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明細書 :試料温度調節装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4547176号 (P4547176)
公開番号 特開2005-283796 (P2005-283796A)
登録日 平成22年7月9日(2010.7.9)
発行日 平成22年9月22日(2010.9.22)
公開日 平成17年10月13日(2005.10.13)
発明の名称または考案の名称 試料温度調節装置
国際特許分類 G02B  21/26        (2006.01)
G02B  21/28        (2006.01)
G02B  21/30        (2006.01)
FI G02B 21/26
G02B 21/28
G02B 21/30
請求項の数または発明の数 7
全頁数 11
出願番号 特願2004-095450 (P2004-095450)
出願日 平成16年3月29日(2004.3.29)
審査請求日 平成19年3月27日(2007.3.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504202472
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
発明者または考案者 【氏名】徳永 万喜洋
【氏名】上 喜裕
個別代理人の代理人 【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100108855、【弁理士】、【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【識別番号】100075672、【弁理士】、【氏名又は名称】峰 隆司
【識別番号】100109830、【弁理士】、【氏名又は名称】福原 淑弘
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100100952、【弁理士】、【氏名又は名称】風間 鉄也
審査官 【審査官】森内 正明
参考文献・文献 特開2001-305432(JP,A)
特開2002-98909(JP,A)
調査した分野 G02B 21/00 - 21/36
特許請求の範囲 【請求項1】
観察試料の温度を調節する試料温度調節装置であり、
観察試料が載せられる試料台であって、観察試料が載せられる部分を取り囲んでいる溝を有している試料台と、
試料台に取り付けられた温度調節素子であって、試料台の溝の中に配置されている温度調節素子とを備えている、試料温度調節装置。
【請求項2】
請求項1において、試料台が一枚の板で構成されている、試料温度調節装置。
【請求項3】
請求項1において、温度調節素子がヒーターで構成されている、試料温度調節装置。
【請求項4】
請求項1において、温度調節素子は加熱と冷却を行なえる、試料温度調節装置。
【請求項5】
請求項4において、温度調節素子がペルチェ素子で構成されている、試料温度調節装置。
【請求項6】
請求項1において、観察試料と試料台の少なくとも一方の温度を計測する温度センサーと、温度センサーによって計測される温度に基づいて温度調節素子を制御する温度コントローラーとをさらに備えている、試料温度調節装置。
【請求項7】
請求項1において、観察試料を入れた容器の使用に対応しており、容器は底面から突出している足を備えており、試料台は容器の足が収まる凹部を有しており、凹部は、その中に容器の足が収められたとき、容器の底面が試料台と接触することを可能にする、試料温度調節装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、観察試料の温度を調節する試料温度調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、顕微鏡を使用した試料観察は、顕微鏡ステージ上に載置された試料に対して対物レンズを接近させ、試料上の観察要部を拡大することによって行なう。この場合、試料に近接される対物レンズは、倍率が高くなるほど焦点深度が小さくなるため、対物レンズと観察試料との位置合わせが難しくなるとともに、対物レンズと試料の間の微小な距離の変化に対しても観察像が大きくぼけてしまう。また、対物レンズと観察試料との見かけ上の位置は、非常に近接しているが、これらの機械的結合の長さは、顕微鏡フレーム、対物レンズ移動機構、レボルバーなどの多数の機械部品が介在するため非常に大きい。さらに、これらの機械部品は、温度変化によってその寸法を変えやすい。このため、試料観察時に、観察試料に対して対物レンズの焦点合わせを行なっても、例えば、照明のオンオフ、内部電源や空調設備の作動によって、周囲温度が変化して各機械部品の寸法が変化すると、対物レンズと試料の間の距離が変化するため焦点が簡単にずれてしまう。
【0003】
この不具合を解決するため、特開2001-305432号公報は、対物レンズと試料台の間の距離を変位センサーで検出し、この距離を一定に保つ装置を開示している。
【0004】
一方、最近では、顕微鏡による生体試料観察が広くなされており、生体試料を顕微鏡上で長時間生かしつづける必要がある。このため、例えば、特開2003-50358号公報は、生体試料を一定の温度に保温する装置を開示している。

【特許文献1】特開2001-305432号公報
【特許文献2】特開2003-50358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生体試料を顕微鏡上で長時間生かしつづけながら安定して良好に観察する装置として、特開2003-50358号公報の装置と特開2001-305432号公報の装置とを組み合わせた構成が考えられる。
【0006】
特開2003-50358号公報に開示されている装置では、試料載置台は二枚の薄い板を積層して構成されている。このため、試料が載置された薄板の上面の変位と対物レンズ側の薄板下面の変位とは必ずしも一致しない。
【0007】
従って、特開2003-50358号公報の装置と特開2001-305432号公報の装置とを組み合わせた構成では、例えば、ヒーター温度やエアコンなどによる周囲温度変化、観察試料への培養液追加による重量変化などによって、光軸方向に薄板がたわんだ際に、観察試料の正確な変位測定ができない。その結果、観察試料の像ボケが発生してしまう。
【0008】
本発明は、このような実情を考慮して成されたものであり、周囲温度変化に起因する像ボケの発生がほとんどなく観察試料を長時間安定に観察することを可能にする試料温度調節装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、観察試料の温度を調節する試料温度調節装置であり、観察試料が載せられる試料台であって、観察試料が載せられる部分を取り囲んでいるリング状の溝を有している試料台と、試料台に取り付けられた温度調節素子であって、試料台の溝の中に配置されている温度調節素子とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の試料温度調節装置によれば、生体試料を顕微鏡上で長時間生かしつづけながら安定して良好に観察することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0012】
第一実施形態
本実施形態は、観察試料の温度を調節する試料温度調節装置を備えた倒立型の顕微鏡装置に向けられている。図1は、本発明の第一実施形態の顕微鏡装置を概略的に示している。
【0013】
図1に示されるように、本実施形態の試料温度調節装置は、観察試料162を入れた培養容器150の使用に対応しており、観察試料162を入れた培養容器150が載せられる試料台100と、試料台100に取り付けられた温度調節素子103とを備えている。試料台100は、観察試料162を入れた培養容器150が載せられる部分を取り囲んでいる溝102を有している。温度調節素子103は、試料台100の溝102の中に配置されている。
【0014】
溝102は、好ましくは、培養容器150が載せられる部分を連続的に取り囲んでいるとよい。さらに好ましくは、溝102は、培養容器150が載せられる部分を対称性良く取り囲んでいるとよい。このため、例えば、溝102はリング状の溝であるとよい。
【0015】
試料台100は、好ましくは、円板状の比較的厚い一枚の板で構成される。試料台100は、好ましくは、導電性で熱膨張率の低い材料、例えばインバーで構成される。
【0016】
例えば、温度調節素子103は、加熱を行なえる素子、例えばヒーターで構成される。または、温度調節素子103は、加熱と冷却を行なえる素子、例えばペルチェ素子で構成されてもよい。
【0017】
温度調節素子103は、リング状の一つの素子で構成されてもよいが、試料台100の溝102の中に同心円上に好ましくは対称性良く配置された複数の素子で構成されてもよい。
【0018】
温度調節素子103は、カバー104で覆われている。カバー104は、好ましくは、断熱性が高い材料、例えば樹脂で構成される。
【0019】
試料温度調節装置は、さらに、試料台100の温度を計測する温度センサー111と、温度センサー111で計測される温度に基づいて温度調節素子103を制御する温度コントローラー112とを備えている。
【0020】
温度センサー111は、温度調節素子103に接して配置され、カバー104で覆われている。温度センサー111の配置形態は、これに限定されない。温度センサー111は、試料台100の中央部の近く、すなわち、培養容器150が載置される部分の近くに配置されてもよい。
【0021】
温度コントローラー112は、例えば、試料台100の温度が一定に保たれるように、言い換えれば、温度センサー111の出力を一定に保つように、温度調節素子103を制御する。あるいは、試料台100の温度が一定の温度サイクルで変化するように、温度調節素子103を制御する。
【0022】
試料台100は、中央部に開口101を有し、顕微鏡用ステージ121によって支持される。開口101は、下方からの観察試料162の光学的観察を可能にする。
【0023】
観察試料162は、培養容器150の中に入れられた培養液161の中で培養されている。培養容器150は容器本体151の底部の中央に開口を有し、その開口は底部の下面に固定されたガラス板154によってふさがれている。また、容器本体151は、ガラス板154の底面よりも下方に突出している足152を有している。足152は例えばリング状の突起で構成されるが、特にこれに限定されるものではなく、同心円上に配置された複数の突起で構成されてもよい。
【0024】
試料台100は、さらに、培養容器150の足152が収まる凹部105を有している。凹部105は、その中に培養容器150の足152が収められたとき、培養容器150のガラス板154の底面が試料台100と接触することを可能にする。凹部105は、例えばリング状の溝で構成されるが、これに限定されるものではなく、培養容器150の足152が収まる形態であればよい。
【0025】
試料台100と培養容器150のガラス板154との接触をさらに安定化させるために、好ましくは、試料台100に載せられた培養容器150の上におもり155が載せられる。
【0026】
観察試料162は、容器本体151の底部の中央に開口内に位置し、ガラス板154を介して下方から光学的に観察される。
【0027】
顕微鏡装置は、観察試料162を光学的に観察するための対物レンズ122を備えている。対物レンズ122は、試料台100の開口101の下方に位置し、図示しない観察光学系と共働して、試料台100の開口101を通して、観察試料162を下方から光学的に観察する。
【0028】
対物レンズ122はセンサー支持部材123を介して変位センサー124を支持している。変位センサー124と試料台100は共働して静電容量型センサーを構成している。変位センサー124と試料台100は共にセンサーアンプ125に接続されており、センサーアンプ125は変位センサー124から試料台100の下面までの距離を反映した信号を出力する。対物レンズ122は、好ましくは、センサーアンプ125の出力に基づいて、光軸に沿った位置が制御される。例えば、対物レンズ122は、変位センサー124から試料台100の下面までの距離を一定に保つように、光軸に沿って移動される。
【0029】
次に本実施形態の顕微鏡装置の動作について説明する。以下では、温度調節素子103がヒーターである例をあげて説明する。
【0030】
温度コントローラー112の電源を入れると、ヒーター103が発熱し、試料台100の温度が上昇する。ヒーター103はカバー104で覆われているので、ヒーター103が発熱している間、培養液がヒーター103にかかったり、作業者の手がじかにヒーター103に触れたりする心配はない。また、カバー104は断熱性が高いため、試料台100は効率よく暖められる。
【0031】
ヒーター103の温度は温度センサー111によって検出され、温度コントローラー112にフィードバックされる。温度コントローラー112は、この信号を基づいてヒーター103への電流を調整し、試料台100が所望の温度となるように調整する。
【0032】
試料台100の温度が上昇すると、試料台100は熱によって変形する。図4は、試料台100の熱による変形を模式的に示している。試料台100は、一枚の板で構成されているとともに、培養容器150が載せられる部分を取り囲むリング状の溝102を有しているため、図4に示されるように、培養容器150が載せられる部分は、試料台100の変形に伴って、光軸に沿って平行に移動する。また、試料台100の上面と下面の変位は等しい。
【0033】
培養容器150が載せられる部分は、変位センサー124と対向する部分、言い換えれば、変位センサー124のターゲットとなる部分を含んでいる。従って、変位センサー124のターゲットであるセンサー位置の光軸に沿った変位は、光軸上に位置する観察位置の光軸に沿った変位と等しい。その結果、変位センサー124によって検出される光軸に沿った変位は、観察位置の光軸に沿った変位を忠実に反映している。
【0034】
従って、変位センサー124の出力信号が一定となるように対物レンズ122を光軸に沿って移動させることによって、観察試料162と対物レンズ122との位置関係が一定に保たれる。その結果、像ボケの発生が良好に防止される。また、試料台100は熱膨張率の低い材料で作られているため、温度変化による熱変形は非常に小さい。これも、像ボケの発生防止に貢献している。
【0035】
図5は、本実施形態の比較例として、培養容器150が載せられる部分を取り囲むリング状の溝を持たない試料台の熱による変形を模式的に示している。このような試料台では、図5に示されるように、中央に近い部分ほど光軸に沿って大きく変位する。つまり、光軸に沿った変位が光軸からの距離に依存して異なってしまう。その結果、センサー位置での光軸に沿った変位は、光軸上に位置する観察位置での光軸に沿った変位と異なってしまう。
【0036】
このため、センサー位置で検出される変位を一定に保つように対物レンズを光軸に沿って移動させても、観察試料と対物レンズとの位置関係が一定に保たれず、その結果、像ボケが発生してしまう。
【0037】
これに対して、本実施形態では、前述したように、観察位置での変位とセンサー位置での変位が等しいため、観察試料162と対物レンズ122との位置関係を一定に保つことができる。これによって、像ボケの発生を防止できる。
【0038】
試料台100の加熱に伴って、試料台100と培養容器150の接触部を介して、試料台100から培養容器150へ熱が伝わって、観察試料162が暖められる。本実施形態では、培養容器150は、足152に加えて、ガラス板154も試料台100と接触している。つまり、培養容器150と試料台100の接触面積が比較的大きい。このため、観察試料162は効率良く暖められる。
【0039】
さらに、培養容器150に載せられたおもり155は、ガラス板154と試料台100との接触圧力を高めて、接触熱抵抗を小さくする。その結果、試料台100からガラス板154へ熱がさらに伝わりやすくなる。このため、観察試料162の保温効率が向上する。
【0040】
本発明者らが行なった実験によれば、周囲環境温度とヒーター設定温度が同一の条件下において、培養容器150におもり155を載せることによって、培養液温度は37℃から38℃に上昇した。
【0041】
図6は、本実施形態の比較例として、培養容器150の足152が収まる溝を持たない試料台を示している。このような試料台では、図6に示されるように、培養容器150は、足152の底面だけで試料台500と接触する。つまり、培養容器150と試料台500の接触面積が比較的小さい。従って、試料台500から培養容器150への熱の伝達効率は低い。
【0042】
これに対して、本実施形態では、前述したように、培養容器150と試料台100の接触面積が大きいため、観察試料162を効率良く暖めることができる。なお、ここでは、温度調節素子103がヒーターである例をあげために加熱について述べているが、冷却についても同様のことがいえる。
【0043】
培養容器150の中の培養液161は蒸発するため、途中で液を追加する場合がある。試料台100は、比較的厚い板で構成されているため、比較的高い剛性を有している。このため、培養液161の蒸発や追加に伴う重さの変化に対して、試料台100が変形することはほとんどない。
【0044】
第二実施形態
本実施形態は、温度センサーの配置位置の変形に向けられている。図2は、本発明の第二実施形態の顕微鏡装置を概略的に示している。図2において、図1に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0045】
図2に示されるように、本実施形態の試料温度調節装置は、第一実施形態の温度センサー111と温度コントローラー112とに代えて、観察試料162の温度を計測する温度センサー211と、温度センサー211で計測される温度に基づいて温度調節素子103を制御する温度コントローラー212とを備えている。
【0046】
温度センサー211は、培養容器150の中に配置されており、培養液161に浸っている。温度コントローラー212は、例えば、培養液161の温度が一定に保たれるように、言い換えれば、温度センサー211の出力を一定に保つように、温度調節素子103を制御する。あるいは、培養液161の温度が一定の温度サイクルで変化するように、温度調節素子103を制御する。
【0047】
温度センサー211と温度コントローラー212のほかの構成は、第一実施形態と同じである。
【0048】
本実施形態は、第一実施形態と同じ利点を有している。特に、本実施形態では、培養液161の中に配置された温度センサー211で計測される温度に基づいて温度制御を行なうので、観察試料162の温度をさらに精度良く制御することが可能である。
【0049】
第三実施形態
本実施形態は、観察試料の温度を調節する試料温度調節装置を備えた正立型の顕微鏡装置に向けられている。図3は、本発明の第三実施形態の顕微鏡装置を概略的に示している。図2において、図1に示された部材と同一の参照符号で指示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。
【0050】
図3に示されるように、本実施形態の試料温度調節装置は、第一実施形態の試料台100に代えて、試料台300を備えている。試料台300は、観察試料162を入れた培養容器150が載せられる部分を取り囲んでいるリング状の溝302を有している。試料台300の溝302の中に温度調節素子103が配置されている。温度調節素子103は、カバー104で覆われている。
【0051】
試料台300は、試料台100と同様に、好ましくは、円板状の比較的厚い一枚の板で構成される。試料台300は、好ましくは、導電性で熱膨張率の低い材料、例えばインバーで構成される。試料台300は、中央部に開口301を有し、顕微鏡用ステージ121によって支持される。開口301は、例えば、その下方から観察試料162を照明することを可能にする。
【0052】
試料台300は、さらに、培養容器150の足152が収まる凹部305を有している。凹部305は、その中に培養容器150の足152が収められたとき、培養容器150のガラス板154の底面が試料台300と接触することを可能にする。凹部305は、例えばリング状の溝で構成されるが、これに限定されるものではなく、培養容器150の足152が収まる形態であればよい。
【0053】
本実施形態では、温度調節素子103が配置されるリング状の溝302は試料台300の下面に設けられ、培養容器150の足152が収まる凹部105は、試料台300の上面に設けられている。
【0054】
顕微鏡装置は、観察試料162を光学的に観察するための対物レンズ322を備えている。対物レンズ322は、試料台300の開口301の上方に位置し、図示しない観察光学系と共働して、観察試料162を上方から光学的に観察する。
【0055】
対物レンズ322はセンサー支持部材323を介して変位センサー324を支持している。変位センサー324と試料台300は共働して静電容量型センサーを構成している。変位センサー324と試料台300は共にセンサーアンプ325に接続されており、センサーアンプ325は変位センサー324から試料台300の上面までの距離を反映した信号を出力する。対物レンズ322は、好ましくは、センサーアンプ325の出力に基づいて、光軸に沿った位置が制御される。例えば、対物レンズ322は、変位センサー324から試料台300の上面までの距離を一定に保つように、光軸に沿って移動される。
【0056】
本実施形態は、正立型の顕微鏡装置であり、観察試料162を上方から光学的に観察する点が異なるだけであり、第一実施形態と同じ利点を有している。
【0057】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0058】
例えば、試料台100は、実施形態では導電性の材料で構成されているが、ガラスなどの絶縁性の板と、その底面に設けた導電性の膜とで構成され、導電性の膜とセンサーアンプ125とがケーブルなどで電気的に接続される形態であってもよい。この場合、ガラスは透明であるので、中央部に観察用の開口を設ける必要はない。
【0059】
また、試料台100には、実施形態では観察試料162を入れた培養容器150が載せられるが、観察試料162を載せたスライドガラスが載せられてもよい。
【0060】
また、温度調節素子103が配置される溝102は、実施形態では、培養容器150が載せられる部分を連続的に取り囲んでいるが、培養容器150が載せられる部分を不連続的に取り囲んでいてもよい。すなわち、温度調節素子103が配置される溝102は、培養容器150が載せられる部分の周囲に設けられた複数の凹部で構成されてもよい。その場合、複数の凹部は、対称性良く配置されているとよく、例えば、同心円上に等間隔で配置されているとよい。十分に多くの凹部があれば、上述した実施形態と同じ利点が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第一実施形態の顕微鏡装置を概略的に示している。
【図2】本発明の第二実施形態の顕微鏡装置を概略的に示している。
【図3】本発明の第三実施形態の顕微鏡装置を概略的に示している。
【図4】図1に示された試料台の熱による変形を模式的に示している。
【図5】培養容器が載せられる部分を取り囲むリング状の溝を持たない試料台の熱による変形を模式的に示している。
【図6】培養容器の足が収まる溝を持たない試料台を示している。
【符号の説明】
【0062】
100…試料台、101…開口、102…溝、103…温度調節素子、104…カバー、105…凹部、111…温度センサー、112…温度コントローラー、121…顕微鏡用ステージ、122…対物レンズ、123…センサー支持部材、124…変位センサー、125…センサーアンプ、150…培養容器、151…容器本体、152…足、154…ガラス板、161…培養液、162…観察試料、211…温度センサー、212…温度コントローラー、300…試料台、301…開口、302…溝、305…凹部、322…対物レンズ、323…センサー支持部材、324…変位センサー、325…センサーアンプ。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5