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明細書 :高温超電導電流リード基礎特性試験装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4808474号 (P4808474)
公開番号 特開2007-142137 (P2007-142137A)
登録日 平成23年8月26日(2011.8.26)
発行日 平成23年11月2日(2011.11.2)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
発明の名称または考案の名称 高温超電導電流リード基礎特性試験装置
国際特許分類 H01F   6/00        (2006.01)
H01F   6/06        (2006.01)
FI H01F 7/22 J
H01F 5/08 ZAAZ
請求項の数または発明の数 13
全頁数 12
出願番号 特願2005-333622 (P2005-333622)
出願日 平成17年11月18日(2005.11.18)
審査請求日 平成20年4月3日(2008.4.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】小方 正文
【氏名】長嶋 賢
【氏名】岩松 勝
【氏名】井上 明彦
【氏名】宮崎 佳樹
【氏名】山下 知久
【氏名】佐々木 謙
【氏名】柳瀬 康人
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】山田 倍司
参考文献・文献 特開平06-249902(JP,A)
特開平02-096678(JP,A)
特開昭57-086062(JP,A)
特開平08-248001(JP,A)
特開平03-245504(JP,A)
特開平04-190171(JP,A)
特開平01-097876(JP,A)
特開昭62-148867(JP,A)
特開昭61-290370(JP,A)
特開2007-139577(JP,A)
調査した分野 G01N 27/00-27/90
G01R 27/00-27/32
31/00-31/25
33/00-33/26
H01B 12/00-13/00
H01F 6/00- 6/06
H01L 39/02-39/04
39/14-39/16
39/20
特許請求の範囲 【請求項1】
シールド本体と、該熱シールド本体に支持される電磁石と、該電磁石による磁場内に配置される高温超電導電流リード試験体と、該高温超電導電流リード試験体にリード接続部を介して印加される温度を設定する温度設定手段とを具備する高温超電導電流リード基礎特性試験装置であって、
前記電磁石が前記高温超電導電流リード試験体と直列に接続されることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項2】
請求項1記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記電磁石が超電導磁石であることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記高温超電導電流リード試験体はリードアダプタを付設し、該リードアダプタの付け替えにより、各種の高温超電導電流リードの試験および前記高温超電導電流リード試験体の熱侵入量の試験を可能にすることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記高温超電導電流リード試験体に直列に通電用高温超電導電流リードを配置することを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記温度設定手段が前記高温超電導電流リードにリード接続部を介して印加される温度を調整可能なヒータ温度調整付き冷凍機であることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項6】
請求項記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記温度設定手段による温度設定範囲が2K~100Kであることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項7】
請求項記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記高温超電導電流リードの温度が4K~80Kであることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項8】
請求項記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記冷凍機が前記高温超電導電流リード試験体の第1の接続リードの温度を設定する第1の冷凍機と、前記高温超電導電流リード試験体の第2の接続リードの温度を設定する第2の冷凍機からなることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項9】
請求項記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記第1の接続リードの温度が50~100K、第2の接続リードの温度が20K以下であることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項10】
請求項又は記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記第2の接続リードに伝熱板を接続し、該伝熱板と熱流束計を用い熱侵入量を測定することを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項11】
請求項又は記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記第1の接続リードと前記第2の接続リードヒータを取り付けて高温超電導電流リードの温度調整を可能にすることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記リード接続部に電気絶縁性が高く熱伝導性が良い窒化アルミニウムを用いることを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
【請求項13】
請求項記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記電磁石を熱アンカに固定することを特徴とする高温超電導電流リード基礎特性試験装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高温超電導電流リード(HTSリード)基礎特性試験装置に係り、特に、HTSリードの電気的特性、熱的特性等の基礎特性を評価するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
HTSリードは低発熱かつ低熱侵入といった特長を有しており、常温から低温環境下へ電流を供給する際の、電流入出経路の一部として応用が進んでいる。
より具体的には、図9及び図10に示すように、HTSリードを組み込んだ磁場発生装置が提案されている(非特許文献1参照)。すなわち、図9に示すように、樹脂含浸により機械的強度を向上した高温超電導体を用いたHTSリード101が超電導コイル102の接続部に配置されるようになっている。なお、103は冷凍機、104はタンク外槽、105は液体ヘリウム溜の熱シールド、106は液体ヘリウム溜、107はパワーリード、108は80Kアンカー、109は超電導コイル102の熱シールド、110は超電導コイル102の外槽である。
【0003】
また、図10は樹脂含浸HTSリードの平面図を示しており、200はHTSリード、201は高温側端子、202は低温側端子、203は樹脂部分、204は高温超電導体を示している。

【非特許文献1】低温工学 39巻3号 2004年 pp80-84
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかるHTSリードは過酷な雰囲気にあるため、そのHTSリードの信頼性を確保するには、十分なHTSリード基礎特性試験が必要である。
本発明は、上記状況に鑑みて、迅速、かつ的確にHTSの基礎特性を試験できるHTSリード基礎特性試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕HTSリード基礎特性試験装置において、熱シールド本体と、この熱シールド本体に支持される電磁石と、この電磁石による磁場内に配置される高温超電導電流リード試験体と、この高温超電導電流リード試験体にリード接続部を介して印加される温度を設定する温度設定手段とを具備する高温超電導電流リード基礎特性試験装置であって、前記電磁石が前記高温超電導電流リード試験体と直列に接続されることを特徴とする。
【0006】
〔2〕上記〔1〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記電磁石が超電導磁石であることを特徴とする。
〕上記〔1〕又は〔2〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記高温超電導電流リード試験体はリードアダプタを付設し、このリードアダプタの付け替えにより、各種の高温超電導電流リードの試験および前記高温超電導電流リード試験体の熱侵入量の試験を可能にすることを特徴とする。
【0007】
〕上記〔1〕又は〔2〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記高温超電導電流リード試験体に直列に通電用高温超電導電流リードを配置することを特徴とする。
〕上記〔1〕又は〔2〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記温度設定手段が前記高温超電導電流リードにリード接続部を介して印加される温度を調整可能なヒータ温度調整付き冷凍機であることを特徴とする。
【0008】
〕上記〔〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記温度設定手段による温度設定範囲が2K~100Kであることを特徴とする。
〕上記〔〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記高温超電導電流リードの温度が4K~80Kであることを特徴とする。
〕上記〔〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記冷凍機が前記高温超電導電流リード試験体の第1の接続リードの温度を設定する第1の冷凍機と、前記高温超電導電流リード試験体の第2の接続リードの温度を設定する第2の冷凍機からなることを特徴とする。
【0009】
〕上記〔〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記第1の接続リードの温度が50~100K、第2の接続リードの温度が20K以下であることを特徴とする。
10〕上記〔〕又は〔9〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記第2の接続リードに伝熱板を接続し、この伝熱板と熱流束計を用い熱侵入量を測定することを特徴とする。
【0010】
11〕上記〔〕又は〔9〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記第1の接続リードと前記第2の接続リードヒータを取り付けて高温超電導電流リードの温度調整を可能にすることを特徴とする。
12〕上記〔1〕~〔11〕の何れか一項記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記リード接続部に電気絶縁性が高く熱伝導性が良い窒化アルミニウムを用いることを特徴とする。
【0011】
13〕上記〔2〕記載の高温超電導電流リード基礎特性試験装置において、前記電磁石を熱アンカに固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、迅速、かつ的確にHTSリード基礎特性試験を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のHTSリード基礎特性試験装置は、熱シールド本体と、この熱シールド本体に支持される電磁石と、この電磁石による磁場内に配置される高温超電導電流リード試験体と、この高温超電導電流リード試験体にリード接続部を介して印加される温度を設定する温度設定手段とを具備する高温超電導電流リード基礎特性試験装置であって、前記電磁石が前記高温超電導電流リード試験体と直列に接続される
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
HTSリードは低発熱かつ低熱侵入といった特長を有しており、常温から低温環境下へ電流を供給する際の、電流入出経路の一部として応用が進んでおり、その特性試験の信頼度を高める必要がある。
図1は本発明の第1実施例を示すHTSリード基礎特性の試験装置(両端温度差あり)の模式図である。
【0015】
この図において、1は断熱容器、2はHTSリード(試験体)、3は電磁石、4は低温側電流リード、4Aは低温側電流リード接続部、5は高温側電流リード、5Aは高温側電流リード接続部、6は冷却用冷凍機、6Aは冷却用冷凍機のコールドヘッド、7は試験体の低温側温度調整用ヒータ、8は試験体の高温側温度調整用ヒータ、10Aは第1の常温電流端子、10Bは第2の常温電流端子である。
【0016】
このように、本発明のHTSリード基礎特性の試験装置は、断熱容器1と、この断熱容器1に支持される電磁石3と、この電磁石3による磁場内に配置されるHTSリード試験体2と、このHTS試験体2にリード接続部を介して印加される温度を設定する温度設定手段とを備えている。
ここで、低温側電流リード接続部4Aの温度をTSL、高温側電流リード接続部5Aの温度をTSHとすると、TSL≦TSHであり、例えば、4K<TSL<80K、80K<TSH<300Kである。
【0017】
図2は本発明の第2実施例を示すHTSリード基礎特性の試験装置(両端温度差あり)の断面図、図3は図2のA-A矢視図、図4は図2のB-B矢視図(試験体の配置部分の平面図)、図5はそのHTSリード基礎特性の試験装置の上面図である。
これらの図において、11は熱シールド本体、12はHTSリード(試験体)、12Aは通電用HTSリード(保護リード付)13は電磁石、13Aは電磁石固定フレーム、14は第1の低温側電流リード、14Aは第1の低温側電流リード接続部、15は第2の低温側電流リード、15Aは第2の低温側電流リード接続部、16は伝熱板、17は第2の冷却用冷凍機、18は第2の冷却用冷凍機17のコールドヘッ、19は常温側電流リード、20は熱シールド冷却伝熱板、21は熱シールド支持体、22は取付フランジ、23は第1の冷却用冷凍機、23Aは冷却ベース、24は第1の冷却用冷凍機23のコールドヘッド、25は第1の常温電流端子、26は第2の常温電流端子、27は排気ポート、28は計測ポート、29は真空計である。
【0018】
ここで、本発明のHTSリード基礎特性試験装置の主要性能としては、(1)最大通電電流が1,000A、(2)最大印加磁場が0.5T以上、(3)設定温度範囲は、HTSリードの高温側端子が50~100K、低温側端子が20K以下である。
また、本発明のHTSリード基礎特性試験の内容は、超電導特性確認試験の場合、次の3条件を組み合わせ、超電導状態を満足する限界条件を確認する。
【0019】
(1)任意の電流条件(1,000A以下)
(2)任意の磁場条件(ゼロ磁場あるいは0.5T以上のある一定値のいずれか)
(3)任意の温度条件(両端の温度差あり又は均一温度条件)
次に、熱侵入量測定試験においては、HTSリードそのものの熱侵入量を測定する。
本発明のHTSリード基礎試験装置については以下の点に留意する必要がある。
【0020】
(1)電流リード及び回路
ローレンツ力の働く向きを考慮して磁気回路を構成する。また、リードアダプタの付け替えにより種々のHTSリード(例:Y系、Dy系、Gd系、Bi系他)の評価を可能にする。
図4に示すように、HTSリードを2本として、通電余裕が大小のものを組み合わせできるようにする(通電余裕の少ない方の限界性能評価を行う)。また、図4に示すように、保護リード(金属系)付きの通電用HTSリード12Aを取り付け、試験用HTSリード12と分離する。さらに、バイパス回路(保護リード等)を設ける。なお、保護リード材料としては、例えば、SUSを用いる。常温側電流リード(液体窒素温度より高温側で使用する部分で銅合金あるいは真鍮製)19を取替え可能にする。また、熱容量型の常温側電流リードとする。
【0021】
また、常温側電流リード19と、HTS(液体窒素温度より低温側で使用する部分)電流リードの交換は可能であり、試験体に応じた常温側電流リードとHTSリードの評価ができる。
さらに、非定常無冷却タイプの常温側電流リードの温度測定ができる。
(2)温度調節機構
限界温度(HTSリードの通電可能温度)の試験をする。限界温度測定を種々のタイプのHTSリードに対して行うことができる。例えば、Y系,Dy系電流リードは4K~90Kの間で使用する。冷凍機を用いて温度設定が容易にできる。
【0022】
雰囲気ガス(例:ヘリウム、窒素等)による冷却も可能である。
リードの両端を独立に温度制御可能である。
冷凍機1台でHTSリード低温端の温度を制御、高温端の温度は液体窒素等で補償することもできる。
冷凍機複数台で電流リードの両端温度を独立に温度制御することができる。
【0023】
熱アンカ分離、熱シールド分離を行う。
電流リード接続部に窒化アルミニウムを用いて、伝熱と電気絶縁を同時に実現する。
(3)非一定温度での試験装置
図2~図5に示すように、冷凍機2台(第1の冷凍機23と第2の冷凍機17)により、HTSリードの両端の温度調整が可能である。温度差の評価のために保護リード有無のHTSリード2本を配置する。
【0024】
(4)一定温度での試験装置
図6~図7に示すように、HTSリードの温度を一定の状態に維持して測定する。つまり、伝熱板(アンカ板)によって温度を一定に保持して測定する。試料スペースを冷凍機に直付けして、温度差を小さくできる。試験台の熱容量を小さくして温度の均一性を高めることができる。リードにヒータを取り付けてHTSリード温度調節を行う。
【0025】
(5)熱侵入量測定装置
伝熱板と熱流束計を用い熱侵入量を測定できる。さらに、アダプター付け替えによりHTSリードの熱侵入量測定が可能である。
(6)支持機構
冷却ステージと磁石固定フレームを分離して支持できる吊り下げ構造とする。
【0026】
(7)電磁石
第2実施例では、電磁石13を用いた磁気回路構造(サンプルホルダ付)とした。また、電磁石13として超電導バルク磁石を用いることもできる。
そして、電磁石13を用いてHTSリード12に磁場を印加する。なお、鉄ヨークを用いて磁場を集中させてHTSリード12に磁場を印加することができる。その場合、FRPで熱絶縁するサンプルホルダ構成とする。電磁石に流す電流を変えることによって印加磁場に変化を与えることができる。そのことにより、HTSリードの耐磁場特性を把握することができる。HTSリードの支持では、歪み、撓みを防止する構成となっている。
【0027】
次に、HTSリード(試験体)に対する印加磁石を、脱着可能な電磁石で構成することができる。また、超電導コイルで磁場を印加するように構成することができる。
次に、HTSリード(試験体)の試験に際しては、
(1)熱暴走監視システムを設ける。
(2)電磁石表面にホール素子を付けて中心磁場を予測する。
【0028】
(3)電圧タップを引出して、超電導状態を監視する。
(4)温度センサをHTSリードの端子部に取り付ける。
(5)電圧、温度によるHTSリードの劣化の検知を行う。
(6)HTSリードに電圧端子を設ける。
また、HTSリード(試験体)の温度コントロールは通常(Cu)リード発熱のキャンセルを行うことによって行う。電導-超電導転移の検知(サーチコイル)を配置する。
【0029】
上記したように、第1及び第2実施例では、
(1)通電電流の試験は、電気抵抗がゼロ状態のままHTSリード(試験体)12に流れる電流と電圧の関係を測定することにより、HTSリード(試験体)12の通電電流特性を試験することができる。
(2)印加磁場の試験は、電磁石13によるHTSリード(試験体)12への磁場の印加により行う。
【0030】
(3)温度の試験は、HTSリード(試験体)12の高温側端子を、高温ステージを50K~100K、低温側端子を20K以下へと種々設定することができる。つまり、第1の冷却用冷凍機23と第2の冷却用冷凍機17のそれぞれの冷凍条件を変化させることにより、一端は例えば80K、他端は例えば4Kとすることにより、HTSリード(試験体)12の温度勾配を与えた場合の通電特性の試験を行うことができる。
【0031】
図6は本発明の第3実施例を示すHTSリードの試験装置(両端温度一定)の断面図、図7は図6のC-C矢視図である。
これらの図において、31は熱シールド本体、32はHTSリード(試験体)、33は電磁石、33Aは電磁石固定フレーム、34,35は低温側電流リード、37は冷却ベース、38は高温側電流リード、39は熱シールド冷却伝熱板、40は熱シールド支持体、41は取付フランジ、42は冷却用冷凍機、43は冷却用冷凍機42のコールドヘッド、44は第1の常温電流端子、45は第2の常温電流端子である。
【0032】
このように構成したので、
(1)通電電流の試験は、HTSリード(試験体)32に流れる電流と電圧との関係を測定することにより、HTSリード(試験体)32の通電電流特性を試験することができる。
(2)印加磁場の試験は、電磁石33によるHTSリード(試験体)32への磁場の印加により行う。
【0033】
(3)温度の試験は、HTSリード(試験体)32の設定温度範囲を、冷却用冷凍機42の冷凍条件を変化させることにより、HTSリード(試験体)32の印加温度を変化させて試験を行うことができる。
次に、印加磁石としてコイルを用いる場合について説明する。
図8は本発明の第4実施例を示すHTSリードの試験装置の模式図である。
【0034】
この図に示すように、熱シールド本体51内に磁場発生装置(コイル)52と直列にHTSリード(試験体)53を接続して、磁場発生装置(コイル)52の第1の常温電流端子54とHTSリード(試験体)53の第2の常温電流端子55との間に電源56を接続するようにしている。また、57は外槽、58は冷凍機であり、磁場発生装置(コイル)52は冷凍機58により冷やされるように構成されている。
【0035】
(1)通電電流の試験は、HTSリード(試験体)53に流れる電流と電圧の関係を測定することにより、HTSリード(試験体)53の通電電流特性を試験することができる。
(2)印加磁場の試験は、図8に示すように、HTSリード(試験体)53の通電電流に対応した磁場をHTSリード(試験体)53に印加することができる。その通電電流を変化させることにより、HTSリード(試験体)53の印加磁場の試験を行うことができる。
【0036】
(3)温度の試験は、図示していないが、上記第1及び第2実施例と同様に実施することができる。
したがって、HTSリード(試験体)53に流す電流を用いて磁場発生装置(コイル)52により磁場を発生させることにより、HTSリード(試験体)53の磁気特性を広範囲に試験することができる。
【0037】
また、HTSリードの実施例としては、磁気浮上式鉄道車両に搭載された電流リードがあり、この電流リードが通電されるのは、超電導磁石装置の励磁、消磁動作の時であり、この時に超電導磁石装置が発生する磁場の大きさが変化する。それを本実施例では模擬することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のHTSリード基礎特性試験装置は、磁気浮上式鉄道車両に搭載される超電導磁石装置に組み込まれるHTSリードの高信頼性の試験装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施例を示すHTSリード基礎特性の試験装置(両端温度差あり)の模式図である。
【図2】本発明の第2実施例を示すHTSリードの基礎特性試験装置(両端温度差あり)の断面図である。
【図3】図2のA-A矢視図である。
【図4】図2のB-B矢視図(試験体の配置部分の平面図)である。
【図5】本発明の第2実施例を示すHTSリード基礎特性試験装置の上面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示すHTSリード基礎特性試験装置(両端温度一定)の断面図である。
【図7】図6のC-C矢視図である。
【図8】本発明の第4実施例を示すHTSリード基礎特性試験装置の模式図である。
【図9】従来のHTSリードを組み込んだ磁場発生装置の模式図である。
【図10】従来の樹脂含浸HTSリードの平面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 断熱容器
11,31,51 熱シールド本体
2,12,32,53 HTSリード(試験体)
3,13,33 電磁石
4,34,35 低温側電流リード
4A 低温側電流リード接続部
5,19,38 高温側電流リード
5A 高温側電流リード接続部
6,42 冷却用冷凍機
6A,43 冷却用冷凍機のコールドヘッド
7 試験体の低温側端子温度調整用ヒータ
8 試験体の高温側端子温度調整用ヒータ
10A,25,44,54 第1の常温電流端子
10B,26,45,55 第2の常温電流端子
12A 通電用HTSリード(保護リード付)
13A,33A 電磁石固定フレーム
14 第1の低温側電流リード
14A 第1の低温側電流リード接続部
15 第2の低温側電流リード
15A 第2の低温側電流リード接続部
16 伝熱板
17 第2の冷却用冷凍機
18 第2の冷却用冷凍機のコールドヘッド
20,39 熱シールド冷却伝熱板
21,40 熱シールド支持体
22,41 取付フランジ
23 第1の冷却用冷凍機
23A,37 冷却ベース
24 第1の冷却用冷凍機のコールドヘッド
27 排気ポート
28 計測ポート
29 真空計
52 磁場発生装置(コイル)
56 電源
57 外槽
58 冷凍機
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9