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明細書 :ホスフィン酸アルケニル及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4157968号 (P4157968)
公開番号 特開平11-180990 (P1999-180990A)
登録日 平成20年7月25日(2008.7.25)
発行日 平成20年10月1日(2008.10.1)
公開日 平成11年7月6日(1999.7.6)
発明の名称または考案の名称 ホスフィン酸アルケニル及びその製造方法
国際特許分類 C07F   9/32        (2006.01)
B01J  31/22        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07F 9/32
B01J 31/22 X
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願平09-363876 (P1997-363876)
出願日 平成9年12月18日(1997.12.18)
審査請求日 平成16年8月2日(2004.8.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】田中 正人
【氏名】華 瑞茂
個別代理人の代理人 【識別番号】100102668、【弁理士】、【氏名又は名称】佐伯 憲生
審査官 【審査官】関 美祝
参考文献・文献 特開昭50-046759(JP,A)
Tamio Hayashi et al.,ASYMMETRIC HYDROGENATION OF ENOL PHOSPHINATES CATALYZED BY A CHIRAL FERROCENYLPHOSPHINE-RHODIUM COMPLEX. ASYMMETRIC SYNTHESIS OF OPTICALLY ACTIVE SECONDARY ALKYL ALCOHOLS,Tetrahedron Letters,1981年,Vol.22, No.44,P.4417-4420
IMRE PETNEHAZY et al.,QUASIPHOSPHONIUM INTERMEDIATES-IV. ISOLATION AND IDENTIFICATION OF INTERMEDIATES IN THE ARBUZOV AND PERKOW REACTIONS OF NEOPENTYL ESTERS OF PHOSPHORUS(III) ACIDS WITH α-HALOGENOACETOPHENONES,Tetrahedron,1983年,Vol.39, No.24,P.4229-4235
Corine Despax et al.,SYNTHESIS OF NEW ANALOGS OF PHOSPHOENOL PYRUVATE,Tetrahedron Letters,1990年,Vol.31, No.31,P.4471-4472
HARRY H. WASSERMAN et al. ,1-ALKOXYVINYL ESTERS OF PHOSPHORIC ACIDS AS PHOSPHORYLATING AGENTS,Journal of the American Chemical Society,1960年,Vol.82,P.4435-4436
調査した分野 C07F 9/32
C07B 61/00
CAplus(STN)
CASREACT(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
分子の末端に炭素-炭素3重結合を有する化合物と、有機ホスフィン酸とを、ルテニウム錯体触媒の存在下に反応させて、ホスフィン酸アルケニル誘導体を製造する方法。
【請求項2】
ルテニウム錯体触媒の存在下において、一般式(I)
C≡CH (I)
(式中、Rは置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換のエステル基、置換又は非置換のシリル基を示す。)
で表されるアセチレン化合物を、一般式(II)
P(O)OH (II)
(式中、Rは置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のアラルキル基を示す。)
で表されるホスフィン酸と反応させることを特徴とする一般式(III)
【化1】
JP0004157968B2_000009t.gif
(式中、R、Rは、前記一般式(I)、(II)で示されるものと同じ。)
で表されるホスフィン酸アルケニルの製造方法。
【請求項3】
ルテニウム錯体触媒が、低原子価のテニウム錯体である請求項1又は2に記載の方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、医薬・農薬類、難燃剤等の合成に用いられる有用な物質であるホスフィン酸アルケニル類、及び、アセチレン化合物とホスフィン酸とを反応させることからなる新規なその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホスフィン酸アルケニル類は、従来ケトン類のアルファー位をハロゲン化し、生成アルファーハロケトンとジオルガノホスフィナイトとを反応させるいわゆるベルコフ反応により合成されている。しかし、本方法には原料の入手上困難があり、また、生成物に含まれないハロゲンを使用し、しかも副反応を伴うため、工業的に有利な方法とは考えられない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工業的に入手容易なアセチレン化合物にホスフィン酸を反応させることからなる、ホスフィン酸アルケニル類の新規かつ効率的な製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達するために鋭意研究の結果、遷移金属触媒、殊にルテニウム錯体触媒の存在下において、ホスフィン酸がアセチレン結合に容易に付加する事実を見いだし、それに基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明によれば、アセチレン化合物にホスフィン酸を反応させることからなるホスフィン酸アルケニル類の新規かつ効率的な製造方法が提供される。
本発明は、分子の末端に炭素-炭素3重結合を有する化合物と、有機ホスフィン酸とを、遷移金属触媒の存在下に反応させて、ホスフィン酸アルケニル誘導体を製造する方法に関する。
また、本発明は、分子の末端の3重結合に有機ホスフィン酸が付加した構造を有する新規なホスフィン酸アルケニル誘導体に関する。
【0006】
本発明において原料の一つとして用いる分子の末端に炭素-炭素3重結合を有するアセチレン化合物は、分子の末端に炭素-炭素3重結合を有し、本発明の化学反応を阻害する官能基を有さないものであれば特に制限はないが、次の一般式(I)、
C≡CH (I)
(式中、Rは置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換の複素環基、置換又は非置換のエステル基、置換又は非置換のシリル基を示す。)で表されるものが好ましい。アルキル基としては、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝鎖状のものであり、その炭素数としては1~30が好ましく、さらに1~15程度の低級アルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、飽和又は不飽和の単環式又は多環式のものであり、3~20員環、好ましくは3~12員環、さらに好ましくは3~7員環の単環式、多環式又は縮合環式のものが好ましい。
【0007】
アリール基としては、単環式、多環式又は縮合環式の六員芳香族環を有するもので、その炭素数としては1~20のものが好ましく、さらには1~12程度のものが好ましい。
アラルキル基としては、前記したアルキル基に前記したアリール基が置換したものであり、その総炭素数は7~30が好ましく、さらに7~12程度が好ましい。
複素環基としは、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子などからなる異項原子を環系中に1個又はそれ以上有する、飽和又は不飽和の、好ましくは3~10員環、より好ましくは5~10員環からなる単環式、多環式又は縮合環式のものが好ましい。
エステル基としては、前記したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又は複素環基でエステル化されたカルボキシル基が挙げられる。
シリル基としては、無機のシリル基でもよいが、前記したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又は複素環基を有する有機シリル基が好ましい。
また、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又は複素環基の置換基としては、アルコキシ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、シリル基等の官能基が挙げられる。R1の具体例としては、フェニル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、ベンジル基、チエニル基等が挙げられる。
【0008】
一方、本発明の反応において用いられる有機ホスフィン酸は、一般式(II)、
22P(O)OH (II)
(式中、R2は置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換のアラルキル基を示す。)で表されるものである。R2基としては、前記したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基が用いられる。また、R2基の置換基としては、アルコキシ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、シリル基等が挙げられるが、非置換のものが好ましい。R2の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、メチル基、エチル基、フリル基等が挙げられる。
本発明の方法により製造されるホスフィン酸アルケニル誘導体は、分子の末端に炭素-炭素2重結合を有し、当該2重結合の分子の内側にホスフィン酸類が結合した化合物であり、好ましくは次式(III)、
【0009】
【化3】
JP0004157968B2_000002t.gif【0010】
(式中のR1及びR2は前記したものを示す。)
で示される化合物である。
【0011】
本発明の反応は、遷移金属触媒、好ましくは、錯体触媒、殊にルテニウム錯体触媒の存在下において好ましい速度で進行する。ルテニウム錯体としては種々の構造のものを用いることが出来るが、好適なものは、いわゆる低原子価のルテニウム錯体である。具体的には、Ru3(CO)12、Ru(cod)(cot)(cod、cotはそれぞれシクロオクタジエン、シクロオクタトリエンを示す)、RuCl2(p-C914)(PPh3)(p-C914はシメンを示す)、RuH2(CO)(PPh33等が例示される。
【0012】
これらのルテニウム錯体の使用量はいわゆる触媒量で良く、アセチレン化合物に対して20モル%以下であり、一般的には5モル%以下で十分である。
【0013】
反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて溶媒中で実施することもできる。溶媒としては、炭化水素系もしくはエーテル系の溶媒が一般的に用いられる。反応温度は、アセチレン化合物の構造によるが一般には50℃以上に加熱するのが好ましく、通常は80~200℃の範囲から選ばれる。本反応の中間体は酸素に敏感であり、反応の実施は、窒素やアルゴン、メタン等の不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。反応混合物からの精製物の分離は、クロマトグラフィー、蒸留または再結晶によって容易に達成される。
【0014】
【実施例】
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、実施態様は実施例に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
1-オクチン(0.4mmol)、ジフェニルホスフィン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)12(1-オクチンに対して2.5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液のNMR測定によりジフェニルホスフィン酸1-オクテン-2-イルが74%の収率で生成していることが判明した。反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフイー(ヘキサン-アセトングラディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率88%で純粋なジフェニルホスフィン酸1-オクテン-2-イルが得られた。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデータが得られた。
1H NMR(300 MHz)δ 7.85-7.79(m,4H),7.52-7.40(m,6H),4.76(s,1H),4.37(s,1H),2.16(t,2H,J 7.5Hz),1.51-1.44(m,8H),0.85(t,3H,J 7.0Hz);
13C NMR(75MHz)δ155.7(JC-P 9.2Hz),132.2(JC-P 2.7),131・7(JC-P 10.3Hz),128.5(JC-P13.4Hz),97.6(JC-P 5.2Hz),35.3(JC-P 4.3Hz),31.6,28.5,26.4,22.6,14.1;
31P{H} NMR(121MHz)δ 28.2;
GC-MS m/z(相対強度)328(5,M+),219(100);
JP0004157968B2_000003t.gif【0016】
実施例2
触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わりにRuCl2(p-C914)(PPh3)(0.01mmol)を用いて、実施例1と同様に反応させた。反応液のNMR測定によりジフェニルホスフィン酸1-オクテン-2-イルが53%の収率で生成していることが判明した。
【0017】
実施例3
触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わりにRuH2(CO)(PPh33(0.01mmol)を用いて、実施例1と同様に反応させた。反応液のNMR測定によりジフェニルホスフィン酸1-オクテン-2-イルが18%の収率で生成していることが判明した。
【0018】
実施例4
触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わりに[RhCl(cod)]3(0.01mmol)を用いて、実施例1と同様に反応させた。反応液のNMR測定によりジフェニルホスフィン酸1-オクテン-2-イルが10%の収率で生成していることが判明した。
【0019】
実施例5
触媒として、トリルテニウムドデカカルボニルの代わりにRhCl(cod)(PPh3)(0.01 mmol)を用いて、実施例1と同様に反応させた。反応液のNMR測定によりジフェニルホスフィン酸1-オクテン-2-イルが21%の収率で生成していることが判明した。
【0020】
実施例6
1-へキシン(0.4mmol)、ジフェニルホスフィン酸(0.48mmol)、RuCl2(p-C914)(PPh3)(1-へキシンに対して2.5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-アセトングラディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率67%で純粋なジフェニルホスフィン酸1-へキシン-2-イルが得られた。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデータが得られた。
1H NMR(300 MHz)δ 7.86-7.80(m,4H),7.53-7.45(m,6H),4.75(d,1H,JH-P 1.9Hz),4.39(s,1H),2.17(t,2H,J 7.3Hz),1.53-1.26(m,4H),0.87(t,3H,J 7.1Hz);
13C NMR(75 MHz)δ 155.7(JC-P 10.0Hz),132.2(JC-P 2.8Hz),131.7(JC-P 10.3Hz),128.5(JC-P 13.4Hz),97.5(JC-P 5.2Hz),35.0(JC-P 4.2Hz),28.5,21.9,13.8;
31P{H} NMR(121 MHz)δ 28.3;
GC-MS m/z(相対強度)300(11,M+),219(100);
JP0004157968B2_000004t.gif【0021】
実施例7
フェニルアセチレン(0.4mmol)、ジフェニルホスフイン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)12(フェニルアセチレンに対して2.5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-アセトングラディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率70%で純粋なジフェニルホスフィン酸1-フェニルエテン-1-イルが得られた。
【0022】
実施例8
3-フェニル-1-プロピン(0.4mmol)、ジフェニルホスフィン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)12(3-フェニル-1-プロピンに対して2.5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-アセトングラディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率79%で純粋なジフェニルホスフィン酸3-フェニル-1-プロペン-2-イルが得られた。
本化合物は文献末収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデータが得られた。
1H NMR(300 MHz)δ 7.83-6.48(m,15H),4.88(s,1H),4.41(s,1H),3.48(s,2H);
13C NMR(75 MHz)δ 154,9(JC-P 9.5Hz),136.8,132.2(JC-P 2.8Hz),131.6(JC-P 1O.4Hz),129.4,128.5,128.4(JC-P 13.4Hz),126.9,99.0(JC-P 5.1Hz),42.0(JC-P 4.7Hz);
31P{H} NMR(121 MHz)δ 28.7;
GC-MS m/z(相対強度)334(0.4,M+),219(100);
JP0004157968B2_000005t.gif【0023】
実施例9
5-へキシノニトリル(0.4mmol)、ジフェニルホスフィン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)12(5-へキシノニトリルに対して2.5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-アセトングラディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率82%で純粋なジフェニルホスフィン酸5-シアノ-1-ペンテン-2-イルが得られた。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデー夕が得られた。
1H NMR(300 MHz)δ 7.87-7.82(m,4H),7.53-7.42(m,6H),4.75(d,1H,JH-P 1.7Hz),4.39(s,1H),2.17(t,2H,J 7.4Hz),1.49(t,2H,J 7.3Hz),1.36-1.26(m,2H);
13C NMR(75 MHz)δ 152.9(JC-P 9.5Hz),132.5(JC-P 2.9Hz),131.6(JC-P 10.3Hz),128.6(JC-P 13.4Hz),119.3,99.7(JC-P 5.3Hz),34.0(JC-P 4.2Hz),22.2,16.0;
31P{H} NMR(121 MHz)δ 28.3;
GC-MS m/z(相対強度)311(3,M+),201(100);
JP0004157968B2_000006t.gif【0024】
実施例10
シクロヘキセン-1-イルエチン(0.4mmol)、ジフェニルホスフィン酸(0.48mmol)、Ru3(CO)12(シクロヘキセン-1-イルエチンに対して2.5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮しカラムクロマトグラフイー(ヘキサン-アセトングラディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率65%で純粋なジフェニルホスフィン酸シクロヘキセン-1-イルエテン-1-イルが得られた。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデータが得られた。
1H NMR(300 MHz)δ 7.88-7.81(m,4H),7.52-7.43(m,6H),6.31(bs,1H),4.88(s,1H),4.61(s,1H),2.39-1.58(m,8H);
13C NMR(75 MHz)δ 153.6(JC-P 9.0Hz)132.2(JC-P 2.8Hz),131.6(JC-P 10.3Hz),131.5(JC-P 10.2Hz),128.5(JC-P 13.4Hz),97.0(JC-P 4.8Hz),25.4,24.7,22.4,21.8;
31P{H} NMR(121 MHz)δ 29.1;
GC-MS m/z(相対強度)324(3,M+),219(100);
JP0004157968B2_000007t.gif【0025】
実施例11
ノナ-1,8-ジイン(0.4mmol)、ジフェニルホスフイン酸(0.9mmol)、Ru3(CO)12(ノナ-1,8-ジインに対して5mol%)、および、トルエン(3ml)の混合物を、窒素雰囲気下、140℃で5時間攪拌した。反応液を濃縮し力ラムクロマトグラフィー(ヘキサン-アセトングラディエント、混合比5:1ないし1:5)により分離精製し、単離収率86%で純粋な2,8-ビス(ジフェニルホスフィニロキシ)-ノナ-1,8-ジエンが得られた。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、以下のスペルトルデータが得られた。
1H NMR(300 MHz)δ 7.85-7.78(m,8H),7.51-7.43(m,12H),4.74(s,1H)4.36(S,1H),2.14(t,4H,J 7.0Hz),1.51-1.26(m,6H);
13C NMR(75 MHz)δ 155.5(JC-P 9.7Hz),132.3(JC-PP 2.7Hz),131.7(JC-P 10.3Hz),128.5(JC-P 13.3Hz),97.9(JC-P 5.2Hz),35.2(JC-P 4.3Hz),28.1,16.2;
31P{H} NMR(121 MHz)δ 28.2;
JP0004157968B2_000008t.gif【0026】
【発明の効果】
本発明の方法により、医薬・農薬、難燃剤等の合成に有用なホスフィン酸アルケニル類を、入手容易なホスフィン酸とアセチレンから効率的かつ安全に製造でき、その分離精製も容易である。従って、本発明は工業的に多大の効果をもたらす。