TOP > 国内特許検索 > レールの防音構造 > 明細書

明細書 :レールの防音構造

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4295169号 (P4295169)
公開番号 特開2006-002443 (P2006-002443A)
登録日 平成21年4月17日(2009.4.17)
発行日 平成21年7月15日(2009.7.15)
公開日 平成18年1月5日(2006.1.5)
発明の名称または考案の名称 レールの防音構造
国際特許分類 E01B  19/00        (2006.01)
FI E01B 19/00 B
請求項の数または発明の数 2
全頁数 10
出願番号 特願2004-180100 (P2004-180100)
出願日 平成16年6月17日(2004.6.17)
審査請求日 平成18年9月6日(2006.9.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000110804
【氏名又は名称】ニチアス株式会社
発明者または考案者 【氏名】半坂 征則
【氏名】間々田 祥吾
【氏名】澤田 淳也
【氏名】清水 康男
【氏名】釣田 英利
個別代理人の代理人 【識別番号】100104064、【弁理士】、【氏名又は名称】大熊 岳人
審査官 【審査官】鹿戸 俊介
参考文献・文献 特開平08-333820(JP,A)
特開平03-277537(JP,A)
特開平11-132273(JP,A)
特開2003-122370(JP,A)
特開2003-184002(JP,A)
実開平03-005703(JP,U)
特開2001-342602(JP,A)
調査した分野 E01B 19/00
特許請求の範囲 【請求項1】
レールの振動によって発生する騒音を低減するレールの防音構造であって、
前記レールの少なくとも一部を被覆する被覆部材を備え、
前記被覆部材は、内側に前記騒音を吸収する吸音部を有し、外側に前記振動を低減する制振部を有し、
前記吸音部は、吸音機能を有する粘弾性材であるEPDMの発泡体であり、
前記制振部は、前記吸音部よりも剛性が高く制振機能を有する制振鋼板であること、
を特徴とするレールの防音構造。
【請求項2】
レールの振動によって発生する騒音を低減するレールの防音構造であって、
前記レールの少なくとも一部を被覆する被覆部材を備え、
前記被覆部材は、内側に前記振動を低減する制振部を有し、外側に前記騒音を吸収する吸音部を有し、
前記制振部は、制振機能を有する粘弾性体であり
前記吸音部は、前記制振部よりも剛性が高く吸音機能を有し、耐水性無機質粒子の多孔質成形体からなる耐候性吸音材であること、
を特徴とするレールの防音構造。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、レールの振動により発生する騒音を低減するレールの防音構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレールの防音構造(従来技術1)は、ゴム又は合成樹脂とモルタルとの混合物からなるモルタル系制振材をレール腹部に接着している(例えば、特許文献1参照)。この従来技術1では、レール上を車両が通過するときにこのレールから発生する振動をモルタル系制振材によって抑制し、レールからの騒音を低減している。
【0003】
従来のレールの防音構造(従来技術2)は、鉛などの制振性を有する一対の防音材と、この一対の防音材をそれぞれ保持する一対の金物と、この一対の金物をそれぞれ締め付ける一対の締め付けねじなどを備えている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術2では、レール腹部の両側面にそれぞれ防音材を配置し、締め付けねじを締め付けることによって金物を防音材に押し付けて、レール腹部の両側面にそれぞれ防音材を固定している。
【0004】
従来のレールの防音構造(従来技術3)は、ブチルゴムなどの制振部材と、レール腹部の一方の側面にこの制振部材を押し付けるばね鋼などからなる押圧板などを備えている(例えば、特許文献3参照)。この従来技術3では、曲げ治具などによって押圧板を予め変形させてレールに固定するための折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部をレールに掛け止めして制振部材を固定している。
【0005】

【特許文献1】特開昭52-109206号公報
【0006】

【特許文献2】特開平10-152801号公報
【0007】

【特許文献3】特開2001-342602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術1~3では、レールの振動をモルタル系制振材、鉛、ブチルゴムなどの制振部材によって抑制する構造であるためレールの振動を低減することができるが、レールからの騒音を効果的に低減することができない問題点があった。また、従来技術1~3では、モルタル系制振材をレールに接着したり鉛やブチルゴムを複雑な固定部材で固定したりする構造であるため、レールの交換作業時や点検作業時にモルタル系制振材などの制振材料をレールから取り外し、作業終了後に再装着する必要があり、着脱作業に手間がかかり現場での施工性が低下してしまう問題点があった。
【0009】
この発明の課題は、レールの振動を低減するとともにレールからの騒音も低減させて防音効果を向上させることができるレールの防音構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、レール(R)の振動によって発生する騒音を低減するレールの防音構造であって、前記レールの少なくとも一部を被覆する被覆部材(8)を備え、前記被覆部材は、内側に前記騒音を吸収する吸音部(9a)を有し、外側に前記振動を低減する制振部(10a)を有し、前記吸音部は、吸音機能を有する粘弾性材であるEPDMの発泡体であり、前記制振部は、前記吸音部よりも剛性が高く制振機能を有する制振鋼板であることを特徴とするレールの防音構造(7)である。
【0011】
請求項2の発明は、レール(R)の振動によって発生する騒音を低減するレールの防音構造であって、前記レールの少なくとも一部を被覆する被覆部材(8)を備え、前記被覆部材は、内側に前記振動を低減する制振部(9b)を有し、外側に前記騒音を吸収する吸音部(10b)を有し、前記制振部は、制振機能を有する粘弾性体であり前記吸音部は、前記制振部よりも剛性が高く吸音機能を有し、耐水性無機質粒子の多孔質成形体からなる耐候性吸音材であることを特徴とするレールの防音構造(7)である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によると、レールの振動を低減するとともにレールからの騒音も低減させて防音効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す平面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す側面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。図4は、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。なお、以下では、軌道を構成する平行な一対のレールのうち一方のみを図示し、他方については図示を省略する。
【0016】
図1~図4に示すレールRは、鉄道車両の車輪Wを支持し案内してこの鉄道車両を走行させる部材である。レールRは、鉄道車両の車輪Wと接触するレール頭部R1と、まくらぎ1に取り付けられるレール底部(フランジ部)R2と、レール頭部R1とレール底部R2とを繋ぐレール腹部(ウェブ部)R3とを備えている。図4及び図5に示す車輪Wは、レールRと回転接触する部材であり、レール頭部R1の頭頂面と接触して摩擦抵抗を受ける踏面W1と、車輪Wの外周部に連続して形成されたフランジ面W2とを備えている。
【0017】
図1及び図2に示すまくらぎ1は、レールRを支持する支持体である。レール締結装置2は、レールRをまくらぎ1に締結する装置である。レール締結装置2は、例えば、レール底部R2とまくらぎ1との間に図示しない軌道パッドなどを挟み込み、締結ばね3によってレールRをまくらぎ1に締結して、鉄道車両が通過する際に発生する振動を吸収する。レール締結装置2は、図1及び図2に示すように、レールRを押さえ付けて締結する締結ばね3と、締結ばね3を支持するばね受台4と、締結ばね3を締め付ける締結ボルト5と、締結ばね3と締結ボルト5との間に挟み込まれる座金6などを備えている。
【0018】
防音構造7は、レールRの振動によって発生する騒音を低減する構造である。防音構造7は、図1~図4に示すように、被覆部材8と固定部材11などを備えている。防音構造7は、レールR上を車両が通過するときに発生する振動を抑制してこのレールRからの騒音を抑制する。
【0019】
被覆部材8は、レールRの一部を覆う部材であり、図3及び図4に示すように内側に吸音層9aを有し、外側に制振層10aを有する。被覆部材8は、レール底部R2及びレール腹部R3と密着可能なようにレール底部R2及びレール腹部R3の表面形状に沿った形状に形成されており、レールRと接触する側に吸音層9aを有し、レールRと接触する側とは反対側(吸音層9aの裏面)に制振層10aを有する。被覆部材8は、図1及び図2に示すように、レール底部R2の底面を被覆可能なようにまくらぎ1の間隔と略同じ長さに形成されている。
【0020】
図3及び図4に示す吸音層9aは、騒音を吸収する部材であり、制振層10aよりも剛性の低い弾性体層である。吸音層9aは、剛体よりも相対的に軟質の弾性体であり、例えば常温でヤング率が1.0×103MPa以下であり、望ましくは粘性も兼ね備え、損失係数が0.05以上である。吸音層9aは、レールRからの騒音を吸収する吸音機能を有する吸音材によって形成されている。このような吸音材としては、柔軟な弾性材や粘弾性材などである。柔軟な弾性材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂による繊維体や、ロックウール、グラスウールなどが好ましい。柔軟な粘弾性材としては、ウレタン、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンなどの発泡体が好ましく、このような発泡体は吸音制振機能を有する粘弾性体であるため、吸音効果とともに制振効果も期待することができる。
【0021】
制振層10aは、振動を低減する部材であり、吸音層9aよりも剛性の高い弾性体層である。制振層10aは、例えば、金属やヤング率が3.0×103MPa以上の剛体などからなる剛弾性体(高剛性弾性体)によって形成されている。制振層10aは、レールRの振動を抑制する制振機能を有する制振材によって形成されている。このような制振材としては、ゴム層と金属板とからなる薄板状の樹脂積層型の制振鋼板(ニチアス株式会社製のメタラミネ(表品名))、株式会社神戸製鋼所製のダンプレ(表品名))や、クロム、鉛などが配合された鋼系の制振合金や、亜鉛などが配合されたアルミ系の制振合金や、アスファルト系やアクリル系、クロロプレン系などの制振塗料が塗布された金属板などが好ましい。
【0022】
制振層10aは、吸音層9aのレールRと接触する側とは反対側の表面に接着剤などによって貼り付けられ固定されており、吸音層9aと制振層10aとの間には接着層が形成されている。この接着層は、エポキシ樹脂系、シアノアクリレート系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系などの反応型接着剤や、酢酸ビニル樹脂系、変性アクリル樹脂系などのエマルジョン型や、クロロプレンやシリコンなどの合成ゴム型や、エラストマー系、エチレン酢酸ビニル共重合(EVA)系などのホットメルト型などの接着剤によって形成することが好ましい。
【0023】
固定部材11は、被覆部材8をレールRに着脱自在に固定する部材である。固定部材11は、図3及び図4に示すように、保持部材11a,11bと、連結部材11cなどを備えている。固定部材11は、被覆部材8の外側に着脱自在に装着される。
【0024】
保持部材11a,11bは、被覆部材8を保持する部材であり、被覆部材8と密着可能なようにこれらの表面形状に沿った形状に形成されており、レールRの左右両側面から着脱自在に装着可能な分割構造を有する。保持部材11a,11bは、例えば、薄板状のどぶ付けめっき鋼板やステンレス鋼板などによって形成されている。保持部材11a,11bは、図1及び図2に示すように、被覆部材8の長さ方向に間隔をあけて装着されている。図3に示すように、保持部材11aには一方の端部に接合部11dと貫通孔11fとが形成されており、保持部材11bには一方の端部に接合部11eと貫通孔11gとが形成されている。
【0025】
連結部材11cは、保持部材11aと保持部材11bとを着脱自在に連結する部材である。連結部材11cは、図1及び図4に示すように、締結作業を容易に実施可能なように、被覆部材8がレールRに装着されたときにこのレールRの側方に位置するように配置されている。連結部材11cは、貫通孔11f,11gに挿入されるボルト11hと、このボルト11hに装着されるナット11iなどから構成されている。連結部材11cは、ボルト11hやナット11iなどがレールRの振動によって緩むのを防止するための緩み止め防止構造を備えている。
【0026】
次に、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の作用を説明する。
レールR上を車両が通過してこのレールRが振動すると、レールRから発生する音のエネルギーを吸音層9aが吸収してレールRからの騒音が低減する。吸音層9aが柔軟な弾性材によって形成されている場合には、力学モデルとしてばね定数が小さい柔軟なばねを構成する。その結果、ばね定数の低下によって振動伝達率が低下し、レールRからの振動が制振層10aに伝播し難くなる。一方、吸音層9aが粘弾性体によって形成されている場合には、吸音層9aが柔軟なばねと減衰器(ダッシュポット)とを構成し、レールRからの振動が吸音層9aから制振層10aに伝播し難くするとともに、粘性による振動減衰によってレールRの振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、レールRの振動が吸収され減衰する。また、吸音層9aが通常の弾性材又は粘弾性材のいずれの場合であっても、制振層10aがレールR自体の振動を減衰させるとともに、レールRから伝播される振動を低減して、この制振層10a自体の振動も結果として低減することが期待される。さらに、吸音層9aが粘弾性体の場合には、騒音による音のエネルギーを吸収するとともに、制振層10aが吸音層9aを拘束し吸音層9aのせん断変形の程度が振動時に高められるため、吸音層9aの内部損失が増大し制振能力が増幅させられる。これらの結果から、制振層10aから外部に放射する騒音が低減する。
【0027】
次に、この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着方法を説明する。
図3に示すように、レール底部R2の上面及び下面に被覆部材8を装着するとともに、レール腹部R3の両側面に被覆部材8を装着する。その後に、レールRの長さ方向に所定の間隔をあけて、レールRとの間に被覆部材8を挟み込むように保持部材11a,11bを装着する。次に、ボルト11hを貫通孔11f,11gに挿入しナット11iをボルト11hに装着した後に、ナット11iとボルト11hとを締結し、保持部材11aと保持部材11bとを連結する。その結果、レールRの一部が被覆部材8によって被覆され、被覆部材8がレールRに固定部材11によって固定される。レールRの交換作業や点検作業を実施する場合には、以上説明した手順と逆の手順によってレールRから被覆部材8が取り外される。
【0028】
この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、内側に騒音を吸収する吸音層9aを有し、外側に振動を低減する制振層10aを有する被覆部材8がレールRの少なくとも一部を被覆する。その結果、従来のレールの防音構造に比べて被覆部材8が制振機能だけではなく吸音機能も備えるため、レールRの防音効果を向上させることができる。
【0029】
(2) この第1実施形態では、吸音層9aが吸音機能を有する粘弾性体によって形成されており、制振層10aが制振機能を有する高剛性弾性体によって形成されている。このため、高剛性弾性体によって振動を抑えることができるだけではなく粘弾性体によってレールRの振動を吸収して騒音を低減することができる。特に、吸音層9aが粘弾性体層によって形成されているため、レールRの表面の凹凸(不陸)にこの吸音層9aが密着して凹凸が吸収され防音効果を向上させることができる。
【0030】
(第2実施形態)
図5は、この発明の第2実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。図6は、この発明の第2実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。以下では、図1~図4に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図5及び図6に示す被覆部材8は、内側に制振層9bを有し、外側に吸音層10bを有する。制振層9bは、粘弾性体によって形成されており、このような粘弾性体としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリルゴムなどの加硫ゴムや、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系TPE(熱可塑エラストマ)や、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコンなどのゲル、酢酸ビニル系、EVA系、アクリル樹脂系などのエマルジョン、ゴムラテックスなどが好ましい。吸音層10bは、制振層9bよりも剛性の高い高剛性弾性体によって形成されており、このような高剛性弾性体としては、多孔質セラミック、発泡コンクリート、無機質細粒子を樹脂で結合した無機質粒子結合材などが好ましい。このような無機質粒子結合材としては、例えば、特開平6-240620に記載されているような遮光性無機顔料及びシランカップシング剤を含有する有機結合剤により結合された耐水性無機質粒子の多孔質成形体からなる耐候性吸音材などが好ましい。
【0031】
レールR上を車両が通過してこのレールRが振動すると、制振bが粘弾性体によって形成されているため、制振bが柔軟なばねとダッシュポットとを構成し、レールRからの振動が制振層9bから吸音層10bに伝播し難くするとともに、粘性による振動減衰によってレールRの振動エネルギーの一部を熱エネルギーに変換して振動を吸収し減衰させる。また、吸音層10bが制振層9bを拘束し、制振層9bのせん断変形を増大させることにより、制振層9bの制振能力を増幅する。さらに、制振層9bから吸音層10bに伝わる音のエネルギーを吸音層10bが吸収してレールRからの騒音が低減する。この第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、レールRと接触する側とは反対側に吸音層10bが形成されているため、レールRからの騒音以外にレールR上を車両が通過するときに発生する転動音や空力音なども吸音層10bによって吸収することができる。
【0032】
(第3実施形態)
図7は、この発明の第3実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図7に示す被覆部材8は、吸音層9aのレールRと接触する側(吸音層9aの表面)に磁性体層12を有し、この磁性体層12のレールRと接触する側(磁性体層12の表面)に防錆層13を有する。磁性体層12は、吸音層9aの全面に形成されるとともに、接着剤などによって貼り付けられた薄板状の磁性ゴムや、磁性塗料などを塗布して形成された磁性塗膜であり、レールRに吸着する磁力を発生する。このような磁性粉としては、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライトなどのフェライト系磁性粉や、1-5型サマリウムコバルト、2-17型サマリウムコバルトなどの希土類系磁性粉などが好ましい。防錆層13は、レールRの腐食を防止する層であり、磁性体層12の全面に防錆剤を塗布し層形成される。このような防錆剤としては、フタル樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリウレア系、ウレタン樹脂系、ビニルエステル系の塗料型の防錆剤や、フッ素樹脂系などのコーティング型の防錆剤や、亜硝酸塩などの気化質の防錆剤や、防錆グリースなどが好ましい。この第3実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、磁性体層12の磁力によって被覆部材8をレールRに簡単に固定することができ、レールRに対する着脱作業をより一層容易に実施することができる。また、この第3実施形態では、防錆層13がレールRの表面と接触するためレールRの腐食を防止することができる。
【0033】
(第4実施形態)
図8は、この発明の第4実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
図8に示す被覆部材8は、制振層9bのレールRと接触する側に磁性体層12を有し、この磁性体層12のレールRと接触する側に防錆層13を有する。この第4実施形態では、第2実施形態の効果に加えて、磁性体層12の磁力によって被覆部材8をレールRに簡単に固定することができ、レールRに対する着脱作業をより一層容易に実施することができるとともに、レールRの腐食を防止することができる。
【0034】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、レールRの一部を被覆部材8によって被覆する場合を例に挙げて説明したがこれに限定するものではない。例えば、車輪Wの踏面W1及びフランジ面W2と接触しない範囲内でレールRの略全部を被覆部材8によって被覆することもできる。また、この第3実施形態では吸音層9aのレールRと接触する側に防錆層13を形成した場合を例に挙げて説明したがこれらに限定するものではない。例えば、図8に示す制振層9bに防錆剤を含有させたり、図7及び図8に示す防錆層13を省略して磁性体層12に防錆剤を含有させたりすることもできる。この場合には、吸音層9aの全体に防錆剤を配合又は混合したり、吸音層9aの表面に防錆剤を配合又は含浸させたりすることができる。
【0035】
(2) この第3実施形態及び第4実施形態では、吸音層9a及び制振層9bに磁性体層12及び防錆層13を形成する場合を例に挙げて説明したが、磁性体層12又は防錆層13のいずれか一方のみを形成することもできる。また、この第3実施形態及び第4実施形態では、被覆部材8側に防錆層13を形成する場合を例に挙げて説明したが、レールR側に防錆層13を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す平面図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の装着状態を示す側面図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。
【図4】この発明の第1実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態に係るレールの防音構造の展開図である。
【図6】この発明の第2実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
【図7】この発明の第3実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
【図8】この発明の第4実施形態に係るレールの防音構造の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 まくらぎ
2 レール締結装置
7 防音構造
8 被覆部材
9a 吸音層(吸音部)
9b 制振層(制振部)
10a 制振層(制振部)
10b 吸音層(吸音部)
11 固定部材
11a,11b 保持部材
11c 連結部材
12 磁性体層
13 防錆層
R レール
1 レール頭部
2 レール底部
3 レール腹部
W 車輪

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7