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明細書 :画像表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4214236号 (P4214236)
公開番号 特開2007-078863 (P2007-078863A)
登録日 平成20年11月14日(2008.11.14)
発行日 平成21年1月28日(2009.1.28)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
発明の名称または考案の名称 画像表示装置
国際特許分類 G09G   3/34        (2006.01)
G09G   5/02        (2006.01)
G09G   3/20        (2006.01)
H04N   9/64        (2006.01)
H04N   9/12        (2006.01)
FI G09G 3/34 D
G09G 5/02 B
G09G 3/20 642J
G09G 3/20 642L
H04N 9/64 F
H04N 9/12 A
請求項の数または発明の数 6
全頁数 16
出願番号 特願2005-264210 (P2005-264210)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
審査請求日 平成19年3月6日(2007.3.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
発明者または考案者 【氏名】下平 美文
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100085279、【弁理士】、【氏名又は名称】西元 勝一
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査官 【審査官】後藤 亮治
参考文献・文献 特開2001-209047(JP,A)
特開2005-303989(JP,A)
特開2004-286814(JP,A)
特開2004-295086(JP,A)
特開2005-196184(JP,A)
特開2003-076341(JP,A)
調査した分野 G09G 3/00 - 5/42
G06T 1/00
H04N 1/60
9/44 - 9/78
特許請求の範囲 【請求項1】
予め定めた赤色、緑色及び青色の各色を基準色とする第1表色系の色成分を表す画像データを用いて多色画像を表示する画像表示装置において、
前記第1表色系と異なる赤色、緑色及び青色の各色を基準色とする第2表色系により画像を表示すると共に、入力されるデバイスデータに応じて前記第2表色系に含まれる白色、赤色、緑色及び青色の各色を画素毎に表示する表示手段と、
入力された第1表色系の画像データを用いて前記表示手段の赤色、緑色及び青色の各色を基準色とする第2表色系における赤色、緑色及び青色の各色成分を表す基本データを求める基本色演算手段と、
入力された第1表色系の画像データを用いて前記表示手段の赤色、緑色及び青色の何れか2色と、白色とを基準色とする第3表色系における前記2色及び白色の各色成分を表す特定データを求める特定色演算手段と、
前記基本色演算手段の各基準データと、前記特定色演算手段の各特定データとを前記表示手段の最大輝度を超えないように同色について合成して白色、赤色、緑色及び青色の各色の合成データを求める合成手段と、
前記合成データに基づいて前記表示手段の各色のデバイスデータを求める出力データ演算手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記合成手段は、前記基本色演算手段の基準データと、前記特定色演算手段の特定データとを所定比率で各色毎に加算する加算手段と、前記所定比率を決定する決定手段とから構成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
入力手段をさらに備え、前記合成手段は、前記入力手段の入力値に基づいて前記同色について合成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像データの輝度値を演算する輝度演算手段をさらに備え、前記合成手段は、前記輝度演算手段による輝度値に基づいて前記同色について合成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
入力された画像データの色座標を演算する座標演算手段をさらに備え、前記決定手段は、前記座標演算手段による座標値に基づいて前記同色について合成することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示装置
【請求項6】
前記合成手段において、前記特定色演算手段の各特定データを合成データに含めることを禁止する禁止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像表示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置にかかり、特に、少なくとも予め定めた赤色、緑色及び青色の各色を基準色として画像を表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多色画像を表示する場合、赤色、緑色及び青色の各色を基準色として画像表示することが一般的に行われていた。このような画像表示装置では、白色を表示する場合、赤色、緑色及び青色の各色を一定量づつ提示することによって行われていたが、3色の合成では、白色の再現性が良好でない場合があった。
【0003】
これを解消するため、赤色、緑色及び青色の各色に、白色を基準色として追加した画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、RGBの各画素の輝度に比例した白色輝度と白色単体の輝度とを用いて、画像を表示する4色表示装置を提案している。

【特許文献1】特開2004-286814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、色として白色成分を中心に考えると、白色については良好な結果が得られるものの、他色について良好な色合いや輝度の向上を図ることは不十分であった。
【0005】
また、白色を基準として一律に画像を調整したのでは、ユーザの希望にそぐわない場合もある。例えば、ユーザは、画像によっては、多少の色合いを犠牲にしても明るい画像を望む場合があったり、多少の明るさを犠牲にしても忠実な色合いの画像を望む場合があったりする。
【0006】
そこで、本発明は、色合いを維持しつつ輝度向上をはかって多色画像を表示することができる画像表示装置を得ることを目的とする。
【0007】
また、他の目的は、色合いと輝度との関係を調整可能に多色画像を表示することができる画像表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明の画像表示装置は、予め定めた赤色、緑色及び青色の各色を基準色とする第1表色系の色成分を表す画像データを用いて多色画像を表示する画像表示装置において、前記第1表色系と異なる赤色、緑色及び青色の各色を基準色とする第2表色系により画像を表示すると共に、入力されるデバイスデータに応じて前記第2表色系に含まれる白色、赤色、緑色及び青色の各色を画素毎に表示する表示手段と、入力された第1表色系の画像データを用いて前記表示手段の赤色、緑色及び青色の各色を基準色とする第2表色系における赤色、緑色及び青色の各色成分を表す基本データを求める基本色演算手段と、入力された第1表色系の画像データを用いて前記表示手段の赤色、緑色及び青色の何れか2色と、白色とを基準色とする第3表色系における前記2色及び白色の各色成分を表す特定データを求める特定色演算手段と、前記基本色演算手段の各基準データと、前記特定色演算手段の各特定データとを前記表示手段の最大輝度を超えないように同色について合成して白色、赤色、緑色及び青色の各色の合成データを求める合成手段と、前記合成データに基づいて前記表示手段の各色のデバイスデータを求める出力データ演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、前記合成手段は、前記基本色演算手段の基準データと、前記特定色演算手段の特定データとを所定比率で各色毎に加算する加算手段と、前記所定比率を決定する決定手段とから構成することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置において、入力手段をさらに備え、前記合成手段は、前記入力手段の入力値に基づいて前記同色について合成することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像表示装置において、前記画像データの輝度値を演算する輝度演算手段をさらに備え、前記合成手段は、前記輝度演算手段による輝度値に基づいて前記同色について合成することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示装置において、入力された画像データの色座標を演算する座標演算手段をさらに備え、前記決定手段は、前記座標演算手段による座標値に基づいて前記同色について合成することを特徴とする。
【0013】
なお、前記画像表示装置において、表示する画像の全画像データから該画像の輝度分布、明るさ分布、及び色分布の少なくとも1つの傾向を求める画像傾向演算手段をさらに備え、前記合成手段は、前記画像傾向演算手段の演算値に基づいて前記同色について合成することができる。
【0014】
また、前記画像表示装置において、表示する画像を予め定めた大きさに領域分割した分割画像に対応する画像データ群を定める設定手段をさらに備え、前記合成手段は、前記設定手段の設定値に基づいて前記分割画像に対応する画像データ群に含まれる画像データについて同一傾向となるように前記同色について合成することができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像表示装置において、前記合成手段において、前記特定色演算手段の各特定データを合成データに含めることを禁止する禁止手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、入力された第1表色系の画像データに対応する前記表示手段の第2表色系における赤色、緑色及び青色の各色成分を表す基本データを基本色演算手段により求め、赤色、緑色及び青色の何れか2色と、白色とを基準色とする第3表色系における各色成分を表す特定データを特定色演算手段により求めて、表示手段の最大輝度を超えないように同色について合成するので、色合いを維持しつつ輝度向上を図って、多色画像を表示することができる、という効果がある。
【0017】
また、基本データと選択データとを選択的に合成することができるので、色合いと輝度との関係を調整可能に多色画像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態は、光源からの光を複数の微細なミラーによる偏向することによってスクリーンへ投影して画像を表示する投影光学系による画像表示装置に本発明を適用したものである。
【0019】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の実施の形態に係る画像表示装置について、図1を参照して説明する。
【0020】
図1に示すように、画像表示装置10は、光源12を備えており、光源12の射出側に、レンズ14,回転フィルタ16、レンズ18が順に設置される。レンズ18の射出側には、空間光変調素子20が設置される。この空間光変調素子20は、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調するもので、本実施形態では、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を採用する。空間光変調素子20の光ビームを射出する光変調側には、投影レンズ22を介してスクリーン24が設置される。
【0021】
空間光変調素子20として採用したDMDは、SRAMセル(メモリセル)上に、微小ミラー(マイクロミラー)が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラーが設けられ、マイクロミラーの表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着される。なお、マイクロミラーの反射率は90%以上である。また、マイクロミラーの直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセルが配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成される。
【0022】
図2に示すように、本実施形態では、回転フィルタ16は、白色、赤色、緑色及び青色の4色の各色領域を有する4セグメントカラーホイールを採用する。この回転フィルタ16は、半径方向の所定位置(例えば中央部や外周近傍)に光軸が位置するように画像表示装置10に設置され、回転フィルタ16が中心点Oを中心に回転することにより、白色、赤色、緑色及び青色の各色の光ビームが空間光変調素子20へ照射される。
【0023】
本実施形態の回転フィルタ16は、白色、赤色、緑色及び青色の各色領域の位置関係について、緑色及び青色が隣り合わないように形成される。これは緑色及び青色のフィルタの回転による混色を抑制するために有効である。
【0024】
なお、回転フィルタ16、及び空間光変調素子20は、後述する制御装置30(図3)に接続される。この制御装置30からの信号により回転フィルタ16の回転が制御されると共に、空間光変調素子20における光変調が制御される。回転フィルタ16の回転により、回転フィルタ16から射出される光ビームの色が変更され、また、空間光変調素子20の制御により空間光変調素子20からスクリーン24へ向かう光ビームの光量が変更される。
【0025】
制御装置30は、回転フィルタ16を一定速度で回転するように制御する制御信号を生成すると共に、空間光変調素子20の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。そして、制御装置30では、回転フィルタ16を所定速度となるように回転制御すると共に、画像データの制御信号に基づいて、各空間光変調素子20の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
【0026】
なお、光源12は、放射輝度の波長分布は予め既知のものが用いられ、回転フィルタ16は、各色領域(白色、赤色、緑色及び青色の各領域)毎に分光特性が測定されたものが用いられる。また、スクリーン24へ至るまでに光ビームが透過及び反射する光学素子、すなわち、レンズ14,18,投影レンズ22、及び空間光変調素子20についても、分光特性が測定されたものが用いられる。従って、光源12から射出されスクリーン24へ到達する光ビームは、空間光変調素子20の制御範囲内でかつ回転フィルタ16の各色領域(白色、赤色、緑色及び青色の各領域)毎に、分光特性が既知であるものとされる。
【0027】
図3に示すように、制御装置30は、コンピュータ構成とされ、その機能部として表示のための画像を入力する画像入力部32,設定入力部34,色変換部36,フィルタ駆動部38,ミラー駆動部40を備えている。画像入力部32は、色変換部36を介してミラー駆動部40に接続され、画像入力部32から出力される画像データに応じてミラー駆動部40が空間光変調素子20を駆動することにより、スクリーン24へ画像表示する。色変換部36には設定入力部34も接続され、詳細を後述する色変換の傾向を調整するための設定値を入力できる構成になっている。なお、フィルタ駆動部38は、本実施形態では、回転フィルタ16を一定速度で回転制御するドライバとして機能する。
【0028】
画像入力部32は、画像表示装置10において画像をデジタル的に扱うことを可能とする入力変換部である。画像入力部32の一例としては、外部の情報端末(例えばコンピュータ)に接続するインタフェースを備え、該情報端末から出力される画像データを表示のための画像として入力するインタフェース装置がある。他例としては、原稿の画像を読み取りデジタルの画像データに変換して出力するスキャナ等の画像読み取り装置がある。
【0029】
色変換部36は、画像入力部32から入力された(情報端末や画像読み取り装置の)外部装置の表色系で表される画像データを、本実施形態の画像表示装置10の表色系において忠実に再現したり、より明るさを向上させたりする画像データに変換する機能部である(詳細は後述)。色変換部36から出力される画像データは、ミラー駆動部40へ出力される。ミラー駆動部40は空間光変調素子20を駆動するためのドライバである。
【0030】
また、色変換部36には設定入力部34も接続されている。設定入力部34は、スイッチ等により構成され、色変換の傾向を調整するための設定値を入力するためのものである。例えば、より明るさを向上する画像を提示する輝度優先または忠実に色を表現する画像を提示する色優先の設定値を出力する、切換スイッチで設定入力部34を構成することができる。また、詳細を後述する各色の輝度値により色変換部36の傾向を変更する場合における色の組み合わせを選択する機能も有している。
【0031】
なお、本実施形態では、設定入力部34をスイッチ等の構成として設定値を入力する場合について説明するが、設定値をメモりに記憶しておき、図示を省略したキーボード等の入力装置によって選択した入力したりてもよい。
【0032】
図4に示すように、色変換部36は、輝度演算部42,色座標判定部44,標準色変換部46,特定色変換部48,データベース50,係数決定部52,k係数部54,h係数部56,合成部58,及び階調変換部60を含んで構成されている。
【0033】
輝度演算部42,色座標判定部44,標準色変換部46,及び特定色変換部48は画像入力部32から画像データが入力されるように接続され、輝度演算部42及び色座標判定部44は出力側が係数決定部52の入力側に接続される。係数決定部52の入力側には設定入力部34からの設定値が入力されるようにも接続される。標準色変換部46の出力側は、k係数部54を介して合成部58に接続される。k係数部54は、係数決定部52で決定された値の係数kを乗じたデータを合成部58へ出力する。特定色変換部48の出力側は、h係数部56を介して合成部58に接続される。h係数部56は、係数決定部52で決定された値の係数hを乗じたデータを合成部58へ出力する。合成部58は、標準色変換部46からのデータと特定色変換部48からのデータを合成するもので、出力側が階調変換部60に接続される。階調変換部60は入力されたデータを階調変換してその階調データをミラー駆動部40へ出力するようになっている。
【0034】
なお、輝度演算部42,色座標判定部44,標準色変換部46,特定色変換部48,係数決定部52,及び階調変換部60は、各種データを記憶したデータベース50に接続される。
【0035】
標準色変換部46は、入力された外部装置の表色系(第1表色系)で表される画像データを、本実施形態の画像表示装置10において赤色、緑色及び青色の3色を基準色とする表色系(第2表色系)で表される画像データに変換する機能部である。本実施の形態では、第1表色系としてXYZの三刺激値で表すXYZ表色系を用い、第2表色系として赤色、緑色及び青色の3色(RGB)の三刺激値で表すRGB表色系を用いた場合を説明する。
【0036】
図5に示すように、ここでいう表色系とは、色度図内で色表現可能な色空間をいう。例えば、全ての色を表現できる釣り鐘状の空間(図5は一定の明るさについて表示している領域である。すなわち、等エネルギースペクトル色光をXYZ三次元表示し、それらと単位面((XYZ)=(100),(010),(001)の点を含む面)との交点群をXY面に投影したものがxy色度図の釣り鐘状の空間になる。つまり明るさ情報がないものである。)が第1表色系であり、その内部に含まれる赤色、緑色及び青色の3色(RGB)の三刺激値を基準とする空間(図5は一定の明るさについて表示しているので三角形領域の色空間62である)が第2表色系である。
【0037】
第1表色系から第2表色系への変換は、以下の(1)式により計算することができる。すなわち、RGBの三刺激値からなるマトリクスで色変換を行う。
【0038】
【数1】
JP0004214236B2_000002t.gif

【0039】
ただし、X,Y,Zは、画像内の1画素として入力される画像データであり、linear_r1,linear_g1,linear_bは、出力する画像データである。また、マトリクスの各値は、データベース50に記憶されている。
【0040】
特定色変換部48は、入力された外部装置の表色系(第1表色系)で表される画像データを、上記画像表示装置10において赤色、緑色及び青色の3色を基準色とする表色系(第2表色系)をさらに細分化した表色系、すなわち赤色、緑色及び青色のうちの2色及び白色の3色を基準色とする表色系(第3表色系)で表される画像データに変換する機能部である。本実施の形態では、第3表色系として赤色、緑色及び青色のうちの2色(RG,GB,BRのいずれか)と、白色(W)とを用いた場合を説明するが、白色(W)に限定するものではなく、第2表色系の色空間62の内部であればいずれでも良い。
【0041】
第3表色系は、図5に示す色座標系において、赤色及び緑色の2色(RG)の三刺激値の色座標64R,64Gと、白色(W)の三刺激値の色座標64Wを基準とする三角形領域の色空間62RG、緑色及び青色の2色(GB)の三刺激値の色座標64G,64Bと、白色(W)の三刺激値の色座標64Wを基準とする三角形領域の色空間62GB、青色及び赤色の2色(BR)の三刺激値の色座標64B,64Rと、白色(W)の三刺激値の色座標64Wを基準とする三角形領域の色空間62BRのいずれかである。
【0042】
第1表色系から色空間62RGの第3表色系への変換は、以下の(2)式により計算することができる。すなわち、RGWの三刺激値からなるマトリクスで色変換を行う。
【0043】
【数2】
JP0004214236B2_000003t.gif

【0044】
ただし、linear_r2,linear_g2,linear_wは、出力する画像データである。また、マトリクスの各値は、データベース50に記憶されている。
【0045】
なお、他の色空間62GB,62BRについても同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0046】
k係数部54,h係数部56,及び合成部58は、標準色変換部46及び特定色変換部48から出力される画像データを合成する部分である。k係数部54,h係数部56,及び合成部58では、以下の(3)式により、RGBWの各色の合成データlinear_r,linear_g,linear_b,linear_w,を計算することができる。なお、以下の(3)式は、入力される画像データが色空間62RG内に含まれる場合を示すが、他の色空間でも同様である。
【0047】
【数3】
JP0004214236B2_000004t.gif

【0048】
ただし、k、hは係数である。
【0049】
係数決定部52は、k係数部54,及びh係数部56の係数値を決定する機能部である。係数決定部52には、設定入力部34,輝度演算部42,及び色座標判定部44からデータが入力される。輝度演算部42は、入力される画像データの輝度を演算する機能部であり、色座標判定部44は、入力される画像データが色空間62RG,62GB,62BRのいずれに位置するかを判定する機能部である。係数決定部52では、入力されたデータから各係数を決定する。この係数決定部52で係数を決定するときには、以下の(4)式で示す決定条件を満たすように係数の値を調整する。
【0050】
【数4】
JP0004214236B2_000005t.gif

【0051】
ただし、device_r1,device_r2,device_g1,device_g2,device_b,device_w は、画像表示装置10において表示される画素の輝度を示す階調データを規格化した値(例えば0~1の値)であり、決定条件は後述する階調変換後の各色の値が最大輝度を超えないような値を決定するように調整するものである。
【0052】
階調変換部60は、入力された画像データを階調データに変換する機能部である。この階調変換部60では、以下の(5)式により、画像表示装置10において基準色とする白色、赤色、緑色及び青色の階調データdevice_r,device_g,device_b,device_wを求めることができる。
【0053】
【数5】
JP0004214236B2_000006t.gif

【0054】
ただし、rF,gF,bF,wFは、予め設定した階調変換関数である。
【0055】
次に、本実施形態の作用を説明する。図6には、本実施形態の画像表示装置10における処理のプロセスを示した。
【0056】
まず、ステップ100では、画像入力部32に画像データが入力され、次のステップ102では色座標判定部44において画像データの色座標が位置する色空間を判定する。例えば、図5に示すように、画像データが色座標66Aである場合には、色空間62RGと判定される。このステップ102では、輝度演算部42において、画像データの輝度値も計算される。輝度値は、赤色、緑色及び青色の各色毎に計算したり、その平均値を求めたりする。
【0057】
次のステップ104では、上記計算した輝度値が予め指定された輝度値以内か否かを判断し、肯定されるとステップ118へ進み、否定されるとステップ106へ進む。この判断は、輝度値に応じて、白色成分を追加するか否かの判定であり、係数決定部52において実行される。すなわち、一定輝度を超えないと、白色成分を追加することで、画像の色再現性が損なわれることがあるため、白色成分を追加することが有効な輝度値が予め指定されている。
【0058】
ステップ106では、画像データの色座標が色空間62RG,62GB,62BRの境界(図5の境界線68R,68G,68Bのいずれかの線上)または所定範囲内に位置(例えば、図5に示す色座標66Bの位置)するか否かが判断される。肯定されるとステップ118へ進み、否定されるとステップ108へ進む。この判断は、忠実な色再現のために必要である。画像データの色座標が境界線68R,68G,68Bのいずれかの線上にある場合、色空間62RG,62GB,62BRの何れか2つにまたがることになり、求めた第3表色系に含まれない色の成分が影響すると考えられる。このため、忠実な色を表示する場合には好ましくないので、本実施形態では境界線上または予め定めた範囲内の画像データについては、白色成分を追加することを抑制または禁止している。図6の例では、禁止した場合の判断を示すもので、抑制する場合には、係数の比率を例えば一定量白色側を小さくすることで対処することができる。
【0059】
ステップ108では、標準色変換部46において、上述のようにして、画像データについて、RGBの三刺激値からなるマトリクスで色変換を行う。次のステップ110では、特定色変換部48において画像データが位置する色座標の色領域に対応して上述のようにして色変換を行う。例えば画像データが色座標66Aである場合、RGWの三刺激値からなるマトリクスで色変換を行う。
【0060】
次のステップ112では、係数決定部52において係数を決定し、k係数部54及びh係数部56へ格納する。係数k、hは、上記(4)式で示す決定条件を満たすように決定される。係数k、hの比率を決定するに際して、まず、設定入力部34から入力される設定値により、追加する白色成分の比率を決定する。これは、白色は輝度が高いので、白色成分を追加すると輝度が増加するので、画像として輪郭が強調される疑似輪郭が生じる場合がある。このため、白色成分の増加は多すぎない方が好ましい。しかし、白色成分の増加で輝度が増加する明るい画像提供を期待できる。従って、白色成分の追加量や比率を調整することで、色が忠実かつ明るい画像を提供できる。
【0061】
そこで、本実施形態では、設定入力部34による設定は、追加する白色成分の比率を表す指定をするものとする。この場合、上述の色優先の場合には、0%、輝度優先の場合には、所定比率とすればよい。また、本実施形態では、0%、10%、20%、30%の4段階の増加を設定できるものとする。これは、図2に示す回転フィルタ16についてRGBに対して20%程度の白色の面積を追加する実験を行った結果、RGB3原色の輝度と白色の輝度とがほぼ等しく、回転フィルタ16の面積と輝度がほぼ比例関係にあるという実験結果を得たことから本発明者が得た知見である。つまり、20%から段階的にその前後10%(10%と30%)を追加するモードで輝度を向上させることができる傾向を選択でき、0%を追加することで、色を忠実に表現できるモードを設定できる。これを元にして係数を決定すればよい。
【0062】
なお、設定入力部34によるモードの設定に依存することなく、画像データの輝度値からモードを自動的に選択するようにしてもよい。例えば、輝度について複数のしきい値を設定し、各々の範囲に設定モードを設定してもよい。
【0063】
次のステップ114では、合成部58により、係数kが乗じられた標準色変換部46の画像データと、係数hが乗じられた特定色変換部48の画像データが加算され、RGBWの合成データが得られる。この合成データは、階調変換部60に入力され、階調変換されて、その階調データにより、次のステップ122においてミラー駆動部40で空間光変調素子20を駆動する。このようにして、スクリーン24に画像が表示される。
【0064】
一方、白色成分の追加をすることなく、画像表示するため、ステップ118では、上記ステップ108と同様に、標準色変換部46において色変換を行い、次のステップ120では、ステップ118の色変換結果のみのデータで、階調変換部60において階調変換されて、その階調データにより、ミラー駆動部40で空間光変調素子20を駆動する(ステップ122)。このステップ120では、標準色変換部46の出力値がそのまま階調変換部60へ出力されるように、k係数部54,h係数部56を係数決定部52が決定するようにすればよい。
【0065】
図7及び図8には、本実施形態の画像表示装置10により画像を表示したときのフィルタ面積と色域の関係を示した。ここでのフィルタ面積とは、上述の回転フィルタ16についてRGBに対して追加する白色の面積であり、画像表示装置10では設定入力部34で入力した設定値によるモードに対応する。図から理解されるように、色のプロファイルを大幅に変更することなく、輝度が増加している。すなわち、本実施形態の画像表示装置10によれば、色を忠実に表現しつつ明るさが向上することが理解できる。
【0066】
このように、本実施形態によれば、標準色変換部46において外部装置の表色系(第1表色系)で表される画像データを、赤色、緑色及び青色の3色を基準色とする表色系(第2表色系)の画像データに変換し、特定色変換部48において赤色、緑色及び青色のうちの2色及び白色の3色を基準色とする表色系(第3表色系)の画像データに変換した後に、所定比率で合成する。すなわち、同一の色を異なる2種類の表色系の画像データで表現し、合成している。これにより、白色(W)を含む成分が増加するので、明るさが向上した画像を表示することができる。
【0067】
また、輝度演算部42で求めた輝度値が所定値を超えるときに白色を増加させるので、疑似輪郭を抑制できると共に画像の明るさ度合いに応じてより明るさが増強される画像を提示することができる。また、色座標判定部44で求めた色座標の位置が色空間62RG,62GB,62BRの境界に位置しないときに白色を増加させるので、2つの色空間にまたがる色については、基本の色空間62(RGB)による色を表現することができる。このため、忠実な色を表示することができる。
【0068】
なお、上記では、境界線上または予め定めた範囲内の画像データについては、白色成分を追加することを抑制または禁止する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、2つの色空間にまたがる色の場合、その境界線の両端の色座標の三刺激値により色再現するようにしてもよい。例えば、図5に示す色座標66Bの位置の色の場合、RWの三刺激値の比率により再現してもよい。すなわち、赤色の三刺激値の色座標64Rと、白色(W)の三刺激値の色座標64Wとを基準として色再現するようにしてもよい。
【0069】
〔第2実施形態〕
上記実施形態は、画像データとして画素毎に個別に色変換する場合を説明したが、本実施形態は画像を複数に分割した分割領域を基にして色変換するものである。なお、本実施形態は、上記実施形態とほぼ同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
本実施形態では、画像を形成する複数の画像データからなる画像データ群を一旦画像メモリに格納してその画像データ群を用いて処理するものである。このため、画像入力部32として、画像データ群を格納するための画像メモリ70及びその画像メモリ70から画素の画像データを抽出する画像データ部72から構成する。
【0071】
図9に示すように、本実施形態の色変換部36は、分割領域輝度演算部74,該当分割領域判定部76,色座標判定部44,標準色変換部46,特定色変換部48,データベース50,係数決定部52,k係数部54,h係数部56,合成部58,及び階調変換部60を含んで構成されている。
【0072】
分割領域輝度演算部74は、画像入力部32の画像メモリ70から画像を形成する複数の画像データからなる画像データ群が入力されるように接続される。該当分割領域判定部76は画像入力部32の画像データ部72から画像データが入力されるように接続される。係数決定部52の入力側は、上記実施形態の輝度演算部42に代えて分割領域輝度演算部74及び該当分割領域判定部76の出力側が接続される。なお、分割領域輝度演算部74及び該当分割領域判定部76は、各種データを記憶したデータベース50に接続される。
【0073】
分割領域輝度演算部74は、複数の画像データからなる画像データ群により形成される画像を縦横複数に分割した分割領域毎の平均輝度を求める機能部である。該当分割領域判定部76は、画像に含まれる1画素が、上記分割領域のいずれに該当するかを判定する機能部である。
【0074】
図10は、画像80を3行3列に分割した分割領域82で構成される一例を示した。分割領域輝度演算部74は、画像80について分割領域82毎の平均輝度を求め、該当分割領域判定部76は、対象とする画素が画像80内のいずれの分割領域82に含まれるかを判定する。
【0075】
次に、本実施形態の作用を説明する。図11には、本実施形態の画像表示装置10における処理のプロセスを示した。
【0076】
まず、ステップ130では、画像入力部32に画像を形成する複数の画像データからなる画像データ群が入力され、次のステップ132では分割領域輝度演算部74において画像メモリ70から画像データ群を読み取り画像80の分割領域82毎に分割領域82に含まれる複数の画像データの平均輝度を求めて記憶する。次のステップ134では、画像80のうちの1画素の画像データを画像データ部72から読み取り、次のステップ136において上記読み取った1画素の画像データが含まれる分割領域82を判定すると共に、その画像データの色座標が位置する色空間を判定する。
【0077】
次のステップ138では、上記ステップ134で読み取った画像データの該当する分割領域82の平均輝度(ステップ132の計算結果)が予め指定された輝度値以内か否かを判断し、肯定されるとステップ118へ進み、否定されるとステップ140へ進む。この判断は、分割領域82内の画素について分割領域82の平均輝度値に応じて、白色成分を追加するか否かの判定であり、係数決定部52において実行される。
【0078】
ステップ140では、上記ステップ106と同様に、画像データの色座標が色空間62RG,62GB,62BRの境界(図5の境界線68R,68G,68Bのいずれかの線上)または所定範囲内に位置(例えば、図5に示す色座標66Bの位置)するか否かが判断される。肯定されるとステップ118へ進み、否定されるとステップ108へ進む。
【0079】
ステップ140で否定されると、(ステップ108)標準色変換部46におけるRGBによる色変換、そして特定色変換部48における白色とRGBのうちの2色による色変換(例えばRGWの三刺激値からなるマトリクスで色変換)を行い、係数決定部52において係数k、hを決定し、合成部58により標準色変換部46の画像データと、特定色変換部48の画像データを合成したRGBWの合成データを、階調変換部60で階調変換する(ステップ108~116)。
【0080】
図10には、各分割領域82毎に追加する白色成分の比率を示したものである。図10の例では、画像データの輝度値により白色成分の比率すなわち上述の設定モードを定めたものである。
【0081】
次のステップ142では、画像80内の全ての画素について上記処理が終了したか否かを判断し、否定されるとステップ134へ戻り、肯定されると、ステップ122において、ステップ116の階調データにより、ミラー駆動部40で空間光変調素子20を駆動する。
【0082】
一方、白色成分の追加しない場合は、標準色変換部46において色変換を行い、階調変換部60において階調変換する(ステップ118,120)。
【0083】
このように、本実施形態によれば、画素毎に白色を追加する処理をするのではなく、画像80の分割領域82毎に判定しているので、処理負荷を軽減することができる。また、分割領域82毎に白色成分を増減できるので、表示する画像について分割領域82単位で輝度を調整することができ、画像の粒子感を抑制することができる。
【0084】
なお、上記の実施の形態では、画像表示装置10として光源からスクリーンまでを構成としたが、各々独立構成としてもよい。また、本実施形態の主要部である色変換部36を1装置として説明したが、機能部を独立構成として分離して接続しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態にかかる画像表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に用いた回転フィルタの概略構成を示すイメージ図である。
【図3】本実施形態にかかる制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態にかかる制御装置に含まれる色変換部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】表色系の色空間についての説明図である。
【図6】第1実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】Yx平面における回転フィルタの白色面積(比率)と色域及び輝度の関係を示す特性図である。
【図8】Yy平面における回転フィルタの白色面積(比率)と色域及び輝度の関係を示す特性図である。
【図9】第2実施形態にかかる制御装置に含まれる色変換部の概略構成を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態にかかる画像を分割して扱う分割領域の説明図である。
【図11】第2実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
10…画像表示装置
12…光源
16…回転フィルタ
20…空間光変調素子
24…スクリーン
30…制御装置
32…画像入力部
34…設定入力部
36…色変換部
38…フィルタ駆動部
40…ミラー駆動部
42…輝度演算部
44…色座標判定部
46…標準色変換部
48…特定色変換部
50…データベース
52…係数決定部
54…k係数部
56…h係数部
58…合成部
60…階調変換部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10