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明細書 :多孔質有機・金属複合体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3565699号 (P3565699)
公開番号 特開平11-255783 (P1999-255783A)
登録日 平成16年6月18日(2004.6.18)
発行日 平成16年9月15日(2004.9.15)
公開日 平成11年9月21日(1999.9.21)
発明の名称または考案の名称 多孔質有機・金属複合体
国際特許分類 C07F  7/28      
B01J 31/00      
C07B 61/00      
FI C07F 7/28
B01J 31/00
C07B 61/00
請求項の数または発明の数 6
全頁数 11
出願番号 特願平10-056702 (P1998-056702)
出願日 平成10年3月9日(1998.3.9)
審査請求日 平成11年10月27日(1999.10.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人 科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】青山 安宏
【氏名】沢木 智也
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査官 【審査官】近藤 政克
参考文献・文献 New J.Chem.,1998年,Vol.22,No.2,p.183-188
J.Am.Chem.Soc.,1997年,Vol.119,No.18,p.4117-4122
J.Am.Chem.Soc.,1995年,Vol.117,No.32,p.8341-8352
科学と工業,1997年,第71巻,第10号,第434-448頁
調査した分野 C07F 7/28
B01J 31/00
C07B 61/00
CA(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
次式
B-A-B
(ただし、式中Aは、置換基を有していてもよいアントラセン、フェナントレン、ナフタレンまたはピレンの多環芳香族炭化水素基およびピリジン、ジアジン、トリアジン、ピロジンを基本とした多環の複素環基からなる群より選択され、Bは、水酸基または窒素含有基を有する単環の芳香族炭化水素基であるか、または単環の複素環基である
で表わされる化合物やその塩、あるいはそれらの組み合わせを繰り返し単位として形成される水素結合により微細空孔構造を形成可能な有機アポホストに、周期律表第4族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものが複合化されていることを特徴とする多孔質有機・金属複合体。
【請求項2】
次式
A-B
(ただし、式中Aは、置換基を有していてもよいアントラセン、フェナントレン、ナフタレンまたはピレンの多環芳香族炭化水素基およびピリジン、ジアジン、トリアジン、ピロジンを基本とした多環の複素環基からなる群より選択され、Bは、水酸基または窒素含有基を有する単環の芳香族炭化水素基であるか、または単環の複素環基である
で表わされる化合物を繰り返し単位として形成される水素結合により微細空孔構造を形成可能な有機アポホストに、周期律表第4族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものが複合化されていることを特徴とする多孔質有機・金属複合体。
【請求項3】
有機アポホストは、次式
【化1】
JP0003565699B2_000008t.gif
(ただし、Xはハロゲン原子、-SH、-NH、-CN、-CONH、-OCONHのいずれかである)
で表されるいずれかの化合物を繰り返し単位として形成される請求項1の多孔質有機・金属複合体。
【請求項4】
有機アポホストは、次式
【化2】
JP0003565699B2_000009t.gif
で表される化合物を繰り返し単位として形成される請求項2の多孔質有機・金属複合体。
【請求項5】
周期律表第4族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものにおいて、有機アポホストの水素結合を形成する官能基の酸素もしくは窒素原子と金属原子が結合し、複合化されている請求項1ないし4の複合体。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの複合体からなる有機合成反応用触媒。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、多孔質有機・金属複合体に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、触媒、光応答材料、有機電子材料等の機能性材料として有用な、多孔質三次元構造を持つ、新規な有機・金属複合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、ゼオライトをはじめとする微細空孔を持つ無機質材料が、ガス分離、排ガス処理、さらには各種の有機合成反応のための吸着材や触媒等として広く利用されてきており、有機材料についても、微細空孔を持つ多孔質材についての検討や開発が進められてきてもいる。
【0003】
空孔を持つ有機材料としては、これまでにも発泡樹脂やゾル-ゲル変態を利用した樹脂、あるいは、プラズマや電子ビーム処理した樹脂膜等が知られているが、空孔の大きさが、原子、分子レベルの微細空孔の大きさにまで制御され有機合成反応の触媒等としての利用も可能な多孔質有機材料についてはほとんど知られていない。
【0004】
このような状態において、この出願の発明者らは、これまでに全く知られていない新規な多孔質有機物質として、水素結合による三次元網状組織として微細空孔構造を形成可能としている有機アポホストを開発し、この物質の構造、特性、その利用性について具体的に報告した。
この有機アポホストは、たとえば次のようなアントラセンのビスレゾルシン誘導体(1)またはモノレゾルシン誘導体(2)によって形成されるものである。
【0005】
【化3】
JP0003565699B2_000002t.gif【0006】
前記のビスレゾルシン誘導体(1)およびモノレゾルシン誘導体(2)は、適当な溶媒から結晶化させると溶媒分子をゲストと含む共結晶が得られ、その構造は、2次元あるいは1次元鎖が相互にからみあった擬2次元水素結合ネットワークを構成する。そしてこのネットワーク構造により形成される微細空孔にはゲスト分子が極めて選択的に取り込まれ、ゲスト分子を除くと多結晶性のアポホストが得られる。
【0007】
このアポホストは、固相において気体、液体あるいは固体状態のゲストを取込み単結晶構造を回復する。ゲスト分子の交換も容易である。
たとえば以上のような有機アポホストについては、微細空孔は次のような特徴を有している。
<1>水素結合ネットワークを構成しているが、単独の状態では、所定の大きさの微細空孔がそのものとして存在しているわけではない。むしろ空孔がつぶれた状態として存在している。
<2>だが、種々の状態(気体、液体、固体等)のゲスト分子を微細空孔に取込んで固相錯形成する。このゲスト分子の包接により単結晶構造が回復される。
【0008】
ゲスト分子の捕捉により、協同的な構造変化が起きることになる。
前記のアントラセン・ビスレゾルシン誘導体(1)により形成される有機アポホストの場合の空孔は、その大きさが、約14×10×7Åであって、アクロレインと1,3-シクロヘキサジェンの空孔内の同時取込みによる立体選択的なディールズ・アルダー反応の触媒作用を示すことも確認されている。
【0009】
以上のとおりの有機アポホストは、「有機ゼオライト」と称してもよいものであって、今後の技術的発展が大いに注目されているものである。
実際、この出願の発明者らにとっては、これまでのアポホストの触媒活性が、空孔への取込みと、本来それほど強くないフェノール性水酸基の水素結合あるいは酸触媒能に左右されるものと考えられることから、その触媒能の向上を図ること、そして、さらなる機能の拡大のためにも、微細空孔の構造や水素結合の制御、修飾を可能とすることが重要な課題となっていた。
【0010】
この出願の発明は、以上のとおりの背景よりなされたものであって、有機アポホストの機能性の拡大と、そのための構造的制御、修飾のための新しい技術手段を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この出願は、上記の課題を解決するために、第1の発明として、次式
B-A-B
(ただし、式中Aは、置換基を有していてもよいアントラセン、フェナントレン、ナフタレンまたはピレンの多環芳香族炭化水素基およびピリジン、ジアジン、トリアジン、ピロジンを基本とした多環の複素環基からなる群より選択され、Bは、水酸基または窒素含有基を有する単環の芳香族炭化水素基であるか、または単環の複素環基である
で表わされる化合物やその塩、あるいはそれらの組み合わせを繰り返し単位として形成される水素結合により微細空孔構造を形成可能な有機アポホストに、周期律表第4族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものが複合化されていることを特徴とする多孔質有機・金属複合体を提供する。
【0012】
また、この出願は、第2の発明として、次式
A-B
(ただし、式中Aは、置換基を有していてもよいアントラセン、フェナントレン、ナフタレンまたはピレンの多環芳香族炭化水素基およびピリジン、ジアジン、トリアジン、ピロジンを基本とした多環の複素環基からなる群より選択され、Bは、水酸基または窒素含有基を有する単環の芳香族炭化水素基であるか、または単環の複素環基である
で表わされる化合物を繰り返し単位として形成される水素結合により微細空孔構造を形成可能な有機アポホストに、周期律表第4族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものが複合化されていることを特徴とする多孔質有機・金属複合体を提供する。
【0013】
さらにまた、この出願は、第3の発明として、有機アポホストが、次式
【化4】
JP0003565699B2_000003t.gif(ただし、Xはハロゲン原子、-SH、-NH、-CN、-CONH、-OCONHのいずれかである)
で表されるいずれかの化合物を繰り返し単位として形成される前記の複合体を、第4の発明として、有機アポホストが、次式
【化5】
JP0003565699B2_000004t.gifで表される化合物を繰り返し単位として形成される前記の複合体を、第5の発明として、周期律表第4族元素もしくはその化合物のうちの少くとも1種のものにおいて、有機アポホストの水素結合を形成する官能基の酸素もしくは窒素原子と金属原子が結合し、複合化されている複合体を、そして、第6には、前記いずれかの複合体からなる有機合成反応用触媒をも提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は以上のとおりの特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
多孔質有機・金属複合体としてのこの発明の有機アポホスト複合体は、その基本は、
<1>水素結合により微細空孔を形成可能としている有機アポホスト
<2>周期律表第4族金属もしくはその化合物のうちの1種以上のもの
により構成されている。
【0015】
前者のアポホストについては、前記のとおりのアントラセンとビスレゾルシン誘導体(1)またはモノレゾルシン誘導体(2)をはじめとする各種のものにより形成されるものであってよい。これでのアポホストを形成する単位化合物は、いずれのものにあっても、水素結合によるネットワークを構成するものであって、その微細空孔は、前記のとおりの特徴を持つものとして考慮される。
【0016】
水素結合を形成するとの要件からは、代表的には、-OH(水酸基)、あるいは-NH(アミノ基)もしくは他の窒素含有基を持ち、また、その結合のネットワークにより3次元性の微細空孔の形成を可能とするとの要件からは、たとえば一般式
B-A-B または A-B
(式中のAは、置換基を有していてもよい多環の芳香族炭化水素基または複素環基を示し、Bは、水酸基もしくはアミノ基ないしは他の窒素含有基を持ち、さらに適宜に他の置換基を有してもよい単環の芳香族炭化水素基または複素環基を示す)
で表わされるものが代表的なものとして例示される。たとえば前記Aの多環の芳香族炭化水素基としては、アントラセン、フェナントレン、ナフタレン、ピレン等の芳香核を持ち、さらに適宜な置換基を有していてもよい多環芳香族炭化水素基が例示される。また複素環基としては、ピリジン環、ジアジン環、トリアジン環、ピロジン環等を基本とした多環の複素環基が例示される。
【0017】
前記Aについても同様に各種のものが考慮されることになる。
有機アポホストについては、次に例示した単位化合物(3)(4)(5)(6)(7)(8)等も考慮される。
【0018】
【化6】
JP0003565699B2_000005t.gif【0019】
化合物(7)における符号Xは、たとえばハロゲン原子、-SH、-NH、-CN、-CONH、-OCONH等である。このうちの化合物(8)においては、不斉構造が構成されており、不斉触媒反応等に効果的に用いられることが考慮される。
たとえば以上のアポホストに複合化されるこの発明の周期律表第4族の金属元素は、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、珪素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)等である。複合化は、これらの金属元素、もしくはその化合物において構成される。
【0020】
この複合化による構造は、アポホストの水素結合への前記金属配位によるもの、たとえばO-H…O-Hの水素結合では、O-Mn+-Oの配位ネットワークの形成として、N-H…N-Hの水素結合では、N-Mn+-Nの配位ネットワークの形成として、さらに場合によっては、アポホスト微細空孔内への取込み等によるものとして考慮される。
【0021】
化合物としては、無機化合物、たとえばハロゲン化物、鉱酸塩等、あるいは有機化合物、たとえば有機酸塩、アルコキシド、アミン塩、錯塩、有機錯体、あるいは有機金属化合物等の各種のものであってよい。
この発明の多孔質有機・金属複合体においては、アポホストを構成する単位化合物の数や微細空孔の大きさは、単位化合物や金属化合物の種類、そして単位化合物と前記の金属もしくはその化合物との使用割合、溶媒の種類、処理温度等によりコントロールされることになる。使用目的、たとえば触媒への利用等の目的、用途に応じてこれらの選択がなされることになる。
【0022】
この発明の複合体は、たとえばアポホストを、前記の金属もしくはその化合物の溶液ないしは分散液と混合することによって容易に製造することができる。固体として存在するアポホストを混合してもよいし、あるいはアポホストを形成する前記の単位化合物を用いてもよい。
そして、この発明の多孔質有機・金属複合体については、触媒や光応答材料、電子材料等としての利用が可能である。
【0023】
有機アポホストの微細空孔内への取込みによる反応基質の近接効果と、金属配位や金属取込みにともなうルイス酸触媒効果とによって、ディールス・アルダー反応等が触媒的に進行されることになる。
また、アポホストの微細空孔内への光応答物質の取込みにともなって、配位金属との相互作用により新しい光材料、電子材料の展開が可能とされる。
【0024】
以下、実施例を示し、さらに詳しく説明する。
【0025】
【実施例】
(実施例1)複合体の製造
▲1▼ 前記の単位化合物としてのアントラセン-ビスレゾルシン誘導体(1):C2614(OH)を、酢酸エチル溶媒から結晶化させて、酢酸エチル溶媒の2分子をゲストとして含む共結晶を得た。揮発性の溶媒としての酢酸エチルを熱的に取除くことによりこのゲストを含まない多結晶性のアポホスト:1を得た。
【0026】
このものは高い熱安定性を示し、300℃において融解も分解も受けず、変色も認められなかった。
また、酢酸エチルを液体ゲストとして混合したところ、アポホスト:1は、化学量論的(1:2)に2分子の酢酸エチルを包接して付加体を形成した。この付加体のX線粉末パタンは、再結晶により得られた単結晶サンプルと同一であり、ゲストの包接により局所的な単結晶構造が回復されることが確認された。
【0027】
また、アポホスト:1については、液体窒素温度において、窒素吸着の標準BET分析により、その比表面積は、A=7m/gであった。
▲2▼ ジ-イソプロポキシ-ジクロルチタン:(PrO)TiClのベンゼンまたは1,3-シクロヘキサジェン溶液に、前記のアポホスト:1を混合し、その懸濁液を、室温において窒素雰囲気下に24時間攪拌した。
【0028】
これにより、オレンジ色の粉末を得た。
DMSO-THFという極性有機溶媒に対し、アポホスト:1は直ちに溶解したが、このオレンジ色の粉末は溶解しなかった。
また、この粉末は、元素分析値が、C,56.48;H,4.43;Cl,9.79;Ti,14.5(原子吸光および/または蛍光X線による元素分析で)であった。この値は、アポホスト:1=C2614(OH)であるとすると、14-・2〔(PrO)TiCl〕、すなわちC2614(O・2〔(PrO)TiCl〕に相当する計算値の、C,56.92;H,4.18;Cl,10.50;Ti,14.2によく一致した。
【0029】
OH基が存在しないことは、IRスペクトルのうちのνOHの欠如によって確認された。
粉末を水と混合すると、直ちに黄色に変化し、定量的にアポホスト:1が再生されることも確認された。
また、化学量論比としてのアポホスト:1/Ti=アポホスト:1/PrOH=1/2の値は、粉末のHOまたは2NHSO処理後のH-NMR(アポホスト:1とPrOHについて)分析と、原子吸光(Tiについて)分析によっても確認された。
【0030】
以上のことから、前記の粉末は、
4-・2〔(PrO)TiCl〕
で表わされる付加体であって、アポホスト:1のOH基は消失し、(PrO)TiClが配位した付加体であると判定された。
▲3▼ 前記付加体粉末について、ゲスト分子の取込みを評価した。蒸気吸着法による酢酸エチルの吸着等温線を示したものが図1である。ゲスト/ホストのモル比を、25℃での飽和蒸気圧(P=92torr)までの酢酸エチルのガス分圧(P)に対してプロットしている。
【0031】
ガス分圧(P)を0torrから増大(→)させ、飽和状態から減少(←)させた場合の変化を、図1中において
<a>付加体
<b>アポホスト:1
について示している。
【0032】
付加体<曲線a>の場合には、アポホスト:1<曲線b>に比べて、ゲストの取込みがより柔軟で可変的であることがわかる。
また、前記アポホスト:1の場合と同様にしてBET比表面積を評価したところ、A=80m/gと、アポホスト:1に比べて、約10倍以上であることが確認された。
【0033】
以上の結果からは、付加体としてのこの実施例の多孔質有機・金属複合体は、その微細空孔は、アポホスト:1の場合に比べて、より大きな割合を占め、しかも、より柔軟で可変的な性質を持っていることがわかる。
(実施例2)触媒作用
実施例1により得られた複合体を、次式のアクロレインと1,3-シクロヘキサジェンとのディールズ・アルダー反応における触媒として使用した。
【0034】
【化7】
JP0003565699B2_000006t.gif【0035】
前記付加体としての多孔質有機・金属複合体は、アクロレインと1,3-シクロヘキサジェンとの系には全く溶けないで、固体状態として存在している。
反応は25℃で、窒素雰囲気下において行った。アクロレイン/1,3-シクロヘキサジェンの使用割合(モル比)は1/20とした。図2は、反応の触媒活性を Timecoursesとして示したものである。図中の曲線は次のものを示している。
【0036】
<a>触媒を使用しない
<b>3mol%の複合体触媒を使用
<b′>2度目の再使用としての3mol%複合体触媒の使用
<c>アポホスト:1を3mol%の割合で使用
<d>可溶性(PrO)TiClを3mol%の割合で使用
<e>1mol%の複合体触媒の使用
<f>6mol%の複合体触媒の使用
また、次の表1は、前記<a><b><c><d>の場合について、半減期とともに、エンド/エキソ体の生成比を示したものである。
【0037】
【表1】
JP0003565699B2_000007t.gif【0038】
図2および表1の結果からは、この発明の実施例の複合体の触媒活性は極めて高く、また、立体選択性も非常に高いことがわかる。
さらにまた、図2の<b><b′>の結果より、回収後の再使用によっても活性がほとんど失われないこともわかる。
(実施例3)触媒作用
実施例2におけるアクロレインに代えてアクリル酸エチルを用いて、このアクリル酸エチルと1,3-シクロヘキサジェンとのディールス・アルダー反応に実施例1の複合体を触媒して使用した。
【0039】
反応は60℃において行ったが、3mol%の複合体の使用により、半減期5.3時間の触媒活性と、極めて高い立体選択性(エンド/エキソ=100/0)が得られることが確認された。一方、アポホスト:1の場合には、触媒反応は全く進行しなかった。
【0040】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、この出願の発明によって、たとえばルイス酸触媒等の触媒能に優れた、機能性の高い新しい有機アポホスト・金属複合体が提供される。
アポホスト体の構造の制御、その修飾について新しい技術の発展を促すことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸気吸着法による酢酸エチルの吸着等温線を示した図である。
【図2】触媒活性を Timecoursesとして示した図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1