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明細書 :日射遮蔽物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4797162号 (P4797162)
公開番号 特開2007-051442 (P2007-051442A)
登録日 平成23年8月12日(2011.8.12)
発行日 平成23年10月19日(2011.10.19)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
発明の名称または考案の名称 日射遮蔽物
国際特許分類 E06B   9/32        (2006.01)
E06B   9/386       (2006.01)
FI E06B 9/32
E06B 9/386
請求項の数または発明の数 8
全頁数 10
出願番号 特願2005-235983 (P2005-235983)
出願日 平成17年8月16日(2005.8.16)
審査請求日 平成19年10月22日(2007.10.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】赤坂 裕
個別代理人の代理人 【識別番号】100090273、【弁理士】、【氏名又は名称】國分 孝悦
審査官 【審査官】辻野 安人
参考文献・文献 実開昭57-064551(JP,U)
実開昭58-086898(JP,U)
特開2004-156289(JP,A)
特開2000-240378(JP,A)
特開昭58-050289(JP,A)
特開平09-189182(JP,A)
実開昭61-011892(JP,U)
調査した分野 E06B 9/32
E06B 9/386
特許請求の範囲 【請求項1】
複数枚のスラットにより構成される日射遮蔽物であって、
前記スラットの長手方向の一部の箇所に設けられ、該スラットの面に対して左右の補強板によって凹部となるようなかたちで該スラットの上下縁の途中から該スラットの上下縁を通る平面に対して所定の傾斜角の方向に傾斜する平板状の角度調整部と、
前記角度調整部の角度を変えるための操作部材とを備えたことを特徴とする日射遮蔽物。
【請求項2】
前記スラットの一方の面の日射反射率及び放射率を比較的大きくし、他方の面の日射反射率及び放射率を比較的小さくすることを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽物。
【請求項3】
前記一方の面の日射反射率を0.5以上及び放射率を0.8以上にし、他方の面の日射反射率を0.3以下及び放射率を0.5以下にし、両面の日射反射率の差を0.3以上とすることを特徴とする請求項2に記載の日射遮蔽物。
【請求項4】
前記操作部材は、前記角度調整部を貫通する中央の操作紐と、前記角度調整部の室内側に配置される操作紐と、前記角度調整部の室外側に配置される操作紐と、前記角度調整部に沿って設けられ、前記室内側及び室外側に配置される操作紐に堅結される支持紐とにより構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の日射遮蔽物。
【請求項5】
前記スラットの一方の面と他方の面とで色彩が異なることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の日射遮蔽物。
【請求項6】
XYZ表色系のY値が、前記スラットの一方の面で50%以上とし、他方の面を30%以下とし、両面のY値の差を30%以上とすることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の日射遮蔽物。
【請求項7】
前記角度調整部の前記スラットに対する傾斜角度が(90度-日射遮蔽物を使用する地点の緯度±10度)で規定されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の日射遮蔽物。
【請求項8】
前記角度調整部の横幅は、下方に設けられる前記スラットほど大きく形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の日射遮蔽物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のスラットにより構成されるブラインドやシャッタ等の日射遮蔽物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の窓から室内に射しつける日光は昼光照明効果を有しており、人工照明の使用率を減らし、照明電力の消費を削減し、冬季には室温を上昇させて暖房消費エネルギを削減する。
【0003】
その一方で、窓からの直射日光は、室内空間の一部を必要以上に明るくして不快グレアの要因となり、夏季には余剰な熱を持ち込んで冷房消費エネルギを増大させる要因ともなる。
【0004】
そのため、窓にブラインド等の日射遮蔽物を設置し、日射量を調整することが一般的に行われている。日射遮蔽物のうちブラインドは、紐の操作によって、スラットを巻き上げたり、スラットの角度を変えたりすることで日射量を調整することができ、容易に設置することができるので、多くの建築物の窓に使用されている。
【0005】
ブラインドのスラットの角度は、日中の日差しが強い時間帯は、グレア防止の観点からは、夏冬関係なく、外部からの直射日光を遮るように調整するのが効果的である。また、スラットの角度の調整は、室内のプライバシーを保護することを目的として行われることもある。
【0006】
以上のように、ブラインドのスラットの角度の調整は、直射日光を遮断するように調整して不快グレアを軽減させたり、プライバシーを確保したりするだけでなく、室内への日射熱の侵入量にも影響し、それによって暖房消費エネルギや冷房消費エネルギを変化させる。
【0007】
スラットの角度の調整が暖房消費エネルギ及び冷房消費エネルギを変化させることに着目すると、夏季の冷房時には日中の強い光を遮ると共に日射熱の侵入も遮る方がよいが、冬季の暖房時には日中の強い光を遮るが日射熱はできるだけ受け入れた方がよい。このようにブラインドによって窓から入ってくる強い光を遮る必要性は夏と冬で同じであっても、省エネルギや温熱快適性を考慮した日射熱の制御に関しては夏と冬で逆になる。
【0008】
例えば特許文献1には、夏は日射熱を遮り、冬は日射熱を受け入れることを考慮したブラインドが開示されている。このブラインドのスラットは波形の形状を持っており、窓とブラインドの間に空気を流通させ、スラットが吸収した熱を排出又は回収することを目的として使用される。また、スラットの上面を日射の高反射面とし、下面を高吸収面としているが、スラットの回動可能な範囲は狭く、スラットの両面を直射日光に対して垂直に近い角度に設定することができない。
【0009】
また、特許文献2には、複層ガラス間に設置するブラインドのスラットの片面に日射反射性膜を、他面に低放射性膜を形成することが開示されている。しかし、スラットの両面に対し日射反射率と放射率の両方を規定していない。また、特許文献1のブラインドと同様に、スラットの回転可能な範囲は狭く、スラットの両面を直射日光に対して垂直に近い角度に設定することができない。
【0010】

【特許文献1】特開2000-240378号公報
【特許文献2】実開平6-87597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のブラインドを構成するスラットの角度は操作紐によって調整可能ではあるが、スラットの表面と裏面とを反転させることができる角度が限られており、スラットの両面を適宜な角度、すなわち直射日光に対して垂直に近い角度に設定することができなかった。
【0012】
また、従来技術では、夏季の冷房時には日中の強い光を遮ると共に日射熱の侵入も遮り、冬季の暖房時には日中の強い光を遮るが日射熱はできるだけ受け入れるように、日射反射及び日射熱の放射の両特性が適切に設定されていなかった。
【0013】
本発明はかかる実情を鑑み、スラットの両面を適宜な角度に設定できるようにすることを目的とする。更には日射反射及び日射熱の放射の両特性を適切に設定し、省エネルギ効果、温熱快適性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の日射遮蔽物は、複数枚のスラットにより構成される日射遮蔽物であって、前記スラットの長手方向の一部の箇所に設けられ、該スラットの面に対して左右の補強板によって凹部となるようなかたちで該スラットの上下縁の途中から該スラットの上下縁を通る平面に対して所定の傾斜角の方向に傾斜する平板状の角度調整部と、前記角度調整部の角度を変えるための操作部材とを備えた点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スラットに対して傾斜する平板状の角度調整部の角度を変えることによりスラットの角度を変えるようにしたので、スラットの両面を適宜な角度、すなわち直射日光に対して垂直に近い角度に設定することができる。このように設定することにより、強い光によるグレアを防ぎながら、スラット間からやわらかい拡散光を取り入れて昼光照明効果を得ることができる。
【0016】
また、スラットの一方の面の日射反射率及び放射率を比較的大きくし、他方の面の日射反射率及び放射率を比較的小さくすることにより、夏の冷房時には日射反射率及び放射率が大きい面を室外に向けるように調整し、冬の暖房時には日射反射率及び放射率が小さいスラットを室外に向けるように調整することで、省エネルギ効果、温熱快適性の向上を図ることができる。この場合に、上述したようにスラットの両面を直射日光に対して垂直に近い角度に設定することができるので、日射反射や日射熱の吸収、発散を効率的に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明による日射遮蔽物の好適な実施形態を説明する。図1は本実施形態の日射遮蔽物であるブラインドの要部を示す図であり、スラット1、角度調整部4、操作紐8~10、支持紐11の位置関係を示し、(a)が側面断面図、(b)が正面図である。また、図2は本実施形態のブラインドの要部を示す斜視図である。
【0018】
スラット1は横断面が湾曲形状を有する細長い薄板からなり、図6に示すように、水平に配置したスラット1を上下に複数枚平行に並べて配置することによりブラインドが構成される。また、スラット1の材質は、アルミ等の金属からなる。特に材質に限定されるものではないが、薄く軽く、遮光性のあるものが好適である。
【0019】
スラット1は、例えば素地に表面処理を加えることにより、凸状の面2の日射反射率(ρ1)及び放射率(ε1)が比較的大きく、凹状の面3の日射反射率(ρ2)及び放射率(ε2)が比較的小さくなるように構成される。放射率とは、具体的には波長3μm以上の放射能の射出率をいうものとする。日射反射率、放射率はどちらも0~1の範囲の値となるが、より好適には、凸状の面2の日射反射率(ρ1)を0.5以上、及び、放射率(ε1)を0.8以上とし、凹状の面3の日射反射率(ρ2)を0.3以下、及び、放射率(ε2)を0.5以下とし、また両面の日射反射率の差を0.3以上とする。
両面の差は大きくした方が効果的であり、面2の日射反射率、放射率を1、面3を0とするのが理想的ではあるが、技術的に不可能である。また、面2の日射反射率、放射率を0.9以上、面3を0.1以下とするのは技術的に可能ではあるが、経済性の面から本発明の実施の形態としては不適切だと考えられるため、経済性の面から容易に実施し得る値として、本発明の実施の形態において、面2の日射反射率を0.5以上及び放射率を0.8以上とし、面3の日射反射率を0.3以下及び放射率を0.5以下とした。
【0020】
スラット1の両端部付近において、面2に対して凹部となるようなかたちで平板状の角度調整部4が設けられる。角度調整部4はスラット1の上下縁を通る平面7に対して傾斜角φで傾斜するように配置され(図1を参照)、左右の補強板6によりスラット1に一体化されている。なお、角度調整部4はスラット1と一体成形されてもよいし、別体の板材を組み付けることにより構成されてもよい。
【0021】
傾斜角φの適正角度は本発明による日射遮蔽物を使用する地域によって異なるが、(90度-本発明による日射遮蔽物を使用する地点の緯度±10度)とするのが望ましい。
適正角度を上記のように設定した理由を述べる。まず、春分、秋分における南中時の太陽からの直射日光をスラット1で垂直に受けられる角度が(90度-使用する地点の緯度)となる。一方、一年間の使用、つまり地球の公転周期、地軸の角度及び自転を考慮すると、前記の春秋分における前記角度では、夏季又は冬季時には南中時の直射日光を垂直から多少ずれた角度で受けることになる。そこで、春秋分を基準とし、夏冬季における角度の誤差と実際にブラインドを使用する地域の緯度を考慮し、ある程度の許容値を±10度とし、本発明の実施の形態において適正角度とした。
【0022】
スラット1の角度を変えるための操作紐は操作紐(室外側)8、操作紐(中央)9、操作紐(室内側)10の3本からなる。角度調整部4には操作紐用貫通穴5が形成されており、そこに操作紐(中央)9を挿通させる。この場合に、操作紐用貫通穴5の形状は長方形とし、スラット1の幅方向にあそびをもたせている。
【0023】
また、操作紐(室外側)8、操作紐(室内側)10には、角度調整部4に沿って設けられた支持紐11が堅結される。この支持紐11は角度調整部4を支持しており、操作紐(室外側)8、操作紐(室内側)10を上下させることで角度調整部4の角度を変えることができ、角度調整部4の動きに応じて、スラット1の角度も角度調整部4との傾斜角φを維持しながら変化する。
【0024】
また、図2に示すように、支持紐11がなす角度と角度調整部4の角度とが一致するように、スラット1には操作紐(室内側)10が通る位置に切り込み12が設けられている。この場合に、角度調整部4、特に切り込み12と操作紐用貫通穴5との間の箇所において調整部強度が低下するおそれがあるため、その箇所に薄板状の補強材13を貼着する等しており、角度調整部4を補強するのが望ましい。
【0025】
なお、スラット1は平板であっても、角度調整部4に対して凸状の面2及び凹状の面3の位置関係が逆となる湾曲板であっても同様に本発明による効果が得られる。
【0026】
図3は夏季の使用に適したクールモード(夏モード)での使用状態を示す図であり、スラット1の面2を室外に向けた状態である。
【0027】
図3において、室外からの日射Jの大半はスラット1の室外側に向いた面2が受けるが、面2の日射反射率(ρ1)が大きいので、面2が受けた日射Jの大部分(ρ1J)は反射して室外に逃げる。
【0028】
一方、面2が受けた日射の一部のみによる日射熱((1-ρ1)J)はスラット1に吸収され、スラット1の温度(T)を上昇させて放射熱として発散される。室外側に向いた面2が発散する放射熱(E1)はE1=ε1σT4のように放射率(ε1)、ステファンボルツマン定数(σ)、及びスラット1の絶対温度(T)の4乗の積で表され、室外に向けて発散される。
【0029】
それに対して、室内側に向いた面3が発散する放射熱(E2)はE2=ε2σT4で表され、スラット1の温度Tがスラット全体でほぼ均一であるので、放射熱(E2)は放射率(ε2)が小さい分だけ室外に向けて発散される放射熱(E1)よりも小さい。
【0030】
このように、本発明を適用したブラインドを使用することにより、室外からの日射の大部分が室外に反射し、日射熱の多くも室外に向けて発散するので、夏季の冷房負荷の増加を軽減することができる。
【0031】
図4は冬季の使用に適したヒートモード(冬モード)での使用状態を示す図であり、スラット1の面3を室外に向けた状態である。
【0032】
図4において、室外からの日射Jの大半はスラット1の室外側に向いた面3が受けるが、面3の日射反射率(ρ2)が小さいので、面3が受けた日射Jの一部(ρ2J)のみが反射して室外に逃げる。
【0033】
一方、面3が受けた日射の大部分による日射熱((1-ρ2)J)はスラット1に吸収され、スラット1の温度(T)を上昇させて放射熱として発散される。室外側に向いた面3が発散する放射熱(E2)はE2=ε2σT4のように放射率(ε2)、ステファンボルツマン定数(σ)、及びスラットの絶対温度(T)の4乗の積で表され、室外に向けて発散されるが、放射率(ε2)が小さいためにその放射量も小さい。
【0034】
それに対して、室内側に向いた面2が発散する放射熱(E1)はE1=ε1σT4で表され、スラット1の温度Tがスラット全体でほぼ均一であるので、放射熱(E1)は放射率(ε1)が大きい分だけ室外に向けて発散される放射熱(E2)より大きい。
【0035】
このように、本発明を適用したブラインドを使用することにより、室外からの日射の一部のみを室外に反射し、日射熱の多くが室内に向けて発散するので、室内にパッシブヒーティング効果をもたらし、暖房消費エネルギを軽減することができる。
【0036】
図5には、角度調整部4の操作によりスラット1の角度を変化させる様子を示す。操作紐を上下させることによる角度調整部4の回動可能範囲は、図5(a)から(e)に示す範囲、すなわち180度である。
【0037】
図5(a)は図3にも示したクールモードでの使用状態を示す図であり、スラット1の面2が日射に対して垂直に近い角度に設定される。このクールモードでは、既述したように、面2が受けた日射の大部分を反射し、日射熱の多くを室外に発散させるのに適している。
【0038】
図5(b)はオープンモードでの使用状態を示す図であり、スラット1が略水平に設定され、室外の眺望を得るのに適している。
【0039】
図5(c)はライトモードでの使用状態を示す図であり、スラット1が日射と平行に近い角度に設定され、光を積極的に室内に受け入れるのに適している。
【0040】
図5(d)はクローズモードでの使用状態を示す図であり、スラット1が略垂直に設定された状態であって、日射及び室外からの視線を遮断するのに適している。
【0041】
図5(e)は図4にも示したヒートモードでの使用状態を示す図であり、スラット1の面3が日射に対して直角に近い角度に設定される。このヒートモードでは、既述したように、面3が受けた日射による日射熱の大部分をスラット1に吸収させ、その吸収熱の多くを室内側に発散させるのに適している。
【0042】
なお、図2に示すように操作紐用貫通穴5においてスラット1の幅方向に調整部あそびを持たせたので、スラット1の角度を変化させるに際して、図5に示すスラット1の回転軸14は、図5(a)~(e)の角度設定のいずれの場合においても一定に維持され、操作紐の上げ下げによるスラット1の回転軸のぶれを無くすことができる。
【0043】
以上のように、角度調整部4を最大限180度の範囲で回転させることにより、角度調整部4と傾斜角φだけ傾くスラット1には、図5(a)~(e)に示す角度の選択性を与えることが可能となる。特に、図5(a)、(e)に示すように、スラット1の両面2、3を室外側の上方に向けることができるので、直射日光に対して直角に近い角度に設定することが可能になり、日射反射や日射熱の吸収、発散を効率的に行うことが可能になる。
【0044】
なお、本実施の形態では、日射反射率及び反射率を凸状の面2で比較的大きく設定し、凹状の面3に比較的小さく設定したが、設定を逆にしても、同様の効果が得られる。つまり、スラット1の凸状の面2の日射反射率(ρ1)及び放射率(ε1)を比較的小さく、凹状の面3の日射反射率(ρ2)及び放射率(ε2)を比較的大きくするように構成する。
この場合、図5(a)がヒートモード(冬モード)、図5(e)がクールモード(夏モード)となる。
【0045】
本実施形態では、図6に示すように、各スラット1の角度調整部4の横幅を下方のスラット1ほど逐次大きくする。ブラインドの巻き上げはすべてのスラット1を水平に近い角度にして行うが、角度調整部4の横幅を下方のスラット1ほど逐次大きくすることにより、ブラインドの巻き上げ時に、下方のスラット1の角度調整部4上に上方のスラット1の角度調整部4を重ね合わせることができ、ブラインドを隙間なく巻き上げることができる。
【0046】
また、ブラインドを使用する際に、使用者が使用条件に合わせ適切なスラット1の面を判断しやすいように、スラット1の面2、3の色彩を異ならせるようにしてもよい。また、スラット1の面2、3に施す色彩をXYZ表色系で表した場合、Y値は明度に相当するものであり、Y値は多くの場合反射率と一致する。つまり、Y値が50%以上となると反射率が0.5以上となり、Y値が30%以下となると反射率が0.3以下となる。ここで、一方の面で、Y値が50%以上、もう一方の面で30%以下とし、両面でのY値の差が30%以上であるようにすれば、色彩により反射率を設定可能となり、また使用者が適切な面を視覚で十分に判断することができるため、日射反射と日射熱の吸熱、発散を効率的に、かつブラインドの取扱性を向上させることができる。
【0047】
また、面2、3に色彩を施す場合に、その色彩がスラット1の素地の色彩であってもよいし、素地に表面処理を加えた皮膜の色彩であってもよいし、各種塗膜による色彩であってもよい。一般的には、高反射、高放射面は白色又は明るい有彩色、低反射、低放射面は濃い目の無彩色又は有彩色が適している。特に日射反射率と放射率を設定することと、それぞれの面を視覚で判断するための色彩を施すことを同時に行うようにすれば、コストの削減効果が期待できる。
【0048】
また、本実施の形態におけるスラット1に対する日射反射率、放射率の加工は、特に限定されるものではなく、塗装、めっき、蒸着処理等、選択性を有する。
【0049】
なお、本発明の日射遮蔽物は、窓に対して室内に設置してもよいし、室外に設置してもかまわない。また、二重窓の間の空間や多重ガラスの間の空間に設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態の日射遮蔽物であるブラインドの要部を示す図であり、(a)が側面断面図、(b)が正面図である。
【図2】本実施形態のブラインドの要部を示す斜視図である。
【図3】クールモード(夏モード)での使用状態を示す図である。
【図4】ヒートモード(冬モード)での使用状態を示す図である。
【図5】角度調整部4の操作によりスラット1の角度を変化させる様子を示す図である。
【図6】本実施形態におけるブラインドの要部正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 スラット
2 面
3 面
4 角度調整部
5 操作紐用穴
6 補強版
7 平面
8 操作紐
9 操作紐
10 操作紐
11 支持紐
12 切り込み
13 補強材
14 回転軸
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5