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明細書 :竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムおよびそれを用いた計測方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4230400号 (P4230400)
公開番号 特開2005-283419 (P2005-283419A)
登録日 平成20年12月12日(2008.12.12)
発行日 平成21年2月25日(2009.2.25)
公開日 平成17年10月13日(2005.10.13)
発明の名称または考案の名称 竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムおよびそれを用いた計測方法
国際特許分類 G01C  15/00        (2006.01)
E21D   1/00        (2006.01)
E21D   9/06        (2006.01)
FI G01C 15/00 104B
E21D 1/00 Z
E21D 9/06 301Z
E21D 9/06 311Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 14
出願番号 特願2004-099653 (P2004-099653)
出願日 平成16年3月30日(2004.3.30)
審査請求日 平成18年7月21日(2006.7.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】500519987
【氏名又は名称】株式会社ジェイアール総研情報システム
発明者または考案者 【氏名】佐々木 君章
【氏名】鴨下 庄吾
【氏名】朝比奈 峰之
【氏名】渡邉 元
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】▲うし▼田 真悟
参考文献・文献 特開平10-288522(JP,A)
登録実用新案第3082834(JP,U)
特開平07-189590(JP,A)
調査した分野 G01C 15/00
G01C 7/06
G01C 9/00
E21D 9/06
E21D 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)複数の管が接続され、各管の継手部の近傍に磁気マーカーを有する管路と、
(b)該管路の内部に沿ってセットされ、かつ各管の長さにほぼ等しい長さのリンクと、
(c)該リンクの上端に配置されるとともに、該リンクと直角に設けられた傾斜台上に配置される傾斜センサーと前記磁気マーカーが配置される位置の管路内壁を周回可能な磁気センサーを有する計測ユニットと、
(d)前記リンクの下端に配置されるターゲットユニットとを備え、
(e)前記計測ユニットに接続される吊りワイヤーの引上げまたは下降に伴い、前記計測ユニットに搭載する傾斜センサーおよび磁気センサーからの情報に基づいて、前記ターゲットユニット位置を順次計測することを特徴とする竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システム。
【請求項2】
請求項1記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムにおいて、前記傾斜センサーで前記リンクを管中心の2点に渡したときの重力加速度方向に対する前記リンクの傾斜角度と、前記磁気センサーで隣接する2本の管に配置した磁気マーカーの偏角を測定して得られるリンク角度からの方位座標に基づいて前記ターゲットユニット位置を計測することを特徴とする竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムを用いて、
(a)昇降ユニットと管の上端治具とを管上部にセットし、計測装置の挿入により方位角の初期値を与える工程と、
(b)管下端を検出するまでブレーキを解放して計測ユニットを降下させる工程と、
(c)管下端からはブレーキを動作状態にして、低速で最初の管の継手部位置まで上昇させる工程と、
(d)管の継手部に達すると計測ユニットのロック機構が溝にはまってロックされ、この位置で磁気センサーによる管の磁気マーカー位置と傾斜センサーによる傾斜角度の読み取りを行い、記録する工程と、
(e)ブレーキを解放して次の管の継手部手前まで上昇する工程と、
(f)移動速度を下げてブレーキを動作状態にし、計測ユニットの車輪がロックされるまで移動する工程と、
(g)上記(d)~(f)工程を管の上端治具に到達するまで繰り返して計測を行う工程とを有することを特徴とする竪穴深度掘削における掘削先端位置計測方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムを用いて、
(a)昇降ユニットと管の上端治具とを管上部にセットし、計測装置の挿入により方位角の初期値を与える工程と、
(b)管下端を検出するまで計測ユニットを降下させる工程と、
(c)管下端からは巻き上げ機によって吊りワイヤーを一定量刻みで巻き上げ、それぞれの地点ごとに計測ユニットで磁気センサーによる管の磁気マーカー位置と傾斜センサーによる傾斜角度の読み取りを行い、記録する工程と、
(d)上記(c)工程を管の上端治具に到達するまで繰り返して計測を行う工程とを有することを特徴とする竪穴深度掘削における掘削先端位置計測方法。
【請求項5】
請求項3又は4記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測方法において、計測装置が上端に達したら計測を停止する工程と、地上側のデータ処理装置からの測定データのダウンロード指令によって、測定データをダウンロードし、前記データ処理装置で位置の計算を行うことを特徴とする竪穴深度掘削における掘削先端位置計測方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌改良等の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムおよびそれを用いた計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の先行技術としては、例えば、図9に示すようなものがある。すなわち、計測管101内に滑車106を介してケーブル102で吊るされる計測装置103があり、その計測装置103は3軸メカジャイロによりピッチング、ヨーイング、及びローリングを計測する孔芯計測器104及び計測管101内径と計測装置103の位置関係を監視するギャップセンサー105を備えている。
【0003】
また、推進工法における自動測量システムとして、計測器として光レーザーを用いて管の曲がりを測定するもの(下記特許文献1)が開示されている。

【特許文献1】特開2002-48543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図9に示したジャイロ及びギャップセンサーを搭載する計測システムでは、ジャイロの累積誤差が大きく、また、ギャップセンサーによる計測精度にも難がある。また、計測装置自体の長さも2mと長尺である装置の取扱いに注意が必要である。
【0005】
本発明は、上記状況に鑑みて、取扱が容易であり、しかも計測精度がよい竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システム及びその計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムにおいて、複数の管が接続され、各管の継手部の近傍に磁気マーカーを有する管路と、この管路の内部に沿ってセットされ、かつ各管の長さにほぼ等しい長さのリンクと、このリンクの上端に配置されるとともに、このリンクと直角に設けられた傾斜台上に配置される傾斜センサーと前記磁気マーカーが配置される位置の管路内壁を周回可能な磁気センサーを有する計測ユニットと、前記リンクの下端に配置されるターゲットユニットとを備え、前記計測ユニットに接続される吊りワイヤーの引上げまたは下降に伴い、前記計測ユニットに搭載する傾斜センサーおよび磁気センサーからの情報に基づいて、前記ターゲットユニット位置を順次計測することを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムにおいて、前記傾斜センサーで前記リンクを管中心の2点に渡したときの重力加速度方向に対する前記リンクの傾斜角度と、前記磁気センサーで隣接する2本の管に配置した磁気マーカーの偏角を測定して得られるリンク角度からの方位座標に基づいて前記ターゲットユニット位置を計測することを特徴とする。
【0008】
〔3〕竪穴深度掘削における掘削先端位置計測方法において、上記〔1〕又は〔2〕記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムを用いて、(a)昇降ユニットと管の上端治具とを管上部にセットし、計測装置の挿入により方位角の初期値を与える工程と、(b)管下端を検出するまでブレーキを解放して計測ユニットを降下させる工程と、(c)管下端からはブレーキを動作状態にして、低速で最初の管の継手部位置まで上昇させる工程と、(d)管の継手部に達すると計測ユニットのロック機構が溝にはまってロックされ、この位置で磁気センサーによる管の磁気マーカー位置と傾斜センサーによる傾斜角度の読み取りを行い、記録する工程と、(e)ブレーキを解放して次の管の継手部手前まで上昇する工程と、(f)移動速度を下げてブレーキを動作状態にし、計測ユニットの車輪がロックされるまで移動する工程と、(g)上記(d)~(f)工程を管の上端治具に到達するまで繰り返して計測を行う工程とを有することを特徴とする。
【0009】
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムを用いて、(a)昇降ユニットと管の上端治具とを管上部にセットし、計測装置の挿入により方位角の初期値を与える工程と、(b)管下端を検出するまで計測ユニットを降下させる工程と、(c)管下端からは巻き上げ機によって吊りワイヤーを一定量刻みで巻き上げ、それぞれの地点ごとに計測ユニットで磁気センサーによる管の磁気マーカー位置と傾斜センサーによる傾斜角度の読み取りを行い、記録する工程と、(d)上記(c)工程を管の上端治具に到達するまで繰り返して計測を行う工程とを有することを特徴とする竪穴深度掘削における掘削先端位置計測方法。
【0010】
〔5〕上記〔3〕又は〔4〕記載の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測方法において、計測装置が上端に達したら計測を停止する工程と、地上側のデータ処理装置からの測定データのダウンロード指令によって、測定データをダウンロードし、前記データ処理装置で位置の計算を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、取扱が容易であり、しかも計測精度がよい竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムおよびそれを用いた計測方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
複数の管が接続され、各管の接続部の近傍に配置される磁気マーカーを有する管路と、この管路の内部に沿ってセットされ、かつ各管の長さにほぼ等しい長さのリンクと、このリンクの上端に配置されるとともに、該リンクと直角な上端面上に配置される傾斜センサーと前記磁気マーカーが配置される位置の円周部を周回可能な磁気センサーを有する計測ユニットと、前記リンクの下端に配置されるターゲットユニットとを備え、前記ターゲットユニット位置を幾何学的に順次計測する。脆弱なジャイロセンサを持たないため、取扱が容易であり、しかも劣悪な環境下にあっても計測精度が良好である。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
まず、本発明の竪穴深度掘削における掘削先端位置の測定原理について説明する。
【0015】
図1は本発明の竪穴深度掘削における掘削先端位置の測定原理の説明図である。
【0016】
この図において、まず、一定長さl(1.5m)のリンク1を管中心の2点に渡したときの重力加速度方向gに対するリンク1の傾斜角度φからリンク先端1Aの位置を求める。リンクの鉛直軸に対する各軸方向の傾斜角度は、リンクに直角に取り付けられた傾斜台の水平面に対する傾斜角として傾斜角で求められる。ただし、このときに求まる傾斜角度は計測装置Aの基準軸に対するものであるから、計測装置A全体の方位座標に対する偏角がわからなければ、正確な先端位置を計測することができない。このため、管11~13の継手部11A,12A近傍に磁石を埋め込んだ磁気マーカー14,15を配置し、計測装置Aのターゲットユニット3と計測ユニット4にそれぞれ搭載する磁気センサー(図1中の矢印部分)で隣接する2本の管11,12に配置した磁気マーカー14,15との偏角を測定して、これとリンク1の傾斜角度ψから方位座標を計算する。
【0017】
ここで、ターゲットユニット3と計測ユニット4にぞれぞれ配置される磁気センサーの間隔およびリンク1の長さlを管11,12の定尺と一致させておくと、管の継手部11A,12Aの間隔ごとに磁気マーカー14,15の位置を計測できる。次の計測位置において、ターゲットユニット3で計測したものと同じ磁気マーカーを計測ユニット4が計測するので、2つの角度差から計測ユニット4全体の回転を知ることができる。
【0018】
従って、管入り口部21での計測ユニット4の回転角と座標を測定しておけば、ターゲットユニット3の位置と偏角が逐次求まり、方位座標への変換が可能である。
【0019】
また、地上側には、管入口部21の近傍に昇降ユニット30を設け、吊りワイヤー(ケーブル)22で滑車32を介して計測装置Aを吊って、計測装置A全体の昇降を行う。計測点付近では低速で移動し、それ以外の場所では移動速度を大きくする。また、計測装置Aからのデータを処理するためのデータ処理装置(パソコン)34およびそのI/F装置35を備える。
【0020】
以下にその詳細を示す。
【0021】
(1-1)リンク傾斜角からのターゲットユニット位置の算出
傾斜センサー〔例えば、JA-23MA型(日本航空電子社製)〕5A,5B(図1では5Bのみ図示)はリンク1と直角に設けた傾斜台2A上に感度軸を直交させて2個配置している。
【0022】
方位座標と対応する絶対座標系をA(X-Y-Z)、2個の傾斜センサー5A,5Bの感度軸をそれぞれx,y軸とし、リンク長手方向をz軸とする座標系をBとする。また、座標系Bをx,y軸周りに回転してz軸を座標系AのZ軸と一致させた座標系をCとする。
【0023】
リンク1のx,y軸方向の傾きをそれぞれφ,ψ、傾斜台2Aの傾斜センサー5A,5Bで測定されるx,y軸方向(座標系B)の加速度をax ,ay 、重力加速度方向をgとすると、
x =gsinφ,ay =gsinψ
φ=sin-1(ax /g),ψ=sin-1(ay /g)
座標系Bにおけるある点Pの位置は常に BP=(0,0,l)t であるから、これを座標系Cに座標変換する。
【0024】
y軸回りの回転に対する変化行列Ry
【0025】
【数1】
JP0004230400B2_000002t.gif
同様にx軸回りの回転に対する変化行列Rx
【0026】
【数2】
JP0004230400B2_000003t.gif
よって座標系Cから見た点Pの位置 CPは
【0027】
【数3】
JP0004230400B2_000004t.gif
よって、サンプルiにおけるZ軸回りの座標系Bの偏角をθi 、現在の座標系Cの原点を(Xi ,Yi ,Zi t とおくと、絶対座標Aで示したP点位置は式(4)で与えられる。
【0028】
【数4】
JP0004230400B2_000005t.gif
ただし、Rz はZ軸回りの回転変換行列で
【0029】
【数5】
JP0004230400B2_000006t.gif
で与えられる。よって上記式(4)は下記式(5)となる。
【0030】
【数6】
JP0004230400B2_000007t.gif
点Pは次のサンプルi+1でC座標の原点となる。また、座標系Cの原点初期値を(X0 ,Y0 ,Z0 t として、管入り口部21の点の座標を与える。
【0031】
(1-2)X′-Y′の回転角の算出
図2は本発明に係る方位角の算出の説明図である。
【0032】
サンプルiにおいてターゲットユニット3と計測ユニット4のそれぞれで計測したX′i からの管の磁気マーカーmAi,mBiの偏角をαAi,αBiとする。また、θi をサンプルiにおける計測ユニットの方位角とする。
【0033】
Ai,mBi+1は同じ管の磁気マーカーを示すから、
θi +αAi=θi+1 +αBi+1
θi+1 =θi +αAi-αBi+1 …(6)
θi の初期値θ0 は計測装置Aをセットしたとき(または引き上げたとき)の計測ユニット4の方位角である。θi を上記式(5)に代入すればターゲットユニット3の座標が逐次求まる。
【0034】
(1-3)管先端部の補正
穴の先端は掘削機先端位置となるのでターゲットユニットリンク位置から掘削機先端までの長さをl2 として、終端においては上記式(5)のlを(l+l2 )に置き換えて適用する。
【0035】
次に、計測装置Aの構成について説明する。
(2-1)全体構成
図3は本発明の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムの構成図である。この図に示すように、計測ユニット4は、ケース4A、リンク支持機構4B、傾斜台2A、傾斜センサー(X)5A、傾斜センサー(Y)5B、支持輪4C、ブレーキ4D、ロック車輪(球)4E、ブレーキの解放ソレノイド4F、モーター4G、エンコーダー4H、磁気センサー〔SW-271-12、HA-12(マコメ研究所製)〕4Iを備えている。また、ターゲットユニット3は、ケース3A、リンク支持機構3B、傾斜台2B、ケース3Aに固定される支持輪3C、モーター3D、エンコーダー3E、磁気センサー3F、リミットスイッチ3Gを備えている。
【0036】
この計測システムは次の4つの部分で構成される。
【0037】
〔1〕計測ユニット4
リンク1の傾斜角測定、方位角の測定を行う。また、測定定点を決めるためのロック機構を持つ。上昇、下降は地上の昇降ユニット30により行う。
【0038】
〔2〕リンク1
ターゲットユニット3と計測ユニット4を機械的に接続し、その間に傾斜角度を発生させる。現場での取り扱いを用意にするため、伸縮機構を持つか、組立式にすることが望ましい。
【0039】
〔3〕ターゲットユニット3
リンク1を接続し、計測ユニット4から一定間離れた場所の管中心にリンク先端1Aを保持する。また、管11,12に配置された磁気マーカー14,15を検出する機構を持ち、計測装置A全体の方位角を算出するための情報を検出する。リンク長手方向の回転に対しては計測ユニット4に拘束されている必要がある。また、リンク1に対しては計測ユニット4と同様に、傾斜台2BがX軸およびY軸回りの回転に対して自由に支持される機構を具備する。
【0040】
〔4〕昇降ユニット30
管入り口部21の近傍に昇降ユニット30を設け、吊りワイヤー(ケーブル)22で滑車32を介して計測装置Aを吊って、計測装置A全体の昇降を行う。計測点付近では低速で移動し、それ以外の場所では移動速度を大きくする。
【0041】
また、管11,12の継手部11A,12A近傍に回転角を検出するための磁気マーカー(磁石)14,15を設ける。
【0042】
また、停止位置を確実にするため、計測ユニット4に配置したロック車輪(球)4Eが係合するように、管11,12の継手部11A,12Aの全周に溝16(図5参照)を設ける。
【0043】
計測ユニット4は次の部分から構成される。
【0044】
計測ユニット4には、傾斜センサー5A,5Bとして、X軸およびY軸回りの回転に対して自由に支持された傾斜台2Aの上に2個のサーボ型傾斜計を設ける。また、リンク1は傾斜台2Aに対して直角に取り付けられているものとする。傾斜センサー5A,5Bは感度軸をそれぞれ傾斜台2Aのx軸およびy軸に向けて配置する。
【0045】
これにより、傾斜台2Aとケース4Aのアライメントに影響されず、リンク1の鉛直軸に対する傾きを直接測定することができる。
【0046】
リンク支持機構4Bには、図4に示すように、すべり軸受け4B-2を介して枠4B-1がケース4AにX軸回りの回転自由に取付けられ、さらに傾斜台2Aが、すべり軸受け4B-3を介して枠4B-1にY軸回りの回転自由に取り付けられている。このような構成をとることで、リンク長手軸回りの回転を拘束しながら、傾斜は自由に許すことができる。
【0047】
ロック車輪4Eおよびブレーキ4Dについては、図5に示すように、管の継手部11Aの全周に設けられた溝16にロック車輪4Eがはまりこむことにより、管内壁11とケース4Aの間にブレーキをかけ、定点で停止させることにより測定精度を向上する。
【0048】
測定後は、解放ソレノイド4Fにより、ブレーキ4Dを解放し、吊りワイヤー(ケーブル)22の索引で上方に移動する。
【0049】
非測定時および管の継手部11Aに接近するまではブレーキ4Dを解放し、管内壁とのクリアランスを大きくする。
【0050】
磁気センサー(近接センサー)駆動部では、図5に示すように、管の継手部11A近傍の内壁の一か所に取り付けられた磁気マーカー(磁石)14をマークとして、計測装置Aの回転角を検出する。具体的には、ロック車輪4Eが計測装置Aをロックした後、モーター4Gを駆動し、磁気センサー(近接センサー)4Iを内壁に沿って回転させる。その回転角をロータリーエンコーダー〔例えば、ME-30-P(マイクロテックラボラトリー社製)、MES-9(ハーモニックドライブ社製)〕4Hで読み取り、磁気センサー(近接センサー)4IがONになっている範囲の中点を磁気マーカー検出角度とする。
【0051】
次に、ターゲットユニット3の構成を図6に示す。リンク1は計測ユニット4と同様のリンク支持機構3Bで傾斜可能に支持する。管の中心位置にリンク先端を保持するため、ケース3Aにガイドとして支持輪3Cを設け、リンク先端Aが管の中心に来るようにする。
【0052】
また、上記したように、計測装置A全体の回転を検知するためには、管11,12に設けられた磁気マーカー14,15の位置を2ヵ所同時に読み取る必要があるので、ダーゲットユニット3にも計測ユニット4と同様の磁気センサー駆動部を持たせる。磁気マーカー14,15の読み取りの回転方向を1回ごとに反転させれば、計測ユニット4との間の電気的な接続はスリップリングを設けなくとも、カールコードなどで十分と考えられる。
【0053】
40mの管の測定を5分程度で行うには、図1に示すように、計測ユニット4、リンク1、ターゲットユニット3と吊りワイヤー(ケーブル)22の合計質量を1m/s以上の速度で巻き上げる巻き上げ機31および滑車32を備える。また、管の継手部では走行速度を下げるので、速度制御機能と、大まかな移動距離の測定を行う測定器33を有する。更に、計測ユニット4がブレーキ4Dをかけている間、吊りワイヤー(ケーブル)22がゆるまないようにするための張力保持機構を有する。
【0054】
また、地上側には計測装置Aからのデータを処理するためのデータ処理装置(パソコン)34およびそのI/F装置35を備える。
【0055】
図7は本発明の計測システムの管の上端治具の構成図である。
【0056】
この図において、17は管の上端治具であり、その基準方向を示す磁気マーカー18を配置しておく。
【0057】
次に、本発明の計測システムの動作方法について説明する。
【0058】
図8は本発明の測定方式の動作フローを示す図である。
【0059】
(1)最初に管の上端治具17と昇降ユニット30を管上部にセットする。上端治具17は最初の管継手の代わりをする物で、方位角の初期値を与える(ステップS1)。
【0060】
(2)次に、リンク1を所定長さに伸ばして昇降ユニット30にセットし、管の下端を検出するまでブレーキ4Dを解放して降下させる。管の下端の検出は昇降ユニット30に予めセットした管の本数で行うか、ターゲットユニット3に取り付けた検出スイッチ(リミットスイッチ3G)で行う(ステップS2~S3)。
【0061】
(3)次に、管の下端からはブレーキ4Dを動作状態にして、低速で最初の管の継手部位置まで上昇させる(ステップS4)。
【0062】
(4)次に、管の継手部に達すると計測ユニット4のロック車輪4Eが溝16にはまってロックするので、この位置で管の磁気マーカー位置の検出と傾斜センサー5A,5Bの読み取りを行い、記録する(ステップS5)。
【0063】
(5)次いで、ブレーキ4Dを解放して次の管の継手部手前まで上昇する(ステップS6~S8)。
【0064】
(6)次に、移動速度を下げてブレーキ4Dを動作状態にし、ロック車輪4Eがロックするまで移動する(ステップS9~S10)。
【0065】
(7)次に、上記(4)~(6)の手順を管の上端治具に到達するまで繰り返して計測を行う。管の上端治具に到達したか否かの判定は昇降ユニット30の巻き上げ量で判定する(ステップS11)。
【0066】
(8)次に、計測装置Aが上端に達したら計測を停止する(ステップS12)。
【0067】
(9)次に、データ処理装置34からの測定データのダウンロード指令を待ち(ステップS13)、データ処理装置34からのダウンロード指令で測定データがダウンロードされ、地上側のデータ処理装置34で位置の計算を行う(ステップS14)。
【0068】
また、上記実施例で示したロック機構およびブレーキ機構を省略し、巻き上げ機の巻き取り長さ調整により計測装置の位置決めを行うようにしてもよい。つまり、巻き上げ機によって吊りワイヤーを一定刻みで巻き上げ、それぞれの地点ごとに計測ユニットで計測を行うようにしてもよい。
【0069】
その方法は以下のようになる。
【0070】
(1)昇降ユニットと管の上端治具とを管上部にセットし、計測装置の挿入により方位角の初期値を与え、
(2)管下端を検出するまで計測ユニットを降下させ、
(3)管下端からは巻き上げ機によって吊りワイヤーを一定量刻みで巻き上げ、それぞれの地点ごとに計測ユニットで磁気センサーによる管の磁気マーカー位置と傾斜センサーによる傾斜角度の読み取りを行い、記録し、
(4)上記(3)工程を管の上端治具に到達するまで繰り返して計測を行う。 このように構成すると、巻き上げ量に累積誤差が積算されるので、ロック機構を有する方法に比べると計測精度は落ちるが、装置としては大幅に簡略化され、低コスト化を図ることができる。
【0071】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムは、土壌改良等の竪穴の掘削における自動測量システムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の竪穴深度掘削における掘削先端位置の測定原理の説明図である。
【図2】本発明に係る方位角の算出の説明図である。
【図3】本発明の竪穴深度掘削における掘削先端位置計測システムの構成図である。
【図4】本発明に係る計測装置のリンク支持機構の構成図である。
【図5】本発明に係る計測装置のロック車輪と磁気センサー駆動部の構成図である。
【図6】本発明に係る計測装置のターゲットユニットの構成図である。
【図7】本発明の計測システムの管の上端治具の構成図である。
【図8】本発明の測定方式の動作フローを示す図である。
【図9】従来の竪穴深度掘削における掘削先端位置の測定システムの模式図である。
【符号の説明】
【0074】
A 計測装置
1 リンク
1A リンク先端
2A,2B 傾斜台
3 ターゲットユニット
3A,4A ケース
3B,4B リンク支持機構
3C,4C 支持輪
3D,4G モーター
3E,4H エンコーダー
3F,4I 磁気センサー
3G リミットスイッチ
4 計測ユニット
4B-1 枠
4B-2,4B-3 すべり軸受け
4D ブレーキ
4E ロック車輪(球)
4F ブレーキの解放ソレノイド
5A,5B 傾斜センサー(サーボ型傾斜計)
11~13 管
11A,12A 管の継手部
14,15,18 磁気マーカー
16 溝
17 管の上端治具
21 管入り口部
22 吊りワイヤー(ケーブル)
30 昇降ユニット
31 巻き上げ機
32 滑車
33 測定器(地上側)
34 データ処理装置(パソコン)
35 I/F装置
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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