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明細書 :チョッパ装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4719030号 (P4719030)
公開番号 特開2007-228660 (P2007-228660A)
登録日 平成23年4月8日(2011.4.8)
発行日 平成23年7月6日(2011.7.6)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
発明の名称または考案の名称 チョッパ装置
国際特許分類 H02M   3/155       (2006.01)
H02H   7/12        (2006.01)
FI H02M 3/155 C
H02M 3/155 B
H02H 7/12 E
請求項の数または発明の数 2
全頁数 7
出願番号 特願2006-043890 (P2006-043890)
出願日 平成18年2月21日(2006.2.21)
審査請求日 平成20年4月4日(2008.4.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000003115
【氏名又は名称】東洋電機製造株式会社
発明者または考案者 【氏名】小笠 正道
【氏名】上園 恵一
【氏名】丸山 真範
個別代理人の代理人 【識別番号】100100413、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 温
審査官 【審査官】天坂 康種
参考文献・文献 実開平01-180186(JP,U)
実開昭58-138122(JP,U)
特開平09-019159(JP,A)
特開2003-070238(JP,A)
調査した分野 H02M 3/155
H02H 7/12
特許請求の範囲 【請求項1】
チョッパ装置であって、
直流電源の第1の端子に接続された一端を有する第1の接触器と
充電電流制限抵抗器第2の接触器とが並列接続された並列回路であって、前記第1の接触器の他端に接続された一端を有する前記並列回路と、
前記並列回路の他端と前記直流電源の第2の端子との間にフィルタ回路を介して接続された第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子を含み、直列接続された前記第1及び第2のスイッチング素子がゲート信号に従って交互にオン/オフすることによりパルス電圧を生成するチョッパ回路と、
前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点と前記チョッパ装置の出力端子との間の信号経路に列接された第3の接触器と、
前記第1の接触器を閉じる第1の指令信号が出力されてから一定時間後に遅延信号を出力するタイマ回路と、
前記チョッパ回路に印加される電源電圧を検出する電圧検出器と、
記電圧検出器によって検出された電圧を設定値と比較し、前記電圧検出器によって検出された電圧が設定値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、
前記タイマ回路から出力される遅延信号と前記比較器から出力される比較信号との論理和を求めるAND回路と
記第1の接触器を閉じる第1の指令信号を出力した後に、前記AND回路によって求められた論理和が真であるときに、前記第2及び第3の接触器をそれぞれ閉じる第2及び第3の指令信号を出力する駆動回路と
を具備するョッパ装置。
【請求項2】
制御指令器からの制御指令に従ってゲート開始信号及び電源投入開始信号を生成するシーケンス演算部と、
前記シーケンス演算部によって生成されたゲート開始信号に応答してゲート信号を生成する論理回路部と、
をさらに具備し、
前記駆動回路が、前記シーケンス演算部によって生成された電源投入開始信号に応答して第1の指令信号を出力した後に、前記AND回路によって求められた論理和が真であるときに第2及び第3の指令信号を出力する、請求項1記載のチョッパ装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、チョッパ装置に関するものである。特には、主回路機器に新規部品を追加することなく起動時の制御方法の変更のみで電源側と負荷側からの多大な短絡電流を防止することによって、半導体スイッチング素子故障を防ぎ他の回路への悪影響を最小限に抑える保護回路を簡便且つ安価に構成することができるチョッパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、一般的なチョッパ装置の構成を示す図である。図3において、チョッパ装置は、第1の接触器101と、第1の接触器101の電磁コイル101aと、第1の接触器101の連動補助接点101bと、第2の接触器102と、第2の接触器102の電磁コイル102aと、第2の接触器102の連動補助接点102bと、充電電流制限抵抗器103と、フィルタ回路を構成するフィルタリアクトル104と、同様のフィルタコンデンサ105と、チョッバ回路の制御に用いる電圧検出器106と、チョッパ回路107と、スムージングリアクトル108と、制御指令器110と、シーケンス演算部111と、論理回路部112と、ゲート指令増幅器113と、タイマ回路114と、増幅部117と、第1の接触器投入用補助継電器の電磁コイル119aと、第1の接触器投入用補助継電器の接点119bと、駆動回路の各電磁コイルの電源131と、第1の接触器投入指令LBと、チョッパの高圧側の入力端子Pと、チョッバの接地側の端子Gと、を備えている。チョッパ回路107は半導体スイッチング素子107a,107bおよびこれに並列接続するフリーホイールダイオード171a,171bにて構成されている。
【0003】
図3において、制御指令器110により制御指令が与えられると、シーケンス演算部111から第1の接触器投入指令LBが出力され、増幅部117を通して電磁コイル119aが励磁され、その接点119bにより電源131から投入用電磁コイル101aに電圧が印加されて第1の接触器101が閉る。これにより、直流電源からの電流は、第1の接触器101、充電電流制限抵抗器103、フィルタリアクトル104を通してフィルタコンデンサ105を充電する。
【0004】
次に、その連動する補助接点101bが閉じ、タイマ回路114に入力信号が与えられる。このタイマ回路114はー定時間(通常チョッパ回路が充分動作可能となる電圧までフィルタコンデンサ105が充電される時間)後に信号を出力し、電磁コイル102aを励磁し、第2の接触器102を閉じて充電電流制限抵抗器103を短絡する。一方前記シーケンス演算部111は、第2の接触器102が閉じることによりその連動する補助接点102bを通して第2の接触器投入完了信号CCSを受け、論理回路部112に半導体スイッチング素子のゲート開始信号GSSを与える。論理回路部112は、ゲート開始信号GSSと制御指令器110から与えられるパルスモードを指令するシーケンス演算部111からのゲート指令信号によって、ゲート指令増幅器113を通してチョッパ回路107の半導体スイッチング素子107a,107b(図3ではIGBTを使用した場合を示す)にゲート信号を印加する。これにより、チョッパ回路107はPWM制御を開始し、出力を得る。

【特許文献1】特願2003-18702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような構成のチョッパ装置では、チョッパ回路の半導体素子のいずれかが短絡故障していると、直流電源およびチョッパの入力回路に多大の電流が流れる欠点があった。すなわち、図3において、一例としてIGBT107bが短絡故障している場合チョッパのゲート開始指令信号GSSによってIGBT107aにオンゲート信号が印加され、このIGBT107aが点弧した時に本チョッパ回路はアーム短絡モードになり、多大の電流がチョッパ回路107に流れることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係るチョッパ装置は、直流電源の第1の端子に接続された一端を有する第1の接触器と充電電流制限抵抗器第2の接触器とが並列接続された並列回路であって、前記第1の接触器の他端に接続された一端を有する前記並列回路と、前記並列回路の他端と前記直流電源の第2の端子との間にフィルタ回路を介して接続された第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子を含み、直列接続された前記第1及び第2のスイッチング素子がゲート信号に従って交互にオン/オフすることによりパルス電圧を生成するチョッパ回路と、前記第1及び第2のスイッチング素子の接続点と前記チョッパ装置の出力端子との間の信号経路に列接された第3の接触器と、前記第1の接触器を閉じる第1の指令信号が出力されてから一定時間後に遅延信号を出力するタイマ回路と、前記チョッパ回路に印加される電源電圧を検出する電圧検出器と、前記電圧検出器によって検出された電圧を設定値と比較し、前記電圧検出器によって検出された電圧が設定値よりも大きい場合に比較信号を出力する比較器と、前記タイマ回路から出力される遅延信号前記比較器から出力される比較信号との論理和を求めるAND回路と、前記第1の接触器を閉じる第1の指令信号を出力した後に、前記AND回路によって求められた論理和が真であるときに、前記第2及び第3の接触器をそれぞれ閉じる第2及び第3の指令信号を出力する駆動回路とを具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のチョッパ装置によれば、主回路機器に新規部品を追加することなく起動時の制御方法の変更のみで電源側と負荷側からの多大な短絡電流を防止することによって、半導体スイッチング素子故障を防ぎ他の回路への悪影響を最小限に抑える保護回路を簡便且つ安価に構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明のチョッパ装置の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明のチョッパ装置を示す図である。図1において、本発明のチョッパ装置は、第1の接触器1と、第2の接触器2と、充電電流制限抵抗3と、フィルタリアクトル4と、フィルタコンデンサ5と、電圧検出器6と、チョッパ回路7と、スムージングリアクトル8と、第3の接触器9と、制御指令器10と、シーケンス演算部11と、論理回路部12と、ゲート指令増幅器13と、比較器15と、タイマ回路32と、比較器15およびタイマ回路32の出力を入力とするAND回路16と、増幅部17及び18と、第1の接触器投入用補助継電器の電磁コイル20aと、第1の接触器投入用補助継電器の接点20bと、第2の接触器投入用補助継電器の電磁コイル21aと、第2の接触器投入用補助継電器の接点21bと、電源31とを備えている。
【0011】
図1において、制御指令器10より、制御指令が与えられると、シーケンス演算部11において、第1の接触器投入指令LBが出力され、増幅部17を通して電磁コイル20aが励磁され、その接点20bにより電源31から投入用電磁コイル1aが励磁される。これと同時に、シーケンス演算部11から半導体スイッチング素子のゲート開始信号GSSを出力する。電磁コイル1aが励磁されると、第1の接触器1が閉じ、直流電源からの電流は、第1の接触器1、充電電流制限抵抗3、フィルタリアクトル4を通してフィルタコンデンサ5を充電する。
【0012】
一方、シーケンス演算部11から出力された半導体スイッチング素子のゲート開始信号GSS、およびパルスモードを指令する制御指令器10からのゲート制御指令信号によって、論理回路部12はゲート指令増幅器13を通してチョッパ回路7の半導体スイッチング素子7a、7b(図3と同様にIGBTを使用した例で以降単にIGBTと称す)にゲート信号を印加することにより、IGBT7a、7bの各素子はスイッチング動作を開始する。次に、IGBTのゲート信号の一例としての動作を説明する。
【0013】
図2は本発明の一実施例の波形図を示す。図2の波形に示すように、上アームのIGBT7aと下アームのIGBT7bを交互にオン、オフするパルスモードゲート制御指令信号においては、チョッパの出力電圧は発生せず、チョッパの負荷回路に不要な電流を流さない効果がある。さらに、負荷がバッテリ等の電位を持つものであった場合でも第3の接触器が開いているために負荷回路に不要な電流は流れない。また、スイッチング周波数Fsは、比較的高くした方が片側アームのIGBTが短絡故障している場合、チョッパの高圧側入力端子Pの電圧リップルを少なくする効果がある。
【0014】
また、シーケンス演算部11から出力された第1の接触器投入指令LBは、タイマ回路32に入力され、このタイマ回路32は一定時間後信号Aを出力する。
【0015】
この時、電圧検出器6で検出されたフィルタコンデンサ電圧は、比較器15に入力され、この比較器15はあらかじめ定められた(設定値)と力信号(フィルタコンデンサ電圧)とを比較し、入力信号が設定値より大きい場合信号Bを出力する。信号Aと信号Bとが出力されれば、AND回路16は信号Cを出力し、増幅部18を通して第2の接触器投入用補助継電器の電磁コイル21aが励磁される。
【0016】
その後、第2の接触器投入用補助継電器の接点21bにより、主回路接触器電磁弁用の電源31からコイル2aおよびコイル9aに電圧が印加され、第2の接触器2および第3の接触器9が閉じる。信号Cは論理回路部12にも入力され、これによりゲート指令増幅器13を通して、チョッパのIGBT7a,7bはPWM制御を開始する。チョッパの半導体が正常な場合はこの様にしてチョッパの起動を完了する。
【0017】
ところで、チョッパの半導体素子のいずれかが導通故障をしていると、短絡電流によりチョッパの高圧側入力端子Pの電位が、接地側端子Gの電位とほ同じとなるため、フィルタコンデンサ5の電圧検出器6の出力値は、比較器15の設定値より小さくなり、信号Aが出力された後も信号Bは出力されない。

【0018】
従って、信号Cも出力されず、第2の接触器投入用補助継電器の電磁コイル21aが励磁されないで、第2の接触器2が開いたままとなり、充電電流制限抵抗器3は短絡されない。ゆえに、直流電源又はチョッパの入力回路に多大な電流が流れることがない。また、信号Aが出力されても、信号Bが出力されない場合は、チョッパの故障と判断して、第1の接触器1を開く制御を行うことや、運転者に故障情報を知らせることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明はチョッパ装置に関するものであり、主回路機器に何ら新しい部品を追加することなく起動時の制御方式を変更するのみで、半導体スイッチング素子故障を判別し、多大な短絡電流が流れることを防ぐため、半導体スイッテング素子故障による他の回路に与える悪影響を最小限に抑える保護回路を簡便かつ安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のチョッパ装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の波形図を示す。
【図3】従来の一般的なチョッパ装置を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1,101 第1の接触器
1a,101a 第1の接触器の電磁コイル
101b 第1の接触器の補助接点
20a,119a 第1の接触器投入用補助継電器の電磁コイル
20b,119b 第1の接触器投入用補助継電器の接点
2,102 第2の接触器
2a,102a 第2の接触器の電磁コイル
102b 第2の接触器の補助接点
21a 第2の接触器投入用補助継電器の電磁コイル
21b 第2の接触器投入用補助継電器の接点
3,103 充電電流制限抵抗
4,104 フィルタリアクトル
5,105 フィルタコンデンサ
6,106 電圧検出器
7,107 チョッパ回路
7a,107a 半導体スイッチング素子(IGBT)
7b,107b 半導体スイッテング素子(IGBT)
71a,171a フリーホイルダイオード
71b,171b フリーホイルダイオード
8,108 スムージングリアクトル
9 第3の接触器
9a 第3の接触器の電磁コイル
10,110 制御指令器
11,111 シーケンス演算部
12,112 論理回路部
13,113 ゲート指令増幅器
15 比較器
16 AND回路
17 増幅器
18 増幅器
31,131 電源
32,114 タイマ回路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2