TOP > 国内特許検索 > 植物育成用炭化物ボードの製法 > 明細書

明細書 :植物育成用炭化物ボードの製法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4714860号 (P4714860)
公開番号 特開2006-246858 (P2006-246858A)
登録日 平成23年4月8日(2011.4.8)
発行日 平成23年6月29日(2011.6.29)
公開日 平成18年9月21日(2006.9.21)
発明の名称または考案の名称 植物育成用炭化物ボードの製法
国際特許分類 A01G   9/10        (2006.01)
A01G   1/00        (2006.01)
FI A01G 9/10 ZABB
A01G 9/10 D
A01G 1/00 303C
請求項の数または発明の数 1
全頁数 13
出願番号 特願2005-072074 (P2005-072074)
出願日 平成17年3月14日(2005.3.14)
審査請求日 平成19年12月14日(2007.12.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】藤田 晋輔
【氏名】守田 和夫
【氏名】新村 孝善
【氏名】二俣 学
個別代理人の代理人 【識別番号】100064458、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 正治
審査官 【審査官】坂田 誠
参考文献・文献 特開2004-284917(JP,A)
特開2003-52241(JP,A)
特開2002-52398(JP,A)
調査した分野 A01G 1/00
A01G 9/00 - 9/10
C02F 11/00 - 11/20
特許請求の範囲 【請求項1】
家畜排泄物を主体とする廃棄物を、乾式メタン発酵槽内で、乾式メタン発酵させ、
それによって、上記乾式メタン発酵槽内に、残渣物を残渣させ、
その残渣物を、炭化装置を用いて、400℃~800℃の温度で、顆粒状乃至鱗片状の炭化物に炭化し、
その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを、上記炭化物4~6重量部、上記木炭2~4重量部、上記古紙の繊維状化物1~3重量部の割合で混和し、その混合物を、圧縮成型機を用いて、硬度指標(mm)でみて 10mm~20mm の硬度((株)藤原製作所製、山中式土壌硬度計による。)を有するボードに圧縮成型し、そのボードを植物育成用炭化物ボードとして得ることを特徴とする植物育成用炭化物ボードの製法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜排泄物を主体とする廃棄物を出発原料とする植物育成用炭化物ボードの製法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家畜排泄物を主体とする廃棄物を出発原料として植物育成用炭化物ボードを製造する植物育成用炭化物ボードの製法は、本発明者等の知る限り、提案されていない。
しかしながら、従来、次に述べる方法が提案されている。
【0003】
すなわち、従来、非特許文献1に、未利用植物バイオマスを乾式メタン発酵槽内で乾式メタン発酵させ、それにより得られるメタンガスを燃料などの資源として乾式メタン発酵槽外に回収するとともに、その乾式メタン発酵によって乾式メタン発酵槽内に残渣した残渣物を乾式メタン発酵槽外に取出し、その残渣物を炭化装置を用いて400℃~800℃の温度で炭化物に炭化し、その炭化物を成型体に成型し、その成型体を、建築資材、調湿資材、浄化資材、土壌改良資材などでなる資源として得る、という方法が提案されている。
【0004】
また、従来、非特許文献2に、スラリー状の家畜糞尿を、古紙、生ごみ、木質系廃棄物などと混和して、乾式メタン発酵槽内で乾式メタン発酵させ、それにより得られるメタンガスを燃料などの資源として乾式メタン発酵槽外に回収するとともに、その乾式メタン発酵によって乾式メタン発酵槽内に残渣した残渣物を乾式メタン発酵槽外に取出し、その残渣物を炭化装置を用いて炭化物に炭化し、その炭化物を肥料乃至土壌改良剤でなる資源として得る、という方法が提案されている。
【0005】
さらに、従来、非特許文献3に、竹材、木材、建築端材、製材端材などを炭化物に炭化し、その炭化物をボードに成型し、そのボードを炭化物ボードでなる資源として得る、という方法が提案されている。

【非特許文献1】追田章義他著「ゼロエミッションのための未利用植物バイオマスの資源化」、環境科学会誌(環境科学会)2001年7月、第14巻第4号、pp.383~390
【非特許文献2】藤田晋輔他「家畜排泄物の乾式メタン発酵技術」、「用水と廃水」株式会社産業用水調査会 2004年4月、第46号、pp.333~339
【非特許文献3】藤田晋輔他「環境と共生する炭化資材の性能と産業化への挑戦」、第32回木材の化学加工研究会シンポジウム講演集 2002年9月、pp.57~62
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1に示されている方法によれば、未利用植物バイオマスを、メタンガスに有効に資源化することができるとともに、建築資材、土地改良材などに有効に資源化することができる。
【0007】
また、非特許文献1に示されている方法によれば、いま述べたように、未利用植物バイオマスをメタンガスに資源化することができるが、その資源化を、発酵槽内での全固形物濃度(TS濃度)が10%以下であるというような低い濃度でメタン発酵を行う湿式メタン発酵によるのではなく、発酵槽内での全固形物濃度(TS濃度)が15~30%であるというような高い濃度でメタン発酵を行うという乾式メタン発酵により実行している。このため、その乾式メタン発酵によって発酵槽内に残渣した残渣物を、60~85%というような低い含水率しか有していないものとして得ることができる。よって、非特許文献1に示されている方法によって、未利用植物バイオマスを建築資材、土地改良材などに資源化すべく、乾式メタン発酵によって発酵槽内に残渣した残渣物を炭化装置を用いて炭化物に炭化するに当り、その残渣物に対し脱水乃至乾燥処理を省略することができるか、脱水乃至乾燥処理を行うとしてもその脱水乃至乾燥処理を大型な脱水乃至乾燥手段を用いることなしに短時間で済ませることができ、よって、未利用植物バイオマスの土地改良資材への資源化を、未利用植物バイオマスを湿式メタン発酵によって残渣した残渣物を炭化物に炭化することで実行する場合に比し、容易に実行することができる。
【0008】
しかしながら、上述した非特許文献1に示されている方法の場合、出発原料が未利用植物バイオマスであることからも明らかなように、[発明の効果]の項で後述する優れた特徴を有する植物成長用炭化物ボードを得ることができないことは明らかである。
【0009】
また、上述した非特許文献2に示されている方法の場合、単に、炭化物を肥料乃至土壌改良剤として得る方法であることから、上述した非特許文献1に示されている方法の場合と同様に、[発明の効果]の項で後述する優れた特徴を有する植物成長用炭化物ボードを得ることができないことは明らかである。
【0010】
さらに、上述した非特許文献3に示されている方法の場合、出発原料が竹材、木材、建築端材、製材端材などであり、また、それら竹材、木材、建築端材、製材端材などの炭化物を単にボードに成型するという方法であることから、上述した非特許文献1及び2に示されている方法の場合と同様に、[発明の効果]の項で後述する優れた特徴を有する植物成長用炭化物ボードを得ることができないことは明らかである。
【0011】
また、非特許文献1に、[発明が解決しようとする課題]の項で上述した方法が示されていることから、「未利用植物バイオマスを、乾式メタン発酵させ、その乾式メタン発酵によって残渣した残渣物を400℃~800℃の温度で炭化物に炭化し、その炭化物を成型体に成型し、その成型体を土壌改良材として得る。」という土壌改良資材用炭化物成型体の製法が示されているということができる。
【0012】
ところで、(a)非特許文献2に、[発明が解決しようとする課題]の項で上述した方法が示されていることから、「スラリー状の家畜糞尿を、古紙、生ゴミ、木質系廃棄物などと混和して、乾式メタン発酵させ、その乾式メタン発酵によって残渣した残渣物を炭化物に炭化し、その炭化物を肥料乃至土壌改良剤として得る。」という肥料乃至土壌改良剤用炭化物の製法が示されているということができるので、上述した土壌改良資材用炭化物成型体の製法において、その「未利用植物バイオマスを、乾式メタン発酵させ、」を、「スラリー状の家畜糞尿を、古紙、生ゴミ、木質系廃棄物などと混和して乾式メタン発酵させ、」に、さらには、「家畜排泄物を主体とする廃棄物を、乾式メタン発酵させ、」に置換して考えることができないでもないとともに、(b)非特許文献1に上述した肥料乃至土壌改良剤用炭化物の製法が示され、且つ非特許文献3に、[発明が解決しようとする課題]の項で上述した方法が示されていることから、「炭化物を炭化物ボードに成型する」という炭化物ボードの製法が示されているということができるので、上述した土壌改良資材用炭化物成型体の製法において、その「炭化物を成型体に成型し、その成型体を土地改良資材として得る。」を、「炭化物をボードに成型し、そのボードを植物成長用炭化物ボードとして得る。」に置換して考えることができないでもない。
【0013】
しかしながら、上述した土壌改良資材用炭化物成型体の製法を、上述した置換のなされた製法であるとして考えても、そのような製法が本発明による植物育成用炭化物ボードの製法と同様であるということにならないことは、後述するところからも明らかであるので、そのような製法によって、[発明の効果]の項で後述する優れた特徴を有する植物成長用炭化物ボードを得ることはできない。
【0014】
以上のことから、本発明は、家畜排泄物を主体とする廃棄物から、[発明の効果]の項で後述する優れた特徴を有する植物育成用炭化物ボードを得ることができる、新規な植物育成用炭化物ボードの製法を提案せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による植物育成用炭化物ボードの製法は、家畜排泄物を主体とする廃棄物を、乾式メタン発酵槽内で、乾式メタン発酵させ、それによって、乾式メタン発酵槽内に、残渣物を残渣させ、その残渣物を、炭化装置を用いて、400℃~800℃の温度で、顆粒状乃至鱗片状の炭化物に炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを、炭化物4~6重量部、粒状の木炭2~4重量部、古紙の繊維状化物1~3重量部の割合で混和し、その混合物を、圧縮成型機を用いて、硬度指標(mm)でみて 10mm~20mm 、抵抗値(Kg/cm2 )(支持力強度とも硬度とも称されている。以下同じ。)でみて 1.4 Kg/cm2~6.3Kg/cm2 の硬度((株)藤原製作所製、山中式土壌硬度計による。以下同じ。)を有するボードに圧縮成型し、そのボードを植物育成用炭化物ボードとして得る。
【0016】
この場合、家畜排泄物を主体とする廃棄物は、実質的に家畜排泄物だけからなる場合ばかりでなく、家畜排泄物に、植物由来の家畜敷き材、家畜餌屑などが、家畜排泄物が主体であることを崩さない範囲の量で混和されている場合をも意味しているが、廃棄物が主体とする家畜排泄物を、豚の糞尿とし得る。
【0017】
また、家畜排泄物を主体とする廃棄物が、軟塊状乃至汚泥状であるまたは軟塊状乃至汚泥状に処理されているのを可とする。
【0018】
さらに、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵槽内で乾式メタン発酵させるに当たり、その乾式メタン発酵を、乾式メタン発酵槽内に、各種の植物由来の古紙を主体とする廃棄物を混在させて行い得、この場合、古紙を主体とする廃棄物は、実質的に古紙だけからなる場合ばかりでなく、古紙に植物由来の廃材の細片、屑などが、古紙が主体であることを崩さない範囲の量で混和されている場合をも意味しているが、古紙は、細片状に裁断乃至破砕されているのを可とする。
【0019】
また、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵槽内で乾式メタン発酵させるに当たり、その乾式メタン発酵を40℃~70℃の温度で行うのを可とする。
【0020】
さらに、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵槽内で乾式メタン発酵させ、それによって乾式メタン発酵槽内に残渣物を残渣させるに当たり、その残渣物を軟塊状乃至汚泥状に残渣させるのを可とする。
【0021】
また、残渣物を炭化装置を用いて400℃~800℃の温度で顆粒状乃至鱗片状の炭化物に炭化するに当り、その炭化温度を、400℃~800℃の温度範囲内の500℃~700℃の温度で行うのを可とする。
【0022】
さらに、残渣物を炭化装置を用いて顆粒状乃至鱗片状の炭化物に炭化するに当り、その炭化物を2mm~6mm望ましくは3mm~5mmの粒径で得るのを可とする。
【0023】
また、炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型するに当たり、粒状の木炭が、2mm~10mm望ましくは4mm~8mmの粒径を有しているのを可とする。
【0024】
さらに、炭化物と、それに粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型するに当たり、植物由来の古紙の繊維状化物が、植物由来の古紙を水に溶かして簀上に敷延して得られる繊維状化物であるのを可とする。
【0025】
また、炭化物と、粒状の木炭と、植物由来の古紙の繊維状化物とを炭化物4~6重量部、粒状の木炭2~4重量部、古紙の繊維状化物1~3重量部の割合で混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型するに当たり、その炭化物粒状の木炭植物由来の古紙の繊維状化物の混和を、炭化物4~6重量部の範囲内の炭化物4.5~5.5重量部、粒状の木炭2~4重量部の範囲内の粒状の木炭2.5~3.5重量部、古紙の繊維状化物1~3重量部の範囲内の古紙の繊維状化物1.5~2.5重量部の割合とするのを可とする。
【0026】
さらに、炭化物と、粒状の木炭と古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型するに当たり、その圧縮成型の温度を常温とし得る。
【0027】
また、炭化物と、粒状の木炭と、古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型するにつき、ボードを硬度指標(mm)でみて 10mm~20mm の範囲内の13mm~17mm、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 1.4 Kg/cm2~6.3Kg/cm2 の範囲内の 2.2Kg/cm2~4.0Kg/cm2 の硬度で得るのを可とする。
【0028】
さらに、圧縮成型によって得られたボードを、90℃~120℃の温度で乾燥し、その乾燥されたボードを、植物育成用炭化物ボードとし得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を出発原料として製造しているので、家畜排泄物を主体とする廃棄物の資源化乃至資材化を実現している。
【0030】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を出発原料として製造しているが、この場合、廃棄物が主体としている家畜排泄物を豚の糞尿とし得、そして、そのように家畜排泄物を豚の糞尿とすれば、地域によっては豚の糞尿が大量に排泄されることから、その処理に係わる問題を、そのように大量に排泄される豚の糞尿の上述した資源化によって効果的に解決することができる。
【0031】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物をボードに圧縮成型することによって製造しており、そして、この場合の乾式メタン発酵によって、家畜排泄物を主体とする廃棄物をメタンガスに資源化しているが、この場合に得られるメタンガスを、乾式メタン発酵に必要とする熱エネルギー源としても、また残渣物の炭化に必要な熱エネルギー源としても有効に利用することができるので、植物育成用炭化物ボードを、省エネルギーの下で、製造することができる。
【0032】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物をボードに圧縮成型することによって製造しているので、この場合の乾式メタン発酵によって得られるメタンガスを、乾式メタン発酵及び残渣物の炭化に必要な熱エネルギー源として有効に利用することができるが、そのように有効利用することができるメタンガスを、[発明が解決しようとする課題]の項で上述した非特許文献1に示されている方法の場合と同様に、「湿式メタン発酵」によるのではなく、字句通り、「乾式メタン発酵」により得ているので、[発明が解決しようとする課題]の項で上述した非特許文献1に示されている方法の場合と同様に、残渣物を低い含水率しか有していないものとして得ることができ、このため、残渣物を炭化物に炭化するに当り、その残渣物に対し脱水乃至乾燥処理を省略することができるか、脱水乃至乾燥処理を行うとしてもその脱水乃至乾燥処理を大型な脱水乃至乾燥手段を用いることなしに短時間で済ませることができ、よって、残渣物の炭化物への炭化を容易に実行することができる。
【0033】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物をボードに圧縮成型することによって製造しているが、この場合、家畜排泄物を主体とする廃棄物が、軟塊状乃至汚泥状であるまたは軟塊状乃至汚泥状に処理されていれば、その家畜排泄物を主体とする廃棄物の水分を多量に有しないことから、家畜排泄物を主体とする廃棄物の乾式メタン発酵を効果的に行うことができ、また乾式メタン発酵によって得られる残渣物を家畜排泄物を主体とする廃棄物が軟塊状乃至汚泥状であるまたは軟塊状乃至汚泥状に処理されていない場合に比しより低い含水率しか有しないものとして得ることができ、このため、残渣物の炭化物への炭化を、家畜排泄物を主体とする廃棄物が軟塊状乃至汚泥状であるまたは軟塊状乃至汚泥状に処理されていない場合に比し、容易に実行することができる。
【0034】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物を圧縮成型することによって製造しているが、この場合、家畜排泄物を主体とする廃棄物の乾式メタン発酵を、家畜排泄物を主体とする廃棄物に各種の古紙を主体とする廃棄物を混在させて行い、そして、この場合の古紙が細片状に裁断乃至破砕されていれば、家畜排泄物を主体とする廃棄物の乾式メタン発酵を、古紙を主体とする廃棄物によって水分量を低く調整して行うことができるとともに家畜排泄物を主体とする廃棄物への古紙を主体とする廃棄物の均質な混在状態で行うことができるので、乾式メタン発酵を効果的に行うことができ、また乾式メタン発酵によって得られる残渣物をより低い含水率しか有さず且つより均質なものとして得ることができるので、残渣物の炭化物への炭化を容易に実行することができるとともに炭化物をより均質に得ることができ、さらには、この場合の古紙の資源化をも実現することができる。
【0035】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物をボードに圧縮成型することによって製造しているが、この場合、乾式メタン発酵を40℃~70℃の温度で行えば、その乾式メタン発酵を効果的に行うことができる。
【0036】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物をボードに圧縮成型することによって製造しているが、この場合、残渣物を軟塊状乃至汚泥状で得れば、残渣物が水分を多量に有しないことから、残渣物の炭化物への炭化を効果的に行うことができる。
【0037】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物をボードに圧縮成型して製造しているが、この場合、残渣物を炭化物に炭化するに当り、残渣物を、それが7%以上の比較的高い含水率を有しているのを余儀なくされているとすれば、それ自体公知の種々の乾燥手段を用いて3%~7%の含水率を有する軟塊状乃至汚泥状であるまたは軟塊状乃至汚泥状に処理することで、上述した理由と同様に、残渣物の炭化を効果的に行うことができる。
【0038】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、廃棄物が主体とする家畜排泄物が、窒素、燐、カリの植物育成のための3要素はもちろん、マグネシウム、カルシウムなどの塩類を、植物育成用栄養成分として十分に含んでいるので、残渣物を、乾式メタン発酵によって得ているとしても、家畜排泄物が含むと同様の3要素及び塩類が家畜排泄物が含むのに準じて植物育成用栄養成分として十分に含まれているものとして得ることができることは明らかであり、また、このため、残渣物の炭化物を、家畜排泄物が含むと同様の3要素及び塩類が家畜排泄物が含むのに準じて植物育成用栄養成分として十分に含まれているもものとして得ることができることは明らかであり、一方、ボードを、家畜排泄物が含むと同様の3要素及び塩類を家畜排泄物が含むのに準じて植物育成用栄養成分として十分に含んでいる炭化物から製造していることから、圧縮成型して製造しているとしても、家畜排泄物が含むと同様の3要素及び塩類が家畜排泄物が含むのに準じて植物育成用栄養成分として十分に担持しているものとして製造できることは明らかであり、よって、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、植物育成用栄養成分を十分に担持している植物育成用に好適なボートとして得ることができる。
【0039】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を400℃~800℃の温度で炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、家畜排泄物を主体とする廃棄物が、一般に、水や土壌などの環境を汚染する有害物質である水銀、砒素、カドミウム、ニッケル、クロム及び鉛を肥料取締法に規定する許容値以下の十分低い値でしか実質的に含んでいず、また、肥料取締法に推奨基準値を示している銅及び亜鉛を肥料取締法による推奨基準値以下の十分低い値でしか実質的に含んでいないので、炭化物を、家畜排泄物を主体とする廃棄物の乾式メタン発酵、それに続くその乾式メタン発酵による残渣物の400℃~800℃の温度での炭化の過程を経て得ているとしても、水銀、砒素、カドミウム、ニッケル、クロム及び鉛を肥料取締法に規定する許容値以下でしか実質的に含んでいず、また、銅及び亜鉛を肥料取締法による推奨基準値以下でしか実質的に含んでいないものとして得ることができることは明らかであり、一方、粒状の木炭及び植物由来の古紙の繊維状化物も、同様に、水銀、砒素、カドミウム、ニッケル、クロム及び鉛を肥料取締法に規定する許容値以下でしか実質的に含んでいないとともに、銅及び亜鉛を肥料取締法による推奨基準値以下でしか実質的に含んでいないことが明らかであるので、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、水銀、砒素、カドミウム、ニッケル、クロム及び鉛が肥料取締法に規定する許容値以下でしか実質的に含まれていず、銅及び亜鉛が肥料取締法による推奨基準値以下でしか実質的に含まれていないものとして得ることができる。
【0040】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵槽内で乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、ここで、炭化物はもちろん、粒状の木炭及び植物由来の古紙の繊維状化物も、臭気をほとんど伴わないことから、炭化物と、木炭と繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型するに当たり、不必要に臭気を伴う物質を添加しない限り臭気をほとんど伴わないとともに、圧縮成型の作業性が良く、よって、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、臭気のほとんど伴わない、植物育成用に好適なボートとして容易に得ることができる。
【0041】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵槽内で乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、ここで、炭化物はもちろん、粒状の木炭及び植物由来の古紙の繊維状化物も、空気や水に対して難腐食性を有していることが明らかであるので、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、空気や水に対して難腐食性を有している、植物育成用に好適なボートとして得ることができる。
【0042】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、この場合、残渣物の炭化物への炭化を400℃~800℃の温度で行っているので、炭化物を、前述した植物育成用栄養成分が植物育成にとって好適な成分バランスで保たれ且つ2mm~6mmの粒径という比較的小さな粒径を有するものとして効果的に得ることができ、よって、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、植物育成用栄養成分を植物育成にとって好適な成分バランスで一様に担持している、植物育成用に好適なボートとして得ることができる。
【0043】
因みに、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と、植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造するに当たり、残渣物の炭化物への炭化を、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法による場合のように400℃~800℃の温度で行うのではなく、400℃未満または800℃超の温度で行うとすれば、炭化物を、植物育成用栄養成分が植物育成にとって好適な成分バランスで保たれているものとして効果的に得ることができず、よって、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、植物育成用栄養成分を植物育成にとって好適な成分バランスで一様に担持していない、植物育成用に好適とはいえないボートとしてしか得ることができない。
【0044】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造し、この場合の残渣物の炭化物への炭化を400℃~800℃の温度で行っているが、この場合、残渣物の炭化物への炭化を400℃~800℃の温度範囲内の500℃~700℃の温度で行いえば、炭化物を、植物育成用栄養成分が植物育成にとってより好適な成分バランスで保たれているものとしてより効果的に得ることができ、よって、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、植物育成用栄養成分を植物育成にとってより好適な成分バランスで担持している、植物育成用により好適なボートとして容易に得ることができる。
【0045】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物をボードに圧縮成型して製造しているが、この場合、残渣物の炭化を400℃~800℃の温度で行って炭化物を顆粒状乃至鱗片状で得ており、そして、そのとき顆粒状乃至鱗片状の炭化物を上述したように2mm~6mmという比較的小さな粒径を有するものとして得ることができ、また、炭化物の圧縮成型を炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを炭化物4~6重量部、木炭2~4重量部、古紙の繊維状化物1~3重量部の割合で混和して行って、ボードを硬度指標(mm)でみて 10mm~20mm 、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 1.4 Kg/cm2~6.3Kg/cm2 の硬度で得ており、そして、そのときボードを、炭化物と木炭とが古紙の繊維状化物によって全く埋置されているのではない状態で古紙の繊維状化物を介して接合されているものとして得ることができるので、ボード、従って植物育成用炭化物ボードを、炭化物、粒状の木炭、古紙の繊維状化物の一部が、不必要に脱落したり、粉塵として飛散したりすることがなく、且つ植物が発芽し、根付けし、成長するのに適した多孔乃至網目構造と、それによる比較的高い保水性と比較的高い保空気性と、植物を発芽させ、植物を根付けさせ、植物を成長させる各段において必要とされる取扱いや管理に適した柔軟性と、比較的高い断熱性とを有する、植物育成用に好適なボートとして得ることができ、そして、このようなことは、顆粒状乃至鱗片状の炭化物を2mm~6mmの範囲内の3mm~5mmの粒径を有しているものとして得ていれば、また、粒状の木炭が2mm~10mm望ましくは4mm~8mmの粒径を有していれば、さらに、植物由来の古紙の繊維状化物が、植物由来の古紙を水に溶かして簀上に敷延して得られる繊維状化物であれば、なおさらに、ボードを炭化物と木炭と古紙の繊維状化物とを炭化物4~6重量部、木炭4.5~5.5重量部、古紙の繊維状化物1.5~2.5重量部の割合で、硬度指標(mm)でみて10mm~20mm、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 1.4 Kg/cm2~6.3Kg/cm2 の硬度に、または硬度指標(mm)でみて 13mm~17mm、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 2.2Kg/cm2~4.0Kg/cm2 の硬度に圧縮成型して得ていれば、なおさらである。
【0046】
因みに、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を400℃~800℃または500℃~700℃の温度で炭化し、その炭化物を、硬度指標(mm)でみて 10mm~20mm 、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 1.4 Kg/cm2~6.3Kg/cm2 の硬度を有する、または硬度指標(mm)でみて 13mm~17mm、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 2.2Kg/cm2~4.0Kg/cm2 の硬度を有するボードに圧縮成型して製造するに当たり、炭化物のボードへの圧縮成型を、炭化物に粒状の木炭を混和するが古紙の繊維状化物を混和せずに行うとすれば、ボードに成型することができず、成型できるとしても、脆弱性の高いボードしか得られず、また、炭化物に古紙の繊維状化物を混和するが粒状の木炭を混和せずに行うとすれば、ボードを、硬度指標(mm)でみて 20mm超、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 6.3Kg/cm2 超の植物を成長させるのに硬すぎる硬度を有するものとしてしか得ることができず、また、そのようなことからも明らかなように、炭化物を、4~6重量部として、その炭化物に粒状の木炭と古紙の繊維状化物とを混和して行うとしても、その混和を、木炭2重量部未満であったり、木炭4重量部超であったり、古紙の繊維状化物1重量部未満であったり、古紙の繊維状化物3重量部超であったりして行うとすれば、いずれの場合も、段落番号[0045]で上述したような優れた特徴を有する植物育成用炭化物ボードを得ることが困難である。
【0047】
また、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを炭化物4~6重量部、木炭4~6重量部または4.5~5.5重量部、古紙の繊維状化物2~4重量部または1.5~2.5重量部の割合で混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造するに当り、炭化物のボードへの圧縮成型を、ボードを硬度指標(mm)でみて 10mm 未満 、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 1.4 Kg/cm2 未満の硬度を有するものとして得るように行うとしても、また、ボードを硬度指標(mm)でみて 20mm超、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 6.3Kg/cm2 超の硬度を有するものとして得るように行うとしても、段落番号[0045]で上述した優れた特徴を有するボードとして得ることが困難である。
【0048】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、この場合、炭化物のボードへの圧縮成型に当り、木炭を廃木材由来の木炭とすれば、その廃木材をこの場合の木炭を通じて資源化して有効利用することができる。
【0049】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、粒状の木炭と植物由来の古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、この場合、炭化物のボードへの圧縮成型に当り、植物由来の古紙の繊維状化物が、字句通り、植物由来の古紙の繊維状化物であるので、植物由来の古紙も資源化して有効利用することができる。
【0050】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、木炭と古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、炭化物のボードへの圧縮成型に当り、炭化物と木炭と古紙の繊維状化物との混和物に、必要に応じ、カリ成分、燐成分などの肥料成分を有する肥料を、所要量添加することができる。
【0051】
さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、木炭と古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、圧縮成型によって得られたボードを、必要ならば乾燥し、その乾燥されたボードを、最終的な植物育成用炭化物ボードとして得ることができる。
【0052】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法によれば、植物育成用炭化物ボードを、家畜排泄物を主体とする廃棄物を乾式メタン発酵させ、それによって得られる残渣物を炭化し、その炭化物と、木炭と古紙の繊維状化物とを混和し、その混和物を、ボードに圧縮成型して製造しているが、この場合、炭化物の圧縮成型を常温(25℃)で行うことができ、そして、そのように圧縮成型を行えば、その圧縮成型を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明による植物育成用炭化物ボードの製法を実施するための最良の形態は、予め用意された、豚の糞尿とし得る家畜排泄物を主体とする軟塊状乃至汚泥状であるまたは軟塊状乃至汚泥状に処理されているのを可とする家畜排泄物由来の廃棄物を、それ自体公知の乾式メタン発酵槽内で、各種の植物由来の古紙を主体とする廃棄物を混在させてまたは混在させずに、40℃~70℃の温度であるのを可とする温度で乾式メタン発酵させ、それによって、乾式メタン発酵槽内に、軟塊状乃至汚泥状であるのを可とする残渣物を残渣させ、その残渣物を、それ自体公知の炭化装置を用いて、400℃~800℃望ましくは500℃~700℃の温度で、2mm~6mm望ましくは3mm~5mmの粒径を有する顆粒状乃至鱗片状であるのを可とする炭化物に炭化し、その炭化物と、予め用意された、廃木材由来であるのを可とし且つ2mm~10mm望ましくは4mm~8mmの粒径を有するのを可とする粒状の木炭と、同様に予め用意された、植物由来の古紙を水に溶かして簀上に敷延して得られる繊維状化物と同様の繊維状であるのを可とする植物由来の古紙の繊維状化物とを、炭化物4~6重量部、木炭2~4重量部、古紙の繊維状化物1~3重量部の割合、望ましくは、炭化物4.5~5.5重量部、木炭2.5~3.5重量部、古紙の繊維状化物1.5~2.5重量部の割合で、カリ成分、燐成分などの肥料成分を有する肥料を添加しまたは添加することなしに混和し、その混和物を、それ自体公知の圧縮成型機を用いて、硬度指標(mm)でみて 10mm~20mm 、抵抗値(Kg/cm2 )でみて1.4 Kg/cm2~6.3Kg/cm2 の硬度を有する、望ましくは硬度指標(mm)でみて 13mm~17mm、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 2.2Kg/cm2~4.0Kg/cm2 の硬度を有するボードに、常温を可とする温度で圧縮成型し、そのボードを、必要ならば乾燥して、最終的な植物育成用炭化物ボードとして得る。
【実施例1】
【0054】
次に、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例を述べよう。
本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例においては、まず、豚の排泄物(糞尿)でなる家畜排泄物を主体とする、軟塊状乃至汚泥状であるまたは軟塊状乃至汚泥状に処理されている廃棄物が予め用意されているとして、その家畜排泄物を主体とする廃棄物を、それ自体公知の乾式メタン発酵槽内で投入し、その乾式メタン発酵槽内で、55℃の温度で乾式メタン発酵させ、それによって、メタンガスを発生させ、そのメタンガスを乾式メタン発酵槽外に回収するとともに、乾式メタン発酵槽内に、軟塊状乃至汚泥状の残渣物を残渣させ、その残渣物を槽外に取出した。
【0055】
次で、いま乾式メタン発酵槽から取出した残渣物を、天日乾燥とそれに続くそれ自体公知の恒温乾燥器による乾燥とによって約5%の含水率になるまで乾燥して、それ自体公知の炭化装置(電気炭化炉)内に投入し、その炭化装置内で、600℃の温度で、約120分かけて、約4mmの粒径を有する顆粒状乃至鱗片状の炭化物に炭化し、その炭化物を炭化装置外に取出した。
【0056】
次で、いま炭化装置から取出した炭化物、予め用意された、廃杉材由来の約5mmの粒径を有する粒状の木炭と、同様に予め用意された、古紙を水に溶かして簀上に敷延して得られる繊維状化物と同様の植物由来の繊維状化物とを、炭化物5重量部、木炭3重量部、古紙の繊維状化物2重量部の割合で、他のなんらの材も添加することなしに混和し、その混和物を、それ自体公知の圧縮成型機を用いて、常温(25℃)で、硬度指標(mm)でみて 15mm、抵抗値(Kg/cm2 )でみて 3.0Kg/cm2 の硬度を有する、長さ300mm、幅300mm、厚さ50mmのボードに圧縮成型し、そのボードを恒温乾燥器を用いて、105℃の温度で乾燥し、その乾燥されたボードを植物育成用炭化物ボードとして得た。
【0057】
以上が、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例である。
このような本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例によれば、詳細説明は省略するが、[発明の効果]の項で述べたところから明らかな優れた効果を有していることを確認することができた。
【0058】
また、本発明による植物育成用炭化物ボードの第1の実施例によれば、それによって得られた植物育成用炭化物ボードが、おおむね、pH:8.4、電気伝導度:110mS/m、ヨウ素吸着性:60(mg/g)、比重:0.3の特性を呈し、また、おおむね、全炭素:45.5(%)、全窒素:2.0(%)、灰分:35.6(%)、Na:0.22(%)、K:0.63(%)、Mg:1.7(%)、Ca:6.8(%)、Fe:0.78(%)、P:3.1(%)、Cu:460(mg/Kg)、Zn:930(mg/Kg)、Ni:<50(mg/Kg)、Cr:<50(mg/Kg)、Pb:<50(mg/Kg)、Hg:0.03(mg/Kg)、As:<2.0(mg/Kg)、Cd:0.16(mg/Kg)の組成成分を有し、さらに、おおむね、銅:<0.1mg/L、亜鉛:<0.1 mg/L、有機体炭素:59 mg/L、無機体炭素:18 mg/L、BOD(生物化学的酸素消費量):49 mg/L、COD(100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量):42 mg/L、塩化物イオン:72 mg/L、硝酸イオン:nd、硫酸イオン:70 mg/L、リン酸イオン:53 mg/L、ナトリウム:31 mg/L、カリウム:94 mg/L、マグネシウム:36 mg/L、カルシウム:5.7 mg/Lの水への溶出特性を呈し、よって、窒素、燐、カリの植物育成のための3要素を有するのはもちろん、マグネシウム、カルシウムなどの塩類を、植物育成用栄養成分として十分含み、pHも高くなく(アルカリ性も強くなく)、電気伝導度も高くなく、ヨウ素吸着性も低く、比較的軽く、Ag(水銀)、As(砒素)、Cd(カドミウム)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)及びZn(亜鉛)を肥料取締法に規定する許容値以下の十分低い値でしか含有していず、また、銅及び亜鉛を肥料取締法による推奨基準値(銅:600mg/Kg、亜鉛:1800mg/Kg)以下でしか含有していず、さらに、植物育成に使用して、有害成分を環境などに溶出させないとともに、データを以っては示していないが、吸水性、保水性、断熱性が高く、柔軟性も十分有する、などの植物育成に好適な植物育成用炭化物ボードを得ることができることを確認することができた。さらに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例によれば、それによって得られた植物育成用炭化物ボードについて、それに約2リットルの水を含ませ、その表面上に、西洋芝の種子の20gを均一に播き、次で、植物育成用炭化物ボードの表面を、上述した本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例における炭化物と粒状の木炭と古紙の繊維状化物との混和物と同様の組成を有する混和物で、約3mmの厚さで覆い、そして、11月から2月の期間に、鹿児島県姶良郡蒲生町の協同組合ケトラファイブ所在地において、雨の日も、日中は屋外に出し、日没後は屋内に入れて、西洋芝の生育を観察したところ、西洋芝が、おおむね7日で高い発芽率で発芽し、おおむね10日で確実に根付いて葉の成長が進み、おおむね80日で葉が約6cmの長さに成長した、という結果を、播種後、水やりをほとんどすることなしに得ることができた。
【0060】
なお、上述においては、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の1つの実施例を示したに留まり、詳細説明は省略するが、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例において、[課題を解決するための手段]及び[発明を実施するための最良の形態]に記載の範囲で、種々の変形をなしても、[発明の効果]に記載の効果、及び本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例で上述したと同様の効果が得られることを確認した。
【0061】
因みに、本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例において、[課題を解決するための手段]及び[発明を実施するための最良の形態]に記載の範囲を超えて種々変更しても、[発明の効果]に記載の効果、及び本発明による植物育成用炭化物ボードの製法の第1の実施例で上述したと同様の効果を得られないことを確認乃至推認した。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明による植物育成用炭化物ボードの製法は、家畜排泄物を主体とする廃棄物から植物育成用炭化物ボードを製造する方法として、広く利用できる。