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明細書 :生物演出システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4465477号 (P4465477)
公開番号 特開2007-241072 (P2007-241072A)
登録日 平成22年3月5日(2010.3.5)
発行日 平成22年5月19日(2010.5.19)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
発明の名称または考案の名称 生物演出システム
国際特許分類 G09F  13/42        (2006.01)
G09F  19/00        (2006.01)
B43K  29/00        (2006.01)
G09B  23/36        (2006.01)
G09B  23/38        (2006.01)
FI G09F 13/42
G09F 19/00 Z
B43K 29/00 N
G09B 23/36
G09B 23/38
請求項の数または発明の数 2
全頁数 7
出願番号 特願2006-065935 (P2006-065935)
出願日 平成18年3月10日(2006.3.10)
審査請求日 平成18年4月28日(2006.4.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】細谷浩史
【氏名】高橋利幸
【氏名】小阪敏和
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
審査官 【審査官】櫻井 茂樹
参考文献・文献 特開昭48-071990(JP,A)
実開昭61-074484(JP,U)
特開2004-033070(JP,A)
特開平08-168770(JP,A)
特開平09-248093(JP,A)
特表2007-521811(JP,A)
生物学辞典,日本,岩波書店,1983年 3月10日,第3版,894頁
調査した分野 G09F 19/00-27/00
G09G 3/16
G09G 3/34
G09B 23/00-29/14
G09F 9/30-9/46
G09F 13/42
B43K 29/00-31/00
C12N 11/00-13/00
B01D 57/02
C12N 15/00
特許請求の範囲 【請求項1】
暗部に配置される生物演出システムであって、
走電性を有する生物としてのミドリゾウリムシと、前記ミドリゾウリムシを含む水槽と、前記水槽内に配置される2つの電極と、導線を通じて前記2つの電極に接続される電源と、前記導線を流れる電流の方向を変えることで前記2つの電極の極性を切り換えるスイッチと、前記水槽に紫外線を照射する紫外線照射装置とを備え、
前記2つの電極は、それぞれ所定の形状にデザインされた導線によって構成され、
前記スイッチのON/OFF動作により、前記2つの電極の極性を切り換えて前記ミドリゾウリムシが集まる前記電極を変更することにより、前記2つの電極を交互に可視化させ、また、前記紫外線照射装置により前記水槽内に紫外線を照射して前記ミドリゾウリムシの体色を緑色から赤色に変化させることで、前記可視化された電極の色を変化させることを特徴とする生物演出システム。
【請求項2】
前記水槽は、筆記用具の一部であることを特徴とする請求項1記載の生物演出システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電流刺激存在下で、生物の走電性を利用し、視覚的に面白いショーを実現するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各地の観光施設は、各地への来客に伴う宿泊施設や飲食店の利用にも貢献し、地域の経済活動に欠かせない地位を占めている。観光施設では、全国から観光客を集めるために、特設の催しを行っている。例えば、水族館でのイルカやアザラシのショーや資料館でのエジプト展などである。かつて特定の場所でのみ見ることのできた展示やショーも、今日では全国どこでもみられるようになり、内容も誰もが容易に想像出来るほど馴染んでしまっているという欠点がある。そのため、わざわざ同じ施設や類似の施設を何度も訪れる観光客はいない。
【0003】
しかし、水族館や資料館等は各地域の数少ない観光施設であり、各施設の来客数の減少は、地域の経済活動においても重要な問題である。この問題を解決するために、従来からある展示物やショーに代わるまだ一般に馴染みのない新しい目玉となる催しが求められている。

【特許文献1】特開平10-161236
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の展示やショーの前記欠点に鑑みてなされたものであり、その目的は、子供から大人まで視覚的に楽しむことができるこれまでにない斬新な鑑賞システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る鑑賞システムは、上記課題を解決するために、生物を含む水槽と電源、電極、スイッチおよび紫外線照射装置を備えている。生物は、刺激に対して方向性のある行動を起こすことが知られており、その行動は走性とよばれる。例えば、植物が光の方向に伸びる走光性や昆虫が異性をフェロモンで引き寄せる走化性である。同様に、電気のように比較的操作しやすい刺激に対する反応も知られており、微生物のゾウリムシ種では、電流刺激存在下で電極のマイナス極に集まることが知られている。
【0006】
そこで本発明では、上記生物として体内に緑藻のクロレラをもち緑色に可視化できるミドリゾウリムシを使い、電極の放電部を視覚的に楽しめるデザイン(例:アニメのキャラクター)にした。走電性でデザインした形にミドリゾウリムシを集め、緑色に可視化できるようにしている。
【0007】
さらに、複数種のデザインを鑑賞するために、電流の方向を可変できるスイッチや放電部のデザインを交換可能にしている。また、生物の構造物の中には、紫外線発光性のある物質が知られている。例えば、紫外線照射により、発光オワンクラゲは緑色の蛍光を発し、植物の色素クロロフィルは赤色の蛍光を発することが知られている。そこでさらに、ミドリゾウリムシを走電性でデザインした形に集めた後、紫外線を照射することにより、赤色にも可視化できるようにしている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る生物演出システムによれば、地域経済産業の新規来客者獲得に貢献する産業効果と、低年齢層に対する教育的効果を奏する。
【0009】
第一に、本発明に係る生物演出システムによれば、比較的簡単な制御構造によって、誰も予想できない鑑賞を実現する。これにより、水族館や資料館などで集客のための行う「決まりきったショー」に代わるこれまでにない斬新な「エンターテイメントショー」を提供することができるという産業効果を奏する。
【0010】
第二に、本発明に係る生物演出システムによれば、花火やネオンのような無機的な化学反応や機械装置の鑑賞と異なり、私達と同じ生物の本能的な行動を鑑賞に利用することにより、鑑賞者に生命の神秘やその行動の不思議さに対する興味を促すことができる。さらに、科学現象を演出システムによる「遊び」から導入することにより、科学現象に対する嫌悪感を減らすことができる。これにより、近年深刻な低年齢層の科学離れに歯止めを掛けることができるという教育的効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔1.システムの概観および構造〕
本発明の一実施形態に係る生物演出システムの概観および構造を図1を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の生物演出システムの構造を模式的に表現している図である。生物演出システムは以下の部位により構成されている。生物を含む水槽100。なお、本実施の例では生物としてミドリゾウリムシを使用している。電源110a、110b。上記電源110a、110bと接続した導線120。上記導線120と接続し、電流の方向を変えるためのスイッチ130。上記導線120と接続した導線で作製した放電部のデザイン140および150。生物を発光させるための紫外線照射装置160。なお、スイッチ130を複数使用することで、放電部の数を増やすことも可能である。また、放電部は交換可能であり、複数種のデザインの放電部を接続可能である。
【0013】
〔2.システムの動作〕
次に、本発明の生物演出システムの動作について、図1から図5を用いて説明する。
【0014】
図2は、本発明の実施例に用いている生物であるミドリゾウリムシの模式図である。ミドリゾウリムシ200は、体内に多数の緑藻クロレラ210が共生しているため、体色は緑色をしている。
【0015】
本発明では、生物の走電性を利用し鑑賞システムを構築している。図3は、ミドリゾウリムシの走電性を模式的に表現した図である。走電性は、水槽300、ミドリゾウリムシ310、導線320および電源330のみで実演可能である。350a、350bは、電極付近での様子を模式的に示した図である。放電前は、ミドリゾウリムシ351が水槽内を無秩序に遊泳している350a。このため、水槽300内のミドリゾウリムシははっきりと見ることが出来ない。ここで、電極(プラス電極352およびマイナス電極353)を用い、放電を開始すると、ミドリゾウリムシ351は、マイナス電極353に集まる350b。これにより、マイナス電極353のみが緑色に可視化される。
【0016】
本発明では、このような、ミドリゾウリムシの走電性を利用し、生物演出システムを構築している。図4は、本発明に用いる電極装置とその動作を模式的に表現した図である。この装置は、電流の向きを変えるためのスイッチ400a、400b、電源410a,410b、導線420と導線で作製した特定のデザインからなる電極部430、440で構成されている。スイッチ400a,400bのON/OFFの動作により、緑色に可視化されるデザインを、430と440のとおり交互に変えることを可能にしている。すなわち、電極部430がマイナス極になるとき、電極部430は緑色に可視化され、電極部440はプラス極となり,可視化されない。電極部440がマイナス極になるとき、電極部440は緑色に可視化され、電極部430はプラス極となり,可視化されない。
【0017】
さらに、本発明では、紫外線発光性も利用し、生物演出システムを構築している。図5は、紫外線発光装置を利用時の動作を模式的に表現した図である。ミドリゾウリムシ体内のクロレラは、白色照明下では緑色をしているが、暗闇で紫外線を照射すると、クロレラは赤色に発光する。図1および図4の本発明装置で、走電性を利用し、ミドリゾウリムシをデザインした形に集めると緑色に視覚化される。その後、暗闇にし、付属の紫外線照射装置で紫外線を当てることにより、そのデザインは赤色になる。なお、「水槽の鑑賞側には紫外線吸収フィルターがカバーされており、鑑賞者に紫外線が漏れることがない」。
【0018】
以上のように鑑賞システムを構成し、動作させることにより、形状的にも色彩的にも楽しむことのできる演出システムを提供することが可能となる。
【0019】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である.すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範疇に含まれる。
【0020】
例えば、生物を入れる水槽も昆虫や金魚の飼育に使う水槽に限らず、図6で示すように、他の利用製品に生物を含む容器を内臓させたものでも良い。図6は、ペン620に生物と電極を含む容器600を内蔵させ、ペンで生物の鑑賞を可能にした製品である。ペンノック610を押すとペン先が出るとともに電流が流れるよう設計する。この生物を含む容器600はその拡大図630が示すように、プラス電極601とデザイン化したマイナス電極602を含み、走電性により、放電時のみマイナス電極602を緑色に可視化することができる。
【0021】
なお、図6のペンによる用途は、実施形態例のひとつであり、本発明を内蔵させる製品は上記に限定されるものではなく、他の技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範疇に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、観光施設を含む様々な施設において、その施設利用者に視覚的に面白いエンターテイメントショーを提供することができる。また、本発明は、小中高等学校などの学校施設職員に対して、生徒に科学的現象に対する嫌悪感を減らし、逆に科学現象に興味を促す視覚的に面白い理科実験教材を提供することができる。さらに、ペンのような日常使用するものに本発明を内蔵することにより、上記に該当しないより幅広い層の人に対して、日常の生活に楽しみを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る生物演出システムの概観図
【図2】ミドリゾウリムシを示す模式図
【図3】走電性の原理を示す模式図
【図4】本発明の一実施形態に係る生物演出システムの動作を示す模式図
【図5】本発明の一実施形態に係る生物演出システムにおいて紫外線発光性を適用した際の動作の模式図
【図6】本発明の一実施形態に係る生物演出システムの応用例 ペン型生物演出システムの概観図
【符号の説明】
【0024】
100 水槽
110a 電源
110b 電源
120 導線
130 スイッチ
140 放電部
150 放電部
160 紫外線照射装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5