TOP > 国内特許検索 > クリーンルーム間の搬送システム及びその搬送方法 > 明細書

明細書 :クリーンルーム間の搬送システム及びその搬送方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3446824号 (P3446824)
公開番号 特開2001-199542 (P2001-199542A)
登録日 平成15年7月4日(2003.7.4)
発行日 平成15年9月16日(2003.9.16)
公開日 平成13年7月24日(2001.7.24)
発明の名称または考案の名称 クリーンルーム間の搬送システム及びその搬送方法
国際特許分類 B65G 51/04      
B65G 51/08      
B65G 51/32      
FI B65G 51/04 A
B65G 51/08
B65G 51/32
請求項の数または発明の数 11
全頁数 15
出願番号 特願2000-009156 (P2000-009156)
出願日 平成12年1月18日(2000.1.18)
審査請求日 平成12年1月18日(2000.1.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301032942
【氏名又は名称】独立行政法人放射線医学総合研究所
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
【識別番号】000152882
【氏名又は名称】株式会社日本シューター
発明者または考案者 【氏名】鈴木 和年
【氏名】吉田 兵吾
【氏名】伊藤 信夫
【氏名】佐藤 雅郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100063174、【弁理士】、【氏名又は名称】佐々木 功 (外1名)
審査官 【審査官】黒石 孝志
参考文献・文献 特開 平3-297728(JP,A)
特開 昭54-29495(JP,A)
特開 昭63-37028(JP,A)
調査した分野 B65G 51/04 - 51/46
特許請求の範囲 【請求項1】
送信側クリーンルームから受信側クリーンルームに気送管が延長され該気送管の中に気送搬送物を投入して前記受信側クリーンルームで該気送搬送物を受信するクリーンルーム間の搬送システムであって、
前記受信側クリーンルーム内に配設され気密を保持して前記気送搬送物を受信する上昇受信器と、
該上昇受信器の後の前記気送管に配設され前記気送搬送物の送信開始の際に前記気送管の内部の空気を低風量で吸引する排風手段とを具備することを特徴とするクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項2】
前記送信側クリーンルームの外部に配設され前記気送管に設けられた空気取入口を具備する請求項1に記載のクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項3】
前記空気取入口は、前記送信側クリーンルームより清浄度の低いクリーンルームに配設された請求項2に記載のクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項4】
前記気密は、
本体部とこの中を移動し前記気送搬送物を格納する可動体との間に設けられたシール部により行う請求項1に記載のクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項5】
送信側クリーンルームから受信側クリーンルームに気送管が延長され該気送管の中に気送搬送物を投入して前記受信側クリーンルームで該気送搬送物を受信するクリーンルーム間の搬送システムであって、
前記気送搬送物を受信するときに本体部の内部と該本体部の中を移動する可動体とが当接するように互いに円錐面を形成してシールし、
前記可動体と前記本体部との気密を保持して前記気送搬送物を前記可動体に格納する上昇受信器を具備することを特徴とするクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項6】
前記本体部に形成された空気吸引口のサイズは、
前記気送搬送物が移動されて前記気送管の中に落下しない位置まで吸着可能な大きさに選定された請求項5に記載のクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項7】
前記上昇受信器は、
気送搬送物が格納できる可動体と連動して歩進するカセッテを有し、前記気送搬送物を受信する毎に前記カセッテに前記気送搬送物を順次に位置を変えて収納する請求項5に記載のクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項8】
前記カセッテの歩進は、
前記可動体の1往復動に対して1歩進する位置決定プレートを介して行われる請求項に記載のクリーンルーム間の搬送システム。

【請求項9】
送信側クリーンルームから気送搬送物を送出するときは気送管の内部の空気を排風手段により低風量で吸引してから、
搬送物投入口を開口して前記気送搬送物を前記気送管に投入し、
この後、前記搬送物投入口を閉塞して前記送信側クリーンルームの外部に配設された前記気送管の空気取入口から前記排風手段により高風量で前記気送管を介して空気を吸引して前記気送搬送物を受信側クリーンルームに搬送し、
前記気送搬送物を上昇受信器で受信した後、
一定時間の経過後に前記吸引を停止して前記気送搬送物を取り出すことを特徴とするクリーンルーム間の搬送方法。

【請求項10】
前記空気取入口は、前記送信側クリーンルームより清浄度の低いクリーンルーム内の気送管に設けられた請求項に記載のクリーンルーム間の搬送方法。

【請求項11】
前記一定時間は、
前記気送搬送物を受信後に前記気送搬送物が可動体により前記気送管の中に落下しなくなる位置まで移動する時間とする請求項に記載のクリーンルーム間の搬送方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンルーム相互間で気送管を用いて気送搬送物を上昇受信器で受信するクリーンルーム間の搬送システム及びその搬送方法に係り、特にクリーンルーム内の空気を乱すことなく、安定で安全に気送搬送物を搬送するように改良された搬送システム及びその搬送方法に関する。

【0002】

【従来の技術】従来のクリーンルーム相互間で気送管を用いて、容器、試薬ビンなどの気送搬送物を送受する構成は、病院とか半導体工場などで使用されるが、これは例えば図14に示すような上昇受信器を用いた方式が知られている。

【0003】
このような場所で、高度なクリーン度を要求するクリーンルームは、このクリーンルーム内の空気の流れを整流して層流状態にすることが多く、この層流状態では、例えば0.5m/s程度の低風速で室内を空気が移動している。

【0004】
図14はこのようなクリーンルームの例であり、送信側クリーンルーム10は高清浄度のクリーンルームであり、この送信側クリーンルーム10よりは清浄度の低い低清浄度のクリーンルーム11を立体的にも平面的にも送信側クリーンルーム10を囲むように配設して、送信側クリーンルーム10を高清浄度に保持している。

【0005】
クリーンルーム11の一方の壁にはフイルタ11a、11b,11cが配設され、これらのフイルタ11a~11cには外部から空気Aを取り入れながら空調機12から配管13を介して清浄な空気が取り込まれる。

【0006】
このクリーンルーム11を通過した空気は配管14を介して空調機12にリターンされるが、空調機12はこれを取り入れて再び配管13に送出する動作を繰り返して空気を循環して清浄にしている。

【0007】
送信側クリーンルーム10は、送信側クリーンルーム10を通過した空気を配管15を介して空調機16に取り込み、これを清浄にした後、フイルタ17a、17b,17cを介して送信側クリーンルーム10に送出する動作を繰り返して空気を循環し、クリーンルーム11より高清浄度にしている。

【0008】
送信側クリーンルーム10の内部には、気送管18がクリーンルーム11を経由して導入され、その端部には搬送物投入口19が設けられているが、この搬送物投入口19は気送管18に固定されたフランジ19aと、一端がピン19bで支持されて回動してフランジ19aを覆う回動蓋19cなどで構成されている。

【0009】
気送管18の受信側クリーンルーム20側では、気送管18が垂直に立ち上がる垂直部18aを介して上昇受信器21に連結されており、この上昇受信器21を経由してから気送管18がU字状に屈曲して立ち下がり遠方に配設された排風機22に接続されている。

【0010】
排風機22は、インバータ23に印加される制御信号S1により、ケーブル24を介してその空気の吸引風量が制御されているが、吸引された排気は排気管25から大気中に放出される。

【0011】
受信側クリーンルーム20は、その一方の壁にはフイルタ26a、26b,26cが配設され、これらのフイルタ26a~26cには外部から空気Bを取り入れながら空調機27から配管28を介して清浄な空気を流し、内部が層流状態になるように取り込まれる。

【0012】
受信側クリーンルーム20を通過した空気は、配管29を介して空調機27にリターンされるが、空調機27はこれを取り入れて再び配管28に送出する動作を繰り返して空気を循環している。

【0013】
受信側クリーンルーム20内に配設される上昇受信器21は、図15(A)に示す受信時の状態では、大きく分けて、本体部21A、この本体部21A内を往復動する可動体21B、この可動体21Bを往復動させる駆動源、例えばエアシリンダ21C、及び収納箱21Dなどから構成されている。

【0014】
本体部21Aは、例えば矩形状をなし、この本体部21Aの横方向に中心軸A-Bを中心として筒部21Eが形成されており、その右方の下端部には本体部21Aの中心軸A-Bに対して直角方向に筒部21Eを貫通して気送管18が配設されている。

【0015】
また、本体部21Aの排出側の気送管18の出口部分は、空気吸引口21Fとして、気送搬送物30の底面と密着させて排出側の気送管18内に生じる真空圧で吸引できる形状になっている。

【0016】
図15(A)に示す受信時の状態では、この筒部21Eの右端側を埋めるように円柱状の可動体21Bが配設され、可動体21Bには気送搬送物30が格納できる格納孔21Gが気送管18と同一方向から穿設されており、空気吸引口21Fと格納孔21Gと気送管18とは一直線上にある。

【0017】
さらに、本体部21Aの開放端側には中央部に貫通孔21Hを有する閉塞板21Iが配設されており、この閉塞板21Iの外部に配設されたエアシリンダ21Cと可動体21Bとを連結する連結軸21Jが貫通孔21Hを貫通して左右に往復動を行う。

【0018】
本体部21Aの筒部21Eの開放端側にある底部には、図15(B)の排出時の状態に示すように、可動体21Bがエアシリンダ21C側に退行したときに、格納孔21Gと対向する位置に排出口21Kが穿設され、この下に収納箱21Dが配設されている。

【0019】
以上の構成により、送信側クリーンルーム10から受信側クリーンルーム20に気送管18を介して気送搬送物30を搬送する場合には、回動蓋19cをピン19bを支点として回動してフランジ19aから横にずらして気送管18の搬送物投入口19を開口して、気送搬送物30を投入し、排風機22を動作させて、搬送物投入口19から送信側クリーンルーム10内の空気を吸引して気送搬送物30を搬送する。

【0020】
気送搬送物30は、排風機22による吸引により上昇受信器21に搬送され、上昇受信器21内の可動体21Bがシリンダ21Cにより右端に押圧された状態で、上昇受信器21の格納孔21Gに格納される。

【0021】
上昇受信器21の格納孔21Gに気送搬送物30が格納された状態では、排風機22が本体部21Aの空気吸引口21Fを吸引しているので、気送搬送物30は落下することなく、格納孔21Gの中に保持されている。

【0022】
気送搬送物30が保持された状態で、可動体21Bの格納孔21Gが排出口21Kの位置まで左動すると、気送搬送物30は排出口21Kを通じて収納箱21D上に落下し、回収される。

【0023】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上のような上昇受信方式によるクリーンルーム間の搬送システム及びその搬送方法にはいくつかの問題点が存在する。

【0024】
第1に、気送搬送物30の気送の際には送信側クリーンルーム10内に配設されている搬送物投入口19は気送が終了するまで、開口状態が維持され、気送のための空気も送信側クリーンルーム10内から吸引しており、このときの搬送物投入口19の近傍の風速は7~8m/sにも及ぶので、送信側クリーンルーム10内が層流状態にある空気の流れを乱すこととなる。

【0025】
第2に、気送時には図15(A)の状態にあるが、可動体21Bと本体部21Aとの間には可動体21Bが往復動をしなければならないので、隙間が存在し、このため排出口21Kから図15(A)に示すようにqなる空気を吸い込み、このときの漏れ風量が2m/s~10m/sにも及ぶ。このため、このままクリーンルーム中で使用すると、気送の間、受信側クリーンルーム20内の空気を吸い込み、空気流を乱し、受信側クリーンルームの清浄度の管理が困難になるという問題がある。さらに、この従来の上昇受信器では、受信位置から気送搬送物30の排出位置への移動の際に、その気密性が一段と低下することにより、この困難性がさらに増すことになる。

【0026】
第3に、可動体21Bが図16(A)に示す受信時の状態から図16(B)に示すように僅かにδだけ左に移動したときは、気送搬送物30の底面(上側)と本体部21Aの空気吸引口21Fとの密着が破壊される。このときにも上昇受信器21の外部からの空気q´を、図16(B)に示すように、吸い込み、さらに気送搬送物30の空気吸引口21Fへの密着力もなくなって、気送搬送物30の頭部(下側)の一部が気送管18に落ち込み、可動体21Bの移動の支障にもなる。

【0027】
第4に、上昇受信器21で気送搬送物30を受信し、収納箱21Dの中に収納する際には、気送搬送物30が収納箱21Dの中に次々と落下して乱雑に並んで収納されるので、気送搬送物30の搬送順番を一目で識別することは不可能である。特に、気送搬送物として試薬ビンを想定した場合には、その試薬取出口であるキャップ部が他の試薬ビン或いは収納箱21Dと接触して汚染する危険性がある。

【0028】
第5に、気送搬送物30として試薬ビンなどを気送する場合には、例えばある日の気送搬送物30の気送順番を知る必要があるが、このような場合に収納箱21Dに無秩序に収納される上昇受信器21では医療事故発生の要因を作る危険性がある。さらに、気送順番に気送搬送物30を収納する機構を、受信器動作の駆動源とは別個の駆動源を用いて達成しようとすると、収納機構と受信器を含めた全体の所要スペースが大きくなり、スペースが限定されているクリーンルームには適さないものとなる。

【0029】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を解決するためのクリーンルーム間の搬送システムの第1の構成として、送信側クリーンルームから受信側クリーンルームに気送管が延長され該気送管の中に気送搬送物を投入して前記受信側クリーンルームで該気送搬送物を受信するクリーンルーム間の搬送システムであって、前記受信側クリーンルーム内に配設され気密を保持して前記気送搬送物を受信する上昇受信器と、該上昇受信器の後の前記気送管に配設され前記気送搬送物の送信開始の際に前記気送管の内部の空気を低風量で吸引する排風手段とを具備するようにしたものである。

【0030】
また、本発明は、以上の課題を解決するためのクリーンルーム間の搬送システムの第2の構成として、送信側クリーンルームから受信側クリーンルームに気送管が延長され該気送管の中に気送搬送物を投入して前記受信側クリーンルームで該気送搬送物を受信するクリーンルーム間の搬送システムであって、前記気送搬送物を受信するときに本体部の内部と該本体部の中を移動する可動体とが当接するように互いに円錐面を形成してシールし、前記可動体と前記本体部との気密を保持して前記気送搬送物を前記可動体に格納する上昇受信器を具備するようにしたものである。

【0031】


【0032】
また、本発明は、以上の課題を解決するためのクリーンルーム間の搬送方法の構成として、送信側クリーンルームから気送搬送物を送出するときは気送管の内部の空気を排風手段により低風量で吸引してから、搬送物投入口を開口して前記気送搬送物を前記気送管に投入し、この後、前記搬送物投入口を閉塞して前記送信側クリーンルームの外部に配設された前記気送管の空気取入口から前記排風手段により高風量で前記気送管を介して空気を吸引して前記気送搬送物を受信側クリーンルームに搬送し、前記気送搬送物を上昇受信器で受信した後、一定時間の経過後に前記吸引を停止して前記気送搬送物を取り出すようにしたものである。

【0033】
以上の本発明に係るクリーンルーム間の搬送システムの第1の構成によれば、搬送物投入口に搬送物を投入する際の開口に当たっては、低風速で吸引するので、送信側クリーンルームの内部の空気の流れ自体を大きく乱すことがなく、全体としてクリーンルーム内の清浄度を良好に維持することができる。

【0034】
さらに、気送搬送物を上昇受信器で受信する際に、気密を保持して受信する構成としたので、受信側クリーンルームの内部の空気の流れ自体を大きく乱すことがなく、受信側クリーンルームの内部の空気の清浄度を良好に維持することができる。

【0035】
また、本発明に係るクリーンルーム間の搬送システムの第2の構成においても気送搬送物を上昇受信器で受信する際に、気密を保持して受信する構成としたので、受信側クリーンルームの内部の空気の流れ自体を大きく乱すことがなく、このため受信側クリーンルーム内の空気の清浄度を良好に維持することができる。

【0036】
さらに、本発明に係るクリーンルーム間の搬送システムの第3の構成によれば、受信側クリーンルームに設けられた上昇受信器による気送搬送物の受信と排出動作に連動して個別に気送搬送物を収納するカセッテを具備するようにしたので、収納機構と受信器を含めた全体の所要スペースが小さくなり、スペースが限定されているクリーンルームに好適な搬送システムを実現することができる。

【0037】
さらに、本発明に係るクリーンルーム間の搬送方法によれば、空気取入口から空気が取り入れられるので、低風量運転時において、気送管内の真空圧の上昇が抑えられ、搬送物投入口を開口する際には、開口した瞬間に流れ込む空気流の量を制限することができ、クリーンルーム内の空気流に乱れが生じるのを防ぐことができる。

【0038】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るクリーンルーム間の搬送システム及びその搬送方法の実施の形態について図を用いて説明する。図1は本発明の実施の1形態を略示的に示した全体構成図である。なお、理解を容易にするため従来のクリーンルーム間の搬送システムと同一部分には同一の符号を付して説明する。

【0039】
送信側クリーンルーム10は高清浄度のクリーンルームであり、この送信側クリーンルーム10よりは清浄度の低い低清浄度のクリーンルーム11を立体的にも平面的にも送信側クリーンルーム10を囲むように配設して、送信側クリーンルーム10を高清浄度に保持している。

【0040】
クリーンルーム11の一方の壁にはフイルタ11a、11b,11cが配設され、これらのフイルタ11a~11cには外部から空気Aを取り入れながら空調機12から配管13を介して清浄な空気が取り込まれる。

【0041】
このクリーンルーム11を通過した空気は配管14を介して空調機12にリターンされるが、空調機12はこれを取り入れて洗浄して再び配管13に送出する動作を繰り返して空気を清浄にして循環している。

【0042】
送信側クリーンルーム10は、ここを通過した空気を配管15を介して空調機16に取り込み、これを清浄にした後、フイルタ17a、17b,17cを介して送信側クリーンルーム10に再び送出する動作を繰り返して空気を循環し、送信側クリーンルーム10の内部が層流状態になるようにしながら、クリーンルーム11より高清浄度にしている。

【0043】
このような高清浄度の送信側クリーンルーム10、低清浄度のクリーンルーム11或いは受信側クリーンルーム20は、ルーム、つまり部屋という形をとる大きいものからボックスと呼ばれる中程度のもの、或いはセルとして呼ばれる小さいもの、さらには部屋の一部に設けられているもの、クリーンベンチと称するものまで各種のものが存在するが、クリーンルームという概念には、これらのものがすべて含まれる。

【0044】
高清浄度の送信側クリーンルーム10の内部には、気送管31が低清浄度のクリーンルーム11を経由して外部に導出されているが、送信側クリーンルーム10側の端部には搬送物投入口32が設けられている。

【0045】
この搬送物投入口32は、気送管31に固定されたフランジ31aと、フランジ31aを覆う例えば扇形状の回動蓋33などで構成されており、図2に示すように、回動蓋33はその端部に設けられたピン31bを支点として回動してフランジ31aに接続されている気送管31を開口させるが、閉止のときはフランジ31aと回動蓋33との間は気密が保持されて閉じられ、搬送物投入口32は完全密閉される。

【0046】
そして、回動蓋33の回動は、回動蓋33の他の端部近傍に設けられた操作点33aに回動可能なように接続された空気シリンダ34のピストン34aの往復運動により行われる。

【0047】
この回動蓋33には、図2に示すように、例えばマイクロスイッチ35aが点線で示す回動蓋33の開口端で接するように配設されており、このマイクロスイッチ35aにより気送管31が開口したことを検知し、またマイクロスイッチ35bは実線で示す回動蓋33の閉止端で接するように配設されており、このマイクロスイッチ35bにより気送管31が閉止したことを検知する。

【0048】
この回動蓋33は、常時は気送管31のフランジ31aとで、送信側クリーンルーム10と気送管31との気密を保持しているが、気送搬送物30を搬送する際にのみ空気シリンダ34のピストン34aにより開口される。

【0049】
搬送物投入口32のフランジ31aの下方に位置する気送管31には、図1に示すように、気送搬送物30の投入を検知するためのフオトセンサ36が配設され、さらにクリーンルーム11の内部に配設されている気送管31には、クリーンルーム11内の空気を気送搬送物30を搬送するに足る高風量で取り込む空気取入口37が設けられている。

【0050】
送信側クリーンルーム10の中に配設された搬送物投入口32に一端が接続された気送管31の他端は、受信側クリーンルーム20の中に配設された上昇受信器38の一端に下側から垂直部31cを通って接続されている。

【0051】
その他端は、上側から立上部31dを介して導出されてL字状に屈曲された屈曲部31eを通り、さらに下方に垂下する垂下部31fを通って排風機22の吸入側に接続され、その排出側は排気管25に接続されて、ここから排気が大気中に放出される。

【0052】
既述のように、気送管31には空気取入口37が設けられているが、この空気取入口37により、排風機22が低速運転のときの気送管31の内部の真空圧の上昇を抑え、搬送物投入口32が開口した瞬間の空気流の量を制限することができ、送信側クリーンルーム10の空気流の乱れを防ぎながら気送管31内からの発塵を防止することができる。

【0053】
一般に、排風機22の風量・風圧特性曲線は、図3に示すように、横軸に真空圧P、縦軸に風量Qをとると、回転数が同一であれば真空圧Pが増加するに従って風量Qが低下する特性を持っている。

【0054】
もし、空気取入口37を設けなければ、排風機22が図3に示す低回転数である回転数n3で回転していたとしても、排風機22の起動後も一定時間内に気送管31内は大気圧から真空圧P3、真空圧P1とたどって真空圧P0まで真空度(P0(abs)<P1(abs)<P3(abs))が高まり、搬送物投入口32を開口したときには、その真空度に対応する大風量が送信側クリーンルーム10から気送管31の内部に吸引されることとなる。

【0055】
しかし、空気取入口37を設けると、この空気取入口37から風量Q3の空気が取り込まれるので、回転数n3で回転していたとしても、回転数n3に対応する真空圧である真空圧P3となり、これ以上の真空圧になることはない。

【0056】
なお、空気取入口37から取り入れる風量Qを、Q3<Q2<Q1と増加させてやれば、回転数nをn3<n2<n1と増やしても、真空圧Pは真空圧P1で一定となり、気送管31内の真空圧は一定値以上にはならない。

【0057】
排風機22はインバータ39に印加される制御信号S1、S2によりケーブル24を介して回転数を制御する電圧ないし周波数が制御され、これにより吸引風量が制御される。

【0058】
そして、インバータ39は、高速運転を指示する制御信号S1が入力されれば、排風機22を高速回転させて気送管31の中の空気を気送搬送物30を搬送するに必要な強さで吸引する。

【0059】
また、低速運転を指示する制御信号S2が入力されれば、排風機22を低速回転させて気送管31の中の空気を低風量で吸引するが、この場合は気送搬送物30を搬送するに当たり搬送物投入口32を開口した際に送信側クリーンルーム内に気送管31の中から発塵するのを防止するに足る程度の低風量とする。

【0060】
搬送物投入口32側では、図1に示すように、フオトセンサ36から気送搬送物30の投入を検知するための投入検知信号SIが、また上昇受信器38側では、真空圧を検知する圧力スイッチ40から気送搬送物30が到達したか否かを検知する到達検知信号SOがそれぞれ出力されている。

【0061】
また、回動蓋33の開口端に設けられたマイクロスイッチ35aからは、図2に示すように、気送管31が開口したことを検知する接点信号MOが、回動蓋33の閉止端に設けられたマイクロスイッチ35bからは気送管31が閉止したことを検知する接点信号MSがそれぞれ出力されている。

【0062】
そして、これらの投入検知信号SI、到達検知信号SO、接点信号MO、および接点信号MSはすべてコントローラ41に入力され、一方、コントローラ41からは、回動蓋33を回動させるための空気シリンダ34の操作信号RSと、上昇受信器38で受信した気送搬送物30を取り出すための駆動装置42を駆動する操作信号ASとを出力する。

【0063】
このコントローラ41には、送信側クリーンルーム10から受信側クリーンルーム20に気送搬送物30を気送するために必要なシーケンスプログラムが内蔵されており、後述するように、インターフエイスの一部として機能する気送要求端TMからの気送要求により、搭載されているマイクロコンピュータによりこれらのプログラムが実行され、一連の気送運転が行われる。

【0064】
次に、上昇受信器38の構成について具体的に説明する。上昇受信器38は気送搬送物30を気送管31の中から気密を保持しながら回収すると共に回収の順序を保持しながら所定位置に収納する機能を有するが、これについては図4~図12を用いて以下に説明する。

【0065】
回転軸50は、図4に示すように、ベアリング51Aを有する上側のベアリングホルダ51とベアリング52Aを有する下側のベアリングホルダ52により回動可能なように支持されている。

【0066】
回転軸50の上部の一端には、操作ハンドル53が、ベアリングホルダ51の上部近傍には時計方向に回転する円盤状の位置決定プレート54の中心部がそれぞれ固定され、ベアリングホルダ52の下方の回転軸50の他端には、カセッテ55が着脱自在に取り外しが可能なように螺合されている。

【0067】
カセッテ55は、図6に示すように、中心にネジが切られた軸部55Aを有する円盤状の底板55Bの外縁に、円筒状の支持筒55Cが固定されており,この支持筒55Cの上下部分にはドーナツ状の受板55Dと55Eとが、8個のネジ55Hnとネジ55In(n=1~8)とでそれぞれ固定された構造を有している。

【0068】
この受板55Dの周面には等間隔に複数の大径の収納孔55Fn(n=1~10)が、受板55Eの周面には等間隔に各収納孔55Fnに対応する位置に小径の収納孔55Gn(n=1~10)がそれぞれ穿設され、これらの収納孔55Fnと収納孔55Gnには、気送搬送物としての試薬ビン56が挿入される。

【0069】
試薬ビン56は、図7に示すように、取出口56Aが狭まった筒体56Bを有するビン状に形成されており、この取出口56Aを先端で覆うように例えばゴム製のキャップ56Cがはめこまれ、その上から中央部に孔のあいた金具56Dで固定され、これらによりゴム製のキャップ56Cの一部が露出した試薬取出口56Eを構成をしている。

【0070】
この試薬ビン56は、図6に示すように、カセッテ55の収納孔55Fnには試薬ビン56の筒体56Bが、収納孔55Gnには試薬取出口56Eが来るように、つまり試薬ビン56が逆さまになるように挿入される。

【0071】
なお、図4に示すように、点線で示してあるカセッテ57は、交換用の収納ホルダであり、操作ハンドル53を操作することにより回転軸50に対してカセッテ55と着脱自在に、あるいは上下動も自由であり、交換することができる。なお、カセッテ55は通常の固着手段により回転軸50に固着することも可能である。

【0072】
カセッテ55の上部に位置する上側のベアリングホルダ51と下側のベアリングホルダ52とは、所定の間隔を置いて矩形状の本体部58の左端の上部端と下部端の近傍にそれぞれ配設されている。

【0073】
本体部58は、矩形状のブロックとして構成され、図5に示すように、そのブロックの中心軸P-Qが回転軸50の中心軸に対して一方向(図5において紙面の上方)にずらされて、回転軸50の軸方向とは直角方向に配設されている。

【0074】
そして、本体部58には、中心軸P-Qを中心として、図4に示すように、比較的大きな内径を有する孔部59と、これより小径の孔部60とが形成されており、孔部59が孔部60に移行する部分は、孔部60の方向に内径が狭まるように傾斜した円形状の円錐面58Aが形成され、これらの孔部59、孔部60および円錐面58Aで可動体64が移動できる移動空間62を構成している。

【0075】
この移動空間62の中には、可動体64がその軸方向に摺動可能なように挿入され、この可動体64はこの移動空間62の内面とほぼ同じ形状をしているが、その軸方向の長さは孔部59の左端から円錐面58Aを若干越える程度の長さとなっている。

【0076】
そして、可動体64は、本体部58に形成された円錐面58Aと当接する位置に円錐面64Aが形成され、これらの円錐面58Aと円錐面64Aでシール部61を構成し、径方向には気送管31の垂直部31cとほぼ同一の径を持つ格納孔63が穿設されている。

【0077】
さらに、本体部58の底部には、可動体64の左動端において格納孔63に対応する位置に外部に開放する排出口65が穿設され、本体部58の左端の開放端側には中央に貫通孔66が形成された閉塞部材67が配設されている。

【0078】
本体部58の孔部60には、図4,図5に示すように、この孔部60の中心軸に対して直角方向である下方から気送管31の垂直部31cが移動空間62と連通するように挿入固定されているが、この垂直部31cは可動体64の右動端において格納孔63と対向する位置に配設される。

【0079】
さらに、この移動空間62は、気送管31の短い立上部31dを介して直角に屈曲する屈曲部31eと連通され、ついで立ち下がる垂下部31fに連絡されて、全体としてU字状にコンパクトにまとめられた構成とされている。

【0080】
そして、排気を排出する排出側の立上部31dにおける移動空間62に臨む入口部分は、空気吸引口31gとして気送搬送物30を受信した際に気送搬送物30が当接してシールできる形状になっている。

【0081】
この空気吸引口31gのサイズdは、図8(A)に示す気送搬送物30を受信した状態から、図8(B)に示すように可動体64が移動し始め、気送管31の垂直部31cの中に気送搬送物30が落下しない位置、つまり図8においてε<0になる位置まで移動しても、気送搬送物30を空気吸引口31gの底面に密着させ保持できるサイズに選定する。

【0082】
このように空気吸引口31gのサイズdを選定することにより、可動体64の移動の際にも気密性を維持できると共に、気送搬送物30を落下させることなく確実に排出させることが可能となり、上昇受信器38における動作不良の最大の原因である可動体64と本体部58とのかみ込みが防止でき、上昇受信器38の信頼性の向上を図ることができる。

【0083】
さらに、気送空気流は図8(B)の位置までは維持せしめ、気送搬送物30が図8(B)の位置になった瞬間に、つまり受信して可動体64の移動を開始してから一定時間経過後に、排風器22を停止して気送空気流を止めることにより、上昇受信器38外から上昇受信器38内への空気の吸い込みを確実に抑えることができる。

【0084】
可動体64の左端中央部は、図4に示すように、連結軸68と螺合されており、この連結軸68は貫通孔66を貫通して、閉塞部材67に固定されたエアシリンダ69に連結されている。

【0085】
上昇受信器38のエアシリンダ69は、図5に示すように、空気圧導入孔69Aと69Bとが設けられており、図1に示す駆動装置42からこれらの空気圧導入孔69Aと69Bに空気圧を導入・排出することにより連結軸68を往復動させて可動体64を左右に移動させることができる。

【0086】
また、エアシリンダ69には、図4に示すように、リミッタ69Cと69Dが例えばリードスイッチなどを用いて構成されており、連結軸68に連結された可動体64が右端にあるか左端にあるかの位置確認のための信号を送出する。

【0087】
ブッシャ70は、フレーム状をなし、その下端部にはエアシリンダ69の連結軸68と一体となって往復動をする軸69Aが固定されており、ブッシャ70の上端部には2本のスライドロッド71の一端が各々固定されている。

【0088】
スライドロッド71は、エアシリンダ69に固定されたフレーム状のスライドガイド72のガイド孔72Aをガイドとして挿入されて延長されてあり、スライドロッド71とエアシリンダ69の軸69Aとは、図5に示すように、本体部58のブロックの中心軸P-Qの軸上に来るように配設されている。

【0089】
スライドロッド71の他端には、レバーフオルダ73がネジ73Aにより固定され、レバーフオルダ73の下端部にはスライドロッド71の軸方向に揺動可能なようにピン73Bを中心として回動する揺動片74が取り付けられている。

【0090】
この揺動片74は、ピン73Bを中心として反時計方向の回転に対しては障害なく回転できるように反時計方向から見てその先端部が斜めにカットされたカット部74Aを有している。

【0091】
エンドプレート75は、レバーフオルダ73を固定するネジ73Aの上からレバーフオルダ73の端面に、揺動片74に達する長さに配設され、揺動片74がピン73Bを中心として時計方向には回転できないように規制している。

【0092】
回転軸50に固定された位置決定プレート54の外周には、図5に示すように、時計方向の回転に対しては緩やかに反時計方向には急峻に立ち上がる10個の歯形54A~54Jが等間隔で形成されており、これらの歯形54A~54Jの内側であって各歯形の間には所定長さの円柱状の10個のピン76A~76Jが同一中心円上に等間隔に植設されている。

【0093】
これらの歯形54A~54Jには、本体部58のブロックの中心軸P-Qに対して斜め45度の方向で回転軸50の中心軸を向いて固定されたストッパ77のスライダ77Aに保持されたローラ77Eが係合されている。

【0094】
このストッパ77は、図9に示すように、ストッパケース77Bの中にスプリング77Cによって外方に押圧されてスライドするスライダ77Aが挿入され、このスライダ77Aの先端部にはピン77Dによって回転自由に支持されたローラ77Eが配設され、ストッパケース77Bはネジ77Fとネジ77Gとで本体部58に固定される。

【0095】
次に、以上のように構成された上昇受信器38の動作について図10~図12を用いて説明する。

【0096】
気送搬送物30を上昇受信器38で受信した状態では、図10(A)に示すように、可動体64は格納孔63が気送管31Cの垂直部31cの真上にある位置で停止しており、例えばカセッテ55の大径孔55F2が排出口65の真下に位置しているものとする。

【0097】
この状態では、位置決定プレート54は、図10(B)に示すように、例えば揺動片74がピン76Aとピン76Jとの間に介在し、またストッパ77のスライダ77Aは、図5に示すように、スプリング77Cで歯形54Aを押圧して位置決定プレート54が回転しないように拘束している。

【0098】
次に、気送搬送物30を排出するために移行するときには、図11に示すように、シリンダ69の操作により可動体64と一体のプッシャ70を介して矢印aの方向に移動するが、ピン73Bに対して反時計方向の回転には回転自由に支持された揺動片74は位置決定プレート54を回転させることなく、位置決定プレート54に等間隔に植設されたピン76Jを乗り越える。

【0099】
このため、カセッテ55は、回転することなく、可動体64の格納孔63が排出口65及びカセッテ55に等間隔に設けられた収納孔55F2の真上に来た状態で格納孔63に収納されている気送搬送物30としての試薬ビン56はカセッテ55に図6に示すように収納される。

【0100】
このとき、カセッテ55の受板55Eには収納孔55G2等が設けられており、試薬取出口56Eが受板55Eに接触することがないので、試薬取出口56Eが汚染されることがなく、このため試薬取出口56Eに注射針をさして試薬を安全に抜き取ることができる。

【0101】
逆に、気送搬送物30を受信すために右に移行するときは、図12に示すように、シリンダ69を操作して矢印bの方向に右動させると揺動片74がピン76Aと係合し、揺動片74がエンドプレート75により時計方向の回転が拘束されるので、位置決定プレート54を時計方向に1歩進させ、カセッテ55の収納孔55F1が排出口65の真下に来る。

【0102】
この際、位置決定プレート54の外周には等間隔にストッパ77と係合する歯形54J等が設けられているので、位置決定プレート54が時計方向に回転するときはスライダ77Aが一定の押圧力を歯形54Jなどに与えつつスプリング77Cが圧縮される方向に退行する。

【0103】
このため、スライダ77Aは、位置決定プレート54が時計方向に回転歩進をするときの慣性力を吸収して位置決定プレート54の安定した歩進を保証する機能を持つ。

【0104】
以上のようにして、気送搬送物30を受信するときは、可動体64を左動させて位置決定プレート54を回転させずに気送搬送物30を排出口65を介してカセッテ55の所定位置に収納させる。

【0105】
気送搬送物30をカセッテ55の所定位置に収納させてから、受信状態に移行するときは可動体64を右動させて気送管31の垂直部31cに位置させると同時に位置決定プレート54とカセッテ55とをそれぞれ1歩進させて次の受信に備える準備がなされる。

【0106】
このようにして、カセッテ55には気送搬送物30を受信した順序で整然と気送搬送物30が収納されるので、一目で気送搬送物30の受信の順序を識別することができるメリットがあり、所定数の収納が完了したらカセッテ55ごと回転軸50から取り外してカセッテ57等と交換する。

【0107】
以上のように、上昇受信器38は、気送搬送物を搬送順番に収納するに際して、駆動源としてエアシリンダ69だけを用いて可動体64の移動とカセッテ55とを共に移動させるので、別の駆動源を用いる必要がなく、このため機構が簡単となり、可能な限り小形化が求められるクリーンベンチ等に置かれる上昇受信器として好適な構成となる。

【0108】
次に、以上のように構成された本発明に係るクリーンルーム間の搬送システムにおいて気送搬送物30を気送により搬送する搬送方法について、図13に示すフローチャート図を用いて説明する。

【0109】
まず、ステップST1においてコントローラ41のインターフエイスである気送要求端TMに気送要求を出し、これによりステップST2ではコントローラ41がインバータ39に排風機22が低速運転することを指示する制御信号S2を出力して、排風機22の低風量運転を開始させる。

【0110】
この後、コントローラ41は、ステップST3において、搬送物投入口32が完全に開口したか否かを図2に示すマイクロスイッチ35aから出力される接点信号MOを監視することにより検知する。

【0111】
コントローラ41が、開口したとの接点信号MOを検知したときは、ステップST4において、気送搬送物30が搬送物投入口32から投入されるが、コントローラ41はステップST5において確実に投入されたか否かをフオトセンサ36から出力される投入検知信号SIを監視して検知する。

【0112】
この後、コントローラ41は、ステップST6において、搬送物投入口32が完全に閉止されたか否かを、図2に示すマイクロスイッチ35bから出力される接点信号MSにより検知する。

【0113】
搬送物投入口32が完全に閉止されたことを確認したら、ステップST7において、コントローラ41は、高風量運転を開始すべくインバータ39に排風機22が高速運転することを指示する制御信号S1を出力して、排風機22の高風量運転を開始させる。

【0114】
これにより、搬送物投入口32に投入された気送搬送物30は、送信側クリーンルーム10から気送管31の中を空気取入口37から空気を取り込んで気送により搬送される。ステップST8においては、高風量運転開始から所定時間が経過したか否かの判断がコントローラ41によりなされるが、この所定時間とは、気送搬送物30が上昇受信器38の近傍に到着するまでの時間である。

【0115】
気送搬送物30がこの上昇受信器38に到着したか否かは、ステップST9において、気送搬送物30が図8(A)の状態になって垂下部31fの真空圧が上昇したときの真空圧を検知する圧力スイッチ40の到達検知信号SOとして検出され、この到達検知信号SOは、コントローラ41により検知される。

【0116】
気送搬送物30の到着が到達検知信号SOにより確認されると、ステップST10において、コントローラ41は気送搬送物30を取り出すための駆動装置42を駆動する操作信号ASを出力してシリンダ69を駆動して可動体64の退行の操作を開始させる。

【0117】
この後、ステップST11において、コントローラ41は可動体64の退行操作を開始してから、図8(B)に至る位置になる瞬間までの一定時間が経過したか否かの判断を行うが、退行操作の開始は、例えば図4に示すエアシリンダ69に付属して可動体64の右端を検知するリミッタ69Dから出力される開始信号により認識できる。

【0118】
一定時間が経過したら、ステップST12において、コントローラ41は排風器22を停止して気送空気流を止めて、上昇受信器38の外から上昇受信器38の中への空気の吸い込みを確実に抑える。

【0119】
この後、可動体64を左端まで退行させて、ステップST13において、排出口65を介してカセッテ55の所定位置に気送搬送物30が収納され、これにより一連のシーケンス制御を終了する。

【0120】
なお、以上の説明では、コントローラ41によりあらかじめプログラムされたシーケンスに従って気送搬送物30をクリーンルーム間に亘って気送により搬送する場合について説明したが、これらの手順は手動により実行することができることは言うまでもない。

【0121】
また、今までの説明では、カセッテ55の歩進に関しては、位置決定プレート54を用いて可動体64と連動させたが、これに限られず、例えば往復動に対して1方向にのみ歩進するラチェットと組み合わせたギヤ機構などと可動体64の動きとを連動させて実現することもできる。

【0122】
さらに、今までの説明では、上昇受信器38は下方から気送搬送物30を上昇させて搬送する構成として説明したが、排出口65を垂直方向に配設して気送搬送物30が落下するように構成すれば、気送管31の導入の方向は必ずしも上昇方向に限ることはない。

【0123】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るクリーンルーム間の第1の搬送システムによれば、搬送物投入口に搬送物を投入する際の開口に当たっては、低風速で吸引するので、送信側クリーンルームの内部の空気の流れ自体を大きく乱すことがなく、気送管からクリーンルームへの発塵を防止するすることができ、全体としてクリーンルーム内の清浄度を良好に維持することができる。さらに、気送搬送物を上昇受信器で受信する際に、気密を保持して受信する構成としたので、受信側クリーンルームの内部の空気の流れ自体を大きく乱すことがなく、受信側クリーンルームの内部の空気の清浄度を良好に維持することができる。

【0124】
さらに、本発明に係るクリーンルーム間の第2の搬送システムによれば、気送搬送物を上昇受信器で受信する際に、気密を保持して受信する構成としたので、受信側クリーンルームの内部の空気の流れ自体を大きく乱すことがなく、このため受信側クリーンルーム内の空気の清浄度を良好に維持することができる。

【0125】
さらに、本発明に係るクリーンルーム間の搬送システムの第3の構成によれば、受信側クリーンルームに設けられた上昇受信器による気送搬送物の受信と排出動作とカセッテの歩進動作を機械的に関連づけることにより、別の駆動源を上昇受信器に付加することなく、受信器全体の小形化が達成できると共に、気送搬送物の受信から収納までの一連の動作の信頼性の向上を図ることができる。また、気送搬送物を気送順に収納することにより、気送搬送物に係わる時間データ、性能データの管理等が容易になると共に、例えば試薬ビンの気送等の場合には、医療事故の発生が防止できる。さらに、カセッテは着脱可能であるので、カセッテ自体の消毒等も可能になり、この面からの医療事故の防止もできる。

【0126】
また、本発明に係るクリーンルーム間の搬送方法によれば、空気取入口から空気が取り入れられるので、低風量運転時において、気送管内の真空圧の上昇が抑えられ、搬送物投入口を開口する際には、開口した瞬間に流れ込む空気流の量を制限することができ、クリーンルーム内の空気流に乱れが生じるのを防ぐことができる。
図面
【図2】
0
【図3】
1
【図7】
2
【図1】
3
【図4】
4
【図6】
5
【図8】
6
【図9】
7
【図16】
8
【図5】
9
【図10】
10
【図11】
11
【図12】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図13】
15