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明細書 :電解加工方法および電解加工装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4892718号 (P4892718)
公開番号 特開2007-021632 (P2007-021632A)
登録日 平成24年1月6日(2012.1.6)
発行日 平成24年3月7日(2012.3.7)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
発明の名称または考案の名称 電解加工方法および電解加工装置
国際特許分類 B23H   5/02        (2006.01)
B23H   5/12        (2006.01)
FI B23H 5/02
B23H 5/12
請求項の数または発明の数 3
全頁数 10
出願番号 特願2005-205798 (P2005-205798)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成17年2月22日から23日 国立大学法人富山大学主催の「平成16年度 理工学研究科機械知能システム工学専攻 修士論文発表会」において文書をもって発表
特許法第30条第1項適用 平成17年3月1日 社団法人精密工学会発行の「2005年度 精密工学会春季大会 学術講演会講演論文集」に発表
特許法第30条第1項適用 平成17年3月3日 国立大学法人富山大学主催の「平成16年度『制御システム工学』卒業研究発表会」において文書をもって発表
審査請求日 平成20年6月9日(2008.6.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】小原 治樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100088155、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100113435、【弁理士】、【氏名又は名称】黒木 義樹
審査官 【審査官】山崎 孔徳
参考文献・文献 特開昭53-072290(JP,A)
特公昭36-022697(JP,B1)
特開平09-285917(JP,A)
調査した分野 B23H 1/00 - 11/00
特許請求の範囲 【請求項1】
被加工物と電極との間に電解液を満たした状態で前記被加工物と前記電極とに電圧パルスを周期的に印加するとともに、前記電圧パルスより高電圧の高電圧パルスを前記電圧パルスの周期とは異なる周期で印加して、前記電圧パルスの印加箇所において前記被加工物に形成された不働態膜を、前記高電圧パルスにより破りながら前記被加工物を加工する電解加工方法であって、
前記電解液の濃度は、前記電圧パルスのみが印加されたときに前記被加工物における前記電圧パルスの印加箇所の周囲の前記不働態膜で覆われた部分の電解加工速度が略ゼロとなるように調整されていることを特徴とする電解加工方法。
【請求項2】
前記高電圧パルスの周期は、前記電圧パルスの周期に比べて長いことを特徴とする請求項1に記載の電解加工方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電解加工方法の実施に用いられる電解加工装置において、
被加工物と電極との間に電解液を供給する電解液供給手段と、
前記被加工物と前記電極とに電圧パルスを周期的に印加するとともに、前記被加工物に形成された不働態膜を破る、前記電圧パルスより高電圧の高電圧パルスを前記電圧パルスの周期とは異なる周期で印加する電源と、を備えることを特徴とする電解加工装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電解加工方法および電解加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塩化ナトリウム(NaCl)や硝酸ナトリウム(NaNO)などの電解液中で電極(-極)・ワーク(+極)間に5~20V程度の電圧を印加して電流を流し、電気化学反応によりワーク金属を溶出させて加工を行う電解加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。電解加工では電極形状を転写した形状にワークが加工され、切削加工などでは加工することが困難な複雑な形状の加工を行うことができる。また、電解加工方法は、電極面積に応じて電流を増すことができるため量産性が高く、加工による残留応力の発生がなく、面粗さも小さい、などの特徴を持つ。

【特許文献1】特開平09-285917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電解加工方法は、エッジ部分での形状だれが大きいなど、加工精度が悪く微細加工を行うことが困難である。印加電圧のパルス化や逆パルスを加えることにより加工精度を若干改善することができるが、十分ではない。そのため、加工精度の向上が望まれていた。
【0004】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、加工精度を向上することが可能な電解加工方法および電解加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電解加工方法は、被加工物と電極との間に電解液を満たした状態で被加工物と電極とに電圧パルスを周期的に印加するとともに、電圧パルスより高電圧の高電圧パルスを電圧パルスの周期とは異なる周期で印加して、電圧パルスの印加箇所において被加工物に形成された不働態膜を破りながら被加工物を加工する電解加工方法であって、電解液の濃度は、電圧パルスのみ印加されたときに被加工物における電圧パルスの印加箇所の周囲の不働態膜で覆われた部分の電解加工速度が略ゼロとなるように調整されていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る電解加工装置は、上記電解加工方法の実施に用いられる電解加工装置において、被加工物と電極との間に電解液を供給する電解液供給手段と、被加工物と電極とに電圧パルスを周期的に印加するとともに、被加工物に形成された不働態膜を破る、上記電圧パルスより高電圧の高電圧パルスを電圧パルスの周期とは異なる周期で印加する電源とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る電解加工方法または電解加工装置によれば、電解液の濃度が電圧パルスのみを印加したとき、すなわち高電圧パルスを印加しないときに不働態膜で覆われた被加工物の電解加工がほとんど進行しない濃度に調整されているため、間欠的に印加される高電圧パルスにより不働態膜が破られた箇所では電圧パルスによる電解加工が進行するが、不働態膜が破られない箇所では被加工物が不働態膜で保護されるため電解加工がほとんど進行しない。そのため高精度な電解加工が可能となる。
【0008】
本発明に係る電解加工方法では、上記高電圧パルスの周期が、電圧パルスの周期に比べて長いことが好ましい。
【0009】
この場合、高電圧パルスは主として不働態膜の除去に利用され、低電圧パルスが主として電解加工の進行を決定する。そのため、電解加工の加工精度を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電圧パルスのみを印加したときに被加工物の電解加工速度が略ゼロとなるように濃度が調整された電解液を満たした状態で被加工物と電極とに電圧パルスを周期的に印加するとともに、被加工物に形成された不働態膜を破る高電圧パルスを電圧パルスと異なる周期で印加する構成としたので、電解加工の加工精度を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。
【0012】
まず、図1、2を用いて、本実施形態に係る電解加工装置1の構成を説明する。図1は、電解加工装置1の全体構成を示す図である。図2は、電解加工装置1に用いられる加工電源40の概略構成を示す図である。
【0013】
電解加工装置1は、床などに載置されるベース12と、ベース12上に垂直に立設された支持部14とを備えている。支持部14の側部にはZ軸モータ15により昇降されるZ軸機構部16が設けられており、このZ軸機構部16には電極取り付け部18が固定されている。電極取り付け部18の下部には電極20が軸周りに回動可能に取り付けられている。
【0014】
また、ベース12上にはXY軸モータ23が配置され、このXY軸モータ23上に水平面上で直行2方向に移動可能なXYテーブル22が配置されている。XYテーブル22は、XY軸モータ23により駆動される。XYテーブル22の上面には、ワーク(被加工物)26が固定された加工槽24が配置されている。XY軸モータ23およびZ軸モータ15は、図示しない電子制御装置により制御される。XYテーブル22が、XY軸モータ23により駆動され、水平方向に移動されることにより、電極20に対するワーク26の位置決めが行われる。また、Z軸機構部16が、Z軸モータ15により駆動され、上下方向に移動されることにより、電極20とワーク26とのギャップが調節される。
【0015】
タンク30には、硝酸ナトリウムや塩化ナトリウムなどの水溶液からなる電解液が貯留されている。タンク30内の電解液が循環路31に設けられたポンプ32によって加工槽24に供給され、ワーク26と電極20とが加工槽に溜められた電解液中に浸漬される。電解加工中、加工槽24に溜められた電解液はポンプ32により上記循環路31を通して循環され、その循環途中でフィルタ34によってスラッジなどが除去される。
【0016】
ここで、従来の電解加工に用いられる電解液の濃度は通常10~30重量%程度であるが、本実施形態では約1重量%~0.04重量%程度、より好適には約0.5重量%程度の濃度の電解液を用いる。ここで、図4に電解液の濃度(または比抵抗)と電圧パルスと加工速度との関係を示す。図4の横軸は電解液の濃度(重量%)(または比抵抗(Ωm))であり、縦軸は加工速度(μm/s)である。
【0017】
図4に●(印加電圧15V)または▲(印加電圧5V)で示されるように、電圧パルスのみを印加した場合、電解液の濃度が低下するにしたがい加工速度が低下し、濃度が約1重量%~0.04重量%程度の領域では、ワーク26の表面に形成された不働態膜により電解加工がほとんど進行しない。しかし、電圧パルスに加え後述する高電圧パルスを印加すると、図4に○または△で示されるように、加工速度が増大し、電解加工が進行する。
【0018】
電解加工装置1は加工電源40を備えている。電極20は加工電源40の-極に接続されており、ワーク26は加工電源40の+極に接続されている。加工電源40は、例えば5~15V程度の電圧パルスを所定の周期(例えば、500KHz程度)で電極20とワーク26との間に印加するとともに、電圧パルスより高電圧(例えば、75~100V程度)の高電圧パルスを電圧パルス(高電圧パルスと明確に区別するため、以下「低電圧パルス」という)よりも長い周期(例えば、20Hz~1KHz程度)で印加する。
【0019】
図2に示されるように、加工電源40は、低電圧パルスを生成する低電圧パルス回路41と、高電圧パルスを生成する高電圧パルス回路42とが並列に接続されて構成されている。そのため、各電圧パルスのON・OFFを適切に制御することにより、図3に模式的に示されるように、低電圧パルス回路41で生成された低電圧パルスと、高電圧パルス回路42で生成された高電圧パルスとが重畳され、電極20とワーク26との間に印加される。なお、図3は、加工電源40の出力波形、すなわち電極20・ワーク26間に印加されるパルス波形を模式的に示したものである。
【0020】
図2に戻り、より詳細に説明すると、低電圧パルス回路41は、アノード端子が電極20に接続された低電圧パルス回路保護用ダイオード43、その-極がダイオード43のカソード端子に接続された低電圧源44、ドレイン端子が低電圧源44の+端子に接続されるとともにソース端子がワーク26に接続され、スイッチング動作を行う第1パワーMOSFET45、および第1パワーMOSFET45のゲート端子に接続され第1パワーMOSFET45をスイッチングさせる信号を発生する第1パルスジェネレータ46などを有して構成されている。
【0021】
一方、高電圧パルス回路42は、その-極が電極20に接続された高電圧源47、その一端が高電圧源47の+極に接続された電流制限抵抗48、ドレイン端子が電流制限抵抗48の他端に接続されるとともにソース端子がワーク26に接続され、スイッチング動作を行う第2パワーMOSFET49、および第2パワーMOSFET49のゲート端子に接続され第2パワーMOSFET49をスイッチングさせる信号を発生する第2パルスジェネレータ50などを有して構成されている。
【0022】
次に、穴加工を行う場合を例にして、電解加工装置1の動作および電解加工方法について説明する。まず、円柱状の電極20を電極取り付け部18に固定する。次に、電極20を加工電源40の-極に接続するとともに、ワーク26を加工電源40の+極に接続する。続いて、XY軸モータ23、Z軸モータ15それぞれを駆動してXYテーブル22およびZ軸機構部16を移動し、電極20とワーク26とを所定のギャップ(例えば、0.1mm~0.7mm)を置いて対向配置する。
【0023】
ポンプ32を駆動して電極20とワーク26とのギャップに電解液を供給する。供給される電解液としては、例えば0.5重量%の硝酸ナトリウム水溶液などを用いる。そして、ギャップ間に電解液を満たした状態で、例えば電圧15V、パルス幅1μsの低電圧パルスを500KHz周期で印加するとともに、例えば電圧75V、パルス幅10μsの高電圧パルスを1KHz周期で印加してワーク26の電解加工を行う。
【0024】
電解加工中は、加工電流が一定となるようにZ軸モータ15を駆動して電極20を下方に移動する。また、タンク30に貯留されている電解液をポンプ32によって加工部に圧送するとともに、加工槽24中の電解液をフィルタ34を介してタンク30に回収する。
【0025】
本実施形態によれば、電解液の濃度が低電圧パルスのみを印加したとき、すなわち高電圧パルスを印加しないときに不働態膜で覆われたワーク26の電解加工がほとんど進行しない濃度に調整されているため、間欠的に印加される高電圧パルスにより不働態膜が破られた箇所では低電圧パルスによる電解加工が進行するが、不働態膜が破られない箇所ではワーク26が不働態膜で保護されるため電解加工がほとんど進行しない。そのため高精度な電解加工が可能となる。
【0026】
また、本実施形態によれば、低電圧パルスが所定の周期(例えば、500KHz程度)で電極20とワーク26との間に印加されるとともに、高電圧パルスが低電圧パルスよりも長い周期(例えば、20Hz~1KHz程度)で印加される。そのため、高電圧パルスは主として不働態膜の除去に利用され、低電圧パルスが主として電解加工の進行を決定する。その結果、電解加工の加工精度を向上させることが可能となる。
【0027】
また、高電圧パルスの印加条件(パルス幅や電圧値など)によっては電極20とワーク26とのギャップ間に放電が発生することがあるが、本実施形態では、放電が生じない条件でも電解加工を行うことができ、放電は必ずしも必要ではない。本実施形態によれば、高電圧パルスのパルス周期を長くすること、または高電圧パルスのパルス幅を短くすることによって、ギャップ間の放電が抑制されるので、電極20の消耗を抑制または無くすことが可能となる。
【0028】
従来の電解加工では、電解加工中に秒速6~60mの電解液の高速噴流をギャップ間に送ることが必要であった。そのため、深い加工を行うときには、電極に多数の噴射穴を設ける必要があった。電極に噴射穴を設けることが困難な場合には、加工深さが制限された。しかしながら、本実施形態によれば、電解加工時に電解液の高速噴流をギャップ間に送る必要がないため、電極に噴射穴を設けることなく深穴の加工を行うことが可能となる。より具体的には、従来の電解加工の加工限界深さは1.8mm程度であるが、本実施形態の場合は約3.5mmの加工深さが得られた。
【0029】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、加工電源40は、低電圧パルスおよび高電圧パルスを電極20とワーク26との間に印加することができればよく、その回路構成は本実施形態に限られない。
【0030】
また、電解液やワーク26などの種類は上記実施形態に限られないことは言うまでもない。さらに、上述した電解液濃度、低電圧パルスおよび高電圧パルスの印加電圧、パルス幅や周期などは、本実施形態に限られることなく、電解液の種類、ワーク26の材質、要求加工精度や要求加工速度などに応じて適切に設定することが好ましい。
【0031】
次に、本発明の内容を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
(実施例1)
直径0.35mmのタングステン電極を用い、SUS板(SUS304)の穴加工を行った。電解液には0.5重量%の硝酸ナトリウム溶液を用いた。この濃度では、SUS板の表面に形成された不働態膜により電解加工がほとんど進行しない。
【0033】
15Vの低電圧パルス(ON:OFF=1μs:1μs)を印加するとともに、1msごとに約75V、最大電流30A、パルス幅10μsの高電圧パルスを印加して、深さ約0.5mmの穴加工を行った。本実施例の加工断面形状を図5に示す。
【0034】
(比較例1)
比較例1では、実施例1に対して高電圧パルスを印加せずに電解加工を行った。また、高電圧パルスを印加しない場合、0.5重量%の電解液濃度では電解加工が進行しないため、濃度5重量%の硝酸ナトリウム溶液を用いた。その他の条件は実施例1と同様とした。比較例1の加工断面形状を図6に示す。
【0035】
図5に示された実施例1の加工断面形状は、図6に示された比較例1の加工断面形状と比較して、開口部のだれや加工穴側面の広がりが格段に小さくなっている。このように、加工精度の向上が確認された。
【0036】
また、副次的効果として、比較例1の加工面は黒色であるが、実施例1の加工面は金属光沢を有している。高電圧パルスの印加により、電流密度が高くなったことが金属光沢面が得られた理由と考えられる。
【0037】
(比較例2)
比較例2では、濃度5重量%の硝酸ナトリウム溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして電解加工を行った。比較例2の加工精度は比較例1の場合とほぼ同等であった。
【0038】
実施例1、比較例1および比較例2から、加工精度の向上には、電解液の濃度を高電圧パルスが印加されない場合にはほとんど電解加工が進行しない程度に設定すること、および高電圧パルスの印加が重要であることが確認された。
【0039】
(実施例2)
実施例2では、高電圧パルスの印加間隔を1ms毎から50ms毎に変更した以外は、実施例1と同様にして電解加工を行った。実施例2の加工断面形状を図7に示す。高電圧パルスを印加する際に電極20とワーク26とのギャップ間に放電が生じ電極20が消耗する。実施例1での電極消耗率は2.5%であった。この電極消耗のため、実施例1では、加工穴底面の角部がやや丸くなっている。実施例2では、高電圧パルスの印加間隔を1ms毎から50ms毎にすることにより、電極消耗が1%以下となり、加工穴底部の角部の形状がシャープになった。実施例2によれば、電極消耗を抑制するとともに加工精度をさらに向上できることが確認された。なお、加工速度はほとんど低下しなかった。
【0040】
(実施例3)
高電圧パルスのパルス幅を6μs以下にすると電極20とワーク26とのギャップ間に放電が発生しなくなる。実施例3では、高電圧パルスのパルス幅を4μsとし、放電が観察されない状態で電解加工を行った。その他の条件は実施例1と同様とした。実施例3の加工断面形状を図8に示す。図8に示されるように、放電の有無にかかわらず加工が可能であることが確認できた。この理由は、高電圧パルスを印加すると放電が発生しなくてもワーク26の不働態膜が破られ、表面の電解電流密度が増加して気泡が発生し、不働態膜や陽極生成物を除去するためと考えられる。実施例3によれば、電極20をまったく消耗させることなく高精度な電解加工を行えることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態に係る電解加工装置の全体構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る電解加工装置に用いられる電源の概略構成を示す図である。
【図3】電極・ワーク間に印加される電圧パルスの波形を示す模式図である。
【図4】電解液の濃度と加工速度との関係を示す図である。
【図5】実施例1の加工断面形状を示す図である。
【図6】比較例1の加工断面形状を示す図である。
【図7】実施例2の加工断面形状を示す図である。
【図8】実施例3の加工断面形状を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…電解加工装置、12…ベース、14…支持部、15…Z軸モータ、16…Z軸機構部、18…電極取り付け部、20…電極、22…XYテーブル、23…XYモータ、24…加工槽、26…ワーク、30…タンク、31…循環路、32…ポンプ、34…フィルタ、40…加工電源、41…低電圧パルス回路、42…高電圧パルス回路。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7