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明細書 :放送内容送信システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4512549号 (P4512549)
公開番号 特開2007-158789 (P2007-158789A)
登録日 平成22年5月14日(2010.5.14)
発行日 平成22年7月28日(2010.7.28)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
発明の名称または考案の名称 放送内容送信システム
国際特許分類 H04H  20/62        (2008.01)
H04H  20/55        (2008.01)
H04H  20/57        (2008.01)
H04H  60/58        (2008.01)
H04H  60/40        (2008.01)
H04H  60/66        (2008.01)
G10L  15/00        (2006.01)
G10L  13/00        (2006.01)
B61L  25/02        (2006.01)
FI H04H 20/62
H04H 20/55
H04H 20/57
H04H 60/58
H04H 60/40
H04H 60/66
G10L 15/00 200B
G10L 15/00 200A
G10L 13/00 100C
G10L 13/00 100N
G10L 13/00 100R
B61L 25/02 A
請求項の数または発明の数 4
全頁数 23
出願番号 特願2005-352056 (P2005-352056)
出願日 平成17年12月6日(2005.12.6)
審査請求日 平成20年4月11日(2008.4.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】渡辺 義大
【氏名】野末 道子
【氏名】土屋 隆司
個別代理人の代理人 【識別番号】100090033、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 博司
【識別番号】100093045、【弁理士】、【氏名又は名称】荒船 良男
審査官 【審査官】川口 貴裕
参考文献・文献 特開平08-079199(JP,A)
実開昭58-037245(JP,U)
特開平10-336739(JP,A)
特表2002-531997(JP,A)
特開平08-204661(JP,A)
特開2005-293535(JP,A)
特開2002-009718(JP,A)
特開平11-331103(JP,A)
野辺名豊 編著,「オプトインスケジュール」という発想が台頭する,モバイルがビジネススタイルを大きく変える! 〔図解〕「mコマース」のすべて,PHP研究所,2000年10月16日,第1版,p.154-157
調査した分野 H04H 20/00 - 20/95
H04H 40/00 - 40/90
H04H 60/00 - 60/98
B61L 25/02
G10L 13/00
G10L 15/00
特許請求の範囲 【請求項1】
所定の通信エリア内に入った利用者端末との間で通信を行う放送内容送信システムであって、
マイクから入力された音声をスピーカから出力する案内放送システムで放送された案内放送音声を音声認識してテキストデータに変換する音声認識手段と、
前記音声認識手段により変換されたテキストデータを放送内容データとして記憶する放送内容記憶手段と、
前記放送内容記憶手段に記憶された放送内容データを前記利用者端末に送信する制御を行う放送内容送信制御手段と、
を備え
前記放送内容記憶手段は、前記放送内容データを放送時刻と対応づけて記憶し、
前記利用者端末の前記所定の通信エリア内への進入を検知する通信エリア進入検知手段を更に備え、
前記放送内容送信制御手段は、前記通信エリア進入検知手段による検知前に放送された放送内容データを前記放送内容記憶手段から読み出して前記利用者端末に送信する制御を行う、
ことを特徴とする放送内容送信システム。
【請求項2】
前記案内放送システムは、マイクから入力された音声を別個独立に放送可能な放送区画毎にスピーカが配置されてなり、
前記放送内容記憶手段は、前記放送内容データを、放送された該当する放送区画と対応づけて記憶し、
前記利用者端末との間の所定通信に基づいて、前記利用者端末が位置する放送区画を検出する位置検出手段を更に備え、
前記放送内容送信制御手段は、前記検出された放送区画に対応付けて前記放送内容記憶手段に記憶された放送内容データを前記利用者端末に送信する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の放送内容送信システム。
【請求項3】
前記放送内容送信制御手段は、前記位置検出手段による検出前に、当該検出された放送区画で放送された放送内容データを前記放送内容記憶手段から読み出して前記利用者端末に送信する制御を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の放送内容送信システム。
【請求項4】
前記利用者端末から移動予定情報を受信する移動予定情報受信手段と、
前記移動予定情報受信手段により受信された移動予定情報に基づいて、前記利用者端末の移動先が含まれる放送区画を選出する移動先放送区画選出手段と、
を更に備え、
前記放送内容送信制御手段は、前記選出された放送区画に対応付けて前記放送内容記憶手段に記憶された放送内容データを前記利用者端末に送信する移動先区画放送内容送信手段を有する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の放送内容送信システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の通信エリア内に入った利用者端末との間で通信を行う放送内容送信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
列車の運行状況案内や乗り換え案内等の各種情報を利用者に提供するシステムが開発・実用化されている。例えば、列車に乗車している利用者に対して利用者端末を介して情報提供するもの(特許文献1参照。)等がある。

【特許文献1】特開2001-77774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、古くから用いられている情報伝達手段の1つに、駅構内における放送がある。放送は、現場で生じていることや、現在の状況をいち早く利用者に伝達するために有効な情報伝達手段として今現在も健在である。しかしながら、放送は揮発的な情報伝達手段であるため、放送の後に到着する等の放送の届く場所に居なかった利用者や、聞き逃した利用者に、当該放送の内容が伝達されないという問題があった。また駅構内の案内放送にあっては、各番線それぞれのホームや改札口付近といった、別個独立の放送区画毎に、当該放送区画内の利用者に向けた内容の放送が為されるという特殊性を有する。
【0004】
そこで本発明は、揮発的な情報伝達手段である案内放送の内容を利用者に対して適切に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための第1の発明は、
所定の通信エリア内に入った利用者端末との間で通信を行う放送内容送信システムであって、
マイクから入力された音声をスピーカから出力する案内放送システムで放送された案内放送音声を音声認識してテキストデータに変換する音声認識手段(例えば、図3のCPU410;図7のステップa20)と、
前記音声認識手段により変換されたテキストデータを放送内容データとして記憶する放送内容記憶手段(例えば、図4の案内放送テーブル454)と、
前記放送内容記憶手段に記憶された放送内容データを前記利用者端末に送信する制御を行う放送内容送信制御手段(例えば、図3のCPU410;図8のステップc20~c40)と、
を備えるものである。
【0006】
この第1の発明によれば、案内放送システムで放送された案内放送音声を音声認識してテキストデータに変換し、放送内容データとして記憶しておくとともに、この放送内容データを所定の通信エリア内に入った利用者端末に送信することができる。したがって、案内放送システムで放送された揮発的な案内放送の内容を記憶しておき、利用者端末に適切に提供することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の放送内容送信システムにおいて、
前記放送内容記憶手段は、前記放送内容データを放送時刻と対応づけて記憶し、
前記利用者端末の前記所定の通信エリア内への進入を検知する通信エリア進入検知手段(例えば、図3のCPU410;図8のステップc10(YES))を更に備え、
前記放送内容送信制御手段は、前記通信エリア進入検知手段による検知前に放送された放送内容データを前記放送内容記憶手段から読み出して前記利用者端末に送信する制御を行う(例えば、図3のCPU410;図8のステップc20~c40)ものである。
【0008】
この第2の発明によれば、利用者端末の前記所定の通信エリア内への進入を検知し、当該検知前に放送された放送内容データを当該利用者端末に送信することができる。したがって、利用者端末が所定の通信エリア内に入るより前に放送された案内放送の内容を当該利用者端末に提供することができる。
【0009】
第3の発明は、第1の発明の放送内容送信システムにおいて、
前記案内放送システムは、マイクから入力された音声を別個独立に放送可能な放送区画毎にスピーカが配置されてなり、
前記放送内容記憶手段は、前記放送内容データを、放送された該当する放送区画と対応づけて記憶し、
前記利用者端末との間の所定通信に基づいて、前記利用者端末が位置する放送区画を検出する位置検出手段(例えば、図3のCPU410;図9のステップd10)を更に備え、
前記放送内容送信制御手段は、前記検出された放送区画に対応付けて前記放送内容記憶手段に記憶された放送内容データを前記利用者端末に送信する制御を行う(例えば、図3のCPU410;図8のステップc20~c40)ものである。
【0010】
この第3の発明によれば、放送された放送内容データをその放送区画と対応付けて記憶しておくとともに、利用者端末が位置する放送区画を検出し、検出した放送区画と対応付けられた放送内容データを当該利用者端末に送信することができる。したがって、利用者端末が位置する放送区画で放送された案内放送の内容を当該利用者端末に提供することができる。
【0011】
第4の発明は、第3の発明の放送内容送信システムにおいて、
前記放送内容記憶手段は、前記放送内容データを放送時刻と対応づけて記憶し、
前記放送内容送信制御手段は、前記位置検出手段による検出前に、当該検出された放送区画で放送された放送内容データを前記放送内容記憶手段から読み出して前記利用者端末に送信する制御を行う(例えば、図3のCPU;図8のステップc20~c40)ものである。
【0012】
この第4の発明によれば、検出された利用者端末の放送区画で放送された放送内容データのうち、当該検出前に当該放送区画で放送された放送内容データを当該利用者端末に送信することができる。したがって、利用者端末が現在の放送区画に位置するより前に当該放送区画で放送された案内放送の内容を利用者端末に提供することができる。
【0013】
第5の発明は、第3又は第4の発明の放送内容送信システムにおいて、
前記利用者端末から移動予定情報を受信する移動予定情報受信手段(例えば、図3のCPU410)と、
前記移動予定情報受信手段により受信された移動予定情報に基づいて、前記利用者端末の移動先が含まれる放送区画を選出する移動先放送区画選出手段(例えば、図3のCPU410)と、
を更に備え、
前記放送内容送信制御手段は、前記選出された放送区画に対応付けて前記放送内容記憶手段に記憶された放送内容データを前記利用者端末に送信する移動先区画放送内容送信手段(例えば、図3のCPU410)を有するものである。
【0014】
この第5の発明によれば、利用者端末から移動予定情報を受信して当該利用者端末の移動先が含まれる放送区画を選出し、選出した放送区画で放送された放送音声データを当該利用者端末に送信することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、案内放送システムで放送された案内放送音声を音声認識してテキストデータに変換し、放送内容データとして記憶しておくとともに、この放送内容データを所定の通信エリア内に入った利用者端末に送信することができる。したがって、案内放送システムで放送された揮発的な案内放送の内容を記憶しておき、利用者端末に適切に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、以下では、本発明の放送内容送信システムを鉄道施設で利用する場合を例にとって説明する。
【0025】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるシステム全体の構成を説明するための図である。本実施形態では、案内放送管理サーバ40が、ネットワークNを介して無線通信網を形成するための無線基地局50(50-1,2,3,4・・・,n)と接続されて放送内容送信システム30を構成しており、案内放送管理サーバ40は、駅構内に向けて案内放送を行うための案内放送システム10(10-1,2,・・・)と接続されるとともに、無線基地局(以下、「基地局」という。)50を介して利用者端末70と接続される。
【0026】
案内放送管理サーバ40は、公知のサーバコンピュータシステムをもとに構成されており、例えば鉄道会社の管理側に設置されてシステム全体を統括的に制御する。この案内放送管理サーバ40は、案内放送システム10で放送された案内放送音声を収集して管理するとともに、基地局50を介してアクセスしてきた利用者端末70に提供する。
【0027】
案内放送システム10は、駅係員等が案内放送音声を入力するためのマイク11と、当該マイク11から入力された案内放送音声を出力するスピーカ13とで構成された従来の放送システムに加えて、スピーカ13から音出力される案内放送音声を集音するためにスピーカ13の近傍位置に設置されたマイク15を具備したものであり、マイク11から入力された案内放送音声、又はマイク15により集音された案内放送音声が案内放送管理サーバ40に伝送されるようになっている。この案内放送システム10は、駅構内の例えばホームやコンコース、待合室等、マイク11から入力された音声を別個独立に放送可能な放送区画毎に設置され、故障や事故、災害等によって発生した列車の遅延や運休等を案内する列車の運行状況案内や、当該駅に乗り入れる路線や発車番線等を案内する乗り換え案内といった、その放送区画に位置する利用者に向けた各種の案内を行う。尚、各案内放送システム10には、それぞれ固有の識別コード(以下、「放送システムID」という。)が予め割り当てられており、この放送システムIDによって案内放送システム10が識別される。
【0028】
基地局50は、ネットワークNを介して案内放送管理サーバ40と接続され、その通信エリア内に在る利用者端末70と案内放送管理サーバ40との間のデータ通信を中継するものであり、例えば駅建物の出入口からホームに至る駅構内の各所に設置される。また基地局50には、それぞれ固有の識別コード(以下、「基地局ID」という。)が予め割り当てられており、基地局50は、その通信エリア内に進入した利用者端末70に対して基地局IDを送信する。
【0029】
利用者端末70は、例えば利用者が携行する携帯電話機であって、各基地局50を介して案内放送管理サーバ40との間でデータ通信を行う。尚、利用者端末は、PDA(Personal Digital Assistant)等の端末装置であっても構わない。
【0030】
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態について説明する。
【0031】
[概要]
第1実施形態は、案内放送システム10により放送された案内放送の内容を利用者端末70aに提供するものであり、詳細には、利用者端末70aが位置する放送区画で放送された案内放送の内容であって、当該利用者端末70aが当該放送区画内に入るより前に放送された案内放送の内容を提供するものである。
【0032】
図2は、第1実施形態の概要を説明するための図であり、同図において、横軸を時刻(t)として、放送区画が「1番線ホーム」である案内放送システム10で放送された案内放送の放送時刻及びその内容を示している。第1実施形態では、時刻t2~t3の間に「1番線ホーム」に到着した利用者Aが携行する利用者端末70aに対して、その到着時刻前に放送された案内放送である放送a及び放送bの内容が提供される。一方時刻t1以前に「1番線ホーム」に到着していた利用者Bが携行する利用者端末70aに対しては、各案内放送の放送内容は提供されない。また第1実施形態では、利用者端末70aからのリクエストに応じて案内放送の内容が提供される。例えば利用者Cが携行する利用者端末70aに対して、利用者Cが「1番線ホーム」到着した後に放送された放送bや放送cの放送内容が適宜提供される。
【0033】
[機能構成]
次に、第1実施形態における案内放送管理サーバ40a及び利用者端末70aの機能構成について順に説明する。
【0034】
(案内放送管理サーバ)
図3は、第1実施形態における案内放送管理サーバ40aの機能構成の一例を示すブロック図である。案内放送管理サーバ40aは、CPU410と、入力部420と、表示部430と、通信部440と、外部入力部470と、記憶部450とを備えて構成されている。
【0035】
CPU410は、記憶部450に格納されるプログラムやデータ、案内放送システム10から入力されたデータや基地局50から送信されたデータ等に基づいて案内放送管理サーバ40a内の各機能部への指示やデータの転送を行い、放送内容送信システム30全体の制御等の各種処理を行う。
【0036】
入力部420は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ダイヤル及び各種スイッチ等によって実現されるものであり、操作入力に応じた操作信号をCPU410に出力する。
【0037】
表示部430は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等の表示装置により実現されるものであり、CPU410から入力される表示信号に基づく各種画面を表示する。
【0038】
通信部440は、無線通信モジュール、ルータ、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で構成され、外部(基地局50)との間でデータ通信を行う。
【0039】
外部入力部470は、案内放送システム10から伝送されてくる案内放送音声の音声信号をデジタル信号に変換するものであり、A/D変換器等を備えて構成される。
【0040】
記憶部450は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリや、内蔵或いはデータ通信端子で接続されたハードディスク、CD-ROM等の情報記憶媒体及びその読取装置等によって実現されるものであり、システムプログラム等のサーバコンピュータシステムとしての諸機能を実現するためのプログラムやデータ、CPU410に放送内容送信システム30全体を制御させるために必要なプログラムやデータ等が格納される。特に、第1実施形態を実現するため、案内放送管理プログラム451と、放送内容提供プログラム452と、音声認識処理プログラム453と、案内放送テーブル454と、放送区画特定用テーブル456とが格納される。
【0041】
案内放送管理プログラム451は、案内放送システム10から入力された案内放送音声に基づいて案内放送データを生成し、案内放送テーブル454として管理するためのプログラムであり、CPU410は、この案内放送管理プログラム451に従って案内放送管理処理を行う。
【0042】
放送内容提供プログラム452は、利用者端末70aから放送内容提供要求が通知された際に、放送内容データを生成して当該利用者端末70aに送信する制御を行うためのプログラムであって、当該放送内容提供要求とともに通知された現在位置データに応じて案内放送データ455(図4参照)を案内放送テーブル454から抽出するための第1案内放送抽出プログラム452aを含む。CPU410は、この放送内容提供プログラム452に従って放送内容提供処理を行う。
【0043】
音声認識処理プログラム453は、案内放送システム10から入力された案内放送音声を音声認識(音素解析)してテキストデータに変換し、形態素解析や構文解析、意味解析等によりその意味内容を解析してキーワードを抽出するためのプログラムであり、CPU410は、この音声認識処理プログラム453に従って音声認識処理を実行する。尚、詳細な音声分析及び意味解析については、適宜公知の技術を用いて実現することとし、ここでの説明は省略する。
【0044】
案内放送テーブル454は、案内放送システム10で放送された案内放送音声に基づいて生成される案内放送データ455を蓄積記憶する。図4は、案内放送テーブル454のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、案内放送テーブル454には、案内放送音声455aと、出力放送システムID455bと、放送時刻455cと、案内放送テキスト455dと、キーワード455eと、放送ID455fとが対応付けられた案内放送データ455(455-1,2,3・・・)が蓄積される。
【0045】
出力放送システムID455bには、当該案内放送音声455aを伝送した案内放送システム10の放送システムIDが設定される。
放送時刻455cには、当該案内放送音声455aが案内放送システム10で放送されて案内放送管理サーバ40aに伝送されてきたときの時刻(放送開始時刻)と、放送が終了されて伝送され終わったときの時刻(放送終了時刻)とが設定される。
案内放送テキスト455dには、当該案内放送音声455aに対する音声認識処理の結果変換されたテキストデータが設定される。
キーワード455eには、当該案内放送音声455aに対する意味解析の結果抽出されたキーワードが設定される。
放送ID455fは、案内放送音声455aを識別するためのID情報であり、当該案内放送データ455の生成時に割り当てられる。
【0046】
CPU410は、案内放送管理処理において、案内放送システム10から案内放送音声が入力されたならば案内放送データ455を生成し、案内放送テーブル454として管理するが、この際、出力放送システムID455bとして当該案内放送音声を放送した案内放送システム10の放送システムIDが設定されている案内放送データ455を参照し、キーワード455eを照査して更新対象の案内放送データ455を検索する。更新対象の案内放送データ455が検索されたならば、CPU410は、当該更新対象の案内放送データを上書きして案内放送テーブル454を更新する。
【0047】
具体例としては例えば、新たに生成された案内放送データのキーワード455eとして「XX線」「10分」「遅れ」「運転中」の各キーワードが設定されている場合には、図4に示す案内放送データ455-1が更新対象として検索され、遅延時間「15分」を案内した案内放送音声に基づく案内放送データ455が、最新の運行状況である遅延時間「10分」を案内した案内放送音声に基づく案内放送データで上書きされる。また、新たに生成された案内放送データから抽出されたキーワードが、案内放送テーブル454に格納されている案内放送データ455のキーワード455eと一致する場合には、当該案内放送データ455が新たに生成された案内放送データによって上書きされる。
【0048】
一方、更新対象の案内放送データがない場合には、CPU410は、当該生成した案内放送データ455を追加して案内放送テーブル454を更新する。またCPU410は、放送時刻455cから所定時間が経過した案内放送データ455を削除して案内放送テーブル454を更新する。
【0049】
放送区画特定用テーブル456は、放送区画と、当該放送区画内の基地局50との対応関係を記憶する。図5は放送区画特定用テーブル456のデータ構成例を示す図である。この放送区画特定用テーブル456には、放送区画として駅構内の各案内放送システム10に割り当てられた放送システムIDが設定され、当該放送システムIDと対応付けてその放送区画内に設置された基地局50の基地局IDが設定される。
【0050】
CPU410は、第1案内放送抽出処理において、利用者端末70aから放送内容提供要求が通知されたならばこの放送区画特定用テーブル456を参照し、当該放送内容提供要求とともに通知された基地局IDをもとに当該利用者端末70aが位置する放送区画を特定して検出する。
【0051】
(利用者端末)
図6は、第1実施形態における利用者端末70aの機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、利用者端末70aは、CPU710と、入力部720と、表示部730と、送受話部740と、無線通信部750と、記憶部760とを備えて構成されている。
【0052】
CPU710は、記憶部760に格納されるプログラムやデータ、無線通信部750を介して利用者端末70aと接続される基地局50から送信されたデータ、入力部720から入力される操作信号等に基づいて利用者端末70aを構成する各機能部への指示やデータの転送等を行い、利用者端末70aを統括的に制御する。
【0053】
入力部720は、各種機能が割り当てられたボタンスイッチ等により実現されるものであり、操作入力に応じた操作信号をCPU710に出力する。
【0054】
表示部730は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等の表示装置により実現されるものであり、CPU710から入力される表示信号に基づく各種画面を表示する。
【0055】
送受話部740は、送話音声を入力するとともに、受話音声や着信音等を音出力するためのものであり、マイクやスピーカ等で構成される。
【0056】
無線通信部750は、基地局50と接続し、案内放送管理サーバ40aとのデータ通信を行うためのものであり、無線信号の送受信を行うアンテナ、RF変換器等によって実現される。
【0057】
記憶部760は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ等によって実現されるものであり、利用者端末70aの動作に係る各種プログラムや当該プログラムによる処理結果等のデータが格納される。特に、第1実施形態を実現するため、第1放送内容出力プログラム761と、現在位置データ762と、受信済み放送ID763が格納される。
【0058】
第1放送内容出力プログラム761は、基地局50の通信エリアに進入して当該基地局50との通信が確立された際に放送内容提供要求を案内放送管理サーバ40aに通知し、これに応答して案内放送管理サーバ40aから送信された放送内容データを出力するためのプログラムであり、CPU710は、この第1放送内容出力プログラム761に従って第1放送内容出力処理を行う。
【0059】
詳細には、放送内容提供要求を案内放送管理サーバ40aに送信する際、CPU710は、基地局50との通信が確立されて基地局IDを取得した場合であって、当該取得した基地局IDが前回取得した基地局IDと異なる場合に、現在位置データ762とともに放送内容提供要求を案内放送管理サーバ40aに通知する。またCPU710は、取得した基地局IDと前回取得した基地局IDとが同一の場合であっても、所定の放送内容出力操作が為された場合には、現在位置データ762とともに放送内容提供要求を案内放送管理サーバ40aに通知する。
そして、CPU710は、案内放送管理サーバ40aから放送内容データを受信したならば、これを表示する制御を行う。
【0060】
現在位置データ762は、利用者端末70aの現在位置を特定するための情報であって、通信が確立された基地局50から取得した基地局ID762aと、当該通信が確立された際の通信確立時刻762bを含む。この現在位置データ762は、利用者端末70aと基地局50との通信が確立される度に更新される。
【0061】
受信済み放送ID763は、過去に受信した放送内容データに設定されていた放送IDの一覧を記憶する。案内放送管理サーバ40aから放送内容データを受信した際、当該受信した放送内容データに設定されている放送IDが受信済み放送ID763に追加される。
【0062】
[処理の流れ]
次に、図7~図9を参照して、第1実施形態における案内放送管理サーバ40a及び利用者端末70aの処理の流れについて説明する。
【0063】
先ず、案内放送管理サーバ40aにおける案内放送管理処理の流れについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。尚、ここで説明する処理は、CPU410が案内放送管理プログラム451を読み出して実行することによって実現される。
【0064】
案内放送管理処理では、CPU410は、案内放送システム10から案内放送音声が入力された場合に(ステップa10:YES)、先ず音声認識処理を実行する(ステップa20)。この音声認識処理では、CPU410は、案内放送音声を音声認識してテキストデータに変換し(ステップa21)、続いて変換されたテキストデータの意味内容を解析してキーワードを抽出する(ステップa23)。この音声認識処理の結果に基づいて、CPU410は、案内放送データを生成する(ステップa30)。
【0065】
続いてCPU410は、ステップa30で生成した案内放送データの出力放送システムID455b及びキーワード455eに基づいて、案内放送テーブル454の中から更新対象の案内放送データ455を検索する(ステップa40)。更新対象の案内放送データ455が検索されたならば(ステップa50:YES)、CPU410は、当該更新対象の案内放送データを上書きして案内放送テーブル454を更新する(ステップa60)。これによれば、新たに生成した案内放送データと類似する内容の案内放送データ455が有るならば、当該案内放送データ455を新たに生成した案内放送データで上書きするので、案内放送テーブル454に同じ内容の案内放送データを重複して保存しないようにすることができる。一方、更新対象の案内放送データが検索されなかった場合には(ステップa50:NO)、CPU410は、生成した案内放送データを追加して案内放送テーブル454を更新する(ステップa70)。
【0066】
続いてCPU410は、放送時刻455cと現在時刻とを比較し、放送時刻455cから所定時間(例えば、10分)が経過した案内放送データを削除して案内放送テーブル454を更新する(ステップa80)。そして、CPU410は、ステップa10に戻って新たな案内放送音声が入力されるまで待機し、案内放送音声が入力されたならば上記した処理を実行する。
【0067】
次に、利用者端末70aにおける第1放送内容出力処理の流れ、及び案内放送管理サーバ40aにおける放送内容提供処理の流れについて、図8に示すフローチャートを参照して説明する。尚、ここで説明する処理は、利用者端末70aにおいてCPU710が第1放送内容出力プログラム761を読み出して実行し、案内放送管理サーバ40aにおいてCPU410が第1案内放送抽出プログラム452aを含む放送内容提供プログラム452を読み出して実行することにより実現される。
【0068】
第1放送内容出力処理では、利用者端末70aのCPU710は、利用者端末70aと基地局50との通信が確立された場合に(ステップb10:YES)、当該基地局50から基地局IDを取得する(ステップb20)。そして、CPU710は、取得した基地局IDと基地局ID762a(すなわち、前回取得した基地局ID)とを比較して同一か否かを判定し、取得した基地局IDが前回取得した基地局とが異なる場合には(ステップb30:NO)、ステップb50に移行する。またこのとき、CPU710は、取得した基地局IDと現在時刻とに基づいて現在位置データ762を更新する。
【0069】
一方CPU710は、取得した基地局IDと前回取得した基地局とが同一の場合には(ステップb30:YES)、所定の放送内容出力操作を受け付け、放送内容出力操作が為されたならば(ステップb40:YES)、ステップb50に移行する。またこのとき、CPU710は、通信確立時刻762bを現在時刻で更新する。
【0070】
そして、ステップb50においてCPU710は、現在位置データ762とともに放送内容提供要求を案内放送管理サーバ40aに送信する。
【0071】
これに応答し、案内放送管理サーバ40aでは放送内容提供処理が実行される。すなわち、CPU410は、放送内容提供要求を受信したならば(ステップc10:YES)、第1案内放送抽出プログラム452aに従って第1案内放送抽出処理を実行する(ステップc20)。図9は、第1案内放送抽出処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0072】
第1案内放送抽出処理では、CPU410は、先ず放送区画特定用テーブル456を参照し、当該放送内容提供要求とともに通知された基地局IDをもとに当該利用者端末70aが位置する放送区画を特定して検出する(ステップd10)。
【0073】
次に、CPU410は、案内放送テーブル454を参照し、出力放送システムID455bとして、ステップd10で検出した放送区画の放送システムIDが設定された案内放送データ455を抽出し(ステップd30)、本処理を終了する。
【0074】
図8に戻り、CPU410は、第1案内放送抽出処理の結果抽出された案内放送データ455に設定された放送ID455fを当該利用者端末70aに送信する制御を行う(ステップc21)。
【0075】
利用者端末70aでは、CPU710は、放送IDを受信したならば(ステップb51:YES)、受信済み放送ID763を照査して当該受信した放送IDが設定されているか否かを判定する。設定されている場合には、CPU710は、当該放送IDは受信済みと判定して(ステップb52:YES)、受信済みフラグを“ON”に設定する(ステップb53)。一方、初めて受信した放送IDの場合には(ステップb52:NO)、CPU710は、受信済みフラグを“OFF”に設定する(ステップb54)。
【0076】
そして、CPU710は、ステップb53又はステップb54で設定した受信済みフラグの情報を案内放送管理サーバ40aに送信する制御を行う(ステップb55)。そして、送信した受信済みフラグが“OFF”の場合には(ステップb56:YES)、CPU710は、ステップb60に移行して放送内容データを受信するまで待機状態となる。
【0077】
案内放送管理サーバ40aでは、CPU410は、受信済みフラグを受信したならば(ステップc22:YES)、当該受信済みフラグを判定し、“OFF”が設定されている場合に(ステップc23:YES)、ステップc30に移行する。すなわち、CPU410は、ステップc20の第1案内放送抽出処理の結果抽出された案内放送データ455に設定された出力放送システムID455b、案内放送テキスト455d、及び放送ID455fを対応付けて放送内容データを生成し(ステップc30)、生成した放送内容データを当該利用者端末70aに送信する制御を行う(ステップc40)。
【0078】
利用者端末70aでは、放送内容データを受信したならば(ステップb60:YES)、CPU710は、受信した放送内容データを表示部730に表示させる(ステップb70)。またこのとき、CPU710は、受信した放送内容データに設定されている放送IDを受信済み放送ID763に追加して更新する(ステップb75)。
【0079】
そして、CPU710は、例えば所定の終了操作が為されたならば(ステップb80:YES)、本処理を終了する。
【0080】
以上説明したように、第1実施形態によれば、利用者端末70aが位置する放送区画で放送された案内放送の内容を当該利用者端末70aに提供することができる。また、利用者端末70aからのリクエストに応じて案内放送の内容を提供することができる。したがって、案内放送システム10で放送された揮発的な案内放送の内容を記憶しておき、利用者端末70aに適切に提供することができる。
【0081】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。尚以下では、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して説明は省略する。
第2実施形態では、案内放送管理サーバ40bが、第1実施形態と同様に案内放送システム10で放送された案内放送音声を収集して管理する。そして案内放送管理サーバ40bは、利用者端末70bからの案内放送提供要求に応答して当該管理している全ての案内放送音声を当該利用者端末70bに配信する。そして、利用者端末70bにおいて、配信された案内放送音声の中から案内放送データを抽出して放送内容データを生成し、生成した放送内容データを出力する制御を行う。
【0082】
[機能構成]
次に、第2実施形態における案内放送管理サーバ40b及び利用者端末70bの機能構成について順に説明する。
【0083】
(案内放送管理サーバ)
図10は、第2実施形態における案内放送管理サーバ40bの機能構成の一例を示すブロック図である。案内放送管理サーバ40bは、CPU410と、入力部420と、表示部430と、通信部440と、外部入力部470と、記憶部460とを備えて構成されている。
【0084】
第2実施形態では、記憶部460には、案内放送管理プログラム451と、案内放送配信プログラム462と、音声認識処理プログラム453と、案内放送テーブル454とが格納される。
【0085】
案内放送配信プログラム462は、利用者端末70bから案内放送提供要求が通知された際に、案内放送テーブル454を当該利用者端末70bに送信するためのプログラムであり、CPU410は、この案内放送配信プログラム462に従って案内放送配信処理を行う。
【0086】
(利用者端末)
図11は、第2実施形態における利用者端末70bの機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、利用者端末70bは、CPU710と、入力部720と、表示部730と、送受話部740と、無線通信部750と、記憶部770とを備えて構成されている。
【0087】
第2実施形態では、記憶部770には、第2放送内容出力プログラム771と、放送区画特定用テーブル772と、基地局ID762a及び通信確立時刻762bを含む現在位置データ762と、移動予定情報773と、出力形式設定情報774と、受信案内放送テーブル775とが格納される。
【0088】
第2放送内容出力プログラム771は、基地局50との通信が確立された際に、案内放送提供要求を案内放送管理サーバ40bに通知するとともに、これに応答して案内放送管理サーバ40bから送信された案内放送テーブル(受信案内放送テーブル775)に基づいて放送内容データを出力するためのプログラムであって、現在位置データ762に応じて受信案内放送テーブル775から案内放送データを抽出するための第2案内放送抽出プログラム771aを含む。CPU710は、この第2放送内容出力プログラム771に従って第2放送内容出力処理を行う。
【0089】
放送区画特定用テーブル772は、放送区画と、当該放送区画内の基地局50との対応関係を記憶する。この放送区画特定用テーブル772は、第1実施形態において案内放送管理サーバ40aの記憶部450に記憶された放送区画特定用テーブル456(図5参照)と同様のデータテーブルであり、CPU710は、第2案内放送抽出処理においてこの放送区画特定用テーブル772を参照し、基地局ID762aをもとに利用者端末70bが位置する放送区画を特定して検出する。
【0090】
移動予定情報773は、予め設定された利用者の列車の乗り継ぎ行程等の移動データを記憶する。この移動予定情報773は、操作入力等に基づいて予め作成される。図12は、移動予定情報773のデータ構成例を示す図である。図12に示すように、移動予定情報773には、乗り継ぐ路線毎に、乗車駅、当該乗車駅からの発車時刻、及び発車番線が設定された乗車情報と、降車駅、当該降車駅への到着時刻、及び到着番線が設定された降車情報とが設定された移動データが格納される。尚、この移動予定情報773において、乗り継ぐ路線に係るデータの他、待合室等の立ち寄る待ち合わせ場所に係るデータ等を設定してもよい。
【0091】
CPU710は、第2案内放送抽出処理においてこの移動予定情報773を参照し、現在位置データ762をもとに利用者の移動先が含まれる放送区画を選出し、利用者端末70bが位置する放送区画の案内放送システム10に割り当てられた放送システムIDが設定された案内放送データ、及び選出した移動先の放送区画の放送システムIDが設定された案内放送データを受信案内放送テーブル775から抽出する。
【0092】
具体例としては例えば、現在時刻が「2005/06/21 14:09」であり、利用者が「EE駅」に居るとする。この場合には、CPU710は、乗車情報を照査して、「EE駅」での移動に係る移動データであって現在時刻以降の移動に係る移動データ(レコードL21)を検索する。そして、CPU710は、その発車番線「2番線ホーム」をもとに移動先の放送区画を選出する。この結果、移動先の放送区画である「2番線ホーム」で放送された案内放送の内容が出力されることとなる。
【0093】
出力形式設定情報774は、案内放送の内容を表示出力するか音声出力するかを決定するための設定情報であり、「テキスト表示」及び「音声出力」の何れか一方の出力形式がユーザ操作によって切り替えられて設定される。
CPU710は、第2放送内容出力処理において、第2案内放送抽出処理の結果抽出された案内放送データに基づいて放送内容データを生成するが、このとき、出力形式設定情報774に「テキスト表示」が設定されているならば出力放送システムIDと案内放送テキストとを対応付けた放送内容データを生成する。一方CPU710は、出力形式設定情報774に「音声出力」が設定されているならば出力放送システムIDと案内放送音声とを対応付けた放送内容データを生成する。
【0094】
受信案内放送テーブル775は、案内放送提供要求に応答して案内放送管理サーバ40bから送信された案内放送テーブルである。
【0095】
[処理の流れ]
次に、利用者端末70bにおける第2放送内容出力処理の流れ、及び案内放送管理サーバ40bにおける案内放送配信処理の流れについて、図13に示すフローチャートを参照して説明する。尚、ここで説明する処理は、利用者端末70bにおいてCPU710が第2案内放送抽出プログラム771aを含む第2放送内容出力プログラム771を読み出して実行し、案内放送管理サーバ40bにおいてCPU410が案内放送配信プログラム462を読み出して実行することにより実現される。
【0096】
第2放送内容出力処理では、利用者端末70bのCPU710は、利用者端末70bと基地局50との通信が確立された場合に(ステップe10:YES)、当該基地局50から基地局IDを取得する(ステップe20)。そして、CPU710は、取得した基地局IDと基地局ID762a(すなわち、前回取得した基地局ID)とを比較して同一か否かを判定し、取得した基地局IDと前回取得した基地局とが異なる場合には(ステップe30:NO)、ステップe40に移行する。またこのとき、CPU710は、取得した基地局IDと現在時刻とに基づいて現在位置データ762を更新する。
【0097】
ステップe40では、CPU710は、現在位置データ762とともに案内放送提供要求を案内放送管理サーバ40bに送信する。
【0098】
これに応答し、案内放送管理サーバ40bでは案内放送配信処理が実行される。すなわち、CPU410は、案内放送提供要求を受信したならば(ステップf10:YES)、記憶部460から案内放送テーブル454を読み出して当該利用者端末70bに送信する制御を行う(ステップf20)。
【0099】
利用者端末70bでは、案内放送テーブルを受信したならば(ステップe50:YES)、CPU710は、第2案内放送抽出処理を実行する(ステップe60)。図14は、第2案内放送抽出処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0100】
第2案内放送抽出処理では、CPU710は、先ず放送区画特定用テーブル772を参照し、基地局ID762aをもとに当該利用者端末70bが位置する放送区画を特定して検出する(ステップg10)。続いてCPU710は、移動予定情報773を参照し、現在時刻をもとに利用者の移動先の放送区画を選出する(ステップg20)。
【0101】
そして、CPU710は、受信案内放送テーブル775を参照し、出力放送システムIDとしてステップg10で特定した放送区画及びステップg20で選出した移動先の放送区画の放送システムIDが設定された案内放送データを抽出して(ステップg30)、本処理を終了する。
【0102】
図13に戻り、第2案内放送抽出処理を終了したならば、CPU710は、出力形式設定情報774を参照して出力形式を判定する(ステップe70)。そして、CPU710は、出力形式が「テキスト表示」ならば、ステップe60で抽出した案内放送データに設定された出力放送システムIDと案内放送テキストとを対応付けて放送内容データを生成し(ステップe80)、生成した放送内容データに従って案内放送テキストを表示部730に表示させる(ステップe90)。
【0103】
一方CPU710は、出力形式が「音声出力」ならば、ステップe60で抽出した案内放送データに設定された出力放送システムIDと案内放送音声とを対応付けて放送音声データを生成し(ステップe100)、生成した放送内容データに従って案内放送音声を送受話部740のスピーカから音出力させる(ステップe110)。
【0104】
またCPU710は、例えば所定の終了操作が為されたならば(ステップe120:YES)、本処理を終了する。
【0105】
以上説明したように、第2実施形態によれば、案内放送システム10で放送された案内放送の内容を利用者端末70bに送信することができる。そして、利用者端末70bにおいて、当該利用者端末70bが位置する放送区画で放送された案内放送の内容と、当該利用者端末70bを携行する利用者の移動先の放送区画で放送された案内放送の内容とを出力することができる。したがって、案内放送システム10で放送された揮発的な案内放送の内容を利用者端末70bの利用者に対して適切に提供することができる。
【0106】
また、案内放送の内容の出力形式をユーザ操作に従って切り替え、案内放送の内容を出力する際には、指定された出力形式に従って表示出力又は音出力することができる。
【0107】
[変形例]
以上、本発明についての好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0108】
例えば上記した第1実施形態では、案内放送管理サーバ40aにおいて、利用者端末70aが位置する放送区画の放送システムIDが設定された案内放送データを抽出し、抽出した案内放送データに基づいて放送内容データを生成して当該利用者端末70aに送信することとしたが、以下のようにしてもよい。
【0109】
すなわち、利用者端末70aにおいて、第2実施形態で説明した移動予定情報及び出力形式設定情報をユーザ操作に従って作成・記憶しておく。利用者端末70aは、基地局50との通信が確立されたならば案内放送管理サーバ40aに放送内容提供要求を通知するが、このとき、現在位置データに加えて、移動予定情報及び出力形式設定情報を案内放送管理サーバ40aに通知する。
【0110】
一方、案内放送管理サーバ40aでは、放送内容提供要求とともに通知された現在位置データと移動予定情報とに基づいて移動先が含まれる放送区画を選出し、当該選出した移動先の放送区画の放送システムIDが設定された案内放送データを抽出する。
【0111】
そして、案内放送管理サーバ40aは、放送内容提供要求とともに通知された出力形式設定情報に従い、「テキスト表示」が設定されているならば抽出した案内放送データに設定されている出力放送システムIDと案内放送テキストとを対応付けた放送内容データを生成する。また案内放送管理サーバ40aは、出力形式設定情報に「音声出力」が設定されているならば抽出した案内放送データに設定されている出力放送システムIDと案内放送音声とを対応付けた放送内容データを生成する。そして、案内放送管理サーバ40aは、生成した放送内容データを、放送内容提供要求を通知した利用者端末70aに送信する。
【0112】
これにより、利用者の移動先の放送区画で放送された案内放送の内容を抽出し、利用者端末70aに提供することが可能となる。またこのとき、提供する案内放送の内容を、ユーザ操作によって指定された出力形式で出力させるための放送内容データを生成して、当該利用者端末70aに送信することができる。
【0113】
また、この場合に、案内放送管理サーバ40aが、案内放送システム10から案内放送音声が入力された場合に当該案内放送音声の有効時間範囲を判定し、判定した当該有効時間範囲を更に対応付けて設定した案内放送データを生成することとしてもよい。
【0114】
この場合には、案内放送管理サーバ40aにおいて、各放送区画間の移動時間を定義したテーブルを用意しておく。そして、案内放送管理サーバ40aは、利用者端末70aから放送内容提供要求が通知された場合に、放送内容提供要求とともに通知された現在位置データと移動予定情報とに基づいて、当該利用者端末70aが位置する放送区画から移動先が含まれる放送区画への移動時間を読み出し、現在位置データの通信確立時刻と読み出した移動時間とに基づいて、当該送信対象区画への到着時間を予測する。そして案内放送管理サーバ40aは、抽出した案内放送データに設定されている有効時間範囲を照査し、予測した到着時間が有効時間範囲を超過しない案内放送データに基づいて放送内容データを生成し、利用者端末70aに送信する制御を行う。
【0115】
ここで、具体例について図15を参照し、放送区画「地下A口改札外コンコース」に到着した利用者が、「地下ホーム」に移動する場合を例にとって説明する。図15において、横軸を時刻(t)として、「地下ホーム」で放送された放送hの有効時間範囲「13:15」~「13:45」を示している。ここで、例えば、放送区画「地下ホーム」と放送区画「地下A口改札外コンコース」との間の移動時間が「10分」であったとする。
【0116】
この場合には、有効時間範囲「13:15」~「13:45」と移動時間「10分」とに基づいて、到着時間が有効時間範囲を超過するか否かが判定される。例えば、「13:30」に「地下A口改札外コンコース」に到着した利用者Hの「地下ホーム」への到着時間は「13:40」と予測され、有効時間範囲を超過しないため、当該利用者Hが携行する利用者端末70aに放送hの内容が提供される。一方「13:40」に「地下A口改札外コンコース」に到着した利用者Iの「地下ホーム」への到着時間は「13:50」と予測され、有効時間範囲を超過するため、当該利用者Iが携行する利用者端末70aには放送hの内容は提供されない。すなわち、「地下ホーム」を移動先の放送区画とする利用者のうち、「13:15」~「13:35」の間に「地下A口改札外コンコース」に到着した利用者の利用者端末70aに対して、放送hの内容が提供されることとなる。
【0117】
また、通常ダイヤや運転整理案(回復ダイヤ)等のダイヤ情報に従って案内放送音声の有効時間範囲を判定することとしてもよい。例えば、発時刻が「14:00」である列車の運行に関する案内放送の有効時間範囲として、「14:00」を設定しておく。そして、「14:00」を過ぎたならば、当該案内放送のデータを案内放送テーブル454から削除する。
【0118】
尚、上記した第2実施形態において、案内放送管理サーバ40bが、案内放送システム10から案内放送音声が入力された場合に当該案内放送音声の有効時間範囲を判定し、判定した当該有効時間範囲を更に対応付けて設定した案内放送データを生成することとしてもよい。
【0119】
この場合には、利用者端末70bにおいて放送区画と送信対象区画との対応関係を設定した送信対象区画特定用テーブルと、各放送区画間の移動時間を定義したテーブルを用意しておく。そして、利用者端末70bにおいて、当該利用者端末70bが位置する放送区画から当該放送区画に対する送信対象区画への移動時間を読み出し、現在位置データ762の通信確立時刻762bと読み出した移動時間とに基づいて、当該送信対象区画への到着時間を予測する。そして利用者端末70bは、抽出した案内放送データに設定されている有効時間範囲を照査し、予測した到着時間が有効時間範囲を超過しない案内放送データに基づいて放送内容データを生成し、生成した放送内容データを出力する。
【0120】
また駅構内の放送区画毎に、放送内容送信システムを構築することとしてもよい。図16は、この場合のシステム全体の構成を説明するための図である。図16に示すように、「中央口改札内コンコース」や「1番線ホーム」といった放送区画それぞれに案内放送管理サーバ40cを設置することとしてもよい。この場合には、案内放送管理サーバ40cは、ネットワークN10を介して基地局50と接続されて放送内容送信システム30cを構成しており、該当する放送区画に向けて案内放送を行うための案内放送システム10と接続されるとともに、基地局50を介して当該放送区画に位置する利用者端末70と接続される。そして、案内放送管理サーバ40cは、該当する放送区画に位置する利用者端末70に対して当該放送区画で放送された案内放送の内容を提供する。
【0121】
また上記した実施形態では、案内放送管理サーバ40は、基地局IDによって利用者端末70が位置する放送区画を特定することとしたが、次のようにしてもよい。すなわち、利用者端末70を、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信するGPSアンテナ等を具備した構成とする。そして、GPSアンテナで受信した電波からその絶対位置(緯度・経度等)を測位し、測位した絶対位置とともに放送内容提供要求を案内放送管理サーバ40に通知することとしてもよい。この場合には、案内放送管理サーバ40では、放送区画と、当該放送区画の絶対位置との対応関係を管理し、放送内容提供要求とともに通知された絶対位置によって利用者端末70が位置する放送区画を特定する。
【0122】
またこの場合に、予め改札口やホーム等の駅構内の所定位置や、乗降口や座席等の車両内の所定位置に、配置場所に係るデータを記憶したICタグを配置しておく。一方、利用者端末70を、前述のICタグと交信するためのタグ読取装置を具備した構成とする。そして、利用者端末70が、ICタグとの近距離無線通信を行って当該ICタグに記憶されている配置場所に係るデータを読み出すことによって、GPS機能により測位した絶対位置を補正することとしてもよい。
【0123】
また上記した第2実施形態では、案内放送管理サーバ40bは、移動予定情報773を参照して利用者の移動先の放送区画を選出することとしたが、電子切符サービス等によって利用者が携行する利用者端末70bに対して発行された切符情報によって放送区画を選出することとしてもよい。この場合には、利用者端末70bでは、前述の切符情報を管理し、この切符情報とともに放送内容提供要求を案内放送管理サーバ40bに通知する。そして、案内放送管理サーバ40bでは、放送内容提供要求とともに通知された切符情報をもとに利用者の移動先が含まれる放送区画を選出する。
【0124】
またこのとき、放送内容提供要求とともに通知された切符情報からその種類を判別し、判別した切符の種類に応じて放送区画を選出することとしてもよい。これによれば、例えば、新幹線の特急券を含む切符情報が通知された場合には、新幹線のホームを放送区画とする案内放送システム10で放送された案内放送の内容を当該利用者端末70bに提供するといったことが可能となる。
【0125】
また上記した実施形態では、新たに生成した案内放送データが過去に生成した案内放送データ455と類似している場合には、これを新たな案内放送データによって上書きすることとしたが、以下のようにしてもよい。例えば、聴覚障害者に対して放送内容を提供する場合を想定し、新たな放送の内容が過去の放送の内容と類似している場合であっても、当該新たな放送の内容を提供することとしてもよい。聴覚障害者は、放送が流れたときにその場にいても、放送があったことを判断できない。そのため、放送が流れたときにリアルタイムに送ることを考える。図7で説明したステップa30の処理の後、生成した案内放送データを、その放送区画に位置する全ての利用者端末70に送信する。一方利用者端末側では、ユーザ操作によって聴覚障害モードが設定されている場合に、受信した案内放送データを表示出力する。
【0126】
また、上記した実施形態では、抽出したキーワードが一致するか否かによって新たに生成した案内放送データが過去に生成した案内放送データ455と類似しているか否かを判定することとしたが、案内放送音声を音声認識した結果変換されたテキストデータの構文解析情報に基づきマッチングを行う等の既存の手法を利用し、類似性を判定することとしてもよい。
【0127】
また本発明の放送内容送信システムは、鉄道施設での利用に限定されるものではなく、例えばデパートやイベント会場、アミューズメント施設、公共施設等、不特定多数の利用者を対象とした放送案内を行う場所であれば、同様に適用可能である。
【0128】
例えば、デパートに適用した場合には、開催期間中を有効時間範囲としたタイムサービスや催し物に係る案内放送や、閉店時間までの間を有効時間範囲とした売り場変更の案内放送に適用することができる。したがって、利用者に対して案内放送の内容を適切に提供することができるとともに、同じ内容の放送を何度も行う必要がなくなる。
また、アミューズメント施設に適用した場合には、開催期間中を有効時間範囲とした臨時アトラクションやイベントの開催場所等に係る案内放送や、閉園時間までの間を有効時間範囲とした個々のアトラクションの待ち時間や運営時間変更等の案内放送、入場規制や運営中止に係る案内放送に適用することができる。
また、公共施設に適用した場合には、保護者や持ち主が見つかるまでの間を有効時間範囲とした迷子や落し物の案内放送に適用することができる。
また、高速道路や登山道等に適用した場合ならば、落石注意や足場注意といった警告を行う放送や、天候に関する情報の放送に適用することができる。
【0129】
また、放送業務の引継ぎの際に利用することもできる。すなわち、放送業務を引き継いで行う担当者に前の担当者が行った放送の内容を提供することによって、前の担当者の放送内容を確認することができ、引継ぎをスムーズに行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】システム全体の構成を説明するための図。
【図2】第1実施形態の概要を説明するための図。
【図3】第1実施形態における案内放送管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図。
【図4】案内放送テーブルのデータ構成例を示す図。
【図5】放送区画特定用テーブルのデータ構成例を示す図。
【図6】第1実施形態における利用者端末の機能構成の一例を示すブロック図。
【図7】案内放送管理処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図8】利用者端末における第1放送内容出力処理の流れ、及び案内放送管理サーバにおける放送内容提供処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図9】第1案内放送抽出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図10】第2実施形態における案内放送管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図。
【図11】第2実施形態における利用者端末の機能構成の一例を示すブロック図。
【図12】スケジュールデータのデータ構成例を示す図である。
【図13】利用者端末における第2放送内容出力処理の流れ、及び案内放送管理サーバにおける案内放送配信処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図14】第2案内放送抽出処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図15】有効時間範囲について説明するための図。
【図16】システム全体の構成の変形例を説明するための図。
【符号の説明】
【0131】
10 案内放送システム
11,15 マイク
13 スピーカ
30 放送内容送信システム
40a 案内放送管理サーバ
410 CPU
420 入力部
430 表示部
440 通信部
470 外部入力部
450 記憶部
451 案内放送管理プログラム
452 放送内容提供プログラム
452a 第1案内放送抽出プログラム
453 音声認識処理プログラム
454 案内放送テーブル
456 放送区画特定用テーブル
50 基地局
70a 利用者端末
710 CPU
720 入力部
730 表示部
740 送受話部
750 無線通信部
760 記憶部
761 第1放送内容出力プログラム
762 現在位置データ
762a 基地局ID
762b 通信確立時刻
763 受信済み放送ID
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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