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明細書 :3次元放射線位置検出器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4338177号 (P4338177)
公開番号 特開2004-279057 (P2004-279057A)
登録日 平成21年7月10日(2009.7.10)
発行日 平成21年10月7日(2009.10.7)
公開日 平成16年10月7日(2004.10.7)
発明の名称または考案の名称 3次元放射線位置検出器
国際特許分類 G01T   1/20        (2006.01)
G01T   1/161       (2006.01)
FI G01T 1/20 G
G01T 1/20 B
G01T 1/20 D
G01T 1/161 A
請求項の数または発明の数 7
全頁数 20
出願番号 特願2003-067094 (P2003-067094)
出願日 平成15年3月12日(2003.3.12)
審査請求日 平成17年9月28日(2005.9.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301032942
【氏名又は名称】独立行政法人放射線医学総合研究所
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
発明者または考案者 【氏名】村山 秀雄
【氏名】稲玉 直子
【氏名】北村 圭司
【氏名】山下 貴司
個別代理人の代理人 【識別番号】100088155、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100089978、【弁理士】、【氏名又は名称】塩田 辰也
【識別番号】100092657、【弁理士】、【氏名又は名称】寺崎 史朗
【識別番号】100110582、【弁理士】、【氏名又は名称】柴田 昌聰
審査官 【審査官】中塚 直樹
参考文献・文献 特開平11-142524(JP,A)
調査した分野 G01T 1/20
特許請求の範囲 【請求項1】
光入射面へ入射した光の入射位置および強度に応じた電気信号を出力する受光素子と、
前記受光素子の光入射面上に設けられ、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させる直方体形状のシンチレータセルがM行N列(ただし、M,Nは3以上の整数)に2次元配列されてなるシンチレータアレイをK層(ただし、Kは2以上の整数)含み、これらK層のシンチレータアレイが前記受光素子の光入射面に積層されたシンチレータユニットと、
を備え、
前記K層のシンチレータアレイそれぞれにおいて、隣り合う2シンチレータセル間の媒質が前記シンチレーション光に対して反射材および透過材の何れか一方のみであり、
前記K層のシンチレータアレイのうちの第k層のシンチレータアレイにおいて第m行第n列に配置されたシンチレータセルをCk,m,n(ただし、1≦k≦K,1≦m≦M,1≦n≦N)と表したときに、
前記K層のシンチレータアレイのうちの第k1層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk1,m,nと、第k2層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk2,m,nとで、少なくとも1つの同一側面の光学条件が互いに異なり(ただし、ここでは、1<m<M,1<n<N)、
第m行第n列に配置されたシンチレータセルCk,m,nの4つの側面における前記透過材および前記反射材の配置の組み合わせが前記第k1層のシンチレータアレイと前記第k2層のシンチレータアレイとの間で異なる(ただし、ここでは、1<m<M,1<n<N)、
ことを特徴とする3次元放射線位置検出器。
【請求項2】
光入射面へ入射した光の入射位置および強度に応じた電気信号を出力する受光素子と、
前記受光素子の光入射面上に設けられ、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させる直方体形状のシンチレータセルがM行N列(ただし、M,Nは3以上の整数)に2次元配列されてなるシンチレータアレイをK層(ただし、Kは2以上の整数)含み、これらK層のシンチレータアレイが前記受光素子の光入射面に積層されたシンチレータユニットと、
を備え、
前記K層のシンチレータアレイのうちの第k層のシンチレータアレイにおいて第m行第n列に配置されたシンチレータセルをCk,m,n(ただし、1≦k≦K,1≦m≦M,1≦n≦N)と表したときに、
前記K層のシンチレータアレイのうちの第k1層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk1,m,nと、第k2層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk2,m,nとで、少なくとも1つの同一側面の光学条件が互いに異なり(ただし、ここでは、1<m<M,1<n<N)、
前記K層のシンチレータアレイそれぞれにおいて、隣り合う各2シンチレータセル間の媒質の全体が前記シンチレーション光に対して反射材および透過材の何れか一方のみである、
ことを特徴とする3次元放射線位置検出器。
【請求項3】
光入射面へ入射した光の入射位置および強度に応じた電気信号を出力する受光素子と、
前記受光素子の光入射面上に設けられ、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させる直方体形状のシンチレータセルがM行N列(ただし、M,Nは3以上の整数)に2次元配列されてなるシンチレータアレイをK層(ただし、Kは2以上の整数)含み、これらK層のシンチレータアレイが前記受光素子の光入射面に積層されたシンチレータユニットと、
を備え、
前記K層のシンチレータアレイのうちの第k層のシンチレータアレイにおいて第m行第n列に配置されたシンチレータセルをCk,m,n(ただし、1≦k≦K,1≦m≦M,1≦n≦N)と表したときに、
前記K層のシンチレータアレイのうちの第k1層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk1,m,nと、第k2層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk2,m,nとで、少なくとも1つの同一側面の光学条件が互いに異なり(ただし、ここでは、1<m<M,1<n<N)、
前記第k1層のシンチレータアレイにおいて、シンチレータセルCk1,p,nとシンチレータセルCk1,p+1,nとの間の媒質、および、シンチレータセルCk1,m,qとシンチレータセルCk1,m,q+1との間の媒質が、前記シンチレーション光に対して反射材であり、他のシンチレータセル間の媒質が、前記シンチレーション光に対して透過材であり(ただし、pおよびqそれぞれは公差が2の等差数列の各整数値。1≦p<M,1≦q<N)、
前記第k2層のシンチレータアレイにおいて、シンチレータセルCk2,r,nとシンチレータセルCk2,r+1,nとの間の媒質、および、シンチレータセルCk2,m,sとシンチレータセルCk2,m,s+1との間の媒質が、前記シンチレーション光に対して反射材であり、他のシンチレータセル間の媒質が、前記シンチレーション光に対して透過材である(ただし、rおよびsそれぞれは公差が2の等差数列の各整数値。1≦r<M,1≦s<N。「p≠r」または「q≠s」)、
ことを特徴とする3次元放射線位置検出器。
【請求項4】
前記シンチレータユニットで発生したシンチレーション光が前記受光素子の光入射面に入射して前記受光素子から出力された電気信号を入力し、この電気信号に基づいて、前記シンチレータユニットにおける放射線吸収位置を求める演算部を更に備えることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の3次元放射線位置検出器。
【請求項5】
前記受光素子が、前記電気信号を出力する複数の出力端子を有し、
前記演算部が、前記受光素子の複数の出力端子それぞれから出力される電気信号を処理して、前記受光素子へのシンチレーション光の入射位置を求め、そのシンチレーション光の入射位置に基づいて、前記シンチレータユニットにおける放射線吸収位置を求める、
ことを特徴とする請求項4記載の3次元放射線位置検出器。
【請求項6】
前記受光素子が、前記電気信号を出力する複数の出力端子を有し、
前記演算部が、前記受光素子の複数の出力端子それぞれから出力される電気信号の値の和に基づいて、前記シンチレータユニットにおける放射線吸収エネルギを求める、
ことを特徴とする請求項4記載の3次元放射線位置検出器。
【請求項7】
前記演算部がシンチレータセル毎に放射線吸収エネルギを求めることを特徴とする請求項4記載の3次元放射線位置検出器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンチレータユニットと受光素子とを含む3次元放射線位置検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3次元放射線位置検出器は、例えばPET(positron emission tomography)装置において、陽電子放出アイソトープ(RI線源)が投入された被検体内における電子・陽電子の対消滅に伴って発生し互いに逆方向に飛行する1対のγ線光子(エネルギ511keV)を検出する放射線検出器として用いられる。PET装置は、放射線検出器によりγ線光子対を同時計数法により検出し、この同時計数情報を蓄積してヒストグラムを作成する。そして、PET装置は、この作成されたヒストグラムに基づいて、測定空間におけるγ線光子対の発生頻度の空間分布を表す画像を再構成する。このPET装置は核医学分野等で重要な役割を果たしており、これを用いて例えば生体機能や脳の高次機能の研究を行うことができる。
【0003】
このようなPET装置の放射線検出器として好適に用いられ得る3次元放射線位置検出器は、シンチレータユニットおよび受光素子を含む(例えば特許文献1や非特許文献1を参照)。このうち、受光素子は、光入射面へ入射した光の入射位置および強度に応じた電気信号を出力する。また、シンチレータユニットは、受光素子の光入射面上に設けられ、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させるシンチレータセルが2次元配列されてなるシンチレータアレイをK層(ただし、Kは2以上の整数)含み、これらK層のシンチレータアレイが受光素子の光入射面に垂直な方向に積層されたものである。
【0004】
特に、特許文献1に開示された3次元放射線位置検出器では、K層のシンチレータアレイは、シンチレータセル配置ピッチの1/Kずつ行方向または列方向にずれて積層されている。また、非特許文献1に開示された3次元放射線位置検出器では、第1層および第3層のシンチレータアレイと、第2層および第4層のシンチレータアレイとでは、異なる蛍光減衰時定数のシンチレータセルが用いられている。
【0005】
このような3次元放射線位置検出器は、シンチレータユニットにおける放射線吸収位置を、受光素子の光入射面に平行な2次元平面上の位置として求めることができるだけでなく、この光入射面からの距離としても求めることができる。すなわち、複数のシンチレータセルが3次元配列されてなるシンチレータユニットにおいて何れのシンチレータセルでシンチレーション光が発生したかを、受光素子の光入射面に到達したシンチレーション光の重心位置に基づいて判別することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平1-229995号公報
【非特許文献1】
N. Inadama, et al., "A Depth of Interactive Detector for PET with GSO Crystals Doped with Different Amounts of Ce", IEEE Transaction of Nuclear Science, Vol.49, No.3, pp.629-633 (2002)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された3次元放射線位置検出器では、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させたシンチレータセルの位置が受光素子の光入射面から遠いほど、受光素子の光入射面に到達するシンチレーション光の強度分布の幅が広い。受光素子の光入射面において、シンチレーション光の強度分布の幅が広いと、重心位置に基づいて対応シンチレータセルを判定することが困難となる。それ故、シンチレータアレイの積層数を多くするにも限界があり、また、放射線吸収位置検出精度の点でも限界がある。
【0008】
また、上記の非特許文献1に開示された3次元放射線位置検出器では、積層方向に見たときに各シンチレータアレイの同一位置にあるシンチレータセルそれぞれで発生したシンチレーション光は、受光素子の光入射面において重心位置が互いに近いものとなる。それ故、この場合にも、シンチレータアレイの積層数を多くするにも限界があり、また、放射線吸収位置検出精度の点でも限界がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、シンチレータアレイの積層数を増やすことが可能であって放射線吸収位置検出精度が優れた3次元放射線位置検出器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る3次元放射線位置検出器は、(1) 光入射面へ入射した光の入射位置および強度に応じた電気信号を出力する受光素子と、(2) 受光素子の光入射面上に設けられ、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させる直方体形状のシンチレータセルがM行N列(ただし、M,Nは3以上の整数)に2次元配列されてなるシンチレータアレイをK層(ただし、Kは2以上の整数)含み、これらK層のシンチレータアレイが受光素子の光入射面に積層されたシンチレータユニットと、を備える。そして、K層のシンチレータアレイのうちの第k層のシンチレータアレイにおいて第m行第n列に配置されたシンチレータセルをCk,m,n(ただし、1≦k≦K,1≦m≦M,1≦n≦N)と表したときに、K層のシンチレータアレイのうちの第k1層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk1,m,nと、第k2層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk2,m,nとで、少なくとも1つの同一側面の光学条件が互いに異なる(ただし、ここでは、1<m<M,1<n<N)ことを特徴とする。
【0011】
このように構成される3次元放射線位置検出器では、シンチレータユニットに放射線(例えばγ線)が入射して、シンチレータユニット内の何れかのシンチレータセルで該放射線が吸収されると、その放射線を吸収したシンチレータセルにおいて、放射線吸収エネルギに応じた強度のシンチレーション光が発生する。そのシンチレーション光は、その発生点からは全方位に向かって進むものの、反射材により反射されることでガイドされ、やがて受光素子の光入射面に入射する。受光素子の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置は、シンチレーション光発生位置(すなわち放射線吸収位置)に対応したものである。
【0012】
そして、第k1層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk1,m,nと、第k2層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk2,m,nとで、少なくとも1つの同一側面の光学条件(例えば、反射率、透過率、粗度、など)が互いに異なることにより、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させたシンチレータセルの位置が受光素子の光入射面から遠くても、受光素子の光入射面に到達するシンチレーション光の強度分布の幅は狭い。また、積層方向に見たときに各シンチレータアレイの同一位置にあるシンチレータセルそれぞれで発生したシンチレーション光は、受光素子の光入射面において重心位置が充分に離れたものとなる。それ故、シンチレータアレイの積層数を増やすことが可能であり、また、放射線吸収位置検出精度が優れたものとなる。
【0013】
本発明に係る3次元放射線位置検出器は、シンチレータセルの形状が直方体であるので、シンチレータユニットにおいて多数のシンチレータアレイを3次元配置する際に効率的である。
【0014】
さらに、本発明に係る3次元放射線位置検出器は、K層のシンチレータアレイそれぞれにおいて、隣り合う2シンチレータセル間の媒質がシンチレーション光に対して反射材および透過材の何れか一方のみであり、第m行第n列に配置されたシンチレータセルCk,m,nの4つの側面における透過材および反射材の配置の組み合わせが第k1層のシンチレータアレイと第k2層のシンチレータアレイとの間で異なることを特徴とする(ただし、ここでは、1<m<M,1<n<N)。
或いは、本発明に係る3次元放射線位置検出器は、K層のシンチレータアレイそれぞれにおいて、隣り合う各2シンチレータセル間の媒質の全体がシンチレーション光に対して反射材および透過材の何れか一方のみであることを特徴とする。
或いは、本発明に係る3次元放射線位置検出器は、(1) 第k1層のシンチレータアレイにおいて、シンチレータセルCk1,p,nとシンチレータセルCk1,p+1,nとの間の媒質、および、シンチレータセルCk1,m,qとシンチレータセルCk1,m,q+1との間の媒質が、シンチレーション光に対して反射材であり、他のシンチレータセル間の媒質が、シンチレーション光に対して透過材であり、(2) 第k2層のシンチレータアレイにおいて、シンチレータセルCk2,r,nとシンチレータセルCk2,r+1,nとの間の媒質、および、シンチレータセルCk2,m,sとシンチレータセルCk2,m,s+1との間の媒質が、シンチレーション光に対して反射材であり、他のシンチレータセル間の媒質が、シンチレーション光に対して透過材であって、(3) p,q,rおよびsそれぞれは公差が2の等差数列の各整数値であり、1≦p<M,1≦q<N,1≦r<M,1≦s<N,「p≠r」または「q≠s」であることを特徴とする。
これらの場合には、受光素子の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置は、シンチレーション光発生位置(すなわち放射線吸収位置)に対応したものであり、しかも、受光素子の光入射面におけるシンチレーション光の強度分布の幅は充分に狭く、各々の光入射の重心位置は充分に弁別が可能である。
【0015】
本発明に係る3次元放射線位置検出器は、シンチレータユニットで発生したシンチレーション光が受光素子の光入射面に入射して受光素子から出力された電気信号を入力し、この電気信号に基づいて、シンチレータユニットにおける放射線吸収位置を求める演算部を更に備えるのが好適である。本発明に係る3次元放射線位置検出器は、受光素子が、電気信号を出力する複数の出力端子を有し、演算部が、受光素子の複数の出力端子それぞれから出力される電気信号を処理して、受光素子へのシンチレーション光の入射位置を求め、そのシンチレーション光の入射位置に基づいて、シンチレータユニットにおける放射線吸収位置を求めるのが好適である。本発明に係る3次元放射線位置検出器は、受光素子が、電気信号を出力する複数の出力端子を有し、演算部が、受光素子の複数の出力端子それぞれから出力される電気信号の値の和に基づいて、シンチレータユニットにおける放射線吸収エネルギを求めるのが好適である。本発明に係る3次元放射線位置検出器は、演算部がシンチレータセル毎に放射線吸収エネルギを求めるのが好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図において説明の便宜の為にxyz直交座標系が示されている。
【0017】
先ず、本発明に係る3次元放射線位置検出器の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1の構成図である。この図に示される3次元放射線位置検出器1は、シンチレータユニット10、受光素子20および演算部30を備える。図1では、シンチレータユニット10および受光素子20については斜視図で示され、演算部30についてはブロック図で示されている。
【0018】
受光素子20は、光入射面へ入射した光の入射位置および強度に応じた電気信号を出力するものである。xyz直交座標系のxy平面は、光入射面に平行に設定されている。受光素子20は、例えば、位置検出型の光電子増倍管である。また、位置検出型光電子増倍管としてマルチアノード型のものが好適に用いられる。マルチアノード型の光電子増倍管は、2次元配列された複数のアノードと、各アノードに対応したアノード端子とを備え、各アノード端子と4つの出力端子211~214とが抵抗器を介して接続されていて、各アノードからの電気信号を最終的に4つの出力端子211~214から出力する(特開2000-180551号公報(特に図5)を参照)。これら4つの出力端子211~214から出力される電気信号の値の比は、光入射面への光の入射位置に応じたものとなり、また、これら4つの出力端子211~214から出力される電気信号の値の和は、光強度に応じたものとなる。
【0019】
シンチレータユニット10は、受光素子20の光入射面上に設けられており、この光入射面に垂直な方向(z軸方向)に4つのシンチレータアレイ11~14が順に積層されて構成されている。なお、シンチレータユニット10は、受光素子20の光入射面上に直接に設けられてもよいし、或いは、光学カップリング材(屈折率整合材)、ファイバアレイおよび空気層など介して設けられてもよい。また、4つのシンチレータアレイ11~14それぞれは、複数(本実施形態では8×8個)のシンチレータセルが2次元配列されて構成されている。このシンチレータセルの配列の方向はx軸方向およびy軸方向である。
【0020】
シンチレータセルは、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させるものであり、例えば、CeがドープされたGd2SiO5(GSO)やBi4Ge312(BGO)が用いられる。シンチレータセルの形状は直方体である。また、4つのシンチレータアレイ11~14のうちの何れか2つのシンチレータアレイの間でシンチレータセルの組成が互いに異なり蛍光減衰時定数が互いに異なっていてもよいが、全シンチレータセルの組成が同一であってもよい。
【0021】
ここで、4つのシンチレータアレイ11~14のうちの受光素子20側から数えて第k層目のシンチレータアレイ1kにおいて第m行第n列に配置されたシンチレータセルをCk,m,nと表す。図1では、4層×8行×8列に3次元配列された256個のシンチレータセルのうちの幾つかについてのみ符号Ck,m,nが付されている。
【0022】
演算部30は、比演算回路31、和演算回路32および信号処理回路33を含み、受光素子20の4つの出力端子211~214それぞれから出力された電気信号を入力して、この電気信号に基づいて所定の演算を行う。ここで、出力端子211(図1では不図示)はシンチレータセルC1,1,1の側の角にあり、出力端子212はシンチレータセルC1,8,1の側の角にあり、出力端子213はシンチレータセルC1,1,8の側の角にあり、また、出力端子214はシンチレータセルC1,8,8の側の角にあるとする。
【0023】
比演算回路31は、受光素子20の4つの出力端子211~214それぞれから出力された電気信号の値の比に基づいて、受光素子20の光入射面への光の入射位置を求める。具体的には、出力端子211から出力される電気信号の値をI1とし、出力端子212から出力される電気信号の値をI2とし、出力端子213から出力される電気信号の値をI3とし、出力端子214から出力される電気信号の値をI4としたときに、比演算回路31は、受光素子20の光入射面への光の入射位置(x,y)を、
x=(I1+I3)/Iall …(1a)
y=(I1+I2)/Iall …(1b)
all=I1+I2+I3+I4 …(1c)
なる式に基づいて求める。また、和演算回路32は、受光素子20の4つの出力端子211~214それぞれから出力された電気信号の値の和Iallに基づいて、受光素子20の光入射面へ入射した光の強度を求める。
【0024】
信号処理回路33は、比演算回路31および和演算回路32それぞれにおける上記の結果を入力して、シンチレータユニット10における放射線吸収位置および放射線吸収エネルギを求め、その求めた結果を出力する。また、演算部30は、シンチレータセル毎に放射線吸収エネルギを求めるのが好適である。
【0025】
図2~図7それぞれは、第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1に含まれるシンチレータユニット10の断面図である。図2は、第1行(m=1)のシンチレータユニット10のyz断面図である。図3は、第1列(n=1)のシンチレータユニット10のxz断面図である。図4は、第1層(k=1)のシンチレータアレイ11のxy断面図である。図5は、第2層(k=2)のシンチレータアレイ12のxy断面図である。図6は、第3層(k=3)のシンチレータアレイ13のxy断面図である。また、図7は、第4層(k=4)のシンチレータアレイ14のxy断面図である。なお、これらの図において、幾つかのシンチレータセルについてのみ符号Ck,m,nが付されているが、符号が付されていないシンチレータセルについては符号Ck,m,nの添え字k,m,nの何れかが順次1増して付される。
【0026】
第1層のシンチレータアレイ11では、シンチレータセルC1,2,nとシンチレータセルC1,3,nとの間の媒質、シンチレータセルC1,4,nとシンチレータセルC1,5,nとの間の媒質、シンチレータセルC1,6,nとシンチレータセルC1,7,nとの間の媒質、シンチレータセルC1,m,2とシンチレータセルC1,m,3との間の媒質、シンチレータセルC1,m,4とシンチレータセルC1,m,5との間の媒質、および、シンチレータセルC1,m,6とシンチレータセルC1,m,7との間の媒質は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。ただし、mおよびnそれぞれは1以上8以下の各整数である。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0027】
第2層のシンチレータアレイ12では、シンチレータセルC2,1,nとシンチレータセルC2,2,nとの間の媒質、シンチレータセルC2,3,nとシンチレータセルC2,4,nとの間の媒質、シンチレータセルC2,5,nとシンチレータセルC2,6,nとの間の媒質、シンチレータセルC2,7,nとシンチレータセルC2,8,nとの間の媒質、シンチレータセルC2,m,2とシンチレータセルC2,m,3との間の媒質、シンチレータセルC2,m,4とシンチレータセルC2,m,5との間の媒質、および、シンチレータセルC2,m,6とシンチレータセルC2,m,7との間の媒質は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0028】
第3層のシンチレータアレイ13では、シンチレータセルC3,2,nとシンチレータセルC3,3,nとの間の媒質、シンチレータセルC3,4,nとシンチレータセルC3,5,nとの間の媒質、シンチレータセルC3,6,nとシンチレータセルC3,7,nとの間の媒質、シンチレータセルC3,m,1とシンチレータセルC3,m,2との間の媒質、シンチレータセルC3,m,4とシンチレータセルC3,m,4との間の媒質、シンチレータセルC3,m,5とシンチレータセルC3,m,6との間の媒質、および、シンチレータセルC3,m,7とシンチレータセルC3,m,8との間の媒質は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0029】
第4層のシンチレータアレイ14では、シンチレータセルC4,1,nとシンチレータセルC4,2,nとの間の媒質、シンチレータセルC4,3,nとシンチレータセルC4,4,nとの間の媒質、シンチレータセルC4,5,nとシンチレータセルC4,6,nとの間の媒質、シンチレータセルC4,7,nとシンチレータセルC4,8,nとの間の媒質、シンチレータセルC4,m,1とシンチレータセルC4,m,2との間の媒質、シンチレータセルC4,m,4とシンチレータセルC4,m,4との間の媒質、シンチレータセルC4,m,5とシンチレータセルC4,m,6との間の媒質、および、シンチレータセルC4,m,7とシンチレータセルC4,m,8との間の媒質は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0030】
また、シンチレータユニット10の全体の外面のうち、受光素子10の光入射面と接する面は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tで覆われており、他の面は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rで覆われている。なお、図1では、シンチレータユニット10の外面にある反射材Rは図示されていない。また、第1層シンチレータアレイ11と第2層シンチレータアレイ12との間の媒質、第2層シンチレータアレイ12と第3層シンチレータアレイ13との間の媒質、および、第3層シンチレータアレイ13と第4層シンチレータアレイ14との間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである、
反射材Rは、透過材Tと比較して、シンチレーション光を高い反射率で反射させるものである。また、透過材Tは、反射材Rと比較して、シンチレーション光を高い透過率で透過させるものである。反射材Rは、例えばBaSO4からなるものである。また、透過材Tは、例えば、シンチレータセルと同組成の材料からなるものであり、或いは、シリコングリス等の光学結合材からなるものであり、或いは、空気等の気体からなるものである。図2~図7それぞれでは、反射材Rについては共通のハッチングで示されており、透過材Tについても共通のハッチング(反射材Rとは異なるハッチング)で示されている。
【0031】
以上のように、シンチレータユニット10では、第k1層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk1,m,nと、他の第k2層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk2,m,nとで、少なくとも1つの同一側面の光学条件が互いに異なる(ただし、ここでは、1<m<8,1<n<8)。
【0032】
特に第1実施形態では、4つのシンチレータアレイ11~14のうちの第k1層のシンチレータアレイにおいて、シンチレータセルCk1,p,nとシンチレータセルCk1,p+1,nとの間の媒質、および、シンチレータセルCk1,m,qとシンチレータセルCk1,m,q+1との間の媒質が、シンチレーション光に対して反射材Rであり、他のシンチレータセル間の媒質が、シンチレーション光に対して透過材Tである。また、他の第k2層のシンチレータアレイにおいて、シンチレータセルCk2,r,nとシンチレータセルCk2,r+1,nとの間の媒質、および、シンチレータセルCk2,m,sとシンチレータセルCk2,m,s+1との間の媒質が、シンチレーション光に対して反射材Rであり、他のシンチレータセル間の媒質が、シンチレーション光に対して透過材Tである。そして、p,q,rおよびsそれぞれは公差が2の等差数列の各整数値であり、「p≠r」または「q≠s」である。
【0033】
第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1は以下のように動作する。この3次元放射線位置検出器1のシンチレータユニット10に放射線(例えばγ線)が入射して、シンチレータユニット10内の何れかのシンチレータセルで該放射線が吸収されると、その放射線を吸収したシンチレータセルにおいて、放射線吸収エネルギに応じた強度のシンチレーション光が発生する。そのシンチレーション光は、その発生点からは全方位に向かって進むものの、反射材Rにより反射されることでガイドされ、やがて受光素子20の光入射面に入射する。
【0034】
受光素子20の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置は、シンチレーション光発生位置(すなわち放射線吸収位置)のx座標値およびy座標値(すなわち、m値およびn値)に対応したものである。しかも、反射材Rおよび透過材Tが適切に配置されていることにより、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させたシンチレータセルの位置が受光素子20の光入射面から遠くても、受光素子20の光入射面に到達するシンチレーション光の強度分布の幅は狭い。また、積層方向に見たときに各シンチレータアレイの同一位置にあるシンチレータセルそれぞれで発生したシンチレーション光は、受光素子20の光入射面において重心位置が充分に離れたものとなる。それ故、シンチレータアレイの積層数を増やすことが可能であり、また、放射線吸収位置検出精度が優れたものとなる。
【0035】
図8は、第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1の受光素子20の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置の説明図である。図中で、○印は、第1層のシンチレータアレイ11に含まれる各シンチレータセルC1,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置P1,m,nを示す。▽印は、第2層のシンチレータアレイ12に含まれる各シンチレータセルC2,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置P2,m,nを示す。△印は、第3層のシンチレータアレイ13に含まれる各シンチレータセルC3,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置P3,m,nを示す。また、□印は、第4層のシンチレータアレイ14に含まれる各シンチレータセルC4,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置P4,m,nを示す。なお、この図において、幾つかの重心位置についてのみ符号Pk,m,nが付されているが、符号が付されていない重心位置については符号Pk,m,nの添え字k,m,nの何れかが順次1増して付される。この図に示されるように、シンチレータユニット10において3次元配列された多数のシンチレータセルそれぞれで発生したシンチレーション光は、受光素子20の光入射面上の互いに異なる重心位置に入射し、しかも、各々の光入射の重心位置は充分に弁別が可能である。
【0036】
図9は、第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1の受光素子20の光入射面へ入射する光の波高分布を示す図である。ここでは、シンチレータユニット10に入射する放射線のエネルギが一定であるとして、シンチレータセルC1,1,1~C1,1,4、C2,1,1~C2,1,4、C3,1,1~C3,1,4およびC4,1,1~C4,1,4それぞれにおいて放射線が吸収されたときに、受光素子20の光入射面へ入射する光の波高分布が示されている。
【0037】
したがって、比演算回路31により、受光素子20の4つの出力端子211~214それぞれから出力された電気信号の値から、上記(1a)~(1c)式に基づいて受光素子20の光入射面へのシンチレーション光の入射位置を求め、予め作成され比演算回路31内のメモリに格納されている受光素子20の光入射面の光入射位置とシンチレータユニット10での放射線吸収位置との対応を示すテーブル(例えば図8)を参照して、シンチレータユニット10において3次元配列された複数のシンチレータセルのうちの何れで放射線が吸収されたかを弁別することができる。また、和演算回路32により、受光素子20の4つの出力端子211~214それぞれから出力された電気信号の値の和に基づいて、放射線吸収エネルギを求めることができる。
【0038】
次に、本発明に係る3次元放射線位置検出器の実施例について説明する。実施例の3次元放射線位置検出器では、シンチレータユニットは、シンチレータアレイが4層に積層され、各シンチレータアレイは、6×6個のシンチレータセルが2次元配列されたものである。図10は、実施例の3次元放射線位置検出器の受光素子の光入射面へのシンチレーション光入射の強度分布を示す図である。図11は、実施例の3次元放射線位置検出器の受光素子の光入射面へ入射する光の波高分布を示す図である。ここでは、シンチレータユニットに入射する放射線のエネルギが一定であるとし、また、放射線が一様に入射するとした。図11では、シンチレータセルC1,3,3~C2,3,3およびC1,5,4~C4,5,4それぞれにおいて放射線が吸収されたときに、受光素子20の光入射面へ入射する光の波高分布が示されている。
【0039】
図12は、比較例の3次元放射線位置検出器の受光素子の光入射面へのシンチレーション光入射の強度分布を示す図である。この比較例の3次元放射線位置検出器は、従来の技術の欄で挙げた非特許文献1に開示された構成のものである。
【0040】
実施例(図10)と比較例(図12)とを比較してわかるように、第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1では、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させたシンチレータセルの位置が受光素子の光入射面から遠くても、受光素子の光入射面に到達するシンチレーション光の強度分布の幅は狭い。また、積層方向に見たときに各シンチレータアレイの同一位置にあるシンチレータセルそれぞれで発生したシンチレーション光は、受光素子の光入射面において重心位置が充分に離れたものとなる。それ故、シンチレータアレイの積層数を増やすことが可能であり、また、放射線吸収位置検出精度が優れたものとなる。したがって、この3次元放射線位置検出器1をPET装置に使用することにより、高感度・高解像度・高速に被検体を測定することができる。
【0041】
次に、本発明に係る3次元放射線位置検出器の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器は、図1に示されたものと略同様の構成であるが、シンチレータユニット10の構成が相違している。すなわち、第2実施形態におけるシンチレータユニット10は6層のシンチレータアレイ11~16を含み、これらシンチレータアレイ11~16それぞれはシンチレータセルが12行12列に2次元配列されている(K=6,M=N=12)。また、シンチレータセル間の反射材Rおよび透過材Tの配置の態様が第1実施形態と異なる。
【0042】
図13~図20それぞれは、第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10の断面図である。図13は、第1行(m=1)のシンチレータユニット10のyz断面図である。図14は、第1列(n=1)のシンチレータユニット10のxz断面図である。図15は、第1層(k=1)のシンチレータアレイ11のxy断面図である。図16は、第2層(k=2)のシンチレータアレイ12のxy断面図である。図17は、第3層(k=3)のシンチレータアレイ13のxy断面図である。図18は、第4層(k=4)のシンチレータアレイ14のxy断面図である。図19は、第5層(k=5)のシンチレータアレイ15のxy断面図である。また、図20は、第6層(k=6)のシンチレータアレイ16のxy断面図である。なお、これらの図において、幾つかのシンチレータセルについてのみ符号Ck,m,nが付されているが、符号が付されていないシンチレータセルについては符号Ck,m,nの添え字k,m,nの何れかが順次1増して付される。
【0043】
第1層のシンチレータアレイ11では、シンチレータセルC1,p,nとシンチレータセルC1,p+1,nとの間の媒質(pは2,4,6,8および10の各整数)、および、シンチレータセルC1,m,qとシンチレータセルC1,m,q+1との間の媒質(qは2,4,6,8および10の各整数)は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。ただし、mおよびnそれぞれは1以上12以下の各整数である。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0044】
第2層のシンチレータアレイ12では、シンチレータセルC2,p,nとシンチレータセルC2,p+1,nとの間の媒質(pは1~11の各整数)、および、シンチレータセルC2,m,qとシンチレータセルC2,m,q+1との間の媒質(qは2,4,6,8および10の各整数)は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0045】
第3層のシンチレータアレイ13では、シンチレータセルC3,p,nとシンチレータセルC3,p+1,nとの間の媒質(pは1,3,5,7,9および11の各整数)、および、シンチレータセルC3,m,qとシンチレータセルC3,m,q+1との間の媒質(qは2,4,6,8および10の各整数)は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0046】
第4層のシンチレータアレイ14では、シンチレータセルC4,p,nとシンチレータセルC4,p+1,nとの間の媒質(pは2,4,6,8および10の各整数)、および、シンチレータセルC4,m,qとシンチレータセルC4,m,q+1との間の媒質(qは1~11の各整数)は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0047】
第5層のシンチレータアレイ15では、シンチレータセルC5,p,nとシンチレータセルC5,p+1,nとの間の媒質(pは2,4,6,8および10の各整数)、および、シンチレータセルC5,m,qとシンチレータセルC5,m,q+1との間の媒質(qは1,3,5,7,9および11の各整数)は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0048】
第6層のシンチレータアレイ16では、シンチレータセルC6,p,nとシンチレータセルC6,p+1,nとの間の媒質(pは1,3,5,7,9および11の各整数)、および、シンチレータセルC6,m,qとシンチレータセルC6,m,q+1との間の媒質(qは1,3,5,7,9および11の各整数)は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rである。他のシンチレーション間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである。
【0049】
また、シンチレータユニット10の全体の外面のうち、受光素子10の光入射面と接する面は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tで覆われており、他の面は、シンチレーション光に対して高反射率である反射材Rで覆われている。また、第1層シンチレータアレイ11と第2層シンチレータアレイ12との間の媒質、第2層シンチレータアレイ12と第3層シンチレータアレイ13との間の媒質、第3層シンチレータアレイ13と第4層シンチレータアレイ14との間の媒質、第4層シンチレータアレイ14と第5層シンチレータアレイ15との間の媒質、および、第5層シンチレータアレイ15と第6層シンチレータアレイ16との間の媒質は、シンチレーション光に対して高透過率である透過材Tである、
反射材Rは、透過材Tと比較して、シンチレーション光を高い反射率で反射させるものである。また、透過材Tは、反射材Rと比較して、シンチレーション光を高い透過率で透過させるものである。図13~図20それぞれでは、反射材Rについては共通のハッチングで示されており、透過材Tについても共通のハッチング(反射材Rとは異なるハッチング)で示されている。
【0050】
以上のように、シンチレータユニット10では、第k1層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk1,m,nと、他の第k2層のシンチレータアレイに含まれるシンチレータセルCk2,m,nとで、少なくとも1つの同一側面の光学条件が互いに異なる(ただし、ここでは、1<m<12,1<n<12)。特に第2実施形態では、6層のシンチレータアレイ11~16それぞれにおいて、隣り合う2シンチレータ間の媒質がシンチレーション光に対して反射材Rおよび透過材Tの何れかであり、第k1層のシンチレータアレイにおいて反射材Rで囲われた領域と、他の第k2層のシンチレータアレイにおいて反射材Rで囲われた領域とが、積層方向に見たときに互いに異なる。
【0051】
図21は、第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器の受光素子20の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置の説明図である。図中で、符号「1」は、第1層のシンチレータアレイ11に含まれる各シンチレータセルC1,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置を示す。符号「2」は、第2層のシンチレータアレイ12に含まれる各シンチレータセルC2,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置を示す。符号「3」は、第3層のシンチレータアレイ13に含まれる各シンチレータセルC3,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置を示す。符号「4」は、第4層のシンチレータアレイ14に含まれる各シンチレータセルC4,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置を示す。符号「5」は、第5層のシンチレータアレイ15に含まれる各シンチレータセルC5,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置を示す。また、符号「6」は、第6層のシンチレータアレイ16に含まれる各シンチレータセルC6,m,nで発生したシンチレーション光の光入射面への入射の重心位置を示す。この図に示されるように、シンチレータユニット10において3次元配列された多数のシンチレータセルそれぞれで発生したシンチレーション光は、受光素子20の光入射面上の互いに異なる重心位置に入射し、しかも、各々の光入射の重心位置は充分に弁別が可能である。
【0052】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、シンチレータユニットにおけるシンチレータアレイの層数は、上記実施形態では4または6であったが、2,3または5であってもよく、また、7以上であってもよい。また、シンチレータアレイによってシンチレータセルの蛍光減衰時定数が互いに異なるものであってもよく、この場合には、シンチレータユニットにおけるシンチレータアレイの層数を更に増やすことが可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明に係る3次元放射線位置検出器では、受光素子の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置は、シンチレーション光発生位置(すなわち放射線吸収位置)に対応したものであり、しかも、各シンチレータセルの光学条件が適切に設定されていることにより、放射線の吸収に応じてシンチレーション光を発生させたシンチレータセルの位置が受光素子の光入射面から遠くても、受光素子の光入射面に到達するシンチレーション光の強度分布の幅は狭い。また、積層方向に見たときに各シンチレータアレイの同一位置にあるシンチレータセルそれぞれで発生したシンチレーション光は、受光素子の光入射面において重心位置が充分に離れたものとなる。それ故、シンチレータアレイの積層数を増やすことが可能であり、また、放射線吸収位置検出精度が優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1の構成図である。
【図2】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1に含まれるシンチレータユニット10のうち第1行のシンチレータユニット10のyz断面図である。
【図3】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1に含まれるシンチレータユニット10のうち第1列のシンチレータユニット10のxz断面図である。
【図4】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1に含まれるシンチレータユニット10のうち第1層のシンチレータアレイ11のxy断面図である。
【図5】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1に含まれるシンチレータユニット10のうち第2層のシンチレータアレイ12のxy断面図である。
【図6】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1に含まれるシンチレータユニット10のうち第3層のシンチレータアレイ13のxy断面図である。
【図7】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1に含まれるシンチレータユニット10のうち第4層のシンチレータアレイ14のxy断面図である。
【図8】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1の受光素子20の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置の説明図である。
【図9】第1実施形態に係る3次元放射線位置検出器1の受光素子20の光入射面へ入射する光の波高分布を示す図である。
【図10】実施例の3次元放射線位置検出器の受光素子の光入射面へのシンチレーション光入射の強度分布を示す図である。
【図11】実施例の3次元放射線位置検出器の受光素子の光入射面へ入射する光の波高分布を示す図である。
【図12】比較例の3次元放射線位置検出器の受光素子の光入射面へのシンチレーション光入射の強度分布を示す図である。
【図13】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第1行のシンチレータユニット10のyz断面図である。
【図14】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第1列のシンチレータユニット10のxz断面図である。
【図15】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第1層のシンチレータアレイ11のxy断面図である。
【図16】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第2層のシンチレータアレイ12のxy断面図である。
【図17】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第3層のシンチレータアレイ13のxy断面図である。
【図18】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第4層のシンチレータアレイ14のxy断面図である。
【図19】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第5層のシンチレータアレイ15のxy断面図である。
【図20】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器に含まれるシンチレータユニット10のうち第6層のシンチレータアレイ16のxy断面図である。
【図21】第2実施形態に係る3次元放射線位置検出器の受光素子20の光入射面へのシンチレーション光入射の重心位置の説明図である。
【符号の説明】
1…3次元放射線位置検出器、10…シンチレータユニット、11~14…シンチレータアレイ、C…シンチレータセル、R…反射材、T…透過材、20…受光素子、21…出力端子、30…演算部、31…比演算回路、32…和演算回路、33…信号処理回路。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
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【図19】
18
【図20】
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【図21】
20