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明細書 :バイオマスから水素を生産する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5334077号 (P5334077)
公開番号 特開2007-159534 (P2007-159534A)
登録日 平成25年8月9日(2013.8.9)
発行日 平成25年11月6日(2013.11.6)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
発明の名称または考案の名称 バイオマスから水素を生産する方法
国際特許分類 C12P   3/00        (2006.01)
B09B   3/00        (2006.01)
C02F  11/04        (2006.01)
FI C12P 3/00 Z
B09B 3/00 C
B09B 3/00 D
C02F 11/04 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 8
出願番号 特願2005-363506 (P2005-363506)
出願日 平成17年12月16日(2005.12.16)
審判番号 不服 2011-020814(P2011-020814/J1)
審査請求日 平成20年12月5日(2008.12.5)
審判請求日 平成23年9月27日(2011.9.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】横山 浩
【氏名】和木 美代子
【氏名】田中 康男
個別代理人の代理人 【識別番号】100072604、【弁理士】、【氏名又は名称】有我 軍一郎
参考文献・文献 国際公開第03/052112(WO,A1)
特開平07-75588(JP,A)
特開2005-211782(JP,A)
日本生物工学会大会講演要旨集,2005年9月25日,Vol.2005,p.187
調査した分野 C12P 3/00,B09B 3/00,C02F 3/00-11/04
CA/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
有機物を原料とし、畜糞中に含まれている複合嫌気性微生物群の存在下に、71℃ないし79℃の温度範囲において該原料を嫌気条件で少なくとも2日間加熱することからなる、水素醗酵を利用した水素の生産方法。
【請求項2】
複合嫌気性微生物群が、畜糞、コンポスト、活性汚泥及び嫌気性処理槽の汚泥のいずれかである請求項1に記載の水素の生産方法。
【請求項3】
原料となる有機物が、家畜排泄物、生ごみ等の食品残渣又は食品加工工場から排出される有機物を含む廃棄物又は廃液及びサトウキビを含むエネルギー作物の群のいずれかである請求項1に記載の水素の生産方法。
【請求項4】
外部から水素醗酵の種菌を加えることなく、畜糞を原料とし、該畜糞中に含まれている複合嫌気性微生物群を種菌としてそのまま使用し、70℃超85℃以下の温度範囲において該原料を嫌気条件で少なくとも2日間加熱して水素醗酵を促進させることからなる水素の生産方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はバイオマスを使用して水素ガスを生産する技術に関する。水素生産細菌固有の耐熱性を利用し、しかも水素生産を阻害するメタン生産菌などの水素資化細菌による水素分解・消費を抑制して、安定して水素を簡易な手段・装置によって獲得する技術に係わる。
【背景技術】
【0002】
家畜の排泄物や食品残渣などの廃棄物を、資源循環の観点から、バイオマス資源として有効に利用し、有価的資源として回収するほかにもエネルギーとして効率的に利用する必要性は日に日に高まっている。また、近年ではエタノールやバイオディーゼルを生産するための原料として、サトウキビや菜種などエネルギー作物と呼称される作物の栽培機運が高まっている。
【0003】
これらバイオマスからメタン醗酵で処理することにより、メタンが生産されることは従来からよく知られている。ところが、メタンガスは燃焼時に二酸化炭素や一酸化炭素に変化するため、地球温暖化の原因物質として、今日好ましくないものとして扱われている。これに対し、燃焼時に空気を汚すことのない水素は、地球温暖化の懸念がないばかりでなく、環境に対して低負荷型の次世代エネルギーとして注目されつつある。
【0004】
もっとも、従来技術では、廃棄される有機物からメタンを回収することが資源回収の根幹的手法であり、水素を生産することを主眼とするものではなかった。そして、環境問題、とりわけ地球温暖化問題を見据えて、バイオマスから水素を高い効率で生産するという着想はきわめて今日的なものである。
【0005】
そこで、家畜の排泄物などの廃棄物からメタンガスを得ることに主眼を置いた古典的技術にかわって、水素ガスを生産することが時代の要請といえる。
【0006】
嫌気性微生物を利用して水素を生産する手段として、純粋菌である水素生産細菌を単独使用する方法と、活性汚泥やコンポスト等に含まれている微生物群を純化することなく、そのまま混合微生物群として使用する方法とがある。純粋菌を利用する手段は基質の制約や原料となるバイオマスの加熱滅菌を必要とし、多量のエネルギーを投入しなければならず、家畜の排泄物などの廃棄物に適用することは困難が伴う。これに対し、後者の混合微生物群を利用する方法は、基質の制約や原料の滅菌を必要とせず、適用範囲が広い利点がある。
【0007】
畜糞、コンポスト、活性汚泥や嫌気性処理槽の汚泥中には、水素生産菌、メタン菌などの多種多様な微生物が含まれている。さらに、それらに含まれている微生物は単独では培養が困難であるため、未だ同定されていない、未知の、多くの微生物から構成されている。メタン醗酵や水素醗酵などの醗酵は嫌気条件を必要とするため、畜糞、コンポスト、活性汚泥や嫌気性処理槽の汚泥中に含まれる雑多な微生物の集団の中で、醗酵に関する微生物群は複合嫌気性微生物群といえる。
メタン醗酵の初期段階において水素が一時的に生産されることが知見されている。しかしながら、メタン醗酵を継続していると、水素はメタン生産細菌に喰われてしまい、実際上水素ガスを回収することは極めて困難であることも知られるに到っている。
【0008】
天然には、嫌気性微生物として、メタン生産菌などの水素資化細菌と水素生産菌とが共に存在し、これらがバイオマスに作用する。醗酵当初には水素も相当量生産されるが、発生した水素は水素資化細菌により、次々と喰われてしまう。つまり、嫌気性バイオリアクターに担持されたメタン生産菌は水素生産菌と共生し、効率よく水素からメタンが生産されている。
【0009】
水素を分解・消費してしまう水素資化細菌はメタン菌のみではない。ホモ酢酸菌も水素を喰ってしまうのである。したがって、これら水素資化細菌の水素を消費してしまう作用を抑制する条件を持続できれば、水素を安定的に取り出し得る筈である。
【0010】
この視点からメタン生産細菌の持つメチルレダクターゼ酵素を阻害する作用物質を添加して、水素が消費されないように処理する技術が開示されている(特開平4-346788号公報)。
【0011】
また、メタン発酵の初期段階に水素生産細菌が活動する点に着目して、バイオリアクターの装置外に、速やかに水素を分離することによって、ある程度の水素を得ることができる技術が開示されている(特開2002-272491号公報)。
【0012】
ところが、叙述の技術には、未解決の課題が残されている。例えば、メタン生産細菌の持つメチルレダクターゼ酵素を阻害する添加剤を添加しても、もしもホモ酢酸菌が存在すれば、この水素資化菌によって水素が消費されてしまう。それぞれの水素消費細菌のためにそれぞれの酵素阻害添加薬を準備することは得策とは言えず、生産コストも嵩むこととなる。
【0013】
水素生産に関する技術を概観すると、
(A)原料となるバイオマスを加熱滅菌して、純化した水素生産菌を接種する純粋培養系であって、通常、醗酵温度を20~40℃の中温醗酵する場合と醗酵温度を50~60℃とする高温醗酵とがある。
(B)雑多な微生物からなる微生物群(以下、複合嫌気性微生物群と称することがある。)を用いる複合培養系であって、水素生産菌が耐熱性である点を利用して、醗酵温度を50~60℃に保って実施する高温水素醗酵である。この場合原料の滅菌処理が不要となる利点がある。
(C)複合嫌気性微生物群に熱処理(60~90℃)又は煮沸による前処理を施し、熱に弱い水素資化細菌を滅菌・抑制させ、耐熱性である水素生産菌群を濃縮して利用する手法がある。この技術では、前処理の後、その培養液を醗酵温度20~40℃の中温又は50~60℃の高温に保って水素生産を実施する。この手法において、原料を60~90℃に加熱する目的は、あくまでも前処理であって、この温度で水素を発生させるものではない。

【特許文献1】特開平08-308591号公報
【特許文献2】特開平08-294396号公報
【特許文献3】特開平08-252089号公報
【特許文献4】特開平07-031484号公報
【特許文献5】特開2002-272491号公報
【特許文献6】特開2005-013045号公報
【特許文献7】特開2003-135089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
バイオマスから、安定した水素発酵を実現するためには、水素を生産する水素生成菌の活性を保ちつつ、何らかの手法により発生した水素を消費してしまうメタン生産菌などの水素資化細菌の活性を抑制しなければならない。実際の水素生産への適応を考慮した場合、水素醗酵の手法や操作・装置が簡便であることは、きわめて重要な要件である。前記(A)の手法では水素資化細菌による水素消費の懸念はないが、醗酵に用いる原料を滅菌処理しなければならず、コストが嵩み、実際に適用しがたい。次に(B)の手法の醗酵温度50~60℃近傍では水素資化細菌の抑制が完全とは言えない。さらに、(C)の手法では前処理を要し、操作・装置が煩瑣・複雑となる問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上述の課題を解消するものであって、簡易な手段で水素を生産し、これを家畜の糞尿等の排泄物や食餌残渣等のバイオマスから回収するものである。
【0016】
本発明者は、家畜の糞尿を水に希釈してなるスラリーを原料として、そのスラリーに含まれている複合嫌気性微生物群をそのまま醗酵の種菌として利用し、水素醗酵の実験をした。その結果、従来から知られていた水素醗酵温度60℃のピークを超えて、70~90℃の高温度に加熱したところ、驚くべきことに、水素醗酵温度75℃近傍に第2の水素生成ピークが存することを知見した。
この高温では、もはやメタン菌等の水素資化細菌は活性を失い、水素醗酵の阻害要因である発生した水素が消費される現象が生じないことが実験を通じて明らかにできた。そして、85℃に達すると水素生産菌も活性をほぼ失うことが判明した。
【0017】
つまり、本発明は、水素資化細菌よりも耐熱性が優れる水素生産細菌を、活性が維持できる限界的な高温度で機能させるとともに、水素資化細菌の活性を減殺・不活化せしめ、水素を獲得する技術であると言える。
【0018】
具体的な解決手段は、次の通りである。
【0019】
請求項1に係る発明は、有機物を原料とし、畜糞中に含まれている複合嫌気性微生物群の存在下に、71℃ないし79℃の温度範囲において該原料を嫌気条件で少なくとも2日間加熱せしめることからなる、水素醗酵を利用した水素の生産方法、である。
原料が畜糞の場合、家畜の消化管由来の複合嫌気性微生物群が水素醗酵の種菌として利用できる。従来技術では、60℃以下の水素醗酵温度を利用するが、この温度域の場合水素生成量が多いことから、本発明は一見して不利のように考えられる。しかしながら、従来技術の醗酵温度60℃以下では一旦生産された水素が水素資化細菌により喰われて、失われる結果、安定した水素生産と発生した水素の回収とに困難が伴う。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の水素の生産方法において、複合嫌気性微生物群が、畜糞、コンポスト、活性汚泥及び嫌気性処理槽の汚泥のいずれかであることを例示している。
【0021】
本発明は特定の水素生産菌を添加するものではなく、また前処理を施すものでもない。あらかじめ特定の水素生産菌の活性を高めたり、弱めたりするものでもない。本発明では、特定の水素生産菌を添加する必要がなく、操作・装置を簡便にできる利点がある。醗酵温度を選択するのみによって、水素生産菌を他の嫌気性微生物(菌)よりも相対的に活動できる条件を有利にするものである。したがって、きわめて簡易な操作と装置によって水素の生産ができる。
請求項2に係る発明は、複合嫌気性微生物群が、畜糞、コンポスト、活性汚泥及び嫌気性処理槽の汚泥のいずれかである水素の生産方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の水素の生産方法において、原料となる有機物が、家畜排泄物、生ごみ等の食品残渣、食品加工工場又は食品取り扱い作業場から排出される有機物を含む廃棄物又は廃液、サトウキビを含むエネルギー作物の群のいずれかである水素の生産方法である
請求項4に係る発明は、外部から水素醗酵の種菌を加えることなく、畜糞を原料とし、該畜糞中に含まれている複合嫌気性微生物群を種菌としてそのまま使用し、70℃超85℃以下の温度範囲において該原料を嫌気条件で少なくとも2日間加熱して水素醗酵を促進させることからなる水素の生産方法である。この場合、原料中には水素発酵を促す種菌が存在するので、水素醗酵の種菌の添加が不要である。自然状態で所定の温度に加熱することにより、水素を生産でき、これを回収することが可能となる。
【0022】
本発明を詳述する。
従来技術の水素醗酵温度には、純粋菌を利用した場合の中温醗酵(20~40℃)と複合菌を利用した高温水素醗酵(50~60℃)とがある。本発明者は家畜排泄物などに含まれている複合嫌気性微生物群を水素醗酵の種菌として使用して、排泄物原料を水素醗酵せしめたところ、醗酵温度50~60℃に水素生産の第1のピークがあり、さらに75℃付近に水素生産の極大点があることを、実験を通じて知見した。そこで、この第2の水素生産活動のピークを「高度高温水素醗酵(現象)」と命名することとした。この実験成果を図1のグラフに示す。横軸は水素醗酵の温度であり、縦軸は最大水素発生量であり、水素醗酵現象の醗酵温度依存性を示すものである。従来技術である醗酵温度50~60℃では水素資化細菌による水素消費が認められるが、醗酵温度75℃近傍の高度高温水素醗酵においては水素消費が起こらないことも発見した(後述する図2参照)。この結果、75℃醗酵では安定な水素生産を促進することが可能となる。水素生産に際し、本発明では原料の前処理(熱滅菌等の処置)を省くことができ、簡易な設備であっても水素を生産できる利点が大きい。
【0023】
図1は牛糞尿スラリーを原料とし、スラリー中に含まれている複合嫌気性微生物群を種菌として、これらをそのまま、何らの手も加えず使用し、37~85℃の範囲での醗酵温度において、水素醗酵を実施した例である。
【0024】
また、図2は、醗酵温度として55℃及び75℃を選択したときの水素醗酵における生成水素の発生量を経時的な変化として図示したグラフである。これを要するに、本発明(醗酵温度75℃)と従来技術(同55℃)との水素生産挙動の比較であって、従来技術では培養初期には水素の発生は多いが、数日を経ると、一旦発生した水素が水素資化細菌により喰われていることが判明した。これに対し、75℃の培養では水素資化細菌の活性が損なわれ、発生した水素が失われないことが明らかであり、発生した水素を容易に回収でき、安定した水素生産を可能にする。
【0025】
本発明の水素生産方法では、メタン生産菌のごとき水素資化細菌の活性を抑制することにより、家畜排泄物などの水素資化細菌を多量に含むバイオマスを原料とした場合の水素生産において有利に作用する。また、本発明方法では、高い醗酵温度を採択しているため、原料となるバイオマスに雑草種子や病原性微生物などが含まれている場合、それら有害物を高い醗酵温度により従来技術よりも滅菌・不活化を促進させることができる。そのため、醗酵後の処理液の液肥等の再利用に有利となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明方法は上記の構成において醗酵温度として71℃~79℃という「高度高温水素醗酵(現象)」を利用するものである。種々の微生物が混在する状態である活性汚泥、コンポスト、嫌気性処理槽の消化汚泥又は畜糞を利用して、家畜の糞尿を含む排泄物、食餌残渣、その他の廃棄物、サトウキビ等のエネルギー作物から水素を生産するものである。
従来技術では、60℃以下の水素醗酵温度を利用するが、この温度域の場合、醗酵当初には水素生成量が多いものの、発生した水素はメタン生産菌などの水素資化細菌に喰われてしまうことから、「高度高温水素醗酵(現象)」を利用する本発明方法が優れていることが明白である。
本発明では特定の水素生産菌を添加するものではなく、また前処理を施すものでもない。あらかじめ特定の水素生産菌の活性を高めたり、弱めたりするものでもない。本発明では特定の水素生産菌を添加する必要がなく、操作・装置を簡便にできる利点がある。醗酵温度を選択するのみによって、水素生産菌を他の嫌気性微生物(菌)よりも相対的に活動できる条件を有利にするものである。したがって、きわめて簡易な操作と装置により水素の生産ができる。
畜糞のように原料中に複合嫌気性微生物群がもともと存在する場合には、自然状態で所定の温度に加熱することにより、水素を簡易に生産でき、これを回収することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
家畜の排泄物、食餌残渣などのバイオマスを原料とし、種々な微生物からなる複合嫌気性微生物群を添加する。畜糞のように原料中には複合嫌気性微生物群がもともと存在する場合は、複合嫌気性微生物群の添加は不要となることがある。
この複合嫌気性微生物群と混合した原料スラリーを71℃ないし79℃の温度範囲(特に好ましくは75℃程度)において嫌気条件で加熱すると、水素醗酵が起こり、水素が生産できる。
【0028】
複合嫌気性微生物群として、畜糞、コンポスト、活性汚泥及び嫌気性処理槽の汚泥のいずれかを用いると、水素発酵が起こる。
【0029】
原料としては、家畜排泄物、生ごみ等の食品残渣、食品加工工場又は食品取り扱い作業場から排出される有機物を含む廃棄物又は廃液、サトウキビを含むエネルギー作物等が適用可能であり、畜糞の場合には既に複合嫌気性微生物群が元来含まれているので、70℃超85℃以下の温度範囲において該原料を嫌気条件で加熱して水素醗酵を促進させることから、水素を生産することができる。
【実施例】
【0030】
<実施例1>
図3に示した簡易な加熱装置(温度制御手段を含む)42を備えたバイオリアクターを用いて、畜糞スラリーを原料とし、その畜糞に含まれている複合嫌気性微生物群を種菌として、75℃の醗酵温度において水素ガスの発生状態を観察した。
バイオリアクターは、バイオリアクター30の下段に複合嫌気性微生物群を含む原料スラリー40が原料投入口34から投入され、原料スラリー及び複合嫌気性微生物群40は攪拌手段32によって充分掻き混ぜられている。容器本体の上段は気相の水素ガスが溜まり次第水素回収用ガスホルダー38に貯留できる構成である。原料スラリー40は排出口36から排出できる。
これらの観察結果は既に図2に示したとおりである。
<比較例1>
従来技術の醗酵温度である55℃に設定する以外は実施例1と同様の条件において培養時間と水素生成量の関係を観測した。観測結果を図2に併記した。4日目をピークとして水素量が減少していることが判明したが、これは水素資化細菌が水素を消費したものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】牛糞尿スラリーを原料とした水素醗酵の醗酵温度と水素生成量の関係を示すグラフである。
【図2】牛糞尿スラリーを原料とした水素醗酵の培養時間と水素発生量との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例となる高温度の水素醗酵装置の模式図である。
【符号の説明】
【0032】
30 バイオリアクター
32 攪拌手段
34 原料投入口
36 排出口
38 水素回収用ガスホルダー
40 原料スラリー及び複合嫌気性微生物群
42 加温装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2