TOP > 国内特許検索 > グリコシド化合物の製造方法 > 明細書

明細書 :グリコシド化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4732174号 (P4732174)
公開番号 特開2006-232811 (P2006-232811A)
登録日 平成23年4月28日(2011.4.28)
発行日 平成23年7月27日(2011.7.27)
公開日 平成18年9月7日(2006.9.7)
発明の名称または考案の名称 グリコシド化合物の製造方法
国際特許分類 C07H  15/18        (2006.01)
C07H   1/00        (2006.01)
FI C07H 15/18
C07H 1/00
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2006-006912 (P2006-006912)
出願日 平成18年1月16日(2006.1.16)
優先権出願番号 2005024261
優先日 平成17年1月31日(2005.1.31)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成19年3月9日(2007.3.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小林 修
【氏名】眞鍋 敬
個別代理人の代理人 【識別番号】100102668、【弁理士】、【氏名又は名称】佐伯 憲生
審査官 【審査官】早川 裕之
参考文献・文献 国際公開第99/003869(WO,A1)
米国特許第04996306(US,A)
特表平07-505403(JP,A)
ポーランド国特許発明第187765(PL,B1)
J. Am. Chem. Soc.,2002年,124,11971-11978
調査した分野 C07H 15/18
C07H 1/00
CAplus(STN)
CASREACT(STN)
REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
脂肪族アルコールもしくはカルバメートと単糖もしくはオリゴ糖とを下記式(1):
R-A-SOH (1)
(式中、Rは炭素数が6以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはパーフルオロアルキル基を、Aは置換基を有していてもよいアリーレン基をそれぞれ表す)で表される界面活性剤型ブレンステッド酸触媒及びパーフルオロメチルシクロヘキサンの存在下に水溶液中で反応させることを特徴とする、グリコシド化合物の製造方法。
【請求項2】
ヘミアセタール水酸基以外の水酸基が保護されている単糖もしくはオリゴ糖を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ヘミアセタール水酸基がメチル化されている単糖もしくはオリゴ糖を使用する、請求項1または2に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶液中で行うグリコシド化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖と脂肪族アルコールとが脱水縮合してなる構造を有する物質は、一般にアルキルグリコシドと総称される。アルキルグリコシドは、糖部分の構造、脂肪族アルコール部分の構造、さらには両者の結合様式等がそれぞれ多岐にわたる様々な構造を有しており、種々の生物活性や界面活性作用を初めとする多種多様な機能を有する機能性化合物として、有用性が極めて高い化合物である。特に、界面活性剤としては、低刺激性、良好な発泡性、他の界面活性剤に対する泡安定化などの、種々の利点を有している。
【0003】
かかるアルキルグリコシド化合物についての製造方法は、これまでに盛んに研究・開発されてきた。アルキルグリコシド化合物の製造方法においてもっとも重要な反応工程は、糖と脂肪族アルコールとの脱水縮合反応であるO-グリコシル化反応であり、反応の効率性、簡便性あるいは選択性などが、それぞれ重要な要素として注目されている。
【0004】
例えば、医薬品の素材やリード化合物としてのアルキルグリコシド化合物の合成法は、位置および立体の高い選択性を達成するため、アノマー位を活性化した糖供与体と糖受容体とを無水溶媒中で反応させる化学的グリコシル化反応(非特許文献1)、または水溶液中で糖転移酵素または糖加水分解酵素を利用するグリコシル化反応(非特許文献2、3)が用いられている。また、界面活性剤を生産する単糖と長鎖脂肪族アルコールとのグリコシル化では、工業的に大量に製造する必要がある一方で高度な選択性を必ずしも必要としないことから、トシル酸などの触媒存在下、無溶媒で加熱する手法がしばしば用いられている(特許文献1、2)。
【0005】
しかしながら、活性化された糖を用いる方法や酵素法は、原料となる糖が高価あるいは製造が難しい、厳密な無水条件下での処理を有する、大量合成が困難であるなどの問題に、しばしば直面する。また、単糖とアルコールを無溶媒条件下で加熱する方法では、加熱に弱い官能基を有する原料を用いることができない、α/βの選択性が低い、糖同士で脱水縮合したオリゴ糖が副生する、反応生成物が着色するなどの問題が生じやすい。
【0006】
また従来の化学的グリコシル化方法は、有機溶媒の使用あるいは高温化での反応などを必要とし、安全性やコストの面で不利であり、また有害産業廃棄物を生じさせるという問題も指摘される。
【0007】

【非特許文献1】Schmidt,R. R. Angew. Chem. Int. Ed. 25. 212(1986).
【非特許文献2】Wong,C. H.; Halcomb,R. L.; Ichikawa,Y.; Kajimoto,T. Angew. Chem. Int. Ed. 34,521(1995).
【非特許文献3】Palcic,M. M.; Hindsgaul,O. Trends Glycosci. Glycotechnol. 8,37(1996).
【特許文献1】特開平9-031089
【特許文献2】特開2000-191681
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この様に、医薬品あるいは界面活性剤いずれの製造においても、化学反応としての反応性や立体選択性はもちろんのこと、特に工業的生産にとって大きな問題となる反応原料の制限、複雑または危険な反応条件、高コスト、有害廃棄物の発生などの問題を伴わない、新たなアルキルグリコシドの製造方法の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、従来は有機溶媒系あるいは無溶媒系で行われていた化学的グリコシル化反応を、糖の良溶媒である水を溶媒として行わせることに着目して種々検討した結果、界面活性型ブレンステッド酸触媒を用いることで、所望のO-グリコシル化反応が進行すること、また同様の条件下でカルバメートと糖との間でN-グリコシル化反応も進行することを見出し、以下の各発明を完成した。
【0010】
(a)脂肪族アルコールもしくはカルバメートと単糖もしくはオリゴ糖とを界面活性剤型ブレンステッド酸触媒の存在下に水溶液中で反応させることを特徴とする、グリコシド化合物の製造方法。
【0011】
(b)水溶液がさらにパーフルオロアルカンを含む、(a)に記載の方法。
【0012】
(c)界面活性剤型ブレンステッド酸触媒が、下記式(1):
R-A-SOH (1)
(式中、Rは炭素数が6以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはパーフルオロアルキル基を、Aは置換基を有していてもよいアリーレン基をそれぞれ表す)で表される、アルキルグリコシドの製造方法。

【0013】
(d)ヘミアセタール水酸基以外の水酸基が保護されている単糖もしくはオリゴ糖を使用する上記(a)~(c)のいずれかに記載の方法。
【0014】
(e)ヘミアセタール水酸基がメチル化されている単糖もしくはオリゴ糖を使用する、(a)~(d)のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、医薬品の素材やリード化合物などの原料または合成中間体として、あるいは界面活性剤などの用途として有用なグリコシド化合物を、温和な条件下で、有機溶媒等の有害廃棄物の発生もなく、安全で環境に優しく、かつ低コストで提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、ドデシルベンゼンスルホン酸に代表される界面活性剤型ブレンステッド酸触媒の存在下に、水を溶媒としてグリコシル化反応を進行させる。その様な界面活性剤型ブレンステッド酸触媒は、下記式(1)で表すことが出来る。
【0017】
R-A-SOH (1)
ここで、Rは炭素数が6以上のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはパーフルオロアルキル基を、Aは置換基を有していてもよいアリーレン基をそれぞれ表す。
【0018】
Rの例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、9-デセニル基、5-デシニル基、パーフルオロオクチル基、(パーフルオロオクチル)エチル基などを挙げることが出来る。また、Aの例としてはp-フェニレン基をそれぞれ挙げることが出来る。
【0019】
本発明において好適に使用される界面活性剤型ブレンステッド酸触媒としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、(パーフルオロオクチル)エチルベンゼンスルホン酸、10-フェニルデカンスルホン酸などであり、特にドデシルベンゼンスルホン酸の使用が好ましい。
【0020】
この界面活性剤型ブレンステッド酸触媒は、Manabeら(Manabe,K.; Iimura,S.; Sun,X. -M.; Kobayashi,S. J. Am. Chem. Soc. 124,11971、2002年)によって、水溶液中で有効な疎水性反応場を形成し、疎水性の反応基質を用いる系において、脱水的エステル化、エーテル化、チオアセタール化などの反応を効率的に進行させる触媒として、報告されている。しかし、水溶性糖を基質とする反応において、脱水型エーテル化反応であるO-グリコシド反応ならびにN-グリコシド反応をも触媒することについては、これまでのところ報告されてはいない。またN-グリコシル化反応は、DNAやRNAの構成単位である(2-デオキシ)D-リボヌクレオチド骨格を合成する有用な反応である。
【0021】
界面活性剤型ブレンステッド酸触媒の使用量は、反応基質である水溶性糖1モルに対して、1~20モル%、好ましくは5~10モル%である。
【0022】
従来の化学的グリコシル化方法では、脱水反応の逆反応が進行して目的物の収率が低下する等の理由から、反応溶媒への水の混入は極力避けられてきた。本発明は、かかる従来の方法とは異なり、糖の良溶媒である水をO-ないしN-グリコシル化の反応溶媒として用いる方法である。
【0023】
本発明の方法は、有機溶媒を必須溶媒とはしないことから、作業時の安全性が確保される、有機溶媒等の有害廃棄物の発生が殆どない、などの安全面・環境面で好ましい方法であると同時に、工業的生産方法として重要なコストの面でも有利な方法である。
【0024】
なお、本発明の方法は、反応基質が水に対して十分には溶解しない場合において、例えばアセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの水酸基を持たない有機溶媒やt-ブチルアルコールなどの第3級アルコールを最小量添加して反応基質を溶解させることを妨げるものではない。
【0025】
また、水に対して0.5~10(v/v)のパーフルオロアルカン、好ましくはパーフルオロメチルシクロヘキサン(PFMC)を添加して使用することもできる。PFMCの添加は、保護基を持たない糖を基質として用いる場合に、良好な収率でグリコシド化合物を得られるようになる点で有利である。
【0026】
上記のような反応触媒ならびに溶媒を組み合わせて使用することで、本発明の反応は、室温から水の沸点以下の反応温度ならびに常圧という条件でグリコシル化反応を進行させることができ、高温高圧は必ずしも必要とはしない。本発明の方法において穏やかな条件下でグリコシル化反応が進行する点もまた、安全性、環境保護、ならびにコストの面で、いずれも有利である。また、本発明の方法では、従来法で問題とされてきた生成物の着色は観察されない。推論ではあるが、界面活性剤型ブレンステッド酸触媒を用いる本発明の方法では、従来の方法と比べて穏やかな条件で進行するためと考えられる。
【0027】
本発明の反応における基質となる水溶性糖は、ヘミアセタール水酸基あるいはメチル化されたヘミアセタール水酸基を有する単糖もしくはオリゴ糖であればよく、構成炭素数やヘミアセタール水酸基以外の水酸基の数、修飾基の数や種類などについて特別の制限はない。
【0028】
本発明で使用可能な糖の好適な例を挙げれば、具体例としてはグルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、フルクトース、ソルボース、タガロース、アラビノース、キシロース、リボース、リブロース、リキソースなどの単糖、マルトース、ラクトース、マルトトリオース、セロビオースなどのオリゴ糖、シアル酸、またはこれらの誘導体が挙げられる。誘導体の例としては、ヘミアセタール水酸基以外の水酸基がベンジル基やアセチル基で保護されている糖などをあげることができる。この中でも、グルコース、ガラクトース、フルクトースなどが、本発明の方法において好適な基質である。
【0029】
もう一つの反応基質である脂肪族アルコールは、直鎖状、分岐状あるいは環状の脂肪族の飽和または不飽和第1級アルコールである。脂肪族部分の炭素数は、好ましくは6以上、より好ましくは8以上である。また脂肪族部分は、例えばベンジル基などの疎水性置換基を有していてもよい。
【0030】
本発明で使用可能な脂肪族アルコールとしては、ヘキサノール、ヘプタノール、ゲラニオール、シトロネロール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等を挙げることができる。また、オクタノール、デカノール、シクロヘキシルメタノール等も使用可能である。
【0031】
またもう一つの反応基質であるカルバメートとしては、式HNCOORで表される化合物を利用することができる。ここでRは置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基を表し、炭化水素基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。複素環基としてはチエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基などが挙げられる。
【0032】
本発明の方法では、上記の2つの反応基質を任意に選択し、糖1モルに対して脂肪族アルコールまたはカルバメートを0.1~10モルの範囲内で混合して使用する。また、反応溶媒中の水溶性糖の量は、0.1~10mol/L、特に0.1~2.0mol/Lの範囲内となるように調整することが好ましい。水溶性糖の量をこの範囲内とすることで、生成物の着色やオリゴ糖などの反応副産物の発生を低下させることができる。
【0033】
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はかかる実施例に限定はされない。
【実施例1】
【0034】
【化1】
JP0004732174B2_000002t.gif

【0035】
水(1.27ml)に1(0.25mmol、式中Bnはベンジル基を表す、以下同じ)、ドデカノール(2)(0.38ml)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)(0.025mmol)を加え、40℃で12時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで3回抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧濃縮し、得られたオイルを調製用薄層クロマトグラフィーで生成することにより、n-ドデシル-2-デオキシ-3,5-ジ-O-ベンジル-α-リボフラノシド(3)111mgを無色のオイルとして得た(収率91%)。反応生成物のα/βアノマー比は、HPLC法(カラム;キラルパック(CHIRALPAK OT(+)、ダイセル化学工業製、検出;UV254nm吸収、展開溶媒;ヘキサン:2-プロパノール=30:1、流速;0.30ml/分、Rt= 28.9分/α体,35.8分/β体)で測定したところ、38:62であった。
【0036】
αアノマー:H NMR (CDCl) δ 0.87 (3H,t,J = 6.9 Hz),1.23-1.34 (18H,m),1.56-1.62 (2H,m),2.01 (1H,dq,J = 14.3,1.6 Hz),2.24-2.29 (1H,m),3.41 (1H,dt,J = 9.9,6.6 Hz),3.52 (1H,dd,J = 10.4,4.9 Hz),3.58 (1H,dd,J = 10.4,3.8 Hz),3.73 (1H,dt,J = 9.9,7.1 Hz),3.97-4.00 (1H,m),4.22 (1H,dd,J = 8.8,4.9 Hz),4.46 (1H,d,J = 12.6 Hz),4.51-4.58 (3H,m),5.17 (1H,dd,J = 5.5,1.6 Hz),7.25-7.35 (10H,m). 13C NMR (CDCl) d 14.1,22.7,26.1,29.3,29.5,29.61 (x3),29.64,29.7,31.9,38.8,67.8,70.0,71.5,73.4,78.5,81.5,103.7,127.5,127.6,127.67,127.69,128.29,128.32,138.1,138.2.
βアノマー:。H NMR (CDCl) δ 0.87 (3H,t,J = 7.1 Hz),1.23-1.31 (18H,m),1.46-1.52 (2H,m),2.13 (1H,dt,J = 13.7,5.5 Hz),2.23 (1H,ddd,J = 13.2,7.1,2.2 Hz),3.32 (1H,dt,J = 9.3,6.6 Hz),3.50 (1H,dd,J = 6.6,9.9 Hz),3.54 (1H,dd,J = 6.6,9.9 Hz),3.64 (1H,dt,J = 9.3,7.1 Hz),4.15 (1H,ddd,J = 8.1,4.5,2.6 Hz),4.25-4.28 (1H,m),4.50 (2H,dd,J = 22.5,12.1 Hz),4.57 (2H,dd,J = 19.2,12.1 Hz),5.19 (1H,dd,J = 5.5,2.2 Hz),7.25-7.35 (10H,m). 13C NMR (CDCl) d 14.1,22.7,26.2,29.3,29.4,29.54,29.59,29.60,29.62,29.65,31.9,39.4,67.8,71.5,72.1,73.3,80.1,82.6,104.3,127.57,127.60,127.64 (x2),128.31,128.34,138.0,138.2.
また、上記反応における20℃12時間の反応を1時間または3時間に短縮して行った場合の反応収率とα/βアノマー比は、1時間の反応で85%、α:β=35:65、3時間の反応で88%、α:β=36:64であった。
【0037】
また、上記反応で用いたn-ドデシル-2-デオキシ-3,5-ジ-O-ベンジル-α-リボフラノシドに換えて、その2位がO-ベンジル化された化合物(2OB)、1位がOMe化された化合物(1OMe)ならびに1位と2位がそれぞれOMe化ならびにO-ベンジル化された化合物(1OMe2OB)を用いて同様の反応を行ったところ、反応収率とα/βアノマー比は、それぞれ2OBが83%、α:β=9:91、1OMeが73%、α/β=39:61、1OMe2OBが82%、α:β=6:94であった。
【実施例2】
【0038】
【化2】
JP0004732174B2_000003t.gif

【0039】
水(1.27 ml)に4(0.20 mmol)、ドデカノール(2)(0.30ml)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)(0.020 mmol)を加え、還流下で48時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで3回抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧濃縮し、得られたオイルを調製用薄層クロマトグラフィーで生成することにより、n-ドデシル-2、3,4,6-テトラ-O-ベンジル-D-マンノピラノシド(5)91mgを得た(収率64%)。実施例1と同様にしてこの反応生成物のαアノマーとβアノマーの比は、94:6であった。H NMR (CDCl) (mixture of α/β isomers) δ 0.88 (3H,t,J = 6.9 Hz),1.20-1.35 (18H,m),1.48-1.54 (2H,m),3.32-3.67 (2H,m),3.71-3.86 (4H,m),3.88-4.00 (2H,m),4.37-4.77 (7H,m),4.85-5.00 (2H,m),7.15-7.38 (20H,m). 13C NMR (CDCl) (major isomer) d 14.1,22.7,26.1,29.3,29.4 (x2),29.55,29.62 (x2),29.67,31.9,67.7,69.4,71.8,72.2,72.6,73.3,74.95,75.06,75.11,80.4,97.8,127.4,127.47,127.50,127.53,127.6,127.70,127.75 (x2),127.81,128.00,128.03,128.24,128.28 (x2),128.3,128.4,138.47 (x2),138.52,138.6.
【実施例3】
【0040】
【化3】
JP0004732174B2_000004t.gif

【0041】
PFMC(2.0ml)と水(0.2ml)にグルコース(6)(0.20mmol)、ベンジルアルコール(7)(1.0mmol)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)(0.020mmol)を加え、還流下で3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、ピリジン(1ml)と無水酢酸(0.2ml)を加え室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレンで3回抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧濃縮し、得られたオイルを調製用薄層クロマトグラフィーで生成することにより、ベンジル-2、3,4,6-テトラ-O-アセチル-D-グルコピラノシド(8)36mgを得た(収率37%)。実施例1と同様にして測定した反応生成物のα/βアノマー比は、68:32であった。
【実施例4】
【0042】
【化4】
JP0004732174B2_000005t.gif

【0043】
D-グルコースをL-ラムノースに代えて実施例3を同様に反応、後処理して、対応するベンジル-2、3,4-トリ-O-アセチル-L-ラムノピラノシド73mgを得た(収率78%)。実施例1と同様にして測定した反応生成物のα/βアノマー比は、90:10であった。
【実施例5】
【0044】
【化5】
JP0004732174B2_000006t.gif

【0045】
3,5位をベンジル基で保護した2-デオキシリボースとベンジルカルバメートを基質とし、10mol%のDBSA存在下、水中にて40℃で3時間反応を行ったところ、収率良く無色油状のベンジル(3,5-ジ-O-ベンジル-2-デオキシ-d-リボフラノシル)カルバメート(α/β混合物)が得られた(収率75%)。H NMR (400 MHz,CDCl,major isomer) d 1.96 (1H,d,J = 13.9 Hz),2.19 (1H,dd,J = 6.3,13.2 Hz),3.33 (1H,dd,J = 6.1,10.0 Hz),3.50 (1H,dd,J = 3.6,10.0 Hz),4.09 (1H,d,J = 5.1 Hz),4.36 (1H,t,J = 4.9 Hz),4.43-4.57 (4H,m),5.07 (1H,d,J = 13.0 Hz),5.13 (1H,d,J = 11.7 Hz),5.81 (1H,br. t,J = 8.2 Hz),6.10 (1H,br. d,J = 9.8 Hz), 7.23-7.40 (15H,m). 13C NMR (100 MHz,CDCl,major isomer) d 37.1,66.6,70.4,71.0,73.4,80.3,82.5,83.0,127.5,127.7,127.8 (x2),128.1 (x2),128.3,128.4,128.5,136.3,137.5,137.9,155.4.
また、2,3,5位をベンジル基で保護したリボースとベンジルカルバメートを基質とし、10mol%のDBSA存在下、水中にて60℃で18時間反応を行ったところ、収率良く無色油状のベンジル(2,3,5-トリ-O-ベンジル-D-リボフラノシル)カルバメート(α/β混合物)が得られた(収率70%)。H NMR (600 MHz,CDCl,major isomer) d 3.40-3.47 (2H,m),3.97 (1H,dd,J = 1.4,5.1 Hz),4.04 (1H,t,J = 5.2 Hz),4.23 (1H,dd,J = 3.6,6.5 Hz),4.37-4.45 (2H,m),4.47-4.66 (4H,m),5.12 (2H,s),5.71 (1H,dd,J = 5.2,10.0 Hz),6.35 (1H,d,J = 9.6 Hz),7.19-7.37 (20H,m). 13C NMR (150 MHz,CDCl,major isomer) d 66.7,69.1,70.0,72.5,73.5,76.5,77.8,81.1,81.2,127.5,127.6,127.7,127.8 (x2),127.9,128.1,128.3 (x2),128.4 (x3),136.3,137.3,137.6,137.8,155.9. HRMS (ESI): Exact mass calcd for C34H35NONa [M+Na]+,576.2357. Found 576.2362. Anal. Calcd for C34H35NO: C,73.76; H,6.37; N,2.53. Found: C,73.89; H,6.53; N,2.45.