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明細書 :指紋照合装置、方法およびプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4188344号 (P4188344)
公開番号 特開2007-011636 (P2007-011636A)
登録日 平成20年9月19日(2008.9.19)
発行日 平成20年11月26日(2008.11.26)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
発明の名称または考案の名称 指紋照合装置、方法およびプログラム
国際特許分類 G06T   7/00        (2006.01)
FI G06T 7/00 530
請求項の数または発明の数 8
全頁数 11
出願番号 特願2005-190842 (P2005-190842)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
審査請求日 平成17年6月30日(2005.6.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】寅市 和男
【氏名】クァン・ポール・ウィン・ヒン
【氏名】中村 浩二
【氏名】諸岡 泰男
個別代理人の代理人 【識別番号】100103171、【弁理士】、【氏名又は名称】雨貝 正彦
審査官 【審査官】松永 稔
参考文献・文献 特開平11-085995(JP,A)
特開2003-030661(JP,A)
特開2004-102511(JP,A)
特開平11-195119(JP,A)
特開2000-020693(JP,A)
調査した分野 G06T 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込手段と、
前記指紋画像取込手段によって取り込まれた前記照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の配置パターンを抽出する配置パターン抽出手段と、
前記配置パターン抽出手段によって抽出された配置パターンに基づいて、前記照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段と、
を備え、前記配置パターンは、X軸方向ともY軸方向とも異なる斜め方向に沿った前記特徴点のX座標値およびY座標値のそれぞれの分散状態を示す分散パターンであることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記配置パターンは、所定範囲に含まれる前記特徴点のそれぞれを所定の順番で並べたときに、この順番に対応するそれぞれの前記特徴点の座標の分散状態を示す分散パターンであることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記配置パターン抽出手段は、2つの異なる方向について前記分散パターンを抽出することを特徴とする指紋照合装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記登録指紋画像に含まれる前記特徴点に対応する前記配置パターンが、複数の前記登録指紋画像毎に格納された配置パターン格納手段をさらに備え、
前記検索手段は、前記照合指紋画像に対応する配置パターンと、前記配置パターン格納手段に格納されている複数の前記登録指紋画像に対応する配置パターンとを比較することにより検索処理を行うことを特徴とする指紋照合装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記指紋画像取込手段、前記特徴点抽出手段、前記配置パターン抽出手段を用いて前記登録指紋画像に対応する配置パターンが取得されたときに、この配置パターンを前記配置パターン格納手段に格納する配置パターン格納処理手段をさらに備えることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれにかにおいて、
前記照合指紋画像に対応する前記特徴点の中から、照合対象となる前記登録指紋画像の配置パターンに含まれる前記特徴点の数とほぼ等しい特徴点が含まれる照合範囲を設定する照合範囲設定手段をさらに備えることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項7】
照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込ステップと、
前記指紋画像取込ステップにおいて取り込まれた前記照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出ステップと、
前記特徴点抽出ステップにおいて抽出された特徴点の配置パターンを抽出する配置パターン抽出ステップと、
前記配置パターン抽出ステップにおいて抽出された配置パターンに基づいて、前記照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索す
る検索ステップと、
を備え、前記配置パターンは、X軸方向ともY軸方向とも異なる斜め方向に沿った前記特徴点のX座標値およびY座標値のそれぞれの分散状態を示す分散パターンであることを特徴とする指紋照合方法。
【請求項8】
コンピュータを、
指紋画像取込手段によって取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、
前記特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の配置パターンを抽出する配置パターン抽出手段と、
前記配置パターン抽出手段によって抽出された配置パターンに基づいて、前記照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段と、
して機能させる指紋照合プログラムであり、
前記配置パターンは、X軸方向ともY軸方向とも異なる斜め方向に沿った前記特徴点のX座標値およびY座標値のそれぞれの分散状態を示す分散パターンである指紋照合プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された指紋画像に一致する登録済みの指紋を抽出する指紋照合装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融機関のキャッシュカードの不正使用や家屋に対するピッキング被害等を防止するための一つの手法として指紋認証が用いられている。指紋認証は、あらかじめ登録しておいた指紋認証データと、入力された指紋画像から抽出した特徴データとを比較することにより、指紋画像と一致する登録済みの指紋に対応する本人を特定する技術であり、従来から様々な手法が用いられている(例えば、特許文献1、2参照。)。

【特許文献1】特開2004-145447号公報(第2-11頁、図1-12)
【特許文献2】特開2004-5532号公報(第2-11頁、図1-7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、家屋への進入許可に指紋認証技術を用いる場合には登録済みの指紋の数はそれほど多くないが、金融機関における本人確認に指紋認証を用いる場合には登録済みの指紋の数が飛躍的に増大し、これに伴って処理時間が長くなるとともに、照合精度の低下が懸念される。また、従来から用いられている各種の指紋認証技術(例えば、周波数解析法、パタンマッチング法、マニューシャ法等)は、現状では処理時間や照合精度の上で完全なものはなく改良の余地がある。そこで、これらの従来手法に代わる、あるいは併用することができる指紋認証技術が望まれている。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、照合精度の向上が可能な指紋認証装置、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の指紋照合装置は、照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込手段と、指紋画像取込手段によって取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の配置パターンを抽出する配置パターン抽出手段と、配置パターン抽出手段によって抽出された配置パターンに基づいて、照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段とを備えている。
【0006】
また、本発明の指紋照合方法は、照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込ステップと、指紋画像取込ステップにおいて取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出ステップと、特徴点抽出ステップにおいて抽出された特徴点の配置パターンを抽出する配置パターン抽出ステップと、配置パターン抽出ステップにおいて抽出された配置パターンに基づいて、照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索ステップとを備えている。
【0007】
また、本発明の指紋照合プログラムは、コンピュータを、指紋画像取込手段によって取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、特徴点抽出手段によって抽出された特徴点の配置パターンを抽出する配置パターン抽出手段と、配置パターン抽出手段によって抽出された配置パターンに基づいて、照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段として機能させる。
【0008】
指紋の隆線や谷線に含まれる分岐点や端点の配置パターンはそれぞれの指紋毎に特有の情報であると考えられるため、この配置パターンに基づいて指紋照合を行うことにより、精度の高い指紋照合を行うことが可能となる。
【0009】
また、上述した配置パターンは、所定方向に沿った特徴点の座標の分散パターンであることが望ましい。特徴点の配置状態はそれぞれの指紋に特有であるため、これを一方向に沿った分散パターンとして抽出して照合に用いることにより、精度の高い指紋照合を行うことが可能になる。
【0010】
また、上述した配置パターンは、所定範囲に含まれる特徴点のそれぞれを所定の順番で並べたときに、この順番に対応するそれぞれの特徴点の座標の分散パターンであることが望ましい。これにより、それぞれの特徴点の並びと座標とを対応させて各特徴点の配置状態を把握することができ、精度の高い指紋照合を行うことが可能になる。
【0011】
また、上述した配置パターン抽出手段は、2つの異なる方向について分散パターンを抽出することが望ましい。これにより、指紋に含まれる特徴点の配置を正確に把握することが可能になる。
【0012】
また、上述した登録指紋画像に含まれる特徴点に対応する配置パターンが、複数の登録指紋画像毎に格納された配置パターン格納手段をさらに備え、検索手段は、照合指紋画像に対応する配置パターンと、配置パターン格納手段に格納されている複数の登録指紋画像に対応する配置パターンとを比較することにより検索処理を行うことが望ましい。これにより、あらかじめ格納された登録指紋画像の配置パターンを順番に読み出して、照合指紋画像の配置パターンと比較することにより、容易に類似する登録指紋画像の検索を行うことができ、比較対象となる登録指紋画像が多い場合であっても処理が煩雑にならず、処理の簡略化が可能になる。
【0013】
また、上述した指紋画像取込手段、特徴点抽出手段、配置パターン抽出手段を用いて登録指紋画像に対応する配置パターンが取得されたときに、この配置パターンを配置パターン格納手段に格納する配置パターン格納処理手段をさらに備えることが望ましい。これにより、照合対象となる登録指紋画像を適宜追加することが可能になる。
【0014】
また、上述した照合指紋画像に対応する特徴点の中から、照合対象となる登録指紋画像の配置パターンに含まれる特徴点の数とほぼ等しい特徴点が含まれる照合範囲を設定する照合範囲設定手段をさらに備えることが望ましい。これにより、登録指紋画像毎に異なる配置パターンの存在位置を限定することが可能になり、処理の簡略化および処理時間の短縮が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用した一実施形態の指紋照合装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、一実施形態の指紋照合装置の構成を示す図である。図1に示す指紋照合装置は、指紋画像が入力されたときにこの画像に類似する登録済みの指紋画像(登録指紋画像)あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索して検索結果を出力するためのものであり、指紋画像入力部110、指紋DB(データベース)120、指紋照合処理部130、操作部150、表示部160を備えている。
【0017】
指紋画像入力部110は、指紋照合処理部130に指紋画像(この照合対象となる指紋画像を「照合指紋画像」と称する)を取り込むためのものであり、指紋の隆線(あるいは隣接する隆線に挟まれた谷線)の模様に対応する指紋画像データの入力を行う。例えば、光学的に隆線形状を読み取る光学スキャナとしての指紋画像入力部110が用いられる。なお、結果的に指紋に含まれる隆線形状(あるいは谷線形状)を読み取ることができればよいため、指先を検出面に押圧したときに指紋の隆線の接触による静電容量の変化を読み取って指紋画像を取得するようにしてもよい。また、これら以外の各種センサを用いて指紋画像を取得して入力したり、既にビットマップ形式等になっている指紋画像を指紋画像入力部110によって読み込むようにしてもよい。
【0018】
指紋DB120は、照合処理に際して、取り込まれた照合指紋画像と類似度が比較される複数の指紋画像(これらの画像を「登録指紋画像」と称する)に対応して抽出された特徴点の配置パターンを格納する。配置パターンの具体例については後述する。また、この指紋DB120には、それぞれの登録指紋画像に対応する各種の付随情報が格納されている。例えば、付随情報には登録指紋画像に対応する個人情報(氏名、性別、住所等)が含まれる。指紋照合処理部130による処理に先だって、指紋DB120に複数の登録指紋画像の特徴量を登録する必要がある。この登録処理の詳細については後述する。
【0019】
指紋照合処理部130は、取り込んだ照合指紋画像に含まれる特徴点の配置パターンを抽出し、この配置パターンに基づいてこの照合指紋画像に類似する登録指紋画像を検索する処理を行う。このために、指紋照合処理部130は、前処理部132、特徴点抽出部134、照合範囲設定部136、配置パターン抽出部138、類似度判定処理部140、照合結果出力処理部142を備えている。
【0020】
前処理部132は、指紋画像入力部110を用いて取り込まれた照合指紋画像に対して所定の前処理を行う。例えば、前処理として、取り込まれた指紋画像の二値化する処理や細線化する処理が行われる。特徴点抽出部134は、前処理部132による前処理が終了した後の照合指紋画像に含まれる特徴点の抽出を行う。ここで、特徴点とは、細線化された隆線の端点および分岐点を指している。
【0021】
図2は、照合指紋画像に含まれる特徴点の具体例を示す図である。特徴点抽出部134は、前処理が終了した後の照合指紋画像に含まれる分岐点と端点を抽出する。図2に示した照合指紋画像には、分岐点1、2、12や端点3、4、5などが含まれている。
【0022】
照合範囲設定部136は、特徴点抽出部134によって抽出された特徴点の中から、指紋照合に使用される特徴点が含まれる照合範囲を設定する。比較対象となる登録指紋画像に対応する配置パターンに含まれる特徴点の数と同数(N個)の特徴点が含まれる照合範囲が設定される。例えば、照合範囲設定部136は、図2に示すように、所定面積の正方形の検索範囲Sを照合指紋画像内で移動させて特徴点の数がN個になる位置を特定し、この位置に対応する検索範囲Sを照合範囲として設定する。この照合範囲は一つの照合指紋画像内に複数あってもよい。
【0023】
配置パターン抽出部138は、照合範囲設定部136に含まれる特徴点の配置パターンを抽出する。この配置パターンは、所定方向に沿った特徴点の配置の分散状態を示す分散パターンである。図3~図5は、配置パターン抽出の具体例を示す図である。配置パターン抽出部138は、例えば、図3に示すように、照合範囲の左下から右上に向かう方向に沿ってスキャンして、スキャン開始点Sに近い順(正確には、スキャン方向に垂直でスキャン開始点Sを通る直線までの法線距離が短い順)に番号を付し、この順番で並べたときのX座標値(図2の横方向の座標値)の分散パターンとしての配置パターンとY座標値(図2の縦方向の座標値)の分散パターンとしての配置パターンとを抽出する。図4にはX座標値の配置パターンが示されている。また、図5にはY座標値の配置パターンが示されている。図4および図5では、各特徴点に付された番号が横軸に対応しており、X座標値あるいはY座標値が縦軸に対応している。
【0024】
なお、上述した例では、X座標値の分散状態が反映された配置パターンとY座標値の分散状態が反映された配置パターンとを抽出するために、図3に示すようにX軸方向(横方向)ともY軸方向(縦方向)とも異なる斜め方向にスキャンして各特徴点に番号を付したが、番号付けは他の順番で行うようにしてもよい。例えば、横方向あるいは縦方向に沿ってスキャンして番号付けを行うようにしてもよい。
【0025】
類似度判定処理部140は、配置パターン抽出部138によって抽出された配置パターンに基づいて、照合指紋画像と各登録指紋画像との類似度を判定し、照合指紋画像と一致する登録指紋画像を決定する。照合結果出力処理部142は、検索結果(指紋照合結果)を表示部160の画面上に表示したり、操作部150を用いた印刷操作がなされた場合には印刷装置(図示せず)に対して検索結果の印刷を指示する。
【0026】
ところで、図4および図5に示した配置パターンは、指紋画像入力部110から入力される照合指紋画像の画像データに基づいて作成されるが、この配置パターンを用いて照合指紋画像と一致する登録指紋画像を特定するためには、多くの登録指紋画像について同じ内容の配置パターンをあらかじめ抽出して指紋DB120に登録しておく必要がある。
【0027】
図6は、登録指紋画像についてあらかじめ配置パターンの抽出を行って指紋DB120に対する登録を行うデータベース作成装置の構成を示す図である。なお、図6に示す構成は、図1に示した指紋照合装置の一部として備わっている場合が考えられるが、図1に示した指紋照合装置とは別に構築するようにしてもよい。図6に示すデータベース作成装置は、指紋DB120に多くの登録指紋画像の特徴パターンを登録するために、指紋画像入力部210、データベース作成部220、操作部230、表示部240を備えている。
【0028】
指紋画像入力部210は、登録指紋画像を構成する各画素毎の濃淡情報を示す画像データの入力を行う。図1に示した指紋画像入力部110と同様に、この指紋画像入力部210として光学的スキャナやその他の各種センサ類を用いることができる。
【0029】
データベース作成部220は、登録指紋画像の特徴点の配置パターンを抽出して指紋DB120に登録する処理を行う。このために、データベース作成部220は、前処理部221、特徴点抽出部222、照合範囲設定部223、配置パターン抽出部224、ファイル作成処理部225を備えている。この中で、ファイル作成処理部225を除く前処理部221、特徴点抽出部222、照合範囲設定部223、配置パターン抽出部224の基本的な動作は、図1に示した指紋照合処理部130内の同一名称の各構成部と同じであり、これらについては相違点のみについて説明する。照合範囲設定部223は、各登録指紋画像に対応する配置パターンを抽出するための照合範囲を設定するが、図2に示すような登録指紋画像の特徴点が抽出されたときに、この登録指紋画像の中心位置に対応する所定範囲を照合範囲として設定する。この照合範囲の大きさは一定であり、各登録指紋画像毎に対応する数の特徴点が含まれる。
【0030】
ファイル作成処理部225は、抽出された登録指紋画像毎の特徴点の配置パターンをひとまとまりのファイルとして指紋DB120に登録する。なお、配置パターンを登録する際には、それぞれの登録パターンを抽出する際に用いられた照合範囲に含まれる特徴点の数が各登録パターンとともに登録される。操作部230は、登録指紋画像に対応する配置パターンの抽出、登録に必要な動作指示等を行うために用いられる。また、操作部230は、各登録指紋画像に対応する付随情報としての個人情報を入力するために用いられる。表示部240は、配置パターンや付随情報の登録内容を確認したり、登録に必要な各種の操作画面を表示するために用いられる。
【0031】
このような構成を有するデータベース作成装置を用いることにより、図4および図5に示した照合指紋画像の配置パターンと基本的に同じ内容を有する複数の登録指紋画像の配置パターンや各登録指紋画像に対応する付随情報が指紋DB120に登録される。
【0032】
上述した指紋画像入力部110、210が指紋画像取込手段に、前処理部132、221、特徴点抽出部134、222が特徴点抽出手段に、配置パターン抽出部138、224が配置パターン抽出手段に、類似度判定処理部140が検索手段に、指紋DB120が配置パターン格納手段に、ファイル作成処理部226が配置パターン格納処理手段に、照合範囲設置部136、223が照合範囲設定手段にそれぞれ対応する。また、指紋画像入力部110、210によって行われる動作が指紋画像取込ステップの動作に、前処理部132、221、特徴点抽出部134、222によって行われる動作が特徴点抽出ステップの動作に、配置パターン抽出部138、224によって行われる動作が配置パターン抽出ステップの動作に、類似度判定処理部140によって行われる動作が検索ステップの動作にそれぞれ対応する。
【0033】
本実施形態の指紋照合装置はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。図7は、指紋照合処理部130において照合指紋画像に基づく指紋照合を行う動作手順を示す流れ図である。まず、前処理部132は、指紋画像入力部110から入力される照合指紋画像を取得すると(ステップ100)、細線化等の前処理を行う(ステップ101)。また、特徴点抽出部134は、前処理が終了した後の照合指紋画像に含まれる分岐点と端点を特徴点として抽出する(ステップ102)。
【0034】
次に、類似度判定処理部140は、照合対象となる一の登録指紋画像に対応する配置パターンをこの配置パターンに対応する特徴点の数とともに読み出す(ステップ103)。照合範囲設定部136は、この特徴点の数に対応する照合範囲の設定を行う(ステップ104)。また、配置パターン抽出部138は、設定された照合範囲に対応する配置パターンの抽出を行う(ステップ105)。次に、類似度判定処理部140は、抽出された照合指紋画像に対応する配置パターンと、ステップ103において読み出された登録指紋画像に対応する配置パターンとの類似度判定を行い(ステップ106)、2種類の配置パターンが一致したか否かを判定する(ステップ107)。具体的には、図4に示すX座標値に関する2種類の配置パターンについての誤差(例えば二乗誤差)と、図5に示すY座標値に関する2種類の配置パターンについての誤差とを加算し、これらの合計値が所定値以下になったときに照合指紋画像に対応する配置パターンと登録指紋画像に対応する配置パターンとが一致したものと判定される。この場合にはステップ107の判定において肯定判断が行われ、照合結果出力処理部142は、この登録指紋画像に対応する付随情報を照合結果として出力(表示)する(ステップ108)。
【0035】
一方、配置パターンが一致しない場合にはステップ107の判定において否定判断が行われ、次に、類似度判定処理部140は、照合処理をしていない他の登録指紋画像があるか否かを判定する(ステップ109)。他の登録指紋画像がある場合には肯定判断が行われ、ステップ103に戻って他の登録指紋画像の配置パターンの読み出し動作が繰り返される。他の登録指紋画像がない場合にはステップ109の判定において否定判断が行われ、照合指紋画像と一致する登録指紋画像が存在しない旨の照合結果が出力される(ステップ108)。このようにして一連の指紋照合動作が終了する。
【0036】
このように、指紋の隆線や谷線に含まれる分岐点や端点の配置パターンはそれぞれの指紋毎に特有の情報であると考えられるため、この配置パターンに基づいて指紋照合を行うことにより、精度の高い指紋照合を行うことが可能となる。
【0037】
また、この配置パターンとして、所定方向に沿った特徴点の座標の分散パターンが用いられている。特徴点の配置状態はそれぞれの指紋に特有であるため、これを一方向に沿った分散パターンとして抽出して照合に用いることにより、精度の高い指紋照合を行うことが可能になる。
【0038】
また、この配置パターンとして、所定範囲に含まれる特徴点のそれぞれを所定の順番で並べたときに、この順番に対応するそれぞれの特徴点の座標の分散パターンが用いられている。これにより、それぞれの特徴点の並びと座標とを対応させて各特徴点の配置状態を把握することができ、精度の高い指紋照合を行うことが可能になる。特に、2つの異なる方向について抽出した分散パターンを配置パターンとすることにより、指紋に含まれる特徴点の配置を正確に把握することが可能になる。
【0039】
また、あらかじめ格納された登録指紋画像の配置パターンを順番に読み出して、照合指紋画像の配置パターンと比較することにより、容易に類似する登録指紋画像の検索を行うことができ、比較対象となる登録指紋画像が多い場合であっても処理が煩雑にならず、処理の簡略化が可能になる。また、図6に示したデータベース作成装置を用いることにより、照合対象となる登録指紋画像を適宜追加することが可能になる。
【0040】
また、照合指紋画像に対応する特徴点の中から、照合対象となる登録指紋画像の配置パターンに含まれる特徴点の数とほぼ等しい特徴点が含まれる照合範囲を設定することにより、登録指紋画像毎に異なる配置パターンの存在位置を限定することが可能になり、処理の簡略化および処理時間の短縮が可能になる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態の指紋照合処理部130やデータベース作成部220の各動作を、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータによって実施するようにしてもよい。この場合には、ROMやRAMあるいはその他の記憶装置(ハードディスク装置等)に格納された指紋照合プログラム(図7に示す各ステップを実行したり、指紋照合処理部130やデータベース作成部220の各部の機能を実現するためのプログラム)をCPUで実行すればよい。
【0042】
また、上述した実施形態では、指紋画像の隆線に含まれる分岐点と端点を特徴点として抽出したが、隣接する隆線に挟まれた谷線にも同じような分岐点や端点が含まれるため、これらを特徴点として抽出して指紋照合を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施形態の指紋照合装置の構成を示す図である。
【図2】照合指紋画像に含まれる特徴点の具体例を示す図である。
【図3】配置パターン抽出の具体例を示す図である。
【図4】配置パターン抽出の具体例を示す図である。
【図5】配置パターン抽出の具体例を示す図である。
【図6】登録指紋画像についてあらかじめ配置パターンの抽出を行って指紋DBに対する登録を行うデータベース作成装置の構成を示す図である。
【図7】指紋照合処理部において照合指紋画像に基づく指紋照合を行う動作手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0044】
110、210 指紋画像入力部
120 指紋DB(データベース)
130 指紋照合処理部
132、221 前処理部
134、222 特徴点抽出部
136、223 照合範囲設定部
138、224 配置パターン抽出部
140 類似度判定処理部
142 照合結果出力処理部
150、230 操作部
160、240 表示部
220 データベース作成部
225 ファイル作成処理部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6