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明細書 :LRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4509893号 (P4509893)
公開番号 特開2007-062401 (P2007-062401A)
登録日 平成22年5月14日(2010.5.14)
発行日 平成22年7月21日(2010.7.21)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
発明の名称または考案の名称 LRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造
国際特許分類 B61D  19/00        (2006.01)
B61D  19/02        (2006.01)
B61D  23/02        (2006.01)
FI B61D 19/00 B
B61D 19/02 Q
B61D 23/02
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2005-247054 (P2005-247054)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
審査請求日 平成19年11月8日(2007.11.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】前橋 栄一
【氏名】小笠 正道
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】三宅 達
参考文献・文献 実開昭57-202375(JP,U)
特開昭53-136339(JP,A)
実開平05-060917(JP,U)
特開2004-066953(JP,A)
特開昭53-049708(JP,A)
特開2005-132320(JP,A)
登録実用新案第3101766(JP,U)
調査した分野 B61D 19/00-19/02
B61D 23/00-23/02
B61K 13/04
B61B 1/02
B60J 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)LRT車両の乗降口の下部に枢着自在に配置されるステップと、
(b)前記LRT車両の乗降口の上部に枢着自在に配置される屋根と、
(c)前記LRT車両の降口に配置される外観音開きドアとを備え、
(d)前記外観音開きドアは前記LRT車両の両外面より一段内側に配置され、前記屋根及びステップが畳まれて前記外観音開きドアの上部及び下部に車両限界内に収納され、前記屋根及びステップをセットした後に、前記外観音開きドアを開き、前記セットされた屋根及びステップの両側に前記開かれた外観音開きドアを配置して乗降経路を構築することを特徴とするLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造。
【請求項2】
請求項1記載のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造において、前記外観音開きドアの先端にシールゴムを設けることを特徴とするLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造。
【請求項3】
請求項記載のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造において、前記屋根、ステップ及び外観音開きドアは所定位置でロックされることを特徴とするLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造。
【請求項4】
請求項記載のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造において、前記屋根は透明な部材からなることを特徴とするLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、LRT(Light Rail Transit)車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
異なる建築限界を走行する車両においては、車種によって車体幅が相違する事例が多い。特に、狭い車体幅の車両が広幅車体規格の線路内に乗り入れた場合、ホームは広幅構造に設置されているため、車体とホーム間に数十センチもの空隙ができてしまう。そこで、乗客のホーム下への落下を防止するために車体側に可動ステップを装着することで対処している。
【0003】
一方、ホーム側には、ホームドアや柵などを設置している(下記特許文献1,2参照)ものの、このステップ脇に生ずるホーム・車体間の空隙落下対策については格別の対策がとられていないのが現状である。
このような状況はLRT等の路面車両と一般鉄道車両の乗り入れに関しても同様である。例えば、特に路面走行のために車体幅が狭いLRT等が車体幅の広い規格の一般鉄道に乗り入れを行った場合等に同様の問題が生ずる。
【0004】
図9はLRT車両が広幅車体規格の線路内に乗り入れた状態を示す模式図である。
これらの図において、101はプラットホーム(以下、単にホームという)、102は線路、103はLRT車両、104は外壁、105はその外壁の開口、107はLRT車両103の幅、108は広幅車体規格の車両の幅、109はホーム101とLRT車両103との間の空隙である。
【0005】
ところで、本願発明者らは、懸垂式モノレールと路面電車とを組み合わせた複合交通システムについて既に提案を行っている(下記特許文献3参照)

【特許文献1】特開平11-348770号公報
【特許文献2】特開2001-10485号公報
【特許文献3】特許第3545316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、車体幅が狭いLRTが従来の幅の広い在来線区間を走行する場合には足元ステップしか存在しないため、車体とホームの空間に乗客が落下するのを防止する手段がなかった。ホーム柵でもこのような機能は果たすことができない。
本発明は、上記状況に鑑みて、車両の開いたドア自体が落下防止壁となるようにし、車体とホームの空間に乗客が落下するのを確実に防止することができるLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、
〕LRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造において、LRT車両の乗降口の下部に枢着自在に配置されるステップと、前記LRT車両の乗降口の上部に枢着自在に配置される屋根と、前記LRT車両の降口に配置される外観音開きドアとを備え、前記外観音開きドアは前記LRT車両の両外面より一段内側に配置され、前記屋根及びステップが畳まれて前記外観音開きドアの上部及び下部に車両限界内に収納され、前記屋根及びステップをセットした後に、前記外観音開きドアを開き、前記セットされた屋根及びステップの両側に前記開かれた外観音開きドアを配置して乗降経路を構築することを特徴とする。
【0008】
〕上記〔1〕記載のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造において、前記外観音開きドアの先端にシールゴムを設けることを特徴とする。
〕上記〔〕記載のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造において、前記屋根、ステップ及び外観音開きドアは所定位置でロックされることを特徴とする。
〕上記〔〕記載のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造において、前記屋根は透明な部材からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)車両の開いたドア自体が落下防止壁となるようになし、車体とホームの空間に乗客が落下するのを確実に防止することができる。
(2)乗降口をトンネル状にすることにより、外部の雰囲気に左右されずに安全で、円滑なLRT車両に対する乗り降りを実施することができる。
【0010】
(3)LR車両の広幅車体規格の線路内への乗り入れを自在にすることができ、複合交通によるコストの低減を図ることができる。
(4)屋根は透明な部材からなるようにする場合には、畳まれた状態にあっても、乗客の視野を妨げることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造は、LRT車両の乗降口の下部に枢着自在に配置されるステップと、前記LRT車両の乗降口の上部に枢着自在に配置される屋根と、前記LRT車両の降口に配置される外観音開きドアとを備え、前記外観音開きドアは前記LRT車両の両外面より一段内側に配置され、前記屋根及びステップが畳まれて前記外観音開きドアの上部及び下部に車両限界内に収納され、前記屋根及びステップをセットした後に、前記外観音開きドアを開き、前記セットされた屋根及びステップの両側に前記開かれた外観音開きドアを配置して乗降経路を構築する。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアが開いて乗客が乗り降りできる状態を示す模式図、図2はそのホーム対応ドアが閉じている状態を示す模式図、図3はそのホーム対応ドアが開いた状態を示す斜視図、図4はそのホーム対応ドアの開閉動作を示す模式図である。
【0013】
これらの図において、1はホーム、2は軌道、3はLRT車両、4はステップ、5は外観音開きドア、6は外観音開きドア5の先端部に配置されるシールゴム、7はホーム1とLRT車両3との間の空隙である。なお、図示しないが、ステップ4及び外観音開きドア5の基部にはそれぞれ枢着軸が配置されており、それらの枢着軸がモータによって回転できるように構成されている。
【0014】
以下、ホーム対応ドアの動作について、図4を参照しながら説明する。
まず、図4(a)に示すように、LRT車両3には内側に一段凹んだ箇所に外観音開きドア5が配置され、その外観音開きドア5の下部にはステップ4が畳まれた状態で配置される。つまり、そのステップ4は、畳まれた状態では車両限界内に収納されるように構成されている。また、外観音開きドア5の先端部には、閉じられた状態では、車内がシールされるシールゴム6が設けられ、このシールゴム6は、乗客の衝撃対策にも寄与するようにしている。
【0015】
そこで、図4(b)に示すように、LRT車両3がホーム1の所定位置に到着すると、ステップ4が外側に倒されて、ホーム1とLRT車両3との間の空隙7に配置される。
次いで、図4(c)に示すように、外観音開きドア5が開かれて乗客の乗り降りができるようになる。
図5はそのホーム対応ドアの開閉動作のフローチャートである。
【0016】
(1)まず、LRT車両3がホーム1の所定位置に停車すると、ステップ4のロックが解除される(ステップS1)。
(2)次に、ステップ4の動作指令により、ステップ4が倒される(ステップS2)。
(3)次に、ステップ4は倒された状態でロックされる(ステップS3)。
(4)次に、外観音開きドア5の動作指令により、外観音開きドア5が開かれる(ステップS4)。
【0017】
(5)次に、外観音開きドア5は開いた状態でロックされる。この状態で、乗客はLRT車両3とホーム1の間を乗り降りする(ステップS5)。
(6)乗客の乗り降りが終了すると、外観音開きドア5のロックが解除されて、外観音開きドア5の動作指令により外観音開きドア5が閉じられる(ステップS6)。
(7)次いで、外観音開きドア5が閉じられた状態でロックされる(ステップS7)。
【0018】
(8)次に、ステップ4のロックが解除され、ステップ4の動作指令によりステップ4が畳まれて、外観音開きドア5の下部に収納される(ステップS8)。
(9)次に、ステップ4がロックされる。この状態で、LRT車両3は出発して、走行することになる(ステップS9)。
このように構成したので、車両側に配置されるステップとその両側に位置する両側に開かれた外観音開きドアによって、乗客の乗降口を提供することができる。また、ステップの両側には開かれた外観音開きドアが配置されるために、ホームの空間に乗客が落下するのを確実に防止することができる。
【0019】
図6は本発明の他の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアが開いて乗客が乗り降りできる状態を示す模式図、図7はそのホーム対応ドアが閉じている状態を示す模式図、図8はそのホーム対応ドアの開閉動作のフローチャートである。
この実施例では、ステップ及び外観音開きドアに加えて屋根も配置することができるようにして、LRT車両への乗り降りを円滑にするようにしたものである。
【0020】
図6及び図7に示すように、LRT車両3の外観音開きドア5の下方にはステップ4が、外観音開きドア5の上方には屋根8が配置される。この屋根は畳まれた際、乗客が車窓から外部を眺める場合に視野を塞ぐことがないように透明な部材(強化プラスチック等)からなる屋根とするのが望ましい。なお、図示しないが、屋根8、ステップ4及び外観音開きドア5の基部にはそれぞれ枢着軸が配置されており、それらの枢着軸がモータによって回転できるように構成されている。
【0021】
その動作フローチャートは、図8に示すように、
(1)まず、LRT車両3がホーム1の所定位置に停車すると、屋根8及びステップ4のロックが解除される(ステップS11)。
(2)次に、屋根8及びステップ4の動作指令により、屋根8及びステップ4がセットされる(ステップS12)。
【0022】
(3)次に、屋根8及びステップ4はセットされた状態でロックされる(ステップS13)。
(4)次に、外観音開きドア5の動作指令により、外観音開きドア5が開かれる(ステップS14)。
(5)次いで、外観音開きドア5は開いた状態でロックされる。この状態で、乗客はLRT車両3とホーム1の間を乗り降りする(ステップS15)。
【0023】
(6)乗客の乗り降りが終了すると、外観音開きドア5のロックが解除されて、外観音開きドア5の動作指令により外観音開きドア5が閉じられる(ステップS16)。
(7)次に、外観音開きドア5が閉じられた状態でロックされる(ステップS17)。
(8)次に、屋根8及びステップ4のロックが解除され、屋根8及びステップ4の動作指令により屋根8及びステップ4が畳まれて、外観音開きドア5の上部及び下部に収納される(ステップS18)。
【0024】
(9)次に、屋根8及びステップ4がロックされる。この状態で、LRT車両3は出発し、走行することになる(ステップS19)。
このように、LRT車両3の乗降口はトンネル状に構築されるため、雨や風があるような場合にも円滑なLRT車両3への乗り降りを行うことができる。特に、自動駆動型の車椅子に乗った乗客などの乗り降りを確実に実施することができる。
【0025】
なお、上記実施例は、地上を走行するLRT車両について述べたが、懸垂式の複合交通システム(上記特許文献参照)などにおいては、地上から離れたホームとLRT車両間の乗り降りを確実にすることも可能である。
このように、車両側の乗降口のみの改良により、車両側からホームへの移動を円滑に行うことができる。
【0026】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの構造は、構成が簡便でホームの空間に乗客が落下するのを確実に防止することができ、LRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアが開いて乗客が乗り降りできる状態を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアが閉じている状態を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアが開いた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの開閉動作を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの開閉動作のフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアが開いて乗客が乗り降りできる状態を示す模式図である。
【図7】本発明の他の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアが閉じている状態を示す模式図である。
【図8】本発明の他の実施例を示すLRT車両の在来線乗り入れホーム対応ドアの開閉動作のフローチャートである。
【図9】LRV車両が広幅車体規格の線路内に乗り入れた状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0029】
1 プラットホーム
2 軌道
3 LRT車両
4 ステップ
5 外観音開きドア
6 シールゴム
7 空隙
8 屋根
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8