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明細書 :プラスチック表面診断方法およびプラスチック表面診断装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4599559号 (P4599559)
公開番号 特開2006-308308 (P2006-308308A)
登録日 平成22年10月8日(2010.10.8)
発行日 平成22年12月15日(2010.12.15)
公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
発明の名称または考案の名称 プラスチック表面診断方法およびプラスチック表面診断装置
国際特許分類 G01N  21/64        (2006.01)
G01N  17/00        (2006.01)
G01N  21/33        (2006.01)
FI G01N 21/64 Z
G01N 17/00
G01N 21/33
請求項の数または発明の数 5
全頁数 14
出願番号 特願2005-127958 (P2005-127958)
出願日 平成17年4月26日(2005.4.26)
審査請求日 平成20年4月4日(2008.4.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504224153
【氏名又は名称】国立大学法人 宮崎大学
発明者または考案者 【氏名】甲藤 正人
【氏名】黒澤 宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100137752、【弁理士】、【氏名又は名称】亀井 岳行
審査官 【審査官】田中 洋介
参考文献・文献 特開2000-241351(JP,A)
特開2001-296570(JP,A)
特開平02-223833(JP,A)
特開平07-260688(JP,A)
特開平04-335142(JP,A)
Jacques, P P L et al.,Fluorescence of Polyolefins-I. Effect of Thermal Degradation on Fluorescent Excitation and Emission,European Polymer Journal,1993年,Vol.29 NO.1,pp.75-81
本越伸二 他,レーザー誘起蛍光によるプラスチック類識別法の開発,ILT2003年報,2003年,pp.69-75
調査した分野 G01N 21/00-21/958
JSTPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
紫外線が照射されたプラスチック表面から放出される光が有するスペクトル分布の分光特性を測定し、予め測定された前記プラスチックと同じ材料の基準試料の基準分光特性と比較することにより、プラスチック表面を診断するプラスチック表面診断方法であって、
劣化していない状態の前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化前蛍光成分の蛍光強度および劣化後の前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化後蛍光成分の蛍光強度の強度比に基づいて設定された強度比閾値と、前記プラスチック表面から放出された光の前記劣化前蛍光成分の強度および前記劣化後蛍光成分の強度の強度比と、を比較することにより、プラスチック表面の劣化を診断することを特徴とする前記プラスチック表面診断方法。
【請求項2】
紫外線が照射されたプラスチック表面から放出される光が有するスペクトル分布の分光特性を測定し、予め測定された前記プラスチックと同じ材料の基準試料の基準分光特性と比較することにより、プラスチック表面を診断するプラスチック表面診断方法であって、
薬品で汚染されていない前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染前蛍光成分の蛍光強度および薬品で汚染された前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染後蛍光成分の強度の強度比に基づいて設定された強度比閾値と、前記プラスチック表面から放出された光の前記薬品汚染前蛍光成分の蛍光強度および薬品汚染後蛍光成分の蛍光強度の強度比と、を比較することにより、プラスチック表面の薬品による汚染を診断することを特徴とする前記プラスチック表面診断方法。
【請求項3】
前記紫外線として、波長が266nmのNd:YAGレーザの第4高調波を使用することを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック表面診断方法。
【請求項4】
プラスチック表面に紫外線を照射する紫外線源と、
前記紫外線が照射されたプラスチック表面から放出される光を受光する受光素子と、
前記受光素子で受光した光が有するスペクトル分布の分光特性を測定する分光特性測定手段と、
予め測定された前記プラスチックと同じ材料の基準試料の基準分光特性を記憶する基準分光特性記憶手段と、
測定した前記分光特性と前記基準分光特性とを比較して、プラスチック表面を診断するプラスチック表面診断手段と、
前記紫外線が照射されたプラスチック表面から放出された光が伝送される伝送部と、前記伝送部から複数に分岐した分岐伝送部とを有する光ファイバと、
特定の波長領域の光を透過させる帯域透過フィルタを介して前記各分岐伝送部に接続され、透過した光の強度を測定する光強度測定素子により構成された前記受光素子と、
前記複数の分岐伝送部の中のいずれか一つに配置され、劣化していない前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化前蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタである劣化前蛍光成分透過フィルタと、
前記劣化前蛍光成分透過フィルタとは異なる前記分岐伝送部に配置され、劣化後の前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化後蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタである劣化後蛍光成分透過フィルタと、
を備えたことを特徴とするプラスチック表面診断装置。
【請求項5】
プラスチック表面に紫外線を照射する紫外線源と、
前記紫外線が照射されたプラスチック表面から放出される光を受光する受光素子と、
前記受光素子で受光した光が有するスペクトル分布の分光特性を測定する分光特性測定手段と、
予め測定された前記プラスチックと同じ材料の基準試料の基準分光特性を記憶する基準分光特性記憶手段と、
測定した前記分光特性と前記基準分光特性とを比較して、プラスチック表面を診断するプラスチック表面診断手段と、
前記紫外線が照射されたプラスチック表面から放出された光が伝送される伝送部と、前記伝送部から複数に分岐した分岐伝送部とを有する光ファイバと、
特定の波長領域の光を透過させる帯域透過フィルタを介して前記各分岐伝送部に接続され、透過した光の強度を測定する光強度測定素子により構成された前記受光素子と、
前記複数の分岐伝送部の中のいずれか一つに配置され、薬品で汚染されていない前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染前蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタである汚染前蛍光成分透過フィルタと、
前記汚染前蛍光成分透過フィルタとは異なる前記分岐伝送部に配置され、薬品で汚染された前記基準試料において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染後蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタである汚染後蛍光成分透過フィルタと、
を備えたことを特徴とするプラスチック表面診断装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック表面の劣化や薬品等による汚染を診断するプラスチック表面診断方法およびプラスチック表面診断装置に関し、特に、診断対象のプラスチックに対し紫外線を照射して、プラスチック表面から放出された光を分析してプラスチックの診断を行うプラスチック表面診断方法およびプラスチック表面診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラスチック材料により構成された機器や部品は、日常の使用において、その表面が太陽や大気からの紫外線で劣化し(光劣化し)、変質することが知られている。近年、資源の有効利用、再利用が社会的に要求されており、プラスチックの再生、リサイクルが行われているが、変質したり、薬品等で汚染されているプラスチックは、再生、リサイクルする上で好ましくないという問題がある。
【0003】
プラスチックの変質等を判定するための技術として、近赤外光あるいは赤外光をプラスチックに照射したときに測定される吸収スペクトル(反射スペクトル)を分析する方法(ATR法等)が知られている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、光が透過するプラスチック試料に近赤外光等を照射して、透過した光の強度を測定することにより、プラスチックの質等を判定する技術(透過法)も知られている。
また、プラスチックの種類を判別する技術として、プラスチックに紫外光を照射し、紫外光により励起されたプラスチック表面から放出される蛍光の波長スペクトルを分析することにより、プラスチックの種類を判別する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】

【特許文献1】特開2004-151067号公報
【特許文献2】特開平6-3260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1のような吸収スペクトルを分析する技術では、プリズムに近接、密着したプラスチック試料しか測定できないという問題がある。また、透過スペクトルを分析する技術では、光が透過するプラスチック試料しか使用できないという問題がある。
また、特許文献2記載の技術では、プラスチックの種類の判別はできるが、プラスチックの劣化や汚染を検出することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、前述の事情に鑑み、プラスチック表面の劣化や汚染の診断の利便性を高めることを第1の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0008】
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、第1発明のプラスチック表面診断方法は、
紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光(K)が有するスペクトル分布の分光特性を測定し、予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性と比較することにより、プラスチック(4)表面を診断するプラスチック表面診断方法であって、
劣化していない状態の前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化前蛍光成分の蛍光強度および劣化後の前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化後蛍光成分の蛍光強度の強度比に基づいて設定された強度比閾値(S1)と、前記プラスチック(4)表面から放出された光の前記劣化前蛍光成分の蛍光強度および前記劣化後蛍光成分の蛍光強度の強度比と、を比較することにより、プラスチック(4)表面の劣化を診断することを特徴とする。
【0009】
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明のプラスチック表面診断方法では、紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光(K)が有するスペクトル分布の分光特性を測定し、予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性と比較することにより、プラスチック(4)表面を診断する。したがって、紫外線(2a)を照射した際にプラスチック(4)から放出される光(K)(蛍光やプラズマ発光)に基づいて、プラスチック(4)表面の診断ができるので、近赤外光等が透過する試料やプリズムに試料を近接させる必要がある近赤外光や赤外光を使用する場合と比べて診断しやすく、利便性が向上する。
【0010】
また、第1発明のプラスチック表面診断方法では、劣化していない状態の前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化前蛍光成分の蛍光強度および劣化後の前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化後蛍光成分の蛍光強度の強度比に基づいて設定された強度比閾値(S1)と、前記プラスチック(4)表面から放出された光の前記劣化前蛍光成分の蛍光強度および前記劣化後蛍光成分の蛍光強度の強度比と、を比較することにより、プラスチック(4)表面の劣化を診断する。したがって、プラスチック(4)の劣化を診断できる。
【0011】
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために、第2発明のプラスチック表面診断方法は、
紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光(K)が有するスペクトル分布の分光特性を測定し、予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性と比較することにより、プラスチック(4)表面を診断するプラスチック表面診断方法であって、
薬品で汚染されていない前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染前蛍光成分の蛍光強度および薬品で汚染された前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染後蛍光成分の蛍光強度の強度比に基づいて設定された強度比閾値(S1)と、前記プラスチック(4)表面から放出された光の前記薬品汚染前蛍光成分の蛍光強度および薬品汚染後蛍光成分の蛍光強度の強度比と、を比較することにより、プラスチック(4)表面の薬品による汚染を診断することを特徴とする。
【0012】
第2発明の作用)
前記構成要件を備えた第2発明のプラスチック表面診断方法では、紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光(K)が有するスペクトル分布の分光特性を測定し、予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性と比較することにより、プラスチック(4)表面を診断する。したがって、紫外線(2a)を照射した際にプラスチック(4)から放出される光(K)(蛍光やプラズマ発光)に基づいて、プラスチック(4)表面の診断ができるので、近赤外光等が透過する試料やプリズムに試料を近接させる必要がある近赤外光や赤外光を使用する場合と比べて診断しやすく、利便性が向上する。
また、第2発明のプラスチック表面診断方法では、薬品で汚染されていない前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染前蛍光成分および薬品で汚染された前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染後蛍光成分の強度比に基づいて設定された強度比閾値(S1)と、前記プラスチック(4)表面から放出された光の前記薬品汚染前蛍光成分および薬品汚染後蛍光成分の強度比と、を比較することにより、プラスチック(4)表面の薬品による汚染を診断する。したがって、プラスチック(4)表面の薬品汚染を診断できる。
【0013】
発明の形態1
発明の形態1のプラスチック表面診断方法は、前記第1発明または第2発明において、
前記紫外線(2a)として、波長が266nmのNd:YAGレーザの第4高調波を使用することを特徴とする。
発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた発明の形態1のプラスチック表面診断方法では、波長が266nmのNd:YAGレーザの第4高調波を前記紫外線(2a)として使用し、劣化や汚染を診断できる。
【0014】
第3発明)
前記技術的課題を解決するために第3発明のプラスチック表面診断装置(1)は、
プラスチック(4)表面に紫外線(2a)を照射する紫外線源(2)と、
前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光(K)を受光する受光素子(11)と、
前記受光素子(11)で受光した光が有するスペクトル分布の分光特性を測定する分光特性測定手段(16)と、
予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性を記憶する基準分光特性記憶手段(17)と、
測定した前記分光特性と前記基準分光特性とを比較して、プラスチック(4)表面を診断するプラスチック表面診断手段(18)と、
前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出された光が伝送される伝送部(7)と、前記伝送部(7)から複数に分岐した分岐伝送部(8)とを有する光ファイバ(6)と、
特定の波長領域の光を透過させる帯域透過フィルタ(9a,9b)を介して前記各分岐伝送部(8)に接続され、透過した光の強度を測定する光強度測定素子(11a,11b)により構成された前記受光素子(11)と、
前記複数の分岐伝送部(8)の中のいずれか一つに配置され、劣化していない前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化前蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタ(9a)である劣化前蛍光成分透過フィルタ(9a)と、
前記劣化前蛍光成分透過フィルタ(9a)とは異なる前記分岐伝送部(8)に配置され、劣化後の前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化後蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタ(9b)である劣化後蛍光成分透過フィルタ(9b)と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
第3発明の作用)
前記構成要件を備えた第3発明のプラスチック表面診断装置(1)では、紫外線源(2)は、プラスチック(4)表面に紫外線(2a)を照射する。受光素子(11)は、前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光を受光する。分光特性測定手段(16)は、前記受光素子(11)で受光した光が有するスペクトル分布の分光特性を測定する。基準分光特性記憶手段(17)は、予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性を記憶する。プラスチック表面診断手段(18)は、測定した前記分光特性と前記基準分光特性とを比較して、プラスチック(4)表面を診断する。したがって、紫外線(2a)を照射した際にプラスチック(4)から放出される光(蛍光やプラズマ発光)に基づいて、プラスチック(4)表面の診断ができるので、光が透過する試料やプリズムに試料を近接させる必要がある近赤外光や赤外光を使用する場合と比べて診断しやすく、利便性が向上する。
【0016】
また、第3発明のプラスチック表面診断装置(1)では、光ファイバ(6)の伝送部(7)は、前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出された光が伝送される。前記伝送部(7)から複数に分岐した分岐伝送部(8)には、特定の波長領域の光を透過させる帯域透過フィルタ(9a,9b)を介して光強度測定素子(11a,11b)が接続され、透過した光の強度を測定する。したがって、光強度測定素子(11a,11b)により特定の波長領域の光の強度を測定できる。
【0017】
さらに、第3発明のプラスチック表面診断装置(1)では、前記複数の分岐の中のいずれか一つに配置された劣化前蛍光成分透過フィルタ(9a)は、劣化していない前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化前蛍光成分を透過させる。前記劣化前蛍光成分透過フィルタ(9a)とは異なる前記分岐伝送部(8)に配置された劣化後蛍光成分透過フィルタ(9b)は、劣化後の前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である劣化後蛍光成分を透過させる。したがって、各フィルタを透過した特定の蛍光成分を、それぞれのフィルタ(9a,9b)に接続された光強度測定素子(11a,11b)で計測でき、プラスチック(4)の劣化を診断できる。
【0018】
(第4発明)
前記技術的課題を解決するために第4発明のプラスチック表面診断装置(1)は、
プラスチック(4)表面に紫外線(2a)を照射する紫外線源(2)と、
前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光(K)を受光する受光素子(11)と、
前記受光素子(11)で受光した光が有するスペクトル分布の分光特性を測定する分光特性測定手段(16)と、
予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性を記憶する基準分光特性記憶手段(17)と、
測定した前記分光特性と前記基準分光特性とを比較して、プラスチック(4)表面を診断するプラスチック表面診断手段(18)と、
前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出された光が伝送される伝送部(7)と、前記伝送部(7)から複数に分岐した分岐伝送部(8)とを有する光ファイバ(6)と、
特定の波長領域の光を透過させる帯域透過フィルタ(9a,9b)を介して前記各分岐伝送部(8)に接続され、透過した光の強度を測定する光強度測定素子(11a,11b)により構成された前記受光素子(11)と、
前記複数の分岐伝送部(8)の中のいずれか一つに配置され、薬品で汚染されていない前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染前蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタ(9a)である汚染前蛍光成分透過フィルタ(9a)と、
前記汚染前蛍光成分透過フィルタ(9a)とは異なる前記分岐伝送部(8)に配置され、薬品で汚染された前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染後蛍光成分を透過させる前記帯域透過フィルタ(9b)である汚染後蛍光成分透過フィルタ(9b)と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
(第4発明の作用)
前記構成要件を備えた第4発明のプラスチック表面診断装置(1)では、紫外線源(2)は、プラスチック(4)表面に紫外線(2a)を照射する。受光素子(11)は、前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出される光を受光する。分光特性測定手段(16)は、前記受光素子(11)で受光した光が有するスペクトル分布の分光特性を測定する。基準分光特性記憶手段(17)は、予め測定された前記プラスチック(4)と同じ材料の基準試料(4′)の基準分光特性を記憶する。プラスチック表面診断手段(18)は、測定した前記分光特性と前記基準分光特性とを比較して、プラスチック(4)表面を診断する。したがって、紫外線(2a)を照射した際にプラスチック(4)から放出される光(蛍光やプラズマ発光)に基づいて、プラスチック(4)表面の診断ができるので、光が透過する試料やプリズムに試料を近接させる必要がある近赤外光や赤外光を使用する場合と比べて診断しやすく、利便性が向上する。
【0020】
また、第4発明のプラスチック表面診断装置(1)では、光ファイバ(6)の伝送部(7)は、前記紫外線(2a)が照射されたプラスチック(4)表面から放出された光が伝送される。前記伝送部(7)から複数に分岐した分岐伝送部(8)には、特定の波長領域の光を透過させる帯域透過フィルタ(9a,9b)を介して光強度測定素子(11a,11b)が接続され、透過した光の強度を測定する。したがって、光強度測定素子(11a,11b)により特定の波長領域の光の強度を測定できる。
【0021】
さらに、第4発明のプラスチック表面診断装置(1)では、前記複数の分岐の中のいずれか一つに配置された汚染前蛍光成分透過フィルタ(9a)は、薬品で汚染されていない前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染前蛍光成分を透過させる。汚染後蛍光成分透過フィルタ(9b)は、前記汚染前蛍光成分透過フィルタ(9a)とは異なる前記分岐伝送部(8)に配置され、薬品で汚染された前記基準試料(4′)において強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である薬品汚染後蛍光成分を透過させる。したがって、各フィルタを透過した特定の蛍光成分を、それぞれのフィルタに接続された光強度測定素子(11a,11b)で計測でき、プラスチック(4)の汚染を診断できる。
【発明の効果】
【0022】
前述の本発明は、プラスチック表面の劣化や汚染の診断の利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に図面を参照しながら、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(プラスチック表面診断装置の説明)
図1は本発明の実施例1のプラスチック表面診断装置の概略説明図である。
図1に示す実施例1のプラスチック表面診断装置1は、励起光としての紫外線2aを照射する紫外線源2と、前記紫外線源2から照射された紫外線2aを絞るスリット3aが形成された絞り3とを有している。実施例1の紫外線源2からは、紫外線2aとして波長が266nmのNd:YAGレーザー(紫外線レーザ)の第4高調波が繰り返し周波数20Hzで照射され、スリット3aを通過した紫外線は、エネルギー0.3mJ、8mm×3mmの面積で、プラスチック4表面に照射される。なお、前記各設定値は、設計に応じて変更可能である。また、実施例1では、診断対象のプラスチック4として、PET(ポリエチレンテレフタレート)を使用する。
【0024】
紫外線が照射されるプラスチック4近傍には光ファイバ6が配置されている。前記光ファイバ6は、内部を光が伝送される主伝送部7を有しており、主伝送部7のプラスチック4側には、紫外線が照射されるプラスチック4表面から放出される蛍光Kが入射される光入射部7aが設けられている。前記主伝送部7の光入射部7aの反対側の端部には、2つの分岐伝送部8a、8bが接続されており、それぞれの内部を光が伝送される。各分岐伝送部8a、8bには、互いに異なる特定の波長領域の光を透過させる帯域透過フィルタ(干渉フィルタ)9a、9bが接続されている。実施例1では、1つの帯域透過フィルタ(劣化前蛍光成分透過フィルタ)9aは、劣化していない状態のPETにおいて強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である370nm(劣化前蛍光成分、詳細は後述)を中心とした波長領域の光を透過させる。また、別の帯域透過フィルタ(劣化後蛍光成分透過フィルタ)9bは、劣化後のPETにおいて強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である460nm(劣化後蛍光成分、詳細は後述)を中心とした波長領域の光を透過させる。
【0025】
図1において、前記各帯域透過フィルタ9a、9bには、透過した光を受光する受光素子11として、受光した光の強度を測定可能な光強度測定素子11a、11bが接続されている。前記光強度測定素子11として、例えば、光電子増倍管やフォトダイオードのような光電変換素子を使用することができる。前記各光強度測定素子11a、11bから出力される信号は、信号処理装置12に入力される。
前記信号処理装置12は、各光強度測定素子11a、11bから入力された信号に基づいて分光特性としてのスペクトル強度を、光強度測定素子11a、11b毎に測定する分光特性測定手段16を有している。
【0026】
また、前記信号処理装置12は、後述する測定方法で予め測定された基準試料(4′)の基準分光特性を記憶する基準分光特性記憶手段17を有する。前記基準分光特性記憶手段17は、前記劣化前蛍光成分(基準分光特性)の蛍光強度および前記劣化後蛍光成分(基準分光特性)の蛍光強度の強度比に基づいて設定された強度比閾値S1(実施例1ではS1=0.8)を記憶する強度比閾値記憶手段17aを有する。
さらに、前記信号処理装置12は、前記分光特性測定手段16で測定された分光特性(スペクトル強度)から計算される強度比と、前記強度比閾値記憶手段17aに記憶された強度比閾値S1と、を比較して、プラスチック4表面を診断するプラスチック表面診断手段18を有する。そして、プラスチック表面診断手段18は、診断結果をディスプレイ19に表示する。
【0027】
(基準分光特性の検出装置)
図2は基準分光特性検出装置の概略説明図である。
図2において、基準分光特性検出装置21は、プラスチック表面診断装置1と同様の紫外線源2′、絞り3′を有している。紫外線源2′から出射された紫外線2a′はスリット3a′を通過して基準試料(プラスチック基準試料)4′表面に照射される。紫外線2a′が照射された基準試料4′から放出された光(蛍光)Kは、基準分光特性検出装置21によりその分光特性(基準分光特性)が測定される。前記基準分光特性検出装置21は、波長310nm以下の紫外光をカットする紫外カットフィルタ22と、紫外カットフィルタ22を通過した光を集光する集光レンズ23と、先端部に光ファイバープローブ24を有し集光された光が伝送される光ファイバ26と、光ファイバ26を伝送された光を分光してスペクトル分布の分光特性を測定するマルチチャンネル分光器27と、を有する。なお、実施例1において、基準分光特性検出装置21を使用してスペクトル分布を測定するための積算時間は500ms(すなわち、繰り返し周波数20Hzの紫外線レーザ10shot分)とした。
【0028】
(基準分光特性の実験結果)
図3は前記図2に示す基準分光特性検出装置により紫外線の照射時間に応じて測定されたPETの蛍光スペクトル分布を示す実験結果のグラフであり、横軸に波長、縦軸に光の強度をとったグラフである。
図3において、図2に示す基準分光特性検出装置21を使用して基準試料としてのPETに紫外線レーザを照射した時に、照射時間に応じて、計測されるスペクトルが変化する。これは、紫外線レーザを照射し続けることにより、基準試料4′の表面劣化が加速されているためである。図3の実験結果から、劣化する前の状態(照射時間が1秒の場合)や劣化が少ない状態(照射時間が1分の場合)では、波長370nm~385nm(劣化前蛍光成分)のスペクトル強度が相対的に強く測定され、劣化するに従って波長370nmのスペクトル強度が低下するとともに波長460nm(劣化後蛍光成分)のスペクトル強度が相対的に強く観測されることがわかる。したがって、全ての分光特性を測定しなくても、分光特性の中の劣化前蛍光成分と劣化後蛍光成分を参照することによりプラスチックの劣化を診断できることがわかる。なお、図3において、前記劣化面とは、目視で表面が粗く劣化している様子が見て取れるものを使用した。
【0029】
図4は図3の実験結果に基づいて計算された強度比を示すグラフであり、横軸に波長、縦軸に強度比をとったグラフである。
図4において、図3の実験結果に基づいて、波長370nm(劣化前蛍光成分)を中心とした±10nmの波長領域の光強度の総和に対する波長460nm(劣化後蛍光成分)±10nmの波長領域の光強度の総和の割合(強度比)を計算した。図4を参照すると、劣化する前は強度比が小さく、劣化が進むにつれて強度比が大きくなることがわかる。したがって、診断対象のプラスチック4において、スペクトル分布全体の分光特性を測定しなくても、劣化前蛍光成分と劣化後蛍光成分の強度比を計算することで、劣化の程度の診断ができる。したがって、実施例1では、強度比が0.8の場合までが許容できる劣化度合いとし、プラスチック表面診断装置1の強度比閾値S1を0.8に設定した。なお、強度比閾値S1の値は、許容できる劣化度合いに応じて適宜変更可能である。
【0030】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプラスチック表面診断装置1では、紫外線レーザ2aが照射されたプラスチック4表面からの蛍光Kの分光特性を測定する。このとき、劣化前蛍光成分透過フィルタ9aを通過して光強度測定素子(劣化前蛍光成分測定素子)11aで計測された光の強度(劣化前蛍光成分の蛍光強度)と、劣化後蛍光成分透過フィルタ9bを透過して光強度測定素子(劣化後蛍光成分測定素子)11bで計測された光の強度(劣化後蛍光成分の強度)との比が、強度比閾値S1と比較されて劣化の診断が行われる。すなわち、計測された強度比が強度比閾値S1以下の場合には、許容できる劣化度合いのプラスチックであると判別でき、強度比が強度比閾値S1より大きい場合には許容できない程度まで劣化したプラスチックであると診断できる。
【0031】
したがって、実施例1のプラスチック表面診断装置1では、紫外線レーザを照射した際にプラスチック4から放出される蛍光Kに基づいてプラスチック4表面の診断ができるので、プラスチック4表面と非接触の状態で診断することができる。また、蛍光Kを利用するので、光が透過しない非透明のプラスチックや厚いプラスチックの診断もできる。この結果、プリズムに試料を近接させる必要があったり、試料を光が透過する必要がある近赤外光や赤外光を使用する場合と比べて診断しやすく、利便性が向上する。
また、実施例1のプラスチック表面診断装置1では、紫外線レーザを使用するので、単位面積あたりの強度が強く蛍光が得られやすいと共に、レーザ光が拡散せず進み小さな点に集光できる。したがって、プラスチック材料がチップ上に裁断されていても、裁断された個々の微小片チップにレーザを集光して照射でき、蛍光を得ることができるため、小さなチップの個々の判定・診断が可能である。
この結果、実施例1のプラスチック表面診断装置1により、プラスチック(PET)の劣化の診断を容易に行うことができ、リサイクル処理前の材料分別を効率的に行うことができる。
【0032】
(実施例2)
次に本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0033】
(基準分光特性の実験結果)
図5はポリアセタールに紫外線を照射した時間に応じて測定された蛍光スペクトル分布を示す実験結果のグラフであり、横軸に波長、縦軸に光の強度をとったグラフである。
図6は図5の実験結果に基づいて計算された強度比を示すグラフであり、横軸に波長、縦軸に強度比をとったグラフである。
実施例2では、プラスチック4、4′材料としてポリアセタールを使用し、実施例1と同様の基準分光特性検出装置21を使用して基準分光特性を測定した。
この結果、図5に示すように、劣化していない状態(1秒照射後参照)では、波長315nm(劣化前蛍光成分)に強度のピークが測定され、紫外線の照射に伴ってプラスチック表面が劣化していくと、315nmの強度が相対的に低下し、405nm(劣化後蛍光成分)の強度が相対的に強くなっている。この実験結果に基づいて、315nm(劣化前蛍光成分)を中心とした±5nmの波長領域の光強度の総和に対する405nm(劣化後蛍光成分)±10nmの波長領域の光強度の総和の割合(強度比)を計算すると、図6の結果が得られた。図6を参照すると、劣化する前は強度比が小さく、劣化が進むにつれて強度比が大きくなることがわかる。
【0034】
図7はポリアセタールが薬品で汚染されていない場合、汚染された場合、汚染された部分を取り除いた場合の蛍光スペクトル分布を示す実験結果のグラフであり、横軸に波長、縦軸に光の強度をとったグラフである。
また、図7に示すように、プラスチック表面が薬品で汚染されると315nm(薬品汚染前蛍光成分)が相対的に低下し、405nmや450nm(ともに薬品汚染後蛍光成分)の強度が相対的に強くなっている。そして、薬品で汚染された部分を削除すると、薬品汚染前の場合と同様のスペクトル分布が観測された。
これらの結果、スペクトル分布全体の分光特性を観測しなくても、劣化前蛍光成分や薬品汚染前蛍光成分と、劣化後蛍光成分や薬品汚染後蛍光成分との強度比を測定することで、プラスチック4の劣化や薬品汚染を診断することができる。
【0035】
したがって、図5~図7の結果から、実施例2のプラスチック表面診断装置1では、劣化前蛍光成分透過フィルタ(汚染前蛍光成分透過フィルタ)9aは、劣化または薬品汚染されていない状態のポリアセタールにおいて強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である315nmを中心とした波長領域の光を透過させる。また、劣化後蛍光成分透過フィルタ(汚染後蛍光成分透過フィルタ)9bは、劣化後または薬品汚染後のポリアセタールにおいて強い蛍光強度で測定される特定の蛍光成分である405nmを中心とした波長領域の光を透過させる。そして、実施例2では、強度比が0.2の場合までが許容できる劣化度合いとし、プラスチック表面診断装置1の強度比閾値S1を0.2に設定した。
【0036】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプラスチック表面診断装置1では、劣化前蛍光成分および薬品汚染前蛍光成分である315nmの光強度と、劣化後蛍光成分および薬品汚染後蛍光成分である405nmの光強度との強度比を測定して、強度比閾値S1と比較することで、プラスチック4が劣化または薬品汚染されていないかを診断できる。この結果、実施例1と同様に、利便性を高めることができる。
【0037】
(実施例2の変更例)
なお、実施例2において、光ファイバ6に3つ目の分岐伝送部を設け、3つ目の分岐伝送部に、薬品汚染後蛍光成分である450nmを中心とした領域を透過させる汚染後蛍光成分透過フィルタを配置して、薬品汚染診断用の強度比閾値(例えば、0.5)を使用して、薬品汚染の診断することも可能である。
【0038】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、診断対象のプラスチックは、PETやポリアセタールに限定されず、任意のプラスチックとすることができる。
また、紫外線レーザを照射する紫外線源(紫外線レーザ照射装置)を使用することが望ましいが、紫外光を照射する紫外線ランプを使用することも可能である。また、使用する紫外線の波長や、カットフィルタ22のカットする波長等の具体的数値は、設計に応じて任意に変更可能である。
【0039】
さらに、光ファイバ6が2つの分岐伝送部8a、8bを有しているが、分岐伝送部の数は任意であり、3つ以上とすることも可能である。また、1つの入射部7aから入射した光を分岐せず、複数の光ファイバを試料近傍に配置することも可能である。
また、劣化前蛍光成分と劣化後蛍光成分の強度比や、薬品汚染前蛍光成分と薬品汚染後蛍光成分の強度比に基づいて診断を行ったが、各蛍光成分が2つ以上ある場合には、2つ以上の強度比とそれに対応する複数の強度比閾値を使用して、より精確に診断を行うことも可能である。例えば、材料や汚染薬品、汚染物質(例えば、人間の皮脂や髪の毛等)の種類によって、汚染前蛍光成分が2つあり、汚染後蛍光成分が1つある場合には、第1汚染前蛍光成分および汚染後蛍光成分の強度比と第1強度比閾値との判別結果と、第2汚染前蛍光成分および汚染後蛍光成分の強度比と第2強度比閾値との判別結果とから、薬品または汚染物質による汚染の診断を行うことができる。
さらに、前記実施例において、強度比を計算する際に、各蛍光成分から所定の範囲の波長領域(±10nmまたは±5nm)の光強度の総和を計算したが、前記波長領域の幅は任意に変更可能であり、範囲をなくして蛍光成分のみの光強度に基づいて強度比を計算することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は本発明の実施例1のプラスチック表面診断装置の概略説明図である。
【図2】図2は基準分光特性検出装置の概略説明図である。
【図3】図3は前記図2に示す基準分光特性検出装置により紫外線の照射時間に応じて測定されたPETの蛍光スペクトル分布を示す実験結果のグラフであり、横軸に波長、縦軸に光の強度をとったグラフである。
【図4】図4は図3の実験結果に基づいて計算された強度比を示すグラフであり、横軸に波長、縦軸に強度比をとったグラフである。
【図5】図5はポリアセタールに紫外線を照射した時間に応じて測定された蛍光スペクトル分布を示す実験結果のグラフであり、横軸に波長、縦軸に光の強度をとったグラフである。
【図6】図6は図5の実験結果に基づいて計算された強度比を示すグラフであり、横軸に波長、縦軸に強度比をとったグラフである。
【図7】図7はポリアセタールが薬品で汚染されていない場合、汚染された場合、汚染された部分を取り除いた場合の蛍光スペクトル分布を示す実験結果のグラフであり、横軸に波長、縦軸に光の強度をとったグラフである。
【符号の説明】
【0041】
1…プラスチック表面診断装置、2…紫外線源、2a…紫外線レーザ、3…絞り、3a…スリット、4…プラスチック、4′…基準試料、6…光ファイバ、7…伝送部、7a…光入射部、8a,8b…分岐伝送部、9a…帯域透過フィルタ,劣化前蛍光成分透過フィルタ,汚染前蛍光成分透過フィルタ、9b…帯域透過フィルタ,劣化後蛍光成分透過フィルタ,汚染後蛍光成分透過フィルタ、11…光強度測定素子,受光素子、11a,11b…光強度測定素子、12…信号処理装置、16…分光特性測定手段、17…基準分光特性記憶手段、17a…強度比閾値記憶手段、18…プラスチック表面診断手段、19…ディスプレイ、21…基準分光特性検出装置、22…紫外カットフィルタ、23…集光レンズ、24…光ファイバープローブ、26…光ファイバ、27…分光器、S1…強度比閾値。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6