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明細書 :蛍光材料及びX線増感基板

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4759741号 (P4759741)
公開番号 特開2006-300930 (P2006-300930A)
登録日 平成23年6月17日(2011.6.17)
発行日 平成23年8月31日(2011.8.31)
公開日 平成18年11月2日(2006.11.2)
発明の名称または考案の名称 蛍光材料及びX線増感基板
国際特許分類 G21K   4/00        (2006.01)
C09K  11/08        (2006.01)
C09K  11/00        (2006.01)
C09K  11/02        (2006.01)
G03B  42/02        (2006.01)
FI G21K 4/00 B
C09K 11/08 G
C09K 11/00 B
C09K 11/02 Z
C09K 11/08 H
G03B 42/02 Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 27
出願番号 特願2006-079162 (P2006-079162)
出願日 平成18年3月22日(2006.3.22)
優先権出願番号 2005082463
優先日 平成17年3月22日(2005.3.22)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成20年10月29日(2008.10.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020292
【氏名又は名称】国立大学法人徳島大学
発明者または考案者 【氏名】三好 弘一
【氏名】井村 裕吉
個別代理人の代理人 【識別番号】100065215、【弁理士】、【氏名又は名称】三枝 英二
【識別番号】100076510、【弁理士】、【氏名又は名称】掛樋 悠路
【識別番号】100108084、【弁理士】、【氏名又は名称】中野 睦子
審査官 【審査官】木下 忠
参考文献・文献 特開2002-098798(JP,A)
特開平11-344599(JP,A)
特開2001-242573(JP,A)
国際公開第03/060037(WO,A1)
特開2003-270154(JP,A)
特開2002-116300(JP,A)
特開平09-166884(JP,A)
特開平07-140300(JP,A)
特開2002-036596(JP,A)
特開平02-289680(JP,A)
特開2000-169840(JP,A)
特表平06-509183(JP,A)
特開2006-265306(JP,A)
調査した分野 G21K4/00
G01T1/00-7/12
C09K11/00-11/89

特許請求の範囲 【請求項1】
蛍光色素分子含有シリカ球(a)、
水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)、及び
X線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)
を含有する蛍光材料。
【請求項2】
支持体(A)に、蛍光体層(B)が積層されたX線増感基板であって、
前記蛍光体層(B)は、蛍光色素分子含有シリカ球(a)、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)及びX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)を含有する、X線増感基板。
【請求項3】
支持体(A)に、蛍光体層(B)及びポリマー層(D)が積層されたX線増感基板であって、
前記蛍光体層(B)は、X線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)を含有し、
前記ポリマー層(D)は、蛍光色素分子含有シリカ球(a)及び水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)を含有する、X線増感基板。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光材料及びX線増感基板に関する。
【背景技術】
【0002】
医療診断、工業用非破壊検査等に利用されるX線撮影においては、通常、撮影系の感度を向上させるために、X線フィルムをX線増感基板(例えば、X線増感紙、X線蛍光板及びイメージングプレート)と組み合わせて使用している。
【0003】
X線撮影等に用いられるX線増感基板としては、紙、プラスチック等からなる支持体上に、蛍光体層を形成したものが一般的である。
【0004】
近年、医療診断等における被験者のX線被爆量の低減に対する要求が強まっている。このため、X線撮影においては高感度化したX線フィルム又はX線増感基板を使用することによって、被験者のX線被爆量の低減を図る技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかしながら、高感度化X線フィルム又はX線増感基板を使用することによるX線被爆量の低減は、なお不十分であり、より一層X線被爆量を低減できる、高感度のX線増感基板の開発が望まれている。

【特許文献1】特開平14-98798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの課題は、X線被爆量を一段と低減できる高感度のX線増感基板を提供することである。
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、蛍光色素含有シリカ球(a)、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)、及びX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)を併用することにより、所望の高感度X線増感基板が得られることを見い出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記に掲げる態様を含むものである。
1.蛍光色素分子含有シリカ球(a)、
水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)、及び
X線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)
を含有する蛍光材料。
2.支持体(A)に、蛍光体層(B)が積層されたX線増感基板であって、
前記蛍光体層(B)は、蛍光色素分子含有シリカ球(a)、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)及びX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)を含有する、X線増感基板。
3.支持体(A)に、蛍光体層(B)及びポリマー層(D)が積層されたX線増感基板であって、
前記蛍光体層(B)は、X線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)を含有し、
前記ポリマー層(D)は、蛍光色素分子含有シリカ球(a)及び水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)を含有する、X線増感基板。
【0009】
蛍光材料
本発明の蛍光材料は、蛍光色素含有シリカ球(a)、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)、及びX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)を含有する。
【0010】
蛍光色素分子含有シリカ球(a)
蛍光色素分子含有シリカ球(a)は、下記構造式
R-CO-NH-(CH-Si-(CO)
[式中、R-CO-は、蛍光色素分子(R-COOH)からOH基が脱離した基を示す。]で示される蛍光色素分子含有シリカ化合物を使って調製した蛍光色素分子含有シリカ球である。
【0011】
蛍光色素(R-COOH)としては、下記に示す各種の色素のうち、蛍光性を有するものを広く使用することができる。
【0012】
色素としては、例えば、5-カルボキシ-フルオレセイン、6-カルボキシ-フルオレセイン、5,6-ジカルボキシ-フルオレセイン、6-カルボキシ-2’,4,4’,5’,7,7’-ヘキサクロロフルオレセイン、6-カルボキシ-2’,4,7,7’-テトラクロロフルオレセイン、6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン、ナフトフルオレセイン等のフルオレセイン系色素分子;
5-カルボキシ-ローダミン、6-カルボキシ-ローダミン、5,6-ジカルボキシ-ローダミン、Rhodamine 6G、Rhodamine 6Gカルボン酸、Rhodamine Green dye(カルボン酸型) 、Rhodamine Red dye(カルボン酸型)、Tetramethyl-rhodamine、Tetramethyl-rhodamineカルボン酸、X-rhodamine、X-rhodamineカルボン酸等のローダミン系色素分子;
ビオチン等の色素;
Alexa Fluor 350 、Alexa Fluor 405 、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、Alexa Fluor 350 カルボン酸、Alexa Fluor 405 カルボン酸、Alexa Fluor 430 カルボン酸、Alexa Fluor 488 カルボン酸、Alexa Fluor 500カルボン酸、Alexa Fluor 514カルボン酸、Alexa Fluor 532 カルボン酸、Alexa Fluor 546カルボン酸、Alexa Fluor 555カルボン酸、Alexa Fluor 568 カルボン酸、Alexa Fluor 594 カルボン酸、Alexa Fluor 610 カルボン酸、Alexa Fluor 633カルボン酸、Alexa Fluor 635カルボン酸、3Alexa Fluor 647カルボン酸、Alexa Fluor 660カルボン酸、Alexa Fluor 680 カルボン酸、Alexa Fluor 700 カルボン酸、Alexa Fluor 750 カルボン酸等のAlexa Fluor系色素分子;
AMCA、AMCAカルボン酸等のAMCA系色素分子;
Bimane、Bimaneカルボン酸等のBimane系色素分子;
BODIPY 493/503、BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY 530/550、BODIPY TMR、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY TR、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY 493/503カルボン酸、BODIPY FLカルボン酸、BODIPY R6Gカルボン酸、BODIPY 530/550カルボン酸、BODIPY TMRカルボン酸、BODIPY 558/568カルボン酸、BODIPY 564/570カルボン酸、BODIPY 576/589カルボン酸、BODIPY 581/591カルボン酸、BODIPY TRカルボン酸、BODIPY 630/650カルボン酸、BODIPY 650/665カルボン酸等のBODIPY系色素分子;
Cascade Blue dye (カルボン酸型)、Cascade Yellow dye (カルボン酸型)等のCascade系色素分子;
Dansyl、Dansylカルボン酸、Dansyl dye (カルボン酸型)等のDansyl系色素分子;
Hydroxycoumarin、Hydroxycoumarinカルボン酸、Dialkylaminocoumarin、Dialkylaminocoumarinカルボン酸、Methoxycoumarin、Methoxycoumarinカルボン酸等のcoumarin系色素分子;
Eosin、Eosinカルボン酸等のEosin系色素分子;
Erythrosin、Erythrosinカルボン酸等のErythrosin系色素分子;
Malachite green (カルボン酸型);
Marina Blue Dye(カルボン酸型);
NBD、NBDカルボン酸等のNBD系色素分子;
Oregon Green 488、Oregon Green 488カルボン酸、Oregon Green 514、Oregon Green 514カルボン酸等のOregon Green系色素分子;
Pacific Blue dye(カルボン酸型);
PyMPO、PyMPOカルボン酸等のPyMPO系色素分子;
Pyrene、Pyreneカルボン酸等のPyrene系色素分子;
QSY7、QSY9、QSY21、QSY35、QSY7カルボン酸、QSY9カルボン酸、QSY21カルボン酸、QSY35カルボン酸等のQSY系色素分子;
Texas Red dye(カルボン酸型)、ECD(Phycoerythrin-Texas Red-x)(カルボン酸型)などのTexas Red系色素分子(カルボン酸型);
(以上、例えばhttp://www.probes.com/handbook/print/0101.htmlの「Molecular probes’amine-reactive dyes」の欄参照)
PE-Cy5(PE-Cyanin5)、PE-Cy5.5(PE-Cyanin5.5)、PE-Cy5(PE-Cyanin7)、APC-Cy7(APC- Cyanin 7、PharRed)、及びPerCP-Cy5.5(Per-CP-Cyanin5.5)等のシアニン系色素分子;
3-carboxy TEMPO (4-carboxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxy)、3-carboxy PROXYL [3-(carboxy)-2,2,5,5-tetramethyl-1-piperidinyloxy]等のフリーラジカル;
ethylenediaminetetraacetic acid, iron(III) sodium salt hydrate、ethylenediaminetetraacetic acid, iron(II) acetate等を挙げることができる。
【0013】
蛍光色素分子含有シリカ球(a)は、例えば、下記(i)及び(ii)の工程を経由することにより製造される。
(i)エステル結合(-CO-O-)を介して蛍光色素分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応させて、蛍光色素分子含有シリカ化合物(3)を生成する工程、
及び
(ii)(i)で得られた蛍光色素分子含有シリカ化合物(3)を、シリカ化合物(4)と反応させて蛍光色素分子含有シリカ球(5)を形成する工程。
【0014】
上記(i)の工程において使用されるスクシンイミジルエステル化合物(1)としては、下記の一般式で示される化合物を例示することができる。
【0015】
【化1】
JP0004759741B2_000002t.gif

【0016】
[式中、R-CO-は前記に同じ。より詳細には、Rは、下式に示すように、エステル結合(-CO-O-)を介してスクシンイミドと結合することができるものである。]
【0017】
【化2】
JP0004759741B2_000003t.gif

【0018】
[式中、R-CO-は前記に同じ。R’は水素原子または任意の基を意味する。]
なお、本発明の工程(i)で用いるスクシンイミジルエステル化合物(1)は、上記式に示すように、蛍光色素〔化合物(0)〕とN-ヒドロキシスクシンイミドとを定法に従ってエステル化反応することによって調製することができる。但し、簡便には商業的に入手することも可能である。
【0019】
スクシンイミジルエステル化合物(1)としては、前述する各種の色素分子とN-ヒドロキシスクシンイミドとがエステル化反応することによって得られるものを広く挙げることができる。その例として、5-スクシンイミジルエステル-フルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-フルオレセイン、5(6)- スクシンイミジルエステル-フルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-2’,4,4’,5’,7,7’-ヘキサクロロフルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-2’,4,7,7’-テトラクロロフルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン、5-スクシンイミジルエステル-ローダミン、6-スクシンイミジルエステル-ローダミン、5(6)-スクシンイミジルエステル-ローダミン、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 350、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 405、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 430、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 488、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 500、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 514、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 532、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 546、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 555、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 568、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 594、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 610、スクシンイミジルエステル-AlexaFluor 633、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 647、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 660、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 680、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 700、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 750 、スクシンイミジルエステル-ビオチン; 3-スクシンイミジルエステル-TEMPO、3-スクシンイミジルエステル- PROXYL;N-succinimidyl ester- ethylenediaminetetraacetic acid, iron(III) sodium salt hydrate、N-succinimidyl ester- ethylenediaminetetraacetic acid, iron(II) acetate等を挙げることができる。
【0020】
アミノ基を有するシリカ化合物(2)としては、特に制限されないが、例えば3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン、3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-ア
ミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
【0021】
スクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)との反応は、ジメチルスルホキシド(DMSO)や水等の溶媒に溶解した後、室温条件下で攪拌しながら反応することによって行うことができる。
【0022】
反応に使用するスクシンイミジルエステル化合物(1)とシリカ化合物(2)との割合は特に制限されないが、好適にはスクシンイミジルエステル化合物(1):シリカ化合物(2)=1:0.5~4(モル比)の範囲、より好適には1:1~2(モル比)の割合を挙げることができる。
【0023】
斯くして、スクシンイミジルエステル化合物(1)のカルボニル基と、アミノ基を有するシリカ化合物(2)のアミノ基とが、アミド結合(-NH-CO-)して、蛍光色素分子含有シリカ化合物(3)が生成する。すなわち当該蛍光色素分子含有シリカ化合物(3)は、アミド結合を介して蛍光色素分子とシリカ化合物が結合してなる態様を有している。
【0024】
次いで工程(ii)で、当該蛍光色素分子含有シリカ化合物(3)をシリカ化合物(4)と反応させる。ここで使用されるシリカ化合物(4)としては、特に制限はされないが、テトラエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランを挙げることができる。
【0025】
蛍光色素分子含有シリカ化合物(3)とシリカ化合物(4)の割合は、特に制限されないが、蛍光色素分子含有シリカ化合物(3)1モルに対するシリカ化合物(4)のモル比として、100~40000、好ましくは300~20000、より好ましくは500~10000、さらに好ましくは600~7000を挙げることができる。
【0026】
この反応は、アルコール、水及びアンモニアの存在下で行われる。ここでアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1~3の低級アルコールを挙げることができる。
【0027】
かかる反応系における水とアルコールの割合は、特に制限されないが、好ましくは水1容量部に対してアルコールを0.5~8容量部、好ましくは1~5容量部、より好ましくは1~2容量部の範囲を挙げることができる。アンモニアの量も特に制限されないが、例えば、反応させる蛍光色素分子含有シラン化合物1モルに対して、モル比で、200~250000、好ましくは400~150000、より好ましくは2500~25000の割合を挙げることができる。
【0028】
この反応は室温で行うことができ、また攪拌しながら行うことが好ましい。通常、数十分~数十時間の反応で、目的の蛍光色素分子を含有するシリカ球(5)を調製することができる。
【0029】
なお、当該工程(ii)において、使用するシリカ化合物(4)の濃度を調整したり、反応
時間を調整することにより、調製するシリカ球の大きさ(直径)を適宜調節することができる。使用するシリカ化合物(4)の濃度を多くしたり、また反応時間を長くすることによ
り、より大きいシリカ球を調製することができる(例えば、Blaaderen et al., “Synthesis and Characyerization of Monodisperse Collidal Organo-silica Spheres”, J. Colloid and Interface Science 156, 1-18.1993参照)。また工程(ii)を複数回、繰り返し行うことによっても、より大きなシリカ球を調製することができる。このように本発明の方法によれば、得られる蛍光色素分子含有シリカ球のサイズ(直径)を、所望の大きさに、例えばnmオーダーからμmオーダーへと自在に調整することができる。具体的には、本発明の方法によれば、後述の参考例1に示すように、数~数十nmサイズ、具体的には3~30nmといった微小な大きさを有する蛍光色素分子含有シリカ球を調製することも可能である。また必要に応じて、その後の処理により希望する粒子径分布となるように調整することもでき、斯くして所望の粒子径分布範囲にあるシリカ球を得ることもできる。
【0030】
このようにして得られる蛍光色素分子含有シリカ球は、必要に応じて、限界濾過膜などの慣用の方法を利用して共存イオンや共存する不要物を除いて精製してもよい
後述する参考例1に示すように、本発明の方法を用いて蛍光色素分子をシリカ球内に固定もしくは包含させると、フリーの蛍光色素分子よりも感度を上げることができる。また、本発明の方法によると、自己消光を起こすことなく、多くの蛍光色素分子をシリカ球内に固定もしくは包含させることができる。このため、本発明の方法によると、微小な領域でも使用可能な、高感度な検出試薬を提供することが可能である。
【0031】
水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)
水溶性カチオニックポリマーとしては、公知のものを広く使用できる。例えば、ポリエチレンアミン、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ジアリルアミンアクリルアミドの単独共重合体、ジアリルアミンアクリルアミドとこれを共重合可能なモノマーとの共重合体、カチオン性ポリアクリルアミド等の1~3級アミン基を有するカチオニックポリマー:
ポリジアリルジメチルアンモニウム塩〔ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(PDADMAC)〕、ポリスチレン系樹脂のスルホン酸塩〔例えば、ポリ(ソディウム4-スチレンスルホネート)〕、アクリル系樹脂の四級アンモニウム塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートの単独共重合体〔例えば、ポリ(2-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA)〕、ジメチルアミノエチルメタクリレートとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体、下式で示されるポリマー:
【0032】
【化3】
JP0004759741B2_000004t.gif

【0033】
(式中、Zは一価または二価の対イオンである)
または下式で示されるポリマー:
【0034】
【化4】
JP0004759741B2_000005t.gif

【0035】
(式中、Zは一価または二価の対イオンである)
等の第四級アンモニウム基を有するカチオン性のポリマーを例示することができる。
好ましくはポリ(2-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA)である。
【0036】
水溶性水酸基含有ポリマーとしては、公知のものを広く使用できる。水溶性水酸基含有ポリマーの具体例を示せば、ポリビニルアルコール樹脂、水酸基含有アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等を挙げることができる。
【0037】
これら水溶性カチオニックポリマー及び水溶性水酸基含有ポリマーは、1種単独で使用するのが望ましいが、これらを2種以上組み合わせて使用しても何ら差し支えない。
【0038】
X線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)
X線蛍光体(c)としては、X線エネルギーを可視光もしくは紫外光に変換し得るものである限り、公知のものを広く使用できる。X線蛍光体(c)により、X線の大きなエネルギー(数十keV)を、利用が容易な低いエネルギーに変換することができる。
【0039】
このようなX線蛍光体としては、例えば、CaWO、CdWO、BaSO:Eu、BaFCl:Eu、BaFBr:Eu、BaFI:Eu、LaS:Tb、LaOBr:Tb、LaOBr:Tm、YS:Tb、YTaO:Nb、GdS:Tb、GdOS:Pr、ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、BiGe12、RbBr:Tl等が挙げられる。
【0040】
これらX線蛍光体の中では、CaWO蛍光体及びBaSO:Eu2+蛍光体が好ましい。
【0041】
X線蛍光体の形態は、特に限定されるものではなく、粉末、ペレット等の成形体等の各種形状のものを使用できる。これらの中では、粉末が好ましく、X線蛍光体粉末を使用することにより、一層高感度のX線増感基板を製造することができる。X線蛍光体粉末の平均粒径は、通常1~30μm程度、好ましくは5~20μm程度である。
【0042】
本発明では、これらのX線蛍光体を1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0043】
例えば、CaWO蛍光体には、「蛍光体ハンドブック,蛍光体同学会,オーム社発行,昭和62年12月25日発行」の第289頁に記載されているように、パラタングステン酸アンモニウムにアンモニアを加えて溶解した液と石灰に硝酸を加えて溶解した液とを混合し、CaWOを生成させ、次にこれを900~1000℃程度の温度で焼成することにより製造したものが含まれる。
【0044】
本発明では、X線蛍光体の代わりにX線蛍光体含有シリカ球を使用することができる。
【0045】
X線蛍光体含有シリカ球は、例えば、以下に示す方法で調製される。
【0046】
X線蛍光体がCaWOである場合を例にとれば、Ca2+を含む水溶液及び上述したシリカ化合物(4)を原料として用い、蛍光色素分子含有シリカ球を調製する際の反応と同様の反応条件下(例えば、アルコール、水及びアンモニアの存在下、室温付近で撹拌する)に反応させることにより、Caを含有するシリカ球を製造し、次にこれにNaWOを反応させることによりCaWO含有シリカ球(CaWO/SiO)を製造することができる(後記実施例3参照)。
【0047】
また、上記で製造したCaWO含有シリカ球を更に900~1000程度の温度で焼成することにより得られるCaWO含有シリカ球を、本発明のX線蛍光体として使用することもできる。
【0048】
本発明においては、900~1000℃程度の温度で焼成処理したX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球を使用することにより、感度が一段と優れたX線増感基板を製造することができる。
【0049】
本発明では、X線蛍光体及びX線蛍光体含有シリカ球を併用することもできる。
【0050】
上記蛍光材料中に含まれる蛍光色素分子含有シリカ球(a)、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)及びX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)の割合は、特に限定されるものではない。
【0051】
例えば、本発明の蛍光材料には、X線の照射によりX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)が発光し、その発光によって蛍光色素分子含有シリカ球(a)中の蛍光色素が励起されて発光するような割合で、蛍光色素分子含有シリカ球(a)及びX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)が含有されているのがよい。
【0052】
また、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)は、蛍光色素分子含有シリカ球(a)と静電的に結合し得る割合で、本発明の蛍光材料に含有されているのがよい。
【0053】
本発明の蛍光材料には、蛍光色素分子含有シリカ球(a)、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)及びX線蛍光体又はX線蛍光体含有シリカ球(c)の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で、化学的に不活性な無色の無機化合物が含まれていてもよい。化学的に不活性な無色の無機化合物としては、例えば、二酸化珪素等が挙げられる。本発明の蛍光材料中に含まれる上記無機化合物の量は、通常10重量%程度以下である。
【0054】
本発明の蛍光材料は、X線の照射によりX線蛍光体(c)が発光し、その発光によって蛍光色素分子含有シリカ球(a)中の蛍光色素が励起されて別の波長の光を発光する作用効果を有している。そのため、少量のX線照射により、蛍光色素分子含有シリカ球(a)中の蛍光色素を強く発光させることができ、それ故、本発明の蛍光材料はX線増感基板(具体的には、X線増感紙、X線蛍光板及びイメージングプレート)等の分野で好適に使用され得る。
【0055】
より具体的には、X線蛍光体は、(1) X線透視診断として蛍光板のX線像を観察して診断したり、直接撮影のタイミング決定の用途、(2) ミラーカメラ装置に装着し、集団検診のX線間接撮影の用途、(3) 蛍光板のX線像を撮像管で受光してモニタし、医療診断、空港での荷物の検査や製品の非破壊検査の用途等に用いられる。
【0056】
X線増感基板X
本発明のX線増感基板は、支持体(A)の一方面上に、蛍光体層(B)が積層されたものである。本発明においては、このX線増感基板をX線増感基板Xという。蛍光体層(B)の上には、表面保護層(C)が更に積層されていてもよい。また、支持体(A)と蛍光体層(B)との間に、光反射層もしくは光吸収層(D)が形成されていてもよい。
【0057】
支持体(A)
支持体としては、公知のX線増感基板で用いられる各種の支持体を目的に応じて適宜使用することができる。
【0058】
支持体のベースとなる材質としては、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリアミド等のアミド系樹脂、ポリイミド等のイミド系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー等のビニル系樹脂、ポリカーボネート等のカーボネート系樹脂等の各種樹脂をフィルム状に成形したもの、バライタ紙、レジンコート紙、通常の紙、アルミニウム合金箔等が挙げられる。
【0059】
更に、上記材質の支持体に、二酸化チタン、炭酸カルシウム等の光反射性物質(白色顔料)を練り込んだもの、カーボンブラック等の光吸収物質(黒色顔料)を練り込んだもの等を挙げることができる。光反射性物質を含有する支持体は、光反射性支持体と称され、光吸収物質を含有する支持体は、光吸収性支持体と称されている。
【0060】
光反射性支持体及び光吸収性支持体以外の通常の支持体を用いる場合には、支持体(A)と蛍光体層(B)との間に、光反射層もしくは吸収層(D)が形成されていてもよい。
【0061】
支持体(A)の厚さは、通常200~500μm程度、好ましくは300~400μm程度である。
【0062】
光反射層もしくは光吸収層(D)
光反射層としては、例えば、特開平9-21899号公報に開示されているようなMgO、Al、SiO、ZnO、TiO、ZnS等の比較的X線吸収が少なく、屈折率の大きい反射材料からなる光反射層を挙げることができる。
【0063】
光吸収層としては、例えば、カーボンブラック等からなる光吸収物質からなり、その表面が通常5%以下、好ましくは3%以下の反射率を有する光吸収層を挙げることができる。
【0064】
支持体(A)と蛍光体層(B)との間に、光反射層もしくは吸収層(D)を形成する場合も、支持体は光反射性支持体もしくは光吸収性支持体であっても、なんら差し支えない。
【0065】
支持体(A)上への光反射層又は光吸収層の形成は、公知の方法に従って行うことができる。
【0066】
光反射層もしくは光吸収層(D)の厚さは、通常5~30μm程度、好ましくは10~20μm程度である。
【0067】
蛍光体層(B)
蛍光体層(B)は、上記本発明蛍光材料から実質的に構成されている。
【0068】
支持体(A)上に蛍光体層(B)を形成するに当たっては、公知の蛍光体層形成方法を広く適用することができる。例えば、本発明蛍光材料を適当な溶剤に溶解乃至分散させ、この溶液乃至分散液を公知の塗布方法に従って、支持体上に又は支持体上に形成された光反射層もしくは光吸収層上に塗布し、乾燥すればよい。
【0069】
また、蛍光体層(B)は、例えば、予め上記蛍光体の粒子表面に前記蛍光色素分子含有シリカ球をコーティング(被覆)するか又は上記蛍光体と前記蛍光色素分子含有シリカ球を混合したものをバインダー含有溶液に分散させて分散液を調製し、次いでその分散液を支持体上に又は支持体上に形成された光反射層もしくは光吸収層上に塗布することにより形成することもできる。
【0070】
また、蛍光体層(B)は、上記の分散液を別に用意した仮支持体上に塗布、乾燥して蛍光体シートとし、この蛍光体シートを剥離し、接着剤を用いて支持体上に直接又は光反射層もしくは光吸収層を介して貼り付けることもできる。
【0071】
ここで用いられる溶剤としては、例えば、蛍光色素分子含有シリカ球を分散し得る親水性溶剤である限り公知のものを広く使用することができる。このような溶剤は、水、水とアルコールとの混合溶剤である。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1~3の低級アルコールを挙げることができる。
【0072】
蛍光体層(B)の厚さは、通常70~300μm程度、好ましくは100~200μm程度である。
【0073】
表面保護層(C)
蛍光体層(B)の表面には、保護層が形成されていてもよい。
【0074】
表面保護層(C)の形成は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、樹脂を溶剤に溶解させて適当な粘度の保護層形成用塗布液を調製しておき、これを蛍光体層上(外部へ発光が取り出される面)に塗布し、乾燥すればよい。
【0075】
樹脂としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のビニル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート等のカーボネート系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂等を挙げることができる。
【0076】
溶剤としては、上記樹脂を溶解させることができる溶剤である限り、公知の溶剤を広く使用することができる。このような溶剤としては、例えば、エタノール等のアルコール、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。
【0077】
或いは、予め成形された保護膜、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド等の透明フィルムを蛍光体層上にラミネートすることにより、表面保護層(C)の形成することもできる。
【0078】
表面保護層(C)の厚さは、通常5~20μm程度、好ましくは5~10μm程度である。
【0079】
X線増感基板Y
本発明のX線増感基板は、支持体(A)の一方面上に、蛍光体層(B)及びポリマー層(E)が順次積層されたものである。本発明においては、X線増感基板をX線増感基板Yという。蛍光体層(B)の上には、表面保護層(C)が更に積層されていてもよい。また、支持体(A)と蛍光体層(B)との間に、光反射層もしくは光吸収層(D)が形成されていてもよい。
【0080】
支持体(A)、表面保護層(C)及び光反射層もしくは光吸収層(D)は、X線増感基板Xにおけるそれらと同じでよい。
【0081】
また、支持体(A)、光反射層及び光吸収層(D)の厚さは、前記X線増感基板Xにおけるそれらと同じでよい。
【0082】
蛍光体層(B)
蛍光体層(B)は、X線蛍光体及び/又はX線蛍光体含有シリカ球から実質的に構成されている。
【0083】
X線蛍光体及びX線蛍光体含有シリカ球としては、上述したX線蛍光体及びX線蛍光体含有シリカ球と同じでよい。
【0084】
蛍光体層(B)は、例えば上記蛍光体及び/又は上記シリカ球をバインダー含有有機溶媒溶液に分散させて分散液を調製し、次いでその分散液を支持体上に直接又は光反射層もしくは光吸収層を介して塗布、乾燥することにより形成することができる。
【0085】
また、蛍光体層(B)は、上記の分散液を別に用意した仮支持体上に塗布、乾燥して蛍光体シートとし、この蛍光体シートを剥離し、接着剤を用いて支持体上に直接又は光反射層もしくは光吸収層を介して貼り付けることもできる。
【0086】
上記分散液の調製に使用するバインダーとしては、例えば、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、綿状ポリエステル等のポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン-塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル-酢酸コポリマー等のビニル系樹脂、ポリアルキル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート等のカーボネート系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール等の公知のバインダーを挙げることができる。
【0087】
また、有機溶剤としては、例えば、エタノール等のアルコール、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル、キシレン等の芳香族炭化水素等が用いられる。
【0088】
尚、上記分散液には、必要に応じて、フタル酸、ステアリン酸等の分散剤、燐酸トリフェニル、フタル酸ジエチル等の可塑剤を適宜添加することができる。
【0089】
蛍光体層(B)の厚さは、通常70~300μm程度、好ましくは100~200μm程度である。
【0090】
ポリマー層(E)
ポリマー層(E)は、蛍光色素分子含有シリカ球(a)及び水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)を含有する。
【0091】
使用される蛍光色素分子含有シリカ球(a)及び水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)については、上述した通りである。
【0092】
ポリマー層(E)は、例えば、蛍光色素分子含有シリカ球の水分散液と、水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマーの水溶液とを混合し、得られる混合物を通常行われている塗布方法に従って、公知の蛍光体層(B)上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0093】
蛍光色素分子含有シリカ球(a)及び水溶性カチオニックポリマー又は水溶性水酸基含有ポリマー(b)を、該シリカ球(a)に対して、モル換算で、該ポリマー(b)が過剰になるように混合するのがよい。
【0094】
ポリマー層(E)の厚さは、通常数十nm~300μm程度、好ましくは100~200μm程度である。
【0095】
支持体(A)にX線蛍光体粉末による蛍光体層を形成させたものは、例えば、極光(株)、富士メディカル(株)等からX線増感紙として市販されている。本発明では、これら市販のX線増感紙の上に上記ポリマー層(E)を形成させてもよい。
【0096】
X線増感基板X及びX線増感基板Yを使用するに当たっては、特に限定がなく、公知のX線増感紙、X線蛍光板及びイメージングプレートと同じように使用すればよい。
【発明の効果】
【0097】
本発明の蛍光材料は、X線の照射によりX線蛍光体(c)が発光し、その発光によって蛍光色素分子含有シリカ球(a)中の蛍光色素が励起されて別の波長の光を発光する作用効果を有している。そのため、少量のX線照射により、蛍光色素分子含有シリカ球(a)中の蛍光色素を強く発光させることができ、それ故、本発明の蛍光材料はX線増感紙、X線蛍光板、イメージングプレート等の分野で好適に使用され得る。
【0098】
本発明のX線増感基板は、感度が高く、僅かなX線量でも鮮明なX線撮影写真を撮ることができる。そのため、X線被爆量を一段と低減できるX線増感基板を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0099】
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
【0100】
参考例1
フルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ化合物の調製、及びこれを用いたシリカ球(フルオレセイン含有シリカ粒子)の調製
(1)フルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ化合物の調製
下式に従って、蛍光色素分子としてフルオレセインを含有するシリカ化合物(3)を調製した。
【0101】
【化5】
JP0004759741B2_000006t.gif

【0102】
〔式中、Rはフルオレセイン(蛍光色素分子)を意味する。またR中、*はエステル基との結合部を意味する。〕
具体的には、まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介して通じてフルオレセイン(蛍光色素分子:式中、Rで示す)とスクシンイミドとが結合してなる、5(6)-Carboxyfluorescein-N-hydroxysuccinimide ester(以下、「FLUOS」ともいう)(1)(約3.3mg)を1mlのDMSO溶液に溶解した後、アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔3-(aminopropyl)triethoxysilane:以下、「APS」ともいう)〕(2)を上記FLUOSと等モルになるように加え、約1時間スターラーピースを用いて攪拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物〔FLUOS(1)〕のカルボニル基とシリカ化合物〔APS(2)〕のアミノ基がアミド結合してなるフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ化合物(3)を調製した。最初、黄色を呈していたFLUOS(1)のDMSO溶液が、APS(2)を加えると、オレンジ色に変化した。
【0103】
(2)蛍光色素分子含有シリカ球の調製
次いで、下式に従って、フルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ化合物(3)からフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球(5)を調製した。
【0104】
【化6】
JP0004759741B2_000007t.gif

【0105】
具体的には、上記で得られたフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ化合物(3)を含む反応溶液から50μlを採取し、エタノール3.95mlに加えた。これに、さらにシリカ化合物としてテトラエトキシシラン(Tetraethylorthosilicate:以下、「TEOS」ともいう)(4)50μl、蒸留水1ml、及び27重量%のアンモニア水溶液を約100μl加えて、スターラーピースを用いて室温で約24時間撹拌して反応した。このとき、反応液中のエタノールと蒸留水の容量比が4:1となるようにした。得られた溶液は、反応前の混合液の黄色とは明らかに異なる黄緑色を呈しており、反応が生じていることが確認された。
【0106】
得られた反応終了液(以下、この反応終了液を「反応終了液a」という)を、限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を使用してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、2mlのサンプル分散液Aを得た(フルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球(5)を含む。このシリカ球を「シリカ球A」という)。またここで得られたろ過液を、さらに限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM-3ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):3kDa〕を用いてろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、3mlのサンプル分散液Bを得た(フルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球(5)を含む。このシリカ球を「シリカ球B」という)。
【0107】
(3)得られた蛍光色素分子含有シリカ球(5)のラベル率(蛍光色素分子含有率)
(3-1) 上記の反応液(24時間反応前)に含まれるフルオレセイン分子の濃度は、計算上、67.7μmol/lとなる〔FLUOS(分子量473.4)0.165mg(3.3mg x 50μl/1000μl)を、最終反応液(約5.15ml)に使用〕。実際に、全成分を混合した直後の反応液の10倍希釈溶液について吸収スペクトル(光路長さ1cmの角セル使用)を測定し、それからピーク吸光度を求めたところ、0.510であった。FLUOSの分子吸光係数は7.5x10であることから、当該反応液中のフルオレセイン分子の濃度を計算すると、68μmol/lとなり、上記の計算値と一致した。
【0108】
一方、その反応液を24時間反応させた後の反応終了液(黄緑色)を、上記反応液(反応前の全成分混合液)と同様に10倍希釈して吸収スペクトルを測定したところ、ピークの吸光度は0.607だった。FLUOSの分子吸光係数(7.5x10)から、反応終了液中に含まれるフルオレセイン分子の濃度を計算すると、80.9μmol/lであり、反応前の混合液中に含まれるフルオレセイン分子の濃度に比して約1.2倍大きな値になっていた。この結果から、シリカ粒子(ナノ粒子)内のフルオレセインの分子吸光係数が当初の7.5x10から8.9x10に変化したと判断された。このため、以下のラベル率(蛍光色素分子含有率)の計算では、分子吸光係数として後者の分子吸光係数値(8.9x10)を使用した。
【0109】
反応前の混合液と反応後の反応終了液について、それぞれ蛍光スペクトル(スリット幅(Ex/Em)=1.5nm/1.5nm、Low sensitivity)を測定した。励起波長は、それぞれ発光ピークの励起スペクトルのピークから決定した。反応前の混合液と反応後の反応終了液について、蛍光強度(励起波長496nm、発光波長520nm)を測ったところ、それぞれ17.06(反応前の混合液)と33.95(反応終了液)であり、反応によって約2倍蛍光強度が増加したことがわかった。
【0110】
(3-2) フィルターとしてUFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWLを用いた限外濾過により得られた2mlのサンプル分散液Aから0.1ml採取し蒸留水で10倍に希釈して吸収スペクトルを測定し、吸光度を求めた(吸光度0.285)。上記で求めたFLUOSの分子吸光係数(8.9x10)を用いて算出した値(32μmol/l)から、フルオレセイン分子の量を計算すると、32μmol/l x 473.4 x 2/1000=0.0303mgとなった。最初に加えたフルオレセイン分子の量が0.165mg(正確にはFLUOSの量)であることから、サンプル分散液Aにおけるシリカ球Aのラベル率は0.0303/0.165x100=18.4%であると判断された。
【0111】
同様に、フィルターとしてUFディスク YM-3ウルトラセルRC100K NMWLを用いた限外濾過により得られた3mlのサンプル分散液Bから0.1ml採取して蒸留水で10倍に希釈して、吸収スペクトルを測定し、吸光度を求めた(吸光度0.482)。FLUOSの分子吸光係数(8.9x10)を用いて算出した値(54.2μmol/l)から、フルオレセイン分子の量を計算すると、54.2μmol/lx473.4x3/1000=0.077mgとなった。最初に加えたフルオレセイン量が0.165mg(正確にはFLUOSの量)であることから、サンプル分散液Bにおけるシリカ球Bのラベル率(蛍光色素分子含有率)は0.077/0.165x100=46.7%と判断された。
【0112】
以上のことから、上記の方法によって調製されたシリカ球A及びシリカ球Bは、それぞれ18.4%及び 46.7%の割合で蛍光色素分子(フルオレセイン)が結合しており(ラベル化)、反応に使用したFLUOSのフルオレセイン分子の利用率は65.1%であることがわかった。シリカ球A及びシリカ球Bのラベル率はいずれもImhofらの論文(A.Imhof, et al., “Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres”, J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415)で報告されているの最大ラベル率13%を上回っていた。
【0113】
(4)1粒子当たりの蛍光分子数
(1)で調製された、サンプル分散液A中のシリカ球A及びサンプル分散液B中のシリカ球Bを、透過型電子顕微鏡(徳島大学医学部)及び超高圧電子顕微鏡(大阪大学超高圧電子顕微鏡センター)で観察したところ、それぞれ直径約20nm及び約4nmの粒子像が観察された。この結果から、シリカ球Aの直径は約20nm、シリカ球Bの直径は約4nmであると判断された。なお、Imhofらの方法で得られているシリカ球の直径は184-305nmである(A.Imhof, et al., “Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres”,J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415)。
【0114】
シリカ球B(直径4nm)1粒子に含まれるフルオレセイン分子の数を1個と仮定して、シリカ球の直径をもとにして、シリカ球A(直径20nm)1粒子に含まれるフルオレセイン分子の数を求めた。その結果、シリカ球A(直径20nm)1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数は、97分子/SiO粒子であった〔シリカ球B(直径4nm)1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数は、1分子/SiO粒子〕。
【0115】
(5)1粒子あたりの蛍光強度
シリカ球A1粒子の蛍光強度は2.0x10-11(サンプル分散液A 2ml中に含まれるシリカ球Aの数は4.72x1014個/2ml:サンプル分散液A 0.03mlの蛍光強度は143.38)、及びシリカ球B1粒子の蛍光強度は2.2x10-13(サンプル分散液B 2ml中に含まれるシリカ球Bの数は1.16x1017個/2ml:サンプル分散液B 0.03mlの蛍光強度は255.10)である。
【0116】
一方、フリーのフルオレセイン1分子の蛍光強度は、1.8x10-13である〔0.0029mmol/lのサンプル10mlで蛍光強度が957.562である。このサンプル中に含まれるフルオレセイン分子の数は5.25x1015個であるから、1分子当たりの蛍光強度は1.8x10-13となる〕。
【0117】
このことから、シリカ球A1粒子の蛍光強度はフルオレセイン1分子の蛍光強度の111倍、シリカ球B1粒子の蛍光強度はフルオレセイン1分子の蛍光強度の1.2倍であることがわかる。
【0118】
(6)1粒子内のフルオレセイン分子の濃度
シリカ球A1粒子(粒子径20nm)の体積は4.2x10-18cmであり、1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数は97分子/SiO粒子であることから、シリカ球A1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、38.4mmol/l (97/6.02 x 1023/4.2 x 10-18x1000 = 38.4mmol/l)である。このことから、シリカ球Aは、1粒子内に、フルオレセイン分子を97分子(フルオレセイン分子の濃度:38.4mmol/l)の割合で含むものの、111分子量のフルオレセイン分子に相当する蛍光強度を有しているといえる。一方、シリカ球B1粒子(粒子径4nm)の体積は3.4x10-20cmであり、1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数を1分子/SiO2粒子としたことから、シリカ球B1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、48.9mmol/l (1/6.02 x 1023/3.4 x 10-20x 1000 = 48.9mmol/l)である。このことから、シリカ球Bは、1粒子内に、フルオレセイン分子を1分子(フルオレセイン分子の濃度:48.9mmol/l)の割合で含むものの、1.2分子量のフルオレセイン分子に相当する蛍光強度を有しているといえる。
【0119】
なお、Imhofらの方法で得られたシリカ球1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、31mmol/lである(A.Imhof, et al., “Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres”, J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415)。このことからシリカ球Bが1粒子内に含むフルオレセイン分子の濃度(48.9mmol/l)は、その1.58倍量である。
【0120】
(7)自己消光の有無
上記で得られたシリカ球A(直径20nm)について、蛍光寿命を測定した。具体的には、励起波長(494nm)で励起する際に定常光ではなく、パルス光〔ナノ秒(nsec)オーダー〕を使用して、試料(シリカ球Aの水分散液)を照射し、その1回のパルス光で励起され発光した蛍光ピークの強度を測定した。時間を横軸に、発光ピークの強度を縦軸に示した結果(蛍光減衰曲線)を図1に示す。この結果は、同様にして測定したFLUOSの水溶液(フルオレセインをシリカで被覆していないもの)の結果とほぼ同じであったことから(蛍光寿命:3.8nsec)、シリカ球A(直径20nm)は、自己消光を起こしていないことがわかった。
【0121】
(8)まとめ
以上のことから、(1)の方法により、ラベル率(蛍光色素分子含有率)がそれぞれ18.4%及び46.7%の粒子径20nm及び4nmのフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカナノ粒子(粒子径:数~数十nm)が調製できることが示された。1粒子あたりのフルオレセイン分子の数は、それぞれ1個及び97個で、計算で算出される1粒子あたりのフルオレセイン分子の濃度は、38.4mmol/l及び48.9mmol/lであった。また、1粒子あたりのフルオレセイン分子の蛍光強度は、フリーのフルオレセイン分子1個と比較した場合の、それぞれ111倍と1.2倍であった。このことから、1粒子のSiO分子内に1分子のフルオレセイン分子を封じ込める(言い換えれば、1分子のフルオレセイン分子をSiO分子で覆う)ことによって、フルオレセイン分子の蛍光強度が1.2倍程増加することがわかる。
【0122】
また上記の反応により形成されたフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球の表面は、反応に用いたシリカ化合物(テトラエトキシシラン)(4)に基づいて、アクセプター基としてOH基を有していた(OH基表層修飾シリカ球)。
【0123】
参考例2
(1)参考例1で調製したシリカ球A〔フルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ粒子(直径20nm)〕(1st Growth)の水分散液1mlに対して、エタノール4ml、テトラエトキシシラン(TEOS) 50μl、27重量%のアンモニア水50μlを混合し、次いで室温で24時間、磁気撹拌を行った。その後、限外濾過(フィルター:UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)を行い蒸留水で数回洗浄して2nd Growthのフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球として取り出した。当該シリカ球の直径は230nmであり、シリカ球Aの直径(20nm)の約10倍大きくなっていた。なお、さらにシリカ層を厚くしたい場合は、上記の反応によって増加したシリカ層の厚みの割合を考慮して、上記の反応操作を繰り返すことで所望の大きさのシリカ球を調製することができる。
【0124】
図2は、上記の反応を模式的に示したものである。図中、Rはフルオレセイン(蛍光色素分子)を、R’は水素原子を意味する。
【0125】
(2)参考例1で調製したシリカ球A(直径20nm)(1st Growth)及び上記(1)で調製したシリカ球(2nd Growth)(直径230nm)の蒸留水中の吸収スペクトルを、図3にそれぞれスペクトルA及びBとして示す。この結果からわかるように、参考例1のシリカ球A(直径20nm)(1st Growth)及び上記(1)で調製したシリカ球(直径230nm)(2nd Growth)はいずれも490nmに典型的な吸収ピークを観測することができた。上記(1)で調製したシリカ球(直径230nm)(2nd Growth)の吸収スペクトルは、短波長側に向かって吸収が増大する傾向が観測された。これは粒子が大きくなることに基づいて生じる散乱効果によるものと考えられた。
【0126】
また結果は示さないが、いずれのシリカ球もフルオレセイン(蛍光色素分子)に基づく蛍光スペクトルを示した。シリカ球A(直径20nm)を含む水分散液(3mL)のフルオレセインの濃度は0.075mMであった〔フルオレセインの分子吸光係数;7.5x10として計算〕。
【0127】
シリカ球A(直径20nm)(1st Growth)の水分散液は濃い黄色を呈しており、1ヶ月を経ても安定であった。一般にフルオレセイン分子はアルカリ条件下で、安定で強い蛍光を発することが知られている。シリカ球の調製に使用する溶液は強アルカリ性であることから、上記で得られた結果(強く安定した蛍光性)は、調製されたシリカ球の内部がアルカリ性になっていることに起因するものと考えられる。
【0128】
(3)参考例1で調製したシリカ球A(直径:20nm)及び上記(1)で調製したシリカ球(直径:230nm)を、透過型電子顕微鏡で観察した。シリカ球Aの透過型電子顕微鏡画像を図4に、(1)で調製したシリカ球の透過型電子顕微鏡画像を図5に示す。参考例1で調製したシリカ球A(直径:20nm)(1st Growth)(図4)は表面に凹凸がありメソポーラス様を呈しているのに対し、(1)で調製したシリカ球(直径:230nm)(2nd Growth)(図5)は表面が滑らかであった。
【0129】
実施例1
1)X線蛍光体の調製
1-a)タングステン酸カルシウム(CaWO)は、次のようにして調製した。
【0130】
0.015molのNaWO・2HO(和光純薬株式会社 特級試薬)とCaCl・2HO(和光純薬株式会社 特級試薬)各2mlを混合して白色の沈殿を得た後、遠心分離して反応母液を除いた。蒸留水を加えて撹拌し遠心分離をするという操作を数回繰り返して白色沈殿を洗浄した。これを乾燥器で450℃に4時間加熱して白色粉末を得た。このようにして得られたCaWOを「X線蛍光体1’」という。
【0131】
1-b)硫酸バリウム・ユーロピウム(BaSO:Eu)は、次のようにして調製した。
【0132】
まず、0.0035molのBaCl(和光純薬株式会社、特級試薬)を2mlの硝酸ユーロピウム溶液(1mg/ml)(和光純薬株式会社、原子吸光分析用)で調製したあと、2mlのNa2SO4(和光純薬株式会社、特級試薬)を加えて混合して白色沈殿を得た。洗浄操作は、タングステン酸カルシウムの場合と同様にして行った。熱蛍光線量計用熱処理炉UD-606P(Pnasonic Co., Ltd)を用いて450℃に4時間加熱した。このようにして得られたBaSO:Euを「X線蛍光体2’」という。
【0133】
2)X線蛍光体ペレットの作成
島津製作所 KBr錠剤成型器を用いてX線蛍光体1’およびX線蛍光体2’を直径10mmの円盤状に成型して、それぞれX線蛍光体ペレット1およびX線蛍光体ペレット2を作成した。
【0134】
3)蛍光色素分子含有シリカナノ粒子の調製
3-a) フルオレセイン分子含有シリカナノ粒子
フルオレセイン分子含有シリカナノ粒子として、上記参考例1で得られたシリカ球Aを用いた。
【0135】
3-b) ローダミン分子含有シリカナノ粒子
まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介してローダミン(蛍光色素分子)とスクシンイミドが結合してなる5-カルボキシテトラメチルローダミンスクシンイミドエステル(Molecular Probes社製)約5mgを、1mlのDMSO溶液に溶解した後、アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン(APS)を、上記スクシンイミジルエステル化合物と等モルになるようにDMSOで51.2μl加えて、約1時間スターラーピースを用いて攪拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物のカルボニル基とシリカ化合物のアミノ基がアミド結合してなるローダミン(蛍光色素分子)含有シリカ化合物を調製した。
【0136】
得られた反応溶液〔ローダミン(蛍光色素分子)含有シリカ化合物(10)〕のDMSO溶液5mlに、テトラエトキシシラン(TEOS)0.3ml、水6ml及びエタノール20mlを加えて(エタノール:水=4:1、容量比)、これに約30%のアンモニア水2mlを加えて、一日撹拌しながら室温条件下に放置した。得られた溶液(反応終了液)を、限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を使用してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、ローダミン(蛍光色素分子)含有シリカ球(シリカ球F)を含む水分散液を調製した。
【0137】
4)X線蛍光体ペレット上への蛍光色素分子含有シリカ粒子膜の形成
上記参考例1で得られたシリカ球Aを含むサンプル分散液Aおよびシリカ球Fを含む水分散液をそのまま使用した。
【0138】
一方、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDADMAC)溶液 (アルドリッチ社製、分子量10~20万、20重量%水溶液)を更に蒸留水で10倍に希釈して、PDAMAC水溶液を調製した。
【0139】
上記で調製したシリカ球A又はシリカ球Fの水分散液0.1mlとPDAMAC水溶液0.1mlとを混合した。得られる混合物を、X線蛍光体ペレット1またはX線蛍光体ペレット2の上に、乾燥膜厚が30μmになるように塗布し、100℃のヒーターを用いて加熱乾燥した。このようにしてX線蛍光体ペレット上に蛍光分子含有シリカ粒子膜を形成した。X線蛍光体ペレット上に蛍光色素分子含有シリカ粒子を均一に固定することができた。
【0140】
また、比較例として5-カルボキシテトラメチルローダミンスクシンイミドエステル(色素A)および5-カルボキシテトラメチルローダミンスクシンイミドエステル(色素B)をX線蛍光体ペレット上に直接塗布した。
【0141】
蛍光分子含有シリカ粒子膜を形成したX線蛍光体ペレットおよび蛍光色素を塗布したX線蛍光体ペレットを、試料として用い、以下のようにX線を照射した。
【0142】
5)X線照射
X線照射は、一般撮影用X線発生装置(島津 ED 150L)を用いて試料の裏面(蛍光分子含有シリカ粒子膜の反対面)から照射した。照射条件は、管電圧90kV(総ロ過 2.5mm Al、付加フィルターなし)、管電流100mA、5秒間であった。
【0143】
6)蛍光スペクトル測定
マルチチャンネル検出器PMA-11型(HAMAMATSU Photonics Co., Ltd)を用いて試料の上側(蛍光分子含有シリカ粒子膜側)にセットして行った。測定条件は、Exposure time 300ms, Number of integration 200であった。
【0144】
7)結果
X線誘起蛍光スペクトルの測定結果を下記に示す。
【0145】
図6は、X線蛍光体ペレット1(シリカ粒子膜なし)のX線誘起蛍光スペクトルである。
【0146】
図7は、X線蛍光体ペレット2(シリカ粒子膜なし)のX線誘起蛍光スペクトルである。
【0147】
図8は、X線蛍光体ペレット1上に蛍光色素Aを塗布したもののX線誘起蛍光スペクトルである。
【0148】
図9は、X線蛍光体ペレット1上に蛍光色素Bを塗布を塗布したもののX線誘起蛍光スペクトルである。
【0149】
図10は、X線蛍光体ペレット2上に蛍光色素Bを塗布を塗布したもののX線誘起蛍光スペクトルである。
【0150】
また、X線蛍光体ペレット1上にシリカ球A膜を固定したものについては、X線の照射によりX線蛍光体が発光し(発光波長430nm)、その発光によって蛍光色素分子含有シリカ球(a)中の蛍光色素が励起されて別の波長の光(発光波長539nm)を蛍光色素を直接塗布したX線蛍光体ペレットに比べて強く発光させることができた事が確認された。
【0151】
実施例2
1)CaWO含有シリカ球の調製
約17mMのCa2+水溶液を1mlに、エタノール4ml(水:エタノール=1:4)を加え、さらにテトラエトキシシラン(TEOS) 0.1ml及び25%のアンモニア水0.1mlを加え、スターラーで磁気撹拌を室温にて行った。この混合溶液はすぐに白色となったため(シリカ粒子の形成と凝集)、2時間後に約10mMのNaWO水溶液を1ml添加した。その後、1日撹拌を続けた後、YM-100を用いた限外ろ過を行い蒸留水で数回洗浄を行った。
【0152】
その後、再び蒸留水に分散させて、1日放置後、透明な蒸留水を取り除き、残った沈殿を乾燥機で120℃で加熱し、CaWO含有シリカ球の粉末を得た。
【0153】
2)フルオレセイン含有シリカナノ粒子
フルオレセイン分子含有シリカナノ粒子として、上記参考例1で得られたシリカ球Aを含むサンプル分散液Aをそのまま用いた。
【0154】
3)本発明蛍光材料の製造
シリカ球Aを含むサンプル分散液A 0.1mlと10%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDADMAC)水溶液0.1mlを混合し、これにCaWO含有シリカ球(CaWO/SiO)粉末300mgを加えた。この水溶液を乾燥機で約150℃にて加熱し、粉末状の本発明蛍光材料を得た。
【0155】
この粉末は、510nmの光で530nmに蛍光を発することを、蛍光分光光度計によって確認した。
【0156】
実施例3
1)フルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ粒子の調製
上記参考例1(2)で得られた反応終了液aを限外ろ過装置[アミコン(登録商標)撹拌式セル](フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社;MILLIPORE)[Nominal Molecular Weight Limit (NMWL); 100kDa]を使用してろ過(ポアサイズ10nm)し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、サンプル分散液を得た。このサンプル分散液は、参考例1(2)で得られるサンプル分散液Aと同じものである。
【0157】
次に、YM100でろ過された溶液を限外ろ過装置[アミコン(登録商標)撹拌式セル](フィルター;UFディスクYM10ウルトラセルRC10K NMWL)(販売会社;MILLIPORE)[Nominal Molecular Weight Limit (NMWL); 10kDa]を使用してろ過(ポアサイズ2.5nm)し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、サンプル分散液(以下、「サンプル分散液C」という)を得た。
【0158】
更に、YM10でろ過された溶液を限外ろ過装置[アミコン(登録商標)撹拌式セル](フィルター;UFディスクYM1ウルトラセルRC1K NMWL)(販売会社;MILLIPORE)[Nominal Molecular Weight Limit (NMWL); 1kDa]を使用してろ過(ポアサイズ<1.5nm)し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、サンプル分散液(以下、「サンプル分散液D」という)を得た。これらのサンプル分散液A、C及びDをそのまま用いた。2)ローダミンレッド含有シリカ粒子の調製
スクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介してRhodamine Red-X(蛍光色素分子)とスクシンイミドが結合してなるRhodamine-Red X NHS-Ester (Molecular Probes社製)約5mgを、1mlのDMSO溶液に溶解した後アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン(APS)を、上記スクシンイミジルエステル化合物と等モルになるようにDMSOで12μl加えて、約1時間スターラーピースを用いて撹拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物のカルボニル基とシリカ化合物のアミノ基がアミド結合になるRhodamine-Red X (蛍光色素分子)含有シリカ化合物を調製した。
【0160】
得られた反応液[Rhodamine-Red X (蛍光色素分子)含有シリカ化合物]のDMSO溶液0.05mlに、テトラエトキシシラン(TEOS)0.05ml、水1.0ml及びエタノール3.95mlを加えて(エタノール:水=4:1、容量比)。これに約30%のアンモニア水0.1mlを加えて、一日撹拌しながら室温条件下に放置した。得られた溶液(反応終了液)を、限外ろ過装置[アミコン(登録商標)撹拌式セル](フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)[Nominal Molecular Weight Limit (NMWL) : 100kDa]を使してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、DY635(蛍光色素分子)含有シリカ球(シリカ球G)を含む水分散液(以下、「サンプル分散液G」という)を調製した。
【0161】
3)DY635含有シリカナノ粒子の調製
スクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介してDY635(蛍光色素分子)とスクシンイミドが結合してなるDY-635 NHS-Ester (C4249S; Funakoshi株式会社販売、Dyomics GmbH社製)約1mgを、1mlのDMSO溶液に溶解した後アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン(APS)を、上記スクシンイミジルエステル化合物と等モルになるようにDMSOで0.3μl加えて、約1時間スターラーピースを用いて撹拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物のカルボニル基とシリカ化合物のアミノ基がアミド結合になるDY-635(蛍光色素分子)含有シリカ化合物を調製した。
【0162】
得られた反応液[DY635(蛍光色素分子)含有シリカ化合物]のDMSO溶液0.25mlに、テトラエトキシシラン(TEOS)0.05ml、水1.0ml及びエタノール3.75mlを加え(エタノール:水=4:1、容量比)、これに約30%のアンモニア水0.1mlを加えて、一日撹拌しながら室温条件下に放置した。得られた溶液(反応終了液)を、限外ろ過装置[アミコン(登録商標)撹拌式セル](フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)[Nominal Molecular Weight Limit (NMWL) : 100kDa]を使してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、DY635(蛍光色素分子)含有シリカ球(シリカ球H)を含む水分散液(以下、「サンプル分散液H」という)を調製した。
【0163】
4)蛍光色素含有シリカ粒子を含む塗布液の調製
上記で調製したサンプル分散液A、サンプル分散液C、サンプル分散液D、サンプル分散液H及びサンプル分散液Gを各々0.1mlと20wt%のポリビニルアルコール(重合度約500、和光純薬工業社製)水溶液0.1mlとを等量になるように混合し、それぞれのサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液A、C、D、G及びHを調製した。
【0164】
5)X線増感紙への蛍光色素含有シリカ粒子の塗布
市販のX線増感紙としてCaWO(極光(株)製、high Speed SS-V front)及びGd:Tb(富士メディカル(株)製、HR-3 front)を使用し、これらを予め約3cm×3cmの大きさに切断しておいた。
【0165】
これらのX線増感紙の蛍光層側に、上記で調製したサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液A、C、D、G及びHを各々0.1mlずつ滴下し、直径約1cmとなるように塗布し、室温で乾燥し、X線増感紙の蛍光層上にポリマー層(E)を形成した。乾燥後のポリマー層(E)の厚さは約100μmであった。
【0166】
6)X線照射
X線照射は、一般撮影用X線発生装置(島津 ED 150L)を用いて試料の裏面(蛍光分子含有シリカ粒子膜の反対面)から照射した。照射条件は、管電圧90kV(総ロ過 2.5mm Al、付加フィルターなし)、管電流100mA、5秒間であった。
【0167】
7)X線誘起蛍光スペクトルの測定
市販のX線増感紙としてCaWO(極光(株)製、high Speed SS-V front、連続スペクトル、高強度)及びGd:Tb(富士メディカル(株)製、HR-3 front、線スペクトル、低強度)を使用した。前者は420nmに発光ピークを持ち半値幅が100nmの幅広いバンドを示した。後者は、550nmに発光線を持ち、副発光線を490nm, 590nm, 620nm, 410nm, 390nm, 680nmに示した。それらの発光スペクトルは、制御プログラムを含むMacPowerBook2400Cに接続された浜松ホトニクス株式会社のマルチチャンネルディテクターPMA-11を使用して測定した。
【0168】
8)表面蛍光スペクトル
市販のX線増感紙の蛍光層側に塗布されたサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液A、C、D、G及びHの表面蛍光スペクトルと励起スペクトルとを、島津PC5300F蛍光分光光度計によって測定した。
【0169】
これらの結果を図11~図14に示す。
【0170】
図11は、X線増感紙の蛍光層側に塗布されたサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液A、C又はDの表面蛍光スペクトルと励起スペクトルとを示したグラフであり、1点鎖線はサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液A、破線はサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液C、実線はサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液Dの表面蛍光スペクトル及び励起スペクトルである。
【0171】
図12は、X線増感紙の蛍光層側に塗布されたサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液G又はHの表面蛍光スペクトルと励起スペクトルとを示したグラフであり、点線はサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液G、実線はサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液Hの表面蛍光スペクトル及び励起スペクトルである。
【0172】
図13は、X線増感紙(CaWO、極光(株)製、high Speed SS-V front)の発光スペクトルである。
【0173】
図14は、X線増感紙(CaWO、極光(株)製、high Speed SS-V front)の蛍光層側に、上記で調製したサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液Aを塗布し、乾燥したポリマー層を形成したものの発光スペクトルである。
【0174】
実施例4
1)X線蛍光体粉末へのフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ粒子の塗布
実施例3で調製したサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液C 0.2mlを、日亜化学工業株式会社製のCaWO粉末(NP-3020、平均粒径5.7μm)約50mgに加えて混合し、室温で3日程度乾燥した。得られるフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ粒子で被覆されたX線蛍光体粉末を「X線蛍光体粉末3」という。
【0175】
日亜化学工業株式会社製のCaWO粉末(NP-3020、平均粒径5.7μm)1gを蒸留水10mlに分散させ、これに実施例3で調製したサンプル分散液C 0.2ml及び10wt%のPDMDMAC水溶液0.1mlを加えて混合し、室温で1日撹拌した。静置して得られた沈殿を室温で3日程度乾燥した。得られるフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ粒子で被覆されたX線蛍光体粉末を「X線蛍光体粉末4」という。
【0176】
2)X線照射
上記で得られるX線蛍光体粉末3及びX線蛍光体粉末4に、実施例3と同様にしてX線を照射した。
【0177】
3)X線誘起蛍光スペクトル
上記で得られるX線蛍光体粉末3及びX線蛍光体粉末4について、実施例3と同様にしてX線誘起蛍光スペクトルを測定した。
【0178】
結果を図15に示す。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】参考例1で調製したフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球Aの蛍光減衰曲線を示す図である。
【図2】参考例2に記載するシリカ球の表層処理を示す模式図を示す。
【図3】スペクトルA:参考例1で調製したフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球A(1st Growth)(直径:20nm)の水溶液中の吸収スペクトル、スペクトルB:参考例2(1)で調製したフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球(2nd Growth)(直径:230nm)の水溶液中の吸収スペクトルをそれぞれ示す図である。
【図4】参考例1で調製したフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球(直径:20nm)(1st Growth)のTEM写真(×90,000)の画像を示す図である。
【図5】参考例2(1)で調製したフルオレセイン(蛍光色素分子)含有シリカ球(直径:230nm)(2nd Growth)のTEM写真(×15,000)の画像を示す図である。
【図6】実施例1で得られたX線蛍光体ペレット1(シリカ粒子膜なし)のX線誘起蛍光スペクトルである。
【図7】実施例1で得られたX線蛍光体ペレット2(シリカ粒子膜なし)のX線誘起蛍光スペクトルである。
【図8】実施例1で得られた蛍光色素Aを塗布したX線蛍光体ペレット1のX線誘起蛍光スペクトルである。
【図9】実施例1で得られた蛍光色素Bを塗布したX線蛍光体ペレット1のX線誘起蛍光スペクトルである。
【図10】実施例1で得られた蛍光色素Bを塗布したX線蛍光体ペレット2のX線誘起蛍光スペクトルである。
【図11】実施例3において、X線増感紙の蛍光層側に塗布されたサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液A、C又はDの表面蛍光スペクトルと励起スペクトルとを示したグラフである。
【図12】実施例3において、X線増感紙の蛍光層側に塗布されたサンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液G又はHの表面蛍光スペクトルと励起スペクトルとを示したグラフである。
【図13】X線増感紙(CaWO、極光(株)製、high Speed SS-V front)の発光スペクトルである。
【図14】X線増感紙(CaWO、極光(株)製、high Speed SS-V front)の蛍光層側に、サンプル分散液を含むポリビニルアルコール溶液Aを塗布し、乾燥したポリマー層を形成したものの発光スペクトルである。
【図15】実施例4で得られるX線蛍光体粉末3及びX線蛍光体粉末4についてのX線誘起蛍光スペクトルである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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