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明細書 :水系塗料の廃液処理方法とその廃液処理装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4416087号 (P4416087)
公開番号 特開2006-231269 (P2006-231269A)
登録日 平成21年12月4日(2009.12.4)
発行日 平成22年2月17日(2010.2.17)
公開日 平成18年9月7日(2006.9.7)
発明の名称または考案の名称 水系塗料の廃液処理方法とその廃液処理装置
国際特許分類 C02F   1/52        (2006.01)
C02F   1/00        (2006.01)
FI C02F 1/52 G
C02F 1/00 L
請求項の数または発明の数 2
全頁数 12
出願番号 特願2005-052691 (P2005-052691)
出願日 平成17年2月28日(2005.2.28)
審査請求日 平成19年4月11日(2007.4.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】坂本 達朗
【氏名】田中 誠
【氏名】江成 孝文
個別代理人の代理人 【識別番号】100104064、【弁理士】、【氏名又は名称】大熊 岳人
審査官 【審査官】富永 正史
参考文献・文献 特開2004-321861(JP,A)
特開2002-126756(JP,A)
特開2002-113305(JP,A)
調査した分野 C02F 1/52-1/56
C02F 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
水系塗料の廃液を処理する水系塗料の廃液処理方法であって、
主剤と硬化剤とからなる二液混合型のエポキシ樹脂系塗料の廃液と、この廃液を凝集させる水酸化ナトリウム顆粒とを混合する混合工程と、
前記混合工程後の廃液から前記エポキシ樹脂系塗料を分離する分離工程と、
前記分離工程後の廃液と硫酸又は塩酸とを混合してこの廃液を中和する中和工程と、
前記中和工程後の廃液をろ過するろ過工程と、
を含む水系塗料の廃液処理方法。
【請求項2】
水系塗料の廃液を処理する水系塗料の廃液処理装置であって、
主剤と硬化剤とからなる二液混合型のエポキシ樹脂系塗料の廃液と、この廃液を凝集させる水酸化ナトリウム顆粒とを混合する混合手段と、
混合後の廃液から前記エポキシ樹脂系塗料を分離する分離手段と、
分離後の廃液と硫酸又は塩酸とを混合してこの廃液を中和する中和手段と、
中和後の廃液をろ過するろ過手段と、
を含む水系塗料の廃液処理装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、水系塗料の廃液を処理する水系塗料の廃液処理方法とその廃液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水系塗料は、溶剤系塗料と比較して水で希釈が可能で水洗いも可能なことや、火災の危険性が無く、毒性も少ないことなどから環境適応型の塗料として注目されている。しかし、現場で塗装した後の残存塗料や、ハケ、ローラー等の塗装用具を洗った後の廃液について有効な対策は取られておらず、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物学的酸素要求量)、SS(浮遊物質濃度)、ノルマルヘキサン抽出物含有量等の放流の法的規制値を満たすこときができていない。そのため、現状では産業廃棄物として焼却処分する方法や、水処理設備で浄化した後に河川などに放流処理する方法がとられている。しかし、焼却処分に関してはノズルのつまりや、排ガスの発生などの問題があり、放流処理については水処理設備への負担が懸念される。そのため、塗料廃液中の塗料成分を減少させる必要があり、塗料廃液に含まれる樹脂や顔料などの固形分を取り除く方法が提案されている。
【0003】
従来の水系塗料の廃液処理方法(従来技術1)は、シリコンアクリルエマルジョンからなる水系塗料の洗浄廃液に、ポリ塩化アルミニウムなどの無機塩及びポリアクリルアミド系の高分子凝集剤などの凝集剤を加えて凝集させ、この凝集物を不織布によってろ過し分離している(例えば、特許文献1参照)。また、水系塗料の廃液処理方法(従来技術2)は、アクリル樹脂系エマルジョンからなる水系塗料の廃液と外装材用のセメント硬化体などからなる廃材粉とを混合して無機質硬化体にしている。
【0004】

【特許文献1】特開2001-149948号公報
【0005】

【特許文献2】特開2003-342052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術1,2は、いずれもエマルジョン系の水系塗料の廃液処理を目的としており、鉄道の橋梁などの鋼構造物に用いられる二液系の水系塗料とは組成が異なる。また、従来技術2は、セメント硬化体廃材粉を混合する混合作業に労力を要し、かつ混合時に粉塵が発生するという問題がある。
【0007】
この発明の課題は、水系塗料の廃液を簡単に安価で処理することができる水系塗料の廃液処理方法とその廃液処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、水系塗料の廃液(W)を処理する水系塗料の廃液処理方法であって、主剤と硬化剤とからなる二液混合型のエポキシ樹脂系塗料の廃液と、この廃液を凝集させる水酸化ナトリウム顆粒(A1)とを混合する混合工程(#100)と、前記混合工程後の廃液から前記エポキシ樹脂系塗料を分離する分離工程(#200)と、前記分離工程後の廃液と硫酸又は塩酸(A2)とを混合してこの廃液を中和する中和工程(#300)と、前記中和工程後の廃液をろ過するろ過工程(#400)とを含む水系塗料の廃液処理方法である。
【0009】
請求項2の発明は、水系塗料の廃液を処理する水系塗料(W)の廃液処理装置であって、主剤と硬化剤とからなる二液混合型のエポキシ樹脂系塗料の廃液と、この廃液を凝集させる水酸化ナトリウム顆粒(A1)とを混合する混合手段(4)と、混合後の廃液から前記エポキシ樹脂系塗料を分離する分離手段(5)と、分離後の廃液と硫酸又は塩酸(A2)とを混合してこの廃液を中和する中和手段(7)と、中和後の廃液をろ過するろ過手段(9)とを含む水系塗料の廃液処理装置(1)である。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、水系塗料の廃液を簡単に安価で処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る水系塗料の廃液処理装置を概略的に示す構成図である。
図1に示す廃液Wは、水系塗料の廃液である。このような水系塗料の廃液Wとしては、例えば、主剤と硬化剤とからなる二液混合型のエポキシ樹脂系塗料の廃液などである。アルカリA1は、廃液Wから水系塗料を凝集させるための水酸化ナトリウムなどの凝集剤である。酸A2は、アルカリA1と混合した後の廃液Wを中和する硫酸又は塩酸などの中和剤である。
【0022】
廃液処理装置1は、水系塗料の廃液Wを処理する装置である。廃液処理装置1は、水系塗料の廃液WとアルカリA1とを混合してこの廃液Wから水系塗料を分離し、分離後の廃液Wを中和しこの中和後の廃液Wから金属物質などを除去する。廃液処理装置1は、図1に示すように、廃液収容装置2と、送出装置3と、混合装置4と、分離装置5と、送出装置6と、中和装置7と、送出装置8と、ろ過装置9などを備えている。
【0023】
廃液収容装置2は、廃液Wを収容する装置であり、廃液Wを溜める廃液槽2aを備えている。送出装置3は、廃液槽2aから混合槽4aに廃液Wを送出する装置であり、廃液Wが流れる流路3aと、この流路3a内を上流側から下流側に向かって廃液Wを送出するポンプ3bなどを備えている。
【0024】
混合装置4は、廃液WとアルカリA1とを混合する装置である。混合装置4は、廃液WとアルカリA1との混合物を収容する混合槽4aと、アルカリA1を収容する収容槽4bと、この収容層4bから混合層4aにアルカリA1が流れる流路4cと、この流路4cを開閉する開閉弁4dと、混合槽4a内を撹拌する撹拌器4eなどを備えている。
【0025】
分離装置5は、混合後の廃液Wから水系塗料を分離する装置であり、混合後の廃液Wを不織布などに通過させてこの廃液Wから水系塗料を除去するフィルタ5aなどを備えている。送出装置6は、混合槽4aから中和槽7aに混合後の廃液Wを送出する装置であり、この混合後の廃液Wが流れる流路6aと、この流路6a内を上流側から下流側に向かって廃液Wを送出するポンプ6bなどを備えている。
【0026】
中和装置7は、分離後の廃液Wに酸A2を混合して中和する装置である。中和装置7は、分離後の廃液Wと酸A2との混合物を収容する中和槽7aと、酸A2を収容する収容槽7bと、この収容層7bから中和層7aに酸A2が流れる流路7cと、この流路7cを開閉する開閉弁7dと、中和槽7a内を撹拌する撹拌器7eなどを備えている。
【0027】
送出装置8は、中和槽7aから中和後の廃液Wを下水などに送出する装置であり、この中和後の廃液Wが流れる流路8aと、この流路8a内を上流側から下流側に向かって廃液Wを送出するポンプ8bなどを備えている。ろ過装置9は、中和後の廃液Wをろ過する装置であり、中和後の廃液Wを不織布や活性炭などに通過させてこの廃液Wから亜鉛や燐などの物質などを除去するフィルタ9aなどを備えている。
【0028】
次に、この発明の実施形態に係る水系塗料の廃液処理方法について説明する。
図2は、この発明の実施形態に係る水系塗料の廃液処理方法の工程図である。
図2に示す廃液処理方法は、図1に示す水系塗料の廃液Wを処理する方法であり、混合工程#100と、分離工程#200と、中和工程#300と、ろ過工程#400などを含む。混合工程#100は、図1に示す廃液WとアルカリA1とを混合する工程である。塗装現場などから回収された水系塗料の廃液Wが廃液槽2aに流し込まれると、廃液槽2a内の廃液Wがポンプ3bによって混合槽4aに送り出される。次に、開閉弁4dが開閉操作されて収容槽4b内のアルカリA1が混合槽4a内に流入し、廃液WとアルカリA1とが撹拌機4eによって撹拌されて混合され廃液W中の水系塗料が凝集し沈殿する。
【0029】
分離工程#200は、混合工程#100後の廃液Wから水系塗料を分離する工程である。混合槽4a内の混合後の廃液Wがポンプbによって中和槽7aに送り出されると、流路4cを流れる混合後の廃液Wがフィルタ5aを通過する。その結果、混合槽4a内で凝集した水系塗料がこのフィルタ5aによって分離され回収される。分離後の水系塗料の固形物は産業廃棄物として処理される。
【0030】
中和工程#300は、分離工程#200後の廃液Wに酸A2を混合して中和する工程である。中和層7a内に分離後の廃液Wが流入すると、開閉弁7dが開閉操作されて収容槽7b内の酸A2が混合槽4a内に流入し、廃液Wと酸A2とが撹拌機7eによって撹拌されて混合され廃液Wが中和される。また、廃液W中の亜鉛及びこの化合物、燐などの物質などが酸A2で中和することによって再析出して沈殿するとともに、廃液Wの生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(CODMn)が低下することなどが期待できる。
【0031】
ろ過工程#400は、中和工程#300後の廃液Wをろ過する工程である。中和槽7a内の中和後の廃液Wがポンプ8bによって下水などに送り出されると、流路8cを流れる中和後の廃液Wがフィルタ9aを通過してろ過される。その結果、中和槽7a内で再析出した物質などがこのフィルタ9aによって分離され回収されるとともに、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(CODMn)が低下することなどが期待できる。
【0032】
この発明の実施形態に係る水系塗料の廃液処理方法とその廃液処理装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、水系塗料の廃液WとアルカリA1とを混合工程#100で混合装置4が混合する。このため、廃液W中の水系塗料を凝集させて除去することができる。特に、主剤と硬化剤とからなる二液混合型の水系塗料の廃液とアルカリA1とを混合することによって、従来技術1,2のような水系塗料とは組成が異なりこれらの従来技術1,2では困難かつ高価であった二液混合型の水系塗料を簡単に処理することができる。また、水系塗料の廃液Wと水酸化ナトリウムとを混合することによって、比較的安価な試薬である水酸化ナトリウムによって水系塗料の廃液Wを簡単に処理することができる。
【0033】
(2) この実施形態では、混合工程#100後の廃液Wから水系塗料を分離工程#200で分離装置5が分離する。このため、混合工程#100後の廃液Wから固形分である水系塗料を簡単に除去することができる。
【0034】
(3) この実施形態では、分離工程#200後の廃液Wと酸A2とを中和工程#300で混合してこの廃液Wを中和する。このため、分離工程#200後の強アルカリ性の廃液Wを排水基準に適合するように処理することができるとともに、亜鉛及びこの化合物、水素イオン濃度などを排出基準に適合させることが期待できる。また、廃液Wの生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(CODMn)が低下することが期待できる。
【0035】
(4) この実施形態では、中和工程#300後の廃液Wをろ過工程#400でろ過する。このため、中和工程#300で中和後の廃液W中に再沈殿した亜鉛及びこの化合物、燐などの物質などを除去することが期待できる。また、廃液Wの生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(CODMn)が低下することが期待できる。
【実施例】
【0036】
次に、この発明の実施例について説明する。
塗料廃液中の固形分を凝集させてろ過可能となるための適切な水酸化ナトリウム量を選定するとともに、ろ過後の上澄み液の成分を分析した。
(試験品)
試験品として、中塗り塗料廃液と上塗り塗料廃液とを作製した。中塗り塗料廃液は、塗料メーカー5社の中塗り塗料を混合して水を加えたものを塗料廃液とした。その際、中塗り塗料の質量分率は16.7mass%とした。また、上塗り塗料廃液は、塗料メーカー4社の上塗り塗料を混合して水を加えたものを塗料廃液とした。その際、上塗り塗料の質量分率は20mass%とした。凝集剤には、水酸化ナトリウム(和光 純薬工業社製 特級)を使用した。
【0037】
(試験方法)
先ず、中塗り塗料及び上塗り塗料の廃液を作製した。用意した各メーカーの塗料は2液混合型であり、指定された割合で主剤と硬化剤を混合した。作製した塗料に蒸留水を加え、底に塗料が溜まらないように十分撹拌した。その後ガラス容器に移し、中塗り塗料に対しては5社、上塗り塗料に対しては4社の塗料廃液について同様の操作を行った。廃液中の塗料の質量分率は、中塗り塗料廃液については16.7mass%であり、上塗り塗料廃液については20.0 mass%とである。表1に作製の際に用いた塗料と蒸留水の重量を示す。
【0038】
【表1】
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【0039】
表1に示すA社については、中塗り塗料が株式会社関西ペイントのエポキシ樹脂系塗料であり、上塗り塗料がポリウレタン樹脂系塗料である。B社については、中塗り塗料が株式会社大日本塗料のエポキシ樹脂系塗料であり、上塗り塗料がポリウレタン樹脂系塗料である。C社については、中塗り塗料が株式会社神東塗料のエポキシ樹脂系塗料であり、上塗り塗料がポリウレタン樹脂系塗料である。D社については、中塗り塗料が株式会社日本ペイントのエポキシ樹脂系塗料であり、上塗り塗料がポリウレタン樹脂系塗料である。E社については、中塗り塗料が株式会社トウペのエポキシ樹脂系塗料であり、上塗り塗料については使用しなかった。
【0040】
次に、用意した塗料廃液に対し、水酸化ナトリウム水溶液を添加した。その際、固形分と上澄み液が分離し、ろ過可能となる段階での水酸化ナトリウム水溶液量を調べた。分析に供する検液の作成方法としては、まず、塗料廃液に水酸化ナトリウムを添加し、生成された固形分をろ別した。その後、得られた上澄み液を水で5倍に希釈して各分析を実施した。分析項目は、表2,3の分析方法一覧に示す通りである。
【0041】
【表2】
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【0042】
【表3】
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【0043】
ここで、表2に示す有機燐化合物は、パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPNの4物質を指す。環境庁告示第64号は、昭和49年9月30日 環境庁告示第64号「排水基準を定める総理府令の規定に基づく環境庁長官が定める排水基準に係る検定方法」を指す。環境庁告示第59号は、昭和46年12月28日 環境庁告示第59号「水質汚濁に係る環境基準について」を指す。また、表3に示す厚生省・建設省令第1号は、昭和37年12月17日 厚生省・建設省令第1号「下水の水質の検定方法に関する省令」を指す。
【0044】
(試験結果)
先ず、上塗り塗料廃液に対して水酸化ナトリウム水溶液を添加した。しかし何れの水酸化ナトリウム濃度においても、固形分がうまく沈殿せず、上澄み液も着色したままであった。そこで、水酸化ナトリウムを水に溶解せず、顆粒のまま塗料廃液に添加したところ、塗料廃液500 mlに対して80gの割合で混合したとき、固形分と上澄み液の分離が行えた。ただし、80g以上の水酸化ナトリウム顆粒を添加した場合、固形分が粘性を帯びてドロドロになり、ろ過が困難となることが確認された。このことから、上澄み塗料廃液に添加する水酸化ナトリウム顆粒は、塗料100gに対して80g程度が適当でることが確認された。
【0045】
次に中塗り塗料廃液については、上記の上塗り塗料廃液と同じ割合(塗料廃液500 mlに対して80gの割合)で水酸化ナトリウム顆粒を添加したところ、固形分と上澄み液の分離が行えた。しかし、中塗り塗料廃液については、上澄み液が白濁していることが確認された。
【0046】
ろ過後の中塗り塗料廃液及び上塗り塗料廃液の上澄み液について、水質汚濁防止法排水基準及び下水道法排水基準に抵触していないかどうか株式会社分析センターに分析を依頼した。表4,5に分析結果の一覧を示す。
【0047】
【表4】
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【0048】
【表5】
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【0049】
ここで、表4に示す備考※1の「検出せず」とは、定量下限値を下回ることを示す。水質汚濁防止法排水基準は、昭和46年6月21日 総理府令第35号「排水基準を定める省令」を指す。下水道法排水基準は、昭和34年4月22日 政令第147号「下水道法施行令」を指す。また、表5に示す※2は、海域以外の公共用水域に排出する場合を指し、※3は海域に排出する場合を指し、※4は河川その他の公共用水域を放流先とする公共下水道に排出する場合を指し、※5は海域を放流先とする公共下水道に排出する場合を指し、※6は事業場の種類などにより基準値に変動がある。
【0050】
表4,5に示すように、各成分分析の結果、水素イオン濃度を除く全ての項目が排水基準を満足しており、中塗り塗料廃液及び上塗り塗料廃液を水酸化ナトリウム顆粒によって処理することが可能であることが確認された。表5に示すように、水酸化ナトリウム顆粒添加後の塗料廃液pHが12以上であることから、酸を添加して中和することは必須事項であると考えられる。このため、ろ過後の中塗り塗料廃液及び上塗り塗料廃液の上澄み液に塩酸を加えて分析した。表6に分析結果の一覧を示す。
【0051】
【表6】
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【0052】
ここで、表6に示す備考※1は、海域以外の公共用水域に排出する場合を指し、※2は海域に排出する場合を指し、※3は事業場の種類などにより基準値に変動がある。表6に示すように、ろ過後の中塗り塗料廃液及び上塗り塗料廃液の上澄み液に塩酸を加えることによって、水素イオン濃度については排水基準を下回ったことが確認された。
【0053】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
例えば、この実施形態では、水系塗料として二液硬化型のエポキシ樹脂系塗料を例に挙げて説明したが、ポリウレタン樹脂系塗料、ウレタン変性アクリル樹脂系塗料などの他の水系塗料についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、アルカリA1と混合した後の水系塗料の廃液Wをフィルタ5aに通過させてこの廃液Wから水系塗料を分離する場合を例に挙げて説明したが、この分離方法に限定するものではない。例えば、アルカリA1と混合した後の水系塗料の廃液Wの上澄み液をフィルタ5aに通過させて、混合槽4a内に残存する水系塗料の沈殿物を除去して分離することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施形態に係る水系塗料の廃液処理装置を概略的に示す構成図である。
【図2】この発明の実施形態に係る水系塗料の廃液処理方法の工程図である。
【符号の説明】
【0055】
1 廃液処理装置
2 廃液収容装置
3 送出装置
4 混合装置
5 分離装置
6 送出装置
7 中和装置
8 送出装置
9 ろ過装置
W 廃液
1 アルカリ
2

図面
【図1】
0
【図2】
1