TOP > 国内特許検索 > 運行車両と乗換駅との連携システム > 明細書

明細書 :運行車両と乗換駅との連携システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4574451号 (P4574451)
公開番号 特開2006-338297 (P2006-338297A)
登録日 平成22年8月27日(2010.8.27)
発行日 平成22年11月4日(2010.11.4)
公開日 平成18年12月14日(2006.12.14)
発明の名称または考案の名称 運行車両と乗換駅との連携システム
国際特許分類 G08G   1/00        (2006.01)
G08G   1/127       (2006.01)
B61L  25/02        (2006.01)
G06Q  50/00        (2006.01)
FI G08G 1/00 D
G08G 1/127 A
B61L 25/02 Z
G06F 17/60 112G
請求項の数または発明の数 3
全頁数 8
出願番号 特願2005-161769 (P2005-161769)
出願日 平成17年6月1日(2005.6.1)
審査請求日 平成19年6月27日(2007.6.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】前橋 栄一
【氏名】長田 実
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】中村 則夫
参考文献・文献 特表2007-502455(JP,A)
特開平11-091570(JP,A)
特開2003-141686(JP,A)
特開2000-132719(JP,A)
特開平10-302098(JP,A)
特開2001-222769(JP,A)
調査した分野 G08G 1/00
B61L 25/02
G06Q 50/00
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)車両の入口に配置される整理券発行機と、
(b)車両の入口に配置される目的地指定・降車券発券・精算機と、
(c)該目的地指定・降車券発券・精算機に接続され、運転士の運転席の近傍に配置される前記車両の乗客の目的地情報を収集・表示する目的地情報表示装置と、
(d)車両の出口に配置される降車券照合機と、
(e)前記車両の乗客の目的地情報に基づいて乗換駅での乗換え乗客の有無を当該乗換駅へ通報する通信手段とを具備することを特徴とする運行車両と乗換駅との連携システム。
【請求項2】
請求項1記載の運行車両と乗換駅との連携システムにおいて、前記目的地指定・降車券発券・精算機で指定された目的地駅が当該車両が現在運行中である路線にない駅である場合には、前記目的地を有する路線を探索して乗換駅を前記目的地情報表示装置に表示することを特徴とする運行車両と乗換駅との連携システム。
【請求項3】
請求項1記載の運行車両と乗換駅との連携システムにおいて、前記車両の入口に配置される目的地指定・降車券発券・精算機及び前記車両の出口に配置される降車券照合機は耐振動型の据え置き情報処理装置であることを特徴とする運行車両と乗換駅との連携システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、運行車両と乗換駅との連携システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、路面電車やバス、郊外鉄道等のワンマン車両は、マイカーに代わる自然に優しい便利な住民の足として、その利用が見直されようとしている。このようなワンマン車両には乗車券の有無をはじめ乗車態様の異なる乗客が乗車することになるため、従来は、乗客の下車時に運転士が乗車態様の異なる乗客にそれぞれ対応してチェック又は料金徴収を行い、降車を許可するようにしている。そのため、各乗客の下車に時間がかかり、結果として停車設定時間を長めにとる必要があり、車両運行の遅延を来すといった問題があった。

【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したように、従来のワンマン車両のシステムのままでは乗客の降車時に時間がかかるため、時刻表通りの運行ができず、利用客離れを招来する恐れがある。また、運転士にとっては過酷な作業を強いられることになる。さらに、車両の運行遅延は乗客が下車後乗換えを予定している場合には、深刻な事態となる。
また、乗換駅においては、乗換え前の列車が遅れている場合に接続列車は出発を遅らせて乗換えの乗客を待つ必要がある。もし、乗換え前の列車に接続列車への乗換え乗客がいなければ、接続列車は待つ必要がないにもかかわらず、乗換え乗客がいるかどうか不明な状態接続列車はただ待つことを余儀なくされる。そのような場合、乗換え乗客がいるかどうかを確認するために、時には添乗員が車両内を尋ね歩くことも考えられるが、極力添乗員を減らし、低コスト化を図りたいワンマン車両においてはそれも得策とはいえない。
【0004】
このように、車両内に乗換え乗客がいるかどうかが不確定な状態により招かれる種々の不便さを回避するために、本発明は、
(1)車両内で乗客の目的地を確定させ、
(2)運転士又は目的地指定・降車券発券・精算機は、乗客の目的地から乗換駅での乗換え乗客の有無を確認し、
(3)乗換え乗客の有無の情報を乗換駅に通信してその情報に基づいて接続列車の出発/待機の判断ができるようなシステムを提供することを目的とする。
【0005】
すなわち、本発明は、上記状況を考慮して、車内の乗客の目的地情報に基づいて乗換駅での乗換え乗客の有無を予め乗換駅へ通信することにより、乗換駅での接続列車の弾力的な運行を実施できる運行車両と乗換駅との連携システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕運行車両と乗換駅との連携システムにおいて、車両の入口に配置される整理券発行機と、車両の入口に配置される目的地指定・降車券発券・精算機と、この目的地指定・降車券発券・精算機に接続され、運転士の運転席の近傍に配置される前記車両の乗客の目的地情報を収集・表示する目的地情報表示装置と、車両の出口に配置される降車券照合機と、前記車両の乗客の目的地情報に基づいて乗換駅での乗換え乗客の有無を当該乗換駅へ通報する通信手段とを具備する。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載の運行車両と乗換駅との連携システムにおいて、前記目的地指定・降車券発券・精算機で指定された目的地駅が当該車両が現在運行中である路線にない駅である場合には、前記目的地を有する路線を探索して乗換駅を前記目的地情報表示装置に表示することを特徴とする。
〕上記〔1〕記載の運行車両と乗換駅との連携システムにおいて、前記車両の入口に配置される目的地指定・降車券発券・精算機及び前記車両の出口に配置される降車券照合機は耐振動型の据え置き情報処理装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)運行車両では車両の乗客の目的地及び乗換え情報を、乗換駅では乗換え乗客の有無を的確に把握することができる。
(2)乗換駅においては、乗換え乗客の有無に関する情報に基づき、弾力的な接続列車の運行を実施することができる。
【0009】
(3)各種態様の乗客に対して乗車区間の不正乗車を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の運行車両と乗換駅との連携システムは、車両の入口に配置される整理券発行機と、車両の入口に配置される目的地指定・降車券発券・精算機と、この目的地指定・降車券発券・精算機に接続されており、運転士の運転席の近傍に配置され、車両の乗客の目的地情報を収集・表示する目的地情報表示装置と、車両の出口に配置される降車券照合機と、前記車両の乗客の目的地情報に基づいて乗換駅での乗換え乗客の有無を当該乗換駅へ通報する通信手段とを具備する。よって、車両の乗客の目的地及び乗換え乗客の有無情報を的確に把握することができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す運行車両と乗換駅との連携システムの路線模式図である。
この図において、車両の路線はK線、L線、M線の三線あり、K線のE駅においてL線へ、また、L線のJ駅においてM線へ乗換えが可能になっている。なお、NはK線走行中の車両、OはL線E駅で待機している乗換え車両、PはM線J駅で待機している乗換え車両である。
【0012】
そこで、K線を運行している路面電車(LRT:Light Rail Transit)やバス、郊外鉄道のワンマン車両は以下のように構成されている。
図2は本発明の実施例を示すワンマン車両の運行システムの構成図である。
この図において、1は有人駅、2は乗換駅、3は有人停留所、4は無人駅、5は無人停留所、10はワンマン車両(LRTや乗合バス、郊外鉄道の先頭車)、11はワンマン車両10の入口、11Aは整理券発行機、12はその入口11に配置される目的地指定・降車券発券・精算機、13は目的地情報表示装置、14,15はラッシュ時などに用いる補助の目的地指定・降車券発券・精算機、16はワンマン車両10の出口、17はそのワンマン車両10の出口16に配置される降車券照合機、18はワンマン車両10の運転士である。ここで、車両10内に配置される目的地指定・降車券発券・精算機12及び降車券照合機17は、据え置き型であり、本体の固定部に十分な振動吸収部材を配置した耐振動型の情報処理装置である。
【0013】
図3はワンマン車両の入口に配置される目的地指定・降車券発券・精算機の模式図、図4は運転士が指定できる位置に配置される目的地情報表示装置の模式図である。
このワンマン車両10には、有人駅1で目的地(行先)までの乗車券6を購入済みの乗客や、有人の停留所3で目的地までの乗車券8を購入済みの乗客、さらに無人駅4や無人停留所5から目的地までの乗車券を持たず、ワンマン車両10内で初めて乗車券を求める乗客が乗車している。そのワンマン車両10で初めて乗車券を求める乗客としては、現金で目的地までの乗車券を求める乗客、プリペイドカードでの支払いで目的地までの乗車券を求める乗客など様々である。
【0014】
本発明の情報入力装置としての目的地指定・降車券発券・精算機12は、図3に示すように、上記の様々な乗車態様に対応できるように構成されている。すなわち、乗車券を持たず精算を必要とする乗客は、まず、ワンマン車両10の乗車時に入口11の整理券発行機11Aで整理券(乗車駅情報が記録されている)を入手して、その整理券を目的地指定・降車券発券・精算機12の各種券投入口21に投入し、路線図付きのボタン22を操作して目的地駅を入力する。目的地を入力すると、料金が料金表示部23に表示されるので、料金投入口24から現金を投入することにより、発券排出口26から降車券の発券を受ける。また、プリペイドカードを利用する場合には、プリペイドカード投入口25からプリペイドカードを投入すると、プリペイドカードから料金が引き落とされ、発券排出口26から精算済みのプリペイドカードとともに降車券が発券される。この発券された降車券には乗車駅と目的地駅情報が記録されている。釣銭がある場合には釣銭排出口27に釣銭が排出される。ここで、目的地指定・降車券発券・精算機12は乗客の目的地を確定して、その目的地情報を目的地情報表示装置13に送信して表示する。
【0015】
また、既に目的地までの乗車券を所持している乗客も、乗車時にはまず整理券発行機11Aから整理券を受け取る。この整理券には乗車駅と乗車日時が記録されている。そこで、各種券投入口21にその整理券と乗車券を投入すると、降車券が発券される。なお、乗車券の乗り越しを行う場合には、路線図付きのボタン22を操作して希望する目的地駅を入力する。この操作により目的地情報が目的地情報表示装置13に送信されて表示される。そして、乗客は料金が料金表示部23に表示されるので、料金投入口24から現金を投入し、発券排出口26から降車券の発券を受ける。
【0016】
さらに、定期券を所持する乗客の場合も、車両に乗車時にはまず整理券発行機11Aから整理券を受け取る。その整理券と定期券を各種券投入口21に投入し、目的地情報を提示すると、適正な定期券である場合には、発券排出口26から定期券が返却されるとともに降車券が発券される。なお、定期券区間の乗り越しを行う場合には、路線図付きのボタン22を操作して希望する目的地駅を入力する。すると、目的地情報が目的地情報表示装置13に送信されて表示されるとともに、料金が料金表示部23に表示されるので、料金投入口24から現金を投入し、発券排出口26から降車券の発券を受ける。
【0017】
このようにして、乗客が何れの乗車態様であっても、整理券をとり、降車券を得るようにする。
ワンマン車両10の出口16に配置されている降車券照合機17では、降車する乗客の所持する降車券に記録された降車駅が現在停車中の駅かをチェックする。これは、乗客が降車駅を間違えたり(乗車区間内で目的地より手前の駅で降車する場合はこれを許可する)、定期券にありがちな乗車区間の不正乗車を防止する上からも重要な確認事項である。
【0018】
例えば、従来のシステムでは、K線の車両Nが予定より遅れて運行しているような場合、L線のE駅では、出発予定時間が過ぎても、K線の車両Nが到着するまで車両Oが出発を待たなければならないような事態が生じる。しかし、本発明によれば、予め(遅くともK線のD駅を過ぎた時点で)、乗客の中にE駅でL線に乗換える乗客があるか否かを乗客の目的地情報から把握できるので、車両Nの運転士18は目的地情報表示装置13を確認することにより、E駅で乗換える乗客の有無をE駅に通信手段(無線、有線のいずれでもよい)で連絡する。E駅ではその情報に基づいてL線の車両Oを定刻通りに発車させる又は待機させるなど弾力的な行を行うことができる。特に、新幹線のようにD駅、E駅間が離れている場合だけでなく、運行本数の少ない路線や最終列車への接続の場合にも効果が大きい。
【0019】
そして、更にL線J駅において、M線の車両Pに乗換える乗客がいない場合には、M線の車両P定時に出発させることもできる。
図5は本発明の運行車両と乗換駅との連携システムのフローチャートである。
まず、乗客の目的地情報を収集したか否かをチェックする(ステップS1)。すなわち、車両がK線のD駅を通過したらE駅で乗換える乗客がいるかどうか車内放送などで報知し、乗客の目的地の指定と降車券の取得を促す。それらが済んでいない乗客があれば、補助の目的地指定・降車券発券・精算機14,15で降車券を取得してもらうように車内放送による案内をすることが望ましい。
【0020】
次に、ステップS1でYESの場合には、目的地情報表示装置13への表示が確定的に行なわれる(ステップS2)。
次に、運転士は乗換駅で乗換える乗客がいるか否かをチェックする(ステップS3)。ステップS1において、目的地指定・降車券発券・精算機12に乗換えを要する目的地駅(K線以外の目的地)が指定されると、その目的地駅は何線であるのか、その線に乗り換えるにはK線のどの駅で降車すればいいのかを探索する。それは目的地情報表示装置13によって容易に探索され、その乗換駅が点灯表示される。
【0021】
次に、ステップS3でYESの場合には、運転士18は乗換駅に乗換えの乗客があることを通信手段で連絡する(ステップS4)。
次に、乗換駅からの連絡承認通知があるか否かを運転士18はチェックする(ステップS5)。
次に、ステップS5でYESの場合には運転士18は乗換えの乗客へ乗換えの案内をする(ステップS6)。ステップS5でNOの場合には、再びステップS4に戻り、乗換駅に乗換えの乗客があることを通知する。
【0022】
ステップS3でNOの場合には、運転士18は乗換駅に乗換えの乗客がないことを乗換駅に連絡する(ステップS7)。
次いで、乗換駅からの連絡承認通知があるか否かを運転士18はチェックする(ステップS8)。ステップS8でYESの場合には終了するが、ステップS8でNOの場合には、再びステップS7に戻り、乗換駅に乗換えの乗客がないことを通知する。
【0023】
このように構成することにより、乗客全員の目的地を事前に把握し表示することができ、また、接続される乗換駅で乗換える乗客の有無を乗換駅に的確に通知することができ、弾力的な運行システムを提供することができる。
また、このように構成したので、運転士は乗客の降車時の運賃の確認などに時間をかける必要がなくなり、専ら車両の的確な運行に注力することができる。特に、定期券による乗車区間の不正乗車などのチェックを運転士に負担させることは過酷であるが、これを解消することができる。
【0024】
一方、乗客にとっては、特に、降車時の処理が円滑になり、その分乗り降りに要する時間を短縮できる。さらに、ワンマン車両の時刻表通りの運行が励行されることにより、利用客の増大を見込むことができる。
また、車両の乗客にとっては、乗換えるべき駅で円滑かつ確実に乗換えることができ、また、鉄道会社にとっては、乗換えを行う乗客が車両内にいない場合は、乗換駅にその旨通報することにより、乗換駅においてその通報情報に基づいて接続列車の弾力的な運行を実施できる利点がある。
【0025】
なお、上記実施例では、路面電車やバス、郊外鉄道等のワンマン車両への適用について述べたが、郊外へと延び運行車両(中央線や常磐線などの車両)へ適用できることは言うまでもない。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の運行車両と乗換駅との連携システムは、円滑な運行を実施できる路線間の連携システムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例を示す運行車両と乗換駅との連携システムの路線模式図である。
【図2】本発明の実施例を示すワンマン車両の運行システムの構成図である。
【図3】本発明の実施例を示すワンマン車両の入口に配置される目的地指定・降車券発券・精算機の模式図である。
【図4】運転士が確認できる位置に配置される目的地情報表示装置の模式図である。
【図5】本発明の乗客の乗換え車両への連携システムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1 有人駅
2 乗換駅
3 有人停留所
4 無人駅
5 無人停留所
10 ワンマン車両(LRTや乗合バス、郊外鉄道の先頭車)
11 ワンマン車両の入口
11A 整理券発行機
12 目的地指定・降車券発券・精算機
13 目的地情報表示装置
14,15 補助の目的地指定・降車券発券・精算機
16 ワンマン車両の出口
17 降車券照合機
18 運転士
21 各種券投入口
22 路線図付きのボタン
23 料金表示部
24 料金投入口
25 プリペイドカード投入口
26 発券排出口
27 釣銭排出口
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4