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明細書 :異極像結晶を用いたオゾン生成方法および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3874361号 (P3874361)
公開番号 特開2006-327856 (P2006-327856A)
登録日 平成18年11月2日(2006.11.2)
発行日 平成19年1月31日(2007.1.31)
公開日 平成18年12月7日(2006.12.7)
発明の名称または考案の名称 異極像結晶を用いたオゾン生成方法および装置
国際特許分類 C01B  13/10        (2006.01)
FI C01B 13/10 Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2005-151900 (P2005-151900)
出願日 平成17年5月25日(2005.5.25)
権利譲渡・実施許諾 特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
審査請求日 平成18年8月1日(2006.8.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
【識別番号】505114488
【氏名又は名称】中西 義一
発明者または考案者 【氏名】伊藤 嘉昭
【氏名】吉門 進三
【氏名】中西 義一
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】110000475、【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
【識別番号】100068032、【弁理士】、【氏名又は名称】武石 靖彦
【識別番号】100080333、【弁理士】、【氏名又は名称】村田 紀子
【識別番号】100115222、【弁理士】、【氏名又は名称】徳岡 修二
【識別番号】100124796、【弁理士】、【氏名又は名称】重本 博充
【識別番号】100125586、【弁理士】、【氏名又は名称】大角 菜穂子
審査官 【審査官】繁田 えい子
参考文献・文献 特開2005-281081(JP,A)
中西義一,異極像結晶LiNbO3あるいはLiTaO3の熱励起によるX線発生機構について,人工結晶討論会講演要旨集,2004年,49th, p.56-57
近藤淳,分極処理をほどこしたLiNbO3単結晶のX線の励起,日本セラミックス協会年会講演予稿集,2005年 3月,p.167
調査した分野 C01B 13/10
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
常圧以上の大気雰囲気中に、分極の向きを一方向に揃えた異極像結晶体を配置し、この異極像結晶体を周期的に加熱・冷却することにより当該結晶体付近の大気中に高電界を発生させ、この高電界よって大気中に発生する軟X線と、大気中の酸素分子の解離・再結合、との複合作用によって大気中の酸素分子をオゾン化することを特徴とする異極像結晶を用いたオゾン生成方法。
【請求項2】
常圧以上の大気を封入した筐体内に、分極方向を一方向に揃えた異極像結晶体をその一方の極性側表面が直接大気に接するように配置し、結晶体の他方側にこれを熱励起する手段を設け、この熱励起手段を介して前記結晶体の温度を周期的に昇降させることにより結晶体の周辺に高電界を発生させ、この高電界による荷電粒子の挙動を利用して筐体内の大気中にオゾンを生成させることを特徴とする異極像結晶を用いたオゾン生成装置。
【請求項3】
異極像結晶体を筐体内に複数個配置し、各結晶体をその温度昇降周期の位相をずらせて各別に熱励起することを特徴とする請求項2に記載の異極像結晶を用いたオゾン生成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、異極像結晶を熱励起することによって結晶の回りに発生する高電界を利用して、大気中でオゾンを生成させる方法および装置に関するもので、特に常圧雰囲気中に高濃度のオゾンを発生させる手段を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者等は、3~6Pa程度の真空ないし低気体圧雰囲気中に焦電結晶として知られているニオブ酸リチウム(LiNbO3)単結晶などの異極像結晶体を配置し、これに周期的に温度変化を与えることによって、結晶表面で電荷の相殺に追随できないために表面に生じた電子を含む荷電粒子をターゲットあるいは異極像結晶に衝突させてX線を発生させる装置を発明し(特願2003-407985、2004-98371)、このX線をベリリウム窓などを通して酸素を含む気流中に照射してオゾンを発生させる装置を発明(特願2004-99069)した。さらにこの真空筐体内に異極像結晶体とともに熱電子を発生する電子銃を併設し、これからの熱電子を結晶体の温度変化によって生じた高電界を利用してX線ターゲットへ指向衝突させ、ターゲットからの制動輻射による強力X線によってより効率的にオゾンを発生させる装置も発明(特願2005-94742)した。

【特許文献1】特願2003-407985
【特許文献2】特願2004-98371
【特許文献3】特願2004-99069
【特許文献4】特願2005-94742
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、前記異極像結晶の熱励起による熱イオン効果や荷電粒子の挙動について研究を進めた結果、大気圧ないしそれ以上の高圧気体雰囲気中においても、異極像結晶周辺の大気を直接オゾン化し得る手段を開発したもので、高圧電源や真空設備などを必要としないで大気中で簡単に高濃度のオゾンを生成できる方法及び装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決する第1の発明は、分極方向を揃えた異極像結晶を熱励起することによって、大気中において結晶の回りに高電界を発生させ、前記高電界による気中酸素分子の解離・会合現象、及び結晶周辺荷電粒子の粒子間衝突および結晶への衝突による軟X線放出と放電現象などの複合効果を利用して、大気中で高濃度のオゾンを発生させる方法である。
第2の発明は、前記気中の荷電粒子や酸素分子の解離・会合などの複合作用を効果的に達成するための筐体構成、結晶の熱励起手段の配置・制御構成を備えたオゾン生成装置を提供する。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、真空装置や高電圧電源などの特別な設備を必要とすることなく、また重金属などのX線ターゲットも用いないで、簡便に高濃度のオゾンが生成できるので、殺菌消毒など各種のオゾン利用目的に簡便に対応できる外、金属や半導体の酸化等の工業的用途にも広く利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は本発明のオゾン発生方法及び装置の基本概念を示す実験例図で、1は大気を常圧状態で収容する筐体、2はタンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)などの異極像結晶体で、実験では直径75mm厚さ20mmの円柱状のブロック結晶を使用した。この結晶体は結晶成長させる段階でその分極方向が上面aが負の極性に揃うように作製した。3はこの結晶体の下面b(分極方向が正に帯電している面)に設置された加熱・冷却ステージで、ペルチエ素子などで構成される。4はこのペルチエ素子への電流制御回路で印加電圧の極性を切り換えることにより結晶体は加熱または冷却される。この加熱・冷却サイクル、加熱温度は制御回路4によって予め定めた条件にプログラム制御される。5は大気圧ガス(空気など)供給管、6はオゾン化されたガスの取り出し管、7はオゾン濃度測定器で導管8、9を介して筐体1内と連通している。10、11、12、13はそれぞれの管路の開閉弁である。
【0007】
図の装置では、導管5から筐体内へ供給された空気は循環路8からオゾン測定器7を経て循環路9から再び筐体内へ還流するように構成されており、筐体内のオゾン濃度が所望の濃度になったことを検証した状態で弁11を開いて、ここから所望濃度のオゾンガスを滅菌室などオゾン処理を行う場所へ供給するようにした例である。
【0008】
図において、筐体内の大気雰囲気中にオゾンを生成させる操作について説明する。
分極方向を揃えた異極像結晶を、その負の電気面aを上側(大気側)に、正の面bを下側(加熱・冷却ステージ側)に向けて設置する。先ずペルチエ素子からなる加熱・冷却ステージ3の発熱面が、異極像結晶体の下面bになるように電流を印加し、結晶体2を約200℃程度まで急速に加熱昇温する。次いでペルチエ素子への印加電流極性を切り換えて素子の吸熱面が結晶のb面に対向するようにし、結晶温度を強制的に常温付近まで低下させる。
【0009】
この結晶の昇温・降温操作はペルチエ素子への電流制御回路4によって自動的に制御する。例えば最初約30分弱結晶を加熱し次いで約90分の間に降温する操作を約2時間のサイクルで繰り返すように制御する。
【0010】
尚図において筐体1は、金属・強化プラスチック・FRPなど大気圧に耐える適当な部材で構成できるが、オゾンの吸着が少なくオゾンの強酸化性にも耐えうるものが望ましい。
【0011】
図2は、上記の操作による筐体1内で生成されたオゾンの濃度をオゾン濃度測定器7によって計測したデータで、縦軸は筐体内のオゾン濃度(ppb)、横軸は結晶体の加熱冷却時間(h)を示す。
【0012】
結晶体2を常温からカーブuに沿って約200℃まで昇温し、その後カーブdに沿って常温付近まで温度降下させた場合、カーブの頂点p(200℃付近)では筐体内のオゾン濃度は6000ppbに達することが実証された。即ち約30分間結晶温度を上昇させる段階でオゾン生成が急速に進行し、その後約90分間に亘る温度下降段階では筐体内のオゾン濃度が低下することが判明した。
従って高濃度のオゾンを得たいときは、濃度計測値が6000ppbになったとき弁11を開いて出口管6からガスを取り出せばよく、それ以下でもよい場合は加熱開始後15分から60分程度まで出口弁11を開けておけばよいことになる。
【0013】
又本発明者等の実験によれば、結晶温度が上昇する過程uでオゾン化が進行し温度降下段階dではオゾン発生が少ないことも見出した。さらに温度上昇の勾配カーブuを急峻にする程オゾン生成効率が高くなることも実証した。
【0014】
次に異極像結晶の温度変化に伴う高電界発生とこれによる大気圧下でのオゾン生成のメカニズムについて説明する。
分極方向を揃えた異極像結晶をその負の電気面を上側(大気側)に、正の面を下側(加熱・冷却ステージ側)に設置した場合について、結晶の温度変化による高電界発生の原理について説明する。
【0015】
(1)結晶温度を上昇させると、結晶の分極率が小さくなり負面の負の電荷密度が小さくなる。常温での平衡状態ではこの負面には負電荷と等量の正イオン(プロトン・ヒドロニュウムイオン等)が吸着しており、温度上昇によって熱脱離速度は速くなるが分極率の低下速度の方が速いために、負面は結果的には前記正イオンによって正に帯電する。裏面の正の電気面側では、ステージ3の接地・非接地の如何に拘わらず、平均的には負に帯電する。
【0016】
これにより、結晶内では負面(上面a)から正の面(下面b)の方向に電気力線が生じ、結晶の外部では負面側から大気に向かって図1の電気力線φに示すように高電界が発生する。この電界は結晶温度の変化が大きい程(温度上昇勾配が大きい程)強い電界となる。
【0017】
次にこの高電界によるオゾン発生のメカニズムについて説明する。
【0018】
(i)この強い電界によって結晶周辺の気体の一部が電離し、遊離した電子が結晶表面に衝突し、その静電エネルギー(運動エネルギーに転化)の大きさに応じた波長の連続X線および結晶元素の特性X線が発生する。本発明の場合、筐体内空間は大気圧であるので、前記電子の平均自由行程は短くなり(大気中の場合約70nm)、高電界であっても十分加速されない(運動エネルギーは小さい)ため、発生するX線の波長は非常に長くなりその大部分は軟X線となる。
【0019】
この軟X線が大気中の酸素分子に吸収され酸素分子が解離し、励起された単原子が発生し、これが他の酸素イオンと会合してオゾンを生成する。一般に酸素の光子の吸収は紫外線波長で大きいが、軟X線の光子はさらに大きいエネルギーを持っており、軟X線光子1個で複数の酸素分子を励起解離させるので、全体的にはこの軟X線によってオゾン生成効率が高まり、大気中で高濃度のオゾンを発生させることができる。
【0020】
この軟X線は、気体の圧力が高いため大気中でエネルギーは吸収され筐体外へ漏れることはなく、生体への危険性も少ない。
【0021】
(ii)また、大気中の酸素分子自体も前記強電界によって解離し、励起された単原子が前記軟X線とは別に大気中に発生する。この発生した酸素の単原子が他の酸素分子と会合しオゾンを生成する。
【0022】
(iii)さらには、上記結晶による高電界によって結晶から熱解離したイオンや電子などの荷電粒子が(熱イオン効果)、結晶周辺のガス分子と衝突し放電が起こる。この放電によって結晶周辺で一種の大気圧プラズマ現象が生じ、大気中の酸素分子のオゾン化が起こるとも考えられる。この放電現象は気体圧が高く荷電粒子の平均自由行程が短いため結晶近辺でのみ発生しこの付近でオゾン化が促される。
【0023】
以上結晶温度の上昇時には、上記(i)(ii)(iii)の複合作用によって大気中でのオゾン化が効率的に進行する。
【0024】
(2)次に結晶温度が降下する過程においても、オゾン化効率は低下するが同様にオゾン発生が起こり得る。即ち
【0025】
(iv)温度降下時は結晶の分極率が大きくなり、負の電気面ではその負の電荷密度が大きくなり平均的にみて負に帯電する。裏側の正の面ではステージの接地の有無に関係なく平均的にみて正に帯電する。従って結晶内では正の面から負面の方向に電気力線(電界)が生じ、空間内では加熱・冷却ステージや筐体金属面の正電荷から結晶の負面に向かって電界が発生する。この電界によって前記同様大気中の気体分子の一部が電離し、この電子が筐体などに衝突してX線が発生する。しかし筐体内の圧力が高いためこの電子の飛翔行程は著しく制限され、一部のみが近辺の気体分子と衝突し、これから発生するX線によって気体分子が励起されオゾンを生成することになる。しかしその生成量は比較的少ない。
【0026】
(v)また温度上昇時と同様に、前記高電界によって大気中の酸素分子が解離され、発生した励起状態の単原子が他の酸素イオンと会合しオゾンを生成する。
これにより温度降下時においても若干のオゾン生成が行われるが、図2のグラフでも示されるようにその生成量は少ない。
【0027】
以上、結晶の昇温・降温の両方の過程において、(i)から(v)の動作により大気中でオゾンを発生させることができるが、本発明者等の実験では、結晶温度の上昇時の方がオゾン発生量が格段に多くなることが実証された。
【0028】
また、温度上昇時その温度勾配を大きくする程、即ち急激な温度変化を与える程オゾン生成効率が向上することも判明した。
【0029】
以上は、結晶の負の電気面を上側(大気側)に向けて配置した場合について説明したが、結晶を逆にして正の電気面を上側に向けて置いた場合は、温度上昇時と降下時で逆の現象が生じる。即ち温度降下段階でオゾン生成効率が良くなるが、温度降下の勾配はそれほど急峻にできないので、通常は負の電気面を上にして用いるのが効率的である。
【0030】
一般に、オゾン生成量は気体圧が高い程多くなるが、衝突する荷電粒子の平均自由行程も小さくなるので、オゾン生成領域は圧力の増加に伴って狭くなる。従ってオゾンの使用目的に応じて適当な気体圧を選定すれば良く、また必要に応じて気体の攪拌機能などを付加して広域的にオゾン発生を促すようにしても良い。
【0031】
図3は、前記による結晶の温度上昇時のオゾン発生効率に着目し、筐体内大気を連続的に効率よくオゾン化するようにした実施例である。
【0032】
図中1は常圧大気を連続的に導入・導出するようにした筐体で、内部に5個の同一定格のタンタル酸リチウム(LiTaO3)の異極像結晶体A B C D Eと、それぞれの熱励起手段A’B’C’D’E’を並べて設置し、各結晶体の加熱・冷却のタイミングを制御回路4によって時間差をもって制御するようにした実施例である。即ち熱励起の位相をずらせることにより、オゾン生成効率の高い状態を連続的に維持することができる。
【0033】
図4は、各結晶体A B C D Eの熱励起サイクルを示すグラフで、縦軸は結晶の温度、横軸は加熱・冷却の時間で、A”B”C”D”E”は各結晶体A B C D Eの加熱・冷却温度曲線を示す。
【0034】
各結晶はグラフから判るように、約0.4時間で200℃まで加熱され約1.6時間で常温に戻るように制御され、それぞれ120/5 分づつの時間差をもって加熱・冷却が繰り返される。これらの加熱・冷却制御は、制御回路4からの信号に基づいてペルチエ素子などの熱励起手段A’B’C’D’E’を介して各結晶ごとに位相をずらせて制御される。
【0035】
このようにすることにより、各結晶が順次オゾン化効率の良い温度上昇過程になるので、筐体内ではオゾン化が連続的に進行し、空気導入管5から導入された大気中の酸素は間断なく連続的にオゾン化され、出口管6から高濃度のオゾン化ガスとして取り出すことができる。
【0036】
図の例では、5個の異極像結晶体を平面状に配置した例について説明したが、さらに多くの結晶体を平面的或いは立体的に配置してもよく、このようにすればより高濃度のオゾンガスを連続的に生成することができる。
【0037】
また加熱・冷却サイクルの周期や到達上昇温度も、目的とするオゾン濃度や用途に応じて適宜に調整が可能である。
【0038】
尚図3の筐体1が金属製である場合は、発生したオゾンによって酸化・腐食するのを防止するとともに、これによるオゾンの消費を避けるために、点線fで示したように内側にフッ素樹脂コーテイングをするか、適宜の酸化防止材を使用するのが望ましい。
【0039】
尚本発明実施例では、結晶の熱励起手段としてペルチエ素子による加熱・冷却装置を例示したが、ヒーター加熱・マイクロ波加熱やレーザー方式と各種冷媒機構とを組合わせても良く、また結晶自体に電気歪や機械的加圧を与えて分極を乱し電界を発生させる手段を併用することも可能である。
【0040】
以上本発明は、予め分極方向を揃えた異極像結晶体を使用し、熱励起によって結晶内に発生する自発分極の変化に追随できない外部の電気的平衡状態の乱れを誘起し、結晶内外に強電界を発生させることがオゾン発生メカニズムの基本概念であり、分極方向が不揃いの中和した結晶では熱励起によってもオゾン生成に有効な高電界や荷電粒子の放電現象は得られない。
【0041】
また、温度変化を付与することが重要であり、高い温度にしても一定温度であれば高電界は発生しないので、充分なオゾン生成効果は得られない。
【0042】
分極方向の揃った結晶を得るには、結晶成長の段階でその成長過程を制御する方法や結晶を電気的に処理して分極方向を揃える方法などが知られている。
【0043】
以上のように本発明では、結晶周辺の気体圧を常圧或いはそれ以上の高い圧力雰囲気中で、結晶の熱励起による電荷不均衡で解離した熱イオン(熱イオン効果)や遊離電子によって発生する軟X線や、高電界による酸素分子の解離・会合などの複合効果を利用してオゾンを生成するものであるが、結晶周辺の雰囲気が真空と違って常圧またはそれ以上の高圧雰囲気であるので、酸素濃度も高い状態にあり、また荷電粒子の平均自由行程も短くなるので結晶近辺での気体分子との衝突・分子解離も起こり易くなり、分子間衝突による放電・プラズマ作用とも相俟って、酸素分子のオゾン化効率を高めることができたものである。さらに、酸素ガスのみを発生部(筐体内)に導入することにより、オゾン化効率を一層高めることが出きる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、大型電源・高圧電源や真空設備などを必要としないで、大気中ないしそれ以上の高圧雰囲気中で高濃度のオゾンを生成することができるので、食品や衛生設備の滅菌や殺菌その他空気清浄・表面酸化など幅広い産業分野で有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明方法および装置の基本概念を示す実験例図である。
【図2】図1の実験例における、大気中での結晶の温度変化と生成されるオゾン濃度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例を示す図で、オゾンを連続的に生成する装置の例である。
【図4】図3の実施例における各結晶の熱励起サイクルと結晶温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0046】
1.筐体
2.分極方向を揃えた異極像結晶体
3.結晶の加熱・冷却ステージ
4.制御回路
5.筐体へのガス導入管
6.筐体からのオゾンガス導出管
7.オゾン濃度測定器
8.9.ガス循環路
10.11.12.13.開閉弁
A.B.C.D.E.異極像結晶体
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3