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明細書 :身体状態判定システム及び運動状態判定システム並びにこれらシステムを備える移動台車

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4665173号 (P4665173)
公開番号 特開2007-202924 (P2007-202924A)
登録日 平成23年1月21日(2011.1.21)
発行日 平成23年4月6日(2011.4.6)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
発明の名称または考案の名称 身体状態判定システム及び運動状態判定システム並びにこれらシステムを備える移動台車
国際特許分類 A61H   3/04        (2006.01)
B62B   5/04        (2006.01)
A61G   5/04        (2006.01)
B60T   8/18        (2006.01)
FI A61H 3/04
B62B 5/04 A
A61G 5/04 503
B60T 8/18
請求項の数または発明の数 13
全頁数 26
出願番号 特願2006-027795 (P2006-027795)
出願日 平成18年2月3日(2006.2.3)
審査請求日 平成20年7月7日(2008.7.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】平田 泰久
【氏名】小菅 一弘
個別代理人の代理人 【識別番号】100082337、【弁理士】、【氏名又は名称】近島 一夫
審査官 【審査官】岩田 洋一
参考文献・文献 特開2005-080856(JP,A)
特開2001-238982(JP,A)
特開2001-170119(JP,A)
国際公開第98/041182(WO,A1)
特開2003-047635(JP,A)
特開2000-024061(JP,A)
特開2005-342306(JP,A)
特開2005-013305(JP,A)
調査した分野 A61H 3/04
A61G 5/04
B60T 8/18
B62B 5/04
特許請求の範囲 【請求項1】
使用者の意思に応じて移動し得る移動体に設置される身体状態判定システムにあって、
前記使用者の位置と前記移動体の位置との相対位置を検知する相対位置検知手段と、
前記相対位置検知手段の検知結果に基づき前記相対位置の分布状態を判定する相対位置分布判定手段と、
予め身体状態別に相対位置の分布モデルが記録された身体状態データベースと、
前記相対位置分布判定手段の判定結果と前記身体状態データベースとを比較参照し、前記使用者の身体状態を判定する身体状態判定手段と、
を備えたことを特徴とする身体状態判定システム。
【請求項2】
前記身体状態データベースは、体格別の前記相対位置の分布モデルが記録されてなり、
前記身体状態判定手段は、前記使用者の体格を判定してなる、
請求項1に記載の身体状態判定システム。
【請求項3】
前記身体状態データベースは、身体における障害部位別の前記相対位置の分布モデルが記録されてなり、
前記身体状態判定手段は、前記使用者の障害部位を判定してなる、
請求項1または2に記載の身体状態判定システム。
【請求項4】
前記相対位置検知手段は、使用者の両足位置をそれぞれ検出する検出センサと、該検出センサにより検出された両足位置の中点を演算する中点演算手段と、を有し、該中点演算手段により演算された前記中点を前記相対位置として検知してなる、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の身体状態判定システム。
【請求項5】
使用者の意思に応じて移動し得る移動体に設置される運動状態判定システムにあって、
前記使用者の位置と該移動体の位置との相対位置を検知する相対位置検知手段と、
前記移動体の移動速度を検出する移動体速度検出手段と、
前記相対位置検知手段の検知結果と前記移動体速度検出手段の検出結果とに基づき、前記使用者の移動速度を判定する使用者速度判定手段と、
予め運動状態別に前記相対位置の範囲が記録された運動状態データベースと、
前記移動体の移動速度、前記使用者の移動速度、及び前記相対位置検知手段の検知結果と前記運動状態データベースとの比較結果に基づき、前記使用者の運動状態を判定する運動状態判定手段と、
を備えたことを特徴とする運動状態判定システム。
【請求項6】
前記運動状態データベースは、歩行状態の相対位置範囲、停止状態の相対位置範囲、及び異常状態の相対位置範囲が記録されてなり、
前記運動状態判定手段は、前記使用者の運動状態として、少なくとも前記歩行状態、前記停止状態、及び前記異常状態を判定してなる、
請求項5に記載の運動状態判定システム。
【請求項7】
前記相対位置検知手段は、使用者の両足位置をそれぞれ検出する検出センサと、該検出センサにより検出された両足位置の中点を演算する中点演算手段と、を有し、該中点演算手段により演算された前記中点を前記相対位置としてなる、
請求項5または6に記載の運動状態判定システム。
【請求項8】
前記相対位置検知手段は、前記使用者の上半身位置を検知する上半身位置検知手段を有し、
前記運動状態判定手段は、前記上半身位置検知手段により検知された前記上半身位置と、前記相対位置検知手段により検知された前記両足位置の中点とに基づき、前記使用者の運動状態として、少なくとも着座状態,起立状態及びそれらの中間状態を判定してなる、
請求項7に記載の運動状態判定システム。
【請求項9】
使用者の身体の一部と連結し得る連結部と、使用者の歩行移動に合せて転動し得る車輪とを有する移動台と、前記車輪による前記移動台の移動を制御し得る移動制御手段と、を備えた移動台車であって、
前記移動台を前記移動体として、前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載の身体状態判定システムと、前記請求項5ないし8のいずれか1項に記載の運動状態判定システムと、を具備し、
前記身体状態判定手段により判定された前記使用者の身体状態と、前記運動状態判定手段により判定された前記使用者の運動状態と、に応じて、前記移動制御手段を制御するための各種機能の稼動状態を切替える機能切替制御手段を備えた、
ことを特徴とする移動台車。
【請求項10】
前記移動制御手段は、前記車輪を制動するブレーキであり、
パッシブ型として構成されてなる、
請求項9に記載の移動台車。
【請求項11】
前記機能切替制御手段は、前記身体状態判定手段により判定された前記使用者の判定状態に基づいてリハビリテーション機能を稼動してなり、
前記移動制御手段は、前記リハビリテーション機能に基づき前記移動台の移動を制御してなり、
前記使用者の歩行状態を正常な歩行状態に矯正するためのリハビリテーション器具として用いられてなる、
請求項9または10に記載の移動台車。
【請求項12】
相対位置検知手段により検知された前記相対位置を随時記録する相対位置記録手段と、
前記相対位置記録手段により記録された複数の前記相対位置の時系列的な変化に基づき、身体状態変化を判定する身体状態変化判定手段と、
前記身体状態変化判定手段により判定された前記身体状態変化を前記移動制御手段による前記移動台の移動の制御に反映させる身体変化反映手段と、を備えてなる、
請求項9ないし11のいずれか1項に記載の移動台車。
【請求項13】
相対位置検知手段により検知された前記相対位置を随時記録する相対位置記録手段と、
前記相対位置記録手段により記録された複数の前記相対位置の時系列的な変化に基づき、環境状態変化を判定する環境状態変化判定手段と、
前記環境状態変化判定手段により判定された前記環境状態変化を前記移動制御手段による前記移動台の移動の制御に反映させる環境変化反映手段と、を備えてなる、
請求項9ないし12のいずれか1項に記載の移動台車。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、知的歩行支援機、パワーアシスト台車、支援型ストレッチャなどの移動台車、及びそれに搭載される判定システムに係り、詳しくは、使用者の身体状態を判定する身体状態判定システム、及び使用者の運動状態を判定する運動状態判定システム、及びそれらシステムを備えて、各種機能の稼動状態を切換える移動台車に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の高齢化が急速に進む中、加齢に伴う筋力の衰えや、転倒による怪我、身体能力の低下などにより、日常生活において走行機能が低下した高齢者が増えつつある。
【0003】
これに伴い、人の移動を支援する機器の開発が盛んに進められており、特に、ロボット技術を適用した知的移動台車1などが提案されている((例えば特許文献1、非特許文献1、2、3参照)。また、病院内や工場内にて重量物の搬送等を目的とした知的能力を有する移動台車等の研究も数多く行われている(非特許文献4、5参照)。
【0004】

【特許文献1】特開2003-145485号公報
【非特許文献1】M.Fujie、Y.Nemoto、S.Egawa、A.Sakai、S.Hattori、A.Koseki、T.Ishii、“Power Assisted Walking Support and Walk Rehabilitation”、Proc.of 1st International Workshop on Humanoid and Human Friendly Robotics、1998.学会創立20周年記念学術講演会、3L34、2002。
【非特許文献2】王、河田、井上、CHEN、甲斐、石田、山本、木村、土谷、“転倒防止できる全方向移動型歩行訓練機”、日本ロボット学会創立20周年記念学術講演会、3L34、2002。
【非特許文献3】J.Manual、H.wadosell、B.Graf、”Non-Holonomic Navigation System of aWalking-Aid Robot”、Proc.of IEEE Workshop on Robot and Human InteractiveCommunication、pp.518-523、2002.
【非特許文献4】T.Hatsukari、N. Miyake、” Stability Evaluation of PowerAssist Transport System for Hospital Beds - Effect of Locations of Driving Wheels on Performance -”、Proc. of 36th InternationalSymposium on Robotics、TH114、pp. 1-5、2005.
【非特許文献5】藤原、北野、山下、・前田、福永、” 全方向移動型パワーアシストカートの操作性向上”、日本ロボット学会誌、Vol.22、No.2、pp. 75-81、2004.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような使用者のために運動を生成する移動台車の開発では、可変運動特性制御、転倒防止制御、障害物・段差回避制御、軌道追従制御、重力補償制御などの様々な機能を実現する制御系が提案されているが、多機能な移動台車を一般的な環境で用いることを考慮すると、高齢者をはじめシステムに関して深い知識がない使用者でも、その操作方法を意識することなく使用できることが重要となる。
【0006】
しかし、上記制御系による移動台車では、個々の制御を実現するためになされており、複数の機能を効果的に切換え、複雑な操作などを必要とせず直感的に移動台車を操作する手法についてはほとんど検討されていない。そのため、移動台車を利用する者はシステムに関する知識と操作方法を習得する必要があり、特に高齢者には扱いにくいものである。
【0007】
そこで、本発明は、使用者の身体状態を判定することが可能な身体状態判定システムを提供することを第1の目的とするものである。
【0008】
また、本発明は、使用者の運動状態を判定することが可能な運動状態判定システムを提供することを第2の目的とするものである。
【0009】
さらに、本発明は、身体状態判定システム及び運動状態判定システムの判定結果に基づいて、各種機能の稼動状態を切換え、使用者の意思に近い移動制御を可能とする移動台車を提供することを第3の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、使用者の意思に応じて移動し得る移動体(例えば1)に設置される身体状態判定システム(20)にあって、
前記使用者の位置と前記移動体の位置との相対位置()を検知する相対位置検知手段(10R、10L、21a、21)と、
前記相対位置検知手段(10R、10L、21a、21)の検知結果に基づき前記相対位置の分布状態を判定する相対位置分布判定手段(22)と、
予め身体状態別に相対位置の分布モデル(例えば図9)が記録された身体状態データベース(24)と、
前記相対位置分布判定手段(22)の判定結果と前記身体状態データベース(24)とを比較参照し、前記使用者の身体状態を判定する身体状態判定手段(23)と、
を備えたことを特徴とする身体状態判定システム(20)にある。
【0011】
請求項2に係る本発明は、前記身体状態データベース(24)は、体格別の前記相対位置の分布モデル(25)が記録されてなり、
前記身体状態判定手段(23)は、前記使用者の体格を判定してなる、
請求項1に記載の身体状態判定システム(20)にある。
【0012】
請求項3に係る本発明は、前記身体状態データベース(20)は、身体における障害部位別の前記相対位置の分布モデル(26)が記録されてなり、
前記身体状態判定手段(23)は、前記使用者の障害部位を判定してなる、
請求項1または2に記載の身体状態判定システム(20)にある。
【0013】
請求項4に係る本発明は、前記相対位置検知手段は、使用者の両足位置をそれぞれ検出する検出センサ(10R、10L)と、該検出センサ(10R、10L)により検出された両足位置の中点を演算する中点演算手段(21a)と、を有し、該中点演算手段(21a)により演算された前記中点()を前記相対位置として検知してなる、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の身体状態判定システム(20)にある。
【0014】
請求項5に係る本発明は、使用者の意思に応じて移動し得る移動体(1)に設置される運動状態判定システム(30)にあって、
前記使用者の位置()と該移動体の位置との相対位置を検知する相対位置検知手段(10R、10L、21a、21)と、
前記移動体の移動速度(dx/dt、dy/dt)を検出する移動体速度検出手段(3d)と、
前記相対位置検知手段(10R、10L、21a、21)の検知結果と前記移動体速度検出手段(3d)の検出結果とに基づき、前記使用者の移動速度(dx/dt、dy/dt)を判定する使用者速度判定手段(32)と、
予め運動状態別に前記相対位置の範囲(35)が記録された運動状態データベース(33)と、
前記移動体(1)の移動速度(dx/dt、dy/dt)、前記使用者の移動速度(dx/dt、dy/dt)、及び前記相対位置検知手段(10R、10L、21a、21)の検知結果と前記運動状態データベース(33)との比較結果に基づき、前記使用者の運動状態を判定する運動状態判定手段(34)と、
を備えたことを特徴とする運動状態判定システム(30)にある。
【0015】
請求項6に係る本発明は、前記運動状態データベース(33)は、歩行状態の相対位置範囲、停止状態の相対位置範囲、及び異常状態の相対位置範囲(35)が記録されてなり、
前記運動状態判定手段(34)は、前記使用者の運動状態として、少なくとも前記歩行状態、前記停止状態、及び前記異常状態を判定してなる、
請求項5に記載の運動状態判定システム(30)にある。
【0016】
請求項7に係る本発明は、前記相対位置検知手段は、使用者の両足位置をそれぞれ検出する検出センサ(10R、10L)と、該検出センサ(10R、10L)により検出された両足位置の中点を演算する中点演算手段(21a)と、を有し、該中点演算手段(21a)により演算された前記中点を前記相対位置()としてなる、
請求項5または6に記載の運動状態判定システム(30)にある。
【0017】
請求項8に係る本発明は、前記相対位置検知手段は、前記使用者の上半身位置を検知する上半身位置検知手段(10H)を有し、
前記運動状態判定手段(34)は、前記上半身位置検知手段(10H)により検知された前記上半身位置と、前記相対位置検知手段(21)により検知された前記両足位置の中点(x、y)とに基づき、前記使用者の運動状態として、少なくとも着座状態、起立状態及びそれらの中間状態を判定してなる、
請求項7に記載の運動状態判定システム(30)にある。
【0018】
請求項9に係る本発明は、使用者の身体の一部と連結し得る連結部(8)と、使用者の歩行移動に合せて転動し得る車輪(3、3)とを有する移動台(2)と、前記車輪(3、3)による前記移動台(2)の移動を制御し得る移動制御手段(42)と、を備えた移動台車(1)であって、
前記移動台を前記移動体として、前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載の身体状態判定システム(20)と、前記請求項5ないし8のいずれか1項に記載の運動状態判定システム(30)と、を具備し、
前記身体状態判定手段(23)により判定された前記使用者の身体状態と、前記運動状態判定手段(34)により判定された前記使用者の運動状態と、に応じて、前記移動制御手段(42)を制御するための各種機能の稼動状態(例えば41)を切替える機能切替制御手段(40)を備えた、
ことを特徴とする移動台車(1)にある。
【0019】
請求項10に係る本発明は、前記移動制御手段(42)は、前記車輪(3、3)を制動するブレーキであり、
パッシブ型として構成されてなる、
請求項9に記載の移動台車(1)にある。
【0020】
請求項11に係る本発明は、前記機能切替制御手段(40)は、前記身体状態判定手段(23)により判定された前記使用者の判定状態に基づいてリハビリテーション機能(41)を稼動してなり、
前記移動制御手段(42)は、前記リハビリテーション機能(41)に基づき前記移動台(2)の移動を制御してなり、
前記使用者の歩行状態を正常な歩行状態に矯正するためのリハビリテーション器具として用いられてなる、
請求項9または10に記載の移動台車(1)ある。
【0021】
請求項12に係る本発明は、相対位置検知手段(21)により検知された前記相対位置を随時記録する相対位置記録手段(36)と、
前記相対位置記録手段(36)により記録された複数の前記相対位置の時系列的な変化に基づき、身体状態変化を判定する身体状態変化判定手段(48)と、
前記身体状態変化判定手段(48)により判定された前記身体状態変化を前記移動制御手段(42)による前記移動台(2)の移動の制御に反映させる身体変化反映手段(46)と、を備えてなる、
請求項9ないし11のいずれか1項に記載の移動台車(1)にある。
【0022】
請求項13に係る本発明は、相対位置検知手段(21)により検知された前記相対位置を随時記録する相対位置記録手段(36)と、
前記相対位置記録手段(36)により記録された複数の前記相対位置の時系列的な変化に基づき、環境状態変化を判定する環境状態変化判定手段(49)と、
前記環境状態変化判定手段(49)により判定された前記環境状態変化を前記移動制御手段(42)による前記移動台(2)の移動の制御に反映させる環境変化反映手段(47)と、を備えてなる、
請求項9ないし12のいずれか1項に記載の移動台車(1)にある。
【0023】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に係る本発明によると、相対位置検知手段により使用者の位置と移動体の位置との相対位置を検知し、前記相対位置検知手段の検知結果に基づいて、相対位置分布判定手段により前記相対位置の分布状態を判定し、身体状態判定手段により、相対位置分布判定手段の判定結果と、身体状態データベースに記録された身体状態別の相対位置の分布モデルとを比較するので、使用者の身体状態を判定できる。
【0025】
請求項2に係る本発明によると、身体状態データベースには、体格別の相対位置の分布モデルが記録されているので、身体状態判定手段により、使用者の体格を判定できる。
【0026】
請求項3に係る本発明によると、身体状態データベースには、身体における障害部位別の相対位置の分布モデルが記録されているので、身体状態判定手段により、使用者の障害部位を判定できる。
【0027】
請求項4に係る本発明によると、相対位置検知手段は、使用者の両足位置をそれぞれ検出する検出センサと、該検出センサにより検出された両足位置の中点を演算する中点演算手段とを有しているので、該中点演算手段により演算された前記中点を相対位置として検知できる。
【0028】
請求項5に係る本発明によると、相対位置検知手段は、使用者の位置と移動体の位置との相対位置を検知し、移動体速度検出手段は、移動体の移動速度を検出し、相対位置検知手段の検知結果と移動体速度検出手段の検出結果とに基づいて、使用者速度判定手段により使用者の移動速度を判定し、これら移動体の移動速度、使用者の移動速度、及び相対位置検知手段の検知結果と運動状態データベースとを運動状態判定手段により比較するので、使用者の運動状態を判定できる。
【0029】
請求項6に係る本発明によると、運動状態データベースには、歩行状態の相対位置範囲、停止状態の相対位置範囲、及び異常状態の相対位置範囲が記録されているので、運動状態判定手段により、使用者の運動状態として、少なくとも歩行状態、停止状態、及び異常状態を判定できる。
【0030】
請求項7に係る本発明によると、相対位置検知手段は、使用者の両足位置をそれぞれ検出する検出センサと、該検出センサにより検出された両足位置の中点を演算する中点演算手段とを有しているので、該中点演算手段により演算された中点を相対位置として検知できる。
【0031】
請求項8に係る本発明によると、相対位置検知手段は、上半身位置検知手段により使用者の上半身位置を検知し、運動状態判定手段は、上半身位置検知手段により検知された上半身位置と、相対位置検知手段により検知された両足位置の中点とに基づいて、使用者の運動状態として、少なくとも着座状態、起立状態及びそれらの中間状態を判定できる。
【0032】
請求項9に係る本発明によると、移動台車は、移動台を移動体として、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の身体状態判定システムと、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の運動状態判定システムとを具備しており、身体状態判定手段により判定された使用者の身体状態と、運動状態判定手段により判定された使用者の運動状態とに応じて、機能切替制御手段により、移動制御手段を制御するための各種機能の稼動状態を切替えるので、移動台車の移動制御を使用者の意思に近づけることができる。
【0033】
請求項10に係る本発明によると、移動制御手段は、車輪を制動するブレーキであるので、移動台車をパッシブ型として構成できる。
【0034】
請求項11に係る本発明によると、機能切換制御手段は、身体状態判定手段により判定された使用者の判定状態に基づいてリハビリテーション機能を稼動し、移動制御手段は、リハビリテーション機能に基づいて移動台の移動を制御するので、移動台車を、使用者の歩行状態を正常な歩行状態に矯正するためのリハビリテーション器具として用いることができる。
【0035】
請求項12に係る本発明によると、相対位置記録手段により、相対位置検知手段にて検知された相対位置を随時記録し、身体状態変化判定手段により、身体状態変化を判定するので、身体変化反映手段により、例えば移動台車の使用慣れや障害部位の回復などの身体状態変化を移動台の移動の制御に反映させることができる。
【0036】
請求項13に係る本発明によると、相対位置記録手段により相対位置を随時記録し、相対位置の時系列的な変化に基づいて、環境状態変化判定手段により環境状態変化を判定するので、環境変化反映手段により、例えば坂道や路面の走行抵抗等の環境状態変化を、移動台の移動の制御に反映させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1ないし図3において、1は、本発明に係る身体状態判定システム20、及び運動状態判定システム30を備えた移動台車である。移動台車1は、制御装置を載置する基台である移動台2と、移動台2の左右側後方にそれぞれ設置される走行用の車輪3、3と、移動台の左右側前方で移動台の移動方向に回転自在に支持された補助車輪5、5と、身体状態判定システムおよび運動状態判定システムなどを収容する制御部6と、移動台の左右側部から延出して、上端が例えばほぼ使用者の腰高さとなるようなフレーム7、7と、該フレーム7、7上端に取付けられて使用者が掴持することにより使用者との連結を可能とする連結部8、8とを有している。
【0038】
移動台2の幅は、例えば使用者の肩幅よりも大きく、かつ両腕を前方にして自然に連結部8、8を掴めるような幅であり、かつ移動台を制御する制御部6を収容できる幅となっている。すなわち、フレーム7、7の間は、使用者の体が入れるような空間となっている。
【0039】
移動台車1の前部中央には、移動台車の進行方向前方の環境や路面傾斜を検知する環境認識センサ10Fが延出しており、後方部には、下方左右に移動台から使用者の足までの距離を測定する足位置センサ10L、10Rと、上部中央には、使用者の上半身を測定する上半身センサ10Hが取付けられている。これらのセンサは、レーザレンジファインダであり、測定対象である使用者に非接触にて距離を測ることができる。
【0040】
車輪3、3は、図4に示すとおり、車輪を移動台2に固定する車輪台3fと、床面と接して回転するタイヤ3aと、タイヤ3aの回転を制動するブレーキ3cと、タイヤの回転を検出するエンコーダ3dとのより構成されており、タイヤ3aは、車輪台3fとブレーキ3cを貫通する回転軸3bにより軸支されている。また、回転軸3bの一方の端部は、一組のギヤを介してエンコーダ3dと連結しており、タイヤ3aの回動はエンコーダ3dにより検知できる。ブレーキ3cは、例えばパウダブレーキからなり、制御電流に比例したブレーキトルクが得られる構造により連続的なトルク制御が可能に構成されている。
【0041】
つづいて、制御部6の構成について図5に沿って説明する。制御部6は、大まかに、例えば使用者の体格や障害部位等の身体状態を判定する身体状態判定システム20と、例えば使用者の停止状態、歩行状態、転倒状態、着座状態、起立状態等の運動状態を判定する運動状態判定システム30と、これら両システムの判定結果に基づき各種機能の稼動状態を切替えるなどして移動制御を行う部分とにより構成されている。
【0042】
身体状態判定システム20は、右足センサ10R、左足センサ10L、中点演算手段21aを有する相対位置検知手段21と、相対位置分布判定手段22と、記録部11内に記録された身体状態データベース24と、身体状態判定手段23とを備えて構成されており、該身体状態データベース24内には体格別分布モデル25や障害別分布モデル26等が記録されている。
【0043】
上記相対位置検知手段21は、右足センサ10Rにより使用者の右足位置を、また、左足センサ10Lにより使用者の左足位置を検出し、中点演算手段21aが該センサ10R、10Lにより検出された両足位置の中点を演算することにより、その中点を使用者と移動台車1との相対位置として検知する(図7参照)。また、相対位置分布判定手段22は、相対位置検知手段21により随時検出される上記相対位置を分布状態(図10参照)として判定する。
【0044】
一方、身体状態データベース24には、予め体格別(例えば身長別や股下長さ別など)に格納された上記相対位置に対応する形の体格別分布モデル25と、予め障害部位別(例えば右膝、左膝、右足首、左足首、右股関節、左股関節など)に格納された上記相対位置に対応する形の障害別分布モデル26とが記録されており、身体状態判定手段23により読み出し自在となっている。そして、身体状態判定手段23は、上記相対位置分布判定手段22により判定された使用者の相対位置分布の情報(即ち判定結果)を入力すると共に、身体状態データベース24を比較参照し、これにより、例えば最も酷似したデータを選定するなどによって、使用者の身体状態、即ち使用者の体格や障害部位などを判定することができる。
【0045】
運動状態判定システム30は、右足センサ10R、左足センサ10L、上半身センサ10H、中点演算手段21aを有する相対位置検知手段21と、移動体速度検出手段としてのエンコーダ3dと、使用者速度判定手段32と、記録部11内に記録された運動状態データベース33と、運動状態判定手段34とを備えて構成されており、該運動状態データベース33内には分布範囲データ35が記録されている。
【0046】
上記相対位置検知手段21は、同様に右足センサ10R、左足センサ10Lにより使用者の両足位置を検出し、中点演算手段21aが両足位置の中点を演算することにより、その中点を使用者と移動台車1との相対位置として検知すると共に(図7参照)、上半身センサ10Hにより使用者の上半身位置を検知する。また一方、エンコーダ3dによって移動台車1の移動速度を検出しており、使用者速度判定手段32は、上記相対位置の検知結果と移動台車1の移動速度とに基づき、使用者の移動速度を演算する形で判定する。
【0047】
一方、運動状態データベース33には、予め上記相対位置に対応して使用者の運動状態別(例えば停止範囲、歩行範囲、異常範囲など)に区切られた分布範囲データが記録されており、運動状態判定手段34により読み出し自在となっている。そして、運動状態判定手段34は、上記相対位置検知手段21により検知された使用者の相対位置の情報(即ち検知結果)、移動台車1の移動速度、使用者の移動速度、を入力すると共に、運動状態データベース33を比較参照し、これらにより、使用者の運動状態を判定することができる。即ち、例えば移動台車1の移動速度と使用者の移動速度との相違、使用者と移動台車1との相対位置が存在する分布範囲(図8参照)等から使用者の停止状態、歩行状態、異常状態などを判定することができ、また、上半身位置と中点位置(つまり両足位置)との相違などから、使用者の着座状態、中座状態、起立状態などを判定することができる。
【0048】
つづいて、移動台車1の移動制御部分について説明する。上記制御部6には、上記身体状態判定システム20と運動状態判定システム30との他に、機能切換制御手段40と、移動制御手段42と、相対位置記録手段36と、身体状態変化判定手段48と、環境状態変化判定手段49と、身体変化反映手段46及び環境変化反映手段47を有する学習反映手段45とが備えられて構成されている。なお、本実施の形態においては、車輪を制御するものがブレーキ3cである、いわゆるパッシブ型の移動台車として説明するが、これに限らず、モータ等によって駆動力を車輪に付与する、いわゆるアクティブ型の移動台車であっても構わない。
【0049】
これにより、移動台車1は、身体状態判定手段23により判定された使用者の身体状態と、運動状態判定手段34により判定された使用者の運動状態とに応じて、機能切換制御手段40がリハビリテーション機能41、可変運動特性制御機能、転倒防止制御機能、障害物・段差回避制御機能、・・・等の各種機能の稼動状態を切替え(各種機能のON/OFFを行い)、それを受けて移動制御手段42が左右車輪3、3のブレーキ3c、3cにおけるブレーキ力を演算制御し、車輪による移動台車1の移動をブレーキ制御する。これにより、各種機能の稼動状態の切替えに基づいて移動台車1の移動制御が行われ、移動台車1の移動を使用者の意思に近づけることが可能となる。
【0050】
また、機能切換制御手段40は、身体状態判定手段23により判定された使用者の判定状態(特に障害部位等の判定結果)に基づいてリハビリテーション機能41を稼動(ON)し、移動制御手段42が、リハビリテーション機能41に基づいて移動台車1の移動を制御することで、移動台車1を、使用者の歩行状態を正常な歩行状態に矯正するためのリハビリテーション器具として用いることができる。
【0051】
一方、上記相対位置検知手段21により検知された上述の相対位置を相対位置記録手段36が随時記録し、身体状態変化判定手段48がその記録を経時的に解析する形で、身体変化反映手段46によって例えば使用者の移動台車1の使用慣れや障害部位の回復などの身体状態変化を判定して、それを受けて移動制御手段42が移動台車1の移動をブレーキ制御することで、そのような使用者の身体状態変化を移動台の移動の制御に反映させることができ、つまり例えば使用者の移動台車1の使用慣れや障害部位の回復などを考慮した移動制御ができて、より使用者の意思に近づけた移動制御ができる。
【0052】
また同様に、上記相対位置検知手段21により検知された上述の相対位置を相対位置記録手段36が随時記録し、環境状態変化判定手段49がその記録を経時的に解析する形で、環境変化反映手段47によって例えば坂道や路面の走行抵抗等の環境状態変化を判定して、それを受けて移動制御手段42が移動台車1の移動をブレーキ制御することで、そのような移動台車1における環境状態変化を移動台の移動の制御に反映させることができ、つまり例えば移動台車1の坂道走行(登坂路、降坂路の角度変化)や走行抵抗の相違(平滑な床面走行、カーペット上の走行等)などを考慮した移動制御ができて、より使用者の意思に近づけた移動制御ができる。
【0053】
なお、環境状態変化判定手段49が、使用者と移動台車1との相対位置から環境変化を判定する具体的手法については後述の実施例において説明するが、特に移動台車1に対する使用者の近づき具合、歩幅変化などから判定すること(例えば使用者が移動台車1に近づいて歩幅が小さくなった場合は走行抵抗が増加したと判定することなど)が可能である。
【0054】
<実施例>
つづいて、本発明に係る身体状態判定システム20、及び運動状態判定システム30を備えるパッシブ型の移動台車の一例としての実施例を以下に説明する。
【0055】
本実施例では特に使用者の状態を推定し、その推定された状態に基づいて移動台車1の運動特性を変化させる手法について考える。移動台車1を利用する人は年齢や性別の違いをはじめ、体格や運動能力、癖、障害等に基づき、その操作特性には大きな違いがある。例えば、足の長さに基づく歩幅の違いや、身長や腕の長さに基づく歩行時の移動台車1と使用者との定常的な距離の違い、癖や障害等による移動台車1に対する姿勢の違い等、その操作特性は非常に多岐にわたる。したがって、ある単一の閾値等を用いた機能の切り換え手法ではなく、使用者それぞれの状態を認識し、それぞれの使用者に適応した機能の切り換えを実現することが重要となる。
【0056】
しかし、使用者の状態を移動台車1に搭載される限られたセンサによって正確に認識することは困難である。そこで、本実施例では議論を簡単にするために、使用者の状態を、図6に示すように3つの状態に分類する。ひとつは、歩行している状態、2つ目は止まっている状態、そして3つ目が異常状態である。歩行状態においては、従来提案してきた環境適応型運動制御アルゴリズムを用いることができ、環境認識センサより得られる情報に基づいて、障害物回避や段差回避、重力補償等が実現できる。また、リハビリテーション等で移動台車1を利用する場合には、運動特性可変型制御を用いることにより、移動台車1のみかけの運動特性を指定し、使用者に負荷をかけた状態で運動を行わせることも可能となる。
【0057】
また、使用者が止まっている場合には、使用者が移動台車1にいくら力を加えても移動台車1が動かない状態にし、離床時の体重支持に利用することが可能であり、もしくは、移動台車1には何の拘束力も発生させず加える力に基づいて自由に動かすことを可能とする手法等が考えられる。その他、使用者が歩行や停止の状態ではない場合には、転倒等の異常状態の可能性があると考え、このような場合には、その危険な状態の程度に基づいて、移動台車1の運動特性を変化させ転倒等を防ぐことが可能となる。そこで、本実施例ではこのような3つの状態を推定するために、移動台車1の速度、使用者の速度、そして移動台車1と使用者との位置関係に注目する。いま、移動台車1の後方には人間の運動を計測するためにレーザレンジファインダのような距離センサ10R、10Lが搭載されているものとし、図7に示されるように、このセンサを用いて移動台車1と使用者の左右の足の距離hrhrhlhlが測定できるものとする。さらに、この足の位置の中点を使用者の位置と仮定すると、人間の位置は数1より得ることができる。
【0058】
【数1】
JP0004665173B2_000002t.gif

【0059】
また、このとき、絶対座標系に対する使用者の速度dx/dt、dy/dtは、エンコーダを用いて計測される移動台車1の速度dx/dt、dy/dtに基づいて、数2、数3のように計算される。
【0060】
【数2】
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【0061】
【数3】
JP0004665173B2_000004t.gif

【0062】
ここで、図8は人間の歩行時、停止時、転倒傾向時における使用者と移動台車1の位置関係の例を表している。本実施例ではこのような状態を、移動台車1の速度や使用者の速度、移動台車1と使用者との相対距離を用いることにより推定することを考える。いま、使用者と移動台車1の速度を用いると、使用者の停止状態に関しては、比較的容易に推定することができる。すなわち、ほぼゼロに近い閾dxht/dt、dxrt/dtを定義し、使用者と歩行機の速度それぞれが同時にその閾値よりも小さくなった場合すなわち数4、数5が満たされた場合には、使用者は止まっているものと推定する。
【0063】
【数4】
JP0004665173B2_000005t.gif

【0064】
【数5】
JP0004665173B2_000006t.gif

【0065】
次に、歩行状態と異常状態を推定するために、使用者と移動台車1の相対距離に注目する。いま、人の通常の歩行状態における移動台車1に対する人の位置分布を予備実験において調べると、図9(a)(b)に示されるような分布を示すことが分かる。ここで、横軸は使用者と移動台車1の相対距離であり、縦軸はその頻度(確率密度)を表す。このグラフは非常に興味深く、人間の歩行における人間と移動台車1との相対距離は、ある点を平均とした正規分布にほぼ従っているとみることができ、人間の歩行状態の推定に確率論的な枠組みで議論ができると考える。
【0066】
そこで、移動台車1の使用時における人間の位置分布を移動台車1の置かれた平面内で議論するために、数6に基づいて2次元正規分布を計算する。
【0067】
【数6】
JP0004665173B2_000007t.gif

【0068】
ここでρは相関係数を表し、数7となる。
【0069】
【数7】
JP0004665173B2_000008t.gif

【0070】
ただし、i=(1、2、・・、n)は各時刻における使用者の位置である。このときの結果は図9(c)のようになり、使用者の位置はある楕円体の内部に分布することが解る。いま、この2次元正規分布から通常の歩行状態と異常状態を区別するために、ある範囲に人がいる確率Pxy(-a<x-μ<a、-b<y-μ<b)を数8に基づいて計算する。
【0071】
【数8】
JP0004665173B2_000009t.gif

【0072】
ここで、人のいる範囲a、bはPxy=cで表されるx、y平面から求められるとする。このとき、この確率が非常に高くなる範囲が通常の歩行状態であると考え、例えばPxy(-a<x-μ<a、-b<y-μ<b)=0.9となるようなx、y平面Pxy=cを求める。この場合、f()=cで表される楕円体の内に人がいる場合には、90%の確率で人は歩行状態であると考えられ、楕円体の外にいる場合には、何らかの異常状態であると考えることができる。
【0073】
パッシブ型の移動台車1は、サーボモータ等の能動的に動作するアクチュエータを用いることなく、主にサーボブレーキのみを利用してその運動を制御することから、非常に安全なシステムであり、また、その構造上、シンプルかつ軽量なシステムが実現できる。その他、ブレーキは基本的に不必要な運動を制限することのみに利用されることから、サーボモータを用いるシステムよりも消費電力が少なくて済むといった利点もある。
【0074】
移動台車1はアクティブに作用する駆動系を有していないため、システム自身で駆動力を発生することはなく、人が加える力や重力等に基づいて運動する。ここで、ブレーキが取り付けられた車輪に加えられる外力をfew、そのブレーキトルクをtbw、車輪の半径をR、車輪の回転角速度をω、ブレーキに入力する電流をi、電流とブレーキトルクの関係を表す係数をkとすると、ブレーキトルクには数9、数10の関係が存在する。
【0075】
【数9】
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【0076】
【数10】
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【0077】
即ち、この関係に基づいてのみ車輪のブレーキトルクを制御することが可能である。また、移動台車1の慣性行列をM、粘性行列をD、坂道等で移動台車1に働く重力をG、移動台車1に人が加える力・モーメントをFh、サーボブレーキによって発生できるブレーキ力・モーメントをFb、移動台車1の実際の速度をdq/dtとすると、移動台車1の運動方程式は数11で表される。
【0078】
【数11】
JP0004665173B2_000012t.gif

【0079】
ここで、ブレーキトルクを数9、数10の関係が満たされる条件で適切に制御することにより、移動台車1の運動制御を行うことができる。
【0080】
使用者の運動能力に応じて移動台車1の運動特性を任意に変化させることが出来れば、様々な障害を有した使用者それぞれに適応した操作性を実現することができる。また、移動台車1の運動を制限すると、使用者の負荷を増やすことができ、リハビリテーション器具としても利用可能であると考える。ここでは、移動台車1の運動特性を可変とする制御系を設計するため、移動台車1が数12の特性を満たすような制御則を考える。
【0081】
【数12】
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【0082】
ここでMはみかけの慣性行列、Dはみかけの粘性係数行列を示し、これらの値を変化させることにより移動台車1に様々な運動特性を実現することが可能となる。そこで数11、数12で示された動的モデルからF=[f、n]を導出すると数13のようになる。
【0083】
【数13】
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【0084】
また、左右車輪で実現するブレーキトルクtbr、tblはf、nより数14で与えられる。
【0085】
【数14】
JP0004665173B2_000015t.gif

【0086】
ここでTは左右車輪の間隔を示す。従って移動台車1に搭載されるエンコーダ3dから速度・加速度情報を導出し、また傾斜角センサから移動台車1に加わる重力を導出することにより、数13を用いてサーボブレーキに発生させるべきブレーキ力・モーメントf、nを求めることができる。さらに数14を用いてパウダブレーキにブレーキトルクを指定することにより、移動台車1には数9、数10の関係が満たされる条件の基でみかけの慣性行列M、及び粘性係数行列Dを実現することができる。また、重力の影響を傾斜角センサを用いて適切に補償することにより、坂道等の傾斜がある環境においても水平面上と同等に移動台車1を使用することが可能となる。移動台車1の使用環境において段差や障害物、隘路、雑踏等その使用が困難である場所では、使用者が安全かつスムーズに移動できるような環境適応型運動制御アルゴリズムを設計することが有効となる。そこで、本実施例ではレーザレンジファインダを用いることにより、障害物や段差から仮想的な拘束力を移動台車1に働かせ、その情報からブレーキトルクを導出することにより、様々な環境内において、効果的な使用者の支援を行う制御手法を提案してきた。すなわち、数12で表された移動台車1みかけの運動特性を数15のように変更する。
【0087】
【数15】
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【0088】
このときFは環境から移動台車1に加わる仮想的な拘束力とし、移動ロボットの障害物回避のために提案された人工ポテンシャル法等の手法を用いることによって、この仮想的な拘束力をサーボブレーキに適切に発生させることで環境に適応した運動制御を実現する。
【0089】
つづいて転倒防止制御アルゴリズムについて説明する。
【0090】
転倒は移動台車1使用時において最も危険な状態であるといわれており、特に小さな力で容易に動かすことのできるパッシブ型移動台車1においては、この転倒を防止する機能は必要不可欠なものである。ここでは、移動台車1のブレーキ力を適切に制御することにより移動台車1のみかけの粘性特性を変化させ、転倒の防止を実現する。いま、移動台車1のみかけの粘性係数を小さく設定した場合には、人は容易に移動台車1を動かすことが可能であり、逆にみかけの粘性係数を大きく設定した場合には、移動台車1を動かすためには大きな力が必要となる。いま、異常状態の程度が大きくなるにつれて、粘性係数を大きくなるような制御系を設計した場合、最終的には移動台車1は人の力では動かせない状態となり、結果として、転倒等の異常状態を防止することが可能となる。ただし、移動台車1の車輪はスリップしないものとする。ここで、異常状態の程度を求めるために、上記により説明した使用者の状態推定に用いられる楕円体f()=cを、数16を用いて極座標表示する。
【0091】
【数16】
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【0092】
また、レーザレンジファインダによって計測される人の位置を用いると、楕円体の中心から人の位置までの距離dおよびその角度θを求めることが可能となる。そして、これらの情報から移動台車1の進行方向および回転方向に関するみかけの粘性係数d、dθdを次式のように指定する。
【0093】
【数17】
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【0094】
【数18】
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【0095】
【数19】
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【0096】
【数20】
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【0097】
ここでdinit、dθinitは通常の歩行時に指定されるみかけの粘性係数であり、rは楕円体の中心から角度θに延ばした直線と楕円体の交点の距離を表す。上式より、人の位置が楕円体の中心より遠く離れるほど、粘性係数は大きくなり、最終的には移動台車1が停止することから、使用者が転倒等の異常状態に陥るのを防止することが可能となる。
【0098】
次に、本実施例で説明した使用者の状態推定手法および、それらの推定結果や環境の情報に基づいて移動台車1に実現されるいくつかの機能を切り換える手法の有効性を確認するために、実際に移動台車1を用いた実験結果について説明する。
【0099】
本実験では、はじめに使用者の体格や運動能力、癖、障害等に基づく移動台車1の操作特性を導出するために予備実験を行った。この予備実験では、転倒やつまずき等を起こさない状態で、移動台車1を通常の環境において3分程度使用してもらい、その時の使用者と移動台車1の相対距離を計測し、そこから2次元正規分布を導出した。そして、その2次元正規分布から異常状態の推定を行うための楕円体を導出した。
【0100】
本実験では、2人の健常者が移動台車1を使用した。その時の実験結果を図10に示す。ここで、被験者Aは身長155cmの女性である。また、被験者Bは被験者Aと同じ女性であるが、左足を高齢者体験グッズで拘束し、高齢者を模擬した。被験者Cは身長175cmの男性である。ここで、それぞれの使用者の移動台車1に対する平均相対距離、その標準偏差、相関係数を導出すると表1となる。これらの結果を用いることにより、それぞれの使用者に関する2次元正規分布を導出することができる。そして、その2次元正規分布より導出された楕円体と移動台車1や使用者の速度を用いて、使用者の歩行、停止、異常状態を推定することができる。
【0101】
【表1】
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【0102】
ここで図10(a)(b)からは、楕円体の傾きの違いを見ることができ、これは、被験者Bが左足を拘束されたために生じていることが分かる。また、図10(a)(c)からは、楕円体の大きさが違うことが分かり、被験者Cの歩幅が被験者Aに比べて非常に大きいことが分かる。すなわち、このような予備実験を行うことにより、人間の体格や癖、障害等に基づく人間の運動特性や操作特性の違いを導くことが可能であり、これらの結果により、使用者それぞれに適応した状態の推定および機能の切り換えが可能となる。
【0103】
本実験では、移動台車1を用いた被験者Aが歩行中に意図的につまずくことにより、転倒傾向の状態を作り出し、その時の移動台車1の運動変化を調べた。ここで、本実験に用いた環境は、水平な場所から移動台車1を動かし始め、その後坂道を下り、その後水平となる環境である、またその環境における運動制御系として、水平な場所においてはリハビリテーションの観点から移動台車1にある負荷が加わるように人間適応型運動制御アルゴリズムを用いてみかけの運動特性を変化させ、坂道においては重力の影響を補償する環境適応型運動制御アルゴリズムを実現する。
【0104】
また、坂道を下りきった後に転倒傾向を意図的に作り出したときには、転倒防止機能を実現する人間適応型運動制御系を用いることとした。ここでは、そのような複数の機能の切り換えを、環境情報を認識する傾斜角センサや、本実施例で説明した人間の状態を認識するレーザレンジファインダを用いて行った。その時の実験結果を図11に示す。ここで、図11(a)は人と移動台車1の速度を表し、図11(b)はそれらの相対距離を表す。また図11(c)(d)は実験時のブレーキ力・モーメントの変化を表す。また、このときの実験の様子を図12に示す。
【0105】
この実験により、通常の水平な環境での移動台車1の使用では、数12において実際のシステムより粘性係数を大きなみかけの粘性係数として指定することにより、進行方向に対してブレーキが働き、20N程度の負荷があるため、リハビリテーションの効果が実現できる。また、坂道になると数12のGが傾斜角センサより計算され重力を補償するために、ブレーキ力が負の値となり、坂道の途中で移動台車1に操作力を加えることをやめると、その場で停止することが確認された。その後、水平な場所で転倒傾向を意図的に作るために、人が停止しているにもかかわらず、移動台車1のみに運動をさせると、移動台車1と人の相対距離が大きくなる。このとき、その相対距離に基づき、数17から数20を用いてブレーキ力・モーメントが発生され、結果的に転倒の防止を実現していることが分かる。また、再び使用者と移動台車1の距離が近づくと、使用者の位置が前節で求めた楕円体の内に入るため、ブレーキ力・モーメントが小さくなり歩行を再開することができる。これらの実験から、提案した手法を用いることにより人の状態を推定し、その状態に基づいて適切に機能の切り換えが実現できていることが分かる。
【0106】
ここで、本実施例で説明した運動制御系では、複数の機能を数15で表される移動台車1のみかけの運動方程式の慣性、粘性行列や仮想的な拘束力を連続的に変化させることによってのみ実現している。すなわち、ある機能を実現するために独立に設計された制御系を不連続に切り換えているわけではないため、機能の切替え時におけるチャタリングのような問題は発生せず、人間や環境の状態に適応した滑らかな機能の切り換えが実現できている。
【0107】
次に、使用者が椅子から立ち上がる状態、座る状態、それらの中間状態を推定する手法について考える。ここでは、人間の足位置だけでなく、上半身の位置も計測するセンサを用い、それらのセンサを利用して、足位置と上半身の置の相対距離を求める。このとき、その相対距離が表2に示されるように、小さいときは立位状態、大きいときには座位状態、それらの中間的な値を示すときには、中間状態とするプロダクションルールを設計する。
【0108】
【表2】
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【0109】
このような閾値は使用者の体格を予め計測することにより、決定することができる。このように、立位状態、座位状態、中間状態を推定することが可能となると、このそれぞれの状態に基づいて適切に移動台車1を制御することにより、人間の立ち座りを支援することが可能となる。
【0110】
例えば、立位時には人間の操作力に基づき歩行機を自由に動かすことを可能とさせ、椅子に座ろうとするときには停止状態になるというような制御が可能である。また、座っているときには多少動かすことが可能であるが、その状態から立とうとすると停止状態になるというような制御も実現できる。
【0111】
このように、人間の状態に基づいて歩行機の運動特性が変化することにより、この歩行機を支えとして人間は立ち座りを行うことが可能となる。このときの推定結果を図13に示す。また歩行機を支えにして立ち座りを行った様子を図14に示す。
【0112】
また、次の実験では、使用者が座った状態から、立ち上がり、歩行を開始し、途中転倒傾向になり、また歩行を再開するという実験を行った。その様子を図15に示す。この実験で、図15(a)(b)では、表2に基づき使用者は座っている状態から立ち上がろうとしている状態であると認識され、数12において実際のシステムより粘性係数を非常に大きなみかけの粘性係数として指定することにより、システムは力を加えても動作しないように制御される。これにより、立ち上がりの支えとして移動台車1を利用することができる。次に図15(c)において歩き始めると、停止状態から歩行状態であると認識され、ブレーキが解除される。その後、歩行中に図15(d)(e)に示されるように転倒傾向となると、異常状態であると認識され、システムにはブレーキがかかり転倒を防止する。その後、図15(f)のように転倒傾向から回復し再び歩き出すとブレーキが解除される。このように、使用者と移動台車1の相対距離分布や使用者自身の足位置と上半身位置の相対距離に基づいて使用者の状態を推定することにより、意図的な切換作業等を必要とせずに、いくつかの機能の適切な切替えが実現できる。
【0113】
ここで、図15の実験データを図16に示す。図16(a)(b)では、それぞれ、使用者の足の位置および上半身の位置の変化を示している。また、図16(c)では、使用者および移動台車1の速度、図16(d)では、推定された使用者の状態の変化(座位状態、中間状態、立位状態、歩行状態、異常状態)、図16(e)(f)では、その時のブレーキ力・モーメントを表している。これらの実験結果より、使用者の足や上半身の位置に基づいて適切に使用者の状態が推定されており、また、その状態に応じて適切にブレーキ力が発生しており、立ち上がりの補助や異常状態での転倒防止等が実現できている。
【0114】
次に、移動台車1の使用時に、常に人間とシステムとの相対距離を計測し、ある一定時間間隔でその相対距離分布を更新することにより、人間の身体状態の変化や移動台車1の操作特性の変化等を記録・解析する学習型身体状態推定システムを考える。ここでは、まず、移動台車1の使用時において、ある一定間隔毎に使用者と移動台車1の足位置を計測する。それにより上記で説明した使用者の状態を推定するための2次元正規分布を表すパラメータを導出する。そして、この2次元正規分布パラメータを長期的に観察することにより、人間の身体変化や移動台車1の操作特性の変化等を解析することが可能となる。
【0115】
ここで、4人の被験者に移動台車1を使ってもらい、その時の2次元正規分布パラメータの変化を調べた。その時の結果を図17に示す。ここで、被験者Aは身長155cmの女性、被験者Bは180cmの男性、被験者Cは172cmの男性、被験者Dは170cmの男性のデータとなる。図17(a)(b)ではこの4人の移動台車1の進行方向における足位置分布の平均およびその分布の標準偏差の変化を表す。
【0116】
足位置分布の平均からは使用者と移動台車1との距離を観察することができ、このデータからは被験者Bを除いてほぼ常に同じ位置にいることが分かる。図17(b)で表される標準偏差からは、使用者の足位置分布の広がりを見ることができ、そこから体格や障害、移動台車1の操作特性に依存する使用者の歩幅の解析を行うことができる。図17(c)において特に被験者Bの状態を解析すると、足位置分布の平均および標準偏差ともに移動台車1の使用にしたがって大きくなっていることが分かる。これは被験者Bの身長に対し移動台車1の大きさが小さすぎ、はじめの段階では使用に慣れていなく、歩幅等が小さかったと考えられる。しかし、その小さな移動台車1に慣れていくにしたがって、歩幅が大きくなり操作特性が向上している。これは、実際に被験者Bからも同様のコメントが得られている。
【0117】
また、被験者Aについて使用途中で路面の状態を変化させた場合の実験結果を図17(d)に示す。この実験でははじめに走行抵抗の少ないフローリングの路面にて歩行機を使用した。このときは平均および標準偏差はほとんど変化しなかった。しかし、5回目のパラメータ更新前において走行抵抗の多いカーペットの上で移動台車1を使用したときに平均および標準偏差ともに減少した。これは、路面の違いにより移動台車1を操作するための力が変化し、カーペット上ではその力が大きくなるため、移動台車1に多少近づき、歩幅も狭めて大きな力を発生させようとしたと考えられる。また、実際に被験者Aのコメントからはカーペットでは移動台車1が重くなったとのコメントを得ている。
【0118】
この他にも、移動台車1の進行方向に垂直な方向における足位置分布の平均や標準偏差の解析や、移動台車1に対する使用者の傾きを表す相関係数を解析することにより、移動台車1使用時の使用者と移動台車1の位置・姿勢関係を調べることができ、そこからも癖や障害等を推定することが可能となる。このように、人間の身体や運動の状態を推定するパラメータを長期的に記録し、解析・学習することにより、人間の体格や癖、障害の回復・悪化の変化等の多くの情報を読み取ることができる。そして、移動台車1の運動特性を人間の日々の状態変化や環境変化に適応させることや、障害の持った使用者のリハビリテーションをはじめ多くのことに利用できると考える。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】移動台車の側面図である。
【図2】移動台車の背面図である。
【図3】移動台車の平面図である。
【図4】移動台車に用いる車輪の拡大斜視図である。
【図5】制御部のブロック図である。
【図6】使用者の状態を分類した概念図である。
【図7】移動台車と使用者との位置を示す図である。
【図8】人間の歩行時、停止時、転倒傾向時における使用者と移動台車位置関係を表す図である。
【図9】移動台車に対する人の位置分布を示す図であり、(a)は移動台車の長さ方向の位置分布を示し、(b)は移動台車の幅方向の位置分布を示し、(c)は両図を3次元的に表した図である。
【図10】移動台車と使用者との相対距離を、2次元正規分布により表した図であり、それぞれ(a)は身長155cm女性の被験者、(b)は同被験者の左足を拘束、(c)は身長175cm男性の被験者を表す図である。
【図11】(a)は使用者と移動台車の速度、(b)は使用者と移動台車との相対距離、(c)(d)はブレーキ力とモーメントの変化を示す図である。
【図12】傾斜する路面を移動する移動台車と使用者とを示す図であり、(a)は水平な環境を移動する移動台車、(b)は下り坂で停止した移動台、(c)は下り坂を下降する移動台車、(d)は転倒過程、(e)は転倒状態、(f)は復帰状態にある移動台車を示す図である。
【図13】使用者の座位置、中間位置、立位位置を示す図である。
【図14】使用者が移動台車を支えにして立ち座りを行う様子を示す図である、(a)は着座状態、(b)は前傾状態、(c)は中間状態、(d)は起立状態を示し、(e)から(h)は逆動作を示す図である。
【図15】使用者が移動台車を支えにして転倒する様子を示す図であり、(a)は着座状態、(b)は立ち上がろうとしている状態、(c)は歩き始めの状態、(d)(e)は転倒傾向の状態、(f)は回復状態を示す図である。
【図16】使用者の転倒の過程を示す図であり、(a)(b)は使用者の足位置および上半身位置の変化、(c)は使用者および移動台車の速度、(d)は使用者の状態、(e)はブレーキ力、(f)はブレーキモーメントを表す図である。
【図17】4人の被験者による2次元正規分布パラメータの変化を調べた図であり、(a)は足位置分布の平均、(b)はその分布の標準偏差、(c)は被験者Aの解析、(d)は路面変化時の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
1 移動台車
2 移動台
3 車輪
3c ブレーキ
6 制御部
10R 右足センサ
10L 左足センサ
10H 上半身センサ、上半身位置検知手段
20 身体状態判定システム
30 運動状態判定システム
21 相対位置検知手段
21a 中点演算手段
22 相対位置分布判定手段
23 身体状態判定手段
24 身体状態データベース
25 体格別分布モデル
26 障害別分布モデル
32 使用者速度判定手段
33 運動状態データベース
35 分布範囲データ
36 相対位置記録手段
40 機能切替制御手段
41 リハビリテーション機能
42 移動制御手段
45 学習反映手段
46 身体変化反映手段
47 環境変化反映手段
48 身体状態変化判定手段
49 環境状態変化判定手段
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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