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明細書 :攪拌処理装置及びカテーテル

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4724827号 (P4724827)
公開番号 特開2006-263125 (P2006-263125A)
登録日 平成23年4月22日(2011.4.22)
発行日 平成23年7月13日(2011.7.13)
公開日 平成18年10月5日(2006.10.5)
発明の名称または考案の名称 攪拌処理装置及びカテーテル
国際特許分類 A61B  17/00        (2006.01)
A61M  25/00        (2006.01)
FI A61B 17/00 320
A61M 25/00 306Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 10
出願番号 特願2005-085257 (P2005-085257)
出願日 平成17年3月24日(2005.3.24)
審査請求日 平成19年12月5日(2007.12.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】江 鐘偉
【氏名】鈴木 倫保
【氏名】加藤 祥一
【氏名】渡辺 哲陽
【氏名】森田 実
個別代理人の代理人 【識別番号】100158702、【弁理士】、【氏名又は名称】岡野 卓也
審査官 【審査官】井上 哲男
参考文献・文献 国際公開第03/051208(WO,A1)
特表2004-523286(JP,A)
特表2008-528106(JP,A)
特表2008-521547(JP,A)
特表2004-503277(JP,A)
特表2000-502264(JP,A)
特表2000-501307(JP,A)
特開平10-094542(JP,A)
特開平09-135908(JP,A)
調査した分野 A61B 17/00
A61M 25/00
特許請求の範囲 【請求項1】
被溶解部材に向けて溶解剤を吐出するための吐出口を備え、一端が固定され、他端が自由端となっている攪拌部材と、
該攪拌部材の前記一端が固定されるとともに、該攪拌部材に溶解剤を供給する通路、及び溶けずに残存している細かな被溶解部材を吸引するための吸引口と、該吸引口から被溶解部材を吸引することができる通路を備える長手方向に延出する管収納体
前記攪拌部材の固定端側に設けられる機械的振動付与手段と、
を備えてなり、
前記機械的振動付与手段により前記攪拌部材の自由端側を機械的に振動させて被溶解部材を粉砕するとともに当該機械的振動付与手段のインピーダンスの変化から、被溶解部材の溶解度、被溶解部材が溶解された溶液中の粘度、被接触物の硬度・粘度、又は付着物の硬度・粘度の少なくとも1つを測定する攪拌処理装置。
【請求項2】
血栓に向けて溶解剤を吐出するための吐出口を備え、一端が固定され、他端が自由端となっている攪拌部材と、
該攪拌部材の前記一端が固定されるとともに、該攪拌部材に溶解剤を供給する通路、及び溶けずに残存している細かな血栓を吸引するための吸引口と、該吸引口から被溶解部材を吸引することができる通路を備える長手方向に延出する管収納体
前記攪拌部材の固定端側に設けられる機械的振動付与手段と、
を備えてなり、
前記機械的振動付与手段により前記攪拌部材の自由端側を機械的に振動させて血栓を粉砕するとともに当該機械的振動付与手段のインピーダンスの変化から、血栓の溶解度、血栓が溶解された血液中の粘度、血栓の硬度・粘度、又は血管壁の付着物の硬度・粘度の少なくとも1つを測定する血栓攪拌処理装置と;
前記血栓攪拌処理装置を収納する収納体と;
前記血栓攪拌処理装置を収納体から外方に押し出し、又は外方から収納体内に引き入れるための弾性部材と;
を備えるカテーテル。
【請求項3】
前記機械的振動付与手段のインピーダンスの変化から攪拌軌跡及び溶解剤注入量を制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項2記載のカテーテル。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、被溶解物、例えば血管内の血栓を溶解し除去するための攪拌処理装置及び攪拌処理装置を備えるカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在死亡原因として増加傾向にある脳梗塞、心筋梗塞の要因に、病的血栓があげられる。病的血栓が脳や心臓に形成されると、血管がつまりその先にある細胞(例えば脳細胞)が壊死してしまう。これが梗塞である。血栓症の死亡率や後遺症は血管を再疎通させる迄の時間によって左右されるため、逸早い血栓の溶解が求められている。これまで、血栓溶解剤を注入したうえで、超音波などを照射することにより、血栓の溶解を促進させる方法が試みられている。超音波深触子が血管内に挿入され、その状態で溶解剤を照射して溶解効率を高める(特許文献1参照)。
【0003】
溶解剤を利用して血管内の血栓を溶解させる場合に、血栓に対して超音波を照射して溶解作用を高める研究がなされている。そのメカニズムは完全に解明されたわけではないが、溶解剤を供給した状態で血栓に超音波を照射すると、血栓溶解度合いが高まるという研究結果が出されている。
【0004】
しかしながら、そのような溶解剤と超音波を併用した実際の治療システムはまだ実現されておらず、血栓をはじめとする患部の超音波治療を行えるシステムが要望されている。また、そのようなシステムにおいて、超音波診断を同時に行うことができれば、血管内に新たに超音波探触子などを挿入する手間と患者の負担を軽減できるので、超音波治療と超音波診断が共に行えるシステムが要望されていた。
【0005】
その一方、血管の種類にもよるがその直径は一般にきわめて小さく、超音波探触子内部に多数の振動素子からなるアレイ振動子や、モータ及びギヤなどを利用した振動子駆動機構を設けるのは困難であるという問題がある。しかしながら、血栓が大きい場合、短時間に効率良く、血栓を溶解し、血管中の血栓を除去して血管を再疎通させることができなかった。
【0006】

【特許文献1】特開平4-17846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は従来の欠点を鑑みてなされたもので、本発明は、血栓の大小にかわずに、短時間に効率良く、血栓を溶解し、血管中の血栓を除去して血管を再疎通させることで、血栓症の死亡率や後遺症を低減させることができ、血栓溶解中(治療中)にその血栓溶解度をリアルタイムに判定することができるため、治療の終了を判定することが容易にでき、また、治療中、血栓の状態を観察することができるため、適切な物理的促進方法をどう変化させたらよいか容易に判断することができる攪拌処理装置及びカテーテルを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る攪拌処理装置は、被溶解部材に向けて溶解剤を吐出するための吐出口を備え、一端が固定され、他端が自由端となっている攪拌部材と、該攪拌部材の前記一端が固定されるとともに、該攪拌部材に溶解剤を供給する通路、及び溶けずに残存している細かな被溶解部材を吸引するための吸引口と、該吸引口から被溶解部材を吸引することができる通路を備える長手方向に延出する管収納体、前記攪拌部材の固定端側に設けられる機械的振動付与手段と、を備えてなり、前記機械的振動付与手段により前記攪拌部材の自由端側を機械的に振動させて被溶解部材を粉砕するとともに当該機械的振動付与手段のインピーダンスの変化から、被溶解部材の溶解度、被溶解部材が溶解された溶液中の粘度、被接触物の硬度・粘度、又は付着物の硬度・粘度の少なくとも1つを測定するものである。
【0009】
第2の発明に係るカテーテルは、血栓に向けて溶解剤を吐出するための吐出口を備え、一端が固定され、他端が自由端となっている攪拌部材と、該攪拌部材の前記一端が固定されるとともに、該攪拌部材に溶解剤を供給する通路、及び溶けずに残存している細かな血栓を吸引するための吸引口と、該吸引口から被溶解部材を吸引することができる通路を備える長手方向に延出する管収納体、前記攪拌部材の固定端側に設けられる機械的振動付与手段と、を備えてなり、前記機械的振動付与手段により前記攪拌部材の自由端側を機械的に振動させて血栓を粉砕するとともに当該機械的振動付与手段のインピーダンスの変化から、血栓の溶解度、血栓が溶解された血液中の粘度、血栓の硬度・粘度、又は血管壁の付着物の硬度・粘度の少なくとも1つを測定する血栓攪拌処理装置と;前記血栓攪拌処理装置を収納する収納体と;前記血栓攪拌処理装置を収納体から外方に押し出し、又は外方から収納体内に引き入れるための弾性部材と;を備える。
【0010】
第3の発明に係るカテーテルは、請求項2記載のカテーテルにおいて、前記機械的振動付与手段のインピーダンスの変化から攪拌軌跡及び溶解剤注入量を制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
(1)機械的振動による攪拌のため、超音波より大きな攪拌効果が得られ、高速な血栓除去が可能となる。
(2)溶けずに残る細かな血栓は、さらに半径の小さな血管をつまらせる原因になる。これら細かな血栓は吸引口から吸い取ることができ、安全で確実な血栓除去が行える。
(3)吸引口で吸い込むことのできない大きな血栓は、攪拌処理装置に吸引しながら、吸い込むことのできる大きさになるまで溶かすことができる。この場合、血栓の溶け具合(吸い込める大きさになっているかまた、吸い込めずに攪拌処理装置に吸い付いた状態にあるか)は、攪拌処理装置の機械的インピーダンスの大きさの変化から推定できる。
(4)攪拌処理装置の効果がリアルタイムでわかる。このため、使用中の攪拌方法が適切であるか、また、血栓溶解剤の量が適切であるかを判定することができる。それに伴い効果的な攪拌方法や適切な溶解剤注入量を選択することができる。
(5)血栓が完全に溶解できたかどうかをリアルタイムで判定できるため、いつ治療を終了すればよいかがわかる。
(6)(3)および(4)項目のため、高速な治療が可能になる。これにより患者だけでなく医師の負担も軽減される。
(7)血管が再開通していないうちに治療が終了するということが無くなるため、患者の死亡率や後遺症発生率の低減に役立つ。
(8)溶解度計測は、攪拌処理装置の機械的インピーダンス変化を見ることに基づいている。攪拌処理装置が血管などの硬い物質に触れた場合、機械的振動付与手段のインピーダンスの急激な変化が計測される。このことを利用して、血管に触れないように攪拌処理装置を調節しながら攪拌することができる。つまり患者に負担の少ない低侵襲治療が可能となる。
(9)血管が開通する際、血液が急に流れる。この際攪拌処理装置の機械的インピーダンスの急激な変化が見られる。よって血管の再開通を検知できる。
(10)血栓周りの血液の状態を攪拌処理装置の機械的インピーダンス変化を見ることにより推定できるため、患者の血液に関する健康状態を推定することができる。
(11)血管の剛性といった物理特性を機械的振動付与手段のインピーダンスにより計測することができる。これにより血管にできた腫瘍などを検出できる。
(12)攪拌処理装置はディスポーザブルのため、感染症などの予防が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る攪拌処理装置及び血管内の血栓を溶解し除去するための攪拌処理機能を備えるカテーテルを実施例でもって詳述する。図1は、本発明の実施例に関わる脳血栓攪拌処理装置を備えたカテーテルを示す概略図である。図2はカテーテルの要部を示す拡大図である。
【0013】
図1において、カテーテル10は、血栓攪拌処理装置11を備える。血栓攪拌処理装置11は、血管中の血栓13を溶解するために血栓溶解剤を血栓13に向けて吐出するための吐出口14を備えた血栓溶解剤吐出用管16からなる攪拌部材11aと、該攪拌部材11aに血栓溶解剤を供給する血栓溶解剤の通路32を備えるとともに、血管中に溶けずに残存している細かな血栓13を吸引するための吸引口18と、該吸引口18から血栓を吸引することができる血栓吸入通路34を形成する血栓吸引用管20とを備えた管収納体22と、血栓13を粉砕し、血栓13の溶解度、血栓13が溶解された血液中の粘度、血栓の硬度・粘度、又は血管壁の付着物の硬度・粘度の少なくとも1つをインピーダンスの変化から測定するための機械的振動付与手段である圧電素子24を備える。攪拌部材11aは、一端が前記管収納体22に固定されて、他端が自由端であるはり構造を有しており、圧電素子24は、攪拌部材11aの固定端側に設けられている。なお、血栓溶解剤吐出用管16と血栓吸引用管20は、個々の管を配設する他に、血栓溶解剤吐出用路と血栓吸引用路をそれぞれ管体に孔として形成してもよい。
【0014】
さらに、図3(a)及び図3(a)において、カテーテル10は、前記血栓攪拌処理装置11を収納体10aから外方に押し出し、又は外方から収納体10a内に引き入れるための弾性部材であるバネ26を備える。バネ26は、前記血栓攪拌処理装置11の攪拌部材11a収納体10a内方から血管外方へ延出させ、また延出していた攪拌部材11aを収納体10a内に引き入れる。バネ26は、血栓攪拌処理装置11を構成する管収納体22の後端に前記収納体10a内を長手方向に移動可動に設けられる板材28と、前記収納体10a内部に固定して設けられた固定板30との間に設けられている。かくして、前記移動可動な板材28前記収納体10a内部からの押圧力が加わると、板材28は、バネ26を圧縮する方向に移動し、前記血栓攪拌処理装置11の攪拌部材11aは、収納体10aの内方から血管12内への外方に押し出される。
【0015】
血栓攪拌処理装置11は、攪拌部材11aを構成する血栓溶解剤吐出用管内に血栓溶解剤を吐出するための血栓溶解剤の通路32と、血栓13を吸引することができる血栓吸入通路34を備えた管収納体22を備える。血栓攪拌処理装置11は、前記攪拌部材11aの外周に圧電素子24を備え、圧電素子24を駆動させることで当該攪拌部材11aを機械的に振動させることができる。
【0016】
また、血栓攪拌処理装置11は、機械的振動とそれに伴い発生する超音波により血液をかき混ぜることができる。この際、前記攪拌部材11aの血栓溶解剤の通路から血管内に溶解剤を注入することで、血管内部に存在する血栓13を溶かすことができる。攪拌によっても解けずに残る細かな血栓13は、血管12を流れると、小さな半径の血管12を詰まらせる原因になる。このような小さくなった血栓13は、血栓攪拌処理装置11の血栓吸入通路34内に吸引口18から吸い取ることができる。
【0017】
血栓13がカテーテル10内に吸い込みきれないほど大きい場合は、血栓13を吸引口18に吸いつけた状態で、吸い込める大きさになるまで攪拌部材11aを振動させ血栓13を溶解する。その結果、血栓13は小さくなり、吸引口18から吸い込むことができるようになる。なお、注入用のパイプの直径は約0.05[mm]程度を想定している。攪拌部材本体はディスポーザブルのため、感染症などの予防が可能である。
【0018】
血栓攪拌処理装置11の機械的振動の変化は、はりの形状を変化させ、また、圧電素子24に与える電圧印加信号のモードや波形の種類、さらには振動方向により発生させることができる。かくして、機械的振動は、超音波振動より振動の変化を大きく与えることができるため、血管12中の血栓13の大小にかかわらず、短時間に効率良く破壊して取り除くことができる。
【0019】
図4は、攪拌部材11aの周辺に等間隔で4個それぞれ独立して作動する圧電素子24を備える場合の構成を示す。また、図5はその動きの軌跡を示す。圧電素子24の動きは、それぞれ(1)V1Sin(ω1t+Φ1)、(2)V2Sin(ω1t+Φ2)、(3)V3Sin(ω2t+Φ3)、(4)V4Sin(ω2t+Φ4)で示される。各圧電素子24は、周波数と振幅をそれぞれ異にする。図において、横軸は軸方向の変位、縦軸はy方向の変位を示す。かくして、血栓攪拌処理装置11は、y-z平面上(はりの長手方向に平行な平面)で楕円軌跡を描くように動作する。また、y方向(はりの長手方向)にのみ動く、超音波を発生させる動作をする。図5において、振幅・周波数を変化することで、四角形領域内を網羅できるような様々な方向への攪拌が可能である。四角形領域だけではなく円形領域でも同様な方向への攪拌が可能である。
【0020】
また、図6は、2本の攪拌部材11a間に圧電素子24を間挿させた場合の概略図である。圧電素子24の動作は、VSinwt、w=957.894Hzで示され、図7に示されるように、血栓攪拌処理装置11はせん断力を生じるような動きをする。
【0021】
また、攪拌部材11aの機械的振動の変化は、圧電素子24のインピーダンスの変化から求めることができる。すなわち、血栓13が溶けていくにつれて、血液中の赤血球や血漿蛋白質の濃度が増えることによりその粘度は高くなる。血液の粘度が高くなれば攪拌処理装置11の動作は弱くなっていく。それは血栓攪拌処理装置11の機械的インピーダンスを減少させる。血栓13の溶解度、血栓13が溶解された血液中の粘度、血栓13の硬度・粘度、又は血管壁の付着物の硬度・粘度の少なくとも1つを前記圧電素子24のインピーダンスの変化から測定することができる。
【0022】
実際にリアルタイムで計測を行いながら攪拌した場合の結果を図8に示す。該図において、横軸は周波数、縦軸は圧電素子24のインピーダンスを示す。図中、(1)が攪拌前のインピーダンス計測結果、(2)が攪拌処理装置11による攪拌後のインピーダンス計測結果、(3)が攪拌処理装置11で攪拌後に手で攪拌した後で計測したインピーダンス計測結果である。この結果から、攪拌処理装置11の攪拌効果がわかると共に溶解度計測の有効性がわかる。
【0023】
圧電素子のインピーダンスの変化は、液体の濃度と線形関係にある。このことから、圧電素子のインピーダンスを用いて血液の濃度、血栓13の溶解度を推定することができる。以上の計測方法は治療中(攪拌中)において行うことが可能である。圧電素子のインピーダンスの変化から攪拌方法及び溶解剤注入量を制御するための制御手段を備える。なお、攪拌方法としては、超音波および機械的振動の両方を使用することができる。
【0024】
治療中随時攪拌効果を上記圧電素子のインピーダンスの変化から計測できることから、攪拌方法の適切さ、溶解剤注入量の適切さをすばやく判断できる。すなわち、患者の血液状態に応じた適切な機械的振動や適切な溶解剤注入量を選択できる、攪拌軌跡及び溶解剤注入量を制御するための制御手段を備える。
【0025】
血栓13が完全に溶けたかどうか、すなわち治療の終了を即座に判断できる。また、血栓13が溶けていない状態で治療が終了することを防ぐことができる。その結果、高速な血栓溶解、血管12の再開通率の向上が見込め、死亡率や後遺症発生率の低減につながる。このことは医師や患者の負担軽減にも結びつく。
【0026】
治療中の攪拌処理装置11は、血管12に触れないことが望ましい。これは患者の血管12の損傷、ひいては再び血栓13の形成を助長することになるからである。攪拌処理装置11が血管12などの硬い物質に触れた場合、圧電素子のインピーダンスの急激な変化が計測される。このことを利用して、血管12に触れないように攪拌処理装置11を調節しながら攪拌することができる。つまり負担の少ない低侵襲治療が可能となる。
【0027】
血管12に攪拌処理装置11が接触すると、血管12の剛性や粘性に応じて攪拌処理装置11が弾性変形する。この変形は攪拌処理装置11の機械的インピーダンスの変化を生じさせる。この変化を圧電素子24のインピーダンスにより検知することで、血管12の物理的特性を検出することができる。これにより血管12にできた腫瘍などを検出できる。
【0028】
血管12が再開通する際、血液の急な流れにより、はりの動きが急速に大きくなる。よって、上記と同様の計測方法を用いて血管12の再開通を検地できる。圧電素子24のインピーダンスから、血液の粘度や流れの強さなどが計測できることから、治療前、中、後において、血液の健康状態を推定できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
血栓溶解治療装置や脳等の血管中の血栓の除去用カテーテルなどに使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る攪拌処理装置を備えたカテーテルを示す概略図である。
【図2】本発明に係る攪拌処理装置を備えたカテーテルを示す断面図である。
【図3】(a)は、本発明に係る攪拌処理装置を備えたカテーテルの動作を示す概略図である。(b)は、本発明に係る攪拌処理装置を備えたカテーテルの動作を示す概略図である。
【図4】本発明に係る攪拌処理装置の圧電素子を示す概略図である。
【図5】本発明に係る攪拌処理装置の挙動を示す、軌跡図である。
【図6】本発明に係る攪拌処理装置の他の配置の圧電素子を示す概略図である。
【図7】本発明に係る攪拌処理装置の挙動を示す概略図である。
【図8】本発明に係る攪拌処理装置の周波数とインピーダンスとの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
10 カテーテル
10a 収納体
11 血栓攪拌処理装置
11a 攪拌部材
12 血管
13 血栓
14 吐出口
16 血栓溶解剤吐出用管
18 吸引口
20 血栓吸引用管
22 管収納体
24 圧電素子
26 バネ
28 板材
30 固定板
32 血栓溶解剤の通路
34 血栓吸入通路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7