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明細書 :多成分溶液組成測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4474538号 (P4474538)
公開番号 特開2006-322824 (P2006-322824A)
登録日 平成22年3月19日(2010.3.19)
発行日 平成22年6月9日(2010.6.9)
公開日 平成18年11月30日(2006.11.30)
発明の名称または考案の名称 多成分溶液組成測定方法
国際特許分類 G01N   9/36        (2006.01)
FI G01N 9/36 A
請求項の数または発明の数 6
全頁数 5
出願番号 特願2005-146639 (P2005-146639)
出願日 平成17年5月19日(2005.5.19)
審査請求日 平成19年11月8日(2007.11.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】久保 真治
【氏名】中島 隼人
個別代理人の代理人 【識別番号】100089705、【弁理士】、【氏名又は名称】社本 一夫
【識別番号】100140109、【弁理士】、【氏名又は名称】小野 新次郎
【識別番号】100075270、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 泰
【識別番号】100080137、【弁理士】、【氏名又は名称】千葉 昭男
【識別番号】100096013、【弁理士】、【氏名又は名称】富田 博行
【識別番号】100092015、【弁理士】、【氏名又は名称】桜井 周矩
【識別番号】100093713、【弁理士】、【氏名又は名称】神田 藤博
【識別番号】100091063、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 英夫
【識別番号】100102727、【弁理士】、【氏名又は名称】細川 伸哉
【識別番号】100117813、【弁理士】、【氏名又は名称】深澤 憲広
【識別番号】100123548、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 晃二
審査官 【審査官】▲高▼見 重雄
参考文献・文献 特開平06-273306(JP,A)
特開昭63-014686(JP,A)
特開昭61-118645(JP,A)
調査した分野 G01N 9/36
特許請求の範囲 【請求項1】
O、HI、Iを含む多成分溶液に一定温度条件且つ一定圧力条件下でIが飽和溶解度に達するまでIを添加して固相及び液相1を出現させ、液相1の示強変数を測定し、予め求めておいた当該示強変数と組成との関係から、当該液相1の組成を求める方法。
【請求項2】
前記示強変数は、密度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多成分溶液はさらにHSOを含み、当該多成分溶液に一定温度条件且つ一定圧力条件下でIが飽和溶解度に達するまでIを添加して固相及び液相1並びに液相2を出現させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
O、HI、Iを含む多成分溶液に一定温度条件且つ一定圧力条件下でIが飽和溶解度に達するまでIを添加して固相及び液相1を出現させ、液相1を滴定分析してHO、HI、Iのモル分率を求め、液相1の密度を計測し、モル分率と密度とを関連づける組成曲線及び密度曲線を作成し、
被験対象であるHO、HI、Iを含む多成分溶液に、一定温度条件且つ一定圧力条件下でIが飽和溶解度に達するまでIを添加して固相及び液相1を出現させ、液相1の密度を測定し、
液相1の密度に相当する液相1の組成を、密度曲線に対応する組成曲線から求める、方法。
【請求項5】
前記多成分溶液はさらにHSOを含み、当該多成分溶液に一定温度条件且つ一定圧力条件下でIが飽和溶解度に達するまでIを添加して固相及び液相1並びに液相2を出現させる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を熱化学水素製造法であるISプロセスに用いる、当該プロセスの運転管理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの示強変数を測定することにより、化学プロセス等に用いる多成分溶液の組成を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学プロセスを実施し、適切に管理するためには、使用する溶液の組成測定が重要である。3成分以上の多成分溶液の組成を測定する方法には、サンプリングした溶液に対して滴定分析法やイオンクロマトグラフィー法や質量分析法や分光分析法を行う方法が知られている。又、溶液の音速計と導電率計等の複数の物理量を計測器で同時測定して、これらを演算して算出する方法が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、化学プロセスを連続的に実施するためには、溶液組成測定を、オンライン且つ簡便に実施できることが望ましい。前記測定方法でサンプリングを要するものは、サンプリング及び測定そのものに時間を要し、測定結果を得るまでに遅延が生じる。又、前記複数の物理量の測定をする方法においては、測定器の数が複数個となり、更に演算も複雑なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。本発明は、多成分溶液中の相の数が増加するように、多成分溶液の組成調整を行うことにより、測定が必要な物理量を一つに絞ると同時に、密度計に代表される、迅速且つ簡便な測定が容易に可能な測定器を用いることを要旨とする。
【0005】
即ち、本発明は、一定の温度条件、圧力条件下において、3成分或いは4成分の多成分溶液中の溶液組成を調整することにより、多成分溶液中に固相或いは液相或いはそれら両方を出現させて混相溶液とすることを特徴とし、混相溶液中の主たる液相部において、密度に代表される一つの示強変数を測定して、更に示強変数と組成と予め関連づけておくことにより、混相溶液中の主たる液相部の組成を得ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、多成分溶液中の一成分の組成調整を行うことにより、その多成分溶液中に固相、液相又はそれら両方を出現させ、その混相溶液中の主たる液相部の一つの示強変数を測定して、混相溶液中の主たる液相部の組成を得ることができることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態の一例を添付した図1及び図2を用いて説明する。本例は、H20,HI,I2,H2SO4で構成される4成分の多成分溶液に本発明を適用したものである。70℃、大気圧の一定条件下において、図1に示されるとおり、前記多成分溶液に、更なるI2を添加して成分を調整し、溶液中に、固相1と液相2を新たに出現させて、固相1、液相1及び液相2と全部で3相の混相溶液とした。固相1は、I2が飽和状態となり析出したものであり、液相2は、主たる液相部の液相1と互いに液液分離して生じたものである。
【実施例】
【0008】
以下、図1に示される一実施形態について、本発明の方法を適用して多成分溶液の組成を測定する方法を説明する。
図2に示される曲線1は、この混相溶液をサンプリングして、滴定分析法で組成を定量化したものである。図2に示される曲線2は、液相1の示強変数たる密度を密度計にて測定したものである。液相1において、H2SO4の含有量は微小であるので、本例では、これを無視した。予め取得した曲線1及び曲線2を用いることにより、液相1の組成を密度のみから得ることができる。
【0009】
このように、本発明では、化学プロセスにおける溶液内の多成分溶液の組成を、滴定分析法を用いることなく、密度計を用いるだけで、迅速且つ簡便に得ることができることを示している。
【0010】
即ち、図2に示されるように、予め、Iを添加し飽和状態とした時のHO,HI及びIから成る混相溶液の液相1のIのモル分率に関する組成曲線、及びこの混相溶液の液相1の密度曲線を作成しておいた場合には、実際の測定対象の溶液にIを加え、得られた液相1の密度を測定し、その密度に相当する液相1のIのモル分率は、曲線2に対応する曲線1から得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
熱化学水素製造法であるISプロセスは、原子力の熱と水だけから水素を製造でき、二酸化炭素を出さない方法として産業化の期待が高まっている。このISプロセスは、H2O,HI,I2,H2SO4の多成分溶液の処理を行う化学プロセスである。本発明によれば、ISプロセスで取り扱う多成分溶液の組成を迅速且つ簡便に得ることができ、プロセスの運転管理に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】H2O,HI,I2,H2SO4で構成される多成分混相溶液の相分離した状態を示す図である。
【図2】I飽和条件における液相1の組成及び密度を示す図である。
図面
【図2】
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【図1】
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