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明細書 :6軸センサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4719443号 (P4719443)
公開番号 特開2006-071485 (P2006-071485A)
登録日 平成23年4月8日(2011.4.8)
発行日 平成23年7月6日(2011.7.6)
公開日 平成18年3月16日(2006.3.16)
発明の名称または考案の名称 6軸センサ
国際特許分類 G01L   5/16        (2006.01)
FI G01L 5/16
請求項の数または発明の数 4
全頁数 12
出願番号 特願2004-255841 (P2004-255841)
出願日 平成16年9月2日(2004.9.2)
審査請求日 平成19年9月3日(2007.9.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】399030060
【氏名又は名称】学校法人 関西大学
発明者または考案者 【氏名】倉田 純一
【氏名】内山 寛信
【氏名】入江 健一
個別代理人の代理人 【識別番号】100074332、【弁理士】、【氏名又は名称】藤本 昇
【識別番号】100114421、【弁理士】、【氏名又は名称】薬丸 誠一
【識別番号】100114432、【弁理士】、【氏名又は名称】中谷 寛昭
審査官 【審査官】田邉 英治
参考文献・文献 特開昭63-300928(JP,A)
実開昭63-019229(JP,U)
特開昭62-233768(JP,A)
調査した分野 G01L 5/16
G01P 15/00
特許請求の範囲 【請求項1】
角柱のセンサベースと、その各側面に貼り付けるセンサとを備えてなる6軸センサであって、前記センサベースは対向する側面が平行ではないことを特徴とする6軸センサ。
【請求項2】
前記6角柱は、上面の形状が二つの正三角形を重ね合わせてできる面の形状を有することを特徴とする請求項記載の6軸センサ。
【請求項3】
前記6角柱は、上面の形状が二つの正三角形の重心を重ね合わせてできる面の形状を有し、且つ対向する頂点と重心とを結ぶ線が20.22度で交わることを特徴とする請求項記載の6軸センサ。
【請求項4】
前記センサは、底面に対して45度の角度で貼り付けられることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の6軸センサ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、力、速度、加速度などの種々の物理量を計測する6軸センサに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの手先の6軸力測定や、仮想現実への情報入力又はマニピュレータ制御のための空間マウスなど、空間の直交3軸とそれぞれの軸まわりの成分からなる6軸成分の力、変位、角度、速度、加速度など種々の物理量を計測するセンサは、その需要の拡大から多くの製品が開発されている。
【0003】
例えば、従来の6軸成分を検出する装置として、ロボットアームとロボットハンドとの間に介装する平板状の起歪体がある。この起歪体に複数組のひずみゲージを貼着することにより、起歪体に働く6軸成分(3軸方向の力及び軸まわりのモーメント)を検出することができる(例えば、引用文献1参照)。
【0004】
また、最低6つの自由度があれば、空間上のあらゆる位置、姿勢を表すことができ、6軸成分を満足することができることから、パラレルリンクの中でも広範に用いられているスチュワートプラットフォーム(図4)を参考にして設計した6軸成分の検出装置がある(例えば、引用文献2,3参照)。スチュワートプラットフォームとは、図4に示すようにベースプレート53及びエンドプレート52が伸縮自在な6本のリンク51,…により連結された構成を有し、リンク51,…の先端とベースプレート53又はエンドプレート52とは、球面軸受54,…により接続されて方向自在に動かすことができる。そして、ベースプレート53を固定させた場合、6本のリンク51,…の長さを変えることによって、エンドプレート52の位置及び姿勢をさまざまに変化させることができる。
【0005】
引用文献2及び3の検出装置は、このように6本のリンク51,…が伸縮するので、エンドプレート52がベースプレート53に対し6自由度の位置、姿勢変化を自由自在に行うことができる。そして、このリンク51,…の伸縮データから、xyz方向とそれぞれの回転角のデータに変形し、6軸成分を計測することができる。
【0006】
つまり、エンドプレート52に与えられる6軸の成分は、リンク51のストローク変位と、検出装置の幾何学的な形状寸法で決まる6×6個の定数行列により求めることができる。しかし、6軸成分相互の干渉を軽減するためには、リンク51のストロークにより定数行列の修正が必要である。
【0007】

【特許文献1】特開平5-149811号公報
【特許文献2】特開平9-105706号公報
【特許文献3】特開平9-131690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、引用文献1に記載の6軸成分の検出装置によれば、起歪体は、複数組のひずみゲージを貼着しなければならず、また、複雑な形状を有している。つまり、このような検出装置は高精度の加工が要求されるため高価になるという問題を有する。また、検出装置が平板状であるために、ある場所にかかる力をひずみゲージで測定したい場合でも、それ以外の場所に貼着されたひずみゲージにも干渉を受けて測定されるため、精度よく測定するには、起歪体の構造が複雑になるという問題がある。
【0009】
また、引用文献2,3に記載の検出装置は、装置底面と上面とが伸縮する6本のリンクで繋がれているので、6つの独立した情報を得ることができる。しかし、リンク51,…の位置関係が変わると計算が非常に面倒になるという問題を有する。つまり、6軸成分を算出するには、リンク51,…の伸縮から直交3軸x,y,z方向の力vx、vy、vz、及びそれぞれの軸まわりのモーメントωx、ωy、ωzを定数行列を介して求めなければならず、この行列はエンドプレート52,ベースプレート53,リンク51,…等からなる構造物の幾何学的形状、寸法で決まるので、リンク51,…の伸縮により、値が時々刻々変化するので計算が非常に面倒であり、また、製品個々にその計算による校正を行いながら調整しなければならないので、作業が困難になり、製品の需要の拡大に応えられないという問題を有する。
【0010】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、簡単な構造で、6つの独立した情報を得ることができ、6軸成分の算出も容易な6軸センサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明に係る6軸センサは、角柱のセンサベースと、その各側面に貼り付けるセンサとを備えてなる6軸センサであって、前記センサベースは対向する側面が平行ではないことを特徴とするものである。

【0012】
上記構成からなる6軸センサによれば、センサベースの各辺が固定されているため、それらの定数行列が定値となるので6軸成分の計算が容易になる。また、所望の情報を得るためのセンサを貼り替えることにより、種々の情報を取得することができる。さらに、形状が固定されているので、製造が容易になり、安価で高性能な製品を製造することができる。
【0013】
また、前記センサベースは6角柱であるので、これにより、形状がシンプルで製造が容易になり、工作精度を向上させることができる。
【0014】
また、前記6角柱は、上面の形状が二つの正三角形を重ね合わせてできる面の形状を有するようにしたので、これにより、六つの独立した辺の位置決めが容易になり、また6軸センサの製造を容易にすることができる。
【0015】
また、前記6角柱は、上面の形状が二つの正三角形の重心を重ね合わせてできる面の形状を有し、且つ対向する頂点と重心とを結ぶ線が20.22度で交わるようにした。これにより、円柱状の6軸センサを一定角ずつ回転させながら切削することにより作製でき、センサの性能を保持したまま、作製が容易になるので生産性を向上させることができる。
【0016】
また、前記センサは底面に対して45度の角度で貼り付けるようにしたので、これにより、センサの貼り付けが容易ながらも、センサの精度を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
即ち、本発明に係る6軸センサは、角柱の形状を有し、かつ各辺が独立しているので、構造がシンプルで製造が容易になり、安価で高性能な製品を製造することができるばかりか、6軸成分の算出を精度よく行うことができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。ここで、6軸センサとはセンサベースにかかる負荷を6軸の成分(3軸方向の力及びその軸まわりのモーメント)から検出するものである。そして、この6軸成分のデータを得るには、センベース上で最低6つのポイントの変位量が必要である。そこで、本実施形態にかかる6軸センサは6つの辺を有する6角柱から構成されているものについて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る6軸センサの斜視図である。図より、6軸センサ10は、フランジベース4と、その上面に配置された6角柱のセンサベース1と、その各側面に貼り付けられる6つの第一次物理センサ2とを備えて構成される。
【0020】
詳しくは、センサベース1は6角柱の形状を有し、例えば、アルミニウム、シリコン、黄銅などの材料から作製することができる。この6角柱の各側面部1bは、6自由度を得るために互いに向き合う側面が平行ではない形状を有する。また、6角柱の上面部1aには、必要に応じて上部ネジ穴1cを設けたり、あるいは、例えば、力を測定する場合などで、センサの精度を上げるために、穴部1dを設けてもよい。フランジベース4は、センサベース1を支持するものであり、例えば、アルミニウム、シリコン、黄銅などの材料から作製することができる。そして、フランジベース4は、センサベース1の底面よりも大きな面積を有する円柱の形状を有している。また、フランジベース4には、必要に応じて、穿設された複数のネジ穴4a,…を設けてもよい。なお、フランジベース4の形状は、図示するように、円形の柱状体に限るものではなく、例えば、多角形の柱状体であっても構わない。
【0021】
ここで、第一次物理センサ(以下、単に「センサ」という)2とは、初期の情報をとるためのセンサのことをいい、測定する対象により種々のセンサを選択することができる。例えば、センサ2として、加速度センサを貼り付ければ、加速度を測定することができ、ひずみゲージを貼り付ければ力を測定することができる。また、センサベース1とフランジベース4との間には、切削作業を容易にするために、必要に応じて補助台3を有してもよい。
【0022】
なお、図4に示す一般的なスチュワートプラットフォームは、可動範囲を大きくするために、下の面が上の面よりも広い先細りの錘状に形成されており、センサとしての精度の上でもそのような形状が好ましい。しかし、本実施形態のように6角柱に形成する場合は、貼着する六つのセンサ2,…をフランジベース4に対して、45°に傾けて貼り付けることでセンサの精度を良好にすることができる。また、工作上容易でもある。
【0023】
次に、図2を参照して、6軸センサの製造方法について説明する。図2は6軸センサの正面図(図2(a))、及び側面図(図2(b))である。
【0024】
ここで、センサベース1の上面部1aの形状は、図2(a)に示すように、各辺を延長させた1点鎖線で示すように、二つの正三角形を重ね合わせてできる面の形状を有することが好ましい。特に、さらに好ましい上面部1aの形状は、二つの正三角形の重心を重ね合わせてできる面の形状を有し、かつ、対向する原点と重心とを結ぶ線が20.22°で交わることが好ましい。
【0025】
上記構成を有するセンサベース1は、以下のように製造することができる。
【0026】
まず、フランジベース4上に直径2Rの円柱を加工する。そして、一辺を作製するために、円柱の側面より0.235Rの切り込みを入れて、切り込みの先端に対し垂直に切削する。次に、切削する位置を固定したまま、切削した辺を円の中心に対し120°回転させて切削する。さらに前回切削した辺を円の中心に対し120°回転させて切削する。続いて、切削した辺の一端を中心にして80.22°回転させて切削する。そして、前回切削した辺を円の中心に対し120°回転させて切削し、さらに前回切削した辺を円の中心に対し120°回転させて切削する。このようにして、6角柱のセンサベース1を作製することができる。
【0027】
このように構成された6軸センサ10は、スチュワートプラットフォームを参考に設計されているので、6つの独立した辺(ベクトル)を有し、空間内の6軸成分の情報を得ることができる。このとき、従来の検出装置では、6つの独立したベクトルは、リンクが伸び縮みするため、直交3軸、回転3軸の6軸成分のマトリックスを求めなければならなかったが、上記6軸センサ10は、6つの辺が固定されているのでこのようなマトリックス係数が定値となり、方程式の解法が容易になる。
【0028】
以下に、6軸成分の測定手法について詳細に説明する。
図3にスチュワートプラットフォームに基づいた座標系を説明するための図を示す。本測定手法では、図3のリンクliを一次物理センサの測定軸とし、6個のセンサ出力を利用して図3に示す上部円盤の移動と回転を算出する。一次物理センサの1つに注目し、次のように、点とベクトルを定める。
【0029】
0:下部円盤の座標原点(ワールド座標系の原点)
0:上部円盤の座標原点
n:n番目の一次物理センサ測定軸と下部円盤との交点
n: n番目の一次物理センサ測定軸と上部円盤との交点
n:点B0から点Bnまでのベクトル
n:点P0から点Pnまでのベクトル
a : 点B0から点P0までのベクトル
n:点Bnから点Pnまでのベクトル
n*:基準形での点Bnから点Pnまでのベクトル
【0030】
上下の各円盤に固定された座標系において各ベクトルを示す際、上部円盤ではP、下部円盤ではOの添字を各ベクトルの左上部につけ、下部円盤座標系に関して表した上部円盤座標系の姿勢変換行列をbpとする。上部円盤の姿勢が与えられた時のベクトルbiは次式で示される。
【0031】
【数1】
JP0004719443B2_000002t.gif

【0032】
ここで、pibiはそれぞれ構造によりあらかじめ与えられる値である.また、姿勢変換行列bpは、下部円盤座標系のx,y,z軸周りの姿勢角をθx、θy、θzとすると、一般に次のように示される。
【0033】
【数2】
JP0004719443B2_000003t.gif

【0034】
この姿勢変化は微小(θ≒0)であるため、cosθ=1、sinθ=θと近似し、sinの2次より高次の項を0とすると、次のように簡略化される。
【0035】
【数3】
JP0004719443B2_000004t.gif

【0036】
6軸センサが、ある測定状態におかれる前の状態(以下、「基準形」という。)にあるときは、下部円盤と上部円盤とは平行で回転していないため、cosθ=1、sinθ=0となり、姿勢変換行列bpは次式に示す単位行列Eとなる。
【0037】
【数4】
JP0004719443B2_000005t.gif

【0038】
よって、基準形でのベクトルbi*は式(1)より以下のようになる。
【0039】
【数5】
JP0004719443B2_000006t.gif

【0040】
ここで、図4に示す従来の構造による、ベクトルの微少変化について考える。基準形から微小時間Δt後に、上部円盤が微小移動(Δba)、微小回転(Δθ)したとすると、その結果、ベクトルbiの微小変化Δbiは、次のように示される。
【0041】
【数6】
JP0004719443B2_000007t.gif

【0042】
しかし、本発明の実施形態による6軸センサの構造では、ベクトルbiの各単位ベクトルの向きは固定され、かつ、変形によっても変化は生じない。従って、基準形でのベクトルbi*に沿ってセンサは物理量を検出するので、その大きさの変化は、ベクトルbiの微小変化Δbiと各単位ベクトルとの内積で求められる。
【0043】
【数7】
JP0004719443B2_000008t.gif

【0044】
ここで、微小時間Δt間での変化であることを考慮すると、以下のようになる。
【0045】
【数8】
JP0004719443B2_000009t.gif

【0046】
式(9)より、各センサで計測される物理量の変化は、以下のようになる。
【0047】
【数9】
JP0004719443B2_000010t.gif

【0048】
6つのセンサに対してそれぞれ(11)式が成り立つので、6個のセンサ出力変化を成分とするベクトルをVL、式(10)におけるv,ωに対する係数行列をCとすると、以下のようになる。
【0049】
【数10】
JP0004719443B2_000011t.gif

【0050】
従って、6つのセンサ出力の変化量を用いて上部円盤の移動速度と回転角速度を求めることができる。ここで、係数行列Cの各要素は、式(14)となる。また、図5に、係数行列Cを求めるために、図4の座標系を説明するための参考図を示す。
【0051】
【数11】
JP0004719443B2_000012t.gif

【0052】
これらの係数はセンサベースの形状によって決定されるため、構造に固有の定数となる。従来のリンクが伸縮する形式の測定手法では、この係数行列の各要素がリンクの伸縮に応じて変化しなければならないため、この係数行列を適宜修正する必要があるが、本計測手法の場合にはその必要がなく、構造で定まる係数を用いることが可能であるため、簡便に使用できる。
式(13)を用いて、微小時間Δt後の状態を考えると、以下のようになる。
【0053】
【数12】
JP0004719443B2_000013t.gif

【0054】
ここで微小時間Δt間の変化であることを考慮すると、以下のようになる。
【0055】
【数13】
JP0004719443B2_000014t.gif

【0056】
従って、各測定軸に沿った加速度出力を用いて、上部円盤の加速度、角加速度を算出することが可能である。
【0057】
このように本実施形態の6軸センサ10を構成するセンサベース1は、単純な形状の組み合わせから、6自由度の計測が可能な形状を得ることができる。従って、センサベース1の作製は決まった角度で回転させながら切削すればよく、製作が容易になる。なお、この6軸センサ10の作製は、センサベース1とフランジベース4とを別々に作製して、後で互いに接合してもよく、あるいは、一つの円柱を切り出して、センサベース1及びフランジベース4の両方を同時に作製するようにしてもよい。また、6軸センサ10の作製方法は、切削に限られず、金型による成形加工など種々の方法を採用することができる。
【0058】
また、図2に示すように、6軸センサは、他の器具と連結させたりするためのネジ穴1c、4a,…を設けることができ、さらに、使用されるセンサの実施態様に合わせて、穴部1dを設けることができる。
【0059】
なお、上記実施形態では、センサベース1の形状として、6角柱を例に挙げて説明した。しかし、図3のスチュアートプラットフォームの形状からも明らかなように、最適なセンサの配置を考慮するならば、節開き角≠0°の6角錐の形状とすることが好ましい。そこで、センサベース1の形状が6角錐又は6角柱のときの半径比及び高さ比を測定し、その結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
JP0004719443B2_000015t.gif

【0061】
表1の各相対値は、センサベース1を取り付けた下面の半径を1としたときの値である。表1から明らかなように、6角錐及び6角柱の半径比及び高さ比は、何れも小数点第2位以下の値しか違わず、形状の違いによる差はないことが分かる。従って、工作精度を上げることを考慮するならば、センサベース1は、6角柱の形状とすることが好ましい。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0063】
実施例として、6個の加速度センサを第一次物理センサとして取り付けた6軸加速度センサを試作した。そして、本実施例の加速度センサと、一般的に市販されている3軸加速度センサ(NP-7310,(株)小野測器製)とを機械的往復台上に配置し、基礎的データを収集して評価した。3m/s2の最大加速度で1.5Hzで往復運動をさせた場合、主運動方向以外の出力比(以下、クロストークという。)は、一般的に市販されている3軸加速度センサでは、クロストークが約-40dBであるのに対し、本実施例に係る6軸センサでは、十分な校正を行う前でありながらも、約-30dBであった。つまり、実施例の6軸センサは、実用性が高いことが確認された。従って、センサを構成後、詳細な校正を行うことにより更なる高精度化を十分に期待することができる。
【0064】
このように本発明の実施形態に係る6軸センサは、第一次物理変化を検出するセンサの配置を最適化し、簡単な構造で実現可能であるばかりでなく、その6軸成分の算出方法も明確で、かつ、校正も容易である。6軸成分の算出方法は検出物理量によらず同一であるため、第一次物理変化を検出するセンサをひずみゲージ、加速度センサ、流速センサなど種々の目的に合わせて替えることにより、同一の処理手法で異なった6軸センサを構成することが可能である。このことにより、6軸センサの開発コスト並びに開発期間を大幅に短縮することが可能となるばかりでなく、信号処理部のカスタムIC化で、安価で高性能な製品開発が容易となる。
【0065】
さらには、6軸成分の計測を必要とするロボット手先のインピーダンス制御や空間マウスなど、直交3軸、回転3軸の物理量を検出する従来のセンサでは、その検出アルゴリズムと6軸成分相互の干渉除去のため、個々に固有のセンサ構成が必要であったが、所望のセンサを置き換えることにより、同一構成、同一アルゴリズムで多種の6軸センサを構成することが可能である。
【0066】
さらに、センサベース1を6角柱とすることにより、小型化が容易になり、さらにセンサベース1をシリコンの基板とすることにより、MEMSの製作技術を用いた微少なセンサも容易に作製可能であり、6軸センサの使途を飛躍的に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る6軸センサの斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る6軸センサの正面図及び側面図を示す。
【図3】スチュワートプラットフォームに基づいた座標系を説明するための図である。
【図4】一般的なスチュアートプラットフォームの概略図を示す。
【図5】図4の座標系を説明するための参考図を示す。
【符号の説明】
【0068】
1…センサベース
1a…上面部
1b…側面部
1c…ネジ穴
1d…穴部
2…第一次物理センサ
3…補助台
4…フランジベース
4a…ネジ穴
10…6軸センサ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4