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明細書 :生体管路拡張器及びカテーテル

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4686711号 (P4686711)
公開番号 特開2006-271881 (P2006-271881A)
登録日 平成23年2月25日(2011.2.25)
発行日 平成23年5月25日(2011.5.25)
公開日 平成18年10月12日(2006.10.12)
発明の名称または考案の名称 生体管路拡張器及びカテーテル
国際特許分類 A61F   2/82        (2006.01)
A61F   2/84        (2006.01)
FI A61M 29/02
A61M 29/00
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2005-099688 (P2005-099688)
出願日 平成17年3月30日(2005.3.30)
審査請求日 平成19年12月5日(2007.12.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】南 和幸
審査官 【審査官】一ノ瀬 薫
参考文献・文献 特表平7-508199(JP,A)
実開平2-86561(JP,U)
特開2002-14454(JP,A)
国際公開第03/047651(WO,A1)
調査した分野 A61F 2/82
A61F 2/84
特許請求の範囲 【請求項1】
複数個のフレキシブルで弾性を有する帯状輪が間隔をおいて連結一体化され、各輪は、それぞれ円周方向を軸として一回転ねじられることにより、3回巻きのコイル状を形成して輪が小さな径をもって折り畳まれてねじれ変形した状態となっており、使用に当り該ねじれ変形を開放することにより、コイル状に折り畳まれた状態から各輪は元の輪径を回復しうる構造であることを特徴とするステントよりなる管路拡張器。
【請求項2】
請求項1記載のステントは、コイル状に折り畳まれた状態で、カテーテルの先端部に備えられた中空管体に装着され、更に該カテーテルは、ステントを押し出し該中空管体から離脱させる手段を貝備していることを特徴とする管路拡張器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、狭窄した生体管路を拡張する生体管路拡張具及び生体管路拡張具に設けられるカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
狭窄した血管などの生体管路をもと通りに拡張する方法として、ステント41を狭窄部位に挿入する方法が採用されている。人体の管狭窄への筒径を縮小したステント41の装着は、例えば図14に示すように収縮させたステント41の両端にシリコンチューブ42で保持した状態で生体管路内に挿入し、狭窄部位でバルーン43を拡張させることによりステント41も拡張させ、これがセット時の筒径まで拡張されて固定された後、バルーン43を収縮させてシリコンチューブ42から外す(特許文献1)。
【0003】
また、図15に示すようにステント41をカテーテル44に装着し、カバーチューブ45で保持しておき、狭窄部位でカバーチュ-ブ45を後方に引っ張りステント41を露出させ、次いでバルーン43を拡張させ、以後前記のような操作を行うことによりステント41を拡張させる方法等により行われる。なお、ステント41は通常円筒状であるが、断面が楕円状等の形状であってもよい。(特許文献1)。
【0004】
これらステント41を適当な内径を有するチューブに挿通することで畳み込み、収縮させているため、単に長軸方向に伸張するのと異なり、径方向の収縮が大きいために長さ方向の収縮を伴うことなく、又バルーン43により狭窄個所で拡張させる際にも予め設定された径まで容易に再拡張することができる。
【0005】
上記ステント41は、挿入時径方向への収縮及び拡張時の径方向への拡大を実現するために、金属製又は樹脂製で網目状筒体に形成されているために、生体管路の拡張力が弱くなり、弾性や塑性変形特性を与えるために構造が複雑になる等の問題点があった。

【特許文献1】特開平5-103830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は従来の欠点を鑑みてなされたもので、本発明の目的は、屈曲性を有し、生体管路に与えるストレスを小さくでき、任意の形状にコイル状に小さく折り畳まれることができステントを所望の狭窄部で確実かつスムーズに拡張することができ、しかも拡張状態を確実に保持することができる管路拡張器を提供することにある。
また、径を小さくして折り畳めることができステントを拡張することができる管路拡張器を備える小型のカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る管路拡張器は、複数個のフレキシブルで弾性を有する帯状輪が間隔をおいて連結一体化され、各輪は、それぞれ円周方向を軸として一回転ねじられることにより、3回巻きのコイル状を形成して輪が小さな径(元の輪の径の略1/3)をもって折り畳まれてねじれ変形した状態となっており、使用に当り該ねじれ変形を開放することにより、コイル状に折り畳まれた状態から各輪は元の輪径を回復しうる構造であることを特徴とするステントよりなる管路拡張器である。
請求項2に係る管路拡張器は、請求項1記載のステントは、コイル状に折り畳まれた状態でカテーテルの先端部に備えられた中空管体に装着され、更に該カテーテルは、ステントを押し出し、該中空管体から離脱させる手段を貝備していることを特徴とする管路拡張器である。

【発明の効果】
【0008】
本発明の管路拡張器は、複数個のフレキシブルで弾性を有する帯状輪が間隔をおいて連結一体化され、各輪は、それぞれ円周方向を軸として一回転ねじられることにより、3回巻きのコイル状を形成して輪が小さな径をもって折り畳まれてねじれ変形した状態となっており、ステントの直径を小さくできるため、カテーテル部分を含めても径を小さくでき、しかもステントを確実に拡張することができ、ステントはフレキシブルで弾性があるため生体管路に与えるストレスを小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る管路拡張器を添付図面の図1~図13を参照して詳述する。
管路拡張器を構成する中空管体内に収納されるコイル状ステント16は、図1及び図4に示される。
図1は、フレキシブルな帯状輪10を一体的にコイル状に形成してなるステント16の概略図を示す。帯状輪10は、幅;数mmから数十mm、径;数mm-数十mmである、フレキシブルな弾性体からなる樹脂等で作られる。
【0010】
管路拡張器を構成する中空管に装着されるステント16の形成方法は図2~図4に示されている。図2においては、弾性を有する材料からなるフレキシブルな帯状輪を複数個連結一体化したカテーテルのうち、1つの輪10について説明する図である。ここで帯状輪10のX点を中心に円周方向を軸として1回転のねじりを加える。かくして、円周方向に変形しにくく、かつねじれ変形が与えられ、図3に示すように3つの輪形が得られる。これらの輪径を揃えることにより、図4のごとく、3回巻きのコイル状が形成される。すなわち、図3は、帯状輪10のX点を中心に1回転のねじりを加える過程を示し、図4は、帯状輪10にねじりが加えられ、3つの輪径を揃えた結果であり、帯状輪10は元の輪の径の略3分の1の直径の小さな径をもって折り畳まれた状態を示す。かくして、ステント16はそれぞれ3回巻きのコイル状を形成した複数個の輪10が連結一体化された形状となる。
【0011】
図5は、内筒12内に折り畳まれたステントを嵌挿させ、第1押出用部材14でステント16を押し出す中空管体からなる管路拡張器を示す断面図である。管路拡張器は、中空管体の内筒12の先端部にステント16を収納している。ステント16は、内筒12に長手方向に摺動可能に嵌挿された第1押出用部材14の移動により先端から中空管体外に放出される。すなわち、ステント16は、中空管体から生体管路の内部に放出される。この際、ステント16は、ねじれ変形が開放されてコイル状に折り畳まれた状態から広がりをもって生体管路の内部に放出され、その結果、生体管路の壁が拡張される。
【0012】
図6は、内筒12と、内筒の外側に長手方向に摺動可能に嵌挿された第2押出用部材18とを備える中空管体からなる管路拡張器を示す断面図である。ステント16は、中空管体の内筒12の外側に折り畳まれて装着されて先端部に収納されている。ステント16は、長手方向に摺動可能に嵌挿された第2押出用部材18の移動により中空管体の外に放出される。この際、ステント16は、ねじれ変形が開放されてコイル状に折り畳まれた状態から広がりをもって生体管路の内部に放出され、その結果、生体管路の壁が拡張される。
【0013】
図7は、図6の第2押出用部材18が、内筒12と外筒20の間に装着された中空管体からなる管路拡張器を示す断面図である。ステント16は、内筒12と外筒20との間の先端部に折り畳んで収納されており、長手方向に摺動可能に嵌挿された押出用部材18により中空管体の外に放出される。この際、ステント16は、ねじれ変形が開放されてコイル状に折り畳まれた状態から広がりをもって生体管路の内に放出され、その結果、生体管路の壁が拡張される。
【0014】
図8は、内筒12と外筒20の間にステントを嵌挿させ、第3押出用部材22でステント16を押し出す中空管体からなる管路拡張器を示す断面図である。管路拡張器は、ステント16を中空管体の内筒12と外筒20の間の先端に装着している。ステント16は、中空管体の内筒12と外筒20の間に摺動可能に嵌挿されたリング状押出片22の移動により先端から中空管体外に放出される。なお、符号23は、押出片22の停止部材である。この場合、押出片22は、コイル状輪に挿通された糸24を設けて、糸24を引き張ることにより押出片22を移動させて、ステント16を先端から中空管体外に放出させる。ステント16は、生体管路内の所定の部位に配置された状態で、確実に拡張される必要がある。ステント16を拡張させる方法としては、第1方法;ステント自身を拡張させる、第2方法;空気袋を用いてステントを拡張させる方法がある。
【0015】
第1のステント自身を拡張させる方法は、図9、図10及び図11に示される。図9において、小さな径をもって折り畳まれた帯状輪10をステント16に形成して、少なくとも1つの輪の中に1本の棒26を間挿して、この棒をコイル状輪10が開放される方向に動かすことによりコイル状輪10を解いて拡張させる。
また、図10及び図11に示すようにコイル状輪1個毎に対応して糸の輪28を付けた展開用補助糸30を用意して、糸の輪をそれぞれコイル状輪に挿通する。そして、糸の輪を引き張ることにより、コイル状輪が拡張されると共に糸の輪がコイル状輪から外れる。この場合、糸の輪28の中にコイル状輪の一部が入っていることが必要である。
【0016】
ステント16を拡張させる第2の方法は、図12に示すように空気によって膨張される空気袋をコイル状ステントの一部に挿通して設けて、この空気袋に空気を入れて拡張させることである。該図は、内筒12内に空気袋32を折り畳んで装着したステント16を嵌挿させて、第4押出部材34でステント16を押し出す中空管体からなる管路拡張器を示す断面図である。管路拡張器は、ステント16を中空管体の内筒12内の先端に装着している。ステント16は、空気袋を有し、中空管体の内筒12内に摺動可能に嵌挿された押出部材34の移動により先端から中空管体外に放出される。そして、拡張すべき部位に空気袋32付きステント16をもっていく。その後、空気袋32を空気圧により膨張させる。かくして、ステント16は、膨張した空気袋32により収縮直径から拡大直径へと膨張される。
【0017】
図13は、空気袋32を使用してステント16を膨張させることを示す概略図である。すなわち、コイル状ステント16を構成する帯状輪10の少なくとも1部に空気袋32を挿通させる。そして、空気袋32に空気を供給して空気袋を拡張させる。
【0018】
かくして、ステント16がその最終の拡大した直径に拡張された後、空気袋32を収縮し、ステント16を所定の位置に残したまま押出部材34を引き出す。カテーテルは、弾性を有し、円周方向には変形しにくく、かつねじれ変形の付与によりコイル状輪に折り畳まれて中空管体に装着されたステント16を備える管路拡張器を接続してなる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
狭窄した生体管路を拡張する生体管路拡張器、生体管路拡張器を備えたカテーテル、生体管路拡張器用ステントに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】フレキシブルな帯状体を一体的にリング状輪に形成してなるステントを示す概略図である。
【図2】図1の帯状輪のX点を中心に1回転のねじりを加えた状態を示す概略図である。
【図3】図2の帯状輪のX点を中心に1回転のねじりを加える過程を示す概略図である。
【図4】図2の帯状輪にねじりが加えられた結果、帯状輪が小さな径をもって折り畳まれたリング状ステントを示す概略図である。
【図5】本発明に係る生体管路拡張器を示す概略図である。
【図6】本発明に係る他の生体管路拡張器を示す概略図である。
【図7】本発明に係るさらに他の生体管路拡張器を示す概略図である。
【図8】本発明に係るさらに他の生体管路拡張器を示す概略図である。
【図9】ステント拡張手段を示す概略図である。
【図10】他のステント拡張手段を示す概略図である。
【図11】図10に示すステント拡張手段を取り付けた状態を示す概略図である。
【図12】本発明に係るさらに他の生体管路拡張器を示す概略図である。
【図13】空気袋を使用したステント拡張手段を示す概略図である。
【図14】従来の生体管路拡張器を示す概略図である。
【図15】従来の他の生体管路拡張器を示す概略図である。
【符号の説明】
【0021】
10 ステントを構成するフレキシブルな帯状輪
12 内筒
14 第1押出用部材
16 ステント
18 第2押出用部材
20 外筒
22 第3押出部材
24 リング状輪に繋がった糸
26 ステント拡張手段
28 糸の輪
30 展開用補助糸
32 空気袋
34 第4押出部材
41 ステント
42 シリコンチューブ
43 バルーン
44 カテーテル
45 カバーチューブ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14