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明細書 :膝関節運動測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4752052号 (P4752052)
公開番号 特開2007-020881 (P2007-020881A)
登録日 平成23年6月3日(2011.6.3)
発行日 平成23年8月17日(2011.8.17)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
発明の名称または考案の名称 膝関節運動測定装置
国際特許分類 A61B   5/11        (2006.01)
A61F   2/76        (2006.01)
FI A61B 5/10 310G
A61F 2/76
請求項の数または発明の数 1
全頁数 12
出願番号 特願2005-207555 (P2005-207555)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
審査請求日 平成20年7月7日(2008.7.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】浦辺 幸夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100147485、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 憲司
【識別番号】100101096、【弁理士】、【氏名又は名称】徳永 博
【識別番号】100107227、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 史朗
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
【識別番号】100119530、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 和幸
審査官 【審査官】早川 貴之
参考文献・文献 特開2004-283607(JP,A)
特開平09-229667(JP,A)
調査した分野 A61B 5/11
A61F 2/76
特許請求の範囲 【請求項1】
大腿に装着固定される大腿カフ(1)と、
下腿に装着固定される下腿カフ(2)と、
前記大腿カフに、大腿の延在方向に直交する方向に延在する第1の軸線(C1)周りに回動可能に連結された第1の連結部材(3)と、
前記大腿カフと前記第1の連結部材との間の前記第1の軸線周りの回動角を検出する第1の角度検出手段(4)と、
前記第1の連結部材に、大腿の延在方向と直交するとともに前記第1の軸線とも直交する方向に延在する第2の軸線(C2)周りに回動可能に連結された第2の連結部材(5)と、
前記第1の連結部材と前記第2の連結部材との間の前記第2の軸線周りの回動角を検出する第2の角度検出手段(6)と、
前記第2の連結部材に所定方向へ直線移動可能に連結された第3の連結部材(8)と、
前記第2の連結部材と前記第3の連結部材との間の前記直線移動の移動量を検出する直線移動量検出手段(9)と、
前記下腿カフに、下腿の延在方向に直交する方向に延在する第3の軸線(C3)周りに回動可能に連結された第4の連結部材(10)と、
前記下腿カフと前記第4の連結部材との間の前記第3の軸線周りの回動角を検出する第3の角度検出手段(11)と、
前記第4の連結部材に、下腿の延在方向と直交するとともに前記第3の軸線とも直交する方向に延在する第4の軸線(C4)周りに回動可能に連結され、かつ前記第3の軸線と前記第4の軸線とに直交して前記直線移動方向に延在する第5の軸線(C5)周りに回動可能に前記第3の連結部材にも連結された第5の連結部材(12)と、
前記第4の連結部材と前記第5の連結部材との間の前記第4の軸線周りの回動角を検出する第4の角度検出手段(13)と、
前記第3の連結部材と前記第5の連結部材との間の前記第5の軸線周りの回動角を検出する第5の角度検出手段(14)と、を具え
さらに、前記第1の角度検出手段の検出した角度と、前記第2の角度検出手段の検出した角度と、前記第3の角度検出手段の検出した角度と、前記第4の角度検出手段の検出した角度と、前記第5の角度検出手段の検出した角度と、前記直線移動量検出手段の検出した直線移動量とから演算により、前記大腿カフと前記下腿カフとの間の移動状態を直角座標系で三次元的に求めて出力する三次元移動状態演算手段を具えてなる、膝関節運動測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、膝関節の運動を従来よりも厳密かつ詳細に測定するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膝関節の障害は、スポーツ選手、高齢者を含めてたいへん多い。それゆえ、膝関節損傷の程度や、正常膝関節との差異を明らかにすることは、診断、評価、治療、治療効果の判定の何れにおいても重要である。
【0003】
膝関節の運動解析は、さまざまな方法で行われており、最も多いのは、膝関節の周囲の皮膚に複数のマーカを貼り着け、それらのマーカをビデオ撮影して、空間でのマーカの座標変位を2次元または3次元で解析するものである。
【0004】
また、三つのロータリエンコーダを互いに直交する方向に組合せて膝の横に配置するとともにそれらのロータリエンコーダのうちの二つを大腿と下腿とにそれぞれ固定し、さらに膝頭の上にパッドを当ててそのパッドの動きを下腿に固定した別のロータリエンコーダで測定し、それらのロータリエンコーダの出力信号を解析することで膝関節の運動を測定する装置も知られている(非特許文献1参照)。

【非特許文献1】The American Journal of Sports Medicine Vol. 32, No. 5, 2004のP1250-P1255に記載の“Knee Translation in ALC-Deficient Patients”中、図1にて紹介されたCA-4000 Electrogoniometer 参照
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、皮膚に貼り着けたマーカをビデオ撮影する方法では、極めて大まかな運動しか測定することができなかった。
【0006】
また、実際の膝関節では屈曲中心は固定されていず釣り針状に移動することから、互いに直交する方向に組合せた三つのロータリエンコーダで測定する方法では、それらのロータリエンコーダの位置を厳密に位置決めしてしまうと膝関節の屈伸ができなくなるため平行リンクを介在させて適当に動きを逃がしているので、これも膝関節の運動を厳密かつ詳細に測定することはできなかった。そして膝頭の上に当てたパッドの動きをロータリエンコーダで測定する方法では、ジャンプ着地等の激しい動きをするとパッドが膝頭から外れてしまって測定できないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、この発明の膝関節運動測定装置は、大腿に装着固定される大腿カフと、下腿に装着固定される下腿カフと、前記大腿カフに、大腿の延在方向に直交する方向に延在する第1の軸線周りに回動可能に連結された第1の連結部材と、前記大腿カフと前記第1の連結部材との間の前記第1の軸線周りの回動角を検出する第1の角度検出手段と、前記第1の連結部材に、大腿の延在方向と直交するとともに前記第1の軸線とも直交する方向に延在する第2の軸線周りに回動可能に連結された第2の連結部材と、前記第1の連結部材と前記第2の連結部材との間の前記第2の軸線周りの回動角を検出する第2の角度検出手段と、前記第2の連結部材に所定方向へ直線移動可能に連結された第3の連結部材と、前記第2の連結部材と前記第3の連結部材との間の前記直線移動の移動量を検出する直線移動量検出手段と、前記下腿カフに、下腿の延在方向に直交する方向に延在する第3の軸線周りに回動可能に連結された第4の連結部材と、前記下腿カフと前記第4の連結部材との間の前記第3の軸線周りの回動角を検出する第3の角度検出手段と、前記第4の連結部材に、下腿の延在方向と直交するとともに前記第3の軸線とも直交する方向に延在する第4の軸線周りに回動可能に連結され、かつ前記第3の軸線と前記第4の軸線とに直交して前記直線移動方向に延在する第5の軸線周りに回動可能に前記第3の連結部材にも連結された第5の連結部材と、前記第4の連結部材と前記第5の連結部材との間の前記第4の軸線周りの回動角を検出する第4の角度検出手段と、前記第3の連結部材と前記第5の連結部材との間の前記第5の軸線周りの回動角を検出する第5の角度検出手段と、を具え、さらに、前記第1の角度検出手段の検出した角度と、前記第2の角度検出手段の検出した角度と、前記第3の角度検出手段の検出した角度と、前記第4の角度検出手段の検出した角度と、前記第5の角度検出手段の検出した角度と、前記直線移動量検出手段の検出した直線移動量とから演算により、前記大腿カフと前記下腿カフとの間の移動状態を直角座標系で三次元的に求めて出力する三次元移動状態演算手段を具えてなるものである。

【発明の効果】
【0008】
かかるこの発明の膝関節運動測定装置にあっては、大腿カフを大腿に装着固定するとともに、下腿カフを下腿に装着固定して脚を屈伸、内外旋、内外反すると、その大腿カフとそれに大腿の延在方向に直交する方向に延在する第1の軸線周りに回動可能に連結された第1の連結部材との間のその第1の軸線周りの回動角を第1の角度検出手段が検出し、その第1の連結部材とそれに大腿の延在方向と直交するとともに前記第1の軸線とも直交する方向に延在する第2の軸線周りに回動可能に連結された第2の連結部材との間のその第2の軸線周りの回動角を第2の角度検出手段が検出し、その第2の連結部材とそれに所定方向へ直線移動可能に連結された第3の連結部材との間の前記直線移動の移動量を直線移動量検出手段が検出する。
【0009】
さらにこの発明の膝関節運動測定装置にあっては、前記下腿カフとそれに下腿の延在方向に直交する方向に延在する第3の軸線周りに回動可能に連結された第4の連結部材との間のその第3の軸線周りの回動角を第3の角度検出手段が検出し、その第4の連結部材とそれに下腿の延在方向と直交するとともに前記第3の軸線とも直交する方向に延在する第4の軸線周りに回動可能に連結され、かつ前記第3の軸線と前記第4の軸線とに直交して前記直線移動方向に延在する第5の軸線周りに回動可能に前記第3の連結部材にも連結された第5の連結部材との間の前記第4の軸線周りの回動角を第4の角度検出手段が検出し、そして前記第3の連結部材と前記第5の連結部材との間の前記第5の軸線周りの回動角を第5の角度検出手段が検出する。
【0010】
従って、この発明の膝関節運動測定装置によれば、膝関節の屈伸、内外旋、内外反に対応する大腿カフと下腿カフとの間の移動状態を回動5自由度および直線移動1自由度の合計6自由度の動きから幾何学的に三次元的に求めることができるので、膝関節の運動を厳密かつ詳細に測定することができる。
【0012】
また、三次元移動状態演算手段を具えているので、大腿カフと下腿カフとの間の移動状態を直角座標系で三次元的に求めることができ、膝関節の運動をより理解しやすい形で測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の膝関節運動測定装置の一実施例を膝関節を伸ばした脚への装着状態で示す斜視図、図2は、その実施例の膝関節運動測定装置の、大腿カフと下腿カフとを除いた構成を示す斜視図、図3は、上記実施例の膝関節運動測定装置の構成を示すスケルトン図、図4は、上記実施例の膝関節運動測定装置を膝関節を外旋させた脚への装着状態で示す斜視図、そして図5は、上記実施例の膝関節運動測定装置用のキャリブレーション治具を例示する正面図である。
【0014】
この実施例の膝関節運動測定装置は、図1~図3に示すように、面ファスナで周長を調節されて大腿THに装着固定される大腿カフ1と、面ファスナで周長を調節されて下腿LTに装着固定される下腿カフ2と、大腿カフ1に、大腿THの延在方向に直交する方向に延在する第1の軸線C1周りに回動可能に連結された断面L字状の第1の連結部材3と、大腿カフ1と第1の連結部材3との間の第1の軸線C1周りの回動角を検出する、第1の角度検出手段としてのロータリエンコーダ4と、第1の連結部材3に、大腿THの延在方向と直交するとともに第1の軸線C1とも直交する方向に延在する第2の軸線C2周りに回動可能に連結された断面L字状の板状の第2の連結部材5と、第1の連結部材3と第2の連結部材5との間の第2の軸線C2周りの回動角を検出する、第2の角度検出手段としてのロータリエンコーダ6と、第2の連結部材5にレール7aとそれに嵌まり合うスライダ7bとを持つ直線移動案内機構7を介して所定方向(図2では略左右方向)へ直線移動可能に連結された断面L字状の板状の第3の連結部材8と、第2の連結部材5と第3の連結部材8との間の前記直線移動の移動量をレール7aに対するスライダ7bの移動量から検出する、直線移動量検出手段としてのリニアエンコーダ9とを具えている。
【0015】
また、この実施例の膝関節運動測定装置は、下腿カフ2に、下腿LTの延在方向に直交する方向に延在する第3の軸線C3周りに回動可能に連結された断面L字状の第4の連結部材10と、下腿カフ2と第4の連結部材10との間の第3の軸線C3周りの回動角を検出する、第3の角度検出手段としてのロータリエンコーダ11と、第4の連結部材10に、下腿LTの延在方向と直交するとともに第3の軸線C3とも直交する方向に延在する第4の軸線C4周りに回動可能に連結され、かつ第3の軸線C3と第4の軸線C4とに直交して前記直線移動方向に延在する第5の軸線C5周りに回動可能に第3の連結部材8にも連結された断面L字状の第5の連結部材12と、第4の連結部材10と第5の連結部材12との間の第4の軸線C4周りの回動角を検出する、第4の角度検出手段としてのロータリエンコーダ13と、第3の連結部材8と第5の連結部材12との間の第5の軸線C5周りの回動角を検出する、第5の角度検出手段としてのロータリエンコーダ14とを具えている。
【0016】
さらに、この実施例の膝関節運動測定装置は、図3に示す如き、大腿Thの中心から軸線C1までの距離d1と、軸線C1の延在方向の軸線C1,C5間の距離d2と、軸線C2の延在方向の軸線C1,C5間の距離d3と、ロータリエンコーダ4の検出した角度θ2と、ロータリエンコーダ6の検出した角度θ3と、ロータリエンコーダ11の検出した角度θ7と、ロータリエンコーダ13の検出した角度θ5と、ロータリエンコーダ14の検出した角度θ4と、リニアエンコーダ9の検出した直線移動量に基づく軸線C2,C4間の距離d4と、軸線C4の延在方向の軸線C3,C5間の距離d5と、軸線C3の延在方向の軸線C3,C5間の距離d6と、下腿LTの中心から軸線C3までの距離d7とから演算により、大腿カフ1と下腿カフ2との間の相対的な移動状態ひいては大腿THと下腿LTとの間の相対的な移動状態を座標変換により直角座標系で三次元的に求めて出力する、三次元移動状態演算手段としての図示しない通常のパーソナルコンピュータを具えている。ここで、d1、d7はこの実施例の装置を大腿Thおよび下腿LTに装着した状態でスケールにより測定した値であり、d2,d3,d5,d6はこの実施例の装置固有の値である。
【0017】
上記パーソナルコンピュータは、具体的には、あらかじめ与えられたプログラムに基づき以下の[数1]および[数2]の演算を行って、膝関節の仮想中心の下方移動量x,前方移動量y,側方移動量zおよび膝関節の仮想中心に対する上腿THの捩れ角φ,下腿LTの捩れ角ψ,上腿TH,下腿LT間の屈曲角θを求める。
【0018】
【数1】
JP0004752052B2_000002t.gif

【0019】
【数2】
JP0004752052B2_000003t.gif

【0020】
図5に示すキャリブレーション治具15は、擬似大腿ATHと擬似下腿ALTとを連結機構16を介して連結したもので、連結機構16は、高精度の回動機構を三個組合せてなり、所定の中心に対する擬似大腿ATHの捩れ角、擬似下腿ALTの捩れ角および擬似大腿ATHと擬似下腿ALT間の屈曲角を目盛りで表示するとともに、それらの角度を0から任意に変化させることができる。
【0021】
このキャリブレーション治具15に上記実施例の膝関節運動測定装置をセットして、擬似大腿ATHの捩れ角、擬似下腿ALTの捩れ角および擬似大腿ATHと擬似下腿ALT間の屈曲角と、上記パーソナルコンピュータが出力する膝関節の仮想中心に対する上腿THの捩れ角φ,下腿LTの捩れ角ψ,上腿TH,下腿LT間の屈曲角θとのキャリブレーションをとった後、図1に示すように、被験者の大腿THに上記実施例の膝関節運動測定装置の大腿カフ1を装着固定するとともに、被験者の下腿LTにその実施例の膝関節運動測定装置の下腿カフ2を装着固定して、被験者の脚を屈伸、内外旋、内外反すると、その大腿カフ1とそれに大腿THの延在方向に直交する方向に延在する第1の軸線C1周りに回動可能に連結された第1の連結部材3との間のその第1の軸線C1周りの回動角をロータリエンコーダ4が検出し、その第1の連結部材3とそれに大腿THの延在方向と直交するとともに第1の軸線C1とも直交する方向に延在する第2の軸線C2周りに回動可能に連結された第2の連結部材5との間のその第2の軸線C2周りの回動角をロータリエンコーダ6が検出し、その第2の連結部材5とそれに所定方向へ直線移動可能に連結された第3の連結部材8との間の直線移動の移動量をリニアエンコーダ9が検出する。
【0022】
さらにここでは、下腿カフ2とそれに下腿LTの延在方向に直交する方向に延在する第3の軸線C3周りに回動可能に連結された第4の連結部材10との間のその第3の軸線C3周りの回動角をロータリエンコーダ11が検出し、その第4の連結部材10とそれに下腿LTの延在方向と直交するとともに第3の軸線C3とも直交する方向に延在する第4の軸線C4周りに回動可能に連結され、かつ第3の軸線C3と第4の軸線C4とに直交して上記直線移動方向に延在する第5の軸線C5周りに回動可能に第3の連結部材8にも連結された第5の連結部材12との間の第4の軸線C4周りの回動角をロータリエンコーダ13が検出し、そして第3の連結部材8と第5の連結部材12との間の第5の軸線C5周りの回動角をロータリエンコーダ14が検出する。
【0023】
そして、上記パーソナルコンピュータが、それらのエンコーダの出力信号に基づき、上述の如くして膝関節の仮想中心の下方移動量x,前方移動量y,側方移動量zおよび膝関節の仮想中心に対する上腿THの捩れ角φ,下腿LTの捩れ角ψ,上腿TH,下腿LT間の屈曲角θを求め、それらの値の時間経過に伴う変化状態をグラフで出力する。
【0024】
図6は、この実施例の膝関節運動測定装置を装着した被験者が台の上から片足でジャンプして着地した際の、膝関節の仮想中心の下方移動量x,前方移動量y,側方移動量zおよび膝関節の仮想中心に対する上腿THの捩れ角φ,下腿LTの捩れ角ψ,上腿TH,下腿LT間の屈曲角θの時間経過に伴う変化状態を、この実施例の膝関節運動測定装置が測定して出力したグラフ、図7はそれらのうちの膝関節の仮想中心の下方移動量x,前方移動量y,側方移動量zおよび上腿TH,下腿LT間の屈曲角θを抽出したグラフ、そして図8はそれらのうちの膝関節の仮想中心に対する上腿THの捩れ角φ,下腿LTの捩れ角ψおよび上腿TH,下腿LT間の屈曲角θを抽出したグラフであり、横軸は時間(秒)、縦軸は角度(°)および移動量(mm)を表している。
【0025】
これらのグラフから明らかなように、この実施例の膝関節運動測定装置によれば、膝関節の屈伸、内外旋、内外反に対応する大腿カフと下腿カフとの間の移動状態を回動5自由度および直線移動1自由度の合計6自由度の動きから幾何学的に三次元的に求めることができるので、膝関節の運動を厳密かつ詳細に測定することができる。
【0026】
しかも、この実施例の膝関節運動測定装置によれば、大腿カフと下腿カフとの間の移動状態を直角座標系で三次元的に求めることができるので、膝関節の運動をより理解しやすい形で測定することができる。
【0027】
従って、この実施例の膝関節運動測定装置によれば、膝関節のスポーツ外傷で最も重症なものの一つである前十字靭帯損傷膝に対する脛骨前方変位量の測定が可能になる。脛骨前方変位量ついては、前述の実施例のようにパッドを当てるものは激しい動きをすると外れてしまうため、従来は安静背臥位で静止状態で測定する装置しかなかったが、この実施例の測定装置によれば、安静時はもちろん、実際の運動時の脛骨前方変位量の測定も行うことができるので、前十字靭帯損傷膝の診断、治療、リハビリテーションおよびそれらの効果判定を飛躍的に進歩させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
かくしてこの発明の膝関節運動測定装置によれば、膝関節の屈伸、内外旋、内外反に対応する大腿カフと下腿カフとの間の移動状態を回動5自由度および直線移動1自由度の合計6自由度の動きから幾何学的に三次元的に求めることができるので、膝関節の運動を厳密かつ詳細に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の膝関節運動測定装置の一実施例を膝関節を伸ばした脚への装着状態で示す斜視図である。
【図2】上記実施例の膝関節運動測定装置の、大腿カフと下腿カフとを除いた構成を示す斜視図である。
【図3】上記実施例の膝関節運動測定装置の構成を示すスケルトン図である。
【図4】上記実施例の膝関節運動測定装置を膝関節を外旋させた脚への装着状態で示す斜視図である。
【図5】上記実施例の膝関節運動測定装置用のキャリブレーション治具を例示する正面図である。
【図6】被験者が台の上から片足でジャンプして着地した際の、大腿と下腿との相対位置の時間経過に伴う変化状態を上記実施例の膝関節運動測定装置が測定して出力したグラフである。
【図7】図6に示すデータのうちの膝関節の仮想中心の下方移動量x,前方移動量y,側方移動量zおよび上腿TH,下腿LT間の屈曲角θを抽出したグラフである。
【図8】図6に示すデータのうちの膝関節の仮想中心に対する上腿THの捩れ角φ,下腿LTの捩れ角ψおよび上腿TH,下腿LT間の屈曲角θを抽出したグラフである。
【符号の説明】
【0030】
1 上腿カフ
2 下腿カフ
3 第1の連結部材
4 ロータリエンコーダ
5 第2の連結部材
6 ロータリエンコーダ
7 直線移動案内機構
7a レール
7b スライダ
8 第3の連結部材
9 リニアエンコーダ
10 第4の連結部材
11 ロータリエンコーダ
12 第5の連結部材
13 ロータリエンコーダ
14 ロータリエンコーダ
15 キャリブレーション治具
16 連結機構
C1~C5 軸線
ATH 擬似上腿
ALT 擬似下腿
TH 上腿
LT 下腿
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7