TOP > 国内特許検索 > スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物 > 明細書

明細書 :スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4255853号 (P4255853)
公開番号 特開2005-220555 (P2005-220555A)
登録日 平成21年2月6日(2009.2.6)
発行日 平成21年4月15日(2009.4.15)
公開日 平成17年8月18日(2005.8.18)
発明の名称または考案の名称 スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物
国際特許分類 E02D  27/12        (2006.01)
E02D  27/32        (2006.01)
E04C   3/26        (2006.01)
E04C   5/08        (2006.01)
E04G  21/12        (2006.01)
E01D   1/00        (2006.01)
E01D  19/02        (2006.01)
E01D  21/00        (2006.01)
FI E02D 27/12 Z
E02D 27/32 A
E04C 3/26
E04C 5/08
E04G 21/12 104A
E01D 1/00 D
E01D 19/02
E01D 21/00 B
請求項の数または発明の数 10
全頁数 8
出願番号 特願2004-027777 (P2004-027777)
出願日 平成16年2月4日(2004.2.4)
審査請求日 平成18年3月2日(2006.3.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】谷口 望
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】石村 恵美子
参考文献・文献 特開平03-009808(JP,A)
調査した分野 E02D 27/12
E02D 27/32
E04C 3/26
E04C 5/08
E04G 21/12
E01D 1/00
E01D 19/02
E01D 21/00
B28B 21/00-68
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)円筒状の型枠内に配置した軸方向鉄筋に巻き付けられたスパイラルフープ筋に、該スパイラルフープ筋の径を広げるように捩れ力を加え、その状態で前記円筒状の型枠内にコンクリートを打設する工程と、
(b)前記コンクリートの硬化後に前記スパイラルフープ筋の径を広げるように加えた捩れ力を解放する工程と、
(c)前記円筒状の型枠を外す工程とを施す、スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法。
【請求項2】
請求項1記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法を用いて構築される、スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
【請求項3】
請求項2記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物がRC柱であるスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
【請求項4】
請求項2記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物が基礎杭であるスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
【請求項5】
(a)円筒状の鋼管内にコンクリートを打設し、前記円筒状の鋼管の径より径の小さい初期状態のスパイラルフープ筋の径を広げるように捩れ力を付与されたスパイラルフープ筋を前記円筒状の鋼管の外側に巻き付ける工程と、
(b)前記スパイラルフープ筋の径を広げるように付与された捩れ力を解放する工程とを施す、スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法。
【請求項6】
請求項5記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法を用いて構築される、スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
【請求項7】
請求項6記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物がCFT柱であるスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
【請求項8】
請求項6記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物が基礎杭であるスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
【請求項9】
請求項1記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法において、前記スパイラルフープ筋として異形鉄筋を用いたことを特徴とするスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法。
【請求項10】
請求項2~4記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物であって、前記スパイラルフープ筋が異形鉄筋であるスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、橋脚や基礎に用いられる、スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、円形断面のRC(Reinforced Concrete:鉄筋コンクリート)橋脚においては、スパイラル筋が用いられて横拘束効果を持たせるようにしている。

【非特許文献1】「円形断面RC橋脚に対するスパイラル筋の横拘束効果」、構造工学論文集 Vol.48A(2002年3月)、pp.715-723
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、コンクリートはひび割れが生じ易いといった問題があった。
【0004】
本発明は、スパイラルフープ筋を用いて外側から内側の方向へのプレストレスをかけることにより、コンクリート柱の強度の増大を図ることができる、スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法において、円筒状の型枠内に配置した軸方向鉄筋に巻き付けられたスパイラルフープ筋に、このスパイラルフープ筋の径を広げるように捩れ力を加え、その状態で前記円筒状の型枠内にコンクリートを打設する工程と、前記コンクリートの硬化後に前記スパイラルフープ筋の径を広げるように加えた捩れ力を解放する工程と、前記円筒状の型枠を外す工程とを施すようにしたものである。
【0006】
〔2〕スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物であって、上記〔1〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法を用いて構築される。
【0007】
〔3〕上記〔2〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物がRC柱である。
【0008】
〔4〕上記〔2〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物が基礎杭である。
【0009】
〔5〕スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法において、円筒状の鋼管内にコンクリートを打設し、前記円筒状の鋼管の径より径の小さい初期状態のスパイラルフープ筋の径を広げるように捩れ力を付与されたスパイラルフープ筋を前記円筒状の鋼管の外側に巻き付ける工程と、前記スパイラルフープ筋の径を広げるように付与された捩れ力を解放する工程とを施すようにしたものである。
【0010】
〔6〕スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、上記〔5〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法を用いて構築される。
【0011】
〔7〕上記〔6〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物がCFT柱である。
【0012】
〔8〕上記〔6〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物において、前記コンクリート構造物が基礎杭である。
【0013】
〔9〕上記〔1〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法において、前記スパイラルフープ筋として異形鉄筋を用いたことを特徴とする。
【0014】
〔10〕上記〔2〕~〔4〕記載のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物であって、前記スパイラルフープ筋が異形鉄筋である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スパイラルフープ筋にその径を小さくするような捩れ力を作用させてプレストレスを付加することにより、拘束効果が大きくなり、コンクリート柱の強度の増大を図ることができるコンクリート構造物を構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
スパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法において、円筒状の型枠内に配置した軸方向鉄筋に巻き付けられたスパイラルフープ筋に、このスパイラルフープ筋の径を広げるように捩れ力を加え、その状態で前記円筒状の型枠内にコンクリートを打設する工程と、前記コンクリートの硬化後に前記スパイラルフープ筋の径を広げるように加えた捩れ力を解放する工程と、前記円筒状の型枠を外す工程とを施す。したがって、スパイラルフープ筋が捩れ力から解放されると、元の形状に戻ろうとする力が径を小さくしようとする力となって働くため、拘束効果が大きくなり、コンクリート柱の強度の増大を図ることができる。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施例を示すスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物としてのRC柱の作製工程の模式図、図2はスパイラルフープ筋の作用の説明図、図3はそのスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造としてのRC柱の横断面図である。
【0019】
(1)まず、図1(a)に示すように、円筒状の型枠1内の軸方向鉄筋2にスパイラルフープ筋3を巻き付ける。
【0020】
(2)次に、図1(b)に示すように、スパイラルフープ筋3の径を広げるように捩れ力を加えた状態でコンクリート4を打設する。
【0021】
(3)次に、図1(c)に示すように、前記コンクリート4の硬化後にスパイラルフープ筋3の径を広げるように加えた捩れ力を解放する。
【0022】
(4)次に、図1(d)に示すように、前記円筒状の型枠1を外し、プレストレスト構造のRC柱5を得ることができる。
【0023】
その場合のスパイラルフープ筋3の作用について詳述すると、図2(a)に示すように、初期状態にあるスパイラルフープ筋3に、図2(b)に示すように、スパイラルフープ筋3の径が広がるように捩れ力Fを加えて、その径を大きくする。次いで、コンクリートを打設し、その硬化後にその捩れ力Fを解放すると、図2(c)に示すように、スパイラルフープ筋3は初期状態へと戻るように作用する。
【0024】
ここで、スパイラルフープ筋3の径の広げ方は、図2(b)に示されているように、初期状態にあるスパイラルフープ筋3の下端部を、矢印で示すように、時計周りに、一方、初期状態にあるスパイラルフープ筋3の上端部を、矢印で示すように、反時計周りに捩れ力を加えることによって実施することができる。そして、コンクリートを打設し、その硬化後にスパイラルフープ筋の下端部及び上端部に加えられている捩れ力を解放することによって、スパイラルフープ筋3は初期状態へと戻るように作用し、その捩れ力により外側から内側の方向へのプレストレストを付加することができる。
【0025】
このようにして構築されたRC柱5は、スパイラルフープ筋3が元の形状に戻ろうとする力、換言するとコンクリート4の径が小さくなろうとする力で、拘束効果を生じさせることができる。
【0026】
上記ではRC柱について述べたが、基礎杭についても適用することができる。
【0027】
なお、上記各実施例におけるスパイラルフープ筋としては、リブ又は節などの表面突起を有する棒鋼で、コンクリートに埋め込んだときにコンクリートとの付着が大きく取れるようにした異形鉄筋を用いるのが望ましい。
【0028】
図4は本発明の実施例を示すスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物としてのCFT(コンクリート・フィール・チューブ)柱の作製工程の模式図、図5はそのスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造としてのCFT柱の横断面図である。
【0029】
(1)まず、図4(a)に示すように、鋼管11内にコンクリート12を打設する。
【0030】
(2)次に、図4(b)に示すように、その鋼管11の外側に鋼管11の径より径の小さい初期状態のスパイラルフープ筋13をその径を広げた状態で巻き付ける。
【0031】
(3)次に、図4(c)に示すように、スパイラルフープ筋13の径を広げる力を解放する。
【0032】
(4)すると、スパイラルフープ筋13により、CFT柱の径を小さくしようする力が加わった、プレストレスト構造のCFT柱14を得ることができる。
【0033】
すなわち、上記(3)から(4)へと移行するときに、スパイラルフープ筋3が径を広げようとする捩れ力から解放されるので、元の形状に戻ろうとする力が径を小さくしようとする力となって働いて、CFT柱の外側から内側に向かって圧縮力が作用することになり、拘束効果が大きいCFT柱14を得ることができる。なお、ここでも、スパイラルフープ筋13の径を広げる方法は、図2(b)に示したスパイラルフープ筋3の径を広げる方法を採用できることは言うまでもない。
【0034】
上記ではCFT柱について述べたが、基礎杭についても適用することができる。
【0035】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物の構築方法及びそのコンクリート構造物は、強度が増大するため、RC橋脚や基礎杭などに適している。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例を示すスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物としてのRC柱の作製工程の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示すスパイラルフープ筋の作用の説明図である。
【図3】本発明の実施例を示すスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造としてのRC柱の横断面図である。
【図4】本発明の実施例を示すスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造のコンクリート構造物としてのCFT(コンクリート・フィール・チューブ)柱の作製工程の模式図である。
【図5】図4に示すスパイラルフープ筋を用いた外側から内側の方向へのプレストレスト構造としてのCFT柱の横断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 円筒状の型枠
2 軸方向鉄筋
3,13 スパイラルフープ筋
4,12 コンクリート
5 プレストレスト構造のRC柱
11 鋼管
14 プレストレスト構造のCFT柱
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4