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明細書 :駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4665181号 (P4665181)
公開番号 特開2006-149488 (P2006-149488A)
登録日 平成23年1月21日(2011.1.21)
発行日 平成23年4月6日(2011.4.6)
公開日 平成18年6月15日(2006.6.15)
発明の名称または考案の名称 駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法
国際特許分類 A61B   6/03        (2006.01)
A61B   5/055       (2006.01)
A61B   5/11        (2006.01)
A61B   6/00        (2006.01)
A61B   6/04        (2006.01)
FI A61B 6/03 370Z
A61B 5/05 390
A61B 5/10 310G
A61B 6/00 330A
A61B 6/03 323P
A61B 6/04 305
請求項の数または発明の数 9
全頁数 13
出願番号 特願2004-341290 (P2004-341290)
出願日 平成16年11月25日(2004.11.25)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成16年10月5日 インターネットアドレス(http://rsna2004.rsna.org/rsna2004/V2004/conference/event_display.cfm?em_id=4415990)にて発表
審査請求日 平成19年3月2日(2007.3.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301032942
【氏名又は名称】独立行政法人放射線医学総合研究所
【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人 千葉大学
発明者または考案者 【氏名】森 慎一郎
【氏名】遠藤 真広
【氏名】鈴木 昌彦
個別代理人の代理人 【識別番号】110000408、【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
【識別番号】100121267、【弁理士】、【氏名又は名称】林 佳輔
【識別番号】230106714、【弁護士】、【氏名又は名称】高橋 雄一郎
審査官 【審査官】遠藤 孝徳
参考文献・文献 特開2002-360540(JP,A)
特開平7-194569(JP,A)
特表2003-517868(JP,A)
特開2004-105609(JP,A)
特開2002-263149(JP,A)
実公平4-23532(JP,Y2)
特開2004-180982(JP,A)
国際公開第03/82107(WO,A1)
特開平8-131422(JP,A)
特許第3227261(JP,B2)
特許第2586910(JP,B2)
高柳建志・山縣正庸・高橋和久・粟飯原孝人・新井元・守屋秀繁・玉木保,“座位における腰椎の動態解析”,日本臨床バイオメカニクス学会誌,日本,1997年,第18巻,p.177-183
藤田智、羽石秀昭、鈴木昌彦、守屋秀繁,“2方向X線透視像と3次元CT画像を用いた膝関節の3次元動き情報の取得”,日本医用画像工学会大会,日本,日本医用画像工学会,2004年 8月 4日,第23回、P2-58,p.44
Ryutaku Kaneyama, Masahiko Suzuki, Hideshige Moriya, Scott A. Banks and W. Andrew Hodge,"Fluoroscopic analysis of knee kinematics after total knee arthroplasty in osteoarthritis and rheumatoid arthritis",千葉医学雑誌,日本,千葉医学会,2002年10月 1日,第78巻、第5号,p.193-201
調査した分野 A61B 6/00 - 6/14
A61B 5/055 - 5/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
被検体を固定する固定手段及びロードセルを介して前記被検体に所定の荷重をかける荷重手段を有する荷重装置と、
前記荷重装置を円弧状に移動させる移動手段と、を有し、
前記固定手段に固定された前記被検体の部位に前記所定の荷重をかけながら、前記被検体の前記部位の回転運動の中心と前記移動手段の回転運動の中心とを一致させて前記荷重装置を円弧状に移動させることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記荷重手段は、往復機構と、前記往復機構と前記固定手段との間に設けられた弾性部材とを有し、前記弾性部材及び前記ロードセルを介して前記往復機構の前後運動を被検体に伝達することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記ロードセルからの情報をモータにフィードバックすることにより、前記被検体に前記所定の荷重をかけることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記ロードセル及び前記荷重手段は、回転フレームに固定されており、前記ロードセル及び前記荷重手段を前記回転フレーム上で移動させるための手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の駆動装置。
【請求項5】
被検体を固定する固定手段及びロードセルを介して前記被検体に所定の荷重をかける荷重手段を有する荷重装置と、
前記荷重装置を円弧状に移動させる移動手段と、
前記被検体の部位の回転運動の中心を撮影する撮影手段と、を有し、
前記固定手段に固定された前記被検体の前記部位に所定の荷重をかけながら、前記被検体の前記部位の回転運動の中心と前記移動手段の回転運動の中心とを一致させて前記荷重装置を円弧状に移動させて、前記被検体の前記部位の回転運動の中心を撮影することを特徴とする動態撮影システム。
【請求項6】
前記荷重手段は、往復機構と、前記往復機構と前記固定手段との間に設けられた弾性部材とを有し、前記弾性部材及び前記ロードセルを介して前記往復機構の前後運動を被検体に伝達することを特徴とする請求項5に記載の動態撮影システム。
【請求項7】
前記ロードセルからの情報をモータにフィードバックすることにより、前記被検体に前記所定の荷重をかけることを特徴とする請求項6に記載の動態撮影システム。
【請求項8】
前記ロードセル及び前記荷重手段は、回転フレームに固定されており、前記ロードセル及び前記荷重手段を前記回転フレーム上で移動させるための手段を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の動態撮影システム。
【請求項9】
前記撮影手段は、CT、MRI又はX線透視撮影装置であることを特徴とする請求項5乃至8の何れか一に記載の動態撮影システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法に関する。特に、関節や脊髄の駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、膝や肘の関節や脊椎等の可動部位の損傷を診断する際、関節等を動かしながらX線透視装置等を用いて撮影を行う、所謂「動態撮影」が盛んに研究されてきている。動態撮影技術は、関節等の可動部位の診断には好適な技術であり、優れた動態撮影技術の開発が医療関係者にとって望まれている。
【0003】
動態撮影技術には、CT(Computed Tomography:コンピュータ連動断層撮像法)、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像法)、X線透視装置等が用いられることが多い。
【0004】
CTは、X線とその受光器を組み合わせて用いる断層画像撮影装置であり、連続して円運動を行うX線を被検体に照射することにより、平面状の多数且つ異なる方向のX線透過性データを受光器で得ることができる。このX線透過性データに基づいて2次元断層画像や3次元画像を得ることが可能となる。
【0005】
また、MRIは、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して断層画像を得る方法であり、所定の静磁場下に置かれた被検体に所定のパルスシーケンスでRFパルス及び傾斜磁場を印加し、これによって発生したエコー信号を収集処理して2次元や3次元の核磁気共鳴断層画像を得るものである。
【0006】
従来、CT、X線透視装置やMRIは、静止している被検体の診断に広く用いられてきたが、近年のコンピュータ処理技術の発展により、CTやMRIによって得られた断層画像にデジタル処理を行うことより、関節や脊椎の複雑な動態撮影が可能となってきている。
【0007】
また、従来のCTを改良した「4次元CT(256列以上の検出器を有するCTを言う。)」の登場や、MRIの改良により関節や脊椎の2次元画像や3次元画像を連続して動態撮影することが可能となってきている。これらの動態撮影技術は、関節等の可動部位の診断には欠かせない診断技術となってきている。
【0008】
一方、関節等の可動部位の損傷を診断するにあたっては、関節等に所定の動きを与えつつ動態撮影を行う必要がある。従来、関節等に所定の動きを与える装置としては、例えば、以下の特許文献1及び特許文献2に開示されているような手術後の関節や変性疾患で回復を目的とした理学療法に用いられるものが知られている。これらの装置は、一般に、CPM(Continuous Passive Motion)装置と言われている。
【0009】
特許文献1には、設定した軌道を患者からの抵抗力に合わせて柔軟に可変することができる膝関節の訓練装置が開示されている。この装置は、サーボモータ14によって2次特性ばね11を伸縮させ、2次特性ばねに繋がれた拮抗点の部材12を動かすことによって、拮抗点の部材に繋がれた脚部保持部材30を動かし、脚関節を動かすものである。
【0010】
また、特許文献2には、駆動手段22によってアーム2、3を動かし、アーム2、3に固定された脚を動かし、脚関節の屈伸運動を行う装置が開示されている。

【特許文献1】特開2004-105609
【特許文献2】特開2002-263149
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、関節等の正確な動態撮影を行うためには、関節中心を一定に保ちつつ関節に所定の動きを与えながら撮影を行うことが必要となってくる。また、関節や脊髄は荷重時(負荷をかけた時)に異常が出現することが殆どであることが分かっている。よって、関節等の障害の正確な診断を行うためには、関節中心を一定に保ち、荷重(負荷)をかけながらCT検査等の動態撮影を行うことが必要となる。また、場合によっては、関節を動かす速度や荷重を変化させながら動態撮影を行うことが必要となってくる。
【0012】
従来、関節の動態撮影を行うにあたり、従来の理学療法に用いられる訓練装置を用いて関節を動かしつつ動態撮影を行うことも試みられたが、従来の訓練装置では、関節中心が大きく動いてしまいCTやMRIによる正確な動態撮影を行うことはできなかった。また、従来の訓練装置では、関節に加わる負荷を調節することができず、また関節を動かす速度を変化させることはできず、正確な関節障害の診断を行うことはできなかった。
【0013】
そこで、本発明は上述の問題を鑑みてなされたものであり、関節障害を正確に診断することができる駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の駆動装置は、回転運動(周動運動)によって被検体の関節や脊椎等の部位を連続的に動かすものである。
【0015】
また、本発明の駆動装置は、被検体の関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)によって被検体の関節や脊椎等の部位を連続的に動かすものである。本発明の駆動装置は、固定手段によって被検体の端部を固定することにより関節や脊椎が固定され、この固定手段に対してロードセルを介してモータ等で加重を加えながらロードセルで荷重を感知しコントロールしている。また、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)を行わせるためにモータと減速機を有している。また、前記被検体の端部周辺に空間を設けるために円弧状のレールを回転中心の外側に設けている。
【0016】
本発明の動態撮影システム及び動態撮影方法においては、被検体の関節や脊椎に荷重をかけながら、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)によって関節や脊椎を連続的に動かし、関節等の動態撮影を行うものである。本発明の動態撮影システム及び動態撮影方法においては、固定手段によって被検体の端部を固定することにより関節や脊椎が固定され、固定手段に接続する部分にモータ等で加重を加えながらロードセルで荷重を感知しコントロールしている。また、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動周動運動)を行わせるためにモータと減速機を有している。本発明の動態撮影システムにおいては、関節等に加える加重パターンと関節等の回転速度(周動速度)を自由に設定でき、X線透視装置、CT、MRIの撮影シークエンスと同期させるものである
【0017】
また、本発明の訓練装置は、被検体の関節や脊椎に荷重をかけながら、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)によって関節や脊椎を連続的に動かすことによって理学療法を行う訓練装置である。本発明の訓練装置は、被検体の関節や脊椎にかける荷重を自由に変化させることができ、手術後や変性疾患に対して選択的に筋肉を増強させることができる。
【0018】
本発明によると、被検体を固定する固定手段及びロードセルを介して前記被検体に所定の荷重をかける荷重手段を有する荷重装置と、前記荷重駆装置を前記固定手段の回転中心の外側に設けられた円弧状のレールに沿って移動させる移動手段と、を有することを特徴とする駆動装置が提供される。
【0019】
また、本発明によると、被検体を固定する固定手段及びロードセルを介して前記被検体に所定の荷重をかける荷重手段を有する荷重装置と、前記荷重駆装置を前記固定手段の回転中心の外側に設けられた円弧状のレールに沿って前記回転中心を一定に保ちながら移動させる移動手段と、を有することを特徴とする駆動装置が提供される。
【0020】
また、前記荷重手段は、往復機構と、前記往復機構と前記固定手段との間に設けられた弾性部材とを有し、前記弾性部材及び前記ロードセルを介して前記往復機構の前後運動を被検体に伝達するようにしてもよい。
【0021】
また、前記ロードセルからの情報を前記モータにフィードバックすることにより、前記被検体に前記所定の荷重をかけるようにしてもよい。
【0022】
また、前記ロードセル及び前記荷重手段は、回転フレームに固定されており、前記ロードセル及び前記荷重手段を前記回転フレーム上で移動させるための手段を有するようにしてもよい。
【0023】
また、本発明によると、被検体を固定する固定手段及びロードセルを介して前記被検体に所定の荷重をかける荷重手段を有する荷重装置と、前記荷重駆装置を前記固定手段の回転中心の外側に設けられた円弧状のレールに沿って移動させる移動手段と、前記回転中心を撮影する撮影手段と、を有することを特徴とする動態撮影システムが提供される。
【0024】
また、本発明によると、被検体を固定する固定手段及びロードセルを介して前記被検体に所定の荷重をかける荷重手段を有する荷重装置と、前記荷重駆装置を前記固定手段の回転中心の外側に設けられた円弧状のレールに沿って前記回転中心を一定に保ちながら移動させる移動手段と、前記回転中心を撮影する撮影手段と、を有することを特徴とする動態撮影システムが提供される。
【0025】
また、前記荷重手段は、往復機構と、前記往復機構と前記固定手段との間に設けられた弾性部材とを有し、前記弾性部材及び前記ロードセルを介して前記往復機構の前後運動を被検体に伝達するようにしてもよい。
【0026】
また、前記ロードセルからの情報を前記モータにフィードバックすることにより、前記被検体に前記所定の荷重をかけるようにしてもよい。
【0027】
また、前記ロードセル及び前記荷重手段は、回転フレームに固定されており、前記ロードセル及び前記荷重手段を前記回転フレーム上で移動させるための手段を有するようにしてもよい。
【0028】
また、前記撮影手段は、CT、MRI又はX線透視撮影装置であってもよい。
【0029】
また、本発明によると、ロードセルを介して被検体に所定の荷重をかけ、且つ前記被検体の所定部位の回転中心を一定に保ち、前記ロードセルの外側に設けられた円弧状のレールに沿って前記回転中心を一定に保ちながら前記ロードセルを移動させ前記回転中心を撮影する動態撮影方法が提供される。
【0030】
また、前記荷重手段は、往復機構と、前記往復機構と前記固定手段との間に設けられた弾性部材とを有し、前記弾性部材及び前記ロードセルを介して前記往復機構の前後運動を被検体に伝達するようにしてもよい。
【0031】
また、前記ロードセル及び前記荷重手段は、回転フレームに固定されており、前記ロードセル及び前記荷重手段を前記回転フレーム上で移動させるための手段を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明の駆動装置よれば、被検体の関節や脊椎を連続的に動かすことができる。また、本発明の駆動装置によれば、CT画像、透視画像、MRI画像を撮影する際に、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)によって関節や脊椎を連続的に動かし、滑らか且つ正確な関節等の動態撮影を行うことがでる。また、本発明の駆動装置によれば、被検体の関節や脊椎を連続的に動かしながらCT画像、透視画像、MRI画像を撮影する際に、被検体の関節や脊椎に荷重をかけながら、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)によって関節や脊椎を連続的に動かし、滑らか且つ正確な関節等の動態撮影を行うことができる。また、本発明の動態撮影システムは、遠隔操作によりCTやMRIの撮影シークエンスと同期させることが可能で、一連の動作を遠隔操作にて駆動でき、操作性が向上し、撮影時間の短縮化を図ることができる。
【0033】
また、本発明の動態撮影システム及び動態撮影方法によれば、被検体の関節や脊椎を連続的に動かしながらCT画像、透視画像を撮影する際に、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)によって関節や脊椎を連続的に動かし、滑らか且つ正確な関節等の動態撮影を行うことにより、関節等の障害の正確な診断を行うことができる。また、本発明の動態撮影システム及び動態撮影方法によれば、被検体の関節や脊椎に荷重をかけながら、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動(周動運動)によって関節や脊椎を連続的に動かし、滑らか且つ正確な関節等の動態撮影を行うことにより、関節等の障害の正確な診断を行うことができる。また、本発明の動態撮影システム及び動態撮影方法は、遠隔操作によりCTやMRIの撮影シークエンスと同期させることが可能で、一連の動作を遠隔操作にて駆動でき、操作性が向上し、撮影時間の短縮化を図ることができ、ひいては診断時間の短縮化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本実施の形態においては、本発明の駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法を被検体の膝関節に用いた例について説明する。なお、本発明は、被検体の膝関節だけではなく、肘等その他の関節、又は脊髄等その他可動部位の駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法に用いることができる。
【0035】
図1を参照する。図1には、本発明の駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法に用いる駆動装置100が示されている。駆動装置100は、荷重制御装置101、滑車102、ワイヤ103、重り104並びにガイドレール105、106及び107、回転フレーム108、モータ109、減速器110、ガイドレール111、レバー112、ガイド113、ステイ114並びに設定装置115を有している。図1においては、説明の便宜上、荷重制御装置101を2つ記載し、荷重制御装置101がガイドレール105、106及び107に沿って移動する動作の様子を示しているが、実際の駆動装置は、荷重制御装置101を1つだけ備えている。
【0036】
荷重制御装置101は、カバー101-1、減速器101-4(図示せず)、レバー101-5及び101-6、モータ101-7、圧縮バネ筒101-8、ロードセル101-9、固定靴101-10を有している。なお、荷重制御装置101の詳細な構成については、図2及び図3を参照して後述する。
【0037】
回転フレーム108には、ガイドレール111が設けられており、このガイドレール111に沿って荷重制御装置101を円弧状のガイドレール105、106及び107に沿って移動させる(回転させる、周動させる)ことができる。ガイドレール105、106及び107は、所定の曲率で作製されている。本発明においては、この円弧状のガイドレール105、106及び107が、回転中心の外側にあることを特徴の一つとしている。
【0038】
回転フレーム108には、モータ109及び減速器110が設けられている。減速器110は、駆動装置100のガイドレール106に刻まれたギアと噛み合っており、モータ109及び減速器110の回転により、回転フレーム108及び回転フレーム108に固定されている荷重制御装置101がガイドレール105、106及び107に沿って移動する。回転フレーム108に設けられたステイ114は、回転フレーム108がガイドレール105に沿って移動するのを補助する役目を果たしている。また、回転フレーム108に設けられたガイド113は、回転フレーム108がガイドレール107に沿って移動するのを補助する役目を果たしている。これらガイドレール105、106及び107とモータ109及び減速器110とで、回転中心を一定として荷重制御装置101を回転(周動)させる移動手段を構成している。なお、本実施の形態においては、ガイドレール105及び106には凸状のレールを用い、ガイドレール107には凹状の溝を用いたが、本発明に係る駆動装置は、これに限定されるわけではい。ガイドレールの種類又は数は、荷重制御装置101が駆動装置の側面をある所定の曲率で移動する(回転する、周動)ように適当に変更することができる。なお、固定靴101-10には、被検体の端部(本実施の形態においては、足)が装着されることになり、荷重制御装置101に被検体を固定する固定手段となる。
【0039】
駆動装置100の設定装置115を用いて荷重制御装置101のロードセル101-9にかかる荷重(最大荷重及び最小荷重、又は一定荷重)を入力し、荷重を変化させながら撮影する場合には、荷重の変化率を設定する。また、荷重制御装置101の速度、即ち被検体の関節を動かす角速度を設定する。なお、この設定装置115は表示装置も兼ねておりコードを用いて遠隔操作が可能となっている。本実施の形態においては、3段階の角速度が設定できるようにした。
【0040】
また、回転フレーム108には、ワイヤ103及び滑車102を介して重り104が付けられている。この重り104は、回転フレーム108及び荷重制御装置101がガイドレール105、106及び107に沿って移動する場合のバランスをとる役目を果たしている。
【0041】
荷重制御装置101においては、モータ101-7を制御することによって、圧縮バネ筒内に組み込まれている圧縮バネ101-14(図示せず)の伸張を制御し、ロードセルにかかる荷重を制御している。
【0042】
本実施の形態においては、図1に示すとおり、荷重制御装置101の下部の延長線が回転中心を通るように設定されている。また、固定靴101-10は、固定靴を履く被検体の脚関節の中心が回転中心となるように、その位置が設定されている。なお、荷重制御装置101の角度及び固定靴101-10の位置は変更することができ、回転中心の位置を変更することができる。
【0043】
なお、図1には、荷重制御装置101を備えた本発明の駆動装置100を示したが、本発明の駆動装置は、荷重制御装置101の機能を備えないようにしてもよい。即ち固定靴101-10には荷重(負荷)をかけず、回転フレーム108をガイドレール111に沿って所定の曲率で移動させる(回転させる、周動させる)、固定靴101-10を所定の曲率で移動させる(回転させる、周動させる)機能のみを有するようにしてもよい。
【0044】
次に、図2及び図3を参照する。図2及び図3は、本発明の駆動装置の一実施形態における荷重制御装置101の内部構造及び回転フレーム108に設けられている部品を示す図である。なお、図2には本実施形態における荷重制御装置101の側面図が示されており、図3にはその背面図が示されている。なお、図2及び図3においては、説明の便宜上、カバー101-1を外した状態の荷重制御装置101が示されている。
【0045】
図2及び図3に示すとおり、荷重制御装置101は、減速器101-4、レバー101-5及び101-6、モータ101-7、圧縮バネ筒101-8、ロードセル101-9、固定靴101-10、ピン101-12、台座101-13、圧縮バネ101-14、台座101-15、軸101-16、軸受101-17、101-18及び101-19、カップリング101-20、軸101-21及び101-22、台座101-23及び101-24、ステイ101-25及び101-26、台形ネジ101-27、ロードセルプレート101-28、軸受101-29及び101-30、固定靴台1 101-31、固定靴台2 101-32、プレート101-33、軸受101-34並びにネジナット101-35を有している。
【0046】
まず、図2を参照する。図2に示すとおり、本実施形態の荷重制御装置101においては、モータ101-7は減速器に接続されている。モータ101-7は、コンピュータによって制御されており、ロードセル101-9にかかる荷重、つまり固定靴101-10にかかる荷重を制御するために用いられている。ロードセルにかかる荷重の情報をリアルタイムでモニタリングし、モータ101-7にフィードバックすることにより、ロードセルにかかる荷重が予め設定しておいた値を保つようにしている。
【0047】
モータ101-7の回転は、減速器101-4によって減速され、回転トルクを増大させてカップリング101-20へ伝達される。カップリング101—20によって減速器の回転トルクが軸101-16に伝達されると、軸101-16の外周に設けられた台形ネジ101-27が回転するので、圧縮ばね筒101-8側に設けられたネジナット101-35が直動し、それにより回転トルクを2次元の動きに変換し(往復運動、前後運動に変換し)、軸101-16を台座101-15方向に押し引きする。なお、モータ101-7、減速器101-4、カップリング101—20に代えて、リニアモータ、アクチュエータを用いるようにしてもよい。本実施の形態においては、モータ101-7、減速器101-4、カップリング101-20、台形ネジ101-27、軸101-16、ネジナット101-35及び台座101-15が往復機構として機能し、圧縮バネ101-14の伸張を制御している。
【0048】
なお、荷重手段の荷重が大きくて膝関節が押圧方向に逃げてしまう場合は、回転中心方向から紐、テープなどで膝関節を逃げないように押さえることが好ましい。
【0049】
圧縮バネ筒101-8には、台座101-13、圧縮バネ101-14及び台座101-15がこの順序で組み込まれており、台座101-15に伝わる荷重は、圧縮バネ101-8を圧縮し、台座101-13に伝達される。台座101-13に伝達した荷重は、ピン101-12を介してロードセル101-9に伝達される。ロードセルに伝達した荷重は、固定靴台2 101-32及び固定靴台1 101-31を介して固定靴101-10に伝達され、固定靴を装着している被検体に伝達される。なお、ロードセルと固定靴台2 101-32との間に圧縮バネ101-14を設けるようにしてもよい。
【0050】
軸101-22及び軸101-21は、ロードセルプレート101-28及び固定靴台2 101-32を直動運動させるための直動ガイドである。
【0051】
図2及び図3に示すように、回転フレーム108に設けられたガイドレール111には、荷重制御装置の骨格となるプレート101-33に設けられたステイ101-34及び101-35が噛み合わさっている。このような構成を採ることにより、図4に示すように、プレート101-33を回転フレーム108のガイドレール111に沿って移動させて、前記のように固定靴を履く被検体の脚関節の中心が回転中心となるようにすることができる。プレート101-33を適当な位置まで移動させ、レバー101-5及び101-6によって、プレート101-33の位置をロックする。
【0052】
本実施の形態で説明した本発明の駆動装置においては、被検体に所定の荷重をかけるための弾性部材としてバネを用いたが、その他の伸縮及び復元する弾性部材を使用することもできる。往復機構の押圧力をばねの変形復元力に変換して被検体に伝達することにより、被検体による反力をより正確にロードセルに伝達させることができる。
【0053】
また、ロードセル及び荷重手段を固定する回転フレームの構造体は、プレートに限定するものではく、パイプ部材などでもよい。
【0054】
次に、図5を参照する。図5には、本発明の動態撮影システムの概略が記載されている。ここでは、撮影装置に、CT装置を用いた例について説明するが、MRI装置やX線透視撮影装置等の撮影装置を用いてもよい。
【0055】
CT装置300のガントリ301に被検体200の脚を挿入する。被検体の脚は、ベルト203でしっかりと固定する。なお、被検体200を背板201にもたれかけさせた座位の状態としてもよいし、背板201を用いず、被検体を仰向けにさせてもよい。このとき、被検体の脚の関節がガントリ301の中央に位置するように台202を調整する。なお、撮影しない方の脚は、外側にはずすか、別途設けた足置き装具に入れておくようにする。
【0056】
次に、図5に示すように、被検体に荷重制御装置101の固定靴101-10を装着する。その後、駆動装置100の設定装置115を用いて荷重制御装置101のロードセル101-9にかかる荷重(最大荷重及び最小荷重、又は一定荷重)を入力し、荷重を変化させながら撮影する場合には、荷重の変化率を設定する。また、荷重制御装置101の速度、即ち被検体の関節を動かす角速度を設定する。なお、この設定装置115は表示装置も兼ねておりコードを用いて遠隔操作が可能となっている。
【0057】
図6には、CT装置300を正面から見た様子が示されている。ガントリ301の向こう側に荷重制御装置101の固定靴101-10が位置しているのがわかる。
【0058】
荷重、角速度の設定が完了したら、実際の撮影に移る。駆動装置100の動作開始と同時にCT装置による撮影を開始する。駆動装置100において、モータ109及び減速器110の回転により、回転フレーム108及び回転フレーム108に固定されている荷重制御装置101がガイドレール105、106及び107に沿って移動する。このとき、被検体の脚の関節の中心が回転中心となり、関節の動きが正確にCT装置によって撮影される。
【0059】
本発明においては、上述したとおり、被検体の関節の中心が荷重制御装置101の回転中心となるように駆動装置100が動作するので、CT装置により動態撮影を正確に行うことができる。
【0060】
なお、撮影装置にMRI装置を用いる場合には、駆動装置100及び荷重制御装置101その他の部品を非磁性体で構成するか、駆動装置100及び荷重制御装置101その他部品とMRI装置との間に磁場シールドを設置し、駆動装置100及び荷重制御装置101等に磁場が影響しないようにする必要がある。
【0061】
なお、本実施の形態においては、荷重をかけながら撮影する例について説明したが、荷重をかけないで撮影してもよい。また、荷重制御装置101の角速度は一定であってもよいし、変化させてもよい。
【0062】
なお、本発明の動態撮影システムによって関節等を撮影する際には、関節の動態撮影をより明確に行うために、撮影装置にCT装置を用いる場合は、イオトロラン系の関節造影剤等を用いるとよい。また、イオベルソール系の血管造影剤を用いることによって、関節部の血管組織の動態撮影を行うことができ、関節障害の診断に資することが出来る。また、撮影装置にMRIを用いる場合は、ガドペンテト酸ジメグルミン系の造影剤を用いて血管造影を用いてもよい。
【0063】
以上、説明したとおり、本発明の駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法によれば、被検体の関節や脊椎を連続的に動かしながらCT画像、透視画像を撮影する際に、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動によって関節や脊椎を連続的に動かし、滑らか且つ正確な関節等の動態撮影を行うことにより、関節等の障害の正確な診断を行うことができる。また、本発明の駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法によれば、被検体の関節や脊椎に荷重をかけながら、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動によって関節や脊椎を連続的に動かし、滑らか且つ正確な関節等の動態撮影を行うことにより、関節等の障害の正確な診断を行うことができる。また、本発明の駆動装置、動態撮影システム及び動態撮影方法は、遠隔操作によりCTやMRIの撮影シークエンスと同期させることが可能で、一連の動作を遠隔操作にて駆動でき、操作性が向上し、撮影時間の短縮化を図ることができ、ひいては診断時間の短縮化を図ることができる。
【実施例1】
【0064】
上述の実施形態で説明した本発明の駆動装置を被検体の膝関節のリハビリテーションで手術後や変性疾患の関節のトレーニングに用いることによって、優れた訓練方法を提供することができる。本発明の訓練方法は、被検体の関節や脊椎に荷重をかけながら、関節や脊椎の回転中心を一定に保った回転運動によって関節や脊椎を連続的に動かし、理学療法を行うことができ、手術後や変性疾患に対して選択的に筋肉を増強させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上述べたとおり、本発明の駆動装置、動態撮影システム、動態撮影方法は、関節障害の診断に大変有効であるだけではなく、リハビリテーション等の理学療法に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の駆動装置の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の駆動装置の一実施形態における荷重制御装置の内部構造を示す図である。
【図3】本発明の駆動装置の一実施形態における荷重制御装置の内部構造を示す図である。
【図4】本発明の駆動装置の一実施形態における荷重制御装置の内部構造及びその動き示す図である。
【図5】本発明の動態撮影システムの一実施形態を示す図である。
【図6】本発明の動態撮影システムの一実施形態において、荷重制御装置101の動きを示す図である。
【符号の説明】
【0067】
100 駆動装置
102 滑車
103 ワイヤ
104 重り
105、106、107 ガイドレール
108 回転フレーム
109 モータ
110 減速器
111 ガイドレール
112 レバー
113 ガイド
114 ステイ
101 荷重制御装置
101-1 カバー
101-2 空き
101-3 空き
101-4 減速器
101-5 レバー
101-6 レバー
101-7 モータ
101-8 圧縮バネ筒
101-9 ロードセル
101-10 固定靴
101-12 ピン
101-13 台座
101-14 圧縮バネ
101-15 台座
101-16 軸
101-17 軸受
101-18 軸受
101-19 軸受
101-20 カップリング
101-21 軸
101-22 軸
101-23 台座
101-24 台座
101-25 ステイ
101-26 ステイ
101-27 台形ネジ
101-28 ロードセルプレート
101-29 軸受
101-30 軸受
101-31 固定靴台1
101-32 固定靴台2
101-33 プレート
101-34 軸受
101-35 ネジナット
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5