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明細書 :タービン型冷凍機の冷凍能力制御装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4563269号 (P4563269)
公開番号 特開2007-017010 (P2007-017010A)
登録日 平成22年8月6日(2010.8.6)
発行日 平成22年10月13日(2010.10.13)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
発明の名称または考案の名称 タービン型冷凍機の冷凍能力制御装置
国際特許分類 F25B   9/02        (2006.01)
F25B   9/06        (2006.01)
FI F25B 9/02 K
F25B 9/06 K
請求項の数または発明の数 2
全頁数 5
出願番号 特願2005-195726 (P2005-195726)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
審査請求日 平成19年11月8日(2007.11.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】池田 和也
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】田々井 正吾
参考文献・文献 特開平08-128745(JP,A)
特開平04-073554(JP,A)
特開昭63-315868(JP,A)
特開平05-296589(JP,A)
特開平06-265230(JP,A)
特表昭62-501304(JP,A)
特開2000-008878(JP,A)
特開昭61-210208(JP,A)
調査した分野 F25B 9/02
F25B 9/06
特許請求の範囲 【請求項1】
熱負荷が1~5kWの小型タービンであって、
(a)凝縮熱交換器を有する冷媒が封入されたクライオスタットと、
(b)前記凝縮熱交換器の一端に接続されるJT弁と、
(c)前記凝縮熱交換器のもう一方の端に接続されるとともに、前記JT弁に直列に接続される第1の熱交換器と、
前記JT弁と直列に接続される第1の熱交換器が並列に接続されるタービン膨張機と、
前記JT弁と直列に接続される第1の熱交換器と前記タービン膨張機に接続される第2の熱交換器と、
)該第2の熱交換器に並列に接続される圧縮機と、
該圧縮機に並列に接続される自動バイパス弁と、
)前記クライオスタット内に設けられる温度センサーと、
(i)該温度センサーからの出力信号に基づいて前記JT弁の開度を調整するPID制御器とを具備することを特徴とするタービン型冷凍機の冷凍能力制御装置。
【請求項2】
請求項記載のタービン型冷凍機の冷凍能力制御装置において、前記冷媒として液体窒素を用いることを特徴とするタービン型冷凍機の冷凍能力制御装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、タービン膨張により寒冷を発生させるタービン型冷凍機の冷凍能力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クライオスタット(低温容器:液体窒素貯蔵槽)内の液体窒素を、サブクール状態にするためには、ヘリウム冷凍機が用いられている。
ところで、熱負荷が変動する冷凍機内にある冷媒の温度を一定に保つためには、冷凍機の冷凍能力調整機構が必要とされる。そこで、冷凍負荷の変動にかかわらず、寒冷発生用の膨張機を常時安定して効率良く運転するために、膨張機の入口圧力を検出し、この検出圧力に基づいて膨張機の入口流量を制御すると同時に、JT弁(ジュールトムソン弁:流路に大きな絞りを与えることにより、流体を断熱膨張させ、流体の温度を低温まで下げる働きをする弁)出口側の冷媒を低圧ラインにおいて膨張機よりも高圧側の熱交換器の入口側に供給し、膨張機の入口温度を検出してこの入口温度を予め定めた目標温度に近づけるように膨張弁出口側の冷媒の供給量を制御するようにした液化冷凍装置の運転制御方法が提案されている(下記特許文献1)。

【特許文献1】特開平6-265230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
クライオスタット内の液体窒素に浸漬冷却されている高温超電導コイルに交流電流を流すとAC(交流)ロスにより熱負荷が発生する。この熱負荷は電流量により変動するため、上記したように、クライオスタットの冷却温度を一定に保つためには、冷凍機の冷凍能力を調整する必要がある。
現在、タービン型の冷凍機はMWクラスの大容量タイプが主流であり、上記したように、このクラスのものでは膨張容量を可変として負荷変動に対応する技術が報告されている(上記特許文献1)。しかし、例えば、鉄道車両用主変圧器用の1~5kWクラスの小型タービン型冷凍機では、タービンの羽が小さくなること、タービン回転数が多くなることから、膨張容量を可変とする方式を採用することは困難といわれている。また、タービン入口圧力を変化させる方式では、冷凍能力の変動が激しくなり、数Wの負荷変動に追随できるものではない。
【0004】
本発明は、上記状況に鑑みて、一般に定常状態で冷凍発生能力も一定で運転されるタービン膨張機の、入口圧力、容量を変化させることなく、的確に冷凍機の冷凍能力を調整することができる冷凍能力の高いタービン型冷凍機の冷凍能力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〕タービン型冷凍機の冷凍能力制御装置において、熱負荷が1~5kWの小型タービンであって、凝縮熱交換器を有する冷媒が封入されたクライオスタットと、前記凝縮熱交換器の一端に接続されるJT弁と、前記凝縮熱交換器のもう一方の端に接続されるとともに、前記JT弁に直列に接続される第1の熱交換器と、前記JT弁と直列に接続される第1の熱交換器が並列に接続されるタービン膨張機と、前記JT弁と直列に接続される第1の熱交換器と前記タービン膨張機に接続される第2の熱交換器と、該第2の熱交換器に並列に接続される圧縮機と、該圧縮機に並列に接続される自動バイパス弁と、前記クライオスタット内に設けられる温度センサーと、該温度センサーからの出力信号に基づいて前記JT弁の開度を調整するPID制御器とを具備することを特徴とする。
【0006】
〕上記〔〕記載のタービン型冷凍機の冷凍能力制御装置において、前記冷媒として液体窒素を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)一般に定常状態で冷凍発生能力も一定で運転されるタービン膨張機の、入口圧力、容量を変化させることなく、的確に冷凍機の冷凍能力を調整することができる。
(2)JT膨張(ジュールトムソン膨張:ある温度以下で気体を膨張させると、気体の温度が下がる現象)を逆手にとり、温度上昇させる目的で使用することにより、鉄道車両用主変圧器用の1~5kWクラスの小型タービン型冷凍機に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
熱負荷が変動するクライオスタット内にある冷媒の温度を一定に保つためには、冷凍機の冷凍能力調整機構が必要とされる。そこで、タービン膨張機の高圧入り口側に、並列してJT弁を具備し、断熱自由膨張されヘリウムガスを、タービン膨張によって冷却されたガスヘリウムと合流させ、この冷凍能力調整を行う。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示すタービン型冷凍機の冷凍能力制御システムの構成図である。
この図において、1はクライオスタット(低温容器:サブクール液体窒素貯蔵槽)、2はこのクライオスタット1に設けられる凝縮熱交換器、3はそのクライオスタット1に設けられる温度センサー、4は凝縮熱交換器2の第1の端部に接続されるJT弁(ニードル弁)、5は凝縮熱交換器2の第1の端部に接続され、JT弁(ニードル弁)4と並列に接続されるタービン膨張機、6は凝縮熱交換器2の第2の端部とJT弁(ニードル弁)4とに接続される第1の熱交換器、7は第1の熱交換器6とJT弁(ニードル弁)4を経由する第1の熱交換器6及びタービン膨張機5に接続される第2の熱交換器、8は第2の熱交換器7と並列に接続される圧縮機、9は圧縮機8に並列に接続される自動バイパス弁、10は温度センサー3に接続されるPID制御(Proportional integral and Differential:入力値の制御を出力値と目標値との偏差、その積分、及び微分の3つの要素によって行うフィードバック制御)器であり、このPID制御器10からの出力によってJT弁(ニードル弁)4が制御される。なお、Aはコールドボックス、Bは常温領域である。
【0010】
本発明は、一般に定常状態で冷凍発生能力も一定で運転されるタービン膨張機の、入口圧力、容量を変化させることなく、圧縮機の吐出流量を膨張ラインと並列に分岐させ、分岐ラインに設けたJT弁(ニードル弁)の開度を調整し、凝縮熱交換器に入る前にタービン膨張後の低温ガスと合流させることによって、冷凍能力の高い小型タービン型冷凍機の運転でサブクール液体窒素の温度制御を達成することができる。
【0011】
また、小型から大型まで冷凍能力調整が困難といわれているタービン冷凍機を、負荷変動に対して容易に温度制御できる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明のタービン型冷凍機の冷凍能力制御方法及び装置は、鉄道車両用主変圧器用の1~5kWクラスの小型タービン型冷凍機に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例を示すタービン型冷凍機の冷凍能力制御システムの構成図である。
【符号の説明】
【0014】
1 クライオスタット(低温容器:サブクール液体窒素貯蔵槽)
2 凝縮熱交換器
3 温度センサー
4 JT弁(ニードル弁)
5 タービン膨張機
6 第1の熱交換器
7 第2の熱交換器
8 圧縮機
9 自動バイパス弁
10 PID制御器
A コールドボックス
B 常温領域
図面
【図1】
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