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明細書 :セントロメアへ局在するタンパク質

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4631051号 (P4631051)
公開番号 特開2006-280225 (P2006-280225A)
登録日 平成22年11月26日(2010.11.26)
発行日 平成23年2月16日(2011.2.16)
公開日 平成18年10月19日(2006.10.19)
発明の名称または考案の名称 セントロメアへ局在するタンパク質
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C07K  14/465       (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C07K 14/465
請求項の数または発明の数 3
全頁数 14
出願番号 特願2005-101959 (P2005-101959)
出願日 平成17年3月31日(2005.3.31)
審査請求日 平成19年12月28日(2007.12.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504202472
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
発明者または考案者 【氏名】岡田 聖裕
【氏名】深川 竜郎
個別代理人の代理人 【識別番号】110000084、【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【識別番号】100068700、【弁理士】、【氏名又は名称】有賀 三幸
【識別番号】100077562、【弁理士】、【氏名又は名称】高野 登志雄
【識別番号】100096736、【弁理士】、【氏名又は名称】中嶋 俊夫
【識別番号】100117156、【弁理士】、【氏名又は名称】村田 正樹
【識別番号】100111028、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 博人
【識別番号】100089048、【弁理士】、【氏名又は名称】浅野 康隆
【識別番号】100101317、【弁理士】、【氏名又は名称】的場 ひろみ
【識別番号】100134935、【弁理士】、【氏名又は名称】大野 詩木
審査官 【審査官】光本 美奈子
参考文献・文献 Database DDBJ/EMBL/GenBank[online],Accession No.AJ720425<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/53133509>12-JAN-2005 uploaded, Caldwell,R.B. et al.Definition:Gallus gallus mRNA for hypothetical protein, clone 17f21,URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/53133509
Database DDBJ/EMBL/GenBank[online],Accession No.AJ719984 <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/53130627>12-JAN-2005 uploaded, Caldwell,R.B. et al.Definition:Gallus gallus mRNA for hypothetical protein, clone 9b13,URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/53130627
Database DDBJ/EMBL/GenBank[online],Accession No.BX932979 <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/41633507>02-FEB-2004 uploaded, Boardman,P.E. et al.Definition:Gallus gallus finished cDNA, clone ChEST992k22,URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/41633507
Database DDBJ/EMBL/GenBank[online],Accession No.BX936045<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/41636573>02-FEB-2004 uploaded, Boardman,P.E. et al.Definition:Gallus gallus finished cDNA, clone ChEST26f22,URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/41636573
Genome Biology,2004年12月,6,R6.1-R6.9
Cancer Research,2003年 7月 1日,63,3511-3516
Nature Cell Biology,2006年 5月,8,446-457
日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集,2004年,27,534,1PB-098
Nature Cell Biology,2006年 5月,8,458-469
Gene Expression Patterns,2004年 2月27日,4,389-395
Genes to Cells,2004年,9,105-120
Oncogene,2003年,22,4594-4610
調査した分野 C12N 15/09
C07K 14/465
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
SwissProt/PIR/GeneSeq
PubMed
Science Direct
JSTPlus(JDreamII)
JMEDPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号5のアミノ酸配列からなるタンパク質、又は配列番号5のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつCENP-H及びCENP-Iに結合性を有するタンパク質。
【請求項2】
請求項1記載のタンパク質をコードする遺伝子。
【請求項3】
配列番号10の塩基配列からなるDNAである請求項2記載の遺伝子。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、セントロメア構成タンパク質であるCENP-H及びCENP-Iに結合し、染色体分配を制御する新規なタンパク質及びそれをコードする遺伝子に関する。
【背景技術】
【0002】
生物が生命を維持するためには、全ゲノム情報を包括する構造体である染色体は安定に保持・増殖されなければならない。正常な細胞では、ほぼ決まった時間周期で染色体の複製と分配が正確に行われる。染色体の複製・分配といった基本的な生体反応に狂いが生じると染色体の異数化、がん化など細胞に対する悪影響が生じる。したがって、染色体分配機構の解明は、がん化の制御につながると考えられる。
【0003】
細胞分裂時に両極から伸びた紡錘体が染色体の特殊構造を捕まえて、娘細胞へ分配することで染色体分配はおこる。その際、紡錘体が捕らえる染色体の特殊構造はセントロメア(動原体)と呼ばれている。従って、セントロメアは染色体分配に重要な働きを担っている。また、がん細胞のように過剰な分裂を行う細胞では、セントロメアを構成するあるタンパク質が過剰に発現していることが報告されている(非特許文献1)。CENP-H及びCENP-Iは染色体分配に関わるセントロメア構成タンパク質であり、CENP-HとCENP-Iが結合していることは報告されている(非特許文献2)。ただし、CENP-HやCENP-Iは、染色体分配において未同定のタンパク質と作用して巨大複合体として機能すると予想されている(非特許文献3)。他のセントロメアタンパク質と同様に未同定のセントロメアタンパク質は、がん細胞で過剰に発現していることが予想される。したがって、未同定のセントロメアタンパク質は、制がん薬剤のターゲットになる可能性を秘めている。

【非特許文献1】Tomonaga et al., Cancer Res., 63, 3511-3516, 2003
【非特許文献2】Nishihashi et al., Dev. Cell, 2, 463-476, 2002
【非特許文献3】Fukagawa Exp. Cell Res., 296, 21-27, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、セントロメアに局在し、CENP-H及びCENP-Iに結合して染色体分配を制御しており、制がん薬剤のターゲットとして有用な新規タンパク質を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、がん細胞の増殖制御を目指してセントロメアを構成するタンパク質について研究を行い、特にCENP-H及びCENP-Iに注目し、これに結合するタンパク質を探索してきた。その結果、今般、CENP-H及びCENP-Iに結合し、セントロメアへ局在し染色体分配を制御する機能を有する5種のタンパク質を見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、配列番号1~5から選ばれるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は配列番号1~5から選ばれるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつCENP-H及びCENP-Iに結合性を有するタンパク質、並びにこれらのタンパク質をコードする遺伝子を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のタンパク質は、セントロメアを構成するタンパク質であるCENP-H及びCENP-Iに結合し、かつセントロメアへ局在する性質を有することから、染色体の分配に深く関与しているタンパク質である。このタンパク質の発現を制御すれば、がん細胞の増殖を制御でき、このタンパク質は制がん薬剤のターゲットとして有用である。すなわち、このタンパク質の過剰発現を抑制すれば、新たな作用機序による制がん剤が開発できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明タンパク質は、配列番号1~5から選ばれるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は配列番号1~5から選ばれるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつCENP-H及びCENP-Iに結合性を有するタンパク質である。ここで、上記1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列と配列番号1~5のアミノ酸配列との相同性は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%、さらに好ましくは98%以上である。
【0009】
また、本発明の遺伝子は、前記タンパク質をコードする遺伝子である。この遺伝子としては、前記タンパク質をコードするものであれば制限されないが、例えば配列番号6~10から選ばれる塩基配列からなるDNA、又は配列番号6~10から選ばれる塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつCENP-H及びCENP-Iに結合性を有するタンパク質をコードするDNAが挙げられる。ここで、ストリンジェントな条件とは、例えば0.1%SDSを含む0.2×SSC中50℃、又は0.1%SDSを含む1×SSC中60℃の条件である。
【0010】
配列番号1~5から選ばれるアミノ酸配列及び配列番号6~10から選ばれる塩基配列は、ニワトリ由来のタンパク質及びそれをコードする遺伝子である。しかし、前記の如く1又は数個のアミノ酸配列が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつCENP-H及びCENP-Iに結合性を有する限り、ヒトを含む哺乳類由来のタンパク質も本発明に含まれることはいうまでもない。
【0011】
セントロメアに局在するタンパク質の同定は、生化学的手法や遺伝学的手法を用いることで数多く試みられている。しかしながら、存在量の少なさや抽出技術の困難さから、新しくセントロメアタンパク質を同定したという成功例は数少ない。また、既存のセントロメアタンパク質にタグをつけたタンパク質を細胞内で大量発現させて、結合タンパク質を同定する試みが最近さかんに行われている。しかしながら、大量発現することで、そのタンパク質がセントロメア以外の場所に局在し、セントロメアに局在するセントロメアタンパク質同定がうまくいかないなど技術的な問題点が数多くあった。
【0012】
本発明のタンパク質は、例えばニワトリDT40細胞を用いて、以下の如くして分離できる。すなわち、ニワトリDT40細胞内では、相同組み換えが高頻度でおこるために遺伝子改変を効率的に行うことができる。セントロメアタンパク質CENP-H又はCENP-Iの発現を100%タグ付きの融合タンパク質に置き換えた細胞株を樹立した。この細胞株では、タグ付きのCENP-HやCENP-Iがセントロメア以外に局在してしまうという前記問題点が克服できていた。そこでこれらの細胞株を用いてクロマチン画分を調製し、抗タグ抗体を用いた免疫沈降法によりCENP-H及びCENP-Iと結合するタンパク質を同定した。得られたペプチド配列をもとにcDNAクローニングすることにより、本発明の配列番号1~5から選ばれるアミノ酸配列からなる5種類のタンパク質が得られる。
【0013】
得られた本発明タンパク質は、これをGFP融合タンパク質等の標識タンパク質として細胞内で発現させれば、細胞周期を通じてセントロメアへ局在することが確認できる。
【0014】
かくして得られた本発明のタンパク質及び遺伝子は、アミノ酸配列又は塩基配列が判明したので、前記手段に限定されず、ペプチド合成等により製造することもでき、通常の遺伝子組み換え手段により製造できることは言うまでもない。
【0015】
本発明タンパク質は、CENP-H及びCENP-Iに結合し、かつセントロメアへ局在する。従って、染色体の分配に必須のタンパク質である。本発明タンパク質が過剰に発現する細胞は、がん化している可能性が高く、本発明タンパク質又はこの遺伝子を検出すればがんの診断が可能である。また、本発明タンパク質又はその遺伝子の過剰発現を指標にして、制がん剤の開発が可能である。すなわち、本発明タンパク質又はその遺伝子の過剰発現を抑制する薬剤を探索すれば制がん剤がスクリーニングできる。
【実施例】
【0016】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0017】
(1)細胞内のCENP-H又はCENP-Iタンパク質の全てをタグ付き融合タンパク質に置換された細胞株の確立
CENP-H遺伝子あるいはCENP-I遺伝子のゲノム領域と相同性のある約10Kbのゲノム配列をプラスミドベクターpBSへクローン化する。そのプラスミドへクローン化されたゲノム領域へ薬剤耐性遺伝子(ヒスチジノール耐性遺伝子あるいはピューロマイシン耐性遺伝子)を挿入したプラスミドを構築する (ノックアウトコンストラクト)。エレクトロポーレーション法(550V、25マイクロF)を用いて、制限酵素NotIで切断されたノックアウトコンストラクトをDT40細胞へ導入して、ノックコンストラクトとゲノム領域が置換したニワトリDT40細胞株(CENP-HあるいはCENP-Iノックアウト株)を樹立する。相同組み換えの有無は、サザンハイブリダイゼーションで確認できる。平行して、CMVプローモーターの下流でFLAGタグ融合CENP-HあるいはCENP-Iタンパク質が発現するプラスミドベクターを構築する(FLAGタグ融合ベクター)。FLAGタグ融合ベクターをエレクトロポーレーション法を用いて、CENP-HあるいはCENP-Iノックアウト株へ導入した。これらの細胞株では、野生型のCENP-HあるいはCENP-Iタンパク質がノックアウトされて、FLAGタグ融合CENP-HあるいはCENP-Iタンパク質が発現しているため、細胞内の全てのCENP-HあるいはCENP-Iタンパク質がFLAGタグ融合CENP-HあるいはCENP-Iタンパク質に置き換わっている。
【0018】
(2)本発明タンパク質の分離
(1)で得た細胞を大量培養して間期の細胞を集めた。Dounceホモジナイザーを用いて細胞を破砕し、遠心分離によって核を調製する。核を緩衝液A(20mM HEPES-KOH pH8.0/150mM KCl/1mM DTT)に懸濁した後、超音波破砕し、遠心分離によってDNAを含む画分を調製した。DNAを含む画分に最終濃度3mMのCaCl2を添加し、さらにマイクロコッカル・ヌクレアーゼを加えて4℃1時間反応させ、DNAを切断することによって、DNAに結合しているタンパク質を可溶化した。KCl及びNP-40をそれぞれ最終濃度300mM及び0.1%になるよう添加し、続いて抗FLAG抗体を固定化したレジンを添加して4℃3時間撹拌した。抗FLAG抗体を固定化したレジンを遠心分離によって回収し、緩衝液B(20mM HEPES-KOH pH8.0/300mM KCl/1mM DTT/0.1% NP-40)を用いて洗浄した。抗FLAG抗体を固定化したレジンに0.1M Glycine pH2.5溶液を添加して1分間静置した後、遠心分離によって溶液を回収した。溶液に等量の20%トリクロロ酢酸及び5倍量のアセトンを添加し、-20℃で2時間静置し、遠心分離によってタンパク質を回収した。
【0019】
(3)タンパク質の同定
回収されたタンパク質をSDS-PAGEによって分離した後、銀染色で検出し、ゲルを切り出して質量分析を行うことで各タンパク質の部分アミノ酸配列を決定した。各タンパク質の部分アミノ酸配列は、以下の通りである。
【0020】
(CENP-40)Asp Gly Gly Gly Arg Met Pro Ala Ala Pro Leu Ala Gln Gly Lys Val Glu Arg
【0021】
(CENP-35)Lys Gln Trp Thr Leu Tyr Ser Val Ser Pro Leu Tyr Lys Phe Ser Ser Ala Asp Leu Lys Asp Tyr Ala Arg Met Leu Gly Val Phe Ile Ala Ala Glu Lys Arg
【0022】
(CENP-33)Lys Ala Glu Leu Glu Ser Leu Gln Arg Asp Leu Ser Phe Leu Val Lys Phe Thr Gly Ile Gln Ile Thr Ser His Ser Lys Lys Thr Leu Glu Lys Thr Gly Asn Arg
【0023】
(CENP-30)Arg Asn Pro Glu Leu Ile Ser Thr Asn Pro Glu Val Leu Leu Leu Leu Gly Glu Glu Glu Leu Gln Lys
【0024】
(CENP-17)Asn Val Gln Ala Ser Leu Ala Tyr Val Asp Val Arg Phe Phe Leu Gly Lys Val Cys Phe Leu Val Thr Gly Val Gly Arg Ala Asn Asn Cys Ser Val Glu Met
【0025】
CENP-I-GFP、CENP-H-GFP、あるいはCENP-H-3×FLAG融合タンパクを発現する細胞を大量培養し、クロマチン画分を調製した。抗GFP抗体あるいは抗FLAG抗体を用いてタンパク複合体を免疫沈降し、銀染色によってタンパクを検出した。得られた結果を図1に示す。コントロール実験として、野生型のDT40細胞 (wt)を大量培養し、クロマチン画分を調製して抗GFP抗体あるいは抗FLAG抗体を用いた免疫沈降実験を行った。ここで、検出されるタンパク質は、抗体の非特異的吸着により沈降されるタンパク質である。CENP-I-GFP、CENP-H-GFP、あるいはCENP-H-3×FLAG融合タンパクを発現する細胞で、特異的に沈降され、コントロール実験で沈降される5本のバンドに着目して、それらをCENP-I、CENP-H、CENP-40、CENP-35、CENP-33、CENP-30、CENP-17と命名した。
CENP-40、CENP-35、CENP-33、CENP-30、CENP-17の各タンパクは、CENP-HやCENP-Iと特異的に結合することから、これらが構成的にセントロメアに局在するタンパク複合体であると考えられた。CENP-HをCENP-H-FLAGに置き換えた細胞から調製したサンプルとCENP-IをCENP-I-FLAGに置き換えた細胞から調製したサンプルで共通に見られる5本のバンドを切り出して部分的アミノ酸配列を決定した。
【0026】
(4)得られた部分アミノ酸配列をもとにプローブを調製し、ニワトリ胚由来のcDNAライブラリーをスクリーングした。各種タンパク質に関して複数種類のcDNAクローンを得て、得られたすべてのcDNAクローンの塩基配列を決定した。その結果すべての 種類のタンパク質に関して開始コドンと予想されるATGが見いだされ、完全長のcDNAの塩基配列が決定できた。(CENP-40が配列番号1及び6、CENP-35が配列番号2及び7、CENP-33が配列番号3及び8、CENP-30が配列番号4及び9、CENP-17が配列番号5及び10にそれぞれ対応する)。それらのcDNAを参考にプライマーを設計して、PCR反応を行いストップコドンをとり除いたcDNAを得て、その断片をpEGFPN1(クローンテック社)のBamHIサイトへクローン化した。それぞれのプラスミドは、ストップコドンが取り除かれてGFPのコード領域と融合している(GFP融合発現プラスミド)。GFP融合発現プラスミドをDT40野生型細胞あるいはCENP-H-RFP発現細胞(セントロメア領域が赤で標識されている細胞)へ導入して、GFP融合タンパク質としてそれぞれのタンパク質を安定に発現させた。それぞれのGFP融合タンパク質の安定発現細胞を集めて、PBSで洗浄後、サイトスピン法によってスライドグラス上に貼付けた。スライドグラスを3%パラホルムアルデヒドに15分間浸透させ、細胞を固定した。細胞をPBSでリンスした後0.3マイクロg/mLのDAPIで細胞核及び染色体を染色した。作成したスライドグラスを蛍光顕微鏡へ供してGFP融合タンパク質の細胞内局在を緑チャンネルで観察した。細胞形態によって、細胞分裂期の細胞と間期の細胞の区別が可能となる。5種類すべてのタンパク質がCENP-HやCENP-Iと同様に細胞周期を通じて点状のドットとして観察された。CENP-Hと局在をともにすることから、すべてのタンパク質が細胞周期を通じてセントロメアへ局在していることが確認できた(図2~図6)。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】CENP-I-GFP、CENP-H-GFP、あるいはCENP-H-3×FLAG融合タンパク質を発現する細胞から得られた抽出液を、抗GFP抗体あるいは抗FLAG抗体を用いて免疫複合体を免疫沈降させた結果を示す図である。図中、WTは野生株細胞を示す。
【図2】CENP-40の細胞内局在を示す図である。a、bはM期、cは間期であり、CENP-40は緑、DAPIは青に染色されており、細胞核及び染色体を示している。
【図3】融合タンパク質(merge)、DAPI(細胞核)、CENP-35及びCENP-Hの細胞内局在を示す図である。
【図4】融合タンパク質(merge)、DAPI(細胞核)、CENP-33及びCENP-Hの細胞内局在を示す図である。
【図5】CENP-30の細胞内局在を示す図である。CENP-30は緑、DAPI(細胞核)は青に染色されている。
【図6】融合タンパク質(merge)、DAPI(細胞核)及びCENP-17の細胞内局在を示す図である。CENP-17は緑、DAPIは青に染色されている。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5