
また、フルオレンの9位の炭素を14族元素に置き換えた9-置換フルオレン誘導体についても、同様に、ジベンゾボロールの2,8位と同じ位置(フルオレンベースで番号を付すと3,6位)には電子供与基を持たない方が好ましいが、そのようなフルオレン誘導体の効率的な合成方法についても未だ報告例がない。なお、念のため、フルオレンの番号の付け方とジベンゾボロールの番号の付け方を[課題を解決するための手段]の末尾の化6に示す。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、フルオレン骨格の3,6位に電子供与基を持たない9-置換フルオレン誘導体を提供することを目的の一つとする。また、そのような9-置換フルオレン誘導体を効率よく製造する方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上述した課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の9-置換フルオレン誘導体は、フルオレンの9位の炭素を電気的に陽性な元素に置換した、下記式(1)で表されるものである。式(1)中、Eは置換基の結合したホウ素又は14族元素であり、Xはフッ素以外のハロゲンである。
【化1】
JP0004139904B2_000002t.gif

【0008】
本発明の9-置換フルオレン誘導体は、下記式(2)で表される9-置換フルオレン誘導体骨格を構成単位とするπ電子系化合物を合成するための中間体に用いることができる。ここで、式(2)中、Eは置換基の結合したホウ素又は14族元素であり、R及びRはそれぞれ独立にアリール基、アリールビニル基、アリールエチニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールビニル基又はヘテロアリールエチニル基である。アリール基、アリールビニル基、アリールエチニル基におけるアリールとしては、フェニル基,置換フェニル基,ビフェニル基,置換ビフェニル基,ナフチル基,置換ナフチル基,アントリル基,置換アントリル基,置換フルオレニル基などが挙げられ、ヘテロアリール基、ヘテロアリールビニル基、ヘテロアリールエチニル基におけるヘテロアリールとしては、チエニル基,置換チエニル基,オリゴチエニル基,置換オリゴチエニル基,チアゾリル基,置換チアゾリル基,オキサゾリル基,置換オキサゾリル基,ピリジル基,置換ピリジル基等が挙げられる。式(1)の9-置換フルオレン誘導体は、例えば、Pd触媒存在下でのアリールスズ化合物やアセチレン化合物とのクロスカップリング反応などにより、下記式(2)のπ電子系化合物へと容易に誘導することができる。かかるπ電子系化合物は、電子供与基を持たないため電子輸送材料として好適であり、また発光材料などとしても有用である。
【化2】
JP0004139904B2_000003t.gif

【0009】
本発明の9-置換フルオレン誘導体は、式(1)のEが置換基の結合したホウ素の場合、その具体例は下記式(3)で表される。ここで、式(3)中、Rはアリール基、アルキル基又はヘテロアリール基であり、Xはフッ素以外のハロゲンである。式(3)では、ホウ素に結合した置換基は、アリール基、アルキル基又はヘテロアリール基であるが、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、2,4,6-トリメチルフェニル基(メシチル基)、2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジアリールフェニル基、2,4,6-トリアリールフェニル基などが挙げられ、アルキル基としては、tert-ブチル基,シクロヘキシル基やシクロペンチル基などが挙げられ、ヘテロアリール基としては、3-アルキル-2-チエニル基,2-チアゾリル基、3-アルキルピリジル基などが挙げられる。このうち、メシチル基、2,4,6-トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、および2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル基のような嵩高い基が好ましく、特にホウ素に結合した置換基としては2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル基が好ましい。これは、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル基の場合にはホウ素の周りを立体的に完全に保護するため、化合物が非常に安定になるからである。また、Xとしては、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、臭素、ヨウ素がより好ましく、ヨウ素が特に好ましい。
【化3】
JP0004139904B2_000004t.gif

【0010】
本発明の9-置換フルオレン誘導体は、式(1)のEが置換基の結合した14族元素の場合、その具体例は下記式(4)で表される。ここで、式(4)中、Aはスズ、ケイ素又はゲルマニウムであり、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~16のアルキル基又はアリール基であり、Xはフッ素以外のハロゲンである。炭素1~16のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基,ヘキシル基,ドデシル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基,メシチル基,1-ナフチル基,2-ナフチル基,9-アントリル基などが挙げられる。また、Xとしては、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、臭素、ヨウ素がより好ましく、ヨウ素が特に好ましい。
【化4】
JP0004139904B2_000005t.gif

【0011】
上記式(4)の9-置換フルオレン誘導体は、上記式(2)で表される9-置換フルオレン誘導体骨格を構成単位とする電子輸送性材料を合成するための中間体に用いることができるほか、上記式(3)で表される9-置換フルオレン誘導体つまりジベンゾボロールを合成するための中間体に用いることもできる。後者の中間体に用いる場合には、反応性を考慮すると、Aはスズであることが好ましい。
【0012】
上記式(4)の9-置換フルオレン誘導体は、下記式(5)で表される9-置換フルオレン誘導体から1ステップで容易に合成することができる。ここで、式(5)中、Aはスズ、ケイ素又はゲルマニウムであり、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~16のアルキル基又はアリール基であり、Jはトリアゼニル基である。Jは、例えば3,3-ジメチルトリアゼニル基や3,3-ジエチルトリアゼニル基、3,3-(1,4-ブタンジイル)トリアゼニル基、3,3-(1,5-ペンタンジイル)トリアゼニル基などの3,3-ジアルキルトリアゼニル基としてもよいし、ジフェニルトリアゼニル基などのジアリールトリアゼニル基としてもよい。
【化5】
JP0004139904B2_000006t.gif

【0013】
本発明の9-置換フルオレン誘導体のうち、上記式(4)で表される9-置換フルオレン誘導体は、上記式(5)で表される2,7-ジトリアゼニル体とハロゲン化試薬とを反応させてトリアゼニル基をハロゲンで置換することにより製造することができる。ここで、ハロゲン化試薬としては、例えばヨウ化メタン、ヨウ素,ヨウ化トリメチルシラン,臭化トリメチルシラン,ヨウ化亜鉛,ヨウ化カリウムなどを用いることができる。
【0014】
本発明の9-置換フルオレン誘導体のうち、上記式(3)で表される9-置換フルオレン誘導体すなわちジベンゾボロールは、まず上記式(4)で表される9-置換フルオレン誘導体とBClやBBrなどのハロゲン化ホウ素とを反応させることにより9位をハロゲンの結合したホウ素に置換した反応生成物を得、続いて該反応生成物とRの金属試薬とを反応させてホウ素上のハロゲンをRに置換することにより、製造することができる。この一連の反応は、途中の反応生成物を取り出すことなくワンポットで行うことが好ましい。また、反応溶媒を使用する場合には、炭化水素系溶媒を用いることが好ましい。ここで、炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられる。また、金属試薬としては、有機リチウム、有機マグネシウムハライド、有機銅試薬などを用いることができる。なお、反応時間や反応温度は使用する試薬等に応じて適宜選定すればよい。
【0015】
本発明の9-置換フルオレン誘導体は、有機EL素子やFETの電子輸送材料などのπ電子系化合物へ誘導することができる。π電子系化合物の一例として、有機EL素子の電子輸送材料として用いる場合について説明する。有機EL素子は、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の3つの薄膜を2つの電極で挟んだ構造であり、陽極から注入された正孔が正孔輸送層を介して発光層に入り、陰極から注入された電子が電子輸送層(電子輸送材料を主体とする層)を介して発光層に入ることにより、正孔と電子とが発光層中で再結合して発光する。有機EL素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を公知の蒸着法やスピンコート法で薄膜とすることにより形成する。蒸着法を用いて薄膜化する場合、その蒸着条件は、各層を構成すべき材料の種類や分子累積膜の目的とする結晶構造及び会合構造などにより異なるが、例えば、ボート加熱温度50~400℃、真空度10-6~10-3Pa、蒸着速度0.01~50nm/s、基板温度-50~+300℃、膜厚5~5000nmの範囲で適宜選択してもよい。
【0016】
次に、本発明の9-置換フルオレン誘導体から得られたπ電子系化合物を用いて有機EL素子を作製する方法を説明する。適当な基板上に陽極物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10~200nmの範囲の膜厚になるように蒸着法により形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔輸送材料からなる薄膜を蒸着法により形成させて正孔輸送層とする。続いて、形成した正孔輸送層の上に発光物質からなる薄膜を蒸着法により形成させて発光層とし、更にその上に本発明の9-置換フルオレン誘導体から得られたπ電子系化合物からなる薄膜を蒸着法により形成させて電子輸送層とする。そして、形成した電子輸送層の上に陰極物質からなる薄膜を1μm以下の膜厚になるように蒸着法により形成させて陰極を作製することにより、有機EL素子が得られる。なお、上述した有機EL素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、陽極の順に作製してもよい。
【0017】
有機EL素子の陽極は、例えば、仕事関数の大さな電極材料から構成されていてもよく、具体的には、金などの金属、ヨウ化銅などの合金、インジウムチンオキシド、酸化亜鉛などの誘電性透明材料から構成されていてもよい。有機EL素子の陰極は、例えば、仕事関数の小さな電極材料から構成されていてもよく、具体的には、カルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム合金、アルミニウム/リチウム混合物、マグネシウム/銀混合物、インジウムから構成されていてもよい。有機EL素子の正孔輸送層は、例えば、N-フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、TPD、芳香族第3級アミンを主鎖又は側鎖に持つポリマー、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサンやN,N’-ジフェニル-N,N’-ジナフチル-4,4’-ジアミノビフェニルなどのトリアリールアミン誘導体、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体、ポリシランなどであってもよい。有機EL素子の発光層は、例えば、昼光蛍光材料、蛍光増白剤、レーザ色素、有機シンチレータ、各種の蛍光分析試薬を用いてもよく、具体的には、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレンなどの多環縮合化合物、クオーターフェニルなどのオリゴフェニレン系化合物、1,4-ビス(2-メチルスチリル)ベンゼン、1,4-ビス(4-メチルスチリル)ベンゼン、1,4-ビス(4-メチル-5-フェニル-2-オキザゾリル)ベンゼンなどの液体シンチレーション用シンチレータ、クマリン染料、ジシアノメチレンピラン染料、ジシアノメチレンチオピラン染料、オキソベンズアントラセン染料、キサンテン染料、カルボスチリル染料、ペリレン染料、オキサジン化合物、スチルベン誘導体、オキサジアゾール系化合物、シラシクロペンタジエン誘導体などであってもよい。
【0018】
なお、下記化6に、フルオレンの番号の付け方とジベンゾボロールの番号の付け方を示した。本明細書では、9-置換フルオレン誘導体を説明する場合にはフルオレンの番号の付け方にしたがって説明し、ジベンゾボロールを説明する場合にはジベンゾボロールの番号の付け方にしたがって説明した。また、ジベンゾスタノール等を説明する場合にはジベンゾボロールの番号の付け方にしたがった。
【化6】
JP0004139904B2_000007t.gif

【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を、実施例を用いて以下に説明する。
【実施例】
【0020】
[実施例1]
まず、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジブロモビフェニルをm-ブロモニトロベンゼンを出発原料として公知の方法(J. Mater. Chem., 2002, Vol.12, p1335)法により合成した。続いて、アルゴンガス雰囲気下、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジブロモビフェニル(34.2g,100mmol)を1Lフラスコ中でTHF(350mL)に溶解させ、BF(OEt)を加えた。この溶液に、tert-BuONO(88mL,650mmol)のTHF(100mL)溶液を-10℃で加えた。さらに-10℃で30分撹拌した後、0℃にゆっくりと昇温した。生成した褐色固体を吸引ろ過し、固体を0℃のジエチルエーテル(10mLで3回)で洗浄した。得られた固体を1Lフラスコに移してKCO(55.2g,400mmol)を入れ、0℃のジクロロメタン(600mL)を加えた。これにジエチルアミン(41.5mL,400mmol)を0℃でゆっくり加え、そのまま0℃で1時間30分撹拌した。吸引ろ過により溶媒に不溶の無機塩を取り除き、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体を300mLのエーテルに溶かして、水(100mL)で洗浄し、有機層を飽和食塩水30mLで洗浄した。無水NaSOで乾燥後、吸引ろ過し、減圧下で溶媒を留去し、赤色固体の4,4’-ビス(N,N-ジエチルトリアゼニル)-2,2’-ジブロモビフェニル(46.7g,91.6mmol)(下記化7の化合物1)を収率92%で得た。化合物1のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(270MHz, CDCl3):δ 7.74(d, J=1.8Hz, 2H), 7.40(dd, J=8.1, 1.8Hz, 2H), 7.20(d, J=8.1Hz, 2H), 3.79(q, J=6.8Hz, 8H), 1.29(t, J=6.8Hz, 12H).
【化7】
JP0004139904B2_000008t.gif

【0021】
[実施例2]
アルゴンガス雰囲気下、実施例1で得た化合物1(5.10g,10.0mmol)のTHF溶液(100mL)にn-BuLiのヘキサン溶液(1.6M,12.5mL,20.0mmol)を-78℃で滴下した。温度を-78℃に保ったまま1.5時間攪拌した後、BuSnCl(3.04g,10.0mmol)のTHF溶液(10mL)をキャニュラでゆっくり加え、室温まで昇温しながら終夜攪拌した。50mLのNaHCO溶液を加えた後、エーテル(50mL)で3回抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水NaSOで乾燥し、吸引ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン/トリエチルアミン=14/1,Rf=0.41)で分離精製し、黄色オイルの3,7-ビス(N,N-ジエチルトリアゼニル)-5,5’-ジブチルジベンゾスタノール(4.95g,8.48mmol)(下記化8の化合物2)を収率85%で得た。化合物2のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(270MHz, C6D6):δ 8.24(s, 2H), 7.96(d, J=8.6Hz, 2H), 7.87(d, J=8.6Hz, 2H), 3.45(q, J=6.8Hz, 8H), 1.53(m, 4H), 1.22(m, 4H), 0.96(t, J=6.8Hz, 12H), 0.79(t, J=7.3Hz, 6H).
【化8】
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【0022】
[実施例3]
アルゴンガス雰囲気下、実施例2で得た化合物2(16.6g,28.5mmol)をヘキサン(10mL)を用いてガラスチューブに移した。溶媒を減圧下で留去した後、CHI(57.0mL,853mmol)を加えた。アルミホイルで遮光し、アルゴンガス雰囲気下、90℃で1.5時間撹拌した。減圧下でCHIを留去した後、ジクロロメタン溶液(30mL)を激しく撹拌したヘキサン(600mL)中に滴下した。生成した黒い不溶物を吸引ろ過により取り除き、減圧下でろ液の溶媒を留去した。さらに、得られた固体を逆層カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 CHCN/THF=3/1,Rf=0.46)で分離精製し、無色オイルの3,7-ジヨード-5,5-ジブチルジベンゾ[b,d]スタノール(8.13g,12.7mmol)(下記化9の化合物3)を収率45%で得た。化合物3のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(270MHz, C6D6):δ 7.98(s, 2H), 7.96(td, J=16.0, 2.0Hz, 2H), 7.56(dd, J=8.4, 2.0Hz, 2H), 7.21(d, J=8.4Hz, 2H), 1.31(m, 4H), 1.11(m, 4H), 1.03(m, 4H), 0.72(t, J=7.3Hz, 6H); EI MS m/z 639(M+).
【化9】
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【0023】
[実施例4]
アルゴンガス雰囲気下、実施例3で得た化合物3(3.46g,5.41mmol)のトルエン溶液(30mL)にBClの1Mヘキサン溶液(5.41mL,5.41mmol)を-78℃で加えた。この溶液を-78℃で1時間撹拌した後、室温に昇温した。この溶液に2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニルリチウムのトルエン溶液(10mL)をキャニュラで加えて、そのまま室温で終夜撹拌した。10mLの水を加え、エーテル(20mL)で2回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水MgSOで乾燥、および吸引ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体をヘキサン(30mL)で洗浄し、吸引ろ過により黄色固体の3,7-ジヨード-5-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)-5H-ジベンゾ[b,d]ボロール(1.52g,2.33mmol)(下記化10の化合物4)を収率43%で得た。化合物4のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(270MHz, CDCl3):δ 7.75(d, J=1.6Hz, 2H), 7.67(dd, J=5.4, 1.6Hz, 2H), 7.43(s, 2H), 7.25(d, J=5.4Hz, 2H), 1.39(s, 9H), 1.18(s, 18H); EI MS m/z 661(M+).
【化10】
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【0024】
[実施例5]
アルゴンガス雰囲気下、化合物3(2.47g,3.88mmol)のトルエン溶液(20mL)にBClの1Mヘキサン溶液(3.90mL,3.90mmol)を-78 ℃で加えた。この溶液を-78℃で1時間撹拌した後、室温に昇温した。この溶液に2,4,6-トリイソプロピルフェニルリチウムのトルエン溶液(5mL)をキャニュラで加えそのまま室温で終夜撹拌した。10mLの水を加えて、エーテル(20mL)で2回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水MgSOで乾燥、および吸引ろ過後、減圧下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン/ジクロロメタン,8/1,Rf=0.42)で分離精製し、黄色固体の3,7-ジヨード-5-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)-5H-ジベンゾ[b,d]ボロール(0.302g,0.488mmol)(上記化10の化合物5)を収率13%で得た。化合物5のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(270MHz, C6D6):δ 7.86(d, J=1.9Hz, 2H), 7.38(dd, J=7.8, 1.9Hz, 2H), 7.12(s, 2H), 6.55(d, J=7.8Hz, 2H), 2.85(sep, J=7.0Hz, 1H),2.51(sep, J=7.0Hz, 2H), 1.26(d, J=7.0Hz, 6H), 1.10(d, J=7.0Hz, 12H).
【0025】
[実施例6]
アルゴンガス雰囲気下、5-ブロモ-2,2’-ジチオフェン(307mg,1.25mmol)のTHF(12.5mL)溶液に、tert-BuLiのペンタン溶液(1.68M,1.50mL,2.50mmol)を-78℃で加えた。この溶液を-78℃で1時間半撹拌した後、ZnCl(tmeda)(316mg,1.25 mmol)を加えて、室温で2時間撹拌を続けた。この溶液を、化合物4(331mg,0.500mmol),Pd(dba)・CHCl(28.4mg,0.03 mmol),およびトリフリルホスフィン(23.2 mg,0.10 mmol)のTHF(2.5mL)溶液に加えて、40℃で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン/ジクロロメタン=4/1,Rf=0.33)およびGPC(展開溶媒 クロロホルム)で分離精製し、赤色固体の3,7-ビス(ビチエニル)-5-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)-5H-ジベンゾ[b,d]ボロール(220mg,0.299mmol)(下記化11の化合物6)を収率60%で得た。化合物6のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(400MHz, CDCl3):δ 7.69(d, J=1.2Hz, 2H), 7.58(dd, J=7.6, 1.8Hz, 2H), 7.51(d, J=7.6Hz, 2H), 7.50(s, 2H), 7.21(dd, J=5.2, 1.2Hz, 2H), 7.18(d, J=3.6Hz, 2H), 7.17(d, J=3.6Hz, 2H), 7.11(d, J=3.6Hz, 2H), 7.02(dd, J=5.2, 3.6Hz, 2H), 1.45(s, 9H), 1.29(s, 18H); 13C NMR(400MHz, CDCl3):δ 153.2, 149.3, 149.2, 147.6(br), 143.2, 137.4, 136.4, 133.9, 131.1, 129.6, 129.4(br), 127.8, 124.6, 124.3, 123.6, 121.6, 120.4, 37.8, 34.8, 34.0, 31.4; EI MS m/z 736(M+);HRMS calcd for C46H45BS4, 736.2497;found, 736.2482. Anal. Calcd for C46H45BS4: C,74.97;H,6.15;N,0.00. Found: C, 74.86; H, 6.12, N, 0.00.
【化11】
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【0026】
このように合成した化合物6についてX線結晶構造解析を行った。その結果、反応性の高いホウ素部分はかさ高いスーパーメシチル基(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル基,Mes*基ともいう)によりほぼ完全に覆われていることが確認された(図1参照)。また、ジベンゾボロール骨格の3,7-位で結合したチオフェン環はジベンゾボロール骨格に対してほぼ平面構造となっていることが分かった。このような構造は、π共役に有効な構造である。また、化合物6の紫外可視吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定したところ、化合物6はTHF中において、325nm,388nm,および472nmに吸収を示し、604nmに発光を示した。さらに、合物6について、n-BuPF(0.1M)を支持電解質に用いて、THF溶液中でサイクリックボルタメトリーを行った結果、Epc=-2.13V(vs Fc/Fc)とEpc=-2.32Vに二段階の可逆な一電子還元波を示した(図2参照)。この結果は、ジベンゾボロール骨格を含むπ共役系の高い電子受容能を示している。
【0027】
[実施例7]
アルゴンガス雰囲気下、(4-ヨードフェニル)ジフェニルアミン(463mg,1.25mmol)のTHF(5mL)溶液に、tert-BuLiのペンタン溶液(1.67M,1.50mL,2.50mmol)を-78℃で加えた。さらに-78℃で1時間半撹拌した後、ZnCl(tmeda)(316mg,1.25mmol)を加え、室温で1時間半撹拌を続けた。この溶液を、化合物4(331mg,0.500mmol)、Pd(dba)・CHCl (27.9mg,0.03mmol)、およびトリフリルホスフィン(23.2mg,0.10mmol)のTHF(5mL)溶液に加え、40℃で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン/トルエン=3/2,Rf=0.43)で分離精製し、オレンジ固体の3,7-ビス[p-(N,N-ジフェニルアミノ)フェニル]-5-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)-5H-ジベンゾ[b,d]ボロール(344mg,0.384mmol)(上記化11の化合物7)を収率77%で得た。化合物7のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(270MHz, C6D6):δ 7.99(d, J=1.4Hz, 2H), 7.11(s, 2H), 7.50(dd, J=7.8, 1.9Hz, 2H), 7.44(d, J=7.8Hz, 2H), 7.27(d, J=8.6Hz, 4H), 7.08(d, J=8.6Hz, 4H), 7.07(t, J=8.6Hz, 4H), 6.98(d, J=8.6Hz, 4H), 6.86(d, J=8.6Hz, 2H), 1.43(s, 18H), 1.34(s, 9H);13C NMR(400MHz, CDCl3):δ 153.8, 149.9, 149.6, 148.4(br), 148.3, 147.5, 141.0, 135.2, 132.7, 131.3, 129.6, 128.6, 128.5, 124.8, 124.6, 123.2, 122.2, 120.9, 38.3, 35.0, 34.4, 31.6.
【0028】
[実施例8]
アルゴンガス雰囲気下、5-ブロモ-2,2’-ジチオフェン(123mg,0.50mmol)のTHF(5mL)溶液に、tert-BuLiのペンタン溶液(1.49 M,0.67mL,1.0mmol)を-78℃で加えた。さらに-78℃で1時間半撹拌した後、ZnCl(tmeda)(127mg,0.50mmol)を加え、室温で2時間撹拌を続けた。この溶液を、化合物4(124mg,0.20mmol),Pd(dba)・CHCl(12.6mg,0.01 mmol),およびトリフリルホスフィン(10.4mg,0.04mmol)のTHF(1mL)溶液に加え、40℃で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン/ジクロロメタン=3/1,Rf=0.32)およびGPC(展開溶媒 クロロホルム)で分離精製し、赤色固体の3,7-ビス(ビチエニル)-5-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)-5H-ジベンゾ[b、d]ボロール(25mg,0.036mmol)(上記化11の化合物8)を収率18%で得た。化合物8のスペクトルデータは以下のとおり。1H NMR(400MHz, C6D6):δ 7.93(d, J=1.6Hz, 2H), 7.44(dd, J=7.6, 1.6Hz, 2H), 7.67(s, 2H), 7.13(d, J=7.6Hz, 2H), 6.95(dd, J=3.6, 1.2Hz, 2H), 6.89(d, J=3.6Hz, 2H), 6.71(dd, J=5.0, 1.2Hz, 2H), 6.65(dd, J=5.0, 3.6Hz, 2H), 6.60(d, J=3.6Hz, 2H), 2.82(m, 1H), 2.81(m, 2H), 1.27(d, J=6.8Hz, 12H), 1.23(d, J=7.2Hz, 6H).
【0029】
なお、本発明は以上の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の態様で実施することができる。
【0030】
例えば、実施例2では、化合物1とBuSnClとを反応させてジベンゾスタノールを合成したが、BuSnClの代わりにMeSiClと反応させてジベンゾシロールを合成してもよいし、MeGeClと反応させてジベンゾゲルモールを合成してもよい。
【0031】
また、実施例4では、化合物3すなわちジベンゾスタノールをジベンゾボロールの合成中間体として用いたが、化合物3をπ電子系化合物の合成中間体として用いてもよい。すなわち、実施例6~8において、化合物4の代わりに化合物3を使用し、ジベンゾシロール骨格を含むπ電子系化合物を製造してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】化合物6のX線結晶構造の説明図である。
【図2】化合物6のサイクリックボルタンメトリー測定結果の説明図である。
図面
【図2】
0
【図1】
1