TOP > 国内特許検索 > 生物検出装置 > 明細書

明細書 :生物検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4701384号 (P4701384)
公開番号 特開2006-220595 (P2006-220595A)
登録日 平成23年3月18日(2011.3.18)
発行日 平成23年6月15日(2011.6.15)
公開日 平成18年8月24日(2006.8.24)
発明の名称または考案の名称 生物検出装置
国際特許分類 G01N  22/00        (2006.01)
A01M   1/00        (2006.01)
G01S  13/56        (2006.01)
FI G01N 22/00 S
G01N 22/00 W
A01M 1/00 Q
G01S 13/56
請求項の数または発明の数 12
全頁数 46
出願番号 特願2005-035840 (P2005-035840)
出願日 平成17年2月14日(2005.2.14)
審査請求日 平成20年1月22日(2008.1.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
発明者または考案者 【氏名】本間 恭二
【氏名】本村 和磨
個別代理人の代理人 【識別番号】100082131、【弁理士】、【氏名又は名称】稲本 義雄
審査官 【審査官】比嘉 翔一
参考文献・文献 特開平11-202043(JP,A)
特表平11-512178(JP,A)
国際公開第2004/015450(WO,A1)
特開2003-156570(JP,A)
特開2005-014927(JP,A)
特開平11-303093(JP,A)
特開平10-318941(JP,A)
特開平06-269241(JP,A)
特開平11-142260(JP,A)
特表2002-538442(JP,A)
荒井郁男,外2名,高感度かつ定量的なマイクロ波生体変位計測の一方法,電気通信大学紀要,2001年 2月28日,第13巻,第2号,P.195-200
調査した分野 G01N22/00-22/04
G01N29/00-29/52
G01N27/00-27/10
G01N27/14-27/24
G01N27/72-27/90
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
測定対象に存在する生物を検出する生物検出装置において、
前記測定対象に対してマイクロ波を送信信号として送信し、前記送信信号が前記生物により反射された結果得られる反射波を受信信号として受信し、前記送信信号と前記受信信号との位相差に基づいて前記受信信号を直交検波し、その結果得られる互いに位相が90度異なる第1の信号と第2の信号とを出力するマイクロ波送受信手段と、
前記マイクロ波送受信手段から出力された前記第1の信号と前記第2の信号とのうちの前記第1の信号に対して位相を180度ずらした第3の信号を生成し、前記第1の信号と前記第2の信号との差分信号である第4の信号を生成し、前記第3の信号と前記第2の信号との差分信号である第5の信号を生成し、前記第4の信号と前記第5の信号とのうちの所定の条件を満たす方の信号を、前記マイクロ波送受信手段から出力された前記第1の信号と前記第2の信号に重畳されたノイズに対して処理が施された後のノイズ処理後信号として選択して出力するノイズ処理手段と、
前記ノイズ処理手段から出力された前記ノイズ処理後信号を利用して、前記生物の存在を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする生物検出装置。
【請求項2】
前記ノイズ処理後信号を選択するための前記所定の条件は、信号の特徴を示す所定の属性のレベルが最小であるという条件である
ことを特徴とする請求項1に記載の生物検出装置。
【請求項3】
前記ノイズ処理手段は、
前記ノイズ処理後信号として選択された前記第4の信号または前記第5の信号を出力する前に、さらに、
前記第4の信号の生成元の前記第1の信号と前記第2の信号とのそれぞれの利得、または、前記第5の信号の生成元の前記第3の信号と前記第2の信号のそれぞれの利得を調整し直した後、前記第4の信号または前記第5の信号を再生成する処理を複数回繰り返し、
再生成された複数の前記第4の信号または前記第5の信号のうちの、前記所定の属性のレベルが最小となった前記第4の信号または前記第5の信号を、前記ノイズ処理後信号として出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の生物検出装置。
【請求項4】
複数の前記マイクロ波送受信手段を備え、
前記ノイズ処理手段は、複数の前記マイクロ波送受信手段のそれぞれから出力された前記第1の信号と前記第2の信号とに対応して、複数のノイズ処理後信号のそれぞれを出力し、
前記検出手段は、複数の前記ノイズ処理後信号のうちの少なくとも1つを利用して、前記生物の存在を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の生物検出装置。
【請求項5】
前記検出手段の検出結果を呈示する呈示手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の生物検出装置。
【請求項6】
前記呈示手段は、前記検出結果を含む画像を表示することで、前記検出結果を呈示する
ことを特徴とする請求項に記載の生物検出装置。
【請求項7】
前記呈示手段は、前記検出結果を示す音声を出力することで、前記検出結果を呈示する
ことを特徴とする請求項に記載の生物検出装置。
【請求項8】
前記呈示手段は、1以上のLED(Light Emitting Diode)を含み、1以上の前記LEDの点灯または消灯のパターンを変化させることで、前記検出結果を呈示する
ことを特徴とする請求項に記載の生物検出装置。
【請求項9】
前記測定対象自体またはそれを内在する物体は、所定の軸を中心として回転する回転台が有する面のうちの、前記所定の軸と略垂直な面上に配置され、
前記回転台が回転されてその回転が停止した場合、前記ノイズ処理手段から出力された前記ノイズ処理後信号を利用して前記回転台の振動レベルを検出し、前記振動レベルが所定のレベルを超えている間、前記検出手段の動作を禁止し、前記振動レベルが前記所定のレベル以下となったときに、前記検出手段の動作の禁止を解除する
ことを特徴とする請求項1に記載の生物検出装置。
【請求項10】
測定対象に存在する生物を検出する生物検出装置において、
前記測定対象に対してマイクロ波を送信信号として送信し、前記送信信号が前記生物により反射された結果得られる反射波を受信信号として受信し、前記送信信号と前記受信信号との位相差に基づいて前記受信信号を直交検波し、その結果得られる互いに位相が90度異なる第1の信号と第2の信号とを出力するマイクロ波送受信手段と、
前記マイクロ波送受信手段から出力された前記第1の信号と前記第2の信号に重畳されたノイズに対して処理を施してノイズ処理後信号として出力するノイズ処理手段と、
前記ノイズ処理手段から出力された前記ノイズ処理後信号を利用して前記生物の存在を検出する検出手段を備えており、
前記ノイズ処理手段は、前記第1の信号の位相を180度異ならしめる位相制御手段と、
前記第1の信号あるいは前記位相制御手段からの信号を選択的に出力する信号切替手段と、
前記第2の信号と前記信号切替手段からの信号を重畳する信号演算手段を具備しており、
前記信号切替手段は、前記ノイズ処理手段から出力される信号に含まれるノイズ成分が低減するように切り替えられる
ことを特徴とする生物検出装置。
【請求項11】
前記信号演算手段は、該信号演算手段に供給される少なくとも一方の信号の振幅を制御することで前記ノイズ制御処理手段から出力される信号に含まれるノイズ成分を低減させるための可変利得増幅手段をさらに備えている
ことを特徴とする請求項10に記載の生物検出装置。
【請求項12】
前記測定対象を回転あるいは移動可能な状態に配置するための架台と、
前記測定対象が所定量回転あるいは移動したことを検出する検出手段をさらに備え、
前記検出手段からの信号に対応して前記ノイズ処理手段から出力された前記ノイズ処理後信号に基づいて前記測定対象の回転あるいは移動に伴う振動レベルを検出し、該検出された振動レベルに対応して前記測定対象に存在する生物の検出を開始する
ようにしたことを特徴とする請求項10に記載の生物検出装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、生物検出装置に関し、特に、マイクロ波を用いて生物を検出する場合に、その検出性能を高めることができるようにした生物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農業や園芸の分野で、苗木を食べてしまう食害虫を非破壊で検出する技術が研究されている。
【0003】
本発明人は、このような技術のひとつとして、マイクロ波を利用して、地中で動いている食害虫を検出する技術の研究を続けてきた。
【0004】
このようなマイクロ波を利用して、建物又は他の構造物の一部分、例えば、壁、床又は天井に存在するしろありを検出する技術が、特許文献1に開示されている。

【特許文献1】特表平11-512178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、地中で動いている食害虫を検出する技術として、特許文献1に開示された技術を単に適用しただけでは、その検出性能は十分ではないという課題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、マイクロ波を用いて食害虫等の生物を検出する場合に、その検出性能を高めることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の生物検出装置は、測定対象に存在する生物を検出する生物検出装置であって、測定対象に対してマイクロ波を送信信号として送信し、送信信号が生物により反射された結果得られる反射波を受信信号として受信し、送信信号と受信信号との位相差に基づいて受信信号を直交検波し、その結果得られる互いに位相が90度異なる第1の信号と第2の信号とを出力するマイクロ波送受信手段と、マイクロ波送受信手段から出力された第1の信号と第2の信号とのうちの第1の信号に対して位相を180度ずらした第3の信号を生成し、第1の信号と第2の信号との差分信号である第4の信号を生成し、第3の信号と第2の信号との差分信号である第5の信号を生成し、第4の信号と第5の信号とのうちの所定の条件を満たす方の信号を、マイクロ波送受信手段から出力された第1の信号と第2の信号に重畳されたノイズに対して処理が施された後のノイズ処理後信号として選択して出力するノイズ処理手段と、ノイズ処理手段から出力されたノイズ処理後信号を利用して、生物の存在を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
ノイズ処理後信号を選択するための所定の条件は、信号の特徴を示す所定の属性のレベルが最小であるという条件であるようにすることができる。
【0009】
ノイズ処理手段は、ノイズ処理後信号として選択された第4の信号または第5の信号を出力する前に、さらに、第4の信号の生成元の第1の信号と第2の信号とのそれぞれの利得、または、第5の信号の生成元の第3の信号と第2の信号のそれぞれの利得を調整し直した後、第4の信号または第5の信号を再生成する処理を複数回繰り返し、再生成された複数の第4の信号または第5の信号のうちの、所定の属性のレベルが最小となった第4の信号または第5の信号を、ノイズ処理後信号として出力するようにすることができる。
【0011】
複数のマイクロ波送受信手段を設け、ノイズ処理手段は、複数のマイクロ波送受信手段のそれぞれから出力された第1の信号と第2の信号とに対応して、複数のノイズ処理後信号のそれぞれを出力し、検出手段は、複数のノイズ処理後信号のうちの少なくとも1つを利用して、生物の存在を検出するようにすることができる。
【0012】
検出手段の検出結果を呈示する呈示手段をさらに設けるようにすることができる。
【0013】
呈示手段は、検出結果を含む画像を表示することで、検出結果を呈示するようにすることができる。
【0014】
呈示手段は、検出結果を示す音声を出力することで、検出結果を呈示するようにすることができる。
【0015】
呈示手段は、1以上のLED(Light Emitting Diode)を含み、1以上のLEDの点灯または消灯のパターンを変化させることで、検出結果を呈示するようにすることができる。
【0016】
測定対象自体またはそれを内在する物体は、所定の軸を中心として回転する回転台が有する面のうちの、所定の軸と略垂直な面上に配置され、回転台が回転されてその回転が停止した場合、ノイズ処理手段から出力されたノイズ処理後信号を利用して回転台の振動レベルを検出し、振動レベルが所定のレベルを超えている間、検出手段の動作を禁止し、振動レベルが所定のレベル以下となったときに、検出手段の動作の禁止を解除するようにすることができる。
【0017】
本発明の生物検出装置においては、生物が存在する測定対象に対してマイクロ波が送信信号として送信され、送信信号が生物により反射された結果得られる反射波が受信信号として受信され、送信信号と受信信号との位相差に基づいて受信信号が直交検波され、その結果、互いに位相が90度異なる第1の信号と第2の信号とが得られる。次に、第1の信号に対して位相を180度ずらした第3の信号が生成され、第1の信号と第2の信号との差分信号である第4の信号が生成され、第3の信号と第2の信号との差分信号である第5の信号が生成される。次に、第4の信号と第5の信号とのうちの所定の条件を満たす方の信号が、第1の信号と第2の信号に重畳されたノイズに対して処理が施された後のノイズ処理後信号として選択される。そして、このノイズ処理後信号を利用して、生物の存在が検出される。
【0018】
本発明の第2の生物検出装置は、測定対象に存在する生物を検出する生物検出装置であって、測定対象に対してマイクロ波を送信信号として送信し、送信信号が生物により反射された結果得られる反射波を受信信号として受信し、送信信号と受信信号との位相差に基づいて受信信号を直交検波し、その結果得られる互いに位相が90度異なる第1の信号と第2の信号とを出力するマイクロ波送受信手段と、マイクロ波送受信手段から出力された第1の信号と第2の信号に重畳されたノイズに対して処理を施してノイズ処理後信号として出力するノイズ処理手段と、ノイズ処理手段から出力されたノイズ処理後信号を利用して生物の存在を検出する検出手段を備えており、ノイズ処理手段は、第1の信号の位相を180度異ならしめる位相制御手段と、第1の信号あるいは位相制御手段からの信号を選択的に出力する信号切替手段と、第2の信号と信号切替手段からの信号を重畳する信号演算手段を具備しており、信号切替手段は、ノイズ処理手段から出力される信号に含まれるノイズ成分が低減するように切り替えられるようにすることを特徴とする。
【0019】
信号演算手段は、その信号演算手段に供給される少なくとも一方の信号の振幅を制御することでノイズ制御処理手段から出力される信号に含まれるノイズ成分を低減させるための可変利得増幅手段をさらに設けるようにすることができる。
【0020】
測定対象を回転あるいは移動可能な状態に配置するための架台と、測定対象が所定量回転あるいは移動したことを検出する検出手段をさらに備え、検出手段からの信号に対応してノイズ処理手段から出力されたノイズ処理後信号に基づいて測定対象の回転あるいは移動に伴う振動レベルを検出し、検出された振動レベルに対応して測定対象に存在する生物の検出を開始するようにすることができる。
【0021】
本発明の第2の生物検出装置においては、測定対象に対してマイクロ波が送信信号として送信され、送信信号が生物により反射された結果得られる反射波が受信信号として受信され、送信信号と受信信号との位相差に基づいて受信信号が直交検波され、その結果得られる互いに位相が90度異なる第1の信号と第2の信号とが出力され、出力された第1の信号と第2の信号に重畳されたノイズに対して処理が施されてノイズ処理後信号として出力され、出力されたノイズ処理後信号を利用して生物の存在が検出される。ノイズ処理後信号が生成されるために、第1の信号の位相が180度異ならしめられ、第1の信号あるいはその位相が180度異ならしめらた信号が選択的に出力される。その際、第1の信号あるいはその位相が180度異ならしめらた信号に含まれるノイズ成分が低減するように切り替えられて出力される。そして、選択されて出力された信号と第2の信号とが重畳され、その結果、ノイズ処理後信号が得られる。
【発明の効果】
【0022】
以上のごとく、本発明によれば、マイクロ波を用いて生物を検出することができる。特に、その検出性能を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明人は、上述した従来の課題が生じる要因を解析し、その解析結果に基づいて、従来の課題を解決できる生物検出装置を発明した。
【0024】
そこで、以下、本発明の実施の形態を説明する前に、その解析結果、即ち、従来の課題が生じる要因について説明する。
【0025】
マイクロ波センサを利用して地中の食害虫を検出する原理の概略は、次の通りである。即ち、マイクロ波センサから出力されたマイクロ波のうちの一部が、地中に侵入(透過)し、その地中で動いている食害虫により反射され、その反射波がマイクロ波センサに受信される。そして、受信された反射波に基づいて、その食害虫が検出される。
【0026】
このように、マイクロ波センサから出力されたマイクロ波のうちの、一部は地表面で反射され、残りが地中に透過する。この場合、大気中と地中とでは、導電率、誘電率、透磁率等が異なるため、地中に透過したマイクロ波は、地中を伝搬するときに減衰する。このように、マイクロ波が地中等を伝搬するときに減衰することを、以下、伝搬減衰、または、透過減衰と称する。
【0027】
従って、マイクロ波センサを利用して地中の食害虫を検出する場合、この透過減衰のために、その検出性能は、大気中の虫を検出する場合と比較して悪化することになる。さらに、この透過減衰は、地中の水分や、マイクロ波センサから出力されたマイクロ波の周波数に依存するため、地中の水分の状態やマイクロ波の周波数によっては、その検出性能はより一段と悪化することになる。このことを、以下、図1と図2を参照して、さらに詳しく説明する。
【0028】
図1は、野菜栽培土の含水率が20[%]、30[%]、40[%]、および50[%]のそれぞれについての、マイクロ波センサから出力されるマイクロ波の周波数と、減衰定数αとの関係の一例を示している。
【0029】
図1において、横軸は、マイクロ波センサから出力されるマイクロ波の周波数[GHz]を示している。縦軸は、野菜栽培土中深さ6cmにおける減衰定数αを示している。減衰定数αとは、マイクロ波の透過減衰の度合いを示す値を言う。即ち、減衰定数αが大きくなるほど、マイクロ波の透過減衰の度合いも大きくなる。また、線L20、L30、L40、およびL50のそれぞれが、含水率20[%]、30[%]、40[%]、および50[%]のそれぞれについてのマイクロ波の周波数と減衰定数αとの関係を示している。
【0030】
なお、含水率50[%]とは、店舗で販売されている栽培土、即ち、袋詰めされている栽培土の含水率とほぼ等しい。或いは、含水率50[%]とは、栽培土が入れられた植木鉢全体に水分が含浸されていると人間が判断する場合における、その栽培土の含水率とほぼ等しい。これに対して、含水率20[%]とは、栽培土が入れられた植木鉢全体が乾燥していると人間が判断する場合における、その栽培土の含水率とほぼ等しい。
【0031】
図1から容易にわかるように、含水率が大きくなるほど、減衰定数αも大きくなる。また、マイクロ波の周波数が高くなるほど、減衰定数αも大きくなる。
【0032】
上述したように、減衰定数αが大きくなることは、マイクロ波の透過減衰の度合いが大きくなることを意味する。従って、減衰定数αが大きくなることは、地中に透過したマイクロ波が食害虫により反射され、その結果得られる反射波がマイクロ波センサに受信される場合における、その受信レベルが低下することを意味する。
【0033】
具体的には例えば、培養土の含水率が20[%]、30[%]、40[%]、および50[%]のそれぞれについての、マイクロ波センサから出力されたマイクロ波の反射位置、即ち、食害虫が存在する地表面からの深さと、その反射波の受信レベルとの関係の一例が、図2に示されている。
【0034】
図2において、横軸は、食害虫が存在する地表面からの深さ[cm]を示している。ただし、食害虫は、直径1mmかつ高さ15mmの円筒であるとみなされている。また、マイクロ波の周波数は7.8[GHz]とされている。縦軸は、地中に透過したマイクロ波がその深さ(横軸)に存在する食害虫により反射され、その結果得られる反射波がマイクロ波センサに受信される場合における、その受信レベル[dB]を示している。また、線LL20、LL30、LL40、LL50のそれぞれが、含水率20[%]、30[%]、40[%]、および50[%]のそれぞれについての深さと受信レベルとの関係を示している。
【0035】
図2から容易にわかるように、含水率が大きくなるほど、受信レベルは下がる。また、食害虫の地中の存在位置、即ち、深さが深くなるほど、受信レベルも下がる。
【0036】
ところで、食害虫を検出可能な受信レベルの限界レベルは、マイクロ波センサを含む検出装置全体(システム)のノイズレベルに依存する。即ち、食害虫を検出可能な受信レベルの限界レベルは、検出装置全体のノイズレベルとほぼ等しい。従って、受信レベルが、検出装置全体のノイズレベルよりも下回る場合には、食害虫の検出は実質上不可能になる。
【0037】
このような検出装置全体のノイズレベルは、いわゆるリターン/ロス感度測定で求めることが可能であるが、ここでは、説明の簡略上、-75[dB]であるとする。この場合、図2の例では、周波数が7.8[GHz]のマイクロ波がマイクロ波センサから出力されたときには、含水率が20[%]の地中に存在する食害虫のうちの、深さが約6.5[cm]よりも上方に存在する食害虫のみが検出可能となり、深さが約6.5[cm]よりも下方に存在する食害虫は検出不可能となる。
【0038】
さらに、図2の例では、地中の含水率が50[%]になると、その地中に存在する食害虫のうちの、深さが約3[cm]よりも上方に存在する食害虫のみが検出可能となり、深さが約3[cm]よりも下方に存在する食害虫は検出不可能となる。
【0039】
ここで、食害虫の検出可能な深さ、即ち、検出範囲を、検出装置の検出性能のひとつであるとすると、地中の含水率が大きくなるに伴い、検出性能が悪化することになる。
【0040】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、建物又は他の構造物の一部分、例えば、壁、床又は天井に存在するしろありを検出する技術であって、このような地中の含水率により検出範囲が左右されることは特に考慮されておらず、その結果、検出範囲という検出性能を上げる手法については、開示は勿論示唆もされていない。このことが、上述した従来の課題が生じる要因のひとつである。
【0041】
また、どれぐらい小さいサイズの食害虫まで検出可能であるのかということ、換言すると、検出可能な食害虫の最小の大きさも、検出装置の検出性能のひとつであると言える。なお、本明細書では、検出可能な食害虫の最小の大きさを、便宜上、分解能と称する。
【0042】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、分解能は特に考慮されておらず、その結果、分解能という検出性能を上げる手法については、開示は勿論示唆もされていない。このことも、上述した従来の課題が生じる要因のひとつである。
【0043】
そこで、本発明人は、次のように思想することで、従来の課題を解決することが可能な手法、即ち、検出範囲(検出可能な深さ)や分解能(検出可能な最小の大きさ)といった検出性能を上げる手法を発明した。
【0044】
即ち、上述したように、マイクロ波センサから出力されるマイクロ波の周波数を低くすることで、減衰係数αも下げることができ、それに伴い、同一の含水率および同一の深さであれば、受信レベルも上げることができる。従って、マイクロ波の周波数を低くすることで、検出範囲を広める(検出可能な深さを深める)こと、即ち、検出範囲という検出性能を上げることができる。
【0045】
ただし、基本的にマイクロ波の周波数が低くなるほど、分解能が荒くなる(検出可能な食害虫の最小の大きさが大きくなる)という性質が存在する。なお、ここでいう食害虫のサイズとは、より正確には、食害虫のうちのマイクロ波等の電波を反射する部分の断面積を言う。このため、マイクロ波の周波数をいたずらに低くすると、検出可能な食害虫の最小の大きさが実際のサイズよりも大きくなってしまう。即ち、分解能という検出性能が下がってしまう。その結果、食害虫の検出自体が困難になってしまう場合もある。
【0046】
このように、マイクロ波の周波数を単に低くするだけでは、検出範囲という検出性能を上げることはできても、分解能という検出性能を下げてしまうことになる。
【0047】
逆に考えると、マイクロ波の周波数を単に高くしただけでは、分解能という検出性能を上げることはできても、検出範囲という検出性能を下げしまうことになる。
【0048】
従って、特許文献1等の従来の技術のように、検出範囲と分解能とのバランスを図ることなく、マイクロ波の周波数をいたずらに決定してしまうと、検出範囲と分解能といった検出性能のうちの少なくとも一方の検出性能は、測定者(検出装置を利用するユーザ)にとって十分満足のいくレベルには到達していないことが多いという課題、即ち、上述した従来の課題が生じてしまうことになる。
【0049】
本発明人は、以上のように思想し、その思想に基づいて、従来の課題を解決可能な次の第1の手法を発明した。
【0050】
即ち、第1の手法とは、検出範囲と分解能とをともに所定のレベル以上で保つことができるように、マイクロ波の周波数を適切に決定し、その適切な周波数のマイクロ波をマイクロ波センサから出力させる、という手法である。即ち、必要最低限な検出範囲と分解能とを仕様としてはじめに決定し、食害虫が存在する地中の含水率等を考慮しつつ、その仕様を満たす範囲内で検出範囲と分解能とのバランスを図りながらマイクロ波の周波数を適切に決定し、その適切な周波数のマイクロ波をマイクロ波センサから出力させる、という手法が第1の手法である。
【0051】
この第1の手法を適用することで、上述した従来の課題を解決すること、即ち、マイクロ波センサを用いて食害虫を検出する場合にその検出性能を高めることが可能になる。
【0052】
ただし、第1の手法を適用した場合における検出性能の最高レベルもまた、マイクロ波センサを含む検出装置全体のノイズレベルに依存することになる。即ち、検出性能の最高レベルは、検出装置全体のノイズレベルにより決定されることになる。換言すると、検出性能のレベルが、検出装置全体のノイズレベルにより決定される最高レベルに限りなく近づくように、マイクロ波の周波数を適切に決定し、その適切な周波数のマイクロ波をマイクロ波センサから出力させる、という手法が第1の手法である。
【0053】
そこで、本発明人は、さらに、検出性能の最高レベル自体を上げるために、次のような第2の手法を発明した。
【0054】
即ち、マイクロ波センサは、マイクロ波を送信信号として地中に向けて送信し、その送信信号が食害虫により反射された結果得られる反射波を受信信号として受信し、その受信信号を直交検波することで、互いに位相が90度異なる2つの信号(以下、これらの2つの信号をあわせて、直交検波出力信号と称する)を出力する。
【0055】
この場合、直交検波出力信号に重畳されているノイズ成分は、その直交検波出力信号を構成する2つの信号のうちの一方の信号と同相成分、または、逆相成分(180度(=π)位相がずれた成分)である。この事実は、[背景技術]で記載した研究を通じて本発明人が発見したものである。
【0056】
なお、ここで言うノイズとは、検出装置全体のうちの、マイクロ波センサや回路等で発生するノイズであって、数Hzの周波数帯域のノイズを指す。従って、レーダ分野で言う「クラッター」、即ち、外力によるマイクロ波センサ等の揺れや振動により発生するノイズ等は、ここで言うノイズに含まれない。
【0057】
そこで、本発明人は、この発見した事実に基づいて、次の第1の工程乃至第3の工程からなる第2の手法を発明した。
【0058】
即ち、第1の工程とは、直交検波出力信号を構成する第1の信号と第2の信号とのうちの第1の信号に対して位相を180度(=π)ずらした第3の信号を生成し、第1の信号と第2の信号とから所定の生成手法に従って第4の信号を生成し、第3の信号と第2の信号とからその所定の生成手法に従って第5の信号を生成する、という工程である。
【0059】
所定の生成手法は、特に限定されず、例えば、2つの信号の差分信号を生成するという生成手法を採用することができる。
【0060】
第2の工程とは、第1の工程により生成された第4の信号と第5の信号とのうちの所定の条件を満たす方の信号を、直交検波出力信号に重畳されたノイズに対して処理が施された後の信号(以下、ノイズ処理後の信号と称する)として選択する、という工程である。
【0061】
所定の条件は、特に限定されず、例えば、信号の特徴を示す属性のレベルが最小であることという条件を採用することができる。この属性の中には、信号の振幅、実効値、平均値等が含まれる。
【0062】
第3の工程とは、第2の工程により選択されたノイズ処理後の信号、または、ノイズ処理後の信号に基づいて生成された信号を、食害虫の存在有無の測定(検出)に使用する検出判定用信号として出力する、という工程である。
【0063】
ノイズ処理後の信号に基づいて生成された信号を如何にして生成されるのかということ、即ち、その生成手法は特に限定されず、例えば、次のようにして、ノイズ処理後の信号に基づく信号を生成することもできる。
【0064】
即ち、例えば、第2の工程により第4の信号がノイズ処理後の信号として選択された場合、検出装置は、第4の信号の生成元の第1の信号と第2の信号とのそれぞれの利得を調整し直した後、第4の信号を再生成する処理を複数回繰り返す。そして、検出装置は、再生成された複数の第4の信号の中から、所定の属性のレベルが最小となった第4の信号を選択する。このようにして選択された信号、即ち、所定の属性のレベルが最小となった第4の信号が、ノイズ処理後の信号に基づいて生成された信号の一例である。
【0065】
同様に、例えば、第2の工程により第5の信号がノイズ処理後の信号として選択された場合、検出装置は、第5の信号の生成元の第3の信号と第2の信号とのそれぞれの利得を調整し直した後、第5の信号を再生成する処理を複数回繰り返す。そして、検出装置は、再生成された複数の第5の信号の中から、所定の属性のレベルが最小となった第5の信号を選択する。このようにして選択された信号、即ち、所定の属性のレベルが最小となった第5の信号が、ノイズ処理後の信号に基づいて生成された信号の一例である。
【0066】
なお、上述した例では地中に存在する食害虫が検出対象とされたが、第1の手法と第2の手法とのうちの少なくとも一方の検出対象は、上述した例に限定されず、マイクロ波の進行方向または逆方向に移動可能な生物であればよい。マイクロ波の進行方向または逆方向の移動とは、その移動がベクトルで表される場合に、そのベクトルが、マイクロ波の進行方向または逆方向の成分に少なくとも分解できるような移動を言う。即ち、検出対象は、マイクロ波の進行方向に対して垂直方向以外のうちの少なくとも一方向(平行方向のみならず、斜め方向等)に移動可能な生物であればよい。
【0067】
また、第1の手法と第2の手法とのうちの少なくとも一方の検出対象である生物のサイズも、例えばここでは体長が10[mm]程度のサイズを対象とするが、基本的にマイクロ波の波長λよりも小さいサイズであれば足りる。即ち、第1の手法と第2の手法とを上手に適用することで、体長が10[mm]未満のサイズの生物を検出対象とすることも容易に可能である。或いは、例えば体長が30[mm]程度のゴマダラカミキリの幼虫のように、体長が10[mm]よりも大きいサイズの生物を検出対象とすることも容易に可能である。
【0068】
また、検出対象自身は上述したように生物とされているが、マイクロ波センサの送信信号(マイクロ波)の送信対象、即ち、生物の有無を検出するためにマイクロ波により測定される対象は、その生物が存在し得る空間、具体的には例えば、植木鉢内の土で充満されている部分(空間)等である。そこで、以下、このような空間、または、その空間を満たしている土等を、測定対象と称する。また、測定対象(土等)を内在する物体、具体的には例えば植木鉢等を、測定対象物と称する。
【0069】
このように、本明細書においては、検出対象である生物と、測定対象若しくは測定対象物とを明確に区別する。
【0070】
次に、図3以降の図面を参照して、かかる本発明の第1の手法や第2の手法が適用される生物検出装置、即ち、本発明が適用される生物検出装置の実施の形態について説明する。
【0071】
図3は、本発明が適用される生物検出装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0072】
図3の例では、生物検出装置は、マイクロ波センサ1乃至電磁シールド13から構成されている。なお、マイクロ波センサ1乃至電磁シールド13のそれぞれは、構成が可能であれば、ハードウエア単体で構成してもよいし、ソフトウエア単体で構成してもよいし、或いは、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで構成してもよい。
【0073】
図3の例では、生物22を少なくとも含む測定対象物21が、回転台12の上に配置されている。なお、本実施の形態では、測定対象物21は植木鉢とされ、その植木鉢に入れられている土(その土が充満されている空間)が検査対象とされ、その土の中には、体長が10[mm]程度の食害虫が1匹以上含まれているとする。即ち、測定対象物21の中には複数の食害虫が存在する場合が多いが、図3の例では、それらの複数の食害虫のうちの1匹のみが、生物22として図示されている。
【0074】
マイクロ波センサ1は、主制御部8により指定された周波数のマイクロ波を送信信号vtとして、測定対象物21に向けて送信し、その送信信号vtが生物22等により反射された結果得られる受信信号vrを受信する。そして、マイクロ波センサ1は、その受信信号vrを、例えば送信信号vtと受信信号vrとの位相差に基づいて直交検波し、その結果得られる直交検波出力信号、即ち、互いに位相が90度異なる2つの信号vi,vqからなる直交検波出力信号を増幅/フィルタ部2に対して出力する。なお、マイクロ波センサ1のさらなる詳細については、図5と図6とを参照して後述する。
【0075】
なお、マイクロ波センサ1の送信信号vtであるマイクロ波の偏波は、特に限定されず、例えば本実施の形態では、楕円偏波が採用されている。この楕円偏波には、円偏波や直線偏波も当然ながら含まれる。即ち、マイクロ波センサ1の送信信号vtであるマイクロ波の偏波として、円偏波を採用することもできるし、垂直偏波を採用することができる。換言すると、生物22の形状等に適したマイクロ波の偏波を採用すればよい。
【0076】
増幅/フィルタ部2は、主制御部8の制御に基づいて、その名称の通り、マイクロ波センサ1からの直交検波出力信号を構成する2つの信号vi,vqのそれぞれに対して、それぞれの利得を増幅させる増幅処理と、例えば0.1乃至1[Hz]程度の成分を通過させるフィルタ処理とをそれぞれ施し、その結果得られる2つの信号I,Qをノイズ処理判定部3に対して出力する。
【0077】
ノイズ処理判定部3は、主制御部8の制御に基づいて、2つの信号I,Qに対してノイズ処理を施すのか否かを判定する。この判定条件は、特に限定されないが、ここでは例えば、2つの信号I,Qのそれぞれの実効値が、所定の閾値を超えている場合にはノイズ処理を施さないと判定し、その所定の閾値以下の場合にはノイズ処理を施すと判定するという条件が採用されているとする。また、ここでは、この所定の閾値が、判定基準記憶部9に記憶されているとする。
【0078】
即ち、2つの信号I,Qの電圧レベルが、ノイズの電圧レベルよりも2倍を超えているような場合、2つの信号I,Qに対してノイズ処理が施されなくとも、後述する検出判定処理部6は、2つの信号I,Qに基づいて(図3の例では、2つの信号I,Qから生成される信号vnに基づいて)、生物22の存在有無の判定を容易に行うことができる。従って、このような場合、ノイズ処理は不要になる。
【0079】
これに対して、2つの信号I,Qの電圧レベルが、ノイズの電圧レベルよりも2倍以下の場合、特に、2つの信号I,Qのうちの生物22の動きを示す信号がノイズに埋もれてしまっているような場合、2つの信号I,Qに対してノイズ処理が施されていなければ、検出判定処理部6は、2つの信号I,Qに基づいて生物22の存在有無の判定を行うことが困難になる。従って、このような場合、ノイズ処理は必要になる。
【0080】
このため、図3の例の生物検出装置には、ノイズ処理判定部3が設けられているのである。
【0081】
ノイズ処理判定部3は、ノイズ処理が不要であると判定した場合、2つの信号I,Qを演算部4に供給する。これに対して、ノイズ処理判定部3は、ノイズ処理が必要であると判定した場合、2つの信号I,Qをノイズ処理部5に供給する。
【0082】
演算部4は、ノイズ処理判定部3から2つの信号I,Qが供給されてきた場合、即ち、ノイズ処理判定部3によりノイズ処理が不要であると判定された場合、主制御部8の制御に基づいて、2つの信号I,Qを利用する所定の演算を行う。そして、演算部4は、その演算の結果得られる信号に対して、例えば0.1乃至1[Hz]程度の成分を通過させるフィルタ処理を施し、その結果得られる信号vnを検出判定処理部6に供給する。
【0083】
なお、信号vnは、生物22の存在有無の判定(生物22の検出)に利用される信号である。そこで、以下、信号vnを、検出判定用信号vnと称する。
【0084】
ノイズ処理部5は、ノイズ処理判定部3から2つの信号I,Qが供給されてきた場合、即ち、ノイズ処理判定部3によりノイズ処理が必要であると判定された場合、主制御部8の制御に基づいて、2つの信号I,Qを利用して、直交検波出力信号に重畳されていたノイズが軽減または除去された信号vmを生成し、その信号vmを検出判定処理部6に出力する。また、後述するように、信号vmは、主制御部8に提供されたり、呈示部7の音声出力部31に提供される場合もある。
【0085】
このように、信号vmは、後述するように、生物22の存在有無の判定(生物22の検出)に利用される信号である。また、生物22の存在有無の判定は、後述するように、検出判定処理部6により行われるか、或いは、音声出力部31から出力される信号vmを示す音声を聴く人間(ユーザ等)により行われる。また、信号vmは、このように生物22の存在有無の判定に利用されるときには、後述するように、直交検波出力信号に重畳されていたノイズに対してその軽減または除去を目的する処理が既に施されている。そこで、以下、検出判定処理部6または音声出力部31に提供される信号vmを、特に、ノイズ処理後の検出判定用信号vmと称する。
【0086】
換言すると、ノイズ処理部5が、主制御部8の制御に基づいて、上述した本発明の第2の手法に対応する処理を実行する。即ち、ノイズ処理後の検出判定用信号vmとは、本発明の第2の手法で言うノイズ処理後の信号を指す。従って、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成手法は、本発明の第2の手法に基づく生成手法であれば特に限定されない。ただし、その生成手法の具体例については、図7と図8とを参照して後述する。また、ノイズ処理部5のその他のさらなる詳細についても、図7と図8とを参照して後述する。
【0087】
検出判定処理部6は、主制御部8の制御に基づいて、演算部4から供給された検出判定用信号vnまたはノイズ処理部5から供給されたノイズ処理後の検出判定用信号vmと、判定基準記憶部9に記憶されている所定の判定基準とを比較することで、測定対象物21に生物22等の生物が存在するのか否かを判定する。即ち、検出判定処理部6は、生物22等の生物を検出する。
【0088】
詳細には、例えばここで、マイクロ波センサ1からの送信信号vtと受信信号vrとのそれぞれを時間tの関数vt(t),vr(t)のそれぞれで表し、送信信号vtであるマイクロ波の周波数をf[Hz]と、その各周波数をω(=2πf)と、マイクロ波センサ1から生物22までの平均距離をR0[m]と、生物22の動きのうちの送信信号vtの進行方向(図3中白抜き矢印の方向)の成分を示す時間tの関数をr(t)とする。この場合、関数vt(t),vr(t)のそれぞれは、次の式(1)と式(2)とのそれぞれで表される。
【0089】
vt(t) = Vt exp(jωt+θ0) ・・・(1)
vr(t) = Vt exp[j{ω(t-τ)+θ0}] ・・・(2)
式(1)と式(2)において、τは次の式(3)で表され、θ0は初期位相を示している。なお、次の式(3)において、cは光速[m/sec]を表している。
τ = 2 { R0 + r(t)} / c ・・・(3)
【0090】
この場合、マイクロ波センサ1の直交検波出力信号を構成する信号vi,vqのそれぞれも、時間tの関数vi(t),vq(t)のそれぞれで表すとすると、関数vi(t),vq(t)のそれぞれは次の式(4)と式(5)のそれぞれで表される。
【0091】
vi(t) ≒ Vt0 + Vr0 cos(ωτ) ・・・(4)
vq(t) ≒ Vt1 + Vr1 sin(ωτ) ・・・(5)
【0092】
ここで、増幅/フィルタ部2から出力される信号I,Qのそれぞれも、時間tの関数I(t),Q(t)のそれぞれで表すとする。この場合、式では示さないが、関数I(t),Q(t)のそれぞれは、上の式(4)と式(5)のそれぞれで示される関数vi(t),vq(t)のそれぞれに対して、増幅/フィルタ部2により上述した増幅処理とフィルタ処理とが施されたものである。また、式(3)乃至式(5)から明らかなように、関数vi(t),vq(t)にはともに、生物22の動きを示す関数r(t)が含まれている。従って、関数I(t),Q(t)のそれぞれにも、生物22の動きを示す関数r(t)が含まれていることになる。
【0093】
さらにここで、ノイズ処理部5から検出判定処理部6に供給されるノイズ処理後の検出判定用信号vmも、時間tの関数vm(t)で表すとする。この場合、式では示さないが、ノイズ処理部5の説明として上述したように、関数vm(t)は、関数I(t),Q(t)から生成される。従って、関数vm(t)にも、生物22の動きを示す関数r(t)が含まれている。
【0094】
同様に、ここで、演算部4から検出判定処理部6に供給される検出判定用信号vnも、時間tの関数vn(t)で表すとする。この場合、式では示さないが、演算部4の説明として上述したように、関数vn(t)は、関数I(t),Q(t)から生成される。従って、関数vn(t)にも、生物22の動きを示す関数r(t)が含まれている。
【0095】
従って、検出判定処理部6は、関数vn(t)または関数vm(t)の時間推移、即ち、検出判定用信号vnまたはノイズ処理後の検出判定用信号vmの波形を解析することで、関数r(t)で示される動きをする生物22の存在有無を検出(判定)することが可能になる。
【0096】
検出判定処理部6は、このようにして、生物22の存在有無を検出(判定)すると、その検出結果(生物22の存在有無の判定結果)を所定の形態の信号に変換して、呈示部7に出力する。
【0097】
具体的には例えば、検出判定処理部6は、その検出結果として、「食害虫が存在します」、または、「食害虫が存在しません」というメッセージを生成することができる。
【0098】
この場合、検出判定処理部6は、このメッセージを音声信号に変換し、その音声信号を呈示部7の音声出力部31に出力することができる。これにより、音声出力部31は、この音声信号に対応する音声を出力(呈示)することができる。即ち、音声出力部31は、「食害虫が存在します」、または、「食害虫が存在しません」というメッセージを音声として出力することができる。
【0099】
また、検出判定処理部6は、このメッセージを画像信号に変換し、その画像信号を呈示部7のディスプレイ32に出力することができる。これにより、ディスプレイ32は、この画像信号に対応する画像、即ち、「食害虫が存在します」、または、「食害虫が存在しません」というメッセージの内容を示すテキストや適当なシンボルを含む画像を表示(呈示)することができる。
【0100】
また、検出判定処理部6は、このメッセージを、呈示部7のLED(Light Emitting Diode)33を発光させる指令、または、その発光を停止させる指令に変換し、それらの指令を呈示部7のLED33に出力することができる。なお、以下、LEDの発光を点灯と称し、点灯させる指令を点灯指令と称する。また、LEDの発光の停止を消灯と称し、消灯させる指令を消灯指令と称する。即ち、LED33は、点灯指令を受けた場合には点灯し、消灯指令を受けた場合には消灯する。
【0101】
具体的には例えば、1以上のLED33の点灯または消灯の複数のパターンのうちの、第1のパターンに対して「食害虫が存在します」が対応付けられており、第2のパターンに対して「食害虫が存在しません」が対応付けられているとする。
【0102】
この場合、検出判定処理部6は、「食害虫が存在します」というメッセージを生成した場合には第1のパターンに変化させる指令を生成し、その指令を呈示部7のLED33に出力する。これにより、1以上のLED33は、第1のパターンに従ってそれぞれ点灯または消灯することで、「食害虫が存在します」というメッセージを呈示することができる。
【0103】
これに対して、検出判定処理部6は、「食害虫が存在しません」というメッセージを生成した場合には第2のパターンに変化させる指令を生成し、その指令を呈示部7のLED33に出力する。これにより、1以上のLED33は、第2のパターンに従ってそれぞれ点灯または消灯することで、「食害虫が存在しません」というメッセージを呈示することができる。
【0104】
なお、検出判定処理部6の判定処理結果の出力形態、即ち、呈示部7による呈示形態は、上述したメッセージに特に限定されない。例えば、検出判定処理部6は、ノイズ処理部5から供給されたノイズ処理後の検出判定用信号vmの波形(後述する図9乃至図11参照)や、判定基準記憶部9に記憶されている判定基準を含む画像を生成し、その画像に対応する画像信号をディスプレイ32に出力してもよい。この場合、ディスプレイ32は、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの波形や、判定基準記憶部9に記憶されている判定基準を含む画像を表示(呈示)することができる。
【0105】
また、詳細については図12と図13とを参照して後述するが、音声出力部31は、ノイズ処理部5から出力されたノイズ処理後の検出判定用信号vm、または、演算部4から出力された検出判定用信号vnをそのまま入力して、そのノイズ処理後の検出判定用信号vmまたは検出判定用信号vnを音声に変換してユーザに出力(呈示)してもよい。この場合、ユーザは、その音声の特徴に基づいて、測定対象物21に生物22等の生物が存在するのか否かを容易に判定することができる。
【0106】
主制御部8は、この生物検出装置の動作全体を制御する。即ち、図3の例では、主制御部8は、ユーザによる操作部10の操作内容、または自分自身の判断に基づいて、マイクロ波センサ1乃至回転駆動部11のそれぞれの動作を制御する。
【0107】
具体的には例えば、後述する図14のステップS21において、主制御部8は、上述した第1の手法に対応する処理の一部を実行することで、マイクロ波センサ1の動作を制御することができる。詳細には例えば、主制御部8は、このステップS21の処理の一部として次のような処理を実行することができる。
【0108】
即ち、主制御部8は、必要最低限な検出範囲と分解能とを仕様としてはじめに決定する。ここでは例えば、主制御部8は、測定対象物21の図3中右側の表面に対して左方の位置のうちの、測定対象物21の同図中の横方向の厚さの半分の位置を、検出範囲の仕様として決定することができる。また、主制御部8は、サイズが既知の生物22を検出しようとしていれば、その生物22の既知のサイズ以下の所定のサイズが「検出可能な最小の大きさ」となる分解能を仕様として決定することができる。
【0109】
次に、主制御部8は、測定対象物21である植木鉢内の土(測定対象)の含水率等を考慮しつつ、その仕様を満たす範囲内で検出範囲と分解能とのバランスを図りながら、マイクロ波センサ1の送信信号vtの周波数を適切に決定する。
【0110】
そして、主制御部8は、このようにして決定した周波数を、マイクロ波センサ1の送信信号vtの周波数として設定する。即ち、主制御部8は、マイクロ波センサ1に対してその送信信号vtの周波数を指示する。
【0111】
これにより、マイクロ波センサ1は、上述したように、主制御部8により指示(設定)された適切な周波数の送信信号vtを、測定対象物21に対して送信することができる。
【0112】
このようにして、主制御部8は、マイクロ波センサ1の送信信号vtの周波数を可変する制御を行うことができる。
【0113】
また例えば、後述する図7に示されるようにノイズ処理部5がハードウエアで構成されている場合、主制御部8は、ノイズ除去後の検出判定用信号vmの生成方法(以下、ノイズ処理方法とも称する)を決定し、また、その決定前後において、ノイズ処理部5および検出判定処理部6の動作も制御する。なお、この場合の主制御部8の処理のさらなる詳細については、図7を参照して後述する。
【0114】
また例えば、ノイズ処理判定部3乃至ノイズ処理部5等がソフトウエアモジュールとして構成される場合、主制御部8は、これらの各ソフトウエアモジュールを制御することで、後述する図8のノイズ処理方法決定処理を実行する。換言すると、主制御部8は、これらの各ソフトウエアモジュールを起動させ、図8の各ステップの処理のそれぞれを各ソフトウエアモジュールのうちの所定の1つに実行させる制御を実行する。
【0115】
また例えば、主制御部8は、回転駆動部11に対して、回転台12を回転駆動させる指令(以下、回転指令と称する)を出力することで、回転駆動部11の動作を制御する。この回転指令の形態は特に限定されず、「所定の角度だけ回転させよ」という意味の指令であってもよいし、「所定の時間だけ回転させよ」という意味の指令であってもよい。そして例えば、主制御部8はさらに、その回転指令に従って回転台12が回転したことを検出すると、回転駆動部11に対して、回転台12の回転駆動を停止させる指令(以下、停止指令と称する)を出力することで、回転駆動部11の動作を制御する。
【0116】
なお、回転指令に従って回転台12が回転したことを検出するための検出手法は、回転指令に対応する手法であれば特に限定されない。
【0117】
例えば、主制御部8は、「所定の角度だけ回転させよ」という意味の回転指令を出力する場合には、回転台12の回転角度を検出するセンサ(位置センサ)の検出結果を常時または所定の間隔毎に取得し、その検出結果が回転指令で指示した所定の角度となった時点で、停止指令を出力することができる。なお、この位置センサは、図3には図示されていないが、回転台12若しくは回転駆動部11またはそれらの近傍に配置される。
【0118】
また例えば、主制御部8は、「所定の時間だけ回転させよ」という意味の回転指令を出力する場合には、その回転指令を出力した時点でタイマ等を用いて計時を開始し、その回転指令で指示した所定の時間だけ計時した時点で、停止指令を出力することができる。なお、タイマは、図3には図示されていないが、主制御部8に内蔵するタイマを採用してもよいし、主制御部8とは独立した外部のタイマを採用してもよい。ただし、以下の説明では、主制御部8はタイマを内蔵しているとする。
【0119】
さらに例えば、主制御部8は、回転指令を出力してから停止指令を出力するまでの間、即ち、回転台12が回転している間、マイクロ波センサ1の動作を禁止し(送信信号vtの送信を停止させ)、停止指令を出力した時点、或いはその時点から所定の時間だけ経過した後(内蔵タイマを用いて所定の時間だけ計時した後)、マイクロ波センサ1の動作の禁止を解除する(送信信号vtの送信を開始させる)ことで、マイクロ波センサ1の動作を制御する。その後、詳細については後述するが、主制御部8は、例えばノイズ処理部5からの信号vmを用いて回転台12の振動レベルを検出する。そして、例えば、主制御部8は、回転台12の振動レベルが所定の閾値を越えている間には、即ち、回転台12が振動している間には、検出判定処理部6の動作を禁止し、回転台12の振動レベルが所定の閾値以下となった時点で、即ち、回転台12がほぼ静止した時点で、検出判定処理部6の動作の禁止を解除することで、測定対象物21に生物22が存在するか否かを検出するための測定を開始することができる。このようにして、主制御部8は、検出判定処理部6の動作を制御する。
【0120】
或いは例えば、主制御部8は、停止指令を出力した時点で、内蔵タイマを用いて計時を開始し、計時を開始している最中には、検出判定処理部6の動作を禁止し、所定の時間だけ計時した時点で(内蔵タイマがタイムアウトした時点で)、測定対象物21に生物22が存在するか否かを検出するための測定を開始してもよい。なお、この場合、回転台12の振動レベルの検出は不要になる。
【0121】
判定基準記憶部9には、上述したように、ノイズ処理判定部3により利用される判定基準、即ちノイズ処理の必要有無についての判定基準や、検出判定処理部6により利用される判定基準、即ち測定対象物21に生物22等が存在するのか否かについての判定基準が記憶されている。これらの判定基準は、必要に応じて主制御部8により適宜読み出される。
【0122】
操作部10は、ユーザにより操作され、その操作内容を主制御部8に供給する。即ち、ユーザは、操作部10を操作することで、様々な情報を主制御部8に入力させることができる。具体的には例えば、ユーザは、操作部10を操作することで、上述した仕様として決定される必要最低限な検出範囲自身や分解能自身、若しくはそれらを特定可能な情報を主制御部8に入力させたり、測定対象物21である植木鉢内の土(測定対象)の含水率、若しくは、それを特定可能な情報を主制御部8に入力させることができる。また例えば、ユーザは、上述した回転指令自身、若しくはそれを生成するために必要な各種情報を、主制御部8に入力させることができる。
【0123】
回転駆動部11は、主制御部8からの回転指令に従って、回転台12を所定の角度だけまたは所定の時間だけ回転させる。即ち、回転台12は、回転駆動部11が発生する駆動力(例えば回転駆動部11がモータを含む場合にはそのモータが発生するトルク)により、測定対象物21が配置された面と垂直方向(図3中上下方向)に平行な所定の軸を中心に、所定の角度だけまたは所定の時間だけ回転する。これにより、回転台12の上に配置された測定対象物21も(ひいては生物22も)、回転台12の軸を中心として、所定の角度だけまたは所定の時間だけ回転する。
【0124】
なお、上述したように、必要に応じて、回転駆動部11若しくは回転台12またはそれらの近傍に、回転台12の回転角を検出するセンサ(位置センサ)が設けられる。
【0125】
電磁シールド13は、マイクロ波センサ1の送信信号vtと受信信号vrとを外部に漏洩させないという第1の機能、および、マイクロ波センサ1の送信信号vtの内部反射(拡散)を防止するという第2の機能、即ち、内部反射による反射波を受信信号vrに可能な限り含めないという第2の機能を有している。
【0126】
なお、電磁シールド13は、この生物検出装置にとって必須な構成要素ではない。即ち、日本国の電波法では、マイクロ波が外部漏洩すると通信の分野で混信等のトラブルが発生することから、マイクロ波の使用が規制されている。この規制のため、図3の例では、電磁シールド13が設けられているのである。
【0127】
換言すると、日本国の電波法で若干の外部漏洩が許可されている周波数、例えばいわゆる電子レンジが使用している2.45GHz等を、マイクロ波センサ1の送信信号vtおよび受信信号vrの周波数として使用することで、電磁シールド13は省略可能である。なお、あまりに多量のマイクロ波の外部漏洩は人体に影響があるとして、人体防護を目的としたガイドラインが設けられている。従って、日本国の電波法で若干の外部漏洩が許可されている周波数を送信信号vtおよび受信信号vrの周波数として使用する場合には、このガイドラインの内容も考慮するとよい。
【0128】
また例えば、この生物検出装置が、日本国外の場所で使用される場合には、その場所で許可されている範囲内の周波数を、マイクロ波センサ1の送信信号vtおよび受信信号vrの周波数として使用することで、電磁シールド13は省略可能である。
【0129】
ただし、以下の説明においては、電磁シールド13は設けられているとする。
【0130】
このような電磁シールド13の形態は、上述した第1の機能と第2の機能とを有していれば特に限定されない。具体的には例えば、電磁シールド13は、図4に示されるような箱、即ち、内部の周囲壁全体に電波吸収材(図示せず)が配置された箱であって、マイクロ波センサ1およびそれを固定設置するジャッキ台41、測定対象物21およびそれが配置される回転台12、並びに、その回転台12を回転させる回転駆動部11を少なくとも収容可能な箱として構成することができる。
【0131】
ところで、この図4は、図3の例の生物検出装置の外観の構成の一例を示している。
【0132】
図4の例では、上述したように、マイクロ波センサ1はジャッキ台41により固定され、測定対象物21は回転台12の上に配置される。この回転台12も、同図に示されるように、ジャッキ台として構成されている。従って、ユーザ(測定者)等は、ジャッキ台41と回転台12とのジャッキ部分を自在に上下に動かすことで、マイクロ波センサ1と測定対象物21との図4中上下方向(垂直方向)の位置を、適切な位置に固定することが容易に可能になる。
【0133】
また、図4の例では、回転駆動部11は、モータを含むように構成されており、このモータが発生するトルクにより回転台12が回転するようになされている。
【0134】
また、図4の例では、図3の生物検出装置のうちの、増幅/フィルタ部2乃至検出判定処理部6、主制御部8、および、判定基準記憶部9が、筺体42の中に収納されている。この筺体42の表面のうちの1面には、呈示部7、即ち、音声出力部31(より正確には、そのうちのスピーカ)、ディスプレイ32、およびLED33が配置されており、また、キーボードとして構成されている操作部10も配置されている。
【0135】
この場合、増幅/フィルタ部2乃至検出判定処理部6、主制御部8、および、判定基準記憶部9のうちの少なくとも一部がソフトウエアで構成されているときには、そのソフトウエア(プログラム)を実行するコンピュータが筺体42内に設けられる。このコンピュータとして、例えば、後述する図18の構成のパーソナルコンピュータを採用することで、筺体42の小型化を図ることが可能になる。その結果、この生物検出装置を、可搬型の装置、即ち、ユーザ(測定者)等が自在に持ち運び可能な装置として構成することが可能になる。
【0136】
以上、図3と図4とを参照して、本発明が適用される生物検出装置の一構成例の概略について説明した。
【0137】
以下、引き続き、図3と図4の例の生物検出装置の機能的構成要素のうちの、マイクロ波センサ1、ノイズ処理部5、および、ノイズ処理部5からのノイズ処理後の検出判定用信号vmまたは演算部4からの検出判定用信号vnがそのまま供給される場合の音声出力部31のそれぞれの詳細について、その順番に個別に説明していく。
【0138】
はじめに、図5と図6とを参照して、マイクロ波センサ1の詳細について説明する。
【0139】
図5は、マイクロ波センサ1の一構成例を示している。図6は、マイクロ波センサ1の、図5とは異なる構成例を示している。
【0140】
図5の例では、マイクロ波センサ1は、マイクロ波発振器51、導波管52、アンテナ53、および、マイクロ波直交検波部54から構成されている。
【0141】
マイクロ波発振器51は、所定の周波数帯(例えば本実施の形態では6乃至12[GHZ])のうちの、図3の主制御部8により設定された周波数(例えば7.8[GHZ]等)のマイクロ波を発振する。
【0142】
導波管52は、マイクロ波発振器51から発振されたマイクロ波を送信信号vtとして、図5中左方向、即ち、アンテナ53側の方向に伝播する。導波管52はまた、アンテナ53が受信した受信信号vrを、図5中右方向、即ち、マイクロ波発振器51側の方向に伝播する。
【0143】
アンテナ53は、マイクロ波発振器51から導波管52を介して伝播されてきた送信信号vtを、測定対象物21に対して送信する。アンテナ53はまた、この送信信号vtが生物22等により反射された結果得られる反射波を受信信号vrとして受信する。
【0144】
図5の例では、マイクロ波直交検波部54は、ダイオード55とダイオード56とから構成されている。ダイオード55においては、そのアノードが導波管52内の端子52iに接続され、そのカソードが、信号viを図3の増幅/フィルタ部2に出力する端子55iに接続されている。換言すると、ダイオード55のカソードは、端子55iとして構成されている。また、ダイオード56においては、そのアノードが、導波管52内の端子52iに対して導波管52内の波長λgの1/8(=λg/8)の距離だけ離間した位置の端子52qに接続され、そのカソードが、信号vqを増幅/フィルタ部2に出力する端子56qに接続されている。換言すると、ダイオード56のカソードは、端子56qとして構成されている。
【0145】
ここで、図5の例のマイクロ波センサ1の動作の概略について説明する。即ち、導波管52内を伝播する送信信号vtと受信信号vrとの位相差に基づく定在波が、導波管52内に発生する。この定在波のうちの、所定の成分、例えば送信信号vtの同相成分が信号viとして、ダイオード55のカソードである端子55iから出力されるとともに、その所定の成分から90度(=π/2)だけ位相がずれた成分、例えば、送信信号vtから90度だけ位相がずれた成分が信号vqとして、ダイオード56のカソードである端子56qから出力される。
【0146】
このような図5の例に対して、図6の例では、マイクロ波センサ1は、マイクロ波発振器61、パワーデバイダ62、サーキュレータ63、アンテナ64、および、I/Qミキサ65から構成されている。
【0147】
マイクロ波発振器61は、図5のマイクロ波発振器51と同様に、所定の周波数帯(例えば本実施の形態では6乃至12[GHZ])のうちの、図3の主制御部8により設定された周波数(例えば7.8[GHZ]等)のマイクロ波を発振する。
【0148】
パワーデバイダ62は、マイクロ波発振器61から発振されたマイクロ波を分配し、分配されたマイクロ波のそれぞれを、サーキュレータ63とI/Qミキサ65とのそれぞれに送信信号vtとして供給する。
【0149】
サーキュレータ63は、パワーデバイダ62から供給されてくる送信信号vtをアンテナ64に供給する。サーキュレータ63はまた、アンテナ64が受信した受信信号vrをI/Qミキサ65に供給する。
【0150】
アンテナ64は、マイクロ波発振器61より発振されてパワーデバイダ62とサーキュレータ63とを介して供給されてきた送信信号vtを、測定対象物21に対して送信する。アンテナ64はまた、この送信信号vtが生物22等により反射された結果得られる反射波を受信信号vrとして受信する。
【0151】
I/Qミキサ65は、アンテナ64からサーキュレータ63を介して供給された受信信号vrと、マイクロ波発振器61からパワーデバイダ62を介して供給されてきた送信信号vtとをミキシング(乗算)することで、両者の位相差に対応する成分を有するビート信号を生成する。そして、I/Qミキサ65は、そのビート信号のうちの、所定の成分、例えば送信信号vtの同相成分を信号viとして図3の増幅/フィルタ部2に出力するとともに、その所定の成分から90度(=π/2)だけ位相がずれた成分、例えば、送信信号vtから90度だけ位相がずれた成分を信号vqとして増幅/フィルタ部2に出力する。
【0152】
なお、図6の例のマイクロ波センサ1の動作の概略は、I/Qミキサ65の説明として上述した内容と基本的に同様となるため、即ち、繰り返しになってしまうため、ここではその説明については省略する。
【0153】
以上、図5と図6とを参照して、マイクロ波センサ1の詳細について説明した。
【0154】
次に、図7と図8とを参照して、ノイズ処理部5の詳細について説明する。
【0155】
図7は、ノイズ処理部5がハードウエアとして構成された場合のその詳細な構成例と、主制御部8のうちのノイズ処理部5を制御する部分の機能的構成例を示すブロック図である。
【0156】
これに対して、図8は、ノイズ処理部5の他、図3のノイズ処理判定部3や演算部4がそれぞれソフトウエアモジュールとして構成された場合に、各ソフトウエアモジュールのうちの少なくともノイズ処理判定部3とノイズ処理部5とが実行する処理(以下、ノイズ処理方法決定処理と称する)の一例を示すフローチャートである。なお、ノイズ処理部5のソフトウエアモジュールには、図7の例の主制御部8のうちうのノイズ処理部5を制御する部分に対応する機能、即ち、後述するノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81とノイズ処理方法決定部82とに対応する機能も組み込まれているとする。
【0157】
図7の例では、ノイズ処理部5は、極性反転部71乃至フィルタ部76から構成されている。図7の例とは、ノイズ処理部5がハードウエアとして構成された場合の例であるので、極性反転部71乃至フィルタ部76もまた、ハードウエア(回路等)として構成されている。
【0158】
ノイズ処理部5には、上述したように、図3のマイクロ波センサ1からの直交検波出力信号を構成する信号vi,vqが増幅/フィルタ部2により所定の処理が施され、その結果得られる信号I,Qが、ノイズ処理判定部3を介して供給される。詳細には、信号Iは、極性反転部71と、切替部72の入力端IN+とに供給される。信号Qは、可変利得増幅部74に供給される。
【0159】
極性反転部71は、信号Iの極性を反転させ、その結果得られる信号、即ち、信号Iに対して180度(=π)だけ位相がずれた信号を、切替部72の入力端IN-に供給する。
【0160】
なお、以下、信号Iに対して180度(=π)だけ位相がずれた信号を、信号I-と称する。また、信号I-との比較を行う場合等には、信号Iを、特に信号I+とも称する。
【0161】
即ち、極性反転部71から出力された信号I-は、切替部72の入力端IN-に入力される。これに対して、信号I+は、切替部72の入力端IN+に入力される。
【0162】
切替部72は、主制御部8のI信号決定部92の指示に基づいて、その入力を、入力端IN+と入力端IN-とのうちの一方に切り替える。そして、切替部72は、その入力を入力端IN+に切り替えた場合、信号I+を出力端OUTを介して可変利得増幅部73に供給する。これに対して、切替部72は、その入力を入力端IN-に切り替えた場合、極性反転部71から供給された信号I-を、出力端OUTを介して可変利得増幅部73に供給する。
【0163】
このようにして、可変利得増幅部73には、信号I+または信号I-が切替部72から供給される。可変利得増幅部73は、信号I+または信号I-の利得を、主制御部8の利得決定部93により決定されたゲインGi分だけ増幅させ、その結果得られる信号を演算部75に供給する。
【0164】
なお、以下、信号I+の利得がゲインGi分だけ増幅された信号を、信号(Gi×I+)と称する。また、以下、信号I-の利得がゲインGi分だけ増幅された信号を、信号(Gi×I-)と称する。即ち、信号(Gi×I+)または信号(Gi×I-)が、可変利得増幅部73から演算部75に供給される。
【0165】
可変利得増幅部74は、信号Qの利得を、主制御部8の利得決定部93により決定されたゲインGq分だけ増幅させ、その結果得られる信号を演算部75に供給する。
【0166】
なお、以下、信号Qの利得がゲインGq分だけ増幅された信号を、信号(Gq×Q)と称する。即ち、信号(Gq×Q)が、可変利得増幅部74から演算部75に供給される。
【0167】
このようにして、演算部75には、信号(Gi×I+)または信号(Gi×I-)が可変利得増幅部73から供給され、信号(Gq×Q)が可変利得増幅部74から供給される。そこで、演算部75は、可変利得増幅部73から供給された信号(Gi×I+)または信号(Gi×I-)と、可変利得増幅部74から供給された信号(Gq×Q)とを利用する所定の演算を行い、その演算の結果得られる信号をフィルタ部76に供給する。
【0168】
演算部75が実行する所定の演算は、可変利得増幅部73から供給された信号(Gi×I+)または信号(Gi×I-)と、可変利得増幅部74から供給された信号(Gq×Q)とを利用する演算であれば足り、特に限定されない。ただし、本実施の形態では、演算部75は、可変利得増幅部74から供給された信号(Gq×Q)と、可変利得増幅部73から供給された信号(Gi×I+)または信号(Gi×I-)との差分を演算し、その演算の結果得られる信号、即ち、2つの信号の差分信号を、フィルタ部76に供給する。
【0169】
なお、以下、信号(Gq×Q)と信号(Gi×I+)との差分信号を、信号(Gq×Q-Gi×I)と称する。また、以下、信号(Gq×Q)と信号(Gi×I-)との差分信号を、信号(Gq×Q+Gi×I)と称する。即ち、本実施の形態では、信号(Gq×Q-Gi×I)または信号(Gq×Q+Gi×I)が、演算部75からフィルタ部76に供給される。
【0170】
フィルタ部76は、演算部75から供給された信号(Gq×Q-Gi×I)または信号(Gq×Q+Gi×I)に対して、例えば0.1乃至1[Hz]程度の成分を通過させるフィルタ処理を施し、その結果得られる信号vmを、検出判定処理部6や主制御部8の出力信号蓄積部91に供給する。
【0171】
なお、上述したように、信号vmは、検出判定処理部6に供給される場合、ノイズ処理後の検出判定用信号vmと称されることになる。
【0172】
また、信号vmは、上述したように、図7には図示されていない図3の音声出力部31に供給される場合もある。ただし、図7と図8とを参照して各種説明を行っている間に限り、説明の簡略上、信号vmは、音声出力部31に供給されないとする。
【0173】
このような図7のハードウエア構成を有するノイズ処理部5を制御するために、図7の例の主制御部8には、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81、および、ノイズ処理方法決定部82が設けられている。
【0174】
ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81、および、ノイズ処理方法決定部82は、主制御部8の実現形態に対応する形態であれば、ソフトウエア単体で構成してもよいし、ハードウエア単体で構成してもよいし、ソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成してもよい。具体的には例えば、主制御部8が、後述する図18のパーソナルコンピュータとして構成されている場合には、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81とノイズ処理方法決定部82とのそれぞれは、ソフトウエアで構成することが可能である。ただし、この場合、出力信号蓄積部91は、図18の記憶部208等のメモリの一領域として構成される。
【0175】
ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81は、その名称の通り、図3の例の生物検出装置の動作モードを、ノイズ処理方法決定モードと、生物検出判定モードとのうちの何れか一方に切り替える。
【0176】
詳細には、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81は、測定開始前、ノイズ処理方法決定モードに切り替えて、検出判定処理部6の動作を禁止する。即ち、ノイズ処理方法決定モードに切り替えられた場合、検出判定処理部6は、フィルタ部76から出力された信号vmを入力しない。このとき、ノイズ処理方法決定部82は、この信号vmを用いて、ノイズ処理方法、即ち、ノイズ処理後の検出判定用信号vmを生成する方法を決定する。
【0177】
即ち、ノイズ処理方法が決定されるまでは、フィルタ部76から出力される信号vmは、ノイズ処理が施されているとはまだ言えない。このため、本明細書では、信号vmは、検出判定処理部6に供給された段階(実際には、その他音声出力部31に供給された段階)で初めて、ノイズ処理後の検出判定用信号vmと称される。即ち、本明細書では、ノイズ処理方法決定部82がノイズ処理方法を決定し終えるまでは、フィルタ部76から出力される信号vmを、ノイズ処理後の検出判定用信号vmとは称さずに、単に信号vmと称する。
【0178】
なお、ノイズ処理方法を決定するためにノイズ処理方法決定部82により実行される各種処理については後述する。
【0179】
また、詳細については後述するが、ノイズ処理方法決定部82は、ノイズ処理方法の決定を終了すると、そのことをノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81に通知する。これにより、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81は、その動作モードを、ノイズ処理方法決定モードから生物検出判定モードに切り替えて、検出判定処理部6の動作の禁止を解除する。即ち、生物検出判定モードに切り替えられた場合、ノイズ処理方法決定モードで決定されたノイズ処理方法に従ってノイズ処理部5により生成された信号vmは、ノイズ処理後の検出判定用信号vmとして検出判定処理部6に供給される。
【0180】
ノイズ処理方法決定部82は、図7の例では、出力信号蓄積部91、I信号決定部92、および、利得決定部93から構成されている。
【0181】
出力信号蓄積部91は、フィルタ部76から出力される信号vmを蓄積する。
【0182】
なお、フィルタ部76から出力される信号vmは、正確には、演算部75から出力された信号(Gq×Q-Gi×I)または信号(Gq×Q+Gi×I)に対して、フィルタ部76によりフィルタ処理が施された後の信号である。ただし、以下、説明の簡略上、フィルタ部76から出力される信号vmは、単に信号(Gq×Q-Gi×I)または信号(Gq×Q+Gi×I)であるとみなす。即ち、出力信号蓄積部91には、信号(Gq×Q-Gi×I)や信号(Gq×Q+Gi×I)が複数個蓄積され得る。
【0183】
I信号決定部92は、出力信号蓄積部91に蓄積された信号(Gq×Q-Gi×I)と信号(Gq×Q+Gi×I)とを比較し、その比較の結果に基づいて、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として、信号I+と信号I-とのうちの何れの信号を決定する。ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号とは、後述するように、ノイズ処理後の検出判定用信号vmが生成される際に利用される信号を言う。
【0184】
このため、詳細については後述するが、I信号決定部92は、その決定前には、信号(Gq×Q-Gi×I)と信号(Gq×Q+Gi×I)とを少なくとも1つずつ出力信号蓄積部91に蓄積させることを目的として、切替部72の入力を、入力端IN+と入力端IN-とに少なくとも1回ずつ切り替える指令を、切替部72に対して出力する。
【0185】
また、その決定後には、I信号決定部92は、切替部72の入力を、入力端IN+と入力端IN-とのうちの、信号I+と信号I-とのうちの決定された信号を入力する方に切り替え、そのまま保持させる指令を、切替部72に対して出力する。
【0186】
利得決定部93は、出力信号蓄積部91に蓄積された信号(Gq×Q-Gi×I)と信号(Gq×Q+Gi×I)とのうちの、I信号決定部92により決定された方の信号についての所定の属性(実効値等)が最小レベルとなるようなゲインGq,Giを、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用ゲインGq,Giとして決定する。ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用ゲインGq,Giとは、ノイズ処理後の検出判定用信号vmが生成される際に利用されるゲインGq,Gi(それらのレベル値)を言う。
【0187】
このため、詳細については後述するが、利得決定部93は、その決定前には、ゲインGq,Giのそれぞれのレベル値を適宜更新し、更新されたレベル値のそれぞれを利用することを、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とのそれぞれに指示(通知)する。
【0188】
また、その決定後には、利得決定部93は、決定されたゲインGq,Giのレベル値のそれぞれを利用すること(保持させること)を、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とのそれぞれに指示(通知)する。
【0189】
以上説明したように、ノイズ処理方法決定部82は、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として、信号I+と信号I-とのうちの何れか一方を決定し、また、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用ゲインGq,Giのレベル値を決定することで、ノイズ処理方法を決定する。換言すると、ノイズ処理方法とは、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成方法を言い、本実施の形態ではそのノイズ処理方法が、ノイズ処理方法決定モードのときに決定される。
【0190】
ノイズ処理方法決定部82は、このようにしてノイズ処理方法を決定すると、上述したように、ノイズ処理方法の決定が終了したことを、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81に通知する。
【0191】
これにより、上述したように、動作モードはノイズ処理方法決定モードから生物検出判定モードに切り替わり、それ以降、信号I+と信号I-とのうちの、ノイズ処理方法決定モードのときに決定された信号が使用され、かつ、ノイズ処理方法決定モードのときに決定されたゲインGq,Giのレベル値が使用されて、ノイズ処理後の検出判定用信号vmが実際に生成されることになる。
【0192】
次に、図7の例のノイズ処理部5と、それを制御する主制御部8との動作の概略について説明する。
【0193】
即ち、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81は、その動作モードをノイズ処理方法決定モードに切り替えると、そのことを、ノイズ処理方法決定部82に通知するとともに、検出判定処理部6の動作を禁止する。即ち、ノイズ処理部5から出力される信号vmは、検出判定処理部6には入力されなくなる。
【0194】
ノイズ処理方法決定部82の利得決定部93は、ノイズ処理方法決定モードに切り替わったという通知を受け取ると、ゲインGi,Gqのレベル値を何れも例えば1に設定し、その設定値である1を利用することを、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とに指示する。
【0195】
また、I信号決定部92は、切替部72の入力を、入力端IN-と入力端IN+とに少なくとも1回ずつ切り替える指令を、切替部72に対して供給する。
【0196】
これにより、切替部72は、その入力を、入力端IN-と入力端IN+とに少なくとも1回ずつ切り替える。
【0197】
即ち、可変利得増幅部73には、少なくとも1つの信号I-と、少なくとも1つの信号I+とが供給される。いまの場合、ゲインGiとして1を利用することが利得決定部93により指示されているので、可変利得増幅部73は、少なくとも1つの信号I-と、少なくとも1つの信号I+とをそのまま演算部75に供給する。
【0198】
また、いまの場合、ゲインGqとして1を利用することが利得決定部93により指示されているので、可変利得増幅部74は、信号Qをそのまま演算部73に供給する。
【0199】
従って、演算部75は、少なくとも1つの信号(Q-I)と、少なくとも1つの信号(Q+I)とのそれぞれを生成し、それぞれ信号vmとして、フィルタ部76を介して出力信号蓄積部91に蓄積する。即ち、出力信号蓄積部91には、少なくとも1つの信号(Q-I)と、少なくとも1つの信号(Q+I)とが蓄積される。
【0200】
そこで、I信号決定部92は、出力信号蓄積部91に蓄積された信号(Q-I)と信号(Q+I)との所定の属性(実効値等)のレベルを比較し、そのレベルが小さい方の信号の生成元である信号I+または信号I-を、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として決定する。
【0201】
即ち、上述したように、信号I,Qのうちの例えば信号Iの同相成分または逆相成分(180度だけ位相がずれた成分)、即ち、信号I+の成分または信号I-の成分に、ノイズが重畳されている。従って、信号I+の成分にノイズが多く重畳されており、信号I-の成分にノイズがさほど重畳されていない場合には、信号(Q-I)と信号(Q+I)とのうちの、信号(Q-I)の方が所定の属性(実効値等)のレベルが小さくなり、信号(Q+I)の方が所定の属性のレベルが大きくなる。このことは、信号I+の成分にノイズが多く重畳されている場合には、信号(Q-I)の方が、信号(Q+I)と比較して、そのノイズがより一段と軽減または除去されていることを意味する。即ち、信号I+の成分にノイズが多く重畳されている場合には、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として、信号(Q-I)の生成元である信号I+を決定した方が好適である。
【0202】
これに対して、信号I-の成分にノイズが多く重畳されており、信号I+の成分にノイズがさほど重畳されていない場合には、信号(Q-I)と信号(Q+I)とのうちの、信号(Q+I)の方が所定の属性のレベルが小さくなり、信号(Q-I)の方が所定の属性のレベルが大きくなる。このことは、信号I-の成分にノイズが多く重畳されており、信号I+の成分にノイズがさほど重畳されていない場合には、信号(Q+I)の方が、信号(Q-I)と比較して、そのノイズがより一段と軽減または除去されていることを意味する。即ち、信号I-の成分にノイズが多く重畳されている場合には、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として、信号(Q+I)の生成元である信号I-を決定した方が好適である。
【0203】
そこで、I信号決定部92は、出力信号蓄積部91に蓄積された信号(Q-I)と信号(Q+I)とのうちの所定の属性(実効値等)のレベルが小さい方の生成元である信号I+または信号I-を、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として決定するのである。
【0204】
次に、I信号決定部92は、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として例えば信号I+を決定した場合には、切替部72の入力を入力端IN+に切り替え、そのまま保持させる指令を切替部72に対して出力する。切替部72は、この指令を受けて、その入力を入力端IN+に切り替え、そのまま保持させる。すると、それ以降、信号I+が、切替部72から可変利得増幅部73に供給される。
【0205】
これに対して、I信号決定部92は、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として例えば信号I-を決定した場合には、切替部72の入力を入力端IN-に切り替え、そのまま保持させる指令を切替部72に対して出力する。切替部72は、この指令を受けて、その入力を入力端IN-に切り替え、そのまま保持させる。すると、それ以降、極性反転部71からの信号I-が、切替部72から可変利得増幅部73に供給される。
【0206】
なお、以上説明した動作以降については、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として、信号I+が決定された場合にも、信号I-が決定された場合にも基本的に同様の動作となる。そこで、以下、説明の簡略上、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として信号I+が決定された場合における、ノイズ処理部5とノイズ処理方法決定部82との動作についてのみ説明する。
【0207】
この場合、利得決定部93は、ゲインGi,Gqのレベル値のそれぞれの設定を適宜更新し、それぞれの更新後の設定値を利用することを、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とのそれぞれに指示する。
【0208】
このようにして、利得決定部93によりゲインGi,Gqのレベル値の設定が更新される毎に、演算部75は、更新後のゲインGi,Gqを利用して信号(Gq×Q-Gi×I)を生成し、それを信号vmとして出力信号蓄積部91に蓄積する。即ち、ゲインGi,Gqの各更新値をそれぞれ利用して複数の信号(Gq×Q-Gi×I)がそれぞれ生成される。そして、これらの複数の信号(Gq×Q-Gi×I)が出力信号蓄積部91に蓄積される。
【0209】
そこで、利得決定部93は、出力信号蓄積部91に蓄積された複数の信号(Gq×Q-Gi×I)のうちの、所定の属性(実効値等)のレベルが最小となる信号を選択し、選択された信号(Gq×Q-Gi×I)の生成に利用されたゲインGq,Giを、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用ゲインGq,Giとして決定する。出力信号蓄積部91に蓄積された複数の信号(Gq×Q-Gi×I)のうちの、属性のレベルが最小となる信号は、他の信号と比較して、ノイズがより一段と軽減または除去された信号と言えるからである。
【0210】
そして、利得決定部93は、このようにして決定されたゲインGi,Gqを利用することを、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とのそれぞれに指示する。これにより、それ以降、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とは、利得決定部93によりこのようにして決定されたゲインGi,Gqのそれぞれを利用する。
【0211】
以上の一連の処理により、ノイズ処理方法が決定されたことになる。そこで、ノイズ処理方法決定部82は、ノイズ処理方法の決定を終了したことをノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81に対して通知する。
【0212】
これにより、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81は、その動作モードをノイズ処理方法決定モードから生物検出判定モードに切り替えて、検出判定処理部6の動作の禁止を解除する。
【0213】
このようにして、動作モードが生物検出判定モードに切り替えられると、ノイズ処理方法決定部82のI信号決定部92は、切替部72の入力として、信号I+と信号I-とのうちの、ノイズ処理方法決定モードで決定された方を入力する入力端を保持させる指令、即ち、上述した例では信号I+を入力する入力端IN+を保持させる指令を切替部72に出力する。
【0214】
切替部72は、この指令を受けて、その入力を入力端IN+のまま保持させる。すると、生物検出判定モードでは常時、信号I+が、切替部72から可変利得増幅部73に供給される。
【0215】
また、利得決定部93は、ノイズ処理方法決定モードで決定されたゲインGi,Gqのそれぞれを利用する(保持させる)指令を、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とのそれぞれに出力する。これにより、生物検出判定モードでは常時、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とのそれぞれは、ノイズ処理方法決定モードで決定されたゲインGi,Gqのそれぞれを利用する。
【0216】
従って、生物検出判定モードでは常時、ノイズ処理方法決定モードで決定された生成手法に従って生成された信号(Gq×Q-Gi×I)、即ち、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号としてI信号決定部92により決定された信号I+が使用され、かつ、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用ゲインGq,Giとして利得決定部93により決定されたゲインGq,Giが使用された信号(Gq×Q-Gi×I)が、演算部75から出力される。そして、生物検出判定モードでは常時、この信号(Gq×Q-Gi×I)が、ノイズ処理後の検出判定用信号vmとして、フィルタ部76を介して検出判定処理部6に供給される。
【0217】
すると、上述したように、検出判定処理部6は、このノイズ処理後の検出判定用信号vmに基づいて、図3の生物22の存在有無を判定する(生物22を検出する)。
【0218】
以上、図7の例のノイズ処理部5、即ち、ハードウエアとして構成された場合のノイズ処理部5と、それを制御する主制御部8の一部分(図7の例では、ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81とノイズ処理方法決定部82)の詳細について説明した。
【0219】
ところで、上述したように、ノイズ処理部5は、図7の例のようにハードウエアとして構成することもできるが、ソフトウエア、または、ソフトウエアとハードウエアとの組み合わせとして構成することもできる。具体的には例えば、主制御部8が後述する図18のパーソナルコンピュータ等で構成されている場合には、ノイズ処理部5は、その主制御部8が実行するソフトウエアモジュールとして構成することができる。このソフトウエアモジュールは、例えば、図7の例のノイズ処理部5を構成する極性反転部71乃至フィルタ部76に対応する機能に加えて、図7の例のノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部81とノイズ処理方法決定部82とに対応する機能を併せ持つように構成することができる。
【0220】
このようなソフトウエアモジュールとして構成されたノイズ処理部5は、動作モードが上述したノイズ処理方法決定モードであるときに実行する処理として、例えば図8のノイズ処理方法決定処理の一部を実行することができる。なお、「一部」と記載したのは、上述したように、図8のノイズ処理方法決定処理には、その他、ソフトウエアモジュールとして構成されたノイズ処理判定部3や演算部4のうちの少なくともノイズ処理判定部3が実行する処理も含まれているからである。
【0221】
以下、この図8のフローチャートを参照して、ノイズ処理方法決定処理について説明する。
【0222】
ステップS1において、図3のノイズ処理判定部3は、マイクロ波センサ1からの直交検波出力信号(信号vi,vq)に対応する増幅/フィルタ部2の出力信号I,Q(の瞬時値)の組を取り込む。
【0223】
ステップS2において、ノイズ処理判定部3は、信号I,Qの組をN組(Nは1以上の整数値)取り込んだか否かを判定する。
【0224】
ステップS2において、N組取り込んでいないと判定されると、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ステップS1とS2のループ処理が繰り返し実行されて、信号I,Qの組がN組だけノイズ処理判定部3に取り込まれる。すると、ステップS2においてYESであると判定されて、処理はステップS3に進む。
【0225】
ステップS3において、ノイズ処理判定部3は、N個の信号Iの実効値I’と、N個の信号Qの実効値Q’とを算出する。
【0226】
具体的には例えば、N個の信号Iの実効値I’は、次の式(6)に従って算出される。また、N個の信号Qの実効値Q’は、次の式(7)に従って算出される。
【0227】
【数1】
JP0004701384B2_000002t.gif
・・・(6)
【数2】
JP0004701384B2_000003t.gif
・・・(7)
【0228】
式(6)において、Ijは、j番目(jは、1乃至Nのうちの何れかの整数値)に取得された信号I(の瞬時値)を示しており、Iaveは、N個の信号Iの平均値を示している。また、式(7)において、Qjは、j番目に取得された信号Q(の瞬時値)を示しており、Qaveは、N個の信号Qの平均値を示している。
【0229】
次に、ステップS4において、ノイズ処理判定部3は、実効値I’,Q’が所定の閾値(判定基準電圧 Vr)以下であるか否かを判定する。
【0230】
なお、この所定の閾値は、予め決定された値であってもよいし、ステップS3の処理の際に算出された値であってもよい。
【0231】
ステップS4において、実効値I’,Q’が所定の閾値(判定基準電圧 Vr)以下ではないと判定した場合、即ち、実効値I’,Q’が所定の閾値を超えていると判定した場合、ステップS5において、ノイズ処理判定部3は、上述したように、ノイズ処理は不要であると判定し、検出判定処理部6が使用する検出判定用信号として、演算部4からの検出判定用信号vnを決定する。これにより、ノイズ処理方法決定処理は終了となる。
【0232】
これに対して、ステップS4において、実効値I’,Q’が所定の閾値(判定基準電圧 Vr)以下であると判定した場合、ノイズ処理判定部3は、上述したように、ノイズ処理は必要であると判定し、ノイズ処理部5にノイズ処理方法を決定させるべく、N組の信号I,Qをノイズ処理部5に供給する。これにより、処理はステップS6に進む。
【0233】
即ち、以下に説明するステップS6以降の処理は、ノイズ処理方法決定モードのときにおける上述した図7の例のノイズ処理部5と主制御部8との動作(処理)に相当する処理である。換言すると、ノイズ処理部5は、ステップS4の処理でYESであると判定され、その結果、N組の信号I,Qがノイズ処理判定部3から供給されてくると、その動作モードをノイズ処理方法決定モードに切り替え、ステップS6以降の処理を実行する。
【0234】
ステップS6において、ノイズ処理部5は、差分実効値σ-と、加算実効値σ+とを算出する。
【0235】
具体的には例えば、差分実効値σ-は、次の式(8)に従って算出される。また、加算実効値σ+は、次の式(9)に従って算出される。
【0236】
【数3】
JP0004701384B2_000004t.gif
・・・(8)
【数4】
JP0004701384B2_000005t.gif
・・・(9)
【0237】
ステップS7において、ノイズ処理部5は、差分実効値σ-の方が加算実効値σ+より小さいか否かを判定する。
【0238】
ステップS7において、差分実効値σ-の方が加算実効値σ+より小さいと判定された場合とは、上述した図7の例で言う、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として信号I+が決定された場合に相当する。そこで、このような場合、次のステップS8とS9の処理が実行される。
【0239】
即ち、ステップS8において、ノイズ処理部5は、ゲイン差分実効値gσ-が最小となるゲインGq,Giを算出する。
【0240】
ゲイン差分実効値gσ-は、次の式(10)のように表される。
【0241】
【数5】
JP0004701384B2_000006t.gif
・・・(10)
【0242】
即ち、ノイズ処理部5は、ゲインGi,Gqのそれぞれのレベル値を1回以上更新し、その更新毎に、更新後のゲインGi,Gqのそれぞれを利用して式(10)の右辺を演算することで、ゲイン差分実効値gσ-を算出する。その結果、様々なゲインGi,Gqを利用して算出された複数のゲイン差分実効値gσ-が得られることになる。そこで、ノイズ処理部5は、これらの複数のゲイン差分実効値gσ-のうちの最小値を取るゲイン差分実効値gσ-を選択し、選択されたゲイン差分実効値gσ-の算出時に利用されたゲインGi,Gqを、ゲイン差分実効値gσ-が最小となるゲインGq,Giとして決定(算出)する。
【0243】
そして、ステップS9において、ノイズ処理部5は、ステップS8の処理で算出されたゲインGq,Giを利用して生成される信号(Gq×Q-Gi×I)を、ノイズ処理後の検出判定用信号vmに決定する。
【0244】
これにより、ノイズ処理方法決定処理は終了となり、この生物検出装置の動作モードが、ノイズ処理方法決定モードから生物検出判定モードに切り替えられる。
【0245】
これに対して、ステップS7において、差分実効値σ-の方が加算実効値σ+より小さくない、即ち、加算実効値σ+の方が差分実効値σ-より小さいと判定された場合とは、上述した図7の例で言う、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成用信号として信号I-が決定された場合に相当する。そこで、このような場合、次のステップS10とS11の処理が実行される。
【0246】
即ち、ステップS10において、ノイズ処理部5は、ゲイン加算実効値gσ+が最小となるゲインGq,Giを算出する。
【0247】
ゲイン差分実効値gσ+は、次の式(11)のように表される。
【0248】
【数6】
JP0004701384B2_000007t.gif
・・・(11)
【0249】
即ち、ノイズ処理部5は、ゲインGi,Gqのそれぞれのレベル値を1回以上更新し、その更新毎に、更新後のゲインGi,Gqのそれぞれを利用して式(11)の右辺を演算することで、ゲイン加算実効値gσ+を算出する。その結果、様々なゲインGi,Gqを利用して算出された複数のゲイン加算実効値gσ+が得られることになる。そこで、ノイズ処理部5は、これらの複数のゲイン加算実効値gσ+のうちの最小値を取るゲイン加算実効値gσ+を選択し、選択されたゲイン加算実効値gσ+の算出時に利用されたゲインGi,Gqを、ゲイン加算実効値gσ+が最小となるゲインGq,Giとして決定(算出)する。
【0250】
そして、ステップS11において、ノイズ処理部5は、ステップS10の処理で算出されたゲインGq,Giを利用して生成される信号(Gq×Q+Gi×I)を、ノイズ処理後の検出判定用信号vmに決定する。
【0251】
これにより、ノイズ処理方法決定処理は終了となり、この生物検出装置の動作モードが、ノイズ処理方法決定モードから生物検出判定モードに切り替えられる。
【0252】
このようにして図8の例のノイズ処理方法決定処理が実行されることで、ノイズ処理の必要有無が決定され、ノイズ処理が必要であると判定された場合にはさらに、そのノイズ処理方法が決定される。そして、その動作モードが、ノイズ処理方法決定モードから生物検出判定モードに切り替えられて、次のような処理が実行される。
【0253】
即ち、例えばノイズ処理が不要であると判定された場合、換言すると、上述した図8のステップS4の処理でNOであると判定された後の生物検出判定モードの場合には、ノイズ処理判定部3は、信号I,Qを演算部4に常時供給する。従って、演算部4が、上述したように、信号I,Qから検出判定用信号vnを生成し、検出判定処理部6に供給する。すると、上述したように、検出判定処理部6は、この検出判定用信号vnに基づいて、図3の生物22の存在有無を判定する(生物22を検出する)。
【0254】
これに対して、例えばノイズ処理が必要であると判定された場合、換言すると、上述した図8のステップS4の処理でYESであると判定された後の生物検出判定モードの場合には、ノイズ処理判定部3は、信号I,Qをノイズ処理部5に常時供給する。従って、ソフトウエアモジュールとして構成されたノイズ処理部5は、ハードウエアとして構成された図7の例のノイズ処理部5の生物検出判定モードにおける動作に相当する処理を実行する。
【0255】
即ち、生物検出判定モードでは常時、ノイズ処理部5は、図8のステップS9の処理で決定された信号(Gq×Q-Gi×I)、または、ステップS11の処理で決定された信号(Gq×Q+Gi×I)を、ノイズ処理後の検出判定用信号vmとして生成して、検出判定処理部6に供給する。
【0256】
より正確には、信号(Gq×Q-Gi×I)または信号(Gq×Q+Gi×I)に対して、図7のフィルタ部76と同様のフィルタ処理が施された結果得られる信号が、ノイズ処理後の検出判定用信号vmとして生成されて、検出判定処理部6に供給される。
【0257】
より具体的には例えば、信号(Gq×Q-Gi×I)であるノイズ処理後の検出判定用信号vmとして、図9に示されるような信号vmが、検出判定処理部6に供給される。即ち、図9は、実際の信号Iと信号Qとから得られた信号(Gq×Q-Gi×I)である実際のノイズ処理後の検出判定用信号vmの一例を示している。ただし、図9は、測定対象物21である植木鉢の土中に生物22等が存在しない場合における、実際のノイズ処理後の検出判定用信号vmの一例を示している。
【0258】
なお、図9において、横軸は時間[sec]を示し、縦軸は各信号の電圧レベル[Vpp]を示している。また、前提条件として、マイクロ波センサ1のマイクロ波の周波数は7.8[GHz]とされ、そのマイクロ波である送信信号vtは、図3の例と異なり垂直上方向から土に向けて送信され、その植木鉢中の土の深さは4.5[cm]とされ、また、その土の含水率は30[%]とされた。なお、以上の軸のこと、および、前提条件は、後述する図10においても同様とされている。
【0259】
また例えば、信号(Gq×Q+Gi×I)であるノイズ処理後の検出判定用信号vmとして、図10に示されるような信号vmが、検出判定処理部6に供給される。即ち、図10は、実際の信号Iと信号Qとから得られた信号(Gq×Q+Gi×I)である実際のノイズ処理後の検出判定用信号vmの一例を示している。ただし、図10は、図9と同様に、測定対象物21である植木鉢の土中に生物22等が存在しない場合における、実際のノイズ処理後の検出判定用信号vmの一例を示している。
【0260】
図9と図10とに示されるように、ノイズ処理部5によりノイズ処理が施されることで、ノイズが著しく軽減されていることがわかる。
【0261】
従って、上述したように、検出判定処理部6は、このようなノイズ処理後の検出判定用信号vmに基づいて、図3の生物22の存在有無を容易に判定する(生物22を検出する)ことができる。
【0262】
即ち、図9または図10の例のノイズ処理後の検出判定用信号vmが検出判定処理部6に供給された場合には、図3の生物22は存在しないと判定されることになる。
【0263】
これに対して、例えば図11の例のノイズ処理後のvmが検出判定処理部6に供給された場合には、図3の生物22は存在すると判定されることになる。
【0264】
即ち、図11は、測定対象物21である植木鉢の土中に生物22が存在する場合における、実際のノイズ処理後の検出判定用信号vmの一例を示している。なお、図11において、横軸は時間[sec]を示しており、縦軸は各信号の電圧レベル[Vpp]を示している。また、前提条件として、マイクロ波センサ1のマイクロ波の周波数は10.525[GHz]とされ、そのマイクロ波である送信信号vtは、図3の例と異なり、土の地表面から6.5[cm]の高さから垂直下向きに(土に向けて)送信され、その地表面から深さ3[cm]の土中に、直径約2[mm]かつ体長約15[mm]のコガネムシの幼虫が生物22として埋められ、また、その土の含水率は0[%]とされた。
【0265】
以上説明したように、ノイズ処理部5は、上述した本発明の第2の手法に対応する処理を実行できるので、マイクロ波センサ1の直交検波出力信号に重畳されているノイズのうちの、その直交検波出力信号を構成する信号vi,vqのうちの一方と同相成分または逆相成分のノイズを大幅に軽減または除去することが可能になる。具体的には、そのノイズの軽減(除去)効果により、図3の例の生物検出装置全体のノイズレベルが実質上20[dB]程度下がることを、本発明人は確認した。
【0266】
従って、仮に、図3の例の生物検出装置において、ノイズ処理部5がノイズ処理を施さない場合におけるその全体のノイズレベルが-75[dB]であるとすると、ノイズ処理部5がノイズ処理を施すことによって、その全体のノイズレベルを約-95[dB]まで下げることが可能になる。この場合、図2の例と同条件、即ち、マイクロ波センサ1から7.8[GHz]のマイクロ波が垂直上方向から地表面に向けて送信され、直径1mmかつ高さ15mmの円筒と同サイズを有する生物22が検出されるという条件では、例えば含水率が20[%]の地中においては、ノイズ処理部5がノイズ処理を施さないと、深さが約6.5[cm]よりも上方に存在する生物22のみしか検出できないことになる。これに対して、ノイズ処理部5がノイズ処理を施すことによって、深さが約11[cm]よりも上方に存在する生物22まで検出できるようになる。即ち、検出能力のうちの検出範囲の最大レベルを上げる(深さの最深位置を下げる)ことが可能になる
【0267】
逆に、検出範囲がそのままでよい場合、即ち、深さが約6.5[cm]よりも上方に存在する生物のみを検出すればよい場合には、ノイズ処理部5がノイズ処理を施すことによって、マイクロ波センサ1が送受信するマイクロ波の周波数を7.8[GHz]よりも高くすることができる(上述した図1参照)。即ち、検出能力のうちの分解能の最大レベルを上げる(検出可能な生物22の最小の大きさをより一段と小さくする、即ち、より一段と小さな生物22を検出できるようにする)ことが可能になる。
【0268】
なお、図3の例の生物検出装置は、上述したノイズ処理部5によるノイズ処理(軽減/除去)機能と、後述する図14のステップS26とS27による残振動に起因するノイズに対するノイズ処理機能とのみが搭載されている。
【0269】
ただし、本発明が適用される生物検出装置は、図3の例に限定されず、様々な形態を取ることが可能であり、当然ながら、上述した2つのノイズ処理機能に加えてさらに、それらとはノイズ処理手法が異なるノイズ処理機能を搭載させることも容易に可能である。例えば、上述したように、レーダ分野で言う「クラッター」は、ノイズ処理部5の処理範囲外である。そこで、この「クラッター」に対するノイズ処理機能として、図示はしないが、外力による揺れや振動を加速度センサなどを用いて検出し、その検出結果に基づいて「クラッター」を軽減させるといったノイズ処理機能をさらに、図3の例の生物検出装置に搭載させることも容易に可能である。
【0270】
なお、図7の例のノイズ処理部5では、信号I+または信号I-の利得を可変させる(ゲインGiのレベル値を可変させる)可変利得増幅部73と、信号Qの利得を可変させる(ゲインGqのレベル値を可変させる)可変利得増幅部74とが設けられていたが、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74との両者をノイズ処理部5に搭載することは必須ではなく、可変利得増幅部73と可変利得増幅部74とのうちの何れか一方を省略することもできる。この場合、信号I+または信号I-と、信号Qとのうちの何れか一方の利得を適当なレベルで固定しておき、他方の利得を可変調整することで、信号vmの振幅レベルをバランスさせればよい。
【0271】
同様に、図8の例のステップS8またはS10の処理では、ゲインGi,Gqの両者が算出されたが、ゲインGi,Gqのうちの何れか一方を固定値として、他方のみを算出してもよい。
【0272】
以上、ノイズ処理部5の詳細について説明した。
【0273】
次に、図12と図13とを参照して、図3のノイズ処理部5からのノイズ処理後の検出判定用信号vmまたは演算部4からの検出判定用信号vnがそのまま供給される場合における音声出力部31の詳細について説明する。
【0274】
ただし、以下、説明の簡略上、図3のノイズ処理部5からのノイズ処理後の検出判定用信号vmが供給された場合についてのみ、音声出力部31の説明を行う。演算部4からの検出判定用信号vnが供給された場合については、以下の説明のうちの、「ノイズ処理後の検出判定用信号vm」という語句を、単に「検出判定用信号vn」と置き換えればよいからである。
【0275】
図12は、音声出力部31の一構成例を示している。図13は、音声出力部31の、図12とは異なる構成例を示している。
【0276】
図12の例では、音声出力部31は、V/F変換部101、低周波増幅部102、および、スピーカ103から構成されている。
【0277】
V/F変換部101は、ノイズ処理後の検出判定用信号vmに対して、その振幅レベルを示す電圧(Voltage)レベルを所定の周波数(Frequency)に変換するV/F変換処理を施し、その結果得られる信号を低周波増幅部102に供給する。
【0278】
低周波増幅部102は、V/F変換部101から供給された信号のうちの低周波成分を増幅させ、その結果得られる信号を音声信号としてスピーカ103に供給する。
【0279】
スピーカ103は、低周波増幅部102から供給された音声信号に対応する音声を出力する。
【0280】
これにより、ユーザは、スピーカ103から出力された音声の特徴に基づいて、図3の測定対象物21に生物22等の生物が存在するのか否かを容易に判定することができる。
【0281】
このような図12の例に対して、図13の例では、音声出力部31は、発振部111、ミキサ部112、低周波増幅部113、および、スピーカ114から構成されている。
【0282】
発振部111は、所定の周波数(例えば本実施の形態では1.0[kHZ])の信号を発振する。
【0283】
ミキサ部112は、ノイズ処理後の検出判定用信号vmと、発振部111により発振された信号とをミキシング(乗算)し、その結果得られる信号を低周波増幅部113に供給する。
【0284】
低周波増幅部113は、ミキサ部112から供給された信号のうちの低周波成分を増幅させ、その結果得られる信号を音声信号としてスピーカ114に供給する。
【0285】
スピーカ114は、低周波増幅部113から供給された音声信号に対応する音声を出力する。
【0286】
これにより、ユーザは、スピーカ114から出力された音声の特徴に基づいて、図3の測定対象物21に生物22等の生物が存在するのか否かを容易に判定することができる。
【0287】
以上、図3乃至図13を参照して、本発明が適用される生物検出装置の機能的構成の一例について説明した。
【0288】
かかる機能的構成を有する生物検出装置、即ち、図3の生物検出装置が実行する処理のうちの、測定対象物21に生物22等が存在するか否かを検出するための測定処理の一例が、図14のフローチャートに示されている。そこで、以下、図14のフローチャートを参照して、図3の生物検出装置が実行する測定処理の一例について説明する。
【0289】
ステップS21において、主制御部8は、マイクロ波センサ1のマイクロ波の周波数等各種パラメータの初期設定を行う。
【0290】
即ち、詳細については上述した通りであるが、このステップS21の処理のうちの少なくとも一部の処理として、本発明の第1の手法に対応する処理が実行されることになる。
【0291】
ステップS22において、主制御部8は、ノイズ処理判定部3とノイズ処理部5とを制御することで、ノイズ処理の実行の有無を決定し、ノイズ処理を実行すると決定した場合にはさらに、そのノイズ処理方法を決定する。換言すると、ステップS22において、検出判定処理部6が利用する検出判定用信号は、演算部4からの検出判定用信号vnであるのか、それとも、ノイズ処理部5からのノイズ処理後の検出判定用信号vmであるのかが決定され、後者であると決定された場合にはさらに、ノイズ処理後の検出判定用信号vmの生成方法が決定される。
【0292】
ステップS22の処理の詳細については、図7や図8を参照して上述したした通りである。即ち、例えばノイズ処理部5が図7の例のハードウエアで構成される場合には、図7の例のノイズ処理部5と主制御部8との動作についての上述した説明内容が、ステップS22の処理の詳細の一例である。また、例えばノイズ処理部5等がソフトウエアで構成される場合には、図8に示されるノイズ処理方法決定処理が、ステップS22の処理の詳細の一例である。
【0293】
このようなステップS22の処理が終了すると、主制御部8は、その動作モードを生物検出判定モードに切り替え、その処理をステップS23に進める。
【0294】
ステップS23において、主制御部8は、回転駆動部11を制御して、回転台12を回転させる。
【0295】
ステップS24において、主制御部8は、回転台12が所定の角度だけ回転したか否かを判定する。
【0296】
即ち、図14の例の測定処理では、「所定の角度だけ回転させよ」という意味の回転指令が主制御部8から回転駆動部11に対して出力される処理が、ステップS23の処理とされている。このため、このようなステップS23の処理の後のステップS24の処理では、その回転指令が実行されたか否か、即ち、回転台12が所定の角度だけ回転したか否かが判定されるのである。従って、ステップS23の処理で例えば「所定の時間だけ回転させよ」という意味の回転指令が主制御部8から回転駆動部11に対して出力される場合には、その後のステップS24の処理は、「所定の時間が経過したか?」という処理になる。
【0297】
ステップS24において、回転台12がまだ所定の角度だけ回転していないと判定された場合、処理はステップS23に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ステップS23とS24とのループ処理が繰り返し実行され、その結果、回転台12は回転し続ける。そして、回転台12が所定の角度だけ回転すると、即ち、上述したように、図3には図示しない位置センサの検出角度がその所定の角度に到達したことが主制御部8に通知されると、ステップS24において、回転台12が所定の角度だけ回転したと判定されて、処理はステップS25に進む。
【0298】
ステップS25において、主制御部8は、回転駆動部11を制御して、回転台12の回転を停止させる。即ち、主制御部8は、停止指令を回転駆動部11に出力する。
【0299】
これにより、回転台12の回転自体は停止することになる。ただし、回転台12は、その回転を停止した時点では、静止しておらず、その後しばらくの間、振動を続けていることが多い。以下、このような回転停止後の振動を、残振動と称する。回転台12の残振動が収束しないまま、主制御部8が、測定対象物21内に生物22が存在するか否かを検出するための測定を開始してしまった場合、測定対象物21も残振動により振動してしまい、その結果、残振動に起因するノイズが、マイクロ波センサ1からの直交検波出力信号(信号vi,vq)に重畳してしまうことになる。この残振動に起因するノイズは、上述したように、ノイズ処理部5の処理範囲外のノイズであるので、主制御部8は、残振動がほぼ収束した状態で、即ち、回転台12がほぼ静止した状態で、その測定を開始する必要がある。
【0300】
そこで、図14の例では、主制御部8は、次のようなステップS26とS27とのループ処理を繰り返し実行することで、回転台12がほぼ静止したことを認識するようにしている。
【0301】
即ち、ステップS26において、主制御部8は、回転台12の残振動を検出する。即ち、上述したように、残振動に起因するノイズは、マイクロ波センサ1からの直交検波出力信号(信号vi,vq)に重畳され、ノイズ処理部5では軽減または除去しきれない。従って、ノイズ処理部5からの信号vmにも、この残振動に起因するノイズのうちの少なくとも一部が重畳されていることになる。従って、ステップS26とS27とのループ処理が実行されている期間に限っては、主制御部8は、この信号vmを、回転台12の残振動を示す信号であるとみなし、また、その信号vmについての所定の属性(実効値や振幅等)のレベルを残振動のレベルとみなす。そして、主制御部8は、ステップS26において、残振動のレベル値(所定の属性のレベル値)に基づいて、回転台12の残振動を検出することができる。即ち、残振動のレベル値が所定の閾値を超えている場合には、主制御部8は、回転台12の残振動がまだ収束していないと検出することができる。
【0302】
そこで、ステップS27において、主制御部8は、残振動のレベル値が所定の閾値以下となったか否かを判定する。この場合、残振動のレベル値が所定の閾値以下となるまでは、即ち、残振動のレベル値が所定の閾値を超えている限り、ステップS27においてNOであると常に判定されて、ステップS26とS27とのループ処理が繰り返し実行されることになる。
【0303】
その後、回転台12がほぼ静止すると、残振動のレベル値も所定の閾値を下回るようになるので、ステップS27においてYESであると判定されて、処理はステップS28に進む。
【0304】
このように、主制御部8が、ステップS26とS27とのループ処理を繰り返し実行することは、結果として、残振動に起因するノイズを除去または軽減させることと等価であると言える。即ち、図14の例では、ノイズ処理部5によるノイズ処理に加えてさらに、ステップS26とS27とのループ処理としてのノイズ処理が実行されていると言える。
【0305】
なお、ステップS26の処理の開始タイミングは、上述したように、特に限定されない。具体的には例えば、ステップS25の処理が終了した時点、即ち、停止指令を受けて回転台12の回転が停止した時点で直ちにステップS26の処理が開始されてもよい。或いは、例えば、主制御部8が、その停止指令を出力したとき内臓タイマを用いて計時を開始し、その後、所定の時間だけ計時した時点で、ステップS26の処理を開始してもよい。
【0306】
また、上述したように、主制御部8は、ステップS26とS27とのループ処理の代わりに次のような処理を実行してもよい。即ち、主制御部8は、停止指令を出力したとき内臓タイマを用いて計時を開始し、その後、所定の時間だけ計時した時点で、処理をステップS28に進めてもよい。
【0307】
何れにしても処理がステップS28に進むと、主制御部8は、次のような処理を実行する。即ち、ステップS28において、主制御部8は、検出判定処理部6を制御することで、演算部4からの検出判定用信号vn、または、ノイズ処理部5からのノイズ処理後の検出判定用信号vmに基づいて、測定対象物21に生物22等が存在するか否かを判定する。
【0308】
検出判定処理部6は、このステップS28の判定結果を、所定の形態の信号(音声信号や画像信号)に変換して、呈示部7に提供する。これにより、処理はステップS29に進む。ステップS29において、呈示部7は、ステップS28の判定結果をユーザに呈示する。呈示の形態は、検出判定処理部6から供給される信号の形態に依存する。例えば、上述したように、所定のメッセージを示す画像信号や音声信号が供給された場合には、呈示部7は、その所定のメッセージを画像や音声として呈示する。また例えば、上述した図9乃至図11のような画像を示す画像信号が供給された場合には、呈示部7は、図9乃至図11のような画像をそのまま表示(呈示)する。
【0309】
また、音声出力部31が例えば上述した図12または図13のように構成され、ノイズ処理部5からのノイズ処理後の検出判定用信号vmや演算部4からの検出判定用信号vnが音声出力部31にそのまま供給される場合、ステップS28の処理は省略され、ステップS29の処理として、検出判定用信号vnやノイズ処理後の検出判定用信号vmを示す音声が出力されることになる。
【0310】
このようにして、ステップS29の処理で判定結果が呈示されると、処理はステップS30に進む。ステップS30において、主制御部8は、測定の終了が指示されたか否かを判定する。
【0311】
ステップS30において、測定の終了がまだ指示されていないと判定された場合、処理はステップS23に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、回転台12が再度回転され、それに伴い、測定対象物21の測定面(マイクロ波センサ1の送信信号vtが入射される面)が変更されて、測定対象物21に生物22が存在するか否かを判定するための測定が再度実行される。
【0312】
これに対して、ステップS30において、測定の終了が指示されたと判定された場合、測定処理は終了する。
【0313】
以上説明したように、図3の機能的構成を有する生物検出装置は、回転台12を回転させて、その回転台12の上に配置された測定対象物21の測定面を変更させていくことで、測定対象物21に生物22が存在するか否かを判定するための測定を複数回行うことができる。これにより、実際には生物22が存在するはずなのに、存在しないと検出してしまうといった誤検出を防止したり、実際には生物22が存在するはずなのにその生物22に対してマイクロ波センサ1の送信信号vtが届かず、その結果、存在しないと検出してしまうといった検出漏れを防止することが可能になる。
【0314】
即ち、測定対象物21の測定面の変更をすることで、誤検出や検出漏れを防止することが可能になる。この場合、その変更手法は、図3の例では回転台12を回転させるといった手法が採用されていたが、図3の例に限定されず任意の手法を採用することができる。具体的には例えば、複数のマイクロ波センサ1を使用して、複数のマイクロ波センサ1のそれぞれの送信信号vtを、測定対象物21の異なる複数の面のそれぞれに入射させる、といった変更手法(以下、複数マイクロ波センサ手法と称する)を採用することもできる。
【0315】
なお、複数マイクロ波センサ手法が採用される場合に使用するマイクロ波センサ1の個数は、2個以上であれば特に限定されない。ただし、以下の説明においては、説明の簡略上、マイクロ波センサ1は2個だけ使用されるとする。この場合、複数マイクロ波センサ手法を採用する生物検出装置は、例えば、図15に示される機能的構成を有するように構成することができる。即ち、図15は、本発明が適用される生物検出装置の、図3とは異なる機能的構成の一例を示している。
【0316】
なお、図15の例の生物検出装置において、図3の例の生物検出装置と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0317】
ただし、図15の例の生物検出装置において、図3の例の生物検出装置と対応する部分が2つ存在する場合がある。このような場合、対応する2つの部分のうちの、一方には、図3の例の符号に対して、その語尾に「A」を付加した符号を付してあり、他方には、図3の例の符号に対して、その語尾に「B」を付加した符号を付している。具体的には例えば、図15の例の生物検出装置では、図3の例のマイクロ波センサ1と対応するマイクロ波センサが2つ設けられている。そこで、図15の例では、2つのマイクロ波センサのうちの、一方がマイクロ波センサ1Aとされ、他方がマイクロ波センサ1Bとされている。
【0318】
また、図15においては、検出判定処理部6乃至操作部10の図示が省略されている。
【0319】
図15の例の生物検出装置には、上述したように2つのマイクロ波センサ1Aとマイクロ波センサ1Bとが設けられている。そこで、これに伴い、図15の例の生物検出装置には、マイクロ波センサ1Aに対して、増幅/フィルタ部2A、ノイズ処理判定部3A、演算部4A、および、ノイズ処理部5Aが設けられている。また、図15の例の生物検出装置には、マイクロ波センサ1Bに対して、増幅/フィルタ部2B、ノイズ処理判定部3B、演算部4B、および、ノイズ処理部5Bが設けられている。
【0320】
また、図15の例の生物検出装置における検出判定処理部6(図15には図示せず)は、図3の例のそれと基本的に同様の機能と構成を有している。ただし、図15の例では、ノイズ処理後の検出判定用信号として、ノイズ処理部5Aからの信号vmAと、ノイズ処理部5Bからの信号vmbとのそれぞれが検出判定処理部6に供給される。同様に、検出判定用信号として、演算部4Aからの信号vnAと、演算部4Bからの信号vnBとのそれぞれが検出判定処理部6に供給される。そこで、図15の例では、検出判定処理部6は、信号vmAまたは信号vnAに基づいて、測定対象物21に生物22等が存在するのか否かを判定するとともに、信号vmBまたは信号vnBに基づいて、測定対象物21に生物22等が存在するのか否かを判定する。この場合、図15の例の検出判定処理部6は、信号vmAまたは信号vnAに基づく判定結果と、信号vmbまたは信号vnBに基づく判定結果とのそれぞれを個別に呈示部7(図15には図示せず)に供給してもよいし、或いは、信号vmAまたは信号vnAに基づく判定結果と、信号vmbまたは信号vnBに基づく判定結果との総合判定結果を呈示部7に供給してもよい。
【0321】
また、図15の例の生物検出装置における主制御部8(図15には図示せず)は、図3の例のそれと基本的に同様の機能と構成を有している。ただし、図15の例の生物検出装置における主制御部8は、図15には図示していないが、マイクロ波センサ1Aおよび1B、増幅/フィルタ部2Aおよび2B、ノイズ処理判定部3Aおよび3B、演算部4Aおよび4B、ノイズ処理部5Aおよび5B、並びに、検出判定処理部6乃至操作部10のそれぞれの動作を制御する。
【0322】
また、図15の例では、マイクロ波センサ1Aが、測定対象物21の側面のうちの所定の第1の面側(図15中右側)に配置され、マイクロ波センサ1Bが、測定対象物21の側面のうちの第1の面と対向する第2の面側(図15中左側)に配置されている。即ち、図15の例では、測定対象物21の測定面は、第1の面と第2の面との2つになり、上述したように、2つの測定面のそれぞれについての2つの測定結果(生物22の存在有無の判定結果)が個別に得られる。このため、図15の例では、図3の回転台12の代わりに、回転しない台151が設けられており、この台151の上に測定対象物21が配置される。このように、台151は回転しないので、図3の回転駆動部11も図15の例では省略されている。
【0323】
図15の例の生物検出装置のその他の機能的構成は、図3の対応する機能的構成と同様であるので、それらの説明については省略する。
【0324】
かかる図15の機能的構成を有する生物検出装置は、マイクロ波センサ1Aによる測定処理として、上述した図14のステップS21、S22、S28、および、S29の処理をその順番に順次実行するとともに、マイクロ波センサ1Bによる測定処理として、上述した図14のステップS21、S22、S28、および、S29の処理をその順番に順次実行する。
【0325】
ただし、この場合、マイクロ波センサ1Aによる測定処理と、マイクロ波センサ1Bによる測定処理との順番は特に限定されない。即ち、マイクロ波センサ1Aによる測定処理が実行された後に、マイクロ波センサ1Bによる測定処理が実行されてもよいし、その逆、即ち、マイクロ波センサ1Bによる測定処理が実行された後に、マイクロ波センサ1Aによる測定処理が実行されてもよい。或いは、マイクロ波センサ1Aによる測定処理と、マイクロ波センサ1Bによる測定処理とが、ほぼ同時に並列的に実行されてもよい。
【0326】
図15の機能的構成を有する生物検出装置の実現形態は、様々な実現形態を取ることが可能である。以下、図16と図17とを参照して、そのような様々な実現形態のうちの2つの例について説明する。即ち、図16は、図15の例の生物検出装置の外観の構成の一例を示している。図17は、図15の例の生物検出装置の外観の構成の、図16とは異なる一例を示している。
【0327】
なお、図16と図17のそれぞれの例の生物検出装置において、図4の例の生物検出装置と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0328】
図16の例の実現形態は、上述した図4の例と類似する実現形態である。ただし、図4の例は、図3の機能的構成を有する生物検出装置の実現形態、即ち、1つのマイクロ波センサ1を使用する生物検出装置の実現形態である。これに対して、図16の例は、図15の機能的構成を有する生物検出装置の実現形態、即ち、2つのマイクロ波センサ1Aとマイクロ波センサ1Bとを使用する生物検出装置の実現形態である。
【0329】
詳細には、図16の例では、マイクロ波センサ1Aはジャッキ台152Aにより固定され、マイクロ波センサ1Bはジャッキ台152Bにより固定され、測定対象物21は台151の上に配置される。この台151も、同図に示されるように、ジャッキ台として構成されている。従って、ユーザ(測定者)等は、ジャッキ台152Aおよび152B並びに回転台151のジャッキ部分を自在に上下に動かすことで、マイクロ波センサ1Aおよび1B並びに測定対象物21の図16中上下方向(垂直方向)の位置を、適切な位置に固定することが容易にできる。
【0330】
また、図16の例では、図15の例の生物検出装置のうちの、増幅/フィルタ部2Aおよび2B、ノイズ処理判定部3Aおよび3B、演算部4Aおよび4B、ノイズ処理部5Aおよび5B、検出判定処理部6、主制御部8、並びに、判定基準記憶部9が、筺体42の中に収納されている。
【0331】
この場合、増幅/フィルタ部2Aおよび2B、ノイズ処理判定部3Aおよび3B、演算部4Aおよび4B、ノイズ処理部5Aおよび5B、検出判定処理部6、主制御部8、並びに、判定基準記憶部9のうちの少なくとも一部がソフトウエアで構成されているときには、そのソフトウエア(プログラム)を実行するコンピュータが筺体42内に設けられる。このコンピュータとして、例えば、後述する図18の構成のパーソナルコンピュータを採用することで、図4の例と同様に、筺体42の小型化を図ることが可能になる。その結果、この図16の例の生物検出装置を、可搬型の装置、即ち、ユーザ(測定者)等が自在に持ち運び可能な装置として構成することが可能になる。
【0332】
このような図16の例の可搬型の生物検出装置に対して、図17の例の生物検出装置は、据え置き型とされている。
【0333】
詳細には、図17の例では、複数の測定対象物(図17には、そのうちの測定対象物21-1乃至21-3のみが図示されている)のそれぞれが、ベルトコンベア161のベルト部分により順次搬送される。このベルトコンベア161のうちの、測定対象物が搬送される方向と略垂直方向(図17中左斜め下から右斜め上への方向)に突起した面162A上に、マイクロ波センサ1Aが固定され、その面162Aに対して、測定対象物が搬送されるベルト部分を挟んで反対側の面162B上に、マイクロ波センサ1Bが固定される。即ち、マイクロ波センサ1Aは、送信信号vtAを、測定対象物が搬送される方向と略垂直方向に向けて送信できるように、面162A上に配置されている。一方、マイクロ波センサ1Bは、送信信号vtBを、測定対象物が搬送される方向と略垂直方向であって、マイクロ波センサ1Aの送信信号vtAの進行方向とは逆方向に向けて送信できるように、面162B上に配置されている。
【0334】
なお、図17の例の生物検出センサを、図15の例のそれと対応させる場合、図17のベルトコンベア161が図15の台151に相当することになる。
【0335】
また、図17の例でも、図16の例と同様に、図15の例の生物検出装置のうちの、増幅/フィルタ部2Aおよび2B、ノイズ処理判定部3Aおよび3B、演算部4Aおよび4B、ノイズ処理部5Aおよび5B、検出判定処理部6、主制御部8、並びに、判定基準記憶部9が、筺体42の中に収納されている。
【0336】
従って、図17の例でも、増幅/フィルタ部2Aおよび2B、ノイズ処理判定部3Aおよび3B、演算部4Aおよび4B、ノイズ処理部5Aおよび5B、検出判定処理部6、主制御部8、並びに、判定基準記憶部9のうちの少なくとも一部がソフトウエアで構成されているときには、そのソフトウエア(プログラム)を実行するコンピュータが筺体42内に設けられる。このコンピュータとして、例えば、後述する図18の構成のパーソナルコンピュータを採用することで、図16の例と同様に、筺体42自体の小型化を図ることが可能になる。
【0337】
なお、図17の例では、電磁シールド13の図示は省略されているが、電磁シールド13を網などで構成し、1つの測定対象物が測定位置(マイクロ波センサ1Aと1Bとに挟まれる位置であって、図17の例では測定対象物21-2が存在する位置)に搬送された場合、電磁シールド13である網を、マイクロ波センサ1Aおよび1B並びに測定対象物を覆うように被せればよい。または、ベルトコンベア161全体若しくは一部分を覆うような電磁シールド13を予め据え付けておいてもよい。
【0338】
ところで、上述した一連の処理(或いはそのうちの一部分の処理)は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。
【0339】
この場合、図3または図15の機能的構成を有する生物検出装置のうちの少なくとも一部分(例えば、上述したように主制御部8等)は、例えば、図18の構成のパーソナルコンピュータとして構成することができる。
【0340】
図18において、CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202に記録されているプログラム、または記憶部208からRAM(Random Access Memory)203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0341】
CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた、入出力インタフェース205も接続されている。
【0342】
入出力インタフェース205には、キーボードやマウスなどよりなる入力部206、ディスプレイなどよりなる出力部207、ハードディスクなどより構成される記憶部208、および、モデムやターミナルアダプタなどより構成される通信部209が接続されている。通信部209は、図示せぬインターネットを含むネットワークを介して他の装置との通信処理を行う。
【0343】
入出力インタフェース205にはまた、必要に応じてドライブ210が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体211が適宜装着され、リムーバブル記録媒体211から読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部208にインストールされる。
【0344】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0345】
このようなプログラムを含む記録媒体は、図18に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布されるリムーバブル記録媒体(パッケージメディア)211、即ち、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体211により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体、即ち例えば、プログラムが記録されているROM202や、記憶部208に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0346】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0347】
また、本明細書において、システムとは、複数の処理装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。即ち、上述した生物検出装置は、マイクロ波センサ1や、筺体41に含まれる各種処理装置により構成されるシステムであると捉えることもできる。
【0348】
また、本発明が適用される生物検出装置は、上述した農業や園芸の分野で食害虫を非破壊で検出する装置として適用できるだけでなく、例えば、生物の活動(虫の土中の活動等)を研究する学術分野でその研究に利用する装置等、様々な分野の装置として適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0349】
【図1】含水率20[%]乃至50[%]における、マイクロ波センサの送信信号の周波数と、野菜栽培土の減衰定数αとの関係の一例を示す図である。
【図2】含水率20[%]乃至50[%]における、マイクロ波センサの受信信号の受信レベルと、野菜栽培土中に存在する食害虫を示す円筒モデルとの関係の一例を示す図である。
【図3】本発明が適用される生物検出装置の機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【図4】図3の生物検出装置の外観構成例を示す斜視図である。
【図5】図3の生物検出装置のマイクロ波センサの詳細な構成例を示す図である。
【図6】図3の生物検出装置のマイクロ波センサの、図5とは異なる詳細な構成例を示す図である。
【図7】図3の生物検出装置のノイズ処理部がハードウエアで構成されている場合における、そのノイズ処理部の詳細な構成例と、主制御部のうちのノイズ処理部を制御する部分の機能的構成例とを示すブロック図である。
【図8】図3の生物検出装置のノイズ処理部等がソフトウエアで構成されている場合における、そのノイズ処理部等が実行するノイズ処理方法決定処理の一例を説明するフローチャートである。
【図9】図3の測定対象物中に生物が存在しない場合の、図3の生物検出装置のノイズ処理部から出力されるノイズ処理後の検出判定用信号vmの実際の波形の一例を示す図である。
【図10】図3の測定対象物中に生物が存在しない場合の、図3の生物検出装置のノイズ処理部から出力されるノイズ処理後の検出判定用信号vmの実際の波形の一例であって、図9とは異なる例を示す図である。
【図11】図3の測定対象物中に生物が存在する場合の、図3の生物検出装置のノイズ処理部から出力されるノイズ処理後の検出判定用信号vmの実際の波形の一例を示す図である。
【図12】図3の生物検出装置の音声出力部の詳細な構成例を示す図である。
【図13】図3の生物検出装置の音声出力部の、図12とは異なる詳細な構成例を示す図である。
【図14】図3の生物検出装置が実行する測定処理の一例を説明するフローチャートである。
【図15】本発明が適用される生物検出装置の、図3とは異なる機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【図16】図15の生物検出装置の外観構成例を示す斜視図である。
【図17】図15の生物検出装置の、図16とは異なる外観構成例を示す斜視図である。
【図18】本発明が適用される生物検出装置のうちの少なくとも一部分を構成するパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0350】
1,1A,1B マイクロ波センサ, 2,2A,2B 増幅/フィルタ部, 3,3A,3B ノイズ処理判定部, 4,4A,4B 演算部, 5,5A,5B ノイズ処理部, 6 検出判定処理部, 7 呈示部, 8 主制御部, 9 判定基準記憶部, 10 操作部, 11 回転駆動部, 12 回転台, 13 電磁シールド, 21 測定対象物21 生物, 31 音声出力部, 32 ディスプレイ, 33 LED, 42 筺体, 71 極性反転部, 72 切替部, 73,74 可変利得増幅部, 75 演算部, 76 フィルタ部, 81 ノイズ処理方法決定モード/生物検出判定モード切替部, 82 ノイズ処理方法決定部, 91 出力信号蓄積部, 92 I信号決定部, 93 利得決定部, 151 台
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17