TOP > 国内特許検索 > 周波数変調レーダー装置 > 明細書

明細書 :周波数変調レーダー装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4441686号 (P4441686)
公開番号 特開2006-003289 (P2006-003289A)
登録日 平成22年1月22日(2010.1.22)
発行日 平成22年3月31日(2010.3.31)
公開日 平成18年1月5日(2006.1.5)
発明の名称または考案の名称 周波数変調レーダー装置
国際特許分類 G01S  13/34        (2006.01)
FI G01S 13/34
請求項の数または発明の数 2
全頁数 15
出願番号 特願2004-182113 (P2004-182113)
出願日 平成16年6月21日(2004.6.21)
審査請求日 平成19年5月29日(2007.5.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
発明者または考案者 【氏名】荒井 郁男
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100120455、【弁理士】、【氏名又は名称】勝 治人
審査官 【審査官】中村 説志
参考文献・文献 特開2002-323557(JP,A)
調査した分野 G01S 7/00- 7/42
G01S13/00-13/95
特許請求の範囲 【請求項1】
三角波形状の変調信号を発生する変調器と、
前記変調信号により周波数変調されたFM信号を生成して出力する電圧制御発振器と、
前記FM信号を送信信号と基準信号とに分配する電力分配器と、
前記送信信号を送信する送信アンテナと、
前記送信信号の物標で反射された信号を受信し受信信号を出力する受信アンテナと、
前記基準信号と前記受信信号とを混合する混合器と、
この混合器の出力のうち高周波成分を除去してビート信号を出力する低域通過フィルタ
と、
前記ビート信号をデジタル信号に変換してデジタルビート信号を出力するA/D変換器
と、
物標が存在せずクラッターのみが存在する状態で前記A/D変換器によりサンプリング
したクラッター信号と物標が存在する状態で前記A/D変換器によりサンプリングしたデ
ジタルビート信号との差をとることにより、クラッター信号を除去して物標によるデジタ
ルビート信号を取り出し、この物標によるデジタルビート信号が送信角周波数に対して2
次微分方程式で表現されることを利用して、Rを物標までの距離、Sn+1,Sn,Sn-1をデジタルビート信号のサンプル値、Bを周波数変調の帯域幅、Nを整数とすると、前記2次微分方程式の解が次の(数式1)で表されることにより物標までの距離を算出する信号処理手段と
を具備することを特徴とする周波数変調レーダー装置。
【数1】
JP0004441686B2_000032t.gif

【請求項2】
Rを物標までの距離、Sn+1,Sn,Sn-1をデジタルビート信号のサンプル値、Bを周
波数変調の帯域幅、Nを整数とすると、前記2次微分方程式の解は、デジタルビート信号
にオフセット電圧が残留している場合は次の(数式2)で表されることにより物標までの
距離Rを算出することを特徴とする請求項1に記載の周波数変調レーダー装置。
【数2】
JP0004441686B2_000033t.gif
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、物標までの距離を計測するために用いる周波数変調レーダー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の周波数変調レーダー装置の構成を、図9を参照して説明する。
【0003】
周波数変調レーダー装置は、その送信信号etに周波数変調をかけ、送信信号etの物標18で反射された信号を受信した受信信号erと基準信号elとを混合器6で混合し、受信信号erと基準信号elとの時間差によって生じるビート信号7aをA/D変換器8に入力し、対応するデジタルビート信号Sに高速フーリエ変換器(FFT)9でフーリエ変換を施して周波数スペクトルデータ9aを求め、これに基づいて送信信号etの送信から受信信号erの受信までの信号往復伝搬時間τを算出し、物標18までの距離Rに換算する。
【0004】
距離Rは、
R=cτ/2 (数式3)
但し、c:光速
により求められる。
【0005】
従来の周波数変調レーダー装置では、物標までの距離Rを算出するために、上記のようにデジタルビート信号Sにフーリエ変換を施す方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。

【特許文献1】特開平10-197625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の周波数変調レーダー装置では物標までの距離を算出するためにビート信号をフーリエ変換することが必要である。しかし、フーリエ変換が正しく実行されるためには周波数変調の帯域幅Bと物標までの信号往復伝搬時間τとの間には、
Bτ>1 (数式4)
但し、τ=2R/c、R:物標までの距離、c:光速
の関係が成り立つことが条件である。
【0007】
(数式4)の左辺は波数を表しているので、(数式4)は周波数変調の掃引時間内にビート信号が1サイクル以上入ることが必要であることを意味する。たとえば、B=75MHzのとき、距離R=c/2B=2m以上であることが必要である。
【0008】
一方、実用面ではドアセンサーやセキュリティ関係など、人の接近を感知するセンサーなどでは2m以下に接近している物標までの距離を計測したいという用途がある。従来の周波数変調レーダー装置では、近距離にある物標までの距離を計測するためには周波数変調の帯域幅を拡大する必要があるが、この方策は電波法等による制約から必ずしも実現可能でないという問題があった。
【0009】
そこで本発明は、物標が近距離にあり(数式4)を満たさない場合でも、周波数変調の帯域幅を拡大することなく物標までの距離が計測できる周波数変調レーダー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の周波数変調レーダー装置は、三角波形状の変調信号を発生する変調器と、前記変調信号により周波数変調されたFM信号を生成して出力する電圧制御発振器と、前記FM信号を送信信号と基準信号とに分配する電力分配器と、前記送信信号を送信する送信アンテナと、前記送信信号の物標で反射された信号を受信し受信信号を出力する受信アンテナと、前記基準信号と前記受信信号とを混合する混合器と、この混合器の出力のうち高周波成分を除去してビート信号を出力する低域通過フィルタと、前記ビート信号をデジタル信号に変換してデジタルビート信号を出力するA/D変換器と、物標が存在せずクラッターのみが存在する状態で前記A/D変換器によりサンプリングしたクラッター信号と物標が存在する状態で前記A/D変換器によりサンプリングしたデジタルビート信号との差をとることにより、クラッター信号を除去して物標によるデジタルビート信号を取り出し、この物標によるデジタルビート信号が送信角周波数に対して2次微分方程式で表現されることを利用して、Rを物標までの距離、Sn+1,Sn,Sn-1をデジタルビート信号のサンプル値、Bを周波数変調の帯域幅、Nを整数とすると、前記2次微分方程式の解が次の(数式1)で表されることにより物標までの距離を算出する信号処理手段とを具備することを特徴とする。
【数1】
JP0004441686B2_000002t.gif


【0012】
また、Rを物標までの距離、Sn+1,Sn,Sn-1をデジタルビート信号のサンプル値、Bを周波数変調の帯域幅、Nを整数とすると、前記2次微分方程式の解は、デジタルビート信号にオフセット電圧が残留している場合は次の(数式2)で表されることにより物標までの距離Rを算出することを特徴とする。
【数2】
JP0004441686B2_000003t.gif

【発明の効果】
【0013】
本発明の周波数変調レーダー装置は、物標反射波によるビート信号が送信角周波数に対して2次微分方程式で表現されることを利用して物標までの距離を算出するので、従来の周波数変調レーダー装置のようにフーリエ変換をする必要がなく、物標が近距離にあり(数式4)を満たさない場合でも、周波数変調の帯域幅を拡大することなく物標までの距離を計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の周波数変調レーダー装置の一実施例を、図面を参照して説明する。
【0015】
[第一実施例]
図1は本発明の周波数変調レーダー装置の第一実施例の構成を示す。
【0016】
本実施例の周波数変調レーダー装置は、電圧v0からvNの範囲で変位する三角波形状の変調信号1aを発生する変調器1と、変調信号1aにより周波数変調されたFM信号2aを生成して出力する電圧制御発振器2と、FM信号2aを送信信号etと基準信号elとに分配する電力分配器3と、送信信号etを送信する送信アンテナ4と、送信信号etの物標18で反射された信号を受信して受信信号erを出力する受信アンテナ5と、基準信号elと受信信号erとを混合する混合器6と、この混合器6の出力6aのうち高周波成分を除去してビート信号7aを出力する低域通過フィルタ7と、ビート信号7aをデジタル信号に変換してデジタルビート信号Sを出力するA/D変換器8と、ROM及びRAMを内蔵し、デジタルビート信号Sを処理して物標18までの距離を計算するCPU11とを備える。
【0017】
ここで、本実施例の周波数変調レーダー装置の基本動作を説明する。変調器1は変調信号1aを発生し、電圧制御発振器2に供給する。電圧制御発振器2は、変調信号1aにより周波数変調されたFM信号2aを生成して電力分配器3に供給し、電力分配器3は、FM信号2aを送信信号etと基準信号elとに分配して、送信信号etを送信アンテナ4に供給し、基準信号elを混合器6に供給する。
【0018】
送信アンテナ4は、物標18に対して送信信号etを照射し、受信アンテナ5は、送信信号etの照射を受けた物標18で反射された信号を受信して受信信号erを出力する。
【0019】
また、混合器6は、基準信号elと受信信号erとを混合し、両信号el,erの混合結果である信号6aを出力し、低域通過フィルタ7は、混合器6の出力6aに含まれている高周波成分を除去してビート信号7aをA/D変換器8に供給する。
【0020】
そして、CPU11は、ROMに記憶されている後述の演算処理を行うプログラムに従って処理を実行し、RAMによって後述のクラッター信号を一時記憶する。
【0021】
次に、本実施例の周波数変調レーダー装置の距離測定手順を、図2に示したフローチャートを参照して説明する。なお、図2に示すフローチャートは演算プログラムとしてROMに記憶されている。
【0022】
まず、周波数変調レーダー装置を設置したとき、物標18がない状態をつくる(ステップ2A)。そして、CPU11はサンプリングパルスをA/D変換器8に出力し、物標がないときのビート信号S'をA/D変換器8にA/D変換させてサンプリングし(ステップ2B)、A/D変換器8から出力されるクラッター信号(不要信号)Sn'をRAMに記録する(ステップ2C)。
【0023】
次いで、物標18が存在する状態をつくる(ステップ2D)。そして、CPU11はサンプリングパルスをA/D変換器8に出力し、物標18が存在するときのビート信号S”をA/D変換器8にA/D変換させてサンプリングし(ステップ2E)、A/D変換器8から出力されるデジタルビート信号Sn”と、RAMにあるクラッター信号Sn'との差Snを(数式5)により求め、物標18による信号成分Snのみを取り出し(ステップ2F)、距離Rを算出する(ステップ2G)。
【数3】
JP0004441686B2_000004t.gif

【0024】
なお、ステップ2A~ステップ2Cは一つの装置について一度だけ行えばよく、ステップ2D~ステップ2Gは、距離測定動作中は常に作動している。
【0025】
ここで、物標18による信号成分Snから距離Rを算出する方法を説明する。図1において、電圧制御発振器2に図3に示す三角波形状の周波数制御電圧Vtを加えて周波数変調すれば、図4に示すように周波数fがf0からfNまで変化する。
【0026】
送信信号etと受信信号erは、
t=cosωt (数式6)
r=acosω(t-τ) (数式7)
但し、ω=2πf、f:送信周波数、t:時間、a:受信信号erの振幅、信号往復伝搬時間τ=2R/c、R:物標の距離、c:光速
である。いま基準信号elを送信信号etと等しくおき、混合器6の出力のうち低域通過フィルタ(LPF)7を通過し、A/D変換器8によりA/D変換したデジタルビート信号Sのみを取り出せば、
【数4】
JP0004441686B2_000005t.gif

【0027】
が得られる。
【0028】
物標18による反射波の受信信号erの周波数は往復伝播による遅延時間だけ遅れて受信されるので低域通過フィルタ7の出力7aをA/D変換したデジタルビート信号Sは(数式8)で表される。
【0029】
ただし、混合器出力にDC(直流)成分やクラッター信号がある場合には、図2のステップ2Fにより除去できるので、簡単のため周波数変調レーダーは理想的とし、受信信号erは物標18による反射波のみとした。
【0030】
本実施例では、信号処理手段をCPU及びその制御フローにより構成し、(数式8)が、
【数5】
JP0004441686B2_000006t.gif

【0031】
の微分方程式を満たすことに着目した。Sは測定値であるから、(数式9)を信号往復伝搬時間τについて解くことにより距離Rが算出できる。
【0032】
まず、図1において、図5に示すように電圧制御発振器2の発振周波数fを時間tに対して変化させ時刻t=tnで(数式8)をサンプリングすれば、デジタルビート信号のn番目のサンプル値は、
n=acosωnτ=acos2πfnτ (数式10)
である。ただし、掃引周期Tを十分細かくN等分し、
【数6】
JP0004441686B2_000007t.gif

【0033】
とおけば、
n=nΔt (n=0,1,2・・・・,N) (数式12)
n-fn-1=Δf (数式13)
であるから、
n=nΔf+f0 (n=0,1,2・・・・,N) (数式14)
となるので、
【数7】
JP0004441686B2_000008t.gif

【0034】
よって、(数式9)の左辺の2次微分を3点のサンプリング値で表す場合、
【数8】
JP0004441686B2_000009t.gif

【0035】
より、
【数9】
JP0004441686B2_000010t.gif

【0036】
から距離Rを含む信号往復伝搬時間τを求めることができるので、距離R(=cτ/2)が算出できる。
【0037】
実際にはデジタルビート信号のサンプリング値Snは雑音を含むので、
【数10】
JP0004441686B2_000011t.gif
【数11】
JP0004441686B2_000012t.gif

【0038】
とおいて、信号往復伝搬時間τを最小2乗法で求めれば、
【数12】
JP0004441686B2_000013t.gif

【0039】
より、
【数13】
JP0004441686B2_000014t.gif

【0040】
すなわち、
【数14】
JP0004441686B2_000015t.gif

【0041】
より物標18までの距離Rを求めることができる。
【0042】
もし、デジタルビート信号Sにオフセット電圧bが残留しているときは(数式8)は、
S=b+acosωτ (数式22)
で表されるので(数式9)は、
【数15】
JP0004441686B2_000016t.gif

【0043】
よって、デジタルビート信号のn番目のサンプル値は、
n=b+acosωnτ (数式24)
となるので、(数式23)を3点のサンプリング値で表す場合、
【数16】
JP0004441686B2_000017t.gif

【0044】
より、
【数17】
JP0004441686B2_000018t.gif

【0045】
ここで、
【数18】
JP0004441686B2_000019t.gif
【数19】
JP0004441686B2_000020t.gif

【0046】
とおいて、(Δωτ)2とオフセット電圧bに関して最小2乗法を適用すれば、
【数20】
JP0004441686B2_000021t.gif
【数21】
JP0004441686B2_000022t.gif

【0047】
より次の2式が得られる。
【数22】
JP0004441686B2_000023t.gif
【数23】
JP0004441686B2_000024t.gif

【0048】
(数式31),(数式32)を解けば、
【数24】
JP0004441686B2_000025t.gif
【数25】
JP0004441686B2_000026t.gif

【0049】
が得られる。したがって、距離Rは(数式33)から求められ、
【数26】
JP0004441686B2_000027t.gif

【0050】
となる。
【0051】
なお、5点のサンプリング値(Sn-2,Sn-1,Sn,Sn+1,Sn+2)を用いて(数式9)の2次微分を表せば、
【数27】
JP0004441686B2_000028t.gif

【0052】
より、
【数28】
JP0004441686B2_000029t.gif

【0053】
が得られるので、(数式1)を求めたときと同様に最小2乗法を適用すれば、
【数29】
JP0004441686B2_000030t.gif

【0054】
本発明では、背景技術のように高速フーリエ変換器を用いず、(数式1)または(数式2)で表したようにデジタルビート信号のサンプリング値Snだけで物標18までの距離Rを求めるので、(数式4)の条件が成立しないような接近した物標でも周波数変調の帯域幅Bを拡大することなく距離Rを求めることができる。
【0055】
図6は例として(数式1)を適用してB=75MHzのときの本実施例の効果を示したものである。従来の周波数変調レーダー装置では、(数式4)の条件を満たすR>2mの範囲であれば物標までの距離Rを精度よく算出することが出来たが、R≦2mの近距離の場合は不可能であった。
【0056】
本実施例の周波数変調レーダー装置では、f=24GHz、R=50cmのときτ=2R/c=3.3nsであるから、
Bτ=75×106×3.3×10-9=0.25
となり、(数式4)を満たさないが、R=50cmに物標が接近しても精度よく距離Rが算出できることを示している。
【0057】
なお、図4において、周波数上昇時と周波数下降時の両方でそれぞれ距離を計測して周波数上昇時の計測距離をRup、周波数下降時の計測距離をRdownとしたとき、
【数30】
JP0004441686B2_000031t.gif

【0058】
を求めれば物標が動いているときでも物標までの距離Rを精度よく計測できる。
【0059】
[第二実施例]
図7は本発明の周波数変調レーダー装置の第二実施例の構成を示したものである。なお、図1に示した第一実施例の構成と同一構成には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0060】
本実施例の周波数変調レーダー装置は、変調器1と、電圧制御発振器2と、送受信兼用のアンテナ41と、検波用ダイオード12と、この検波用ダイオード12の出力側に一端が接続され他端が接地された負荷用抵抗13と、低域通過フィルタ7と、A/D変換器8と、CPU11とを備える。
【0061】
ここで、本実施例の周波数変調レーダー装置の基本動作を説明する。変調器1は変調信号1aを発生し、電圧制御発振器2に供給する。電圧制御発振器2は、変調信号1aにより周波数変調されたFM信号2aを生成する。このFM信号2aはP点で送信信号etとなるが、同時に基準信号elの役も兼ねる。
【0062】
そして、アンテナ41は、物標18に対して送信信号etを照射し、また、送信信号etの照射を受けた物標18で反射された信号を受信して受信信号erを出力する。
【0063】
ダイオード12は、基準信号elと受信信号erとの時間差によって生じるビート信号12aを検出し、低域通過フィルタ7は、ビート信号12aの高周波成分を除去してビート信号7aをA/D変換器8に供給する。
【0064】
CPU11は、第一の実施例と同様の処理を行う。
【0065】
なお、距離を算出する手順は第一の実施例と同様である。
【0066】
本実施例は、導波路上に検波用ダイオード12をおいてビート信号を検出するもので、最も簡単な実施例であり、第一の実施例と同様の効果が得られる。
【0067】
[第三実施例]
図8は本発明の周波数変調レーダー装置の第三実施例の構成を示したものである。なお、図1に示した第一実施例及び図7に示した第二実施例の構成と同一構成には同一符号を付し、詳細な説明は省略する
本実施例の周波数変調レーダー装置は、変調器1と、電圧制御発振器2と、FM信号2aを基準信号elと送信信号etとに分配する電力分配器31と、送信アンテナ4と、受信アンテナ5と、受信信号erを増幅するRFアンプ15と、局部信号14aを生成して出力する局部発振器14と、局部信号14aを局部信号el1とel2とに分配する電力分配器32と、基準信号elとel1とを混合する混合器61と、局部信号el2と受信信号erとを混合する混合器62と、混合器61,62からの出力61a,62aのうち中間周波数のみを出力する帯域通過フィルタ(BPF)161,162と、帯域通過フィルタ(BPF)161,162の出力16a,16bを増幅するIFアンプ171,172と、IFアンプ171,172の出力17a,17bを混合する混合器63と、低域通過フィルタ7と、A/D変換器8と、CPU11とを備える。
【0068】
ここで、本実施例の周波数変調レーダー装置の基本動作を説明する。変調器1は変調信号1aを発生し、電圧制御発振器2に供給する。電圧制御発振器2は、変調信号1aにより周波数変調された発振周波数fのFM信号2aを生成して電力分配器31に供給し、電力分配器31は、FM信号2aを送信信号etと基準信号elとに分配して、送信信号etを送信アンテナ4に供給し、基準信号elを混合器61に供給する。
【0069】
そして、送信アンテナ4は物標18に対して送信信号etを照射し、受信アンテナ5は、送信信号etの照射を受けた物標18で反射された信号を受信して受信信号erを出力し、RFアンプ15は受信信号erを増幅して混合器62に供給する。
【0070】
一方、局部発振器14は発振周波数flの局部信号14aを生成して電力分配器32に供給し、電力分配器32は局部信号14aを局部信号el1とel2とに分配して、el1,el2をそれぞれ混合器61,62に供給する。
【0071】
混合器61は基準信号elとel1を混合し、混合器62は基準信号el2と受信信号erとを混合し、混合結果である信号61a,62aをそれぞれ出力する。そして、帯域通過フィルタ161,162は、混合器61,62の出力61a,62aから中間周波数fi=f-flの信号16a,16bを出力する。IFアンプ171,172は16a,16bを増幅して17a,17bを出力し、混合器63に供給する。
【0072】
また、混合器63は17a,17bを混合し、両信号17a,17bの混合結果である信号63aを出力する。低域通過フィルタ7は、混合器63の出力63aに含まれている高周波成分を除去してビート信号7aをA/D変換器8に供給する。
【0073】
CPU11は、第一及び第二の実施例と同様の処理を行う。
【0074】
なお、距離を算出する手順は第一及び第二の実施例と同様である。
【0075】
第一及び第二の実施例ではすべてホモダイン検波回路で表したが、本実施例は局部発振器14を用いて中間周波数に変換してから検波回路でビート信号を検出するもので、第一及び第二の実施例と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の周波数変調レーダー装置の第一実施例の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示した周波数変調レーダー装置の距離測定手順を示したフローチャートである。
【図3】図1に示した周波数変調レーダー装置の電圧制御発振器に加える周波数制御電圧を示すグラフである。
【図4】図1に示した周波数変調レーダー装置の電圧制御発振器を周波数制御電圧を加えて周波数変調したときの周波数の変化を示すグラフである。
【図5】図1に示した周波数変調レーダー装置の電圧制御発振器の発振周波数の時間に対する変化を示すグラフである。
【図6】図1に示した周波数変調レーダー装置を使用した場合の測定結果と実際の物標までの距離の関係を示すグラフである。
【図7】本発明の周波数変調レーダー装置の第二実施例の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の周波数変調レーダー装置の第三実施例の構成を示す概略図である。
【図9】従来の周波数変調レーダー装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0077】
1 変調器
2 電圧制御発振器
3,31,32 電力分配器
4 送信アンテナ
41 アンテナ
5 受信アンテナ
6,61,62,63 混合器
7 低域通過フィルタ
8 A/D変換器
9 高速フーリエ変換器
10,11 CPU
12 検波用ダイオード
13 負荷用抵抗
14 局部発振器
15 RFアンプ
161,162 帯域通過フィルタ
171,172 IFアンプ
18 物標
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8