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明細書 :粗動微動位置決め装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4825966号 (P4825966)
公開番号 特開2006-226811 (P2006-226811A)
登録日 平成23年9月22日(2011.9.22)
発行日 平成23年11月30日(2011.11.30)
公開日 平成18年8月31日(2006.8.31)
発明の名称または考案の名称 粗動微動位置決め装置
国際特許分類 G12B   5/00        (2006.01)
B23Q   5/34        (2006.01)
H01L  21/027       (2006.01)
H01L  21/68        (2006.01)
FI G12B 5/00 T
B23Q 5/34 520C
H01L 21/30 503A
H01L 21/68 K
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2005-040478 (P2005-040478)
出願日 平成17年2月17日(2005.2.17)
審査請求日 平成20年2月1日(2008.2.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304036743
【氏名又は名称】国立大学法人宇都宮大学
発明者または考案者 【氏名】森本 喜隆
個別代理人の代理人 【識別番号】100095739、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 俊夫
審査官 【審査官】榮永 雅夫
参考文献・文献 特開平09-322591(JP,A)
実用新案登録第2516740(JP,Y2)
特開2004-146718(JP,A)
調査した分野 G12B 5/00
B23Q 5/34
H01L 21/027
H01L 21/68
特許請求の範囲 【請求項1】
ナットを介してテーブルに接続された送りねじと、
入力軸と出力軸が同軸に配置された減速機であって前記送りねじの一端に出力軸が接続された減速機と、
前記減速機の入力軸に接続された微動送り用のモータと、
出力軸が貫通した中空であって該中空部に前記減速機のケーシング部を同軸に嵌着保持するとともに前記微動送り用のモータと同時に駆動および制御される粗動送り用の中空モータと、
を備えたことを特徴とする粗動微動位置決め装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粗動微動位置決め装置において、
前記減速機は波動歯車減速機であることを特徴とする粗動微動位置決め装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸上に2個のモータと減速機を配して、粗動および微動をしながら軸上の対象物を位置決めする粗動微動位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業や工作機械やバイオケミカル産業を始めとする位置決め装置を動作機構に用いる産業では、ナノメートルの位置決め精度と位置決め時間の短縮が要求されている。しかし、位置決め精度を向上させると、位置決めを完了するまでの所要時間が長くなり、生産性の向上や、測定評価時間の短縮には悪影響を及ぼす。これを解決するために、本発明は、粗動による高速位置決めと微動による高精度位置決めを両立させた機構により、位置決め時間の短縮と同時に高精度な位置決めを実現することを目的とした。従来の位置決め機構としては、モータに減速機を取付けて単に分解能を上げただけの位置決め装置や、モータと圧電素子との組合せにより、モータを用いて粗動位置決めし、圧電素子を用いて微動位置決めする装置が市販されている。また、圧電素子を用いてテーブルの位置決めをする従来技術としては、特許文献1に記載の微動テーブル装置がある。

【特許文献1】特開2004-146718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したように、モータに減速機を取付けて単に分解能を上げただけの位置決め装置では、高分解能の位置決めは達成できるが、位置決めに要する時間の短縮は望めない。一方、モータと圧電素子との組合せにより、モータを用いた粗動位置決めと、圧電素子を用いた微動位置決めとを組み合わせた装置は、モータの制御装置と圧電素子の制御装置がそれぞれ必要となる。また、微動操作は、粗動操作により一定の閾値内に装置が位置決めされてから微動制御が行われるため、制御自体が複雑となり、さらに微動時の位置決め時間も多く要するという課題があった。そこで本発明は、位置決め時間を短縮すると同時に高精度な位置決めを可能にする粗動微動位置決め装置を提案することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明に係る粗動微動位置決め装置は、ナットを介してテーブルに接続された送りねじと、入力軸と出力軸が同軸上に配置された減速機であって前記送りねじの一端に出力軸が接続された減速機と、該減速機の入力軸に接続された微動送り用のモータと、出力軸が貫通した中空であって該中空部に前記減速機のケーシング部を同軸上に嵌着保持した粗動送り用の中空モータとを備えたことを特徴とする。なお、前記減速機は波動歯車減速機とすることが好ましい。
【0005】
本発明は、モータ2個と減速機を組み合わせたことにより、制御装置の構成は、モータを駆動させる制御装置だけとなり、機構が簡略化される。また、中空モータの回転数と減速機の入力軸を回転させるモータの回転数を制御することにより、加速・減速を任意に設定できるので、滑らかな動作を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0006】
以上述べたように本発明の粗動微動位置決め装置によれば、従来実現できなかった粗動・微動動作を複合して行うことが可能となり、かつ、従来よりも高速で位置決め動作を完了できる。これにより、半導体産業、工作機械、バイオケミカル産業等の産業界において、位置決め時間の短縮により、生産性向上や測定評価時間の短縮の実現が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図に基づいて本発明の実施形態を説明する。
本発明による粗動微動位置決め装置は、図1および図2に示すように、マニュアルノブ付ステッピングモータ1、波動歯車減速機4(商品名ハーモニックドライブ、以下HDと略称する。)を回転軸に取付けた中空ステッピングモータ2、ボールネジ駆動機構3から構成される。HD4の出力軸はボールネジ駆動機構3にカップリングにより接続されている。
【0008】
まず、モータ1をM1rpmで回転させるとHD4の入力軸に回転が伝わり、所定の減速比dを介してHD4の出力軸が-d・M1だけ逆回転する。このHD4の出力軸はボールネジ駆動機構3と連結されているので、テーブルはこの機構を制御することにより位置決めされる。ここで、中空モータ2の回転軸はHD4のアウターケースと連結されており、中空モータ2が静止している場合は、微動動作となりnmレベルの精密位置決めが可能となる。
【0009】
一方、中空モータ2がM2 rpmで回転するとHD4の入力軸とアウターケースの回転の相対運動により、HD4の出力軸はM2-d・M1rpmの回転数となりボールねじ駆動機構3に回転が伝わり、位置決め動作となる。このとき、dは一般的には、1/30~1/100程度であるため、HD4の出力軸の回転数は、概ねM2に近くなり、粗動運動が得られ高速位置決めが可能となる。また、回転数M2-d・M1rpmは、従来の粗動・微動の区別をすることなく粗動から微動への連続的な制御が可能となることも示している。
【0010】
次に、実施例により得られた制御結果について述べる。図3は、粗動時の位置決め制御結果を示す。図より、0.1mmごとに位置決めが行われていることが分かる。つぎに、図4は、微動時の位置決め制御結果を示す。図より、1nmの位置決め分解能により、位置決めが行われていることが確認できる。また、図5には、粗動のみにより位置決め制御結果(点線)と、粗・微動動作を複合して行った場合の位置決め制御結果(実線)を示す。これによれば、本発明により、従来の微動のみの位置決め機構に比較して、位置決め時間が約1/2に短縮されたことが分かる。なお、実施形態では、減速機として波動歯車減速機を用いたが、他に遊星歯車減速機を用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、半導体産業、工作機械、バイオケミカル産業等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】実施例の動作を示すグラフである。
【図4】実施例の動作を示すグラフである。
【図5】実施例の動作を示すグラフである。
【符号の説明】
【0013】
1 マニュアルノブ付ステッピングモータ
2 中空ステッピングモータ
3 ボールネジ駆動機構
4 波動歯車減速機
図面
【図1】
0
【図3】
1
【図4】
2
【図5】
3
【図2】
4