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明細書 :宇宙構造物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4660763号 (P4660763)
公開番号 特開2007-083924 (P2007-083924A)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
発行日 平成23年3月30日(2011.3.30)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
発明の名称または考案の名称 宇宙構造物
国際特許分類 B64G   1/34        (2006.01)
FI B64G 1/34
請求項の数または発明の数 8
全頁数 17
出願番号 特願2005-276536 (P2005-276536)
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
審査請求日 平成20年6月27日(2008.6.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
発明者または考案者 【氏名】藤井 裕矩
【氏名】渡部 武夫
【氏名】草谷 大郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100137752、【弁理士】、【氏名又は名称】亀井 岳行
審査官 【審査官】杉山 悟史
参考文献・文献 特開2000-128097(JP,A)
実開昭62-008595(JP,U)
特開平07-041244(JP,A)
特開平10-078538(JP,A)
特開平11-291995(JP,A)
特開2004-098959(JP,A)
調査した分野 B64G 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
宇宙空間に展開される第1構造物と、
前記第1構造物から離隔可能な第2構造物と、
前記第1構造物と前記第2構造物とを連結するテープ状のテザーと、
前記第2構造物が前記第1構造物から離隔する際に展開される前記テープテザーが蛇腹状に折り畳まれて収容されるテープテザー収容部と、
を備えたことを特徴とする宇宙構造物。
【請求項2】
前記テープテザーの展開速度を調整するブレーキ機構、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の宇宙構造物。
【請求項3】
前記テープテザーの一部に設けられたたるみ部と、
前記たるみ部の両端部を連結する破断防止部であって、展開中の前記テープテザーに衝撃が発生した場合に破断して緩衝することにより前記テープテザーの破断を防止する前記破断防止部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の宇宙構造物。
【請求項4】
切り欠きが形成された前記破断防止部、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の宇宙構造物。
【請求項5】
前記第2構造物離隔時に繰り出された前記テープテザーの長さを計測するテザー繰り出し長さ計測装置、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の宇宙構造物。
【請求項6】
前記第2構造物離隔時に繰り出された前記テープテザーの張力を検出する張力検出装置、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の宇宙構造物。
【請求項7】
前記テープテザーの一端部が連結され、回転駆動時に前記テープテザーを巻き取るテザー巻き取り装置であって、前記第2構造物が離隔した状態で回転駆動して、前記テープテザーを巻き取り、前記第2構造物を前記第1構造物に接近させる前記テザー巻き取り装置、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の宇宙構造物。
【請求項8】
対向して配置された一対のテザー折り畳みアームを有し、
テープテザーが収容されるテープテザー収容部の内側に突出し且つ折り畳まれていない前記テープテザーに係合するテザー係合位置と、係合した前記テープテザーをテープテザー収容部の底部側に移動させて折り畳むテザー折り畳み位置と、前記テザー折り畳み位置から前記テープテザー収容部の外側に離脱したアーム離脱位置と、の間で、前記一対のテザー折り畳みアームを交互に移動させることにより、前記テープテザーを前記テープテザー収容部に蛇腹状に折り畳んで収容するテザー折り畳み装置、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の宇宙構造物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、人工衛星や太陽電池パネル、大気観測機、宇宙ステーション等で使用されるテザーを有する宇宙構造物に関し、特に、テープ状のテザーを使用する宇宙構造物に関する
【背景技術】
【0002】
人工衛星や太陽電池パネル等の宇宙構造物は、地球上で作製され、ロケット等の運搬装置を使用して宇宙空間に運搬している。しかし、ロケット等に積載可能なサイズや重量は限られているため、大型の宇宙構造物を建設、使用する場合には、搬送時には折り畳んで収容し、宇宙空間で展開したり、組み立てたりする必要がある。
このような、宇宙構造物において、運搬時の軽量化および宇宙空間における展開を容易にするための技術として、第1構造物と展開される第2構造物との間を、ケブラー(登録商標)等のアラミド繊維や、アルミを織り込んで作成された紐状、ワイヤー状のテザーで連結して収納し、宇宙空間で展開する技術が知られている。
【0003】
宇宙開発の技術分野において前記テザーを使用する技術として、下記の従来技術(J01),(J02)が公知である。
(J01)特許文献1(特開平11-291995号公報)記載の技術
特許文献1には、親衛星(第1構造物)とテザー人工衛星(第2構造物)との間をテザーで連結した宇宙構造物において、テザーを巻き取る巻取り型の展開装置(リール)により、テザーの長さを調節する技術が記載されている。
(J02)特許文献2(特開2000-128097号公報)記載の技術
特許文献2には、テザー衛星の子衛星が射出された時に、ドラム(巻取り型の展開装置)に巻き取られたテザーを繰り出す技術において、繰り出す位置にかかわらず、テザーを常にドラムの軸方向と直角の状態で繰り出す技術が記載されている。
【0004】

【特許文献1】特開平11-291995号公報(段落番号「0002」、第4図)
【特許文献2】特開2000-128097号公報(段落番号「0035」~「0036」、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術(J01)、(J02)に記載されているような紐状、ワイヤー状のテザーは、構造物の牽引や捕縛、導電性のテザーを利用して推力の得る等の利用が検討され、一部は実際に宇宙空間で実施されている。
しかし、前記従来技術(J01)、(J02)のような紐状のテザーは、収納、巻き取り、展開方法などで課題が多い。
例えば、回転する巻取り型の展開装置を使用するため、テザーを精確(精度良く且つ正確)に展開装置に巻き取っておかないと展開途中で紐状テザーが絡んで、展開できなくなる恐れがある。特に、前記テザーは、数km~数十kmになることもあるため、精確にリールに巻き取るには、時間と手間が非常にかかるという問題もある。
また、前記従来技術(J01)、(J02)では、展開装置や回転軸を精度良く作成しておかないと、展開装置が円滑に回転しなかったり、回転中に破損したりして、途中でテザーが展開できなくなる恐れもある。特に、テザーは、宇宙空間において短時間で非常に長い距離展開する必要がある(例えば、1kmのテザーを140秒程度で展開する)ので、展開装置は非常に高速で回転することになり、信頼性に課題が残る。
また、前記従来技術(J01)、(J02)では、展開装置の回転に伴い角運動量が発生するため、宇宙構造物の移動や姿勢制御等に影響が出やすくなる。また、巻取り型の展開装置では、後から展開される部分(巻き取られた内側部分)もまとめて回転しなければならず、この慣性力を維持するための力を考慮する必要がある。
【0006】
また、紐状のテザーでは、スペースデブリ(宇宙ゴミ、宇宙空間に滞留している人工衛星等の破片や粉塵)等の異物により切断され易いという課題がある。この課題を解決するための技術として、テープ状のテザーを使用することが検討されている。テープ状のテザーは、厚み方向では投影面積が少ないため異物の衝突確率が低く、幅方向では面積があるため、一部が切断されても残りの部分で繋がっているので耐切断性に優れている。また、テープテザーは紐状テザーに比べ、面により自由度が減少するため、宇宙空間における制御が容易になるという可能性もある。
しかし、前記テープテザーにおいて巻取り型の展開装置を使用すると、前記従来技術(J01)、(J02)と同様に、収納、巻き取り、展開方法で課題がある。また、巻取り型展開装置から繰り出すと、テープテザーが紐状テザーの場合と同様に捩れてしまう場合があり、巻取り型展開装置を使用しにくいといった問題もある。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑み、テザー展開時の信頼性を高めることを第1の技術的課題とする。
また、本発明は、テザーの切断に対する耐性を高めることを第2の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、本発明の宇宙構造物は、
宇宙空間に展開される第1構造物と、
前記第1構造物から離隔可能な第2構造物と、
前記第1構造物と前記第2構造物とを連結するテープ状のテザーと、
前記第2構造物が前記第1構造物から離隔する際に展開される前記テープテザーが蛇腹状に折り畳まれて収容されるテープテザー収容部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
(第1発明の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の宇宙構造物では、前記第1構造物から離隔可能な第2構造物と前記第1構造物とは、テープ状のテザーで連結されている。前記第2構造物が前記第1構造物から離隔する際に展開される前記テープテザーは、テープテザー収容部に蛇腹状に折り畳まれて収容される。
したがって、第1発明の宇宙構造物では、蛇腹状に折り畳まれたテープテザーは、展開時に折り畳まれた端から順に送り出されて展開される。したがって、巻取り型展開装置を使用する従来技術に比べ、展開装置(リール等)のような稼働部材が必要ない。この結果、テープテザー展開時に、稼働部材が故障したりテザーが絡まったりして展開でできなくなることを低減でき、信頼性を向上させることができる。また、巻取り型の展開装置の場合に問題となっていた、後から展開する部分を回転させるための慣性力や各運動量等を考慮する必要を無くすることができる。さらに、第1発明の宇宙構造物では、テープテザーを使用しているので、紐状のテザーを使用する従来技術に比べ、切断に対する耐性を高めることができる。
【0010】
(第1発明の形態1)
第1発明の形態1の宇宙構造物は、前記第1発明において、
前記テープテザーの展開速度を調整するブレーキ機構、を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態1の宇宙構造物では、ブレーキ機構により、テープテザーの展開速度を調整することができる。
【0011】
(第1発明の形態2)
第1発明の形態2の宇宙構造物は、前記第1発明または第1発明の形態1において、
前記テープテザーの一部に設けられたたるみ部と、
前記たるみ部の両端部を連結する破断防止部であって、展開中の前記テープテザーに衝撃が発生した場合に破断して緩衝することにより前記テープテザーの破断を防止する前記破断防止部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態2の宇宙構造物では、前記テープテザーの一部に設けられたたるみ部の両端部が、破断防止部により連結されている。したがって、展開中の前記テープテザーに衝撃が発生した場合に、前記破断防止部が破断して緩衝することにより前記テープテザーの破断を防止することができる。この結果、テープテザーを保護でき、テープテザーの切断に対する耐性を高めることができる。
【0013】
(第1発明の形態3)
第1発明の形態3の宇宙構造物は、前記第1発明の形態2において、
切り欠きが形成された前記破断防止部、を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態3の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態3の宇宙構造物では、前記破断防止部に切り欠きが形成されているので、破断防止部が優先的に破断し、テープテザーを保護することができる。
【0014】
(第1発明の形態4)
第1発明の形態4の宇宙構造物は、前記第1発明および第1発明の形態1~3のいずれかにおいて、
前記第2構造物離隔時に繰り出された前記テープテザーの長さを計測するテザー繰り出し長さ計測装置、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態4の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態4の宇宙構造物では、テザー繰り出し長さ計測装置によって、前記第2構造物離隔時に繰り出された前記テープテザーの長さを計測することができる。
【0015】
(第1発明の形態5)
第1発明の形態5の宇宙構造物は、前記第1発明および第1発明の形態1~4のいずれかにおいて、
前記第2構造物離隔時に繰り出された前記テープテザーの張力を検出する張力検出装置、を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態5の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態5の宇宙構造物では、張力検出装置によって、前記第2構造物離隔時に繰り出された前記テープテザーの張力を検出することができる。
【0016】
(第1発明の形態6)
第1発明の形態6の宇宙構造物は、前記第1発明および第1発明の形態1~5のいずれかにおいて、
前記テープテザーの一端部が連結され、回転駆動時に前記テープテザーを巻き取るテザー巻き取り装置であって、前記第2構造物が離隔した状態で回転駆動して、前記テープテザーを巻き取り、前記第2構造物を前記第1構造物に接近させる前記テザー巻き取り装置、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態6の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態6の宇宙構造物では、前記テープテザーの一端部が連結され、回転駆動時に前記テープテザーを巻き取るテザー巻き取り装置によって、前記第2構造物を前記第1構造物に接近させることができる。
【0017】
第1発明の形態7
第1の発明の形態7の宇宙構造物は、第1発明および第1発明の形態1~6のいずれかにおいて、
対向して配置された一対のテザー折り畳みアームを有し、
テープテザーが収容されるテープテザー収容部の内側に突出し且つ折り畳まれていない前記テープテザーに係合するテザー係合位置と、係合した前記テープテザーをテープテザー収容部の底部側に移動させて折り畳むテザー折り畳み位置と、前記テザー折り畳み位置から前記テープテザー収容部の外側に離脱したアーム離脱位置と、の間で、前記一対のテザー折り畳みアームを交互に移動させることにより、前記テープテザーを前記テープテザー収容部に蛇腹状に折り畳んで収容するテザー折り畳み装置、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
第1発明の形態7の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態7の宇宙構造物では、テザー折り畳み装置は、対向して配置された一対のテザー折り畳みアームを有する。前記テザー折り畳みアームは、テザー係合位置において、テープテザーが収容されるテープテザー収容部の内部に突出し且つ折り畳まれていない前記テープテザーに係合する。前記テザー折り畳みアームは、テザー折り畳み位置において、係合した前記テープテザーをテープテザー収容部の底部側に移動させて折り畳む。前記テザー折り畳みアームは、アーム離脱位置において、前記テザー折り畳み位置から前記テープテザー収容部の外部に離脱する。そして、前記一対のテザー折り畳みアームを、交互に、前記テザー係合位置と、テザー折り畳み位置と、アーム離脱位置との間で移動させることにより、前記テープテザーを前記テープテザー収容部に蛇腹状に折り畳んで収容する。
【0019】
したがって、第1発明の形態7の宇宙構造物では、テザー折り畳み装置によりテープテザーを蛇腹状に折り畳むことができ、蛇腹状に折り畳まれたテープテザーは、折り畳まれた端から順に送り出されて展開される。したがって、第1発明の形態7の宇宙構造物では、テザー折り畳み装置により折り畳まれたテープテザーを使用する場合、巻取り型の展開装置を使用する従来技術に比べ、稼働部材が必要ない。この結果、テープテザー展開時に、稼働部材が故障したりテザーが絡まったりして展開でできなくなることを低減でき、信頼性を向上させることができる。また、巻取り型の展開装置の場合に問題となっていた、後から展開する部分を回転させるための慣性力や各運動量等を考慮する必要を無くすることができる。さらに、第1発明の形態7の宇宙構造物では、テザー折り畳み装置により折り畳まれたテープテザーでは、テープテザーを使用しているので、紐状のテザーを使用する従来技術に比べ、切断に対する耐性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
前述の本発明は、テザー展開時の信頼性を高めることができる。
また、本発明は、テザーの切断に対する耐性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1のテザーを有する宇宙構造物の説明図である。
図2は、実施例1の宇宙構造物におけるテープテザー収容部の説明図である。
図1において、地上から宇宙空間に打ち上げられるロケット1の先端部には、本発明の実施例1の宇宙構造物2が支持されており、ロケット1により宇宙空間に運搬される。
図1,図2において、前記宇宙構造物2は、ベース(第1構造物)2aと、展開構造物(第2構造物)2bとを有する。前記ベース2aと展開構造物2bとの間には、射出バネ3が配置されている。前記射出バネ3の一端部はベース2aに固定支持され、他端部には展開構造物押出部材4が支持されており、射出バネ3により展開構造物2bは常時外方に付勢されている。前記展開構造物2bは、前記ベース2aにロック部材6により係止されており、ロック部材6が回動して係止が解除されると、前記射出バネ3の付勢力により展開構造物2bが外方に離脱する(射出される)ように構成されている。また、前記展開構造物2bには、推進装置(小型ロケット)7が支持されており、推進装置7作動時の推進力により離脱速度を高めるように構成されている。
【0023】
図3は、実施例1の宇宙構造物の要部拡大説明図であり、図3Aは破断防止部の説明図図3Bはブレーキ装置の拡大説明図、図3Cはテザー繰り出し長さ計測装置の説明図である。
図2において、前記展開構造物2bのベース2a側には、テープ状のテザー11の一端が固定されている。図3Aにおいて、前記テープテザー11の一端側には、弛まされたたるみ部11aが設けられており、たるみ部11aの両端を短絡するように破断防止部11bが連結されている。前記破断防止部11bには、切り欠き11cが形成されている。
前記テープテザー11は、テザー繰り出し口12を通じて、ベース2aの内部に形成されたテープテザー収容部13に延びている。前記テープテザー収容部13には、テザー繰り出し口12側から順に、ブレーキ収容部16、センサ収容部17、テザー収容室18および巻き取り装置収容室19が設けられている。
【0024】
図2,図3Bにおいて、前記ブレーキ収容室16には、テープテザー11の繰り出し速度(展開速度)を調整可能なブレーキ装置(ブレーキ機構)21が配置されている。前記ブレーキ装置21は、テープテザー11に対して接近離隔可能な摩擦パッド21aと、前記摩擦パッド21aに対してテープテザー11の厚み方向反対側に配置された固定パッド21bとを有し、前記摩擦パッド21aによりテープテザー11を固定パッド21bに押付けることによって、摩擦力によりブレーキをかける。
前記センサ収容部17には、光センサ22が配置されている。図3Cにおいて、前記光センサ22は、検査光を出射する発光部22aと、テープテザー11表面で反射した検査光を受光する受光部22bとを有する。前記光センサ22には、マイクロコンピュータにより構成されたコントローラCが接続されている。図3Cに示すように、テープテザー11には、あらかじめ設定された間隔を空けて、検査光の反射率が異なる帯部11dが形成されており、前記光センサ22による帯部11dの検出結果(検出回数)に応じて、前記コントローラCが繰り出したテープテザー11の長さを計測する。前記光センサ22、コントローラC等によりテザー繰り出し長さ計測装置24が構成されている。
【0025】
図2において、前記テザー収容室18には、テープテザー11が蛇腹状に折り畳まれて収容されている。
前記巻き取り装置収容室19には、リール状のテザー巻き取り装置26が収容されている。前記テザー巻き取り装置26には、テープテザー11の他端が固定支持されている。前記テザー巻き取り装置26は、図示しないテザー巻き取りモータを有しており、モータ駆動時にテープテザー11を巻き取り可能に構成されている。なお、前記テザー巻取り装置26には、ブレーキ装置(図示せず)が内蔵されている。
【0026】
(テザー折り畳み装置の説明)
図4は実施例1の宇宙構造物で使用されるテープテザーをテザー収容室に折り畳むテザー折り畳み装置の斜視説明図である。
図5は実施例1のテザー折り畳み装置の折り畳み順の説明図であり、図5Aはテザー折り畳み位置に移動した状態の説明図、図5Bはアーム離脱位置に移動した状態の説明図、図5Cは上方回動位置に移動した状態の説明図、図5Dはテザー係合位置に移動した状態の説明図、図5Eは再びテザー折り畳み位置に移動した状態の説明図である。
図4、図5において、実施例1のテザー収容室18にテープテザー11を蛇腹状に折り畳むテザー折り畳み装置31は、一対のテザー折り畳みアーム32を有する。図4において、前記テザー折り畳みアーム32の外側下面には、内部に長孔(被ガイド孔)33aが形成された被ガイド部33が固定支持されている。前記被ガイド部33は、回動台34上にスライド移動可能に支持されており、前記長孔33aには回動台34に支持されたガイドバー34aが貫通している。前記被ガイド部33の外端面には回動台34に支持されたソレノイドSLのプランチャSL1が連結されている。また、前記回動台34にはバネ支持部34bが形成されており、前記バネ支持部34bと被ガイド部33の外端面との間にはテザー折り畳みアーム32をテザー収容室18側に付勢するスプリングSpが支持されている。
【0027】
前記回動台34には回動軸34cが固定されており、前記回動軸34cは図示しない軸受を介してベース36に回動可能に支持されている。前記回動軸34cの一端部には被駆動ギアG1が固定支持されており、前記被駆動ギアG1には、駆動ギアG2が噛合っている。前記駆動ギアG2は、ベース36に支持された回動用モータ37のモータ軸37aに固定支持されている。前記ベース36の背面には一対のベース移動ベルト38が連結されており、ベース移動ベルト38の回転に伴いベース移動ベルト38が上下動可能に構成されている。
図5において、前記テザー収容室18の底部材39は、図示しないリフト装置により上下動可能に構成されており、テープテザー11の折り畳み量に応じて下方に移動する。
【0028】
したがって、前記テザー折り畳み装置31でテープテザーを折り畳む場合、先ず、図5Aに示すテザー折り畳み位置から、下側のテザー折り畳みアーム32に連結されたソレノイドSLを作動させる。前記ソレノイドSLの作動により、テザー折り畳みアーム32が外側に移動し、テープテザー11から離脱したアーム離脱位置(図5B参照)に移動する。このとき、他方のテザー折り畳みアーム32′側の回動用モータ37′を作動させて、テープテザー11に係合しているテザー折り畳みアーム32′を下方に移動させ、テープテザー11を押さえる。
次に、図5Bに示すアーム離脱位置から、回動用モータ37を正回転させて、テザー折り畳みアーム32の先端を上方に回動させると共に、ベース移動ベルト38を作動させて他方のテザー折り畳みアーム32′よりも上方に移動した上方回動位置(図5C参照)に移動させる。
【0029】
次に、図5Cに示す上方回動位置において、ソレノイドSLをオフにして、スプリングSpのバネ力によりテザー折り畳みアーム32の先端をテザー収容室18内部に突出させ、テープテザー11に係合するテザー係合位置(図5D参照)に移動させる。
次に、テザー係合位置から、回動用モータ37を逆回転させて、テザー折り畳みアーム32を下方に回動させることにより、係合したテープテザー11をテザー収容室18の底部39側に移動させて折り畳むテザー折り畳み位置に移動させる。
前記一連の工程を一対のテザー折り畳みアーム32,32′で交互に繰り返すことによりテープテザー11を蛇腹状に折り畳むことができる。
【0030】
(実施例1の作用)
図6は実施例1の作用説明図であり、図6Aは展開構造物射出前の状態の説明図、図6Bは展開構造物射出直後の説明図、図6Cは展開構造物の射出が完了直前の状態の説明図、図6Dは展開構造物を回収する状態の作用説明図である。
図6において、前記構成を備えた実施例1の宇宙構造物としての宇宙構造物2では、宇宙空間でロック6が解除されると、射出バネ3により展開構造物2bが射出され、推進装置7により高速で展開する(図6B参照)。前記展開構造物2bの展開に伴い、蛇腹状に折り畳まれたテープテザー11は解かれるように展開する。前記テザー繰り出し長さ計測装置24は、繰り出されたテープテザー11の長さをリアルタイムで計測する。
【0031】
図6Cにおいて、テープテザー11が所定の長さ繰り出されると、ブレーキ装置21が作動し、展開構造物2bの移動速度を減速する。前記展開構造物2bが減速すると、減速の程度に応じてテープテザー11に張力(衝撃)が作用する。しかし、実施例1のテープテザー11では、切り欠き11cが形成されているために破断しやすい破断防止部11bが優先的に破断し、テープテザー11本体の破断が防止される。また、破断防止部11bの破断時に作用する緩衝力により、テープテザー11の展開速度、すなわち、展開構造物2bの移動速度を減速することもできる。
図6Dにおいて、前記展開構造物2bを回収する場合には、テザー巻き取り装置26が作動し、テープテザー11が巻き取られ、展開構造物2bがベース2aに接近し、回収される。
【0032】
したがって、前記実施例1の宇宙構造物2では、テープテザー11が折り畳まれて収納されており、テープテザーを展開させるための稼働部材、すなわち、回転するリール等の回転部材(巻取り型展開装置)が配置されていない。したがって、巻取り型展開装置を使用した場合に発生する恐れのある、展開構造物2bの移動速度よりもテザーが繰り出される速度が速くなるバックラッシュによりテザーが絡まることが防止される。この結果、実施例1の宇宙構造物2では、回転する展開装置の故障やテープテザー11の絡まりが発生しないので、テープテザー11を確実に展開でき、信頼性が向上する。また、巻取り型の展開装置の場合に問題となっていた、後から展開する部分を回転させるための慣性力を考慮する必要を無くすることができる。また、回転部材が無いので、展開時に角運動が発生せず、位置制御や姿勢制御に対する影響を低減できる。また、巻取り型展開装置を使用する従来技術では、テープテザーを収容するために円板状の空間が必要となり、空間の形状が限定され、自由度が小さかったが、テープテザーを蛇腹状に折り畳む際の折り畳み1回分の長さを調整することにより、テープテザー11を収容する空間をある程度自由に調節でき、自由度を高めることができる。
【0033】
さらに、実施例1の宇宙構造物2では、テープテザー11を使用しているので、紐状のテザーに比べ、耐切断性が高くなっている。その上、破断防止部11bが設けられているので、展開時の破断(切断)に対する耐性も高められている。また、テープテザー11を導電性材料で構成した場合、紐状テザーに比べ表面積が広く、集電効果が高いので、テザーを利用して高い推進力を得ることができる。なお、テザーを利用して推進力を得る技術は、従来公知(例えば、特開2004-98959号公報等参照)であるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
また、実施例1の宇宙構造物2では、テザー繰り出し長さ計測装置24により繰り出されたテープテザー11の長さ、すなわち、ベース2aと展開構造物2bとの距離を計測できる。また、繰り出されたテープテザー11の長さに応じて、テープテザー11が全て展開されたと判断することができ、ブレーキ装置21により適切なタイミングでブレーキをかけることもできる。なお、ブレーキを内蔵したテザー巻取り装置26は、展開時に巻取り方向と逆回転方向に力を受けるため、テザー巻取り装置26がブレーキとして作用する。
さらに、実施例1の宇宙構造物2では、テザー巻き取り装置26が設けられているので、展開構造物2bを回収する場合に、テザー巻き取り装置26を作動させてテープテザー11を巻き取って展開構造物2bをベース2a側に引き寄せることもできる。
また、実施例1では、テザー折り畳み装置31により自動的にテープテザー11を蛇腹状に折り畳むことができるので、容易にテープテザー11を折り畳むことができる。
【0035】
(実施例1の変更例)
次に、前記実施例1の変更例を説明する。
(実施例1の変更例1)
図7は実施例1のブレーキ機構の変更例の説明図であり、図7Aは変更例1の説明図、図7Bは変更例2の説明図である。
図7Aにおいて、実施例1の変更例1では、テザー収容室18に折り畳んで収容されたテープテザー11のテザー巻き取り装置26側の部分において、折り畳まれた隣接するテザー11どうしが複数の破断減速部材(ブレーキ機構)41により連結されている。前記破断減速部材41は、前記破断防止部11bと同様に構成されており、蛇腹状に折り畳まれたテープテザー11が展開する際に破断する。したがって、破断減速部材41の破断時に生じる力により、テープテザー11の展開速度、すなわち、展開構造物2bの移動速度を減速することができる。
(実施例1の変更例2)
図7Bにおいて、実施例1の変更例2では、ブレーキ装置(ブレーキ機構)21′はテープテザー11を両側から挟み込む一対の摩擦パッド21a′を有している。したがって、実施例1のブレーキ装置21と同様の作用効果を有する。
【0036】
(実施例1の変更例3)
図8は実施例1の変更例3の破断防止部の説明図である。
図8において、実施例1の変更例3では、たるみ部11aに対して、破断防止部11bが二重に設けられており、2重の破断防止部11bによりたるみ部11a、すなわちテープテザー11本体が破断しないように保護されている。なお、実施例1では、前記破断防止部11bを展開構造物2bの連結部近傍に配置したが、これに限定されず、テープテザー11の任意の場所に配置することが可能である。
【0037】
(実施例1の変更例4)
図9は実施例1の変更例4の説明図であり、図9Aは図2に対応するテープテザー収容部の説明図、図9Bはエンコーダ装置の説明図である。
図9において、実施例1の変更例4では、光センサ22と帯部11dとにより構成されたテザー繰り出し長さ計測装置24に替えて、テザー巻き取り装置26の回転軸26aの端部にテザー繰り出し長さ計測装置としてのエンコーダ装置Ec(図9B参照)が設けられている。前記エンコーダ装置(テザー繰り出し長さ計測装置)Ecは、回転軸26aに固定された円板Ec1と、光センサEc2とを有する。前記円板Ec1には、等間隔に放射状のスリットEc1aが形成されている。前記光センサEc2は、前記スリットEc1aを通過またはスリットEc1aの間で遮光される検査光を出射する発光部Ec2aと、検査光を受光する受光部Ec2bとを有する。
【0038】
実施例1の変更例4では、テザー巻き取り装置26に予め数周分のテープテザー11が巻き取られており、テープテザー11展開時に、折り畳まれた部分が全て展開されると、テープテザー11に巻き取られていたテープテザー11が展開され始める。このとき、テザー巻き取り装置26の回転に伴い円板Ec1が回転し、光センサEc2によりテザー巻き取り装置26の回転を検出できる。このとき、光センサEc2の検査光の検出間隔、すなわち、スリットEc1aが検査光の位置を通過する間隔に応じて、テザー巻き取り装置26の回転速度が検出され、テープテザー11の展開速度が検出できる。また、同時に、スリットEc1aを検出した回数に基づいて、テザー巻き取り装置26の回転角度が検出でき、繰り出されたテープテザー11の長さも検出することができる。この結果、エンコーダ装置Ecにより、テザー繰り出し長さと展開速度を検出でき、適切なタイミングおよび強さでブレーキをかけることができる。また、巻き取られていたテープテザー11が展開する際には、テザー巻取り装置26の巻き取り用のモータ自体もブレーキとして作用する。
【0039】
(実施例1の変更例5)
図10は実施例1の変更例5の説明図であり、テザー繰り出し長さ計測装置の変更例の説明図である。
図10において、実施例1の変更例5では、テザー繰り出し長さ計測装置24に替えて、テザー収容室18内には、蛇腹状に折り畳まれたテープテザー11の繰出し方向に沿って、ラインセンサ(テザー繰り出し長さ計測装置)42が配置されている。前記ラインセンサ42は、線上にセンサが多数配置されており、多数のセンサの出力に基づいて折り畳まれたテープテザー11の折り畳み数をカウントする。したがって、折り畳まれたテープテザー11の折り畳み数をカウントすることにより、展開され、繰り出されたテープテザー11の長さを計測できる。
【0040】
(実施例1の変更例6)
図11は実施例1の変更例6の説明図であり、図11Aはテザー展開前の説明図、図11Bはテザー展開後の説明図である。
図11において、実施例1の変更例6では、テザー繰り出し口12の近傍に張力を検出する張力検出装置43が配置されている。前記張力検出装置43は、テープテザー11の一面に接触するテザー接触部43aと、回転中心43bを中心として回転可能な回動アーム43cと、前記回動アーム43cの回転中心43bに支持されてテザー接触部43aを上方に付勢するねじりバネ43dとを有する。そして、テープテザー11の展開前や展開中で、テープテザー11に作用する張力が弱い状態では、ねじりバネ43dによりテザー接触部43aが図11Aに示す通常位置に保持される。
【0041】
前記展開構造物2bが射出されて、テープテザー11が全て展開された時やブレーキ装置21が作動した時にはテープテザー11に張力が作用し、ねじりバネ43dのバネ力に抗して回動アーム43cが図11Bに示す張力作用位置に移動する。このときの回動アーム43cの回転量やねじりバネ43dに作用する力を計測することによりテープテザー11に作用する張力を検出することができる。なお、前記回転量や力は従来公知の種々の装置により計測可能であり、例えば、前記回転量は、前記エンコーダ装置Ecを使用して計測することができ、ねじりバネ43dに作用する力は、例えば、ねじりバネ43dの端部に圧力計や歪みゲージ等を配置することで計測できる。
前記張力を検出することにより、ブレーキ装置21によるブレーキの強さを調整して、テープテザー11の破断を効率よく防止することができる。また、テープテザー11が全て展開し終わったことを検出することもできる。
【0042】
(実施例1の変更例7、8)
図12は実施例1の変更例の折り畳み方法の説明図であり、図12Aは変更例7の説明図、図12Bは変更例8の説明図である。
図12Aにおいて、実施例1の変更例7では、テープテザー収容部13が3つの部屋13a~13cに仕切られている。実施例1の変更例7のテープテザー11は、テザー繰り出し口12から最も遠い部屋13aにテープテザーの一端が固定支持されている。前記部屋13aにテープテザー11は蛇腹状に折り畳まれて収容され、次に部屋13bで蛇腹状に折り畳まれて収容され、最後に部屋13cで蛇腹状に折り畳まれて収容され、他端側がテザー繰り出し口12に伸びている。したがって、テープテザー収容部13の形状を任意に変更することができる。
図12Bにおいて、実施例1の変更例8では、テープテザー11がテープ幅方向にずれる蛇腹状に折り畳まれている。したがって、実施例1の変更例8のように折り畳むことにより、テープテザー収容部13の形状を任意に変更することができる。
なお、前記実施例1や実施例1の変更例7、8では、二次元的なテープテザー11の折り畳み収納方法を示したが、三次元的、例えば、折り畳みの方向を90°ずらしてマトリックス状(格子状)に積み重ねて格納することもできる。さらにこれらを組み合わせることによりテープテザー収納部13の形状を任意に設計でき、テープテザー収納部13が長大になったり幅が大きくなったりすることを防止できる。
【0043】
(その他の変更例)
以上、本発明の実施例および変更例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明のその他の変更例(H01)~(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、テザー繰り出し長さ計測装置24の光センサとして、反射型の光センサ22を使用したが、これに限定されず、テープテザー11または帯部11dを透明部材で構成することにより、透過型の光センサを使用することも可能である。また、光を使用せず、電磁波を使用して検出することも可能である。さらに、帯部11dを読取った回数に基づいて、テザー繰り出し長さを計測したが、これに限定されず、テープテザー11に画像(例えば、数字や文字あるいは識別用のバーコード等)を印刷等しておき、画像の読取結果に応じて、繰り出し長さを計測することも可能である。なお、繰り出し長さを計測する必要がなければ、テザー繰り出し長さ計測装置を省略することも可能である。
【0044】
(H02)前記実施例において、展開構造物2bを展開するだけで、回収する必要がなければ、テザー巻き取り装置26を省略することも可能である。
(H03)前記実施例において、破断防止部11bに切り欠き11cを形成したが、省略することも可能である。なお、切り欠き11cを省略した場合、破断防止部11bがテープテザー本体(たるみ部11a)よりも優先的に破断するように、破断強さの弱い材料により構成することが望ましい。なお、テープテザー11が十分な破断強さを有する場合、破断防止部11bを省略することも可能である。逆に、前記破断防止部11bとして、ゴムやバネのような破断せずに伸縮や変形により衝撃を緩衝する部材を使用することも可能である。
(H04)前記実施例において、展開構造物2bを射出するために、射出バネ3と推進装置7を設けたが、いずれか一方とすることも可能であり、これ以外の射出方法、例えば、レール上を走行させてベース2aから展開構造物2bを射出する等の任意の構成を採用することも可能である。また、ロック部材6として、爆発ボルト(内蔵された火薬等の発火により分割するボルト)を使用することも可能である。
【0045】
(H05)前記実施例において、展開構造物2bの移動速度があまり速くない場合やテープテザー11の強度が十分確保されている場合等では、ブレーキ装置21を省略することも可能である。なお、ブレーキ装置として、移動速度を低減するための逆噴射装置を展開構造物2bに設けることも可能である。
(H06)前記実施例において、宇宙構造物としては、ベース(第1構造物)と展開構造物(第2構造物)とをテザーで連結する場合や、宇宙船(第1構造物)と観測機器(第2構造物)とをテザーで連結する場合、衛星(第1構造物)と太陽電池パネル(第2構造物)とをテザーで連結する場合、宇宙ステーション(第1構造物、第2構造物)等の大型構造物どうしをテザーで連結する場合等、テザーで連結される任意の宇宙構造物に適用可能である。
(H07)前記実施例において、ベース2aに対して1つの展開構造物2bがある場合を例示したが、これに限定されず、1つのベース2a(第1構造物)に対して、複数の展開構造物2b(第2構造物)がテザーで連結される場合にも適用可能である。また、親衛星(ベース)にテザーで連結された子衛星(展開構造物)に、さらに孫衛星(展開構造物)がテザーで連結されるような場合にも適用可能である。
【0046】
(H08)前記実施例において、テープテザー収容部13、特にテザー収容室18がベース2a内部に設けられたが、テープテザー11が蛇腹状に折り畳まれて収容されるテープテザー収容部13を展開構造物側に設けることも可能である。したがって、ブレーキ装置21や繰り出し長さ計測装置24、テザー巻き取り装置26をベース2aに配置し、テザー収容室18を展開構造物2b内部に設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明の実施例1のテザーを有する宇宙構造物の説明図である。
【図2】図2は、実施例1の宇宙構造物におけるテープテザー収容部の説明図である。
【図3】図3は、実施例1の宇宙構造物の要部拡大説明図であり、図3Aは破断防止部の説明図図3Bはブレーキ装置の拡大説明図、図3Cはテザー繰り出し長さ計測装置の説明図である。
【図4】図4は実施例1の宇宙構造物で使用されるテープテザーをテザー収容室に折り畳むテザー折り畳み装置の斜視説明図である。
【図5】図5は実施例1のテザー折り畳み装置の折り畳み順の説明図であり、図5Aはテザー折り畳み位置に移動した状態の説明図、図5Bはアーム離脱位置に移動した状態の説明図、図5Cは上方回動位置に移動した状態の説明図、図5Dはテザー係合位置に移動した状態の説明図、図5Eは再びテザー折り畳み位置に移動した状態の説明図である。
【図6】図6は実施例1の作用説明図であり、図6Aは展開構造物射出前の状態の説明図、図6Bは展開構造物射出直後の説明図、図6Cは展開構造物の射出が完了直前の状態の説明図、図6Dは展開構造物を回収する状態の作用説明図である。
【図7】図7は実施例1のブレーキ機構の変更例の説明図であり、図7Aは変更例1の説明図、図7Bは変更例2の説明図である。
【図8】図8は実施例1の変更例3の破断防止部の説明図である。
【図9】図9は実施例1の変更例4の説明図であり、図9Aは図2に対応するテープテザー収容部の説明図、図9Bはエンコーダ装置の説明図である。
【図10】図10は実施例1の変更例5の説明図であり、テザー繰り出し長さ計測装置の変更例の説明図である。
【図11】図11は実施例1の変更例6の説明図であり、図11Aはテザー展開前の説明図、図11Bはテザー展開後の説明図である。
【図12】図12は実施例1の変更例の折り畳み方法の説明図であり、図12Aは変更例7の説明図、図12Bは変更例8の説明図である。
【符号の説明】
【0048】
2…宇宙構造物
2a…第1構造物、
2b…第2構造物、
11…テープテザー、
11a…たるみ部、
11b…破断防止部、
11c…切り欠き、
13…テープテザー収容部と、
21,21′,41…ブレーキ機構、
24,Ec,42…テザー繰り出し長さ計測装置、
26…テザー巻き取り装置、
31…テザー折り畳み装置、
32…テザー折り畳みアーム、
43…張力検出装置。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11