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明細書 :計測ターゲットの形成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4233476号 (P4233476)
公開番号 特開2005-274529 (P2005-274529A)
登録日 平成20年12月19日(2008.12.19)
発行日 平成21年3月4日(2009.3.4)
公開日 平成17年10月6日(2005.10.6)
発明の名称または考案の名称 計測ターゲットの形成装置
国際特許分類 G01C  15/02        (2006.01)
G01M  19/00        (2006.01)
FI G01C 15/02
G01M 19/00
請求項の数または発明の数 7
全頁数 7
出願番号 特願2004-092126 (P2004-092126)
出願日 平成16年3月26日(2004.3.26)
審査請求日 平成18年7月25日(2006.7.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】上半 文昭
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100089037、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 隆
【識別番号】100101465、【弁理士】、【氏名又は名称】青山 正和
【識別番号】100094400、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100107836、【弁理士】、【氏名又は名称】西 和哉
【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
審査官 【審査官】▲うし▼田 真悟
参考文献・文献 特開2002-295200(JP,A)
特開平02-149361(JP,A)
登録実用新案第3007227(JP,U)
調査した分野 G01C 15/02-15/06
B05B 13/00-13/04
特許請求の範囲 【請求項1】
使用者に保持される支持棒の先端に、
対象物へシート状の反射体を貼付するラベラー部と、
該ラベラー部によって対象物の表面に貼付された反射体を押圧するローラ部と、
前記反射体を貼付すべき対象物の表面を調整する表面処理部と、
前記反射体を貼付すべき対象物の表面の画像を取得する撮影部と、
を設けたことを特徴とする計測ターゲットの形成装置。
【請求項2】
使用者に保持される支持棒の先端に、
対象物へ反射体を含有する塗料を付着させる塗布部と、
該塗布部による塗料付着範囲外の領域で前記対象物の表面に接触するローラ部と、
前記塗料を付着させるべき対象物の表面を調整する表面処理部と、
前記塗料を付着させるべき対象物の表面の画像を取得する撮影部と、
を設けたことを特徴とする計測ターゲットの形成装置。
【請求項3】
前記表面処理部は、前記ラベラー部または塗布部とは異なる面に設けられたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の計測ターゲットの形成装置。
【請求項4】
前記撮影部は、塗布部より上方に設けられたことを特徴とする請求項2記載の計測ターゲットの形成装置。
【請求項5】
前記反射体を貼付すべき範囲と前記ローラ部の移動軌跡とが重なることを特徴とする請求項1記載の計測ターゲットの形成装置。
【請求項6】
前記塗布部の塗料付着範囲と前記ローラ部の移動軌跡とが重ならないことを特徴とする請求項2記載の計測ターゲットの形成装置。
【請求項7】
前記ラベラー部の高さを測定する測定装置をさらに設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の計測ターゲットの形成装置。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の固有振動数や固有振動モードなどの振動特性を、振動、特に微動を非接触計測する装置に使用される計測ターゲットの形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道分野などでは、構造物の健全度などを振動測定を用いて検査する方法が研究されて来た。それらの研究では、接触型の振動計(ムービングコイル型、サーボ型などの加速度または速度センサなど)を構造物に設置して、構造物の振動を測定して来た(下記特許文献1、非特許文献1~3参照)。
【0003】
一方、本願発明者らは振動特性で構造物の地震時損傷度を精度良く検査できる手法を開発することを目的として、非線形構造解析を利用した構造物の振動特性の分析(下記非特許文献4及び5参照)、振動特性による構造物の振動特性同定手法の開発(下記特許文献2参照)などに取り組んで来た。

【特許文献1】特開平9-105665号公報(第6~9頁 図1)
【特許文献2】特開2003-315204号公報
【非特許文献1】鈴木武夫:振動による橋脚の健全性の判定法、土木学会第6回年次学術講演会概要、p.18,1950.
【非特許文献2】西村昭彦:ラーメン高架橋の健全度評価法の研究、鉄道総研報告、Vol.4,No.9,1990.9
【非特許文献3】中村豊:信号地震防災システムの研究、土木学会論文集、No.531/I-34、pp.1-33、1996.1.
【非特許文献4】上半文昭、目黒公郎:非線形構造解析によるRC構造物の即時地震損傷度判定法に関する一考察、応用力学論文集、Vol.3、pp.621-628,.8.
【非特許文献5】上半文昭、目黒公郎:鋼補強された実大高架橋の損傷度判定に関する基礎的研究、土木学会第56回年次学術講演会概要集(CD-ROM)、I-B097、2001.10.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接触型振動計を用いた従来の構造物振動測定の問題点としては、振動測定を利用した構造物の検査においては、橋梁等構造物上に振動測定用のセンサを設置する必要があるという点が挙げられる。センサの設置個所が高所、挟所などの場合にはセンサの設置が容易ではなく、多くの作業時間を要するだけでなく、検査作業員の安全確保が難しくなる場合がある。特に、地震後の構造物の損傷度検査の場合等には、検査作業員を余震による構造物倒壊などの二次災害の危険にさらすことになる。
【0005】
本出願人は、従来の構造物振動測定をより容易にかつ安全に実施することを目的として、特願2002-355051号を提案した。
本発明は、この特許出願による振動特性の非接触測定計測に必要な測定対象物表面へのターゲットの形成を容易かつ安全に行うこと、および、ターゲットを正確に設置することによって測定精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、使用者に保持される支持棒の先端に、対象物へシート状の反射体を貼付するラベラー部と、該ラベラー部によって対象物の表面に貼付された反射体を押圧するローラ部と、前記反射体を貼付すべき対象物の表面を調整する表面処理部と、前記反射体を貼付すべき対象物の表面の画像を取得する撮影部とを設けたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、使用者に保持される支持棒の先端に、対象物へ反射体を含有する塗料を付着させる塗布部と、該塗布部による塗料付着範囲外の領域で前記対象物の表面に接触するローラ部と、前記塗料を付着させるべき対象物の表面を調整する表面処理部と、前記塗料を付着させるべき対象物の表面の画像を取得する撮影部とを設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記表面処理部が、前記ラベラー部または塗布部が設けられた面とは異なる面に設けられたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記撮影部は、塗布部より上方に設けられたことを特徴とする。
また本発明は、前記反射体を貼付すべき範囲と前記ローラ部の移動軌跡とが重なることを特徴とする。
また本発明は、前記塗布部の塗料付着範囲と前記ローラ部の移動軌跡とが重ならないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、表面処理部を用いて対象物の表面を貼付あるいは塗布に好適な条件に調整し、次いで、ローラ部を対象物の表面に接触させて、本体と対象物の表面との距離を適当に維持しつつ、撮影部によって対象物の表面を観察しながら、本体を最適な位置へ移動させ、ラベラー部によってラベルを貼付し、あるいは、反射体を有する塗料を塗布部を用いて塗布することができる。また必要に応じて、ローラ部によってラベルを対象物表面に押し付けることができる一方、ローラ部を塗布面に影響することなく移動させることもできる。
したがって、本発明によれば、非接触振動測定に必要な反射体を安全かつ容易に対象物の表面に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施形態について説明する。
図1~図5は一実施形態を示すものである。図1における符号13は、反射体を形成する対象としての構造物である。本発明のターゲット形成装置の本体をなすラベラー1は、構造物13の所定個所に反射体2(具体的には一方の面に反射性を有するラベルであって、他方の面に粘着材などが塗布されているもの)を貼付するもので、例えば、テープ状の剥離紙に貼付された粘着材付きのラベルを剥がしながら、商品に押し付けるラベル貼付装置などを適用することができる。前記ラベラー1は、操作者によって操作される伸縮可能な支持棒6の先端に設けられ、操作盤8を操作することによって遠隔操作される。
【0011】
前記ラベラー1に設けられる各機器について、図2及び図3により説明する。
符号3はCCD方式などを用いたカメラであって、このカメラ3は構造物13の表面(対象面)の画像を撮影する。また図示の場合、カメラ3は、前記ラベラー1の貼付方向前方(図2で矢印の先端が指す位置)に焦点が合わされていて当該部分の画像を撮影するようになっている。またカメラ3の上部には、LEDや白熱電球を用いたライト4が一体に設けられていて、対象面に対し、撮影に必要な光量を照射する。尚、前記カメラ3をスライド移動させることなどにより、撮影角度(撮影方向)を調整することができるようにしてもよい。
【0012】
符号5は距離測定装置であって、例えば超音波を利用して前記ラベラー1の高さを測定する。前記ラベラー1の側面(反射体2を貼付する面と直角な面)には、ブラシ7が設けられており、このブラシ7によって被測定面(振動測定の対象となる個所)14をこすることにより、被測定面14の表面のほこりや剥離層等の夾雑物を除去し、反射体2の貼付を確実にすることができるようになっている。なお、このブラシ7に代えて、洗浄液等を被測定面14に噴射するノズル等、被測定面14の表面状態を調整する表面処理手段を設けるようにしてもよい。また、この手段は、被測定面14にラベルを貼付するか塗料を塗布するかによって、必要な表面状態を形成するために最適な手段を用いることが望ましい。いずれの場合にせよ、前記ブラシや洗浄ノズル等の手段は、前記ラベラー1やカメラ3とは別の面に(別の向きに)設けることが望ましく、これにより、被測定面14からの剥離物が反射体2やカメラ3に付着することを防止することができる。
【0013】
前記支持棒6の基端部には、図4に示すような操作盤8が設けられている。この操作盤8には、前記カメラ3の画像を表示するモニタ9、前記距離測定装置5を操作するスイッチ10、距離測定装置5の測定結果を表示する計測結果表示部11、ラベラー1を操作するスイッチ12が設けられている。
【0014】
前記ラベラー1の上下には、被測定面14に当接して、ラベラー1の前面を被測定面14に対して所定距離に維持するローラ15が、それぞれ設けられている。
このローラ15は、ばね等の弾性部材を介して支持されていて、前記被測定面14に対して進退でき、また、進退に際して、支持棒6の操作者に適当な操作感(ローラ15を押し付けることによる反力)を与えるようになっている。
【0015】
以上のように構成された貼付装置を用いた反射体の貼付作業は、次のようにして行われる。
1.支持棒6を伸ばして被測定面14付近に届かせ、スイッチ10を操作して距離測定装置5を作動させ、被測定面14の高さが所定の高さとなるように支持棒6を操作し、あるいは伸縮させて、ラベラー1の正面を被測定面14へ向ける。
2.ライト4によって被測定面14を照らしながら、カメラ3によって表面の画像を測定し、この画像をモニタ9に表示して表面状態を観察する。
3.表面状態の画像を判断して、必要に応じて支持棒6を回してブラシ7を被測定面14に向け、表面の汚れや付着物を除去する。
4.再度モニタ9の画像を観察し、表面が貼付に最適な状態となっていることを確認し、さらに、必要に応じて支持棒6を操作してラベラーの位置や向きを微調整した後、前記支持棒6を操作して、前記ローラ15がわずかに引っ込む程度にラベラー1を被測定面14に対して位置決めする。
5.スイッチ11を操作すると、ラベラー1の先端部が反射体2を支持しながら被測定面14に向かって突出して、反射体2を被測定面14に貼付する。
6.貼付の終了の後、必要に応じてカメラ3を操作して貼付状態を撮影し、モニタ9により確認する。
【0016】
なお、図5に鎖線で示すように、反射体2の存在範囲より十分に大きな幅のローラ15’を設けておくことも有効である。すなわち、前記5の行程による反射体2の貼付の後、このローラ15を反射体2の上で転がして表面を押さえることにより、反射体2をより確実に被測定面14に固定することができる。
【0017】
次いで、図6は他の実施形態を示すものである。
この実施形態は、前記ラベラーに代えて、反射材を含んだ塗料の噴霧装置を用いるものである。
すなわち、符号20は被測定面14に塗料を噴霧するノズルである。またこの実施形態では、ノズル20から噴霧される塗料の噴霧範囲の外となる位置にローラ15”が設けられている。
この実施形態では、ノズル20から反射性物質を含む塗料を噴霧することにより、被測定面14に必要な反射体を形成することができる。また、塗料の塗布状態をカメラ3で撮影するに際して、ローラ15”を被塗布面の近くで転がしたとしても、ローラ15”が塗装面に触れて、半乾き状態の塗装面を損なうことがない。
尚、カメラ3やライト4の前面を覆う蓋を開閉可能に設けておき、塗料の噴霧と連動して蓋を閉めるよう制御することにより、飛散した塗料による汚れを防止するようにしてもよい。
【0018】
図7は変形実施形態を示すもので、前記一実施形態における高所用の支持棒6に代え、橋桁の下面等へ反射体を設けるための他の形状の支持棒6’を設けるようにしている。すなわち、被測定面の位置や周辺の情況に応じて、上記各実施形態の機能を持ったラベラーや塗装手段を必要な形状、長さの支持棒6’の先端に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一実施形態の使用態様の説明図。
【図2】一実施形態の側面図。
【図3】一実施形態の正面図。
【図4】一実施形態の操作盤の正面図。
【図5】一実施形態の正面図。
【図6】他の実施形態の正面図。
【図7】変形実施形態の使用態様の説明図。
【符号の説明】
【0020】
1 ラベラー 2 反射体 3 カメラ
4 ライト 5 距離測定装置 6 支持棒
7 ブラシ 8 操作盤 9 モニター
13 構造物 14 被測定面
15 15’ 15” ローラ 20 ノズル


図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6