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明細書 :競技者能力測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4734566号 (P4734566)
公開番号 特開2007-135736 (P2007-135736A)
登録日 平成23年5月13日(2011.5.13)
発行日 平成23年7月27日(2011.7.27)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
発明の名称または考案の名称 競技者能力測定装置
国際特許分類 A63B  71/06        (2006.01)
FI A63B 71/06 E
請求項の数または発明の数 4
全頁数 23
出願番号 特願2005-331107 (P2005-331107)
出願日 平成17年11月16日(2005.11.16)
審査請求日 平成20年11月5日(2008.11.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505425328
【氏名又は名称】国立大学法人鹿屋体育大学
発明者または考案者 【氏名】高橋 仁大
【氏名】和田 智仁
個別代理人の代理人 【識別番号】100118636、【弁理士】、【氏名又は名称】吉田 淳
【識別番号】100066980、【弁理士】、【氏名又は名称】森 哲也
審査官 【審査官】篠崎 正
参考文献・文献 特開2003-033461(JP,A)
特表平05-509016(JP,A)
調査した分野 A63B 71/06
特許請求の範囲 【請求項1】
相対する競技者が、コート内でネットをはさんでボール又はシャトルを交互に打ち合うことによって交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を評価する競技者能力測定装置であって、
競技者が行う攻撃防御の動作を記録する動作記録手段と、
ラリーの結果を記録するラリー結果記録手段と、
前記動作記録手段が記録した競技者の攻撃防御の動作、及び、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果のうちの少なくとも一方に基づき、競技者の攻撃防御に関する情報を競技者データとして導出する競技者データ導出手段と、
前記競技者データと競技者の能力との間に成立する相関関係に基づき、前記競技者データ導出手段が導出した競技者データから、競技者の能力を表す評価点数を導出する評価点数導出手段と、を備え
前記相関関係が、技術的能力相関関係と、身体的能力相関関係と、精神的能力相関関係と、によって構成され、
前記技術的能力相関関係は、競技者がボール又はシャトルを打つタイミングとラリーの結果を決定した攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者の技術的能力と、の間に成立する相関関係であり、
前記身体的能力相関関係は、ラリーの打数及びラリーの継続時間に基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者の身体的能力と、の間に成立する相関関係であり、
前記精神的能力相関関係は、得点経過及びラリーの結果に基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者の精神的能力と、の間に成立する相関関係であり、
前記評価点数が、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数と、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数と、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数と、によって構成されていることを特徴とする競技者能力測定装置。
【請求項2】
相対する競技者が、コート内でネットをはさんでボール又はシャトルを交互に打ち合うことによって交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を評価する競技者能力測定装置であって、
競技者が行う攻撃防御の動作を記録する動作記録手段と、
ラリーの結果を記録するラリー結果記録手段と、
前記動作記録手段が記録した競技者の攻撃防御の動作、及び、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果のうちの少なくとも一方に基づき、競技者の攻撃防御に関する情報を競技者データとして導出する競技者データ導出手段と、
前記競技者データと競技者の能力との間に成立する相関関係に基づき、前記競技者データ導出手段が導出した競技者データから、競技者の能力を表す評価点数を導出する評価点数導出手段と、を備え、
前記相関関係が、競技者の力強さ度の相関関係と、競技者の粘り強さ度の相関関係と、競技者の勝負強さ度の相関関係と、競技者の基礎技能達成度の相関関係と、によって構成され、
前記競技者の力強さ度の相関関係は、ラリーの打数とラリーの結果と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が試合をどのように力強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の力強さ度と、の間に成立する相関関係であり、
前記競技者の粘り強さ度の相関関係は、ラリーの打数とラリーの結果とラリーの継続時間と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が試合をどのように粘り強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の粘り強さ度と、の間に成立する相関関係であり、
前記競技者の勝負強さ度の相関関係は、得点経過とラリーの結果と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が試合の各要所においてどのように点を獲得していけるかを示す点数化した尺度である競技者の勝負強さ度と、の間に成立する相関関係であり、
前記競技者の基礎技能達成度の相関関係は、ラリーの結果と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が基礎技能をどの程度身に付けているかを示す点数化した尺度である競技者の基礎技能達成度と、の間に成立する相関関係であり、
前記評価点数が、競技者の力強さ度と、競技者の粘り強さ度と、競技者の勝負強さ度と、競技者の基礎技能達成度と、によって構成されていることを特徴とする競技者能力測定装置。
【請求項3】
前記評価点数が、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数と、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数と、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数と、を有しており、
前記技術的評価点数と、前記身体的評価点数と、前記精神的評価点数と、が、前記競技者の力強さ度と、前記競技者の粘り強さ度と、前記競技者の勝負強さ度と、前記競技者の基礎技能達成度と、によって示されることを特徴とする請求項2に記載の競技者能力測定装置。
【請求項4】
相対する競技者が、コート内でネットをはさんでボールを交互に打ち合うことによって交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を評価する競技者能力測定装置であって、
競技者が行う攻撃防御の動作を記録する動作記録手段と、
ラリーの結果を記録するラリー結果記録手段と、
前記動作記録手段が記録した競技者の攻撃防御の動作、及び、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果のうちの少なくとも一方に基づき、競技者の攻撃防御に関する情報を競技者データとして導出する競技者データ導出手段と、
前記競技者データと競技者の能力との間に成立する相関関係に基づき、前記競技者データ導出手段が導出した競技者データから、競技者の能力を表す評価点数を導出する評価点数導出手段と、を備え、
ラリー中のショットの時刻と、ラリーの最終ショットの種類と、ショットの結果と、アンフォーストエラーがあったか否かと、サービスをレシーブした位置と、サービスされたボールがレットであったか否かと、が、前記ラリー結果記録手段に記録されるラリーの結果であるか、あるいは、前記動作記録手段に記録される競技者が行う攻撃防御の動作であり、
前記競技者データ導出手段が、前記動作記録手段が記録した競技者が行なう攻撃防御の動作と、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果と、からスコアを導出し、
前記競技者データ導出手段が、
V1=K1×K2×L1/T1
K1:コートの種類により定まる係数
K2:サービスをレシーブした競技者の位置に応じて定まる係数
L1:コートの縦長さ
T1:サービスのタイミングとレシーブのタイミングとの時間差
の計算式により、競技者データであるサービスされたボールの速度をサービスボール速度V1として導出し、
前記競技者データ導出手段が、レシーブ以降に行われる各ショットの時刻の間隔を、競技者データであるショット間時間T2として導出し、導出したショット間時間T2に対応してショットの種類を判別し、
前記競技者データ導出手段が、
V2=L1×N/T3
N:1つのラリー内におけるストロークの数
T3:1つのラリー内で、ストロークであった場合のショット間時間T2の合計時間
の計算式により、最終ショットがサービス以外のストロークであったラリーにおける一方の競技者がストロークしたボールの平均速度を、競技者データであるストロークボール速度V2として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者がウィナーによって獲得した得点」を「その一方の競技者の全得点」で除して得られる割合を、競技者データであるウィナー率F1として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者が最終ショットとして打つスマッシュ、ボレー、ドロップ及びアプローチの総数」を「その一方の競技者が打つ最終ショットの総数」で除して得られる割合を、競技者データである攻撃的プレイ率F2として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者が最終ショットとして打つパス及びロブの総数」を「その一方の競技者が打つ最終ショットの総数」で除して得られる割合を、競技者データである守備的プレイ率F3として導出し、
一方の競技者がラリーで得点した場合、前記競技者データ導出手段が、その一方の競技者がそのラリーにおいて打ったショットの総数を、競技者データである得点時ラリー数F4として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者のサービスウィナーによって獲得した得点と敵方競技者のリターンエラーによって獲得した得点の合計点数」を「その一方の競技者の全得点」で除して得られる割合を、競技者データであるサービスポイント率F5として導出し、
一方の競技者があるラリーで得点した場合に、前記競技者データ導出手段が、そのラリーのサービスショットの時刻と、そのラリーの1つ前のラリーの最終ショットの時刻との時間差を、競技者データであるポイント間時間F6として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者の最終ショットを敵方競技者がエラーした総数」を「その一方の競技者の最終ショットの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるエラー率F7として導出し、
カウントが同点又は敵方に有利な状況となる不利場面でのラリーにおいて、前記競技者データ導出手段が、その競技者がそのラリーで得点する確率を、競技者データである不利場面得点率F8として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「不利場面に陥った競技者がサービスウィナーによって獲得した得点と、敵方競技者のリターンエラーによって獲得した得点と、の合計点数」を「この不利場面に陥った競技者が不利場面で行われるラリーから獲得した全得点」で除して得られる割合を、競技者データである不利場面サービス得点率F9として導出し、
カウントが自分に有利な状況となる有利場面でのラリーにおいて、前記競技者データ導出手段が、その競技者がそのラリーで失点する確率を、競技者データである有利場面失点率F10として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「有利場面になった競技者がその競技者のスマッシュ、ボレー、ドロップ又はアプローチによるウィナーから獲得する得点と、敵方競技者のパス又はロブにおけるエラーから獲得した得点と、の合計点数」を「この有利場面になった競技者が有利場面で行われるラリーから獲得した全得点」で除して得られる割合を、競技者データである有利場面攻撃的プレイ得点率F11として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者のセカンドサービスがフォルトとなる場合の総数」を「その一方の競技者が打ったセカンドサービスの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるダブルフォルト率F12として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「ダブルフォルトによってポイントしたラリーを除いて、一方の競技者がリターン以外の最終ショットによってポイントしたラリーの総数」を「ダブルフォルトによってポイントしたラリーを除いて、その一方の競技者がポイントしたラリーの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるリターン返球率F13として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者のネットミスの総数」を「その一方の競技者のミスの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるネットミス率F14として導出し、
前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者がポイントしたラリーの最終ショットが、その競技者のスマッシュ、ボレー、ドロップ又はアプローチであった場合のラリーの数と、敵方競技者のパス又はロブであった場合のラリーの数と、の合計数」を「その一方の競技者がポイントしたラリーの総数」で除して得られる割合を、競技者データである攻撃的プレイ出現率F15として導出し、
前記相関関係が、第1の相関関係と、第2の相関関係と、第3の相関関係と、第4の相関関係と、によって構成されており、
前記第1の相関関係が、サービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、ウィナー率F1、攻撃的プレイ率F2、得点時ラリー数F4、サービスポイント率F5及びポイント間時間F6の7つの競技者データと、競技者が試合をどのように力強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の力強さ度と、の間に成立する相関関係であり、
前記第2の相関関係が、サービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、守備的プレイ率F3、得点時ラリー数F4、ポイント間時間F6及びエラー率F7の6つの競技者データと、競技者が試合をどのように粘り強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の粘り強さ度と、の間に成立する相関関係であり、
前記第3の相関関係が、ポイント間時間F6、不利場面得点率F8、不利場面サービス得点率F9、有利場面失点率F10及び有利場面攻撃的プレイ得点率F11の5つの競技者データと、競技者が試合の各要所においてどのように点を獲得していけるかを示す点数化した尺度である競技者の勝負強さ度との間に成立する相関関係であり、
前記第4の相関関係が、ポイント間時間F6、リターン返球率F13、ネットミス率F14及び攻撃的プレイ出現率F15の4つの競技者データと、競技者が基礎技能をどの程度身に付けているかを示す点数化した尺度である競技者の基礎技能達成度との間に成立する相関関係であり、
前記評価点数導出手段が、競技者データと前記第1の相関関係から競技者の力強さ度の点数R1を導出し、競技者データと前記第2の相関関係から競技者の粘り強さ度の点数R2を導出し、競技者データと前記第3の相関関係から競技者の勝負強さ度の点数R3を導出し、競技者データと前記第4の相関関係から競技者の基礎技能達成度の点数R4を導出し、
前記評価点数導出手段が、競技者の能力を表す評価点数として、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数を、競技者の力強さ度の点数R1と、競技者の粘り強さ度の点数R2と、競技者の勝負強さ度の点数R3と、競技者の基礎技能達成度の点数R4と、によって示し、
前記評価点数導出手段が、競技者の能力を表す評価点数として、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数を、競技者の力強さ度の点数R1と、競技者の粘り強さ度の点数R2と、競技者の勝負強さ度の点数R3と、によって示し、
前記評価点数導出手段が、競技者の能力を表す評価点数として、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数を、競技者の力強さ度の点数R1と、競技者の粘り強さ度の点数R2と、競技者の勝負強さ度の点数R3と、によって示すことを特徴とする競技者能力測定装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、相対する競技者が交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を評価する競技者能力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、相対する競技者が交互に攻撃防御の動作を行い、一方がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技の試合においては、試合の観戦者が所定の記録用紙にスコアや試合内容を記録している。以下の説明において、「相対する競技者が交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技」のことを、「ラリー型対戦スポーツ競技」という。ラリー型対戦スポーツ競技として、テニス、卓球、バトミントン、バレーボール、ラケットボール、スカッシュ等を例示することができる。
【0003】
例えば、テニスの試合においては、観戦者が所定の記録用紙にスコアや試合内容を記録し、試合終了後に競技者や指導者がその記録用紙を見直して試合内容を検討し、競技者の技術的能力、身体的能力、精神的能力を評価する。この評価により、競技者の問題点等が明らかになる。また、この評価に基づいて、競技者の練習メニューを組み立てることができる。
【0004】
競技者を正確に評価するためには、正確に記録用紙へ記録することが必要である。このためには、記録用紙への記録についての正しい知識が必要である。したがって、誰でもが記録用紙への記録を正確かつ簡単に行えるわけではない。
記録用紙の記録に基づいて競技者を正確に評価するためには、専門的知識に基づいた正しい検討が必要である。このためには、正しい専門的知識を有することや評価の訓練を積むこと等が必要である。また、記録用紙の記録に基づいて競技者を評価する作業は、手間と時間がかかり、煩雑な作業である。
【0005】
したがって、記録用紙へ正確に記録できる人間の数は限られ、また、記録用紙の記録を正確に評価できる人間の数も限られてしまう。このため、テニスの試合では、その試合内容を記録用紙に記録できない場合が多い。この結果、競技者は試合内容をその後の練習や試合に反映させることが困難であり、競技者が漫然と練習や試合を行う原因となる。
このような問題はテニスに限らず、その他のラリー型対戦スポーツ競技にも共通して存在する。
【0006】
かかる問題を解決するために、テニスの試合内容の記録と分析を行うテニススコアラーが提唱されている(特許文献1を参照)。
このテニススコアラーは、テニスの試合で、ゲーム内ポイント、ゲームカウント、セットカウントなどのスコアを記録し、表示するテニススコアラーであって、データ入力部とゲーム内の各ポイントに直接関わる競技者名及びチーム名を選択する第1のスイッチとゲーム内ポイントのプレイ技を選択する第2のスイッチを備え、第1のスイッチ及び第2のスイッチの出力データを受けて、各競技者及び各チームのゲーム内ポイント、ゲームカウント、セットカウントを試合ルールに従って計算して勝敗を判定するカウント部を備え、各ゲーム内ポイント、各ゲーム及び各セット毎に競技者名とプレイ技を分類して累計するデータ処理部を備え、データ処理部の出力データとデータ入力部から入力したデータとカウント部の出力データを記録し、かつデータ入力部からの指令によりカウント部のデータ変更を行う記憶/制御部を備え、記憶/制御部の出力データの表示部と印字部を備え、第1のスイッチと第2のスイッチの誤操作によるデータの解消指令部を備えている。
【0007】
上記のテニススコアラーは、テニスの試合で各ポイントに直接関わる競技者名とそのプレイ技を各ゲーム及び各セット毎に分類集計し、併せて勝敗のカウントを行い、これらのデータを記録し、表示し、印字出力する。
上記のテニススコアラーは、テニス以外のラリー型対戦スポーツ競技にも使用可能である。
なお、以下の説明において、「テニススコアラーが記録し、表示し、印字出力するデータ」のことを、単に、「テニススコアラーの記録データ」という。

【特許文献1】特開平8-1412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記したテニススコアラーの記録データは、ポイントに直接関わる競技者名とそのプレイ技を各ゲーム及び各セット毎に分類集計したものと、勝敗のカウントに関するものとからなるものであり、試合内容のデータを単に羅列して表示したものにすぎない。試合終了後、競技者や指導者がテニススコアラーの記録データを見直して検討し、競技者の能力を様々な観点から評価しなければならない。そして、評価の結果に基づいて、競技者の問題点等を明らかにしていく必要がある。
【0009】
なお、以下の説明において、「テニススコアラーの記録データに基づいた競技者の能力の評価」のことを「テニススコアラーの評価」という。
試合内容を記録用紙に記録していた場合と同様、テニススコアラーの評価を出す場合、専門的知識に基づいた正確な検討が必要である。このためには、正しい専門的知識を有することや評価の訓練を積むこと等が必要である。したがって、テニススコアラーの評価を正しく出せる人間の数は限られてしまう。
【0010】
また、テニススコアラーの評価には、この評価を出した人間の個人的見解が入ってしまう。したがって、ある人間が出したテニススコアラーの評価と別の人間が出したテニススコアラーの評価とをそのまま単純に比較することはできない。
このような問題は、テニスの試合でテニススコアラーを使用する場合にのみ生じるものではない。テニス以外のラリー型対戦スポーツ競技にテニススコアラーを使用する場合にも生じる。
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、ラリー型対戦スポーツ競技において、競技者の能力を客観的に評価できるとともに、誰でも簡単に操作可能な競技者能力測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係る競技者能力測定装置は、
相対する競技者が、コート内でネットをはさんでボール又はシャトルを交互に打ち合うことによって交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を評価する競技者能力測定装置であって、競技者が行う攻撃防御の動作を記録する動作記録手段と、ラリーの結果を記録するラリー結果記録手段と、前記動作記録手段が記録した競技者の攻撃防御の動作、及び、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果のうちの少なくとも一方に基づき、競技者の攻撃防御に関する情報を競技者データとして導出する競技者データ導出手段と、前記競技者データと競技者の能力との間に成立する相関関係に基づき、前記競技者データ導出手段が導出した競技者データから、競技者の能力を表す評価点数を導出する評価点数導出手段と、を備え、前記相関関係が、技術的能力相関関係と、身体的能力相関関係と、精神的能力相関関係と、によって構成され、前記技術的能力相関関係は、競技者がボール又はシャトルを打つタイミングとラリーの結果を決定した攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者の技術的能力と、の間に成立する相関関係であり、前記身体的能力相関関係は、ラリーの打数及びラリーの継続時間に基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者の身体的能力と、の間に成立する相関関係であり、前記精神的能力相関関係は、得点経過及びラリーの結果に基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者の精神的能力と、の間に成立する相関関係であり、前記評価点数が、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数と、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数と、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数と、によって構成されている。
請求項2の発明に係る競技者能力測定装置は、相対する競技者が、コート内でネットをはさんでボール又はシャトルを交互に打ち合うことによって交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を評価する競技者能力測定装置であって、競技者が行う攻撃防御の動作を記録する動作記録手段と、ラリーの結果を記録するラリー結果記録手段と、前記動作記録手段が記録した競技者の攻撃防御の動作、及び、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果のうちの少なくとも一方に基づき、競技者の攻撃防御に関する情報を競技者データとして導出する競技者データ導出手段と、前記競技者データと競技者の能力との間に成立する相関関係に基づき、前記競技者データ導出手段が導出した競技者データから、競技者の能力を表す評価点数を導出する評価点数導出手段と、を備え、前記相関関係が、競技者の力強さ度の相関関係と、競技者の粘り強さ度の相関関係と、競技者の勝負強さ度の相関関係と、競技者の基礎技能達成度の相関関係と、によって構成され、前記競技者の力強さ度の相関関係は、ラリーの打数とラリーの結果と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が試合をどのように力強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の力強さ度と、の間に成立する相関関係であり、前記競技者の粘り強さ度の相関関係は、ラリーの打数とラリーの結果とラリーの継続時間と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が試合をどのように粘り強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の粘り強さ度と、の間に成立する相関関係であり、前記競技者の勝負強さ度の相関関係は、得点経過とラリーの結果と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が試合の各要所においてどのように点を獲得していけるかを示す点数化した尺度である競技者の勝負強さ度と、の間に成立する相関関係であり、前記競技者の基礎技能達成度の相関関係は、ラリーの結果と攻撃防御の動作とに基づき前記競技者データ導出手段が導出する競技者データと、競技者が基礎技能をどの程度身に付けているかを示す点数化した尺度である競技者の基礎技能達成度と、の間に成立する相関関係であり、前記評価点数が、競技者の力強さ度と、競技者の粘り強さ度と、競技者の勝負強さ度と、競技者の基礎技能達成度と、によって構成されている。
請求項3の発明に係る競技者能力測定装置は、請求項2に記載の競技者能力測定装置であって、前記評価点数が、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数と、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数と、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数と、を有しており、前記技術的評価点数と、前記身体的評価点数と、前記精神的評価点数と、が、前記競技者の力強さ度と、前記競技者の粘り強さ度と、前記競技者の勝負強さ度と、前記競技者の基礎技能達成度と、によって示される。
請求項4の発明に係る競技者能力測定装置は、相対する競技者が、コート内でネットをはさんでボールを交互に打ち合うことによって交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を評価する競技者能力測定装置であって、競技者が行う攻撃防御の動作を記録する動作記録手段と、ラリーの結果を記録するラリー結果記録手段と、前記動作記録手段が記録した競技者の攻撃防御の動作、及び、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果のうちの少なくとも一方に基づき、競技者の攻撃防御に関する情報を競技者データとして導出する競技者データ導出手段と、前記競技者データと競技者の能力との間に成立する相関関係に基づき、前記競技者データ導出手段が導出した競技者データから、競技者の能力を表す評価点数を導出する評価点数導出手段と、を備え、ラリー中のショットの時刻と、ラリーの最終ショットの種類と、ショットの結果と、アンフォーストエラーがあったか否かと、サービスをレシーブした位置と、サービスされたボールがレットであったか否かと、が、前記ラリー結果記録手段に記録されるラリーの結果であるか、あるいは、前記動作記録手段に記録される競技者が行う攻撃防御の動作であり、前記競技者データ導出手段が、前記動作記録手段が記録した競技者が行なう攻撃防御の動作と、前記ラリー結果記録手段が記録したラリーの結果と、からスコアを導出し、前記競技者データ導出手段が、
V1=K1×K2×L1/T1
K1:コートの種類により定まる係数
K2:サービスをレシーブした競技者の位置に応じて定まる係数
L1:コートの縦長さ
T1:サービスのタイミングとレシーブのタイミングとの時間差
の計算式により、競技者データであるサービスされたボールの速度をサービスボール速度V1として導出し、前記競技者データ導出手段が、レシーブ以降に行われる各ショットの時刻の間隔を、競技者データであるショット間時間T2として導出し、導出したショット間時間T2に対応してショットの種類を判別し、前記競技者データ導出手段が、
V2=L1×N/T3
N:1つのラリー内におけるストロークの数
T3:1つのラリー内で、ストロークであった場合のショット間時間T2の合計時間
の計算式により、最終ショットがサービス以外のストロークであったラリーにおける一方の競技者がストロークしたボールの平均速度を、競技者データであるストロークボール速度V2として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者がウィナーによって獲得した得点」を「その一方の競技者の全得点」で除して得られる割合を、競技者データであるウィナー率F1として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者が最終ショットとして打つスマッシュ、ボレー、ドロップ及びアプローチの総数」を「その一方の競技者が打つ最終ショットの総数」で除して得られる割合を、競技者データである攻撃的プレイ率F2として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者が最終ショットとして打つパス及びロブの総数」を「その一方の競技者が打つ最終ショットの総数」で除して得られる割合を、競技者データである守備的プレイ率F3として導出し、一方の競技者がラリーで得点した場合、前記競技者データ導出手段が、その一方の競技者がそのラリーにおいて打ったショットの総数を、競技者データである得点時ラリー数F4として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者のサービスウィナーによって獲得した得点と敵方競技者のリターンエラーによって獲得した得点の合計点数」を「その一方の競技者の全得点」で除して得られる割合を、競技者データであるサービスポイント率F5として導出し、一方の競技者があるラリーで得点した場合に、前記競技者データ導出手段が、そのラリーのサービスショットの時刻と、そのラリーの1つ前のラリーの最終ショットの時刻との時間差を、競技者データであるポイント間時間F6として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者の最終ショットを敵方競技者がエラーした総数」を「その一方の競技者の最終ショットの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるエラー率F7として導出し、カウントが同点又は敵方に有利な状況となる不利場面でのラリーにおいて、前記競技者データ導出手段が、その競技者がそのラリーで得点する確率を、競技者データである不利場面得点率F8として導出し、前記競技者データ導出手段が、「不利場面に陥った競技者がサービスウィナーによって獲得した得点と、敵方競技者のリターンエラーによって獲得した得点と、の合計点数」を「この不利場面に陥った競技者が不利場面で行われるラリーから獲得した全得点」で除して得られる割合を、競技者データである不利場面サービス得点率F9として導出し、カウントが自分に有利な状況となる有利場面でのラリーにおいて、前記競技者データ導出手段が、その競技者がそのラリーで失点する確率を、競技者データである有利場面失点率F10として導出し、前記競技者データ導出手段が、「有利場面になった競技者がその競技者のスマッシュ、ボレー、ドロップ又はアプローチによるウィナーから獲得する得点と、敵方競技者のパス又はロブにおけるエラーから獲得した得点と、の合計点数」を「この有利場面になった競技者が有利場面で行われるラリーから獲得した全得点」で除して得られる割合を、競技者データである有利場面攻撃的プレイ得点率F11として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者のセカンドサービスがフォルトとなる場合の総数」を「その一方の競技者が打ったセカンドサービスの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるダブルフォルト率F12として導出し、前記競技者データ導出手段が、「ダブルフォルトによってポイントしたラリーを除いて、一方の競技者がリターン以外の最終ショットによってポイントしたラリーの総数」を「ダブルフォルトによってポイントしたラリーを除いて、その一方の競技者がポイントしたラリーの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるリターン返球率F13として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者のネットミスの総数」を「その一方の競技者のミスの総数」で除して得られる割合を、競技者データであるネットミス率F14として導出し、前記競技者データ導出手段が、「一方の競技者がポイントしたラリーの最終ショットが、その競技者のスマッシュ、ボレー、ドロップ又はアプローチであった場合のラリーの数と、敵方競技者のパス又はロブであった場合のラリーの数と、の合計数」を「その一方の競技者がポイントしたラリーの総数」で除して得られる割合を、競技者データである攻撃的プレイ出現率F15として導出し、前記相関関係が、第1の相関関係と、第2の相関関係と、第3の相関関係と、第4の相関関係と、によって構成されており、前記第1の相関関係が、サービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、ウィナー率F1、攻撃的プレイ率F2、得点時ラリー数F4、サービスポイント率F5及びポイント間時間F6の7つの競技者データと、競技者が試合をどのように力強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の力強さ度と、の間に成立する相関関係であり、前記第2の相関関係が、サービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、守備的プレイ率F3、得点時ラリー数F4、ポイント間時間F6及びエラー率F7の6つの競技者データと、競技者が試合をどのように粘り強く進めていけるかを示す点数化した尺度である競技者の粘り強さ度と、の間に成立する相関関係であり、前記第3の相関関係が、ポイント間時間F6、不利場面得点率F8、不利場面サービス得点率F9、有利場面失点率F10及び有利場面攻撃的プレイ得点率F11の5つの競技者データと、競技者が試合の各要所においてどのように点を獲得していけるかを示す点数化した尺度である競技者の勝負強さ度との間に成立する相関関係であり、前記第4の相関関係が、ポイント間時間F6、リターン返球率F13、ネットミス率F14及び攻撃的プレイ出現率F15の4つの競技者データと、競技者が基礎技能をどの程度身に付けているかを示す点数化した尺度である競技者の基礎技能達成度との間に成立する相関関係であり、前記評価点数導出手段が、競技者データと前記第1の相関関係から競技者の力強さ度の点数R1を導出し、競技者データと前記第2の相関関係から競技者の粘り強さ度の点数R2を導出し、競技者データと前記第3の相関関係から競技者の勝負強さ度の点数R3を導出し、競技者データと前記第4の相関関係から競技者の基礎技能達成度の点数R4を導出し、前記評価点数導出手段が、競技者の能力を表す評価点数として、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数を、競技者の力強さ度の点数R1と、競技者の粘り強さ度の点数R2と、競技者の勝負強さ度の点数R3と、競技者の基礎技能達成度の点数R4と、によって示し、前記評価点数導出手段が、競技者の能力を表す評価点数として、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数を、競技者の力強さ度の点数R1と、競技者の粘り強さ度の点数R2と、競技者の勝負強さ度の点数R3と、によって示し、前記評価点数導出手段が、競技者の能力を表す評価点数として、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数を、競技者の力強さ度の点数R1と、競技者の粘り強さ度の点数R2と、競技者の勝負強さ度の点数R3と、によって示す。
【0012】
相対する競技者が交互に攻撃防御の動作を行い、一方の競技者がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技(ラリー型対戦スポーツ競技)とは、例えば、競技者がラケットを用いてボール等を打ち合うラケット競技や、競技者がネットを挟んでボール等を打ち合うネット型競技を挙げることができる。ラリー型対戦スポーツ競技には、ラケット競技であるとともにネット型競技であるものがある。また、ラリー型対戦スポーツ競技には、1対1の個人競技であるものや、多対多のチーム競技であるものがある。競技者がラケットを用いてボール等を互いに打ち合う場合、ラケットでボール等を打ち合う行為が競技者による攻撃防御の動作となる。競技者が手足を用いてボールを互いに打ち合う場合、手足でボールを打ち合う行為が競技者による攻撃防御の動作となる。
【0013】
動作記録手段が、ラリー型対戦スポーツ競技における競技者の攻撃防御の動作を記録する。ラリー結果記録手段が、ラリーの結果を記録する。競技者能力測定装置の操作者が競技者の攻撃防御の動作やラリーの結果を競技者能力測定装置に入力することとすれば、動作記録手段やラリー結果記録手段は入力されたデータをそのまま記録できる。操作者は、競技者の攻撃防御の動作やラリーの結果をそのまま入力すればよいだけなので、競技者能力測定装置の操作が簡単である。また、操作者が競技者能力測定装置に画像データや音声データを入力し、競技者能力測定装置がこれらの画像データや音声データを処理して競技者の攻撃防御の動作を検出し、この検出結果を動作記録手段が記録することとしてもよい。操作者が行う競技者能力測定装置の操作はより簡単化される。
【0014】
動作記録手段により記録された競技者の攻撃防御の動作、及び、ラリー結果記録手段により記録されたラリーの結果のうちの少なくとも一方に基づき、競技者データ導出手段が、競技者の攻撃防御に関するデータを競技者データとして導出する。
競技者の攻撃防御の動作やラリーの結果は、競技者の能力を反映しており、競技者の能力に応じて変わる。競技者データは、競技者の攻撃防御の動作やラリーの結果に基づいて導出されているので、競技者の能力を反映し、競技者の能力に応じて変わる。競技者データと競技者の能力との間には相関関係が成立する。この相関関係は、例えば、様々な能力の競技者が行う試合から競技者データを収集することによって取得できる。この相関関係は、表やグラフによって表示されるものであっても、数式によって表示されるものであってもよい。
【0015】
評価点数導出手段が、競技者データと競技者の能力との間に成立する相関関係に基づき、競技者データ導出手段によって導出された競技者データから、競技者の能力を表す評価点数を導出する。この評価点数の導出において、所定の相関関係を使用することにより、常に同じ評価尺度に基づいた評価点数を簡単に得ることができる。競技者能力測定装置の操作者の個人的見解が評価点数に反映することが防止され、競技者の能力が評価点数によって客観的に評価される。
【0016】
競技者は自己の評価点数を簡単に知ることができるので、評価点数に応じた練習メニューを組み立てて練習することができる。
競技者の評価点数を記録していけば、競技者の能力の進歩の具合を簡単に知ることができる。
指導者と競技者とが初対面の場合であっても、競技者の評価点数がわかっていれば、指導者は指導方針をたてることが簡単であり、指導者は直ちに適切な指導を競技者に与えることができる。
競技者の評価点数を互いに比較すれば、実際に試合を行わなくても、競技者の能力の優劣を判定することができる。
観戦者は、観戦している試合内容を反映した競技者の評価点数を簡単に知ることができ、試合を様々な観点から楽しむことができる。
【0018】
ラリー型対戦スポーツ競技の競技者の能力は、技術的能力、身体的能力及び精神的能力にわけることができる。技術的能力とは、ラリー型対戦スポーツ競技の技術的側面からみた競技者の能力のことである。例えば、ラリー型対戦スポーツ競技に特有の動作を行う能力は、技術的能力の一つである。身体的能力とは、身体的側面からみた競技者の能力のことである。例えば、筋力、瞬発力、持久力等の能力は、身体的能力である。精神的能力とは、精神的側面からみた競技者の能力のことである。例えば、自信、集中力、勝利への意欲、努力する意欲、平常心等は、精神的能力である。競技者データ導出手段が導出する競技者データは、これらの能力を反映している。
【0019】
評価点数導出手段が、競技者データ導出手段により導出された競技者データと技術的能力相関関係とを用いて、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数を導出する。また、評価点数導出手段が、競技者データ導出手段により導出された競技者データと身体的能力相関関係とを用いて、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数を導出する。さらに、評価点数導出手段が、競技者データ導出手段により導出された競技者データと精神的能力相関関係とを用いて、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数を導出する。
競技者の技術的評価点数、身体的評価点数及び精神的評価点数が簡単かつ客観的にわかり、これらの各評価点数に基づいて競技者の能力を多角的かつ客観的に判断でき、競技者の問題点等がより詳細にわかる。
【0021】
相対する競技者がボールを交互に打ち合うスポーツ競技として、例えば、テニス、卓球、バレーボール、ラケットボール、スカッシュ等を例示することができる。相対する競技者がシャトルを交互に打ち合うスポーツ競技として、例えば、バドミントン等を例示することができる。1対1の個人競技の場合には、競技者個人について評価点数を導出できる。多対多のチーム競技の場合には、チームについて評価点数を導出することができる。また、多対多のチーム競技の場合、どの競技者が攻撃防御の動作を行ったかを一緒に記録していくことによって各競技者について評価点数を導出することもできる。例えば、テニスのダブルスの試合では、競技者が交互にボールを打つので、各競技者についての評価点数の導出が容易である。
【0022】
なお、競技者がボールやシャトルを打つタイミングを音によって知ることができる。したがって、音声データから競技者がボールやシャトルを打つ音を検出し、この音を検出するタイミングを動作記録手段やラリー結果記録手段が攻撃防御の動作のデータとして記録することが可能である。競技者能力測定装置の操作者にかかるデータ入力の負担をより少なくすることができる。
【発明の効果】
【0023】
上記のような競技者能力測定装置であるので、相対する競技者が交互に攻撃防御の動作を行い、一方がミスを犯すまでラリーが続くスポーツ競技において、競技者の能力を客観的に評価できる、操作が簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施するための最良の形態を図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る競技者能力測定装置のブロック図、図2はプレイ情報入力画面の一例を示す説明図である。
図1に示す競技者能力測定装置1は、テニスの競技者の能力の測定を目的とした装置であり、試合情報入力部10、メモリ43、演算部45、出力部47を有する。
【0025】
試合情報入力部10は、試合情報入力画面とプレイ情報入力画面とを有する。試合情報入力画面から後述の試合情報を入力するとともに、プレイ情報入力画面から後述のプレイ情報を入力し、入力された試合情報とプレイ情報が演算部45を経由してメモリ43に送られ記憶される構成となっている。
試合情報とは、テニスの試合の日時場所、テニスコートの種類等に関する情報、試合を行う競技者の個人に関する情報等である。操作者がテニスの試合前あるいは試合後に試合情報入力画面から試合情報を入力する構成となっている。
【0026】
プレイ情報とは、ラリー中の各競技者が行うショットの時刻、ショットの種別、ストロークの種別等に関する情報である。操作者が試合中にプレイ情報入力画面からプレイ情報を入力する構成となっている。なお、競技者が行うショットとは、競技者がボールをラケットで打つ動作のことを言う。
プレイ情報入力画面の一例を図2に示す。プレイ情報入力画面はタッチペンによってプレイ情報を入力可能に構成されており、ショット時刻入力エリア12、ショット結果入力エリア18、ショット詳細入力エリア25、レシーブ位置入力エリア31、スコア表示部36を有する。
【0027】
ショット時刻入力エリア12は、ショットボタン13、ポイントレットボタン14、一打取消ボタン15を有する。ショットボタン13は、各競技者がショットしたタイミングにあわせて、操作者がショットボタン13を押すと、ショットのタイミングとしてその時刻が入力される構成となっている。また、ショットボタン13は、1つのラリーが続く間、操作者が各競技者のショット毎にショットボタン13を押すことにより、各ショットの時刻が入力されていく構成となっている。
【0028】
ポイントレットボタン14は、サービスされたボールがレットとなった場合に操作者が押すボタンであり、ショットボタン13からの入力をやり直すことが可能に構成されている。一打取消ボタン15は、間違えてショットボタン13を押した場合にその入力の取り消しを可能とするボタンである。
ショット結果入力エリア18は、ウィナーボタン19、ネットボタン20、左右のサイドアウトボタン21、バックアウトボタン22を有する。ウィナーボタン19は、競技者がコート内に入ったボールを拾えなかった場合に操作者が押すボタンである。ネットボタン20は、ショットしたボールがネットに引っかかった場合に操作者が押すボタンである。サイドアウトボタン21は、ボールがサイドアウトとなった場合に操作者が押すボタンである。バックアウトボタン22は、ボールがバックアウトとなった場合に操作者が押すボタンである。
【0029】
1つのラリーの結果が出たら、操作者が、ラリーを決定したショットの結果に対応するボタンをショット結果入力エリア18の中から選んでタッチペンで押し、ラリーを決定したショットの結果が入力される構成となっている。なお、ラリーの結果を決定したショットのことを「最終ショット」という。
ショット詳細入力エリア25は、複数のショット種類ボタン26を有する。各ショット種類ボタン26はそれぞれストローク、スマッシュ、ロブ、パス、ドロップ、ボレー、アプローチの各ショットに対応している。1つのラリーの結果が出たら、操作者が、最終ショットに対応するショット種類ボタン26を選んで押し、最終ショットの種類が入力される構成となっている。
また、ショット詳細入力エリア25は、最終ショットのストロークがバックハンドであったかフォアハンドであったかを入力するストロークボタン27と、アンフォーストエラーを入力するエラーボタン28を有している。
【0030】
レシーブ位置入力エリア31は、前進レシーブボタン32、後退レシーブボタン33を有する。前進レシーブボタン32は、競技者がベースラインよりも前進してサービスをレシーブした場合に、操作者が選択して押すボタンである。後退レシーブボタン33は、競技者がベースラインよりも後退してサービスをレシーブした場合に、操作者が選択して押すボタンである。操作者が、前進レシーブボタン32又は後退レシーブボタン33を選んで押すと、サービスをレシーブした競技者の位置が入力される構成となっている。なお、操作者が、前進レシーブボタン32と後退レシーブボタン33のいずれも押さない場合には、競技者がベースラインにおいてサービスをレシーブしたとの情報が自動的に入力される構成となっている。
【0031】
スコア表示部36は、試合情報の入力に基づいて競技者の名前を表示するとともに、演算部45が後述のプログラムP5によって導出したスコアを表示可能に構成されている。
また、プレイ情報入力画面は、入力情報確定ボタン39と入力情報不備表示ボタン40を有する。入力情報確定ボタン39は、プレイ情報入力画面から入力した情報を確定するために操作者が押すボタンである。入力情報不備表示ボタン40は、プレイ情報入力画面から入力した情報に不備がある場合に、その旨のメモを付するためのボタンである。
【0032】
演算部45は、プログラムP1、P2、P3、P4、P5を有し、試合情報入力部10から入力された試合情報及びプレイ情報をメモリ43から読み出し、この読み出した情報に基づいて競技者データを導出し、導出し競技者データをメモリ43に記憶させる構成となっている。
プログラムP1は、サービスされたボールの速度V1を次式(1)を用いて競技者データとして導出し、導出したサービスボール速度V1をメモリ43に記憶させるプログラムである。
V1=K1×K2×L1/T1・・・(1)
式(1)中のK1はコート係数、K2はリターン位置係数、L1はコートの縦長さであり、T1はサービスのタイミングからこのサービスをレシーブするタイミングまでの時間である。
【0033】
コート係数K1は、クレーコート、芝コート、ハードコート、砂入り人工芝コートに応じて定められた値をそれぞれ有し、試合情報入力部10から入力された試合情報によって選択される。テニスコートの種類の違いに起因するサービスボール速度V1の変化がコート係数K1によって補正される。この補正によって、サービスボール速度V1は同一種類のテニスコートにおけるボールの速度として導出される。したがって、サービスボール速度V1の比較や評価を行うとき、テニスコートの種類の違いを考慮する必要がなくなる。
【0034】
リターン位置係数K2は、サービスをレシーブした競技者の位置に応じて定まる値を有し、レシーブ位置入力エリア31から入力された競技者のレシーブの位置によって定まる。競技者がサービスをレシーブする位置によってボールの飛距離が変化するが、この飛距離の変化はリターン位置係数K2によって補正される。この補正によって、サービスボール速度V1は競技者が同じ位置に立ってサービスをレシーブしたものとして導出される。したがって、サービスボール速度V1の比較や評価を行うとき、サービスをレシーブする競技者の位置の違いを考慮する必要がなくなる。
【0035】
L1は、コートの縦長さであり、23.77mである。
時間T1は、ショットボタン13から入力されるサービスのタイミングとレシーブのタイミングとの時間差であり、プログラムP1によって導出される。
サービスボール速度V1は、競技者の身体的能力を反映していると考えられる。競技者の身体的能力が高くなれば、その競技者のサービスボール速度V1は速くなる傾向がある。
【0036】
プログラムP2は、次に説明するストロークボール速度V2を導出し、導出したストロークボール速度V2をメモリ43に記憶させるプログラムである。ストロークボール速度V2とは、最終ショットがサービス以外のストロークであったラリーにおいて、一方の競技者がストロークしたボールの平均速度である。
まず、プログラムP2は、あるラリーにおいて一方の競技者がサービスしたボールを他方の競技者がレシーブした場合、そのレシーブ以降に行われる各ショットの時刻の間隔をショット間時間T2として導出する。発明者がデータを収集し分析して得た知見によれば、ショット間時間T2はショットの種類に対応しており、ショット間時間T2に基づいてショットの種類を知ることができる。
【0037】
すなわち、ショット間時間T2が0.72秒未満である場合、そのショットはパスである。ショット間時間T2が0.72秒以上、1.96秒以下である場合、そのショットはストロークである。ショット間時間T2が1.96秒を超える場合、そのショットはロブである。発明者の知見によれば、このショット間時間T2とショットの種類との対応関係は、テニスコートの種類に関係なく常に成立している。
【0038】
プログラムP2は、ショット間時間T2からショットの種類を判別し、ショットがストロークである場合を抽出する。そして、1つのラリー内でストロークの数Nを数える。また、同時に、ストロークであった場合のショット間時間T2の合計時間T3を導出する。そして、次式(2)を用いてストロークボール速度V2を導出する。
V2=L1×N/T3・・・(2)
ストロークボール速度V2は、競技者の身体的能力、技術的能力及び精神的能力を反映していると考えられる。競技者が試合を力強く進めている場合、ストロークボール速度V2が高速になる傾向がある。また、競技者が試合を粘り強く進めている場合、ストロークボール速度V2が中速から低速になる傾向がある。
【0039】
プログラムP3は、後述するウィナー率F1、攻撃的プレイ率F2、守備的プレイ率F3、得点時ラリー数F4、サービスポイント率F5、ポイント間時間F6、エラー率F7、不利場面得点率F8、不利場面サービス得点率F9、有利場面失点率F10、有利場面攻撃的プレイ得点率F11、ダブルフォルト率F12、リターン返球率F13、ネットミス率F14、攻撃的プレイ出現率F15を競技者データとして各競技者についてそれぞれ導出し、導出した競技者データをメモリ43に記憶させるプログラムである。
【0040】
ウィナー率F1とは、「一方の競技者がウィナーによって獲得した得点」を「その一方の競技者の全得点」で除して得られる割合である。
競技者の身体的能力や技術的能力が高ければ、ウィナー率F1が高くなる傾向がある。
そして、競技者が試合を力強く進めている場合、ウィナー率F1が高くなる傾向がある。
攻撃的プレイ率F2とは、「一方の競技者が最終ショットとして打つスマッシュ、ボレー、ドロップ及びアプローチの総数」を「その一方の競技者が打つ最終ショットの総数」で除して得られる割合である。以下、スマッシュ、ボレー、ドロップ及びアプローチのことを「攻撃的プレイ」というものとする。
【0041】
競技者の身体的能力、技術的能力及び精神的能力が高ければ、攻撃的プレイ率F2が高くなる傾向がある。そして、競技者が試合を力強く進めている場合、攻撃的プレイ率F2が高くなる傾向がある。
守備的プレイ率F3とは、「一方の競技者が最終ショットとして打つパス及びロブの総数」を「その一方の競技者が打つ最終ショットの総数」で除して得られる割合である。以下、パス及びロブのことを「守備的プレイ」というものとする。
【0042】
競技者の身体的能力、技術的能力及び精神的能力が高ければ、守備的プレイ率F3が高くなる傾向がある。そして、競技者が試合を粘り強く進めている場合、守備的プレイ率F3が高くなる傾向がある。
得点時ラリー数F4とは、一方の競技者がラリーで得点した場合、その一方の競技者がそのラリーにおいて打ったショットの総数である。
【0043】
競技者の身体的能力、技術的能力及び精神的能力に応じて、得点時ラリー数F4が変化する。そして、競技者が試合を力強く進めている場合、得点時ラリー数F4が少なくなる傾向がある。また、競技者が試合を粘り強く進めている場合、得点時ラリー数F4が多くなる傾向がある。
サービスポイント率F5とは、「一方の競技者のサービスウィナーによって獲得した得点と敵方競技者のリターンエラーによって獲得した得点の合計点数」を「その一方の競技者の全得点」で除して得られる割合である。
【0044】
競技者の身体的能力、技術的能力及び精神的能力が高ければ、サービスポイント率F5が高くなる傾向がある。そして、競技者が試合を力強く進めている場合、サービスポイント率F5が高くなる傾向がある。
ポイント間時間F6とは、一方の競技者があるラリーで得点した場合、そのラリーのサービスショットの時刻と、そのラリーの1つ前のラリーの最終ショットの時刻との時間差である。
【0045】
競技者の身体的能力、技術的能力及び精神的能力に応じて、ポイント間時間F6が変化する。競技者が試合を力強く進めている場合、ポイント間時間F6が短くなる傾向がある。また、競技者が試合を粘り強く進めている場合、ポイント間時間F6が長くなる傾向がある。競技者が試合を冷静に進めている場合、ポイント間時間F6は大きく変化しない。
【0046】
エラー率F7とは、「一方の競技者の最終ショットを敵方競技者がエラーした総数」を「その一方の競技者の最終ショットの総数」で除して得られる割合である。
競技者の技術的能力及び精神的能力が高ければ、敵方競技者のエラー率F7が高くなる傾向がある。そして、競技者が試合を粘り強く進めている場合、敵方競技者のエラー率F7が高くなる傾向がある。
【0047】
不利場面得点率F8とは、カウントが30(自分)対30(敵)、デュース、15(自分)対30(敵)、0(自分)対15(敵)となって同点又は敵方が有利な状況下のラリーにおいて、その競技者がそのラリーで得点する確率である。なお、カウントが30(自分)対30(敵)、デュース、15(自分)対30(敵)、0(自分)対15(敵)となって同点又は敵方が有利な状況のことを、「不利場面」というものとする。
【0048】
競技者の精神的能力に応じて、不利場面得点率F8が変化する。そして、競技者が不利な状況に動揺しない強く落ち着いた精神的能力を有していれば、不利場面得点率F8が高くなる傾向がある。
不利場面サービス得点率F9とは、「不利場面に陥った競技者がサービスウィナーによって獲得した得点と、敵方競技者のリターンエラーによって獲得した得点と、の合計点数」を「この不利場面に陥った競技者が不利場面で行われるラリーから獲得した全得点」で除して得られる割合である。
【0049】
競技者の精神的能力に応じて、不利場面サービス得点率F9が変化する。そして、競技者が不利な状況に動揺しない強く落ち着いた精神的能力を有していれば、不利場面サービス得点率F9が高くなる傾向がある。
有利場面失点率F10とは、カウントが15(自分)対0(敵)、30(自分)対0(敵)、30(自分)対15(敵)、40(自分)対0(敵)、40(自分)対15(敵)となって自分が有利な状況下のラリーにおいて、その競技者がそのラリーで失点する確率である。なお、カウントが15(自分)対0(敵)、30(自分)対0(敵)、30(自分)対15(敵)、40(自分)対0(敵)、40(自分)対15(敵)となって自分が有利な状況のことを、「有利場面」というものとする。
【0050】
競技者の精神的能力に応じて、有利場面失点率F10が変化する。そして、競技者が有利な状況に驕らない安定した精神的能力を有していれば、有利場面失点率F10が低くなる傾向がある。
有利場面攻撃的プレイ得点率F11とは、「有利場面になった競技者がその競技者の攻撃的プレイによるウィナーから獲得する得点と、敵方競技者の守備的プレイにおけるエラーから獲得した得点と、の合計点数」を「この有利場面になった競技者が有利場面で行われるラリーから獲得した全得点」で除して得られる割合である。
【0051】
競技者の精神的能力に応じて、有利場面失点率F10が変化する。そして、競技者が有利な状況を積極的に利用できる強い精神的能力を有していれば、有利場面攻撃的プレイ得点率F11が高くなる傾向がある。
ダブルフォルト率F12とは、「一方の競技者のセカンドサービスがフォールトとなる場合の総数」を「その一方の競技者が打ったセカンドサービスの総数」で除して得られる割合である。
【0052】
競技者が基礎的技能をしっかりと身に付けており、その技術的能力が高ければ、ダブルフォルト率F12が低くなる傾向がある。
リターン返球率F13とは、「ダブルフォルトによってポイントしたラリーを除いて、一方の競技者がリターン以外の最終ショットによってポイントしたラリーの総数」を「ダブルフォルトによってポイントしたラリーを除いて、その一方の競技者がポイントしたラリーの総数」で除して得られる割合である。
【0053】
競技者が基礎的技能をしっかりと身に付けており、その技術的能力が高ければ、リターン返球率F13が高くなる傾向がある。
ネットミス率F14とは、「一方の競技者のネットミスの総数」を「その一方の競技者のミスの総数」で除して得られる割合である。
競技者が基礎的技能をしっかりと身に付けており、その技術的能力が高ければ、ネットミス率F14が低くなる傾向がある。
【0054】
攻撃的プレイ出現率F15とは、「一方の競技者がポイントしたラリーの最終ショットが、その競技者の攻撃的プレイであった場合のラリーの数と、敵方競技者の守備的プレイであった場合のラリーの数と、の合計数」を「その一方の競技者がポイントしたラリーの総数」で除して得られる割合である。
競技者が基礎的技能をしっかりと身に付けており、その技術的能力が高ければ、攻撃的プレイ出現率F15が高くなる傾向がある。
プログラムP4は、プログラムP1及びプログラムP3によって導出された競技者データと、後述するテーブルT1、T2、T3、T4とを用いて、後述する競技者の力強さ度、粘り強さ度、勝負強さ度、基礎技能達成度を評価点数としてそれぞれ導出し、導出した各評価点数をメモリ43に記憶させるプログラムである。
【0055】
テーブルT1、T2、T3、T4がメモリ43に記憶されている。テーブルT1は、サービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、ウィナー率F1、攻撃的プレイ率F2、得点時ラリー数F4、サービスポイント率F5及びポイント間時間F6の7つの競技者データと、競技者の力強さ度との間に成立する相関関係を表すデータのテーブルである。なお、力強さ度とは、競技者が試合をどのように力強く進めていけるかを示す尺度であり、0点から100点までの点数R1によって表される。
【0056】
テーブルT1の相関関係は、国内外のテニスの試合からサービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、ウィナー率F1、攻撃的プレイ率F2、得点時ラリー数F4、サービスポイント率F5及びポイント間時間F6のデータと、その試合における競技者の力強さ度の点数R1とを集めて蓄積し、これらのデータ間に成立する相関関係をまとめて得られたものである。
【0057】
テーブルT1の相関関係を構成する7つの競技者データは、前記したとおり、競技者の技術的能力、身体的能力、精神的能力を反映しているので、テーブルT1の相関関係は、技術的能力相関関係であるとともに、身体的能力相関関係であり、精神的能力相関関係でもある。したがって、これら7つの競技者データとテーブルT1とから導出される競技者の力強さ度の点数R1は、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数であるとともに、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数であり、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数でもある。
【0058】
テーブルT2は、サービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、守備的プレイ率F3、得点時ラリー数F4、ポイント間時間F6、エラー率F7の6つの競技者データと、競技者の粘り強さ度との間に成立する相関関係を表すデータのテーブルである。なお、粘り強さ度とは、競技者が試合をどのように粘り強く進めていけるかを示す尺度であり、0点から100点までの点数R2によって表される。
テーブルT2の相関関係は、国内外のテニスの試合からサービスボール速度V1、ストロークボール速度V2、守備的プレイ率F3、得点時ラリー数F4、ポイント間時間F6、エラー率F7のデータと、その試合における競技者の粘り強さ度の点数R2とを集めて蓄積し、これらのデータ間に成立する相関関係をまとめて得られたものである。
【0059】
テーブルT2の相関関係を構成する6つの競技者データは、前記したとおり、競技者の技術的能力、身体的能力、精神的能力を反映しているので、テーブルT2の相関関係は、技術的能力相関関係であるとともに、身体的能力相関関係であり、精神的能力相関関係でもある。したがって、これら6つの競技者データとテーブルT2とから導出される競技者の粘り強さ度の点数R2は、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数であるとともに、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数であり、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数でもある。
【0060】
テーブルT3は、ポイント間時間F6、不利場面得点率F8、不利場面サービス得点率F9、有利場面失点率F10、有利場面攻撃的プレイ得点率F11の5つの競技者データと、競技者の勝負強さ度との間に成立する相関関係を表すデータのテーブルである。なお、勝負強さ度とは、競技者が試合の各要所においてどのように点を獲得していけるかを示す尺度であり、0点から100点までの点数R3によって表される。
テーブルT3の相関関係は、国内外のテニスの試合からポイント間時間F6、不利場面得点率F8、不利場面サービス得点率F9、有利場面失点率F10、有利場面攻撃的プレイ得点率F11のデータと、その試合における競技者の勝負強さ度の点数R3とを集めて蓄積し、これらのデータ間に成立する相関関係をまとめて得られたものである。
【0061】
テーブルT3の相関関係を構成する5つの競技者データは、前記したとおり、競技者の技術的能力、身体的能力、精神的能力を反映しており、5つのうちの4つの競技者データは精神的能力と関連するものである。したがって、テーブルT3の相関関係は、精神的能力相関関係としての側面が強いが、技術的能力相関関係であり、身体的能力相関関係でもある。これら5つの競技者データとテーブルT3とから導出される競技者の勝負強さ度の点数R3は、競技者の精神的能力を表す精神的評価点数としての側面が強いが、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数であり、競技者の身体的能力を表す身体的評価点数でもある。
【0062】
テーブルT4は、ポイント間時間F6、リターン返球率F13、ネットミス率F14、攻撃的プレイ出現率F15の4つの競技者データと、競技者の基礎技能達成度との間に成立する相関関係を表すデータのテーブルである。なお、基礎技能達成度とは、競技者がテニスの基礎技能をどの程度身に付けているかを示す尺度であり、0点から100点までの点数R4によって表される。
【0063】
テーブルT4の相関関係は、国内外のテニスの試合からポイント間時間F6、リターン返球率F13、ネットミス率F14、攻撃的プレイ出現率F15のデータと、その試合の競技者の基礎技能達成度の点数R4とを集めて蓄積し、これらのデータ間に成立する相関関係をまとめて得られたものである。
テーブルT4の相関関係を構成する4つの競技者データは、前記したとおり、競技者の技術的能力と関連するものである。したがって、テーブルT4の相関関係は、技術的能力相関関係である。これら4つの競技者データとテーブルT4とから導出される競技者の基礎技能達成度の点数R4は、競技者の技術的能力を表す技術的評価点数である。
【0064】
プログラムP5は、プレイ情報に基づいてスコアを導出し、このスコアをメモリ43に記憶させるとともに、試合情報入力画面のスコア表示部36に表示させるプログラムである。
出力部47は、モニタ画面を有し、メモリ43から競技者の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4を呼び出してモニタ画面上に表示するとともに、印刷可能に構成されている。
なお、本実施の形態において、試合情報入力部10とメモリ43が動作記録手段をなすとともに、ラリー結果記録手段をなす。また、演算部45が競技者データ導出手段をなし、演算部45とメモリ43が評価点数導出手段をなす。
【0065】
次に、作用について説明する。
競技者甲と競技者乙とがテニスの試合をし、操作者丙がこのテニスの試合の試合情報とプレイ情報とを競技者能力測定装置1に入力し記録していくものとする。また、競技者能力測定装置1によって能力を評価する対象者は競技者甲であるものとする。
試合開始前に、操作者丙は、試合情報入力部10の試合情報入力画面から試合情報を入力してメモリ43に記憶させる。
試合が始まったら、操作者丙は、試合情報入力部10のプレイ情報入力画面からプレイ情報を入力してメモリ43に記憶させる。
【0066】
操作者丙は、競技者甲と競技者乙の各ショットのタイミングにあわせてショットボタン13を押し、1つのラリー中における競技者甲と競技者乙の各ショットの時刻を入力する。操作者丙は、1つのラリーの決着がついたら、そのラリーの最終ショットの結果をショット結果入力エリア18から入力し、最終ショットの種類をショット種類ボタン26から入力するとともに、最終ショットのストロークをストロークボタン27から入力する。また、操作者丙は、そのラリーにおいてサービスをレシーブした競技者の位置を、レシーブ位置入力エリア31から入力する。そして、操作者丙は、1つのラリーに関するプレイ情報の入力を終えたら、入力情報確定ボタン39を押し、入力したプレイ情報を確定する。なお、サービスされたボールがレットとなった場合、操作者丙は、ポイントレットボタン14を押して入力をやり直す。また、操作者丙が間違えてショットボタン13を押した場合、操作者丙は一打取消ボタン15を押してその入力を取り消す。さらに、操作者丙は、入力したプレイ情報に不備がある場合には、入力情報不備表示ボタン40をおして、その旨をメモする。
【0067】
演算部45では、プログラムP5が入力されたプレイ情報に基づいてスコアを導出し、このスコアをメモリ43に記憶させるとともに、試合情報入力画面のスコア表示部36にスコアを表示させる。
また、演算部45では、プログラムP1が、メモリ43に記憶されている試合情報とプレイ情報に基づいて、サービスボール速度V1を導出し、サービスボール速度V1を競技者データとしてメモリ43に記憶させる。
演算部45では、プログラムP2が、メモリ43に記憶されているプレイ情報に基づいて、ストロークボール速度V2を導出し、ストロークボール速度V2を競技者データとしてメモリ43に記憶させる。
【0068】
演算部45では、プログラムP3が、メモリ43に記憶されているプレイ情報に基づいて、ウィナー率F1、攻撃的プレイ率F2、守備的プレイ率F3、得点時ラリー数F4、サービスポイント率F5、ポイント間時間F6、エラー率F7、不利場面得点率F8、不利場面サービス得点率F9、有利場面失点率F10、有利場面攻撃的プレイ得点率F11、ダブルフォルト率F12、リターン返球率F13、ネットミス率F14、攻撃的プレイ出現率F15を競技者甲と競技者乙についてそれぞれ導出し、これらを競技者データとしてメモリ43に記憶させる。
【0069】
演算部45では、プログラムP4が、メモリ43に記憶されている競技者データに基づいて、テーブルT1の相関関係から競技者甲の力強さ度の点数R1を導出し、テーブルT2の相関関係から競技者甲の粘り強さ度の点数R2を導出し、テーブルT3の相関関係から競技者甲の勝負強さ度の点数R3を導出し、テーブルT4の相関関係から競技者甲の基礎技能達成度の点数R4を導出する。そして、競技者甲の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4をメモリ43に記憶させる。
【0070】
テニスの試合が終了したら、競技者甲の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4を、出力部47のモニタ画面に表示して、競技者甲の能力を判断する。
競技者甲の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4は、それぞれ、試合情報入力部10から入力された客観的な試合情報及びプレイ情報と、テーブルT1、T2、T3、T4の相関関係から客観的に導出された点数であり、操作者丙を含めて誰の主観的判断も含まれていない。
競技者甲の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4を得るためには、何らかの専門的知識を有する人間を特に必要としない。
【0071】
力強さ度の点数R1を参照すれば、誰でも、競技者甲が試合をどのように力強く進めていけるかを、客観的な尺度に照らして簡単に知ることができる。粘り強さ度の点数R2を参照すれば、誰でも、競技者甲が試合をどのように粘り強く進めていけるかを、客観的な尺度に照らして簡単に知ることができる。勝負強さ度の点数R3を参照すれば、誰でも、競技者甲が試合の各要所においてどのように点を獲得していけるかを、客観的な尺度に照らして簡単に知ることができる。基礎技能達成度の点数R4を参照すれば、誰でも、競技者甲がテニスの基礎技能をどの程度身に付けているかを、客観的な尺度に照らして簡単に知ることができる。
【0072】
競技者甲の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4は、競技者甲の技術的能力、身体的能力、精神的能力と関連するものである。したがって、競技者甲の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4を参照すれば、誰でも、競技者甲の技術的能力、身体的能力、精神的能力を簡単に判断することができる。
【0073】
競技者甲が競技者丁と試合をしたことがないとしても、競技者丁の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4がわかっていれば、競技者甲の点数と比較し、競技者甲と競技者丁との試合の内容を予測することもできる。
競技者甲の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4がわかっていれば、競技者甲と初対面の指導者であっても、競技者甲の練習メニューや指導内容等を直ちに考えることができる。
【0074】
競技者甲は、自分の力強さ度の点数R1、粘り強さ度の点数R2、勝負強さ度の点数R3、基礎技能達成度の点数R4を記録していくことによって、自分の実力がどのように向上しているかを客観的に判断でき、練習メニューを組み立てやすくなる。
操作者丙は、自分が見たままの試合内容をそのままプレイ情報として競技者能力測定装置1に入力していくことができる。操作者丙はテニスの一般的なルールを知っておりさえすればプレイ情報を入力でき、操作者丙が特別な操作知識を有している必要はない。したがって、競技者能力測定装置1があり、試合の観戦者がおりさえすれば、誰でも、競技者能力測定装置1を用いて競技者の能力を客観的に簡単に知ることができる。
【0075】
なお、本実施の形態では、競技者能力測定装置1による能力評価の対象者を競技者甲としたが、競技者乙を能力評価の対象者とすることができることは勿論である。
また、本実施の形態では、シングルスの場合を例にとって説明したが、ダブルスの場合であっても、競技者能力測定装置1を使用可能である。この場合は、各競技者の能力が評価されるのではなく、ダブルスのチームの能力が評価されることとなる。
【0076】
さらに、本実施の形態では、力強さ度の相関関係を示すテーブル、粘り強さ度の相関関係を示すテーブル、勝負強さ度の相関関係を示すテーブル、基礎技能達成度の相関関係を示すテーブルが、1つずつ存在する。それぞれの相関関係のテーブルを、競技者の年齢、性別などに応じて複数用意し、試合情報等に基づいて使用するテーブルを選択することとすれば、競技者能力測定装置1による能力の評価精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る競技者能力測定装置のブロック図である。
【図2】プレイ情報入力画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1 競技者能力測定装置
10 試合情報入力部
12 ショット時刻入力エリア
13 ショットボタン
14 ポイントレットボタン
15 一打取消ボタン
18 ショット結果入力エリア
19 ウィナーボタン
20 ネットボタン
21 サイドアウトボタン
22 バックアウトボタン
25 ショット詳細入力エリア
26 ショット種類ボタン
27 ストロークボタン
28 エラーボタン
31 レシーブ位置入力エリア
32 前進レシーブボタン
33 後退レシーブボタン
36 スコア表示部
39 入力情報確定ボタン
40 入力情報不備表示ボタン
43 メモリ
45 演算部
47 出力部
図面
【図1】
0
【図2】
1