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明細書 :視覚障害者用誘導案内システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4396891号 (P4396891)
公開番号 特開2005-046607 (P2005-046607A)
登録日 平成21年10月30日(2009.10.30)
発行日 平成22年1月13日(2010.1.13)
公開日 平成17年2月24日(2005.2.24)
発明の名称または考案の名称 視覚障害者用誘導案内システム
国際特許分類 A61F   9/08        (2006.01)
G01C  21/00        (2006.01)
G08G   1/005       (2006.01)
H04W  84/10        (2009.01)
H04W  64/00        (2009.01)
H04W   4/02        (2009.01)
FI A61F 9/08 305
G01C 21/00 Z
G08G 1/005
H04B 7/26 R
H04B 7/26 106C
H04Q 7/04 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2004-187140 (P2004-187140)
分割の表示 特願平10-166733 (P1998-166733)の分割、【原出願日】平成10年6月15日(1998.6.15)
出願日 平成16年6月25日(2004.6.25)
審判番号 不服 2007-010382(P2007-010382/J1)
審査請求日 平成16年9月6日(2004.9.6)
審判請求日 平成19年4月12日(2007.4.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】松原 広
【氏名】明星 秀一
【氏名】後藤 浩一
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
参考文献・文献 特開平8-190688(JP,A)
実開平7-12133(JP,U)
実開平6-37995(JP,U)
特開平5-189690(JP,A)
特開平6-150186(JP,A)
特開平9-212118(JP,A)
特開平9-231170(JP,A)
調査した分野 A61F9/08
G01C21/00
G08G1/005
H04B7/26
H04Q7/04
特許請求の範囲 【請求項1】
視覚障害者用誘導案内システムにおいて、
視覚障害者の音声を認識する音声認識手段と、該音声認識手段からの情報に基づいて目的地を探索するナビゲーション機能を有する処理装置と、該処理装置から探索された目的地を音声合成して報知する報知手段と、タグ情報を受信する受信装置と、外部装置からの外部案内情報を無線により取得するデータ受信装置とを有する携帯端末装置と、タグリーダーと送信装置とを有する視覚障害者用案内杖と、前記目的地に至るまでの所定の位置に配置される位置情報を記憶したタグとを具備し、該タグは一般道路に埋設されて位置情報を記憶し、前記携帯端末装置の記憶装置に道路の情報、交差点の情報およびランドマークの情報を記憶し、前記タグとタグリーダーにより、埋設されているタグの位置情報を得ながら、その位置に対応した前記外部装置としての信号機からの無線による外部案内情報及び前記タグリーダーからのタグ位置情報を享受することで視覚障害者に十分な道路交通情報提供、安全、かつ的確に誘導案内することを特徴とする視覚障害者用誘導案内システム。
【請求項2】
請求項1記載の視覚障害者用誘導案内システムにおいて、前記信号機は、横断歩道に設置される信号機であり、制御装置と、該制御装置によって制御される信号表示装置と、該信号表示装置の情報を無線により送信する送信装置とを具備することを特徴とする視覚障害者用誘導案内システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報と外部案内情報等を取得可能な視覚障害者用誘導案内システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現状の視覚障害者用誘導案内システムとしては、例えば、以下に示すようなものが提案されている。
(1)盲人者に対して任意の文字情報を即時的に伝達可能な、また、携帯に便利な盲人用情報端末装置を提供する(特許文献1参照)。
(2)携帯送受信機を視覚障害者に携帯させ、第1のエリアから目的とする第2のエリアへ至るまでの誘導情報を音声で案内することにより、目的地または目的物捜しの労を回避する(特許文献2参照)。
【0003】
(3)公共施設等の施設を利用する視覚障害者にとって、送信装置内蔵のカードを携帯しているだけで、トイレ等の諸設備の近傍に設置した音声誘導案内装置に対し所定の距離範囲内に近付いた時点で、その設備についての音声による誘導案内情報が自動的に得られるようにする(特許文献3参照)。

【特許文献1】特開平5-72974号公報
【特許文献2】特開平5-257424号公報
【特許文献3】特開平6-63070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の先行技術では、視覚障害者にとって必ずしも、使用が容易でなかったり、十分な情報が得られないなど、技術的に満足のいくものではなかった。
本発明は、このような状況に鑑みて、一般道路において、簡便に使用することができるとともに、十分な情報が提供され、安全、かつ的確に視覚障害者を誘導案内することができる、視覚障害者用誘導案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕視覚障害者用誘導案内システムにおいて、視覚障害者の音声を認識する音声認識手段と、該音声認識手段からの情報に基づいて目的地を探索するナビゲーション機能を有する処理装置と、該処理装置から探索された目的地を音声合成して報知する報知手段と、タグ情報を受信する受信装置と、外部装置からの外部案内情報を無線により取得するデータ受信装置とを有する携帯端末装置と、タグリーダーと送信装置とを有する視覚障害者用案内杖と、前記目的地に至るまでの所定の位置に配置される位置情報を記憶したタグとを具備し、該タグは一般道路に埋設されて位置情報を記憶し、前記携帯端末装置の記憶装置に道路の情報、交差点の情報およびランドマークの情報を記憶し、前記タグとタグリーダーにより、埋設されているタグの位置情報を得ながら、その位置に対応した前記外部装置としての信号機からの無線による外部案内情報及び前記タグリーダーからのタグ位置情報を享受することで視覚障害者に十分な道路交通情報提供、安全、かつ的確に誘導案内するようにしたものである。
【0006】
〔2〕上記〔1〕記載の視覚障害者用誘導案内システムにおいて、前記信号機は、横断歩道に設置される信号機であり、制御装置と、該制御装置によって制御される信号表示装置と、該信号表示装置の情報を無線により送信する送信装置とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(A)タグと案内用杖に装着されたタグリーダーにより、的確な位置情報を得ながら、その位置に対応した外部装置からの外部案内情報を受けることにより、視覚障害者は、的確な誘導案内を享受することができる。
(B)タグ位置情報の取得とともに、外部装置としての信号機から、横断歩道の横断に関する情報を取得することができ、安全に、しかも、確実に視覚障害者の横断歩道の横断を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の視覚障害者用誘導案内システム、視覚障害者の音声を認識する音声認識手段と、該音声認識手段からの情報に基づいて目的地を探索するナビゲーション機能を有する処理装置と、該処理装置から探索された目的地を音声合成して報知する報知手段と、タグ情報を受信する受信装置と、外部装置からの外部案内情報を無線により取得するデータ受信装置とを有する携帯端末装置と、タグリーダーと送信装置とを有する視覚障害者用案内杖と、前記目的地に至るまでの所定の位置に配置される位置情報を記憶したタグとを具備し、該タグは一般道路に埋設されて位置情報を記憶し、前記携帯端末装置の記憶装置に道路の情報、交差点の情報およびランドマークの情報を記憶し、前記タグとタグリーダーにより、埋設されているタグの位置情報を得ながら、その位置に対応した前記外部装置としての信号機からの無線による外部案内情報及び前記タグリーダーからのタグ位置情報を享受することで視覚障害者に十分な道路交通情報提供、安全、かつ的確に誘導案内する。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの全体模式図である。
この図に示すように、視覚障害者は、ポケット等に携帯端末装置1を装着するとともに、手には案内用杖10を携えている。
その携帯端末装置1は、入出力装置として音声認識・音声合成装置2を有し、この音声認識・音声合成装置2は処理装置4に接続されている。また、処理装置4には、記憶装置3が接続され、この記憶装置3には目的地への誘導案内に必要な情報が記憶されている。そこで、処理装置4は、後述するタグ位置情報と記憶装置3からの情報に基づいたナビゲーション機能を持っている。
【0010】
更に、タグからの位置情報を受信する受信装置(受信機)5と、外部装置16からの外部案内情報(データ)を受信するデータ受信装置6と、補完的に使用するGPS情報を受信可能なGPS(衛星航法システム)情報受信装置7が設けられている。GPS情報を取得したい場合には、このGPS情報受信装置7によりGPS情報を取得することもできる。これにより、点字ブロックのない場所での移動や、タグの埋め込まれていない場所での利用に有利である。また、各部に電力を供給する電池8が搭載されている。
【0011】
また、案内用杖10はその先端にタグリーダー11が装備され、そのタグリーダー11は杖内部の送信装置(送信機)12に接続されている。
一方、視覚障害者を案内するために、地中やそれに類する施設にタグ(位置情報が記憶されたICチップが実装された部材)20,30,40が埋設されて配置される。タグ20,30,40は一般道路に埋設され、位置情報を有している。そして、そのタグ20,30,40の位置情報を案内用杖10のタグリーダー11で読み取り、杖内部の送信装置12から携帯端末装置1へ送信されると、携帯端末装置1の記憶装置3に記憶された情報が音声で報知され、視覚障害者を誘導案内することができる。
【0012】
図2は本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの携帯端末装置のブロック図である。
この図において、入出力装置としての音声認識・音声合成装置2はマイク2Aと、第1の増幅回路2Bと、音声認識回路2Cと、音声合成回路2Dと、第2の増幅回路2Eとスピーカ(報知装置)2Fとを備えている。
【0013】
記憶装置3は、一般道路の道路の情報、交差点の情報、ランドマークの情報などを予め記憶している。
また、外部案内情報として、横断歩道における信号機からの情報などを無線によりデータ受信装置6で受信することができる。
さらに、GPS情報受信装置7により、補完的に、GPS情報を受信することができる。
【0014】
次いで、本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの動作について説明する。
例えば、図3に示すように、視覚障害者が横断歩道の手前に至ると、そこに埋設されたタグ51の位置情報を案内用杖10のタグリーダー11が読み出す。すると、図4に示すように、この位置情報と対応して外部装置としての信号機60の信号表示装置63の動作状態が、信号機60が備える制御装置62の制御で信号機60が備える外部装置の送信装置64から携帯端末装置1へ送信される。例えば、信号機60が青の場合は、信号機が青であるというデータを携帯端末装置1のデータ受信装置6で受信することになり、そのデータを外部案内情報として音声化して、携帯端末装置1の入出力装置2のスピーカ2Fから『只今、信号機は青です。』と報知される。これにより、視覚障害者は横断歩道を安心して横断することができる。
【0015】
なお、ここでは、タグ51には、位置情報のみを記憶するようにしているが、その他の情報をも記憶させて、信号機60との協働により、きめの細かい外部案内情報を提供することができることは言うまでもない。
以下、この動作フローを図5とともに説明する。
図5は本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの動作フローチャートである。
【0016】
(1)まず、タグ位置情報の取得を行う(ステップS1)。
(2)そのタグ位置情報から横断歩道前の位置であるか否かをチェックする(ステップS2)。
(3)次に、横断歩道前の位置である場合には、信号機60からの電波により、信号表示装置63の状態情報を携帯端末装置1のデータ受信装置6で受信して、音声化を行い、携帯端末装置1の入出力装置2のスピーカ2Fから音声により報知する(ステップS3)。
【0017】
(4)すると、視覚障害者はその音声による報知により、信号機60の状態を確認して横断歩道を横断する(ステップS4)。
このように構成することにより、横断歩道の通行時でも、音声案内により、安全に、しかも、確実に視覚障害者の横断を支援することができる。
また、携帯端末装置1は、受信装置(受信機)5で案内用杖10に設置された杖内部の送信装置(送信機)12からタグ位置情報を無線で受信するが、補完的に、GPS情報をGPS情報受信装置7を介して取得することもできる。
【0018】
このように構成することにより、タグ位置情報の取得とともに、視覚障害者の案内を安全、かつ、確実に行うことができる。
なお、位置情報とその場所にある外部装置や設備の状態情報を利用して、その場所がどこであるか、現在の場所とその場所にある装置や設備が使えるかなどの案内を行うようにすることもできる。
【0019】
例えば、個人情報を記憶する装置を設けることにより、行き先や視覚障害者の障害状況に合わせた案内ができる。
また、入出力装置にマイクと音声認識回路があるので、視覚障害者でも簡単に音声で入力でき、自分の行きたいところを入力しておくことにより、行き先までの経路を求め、これを元に、どの場所を通ってよいか、渡ろうとしている横断歩道は正しいか、目の前の横断歩道を渡ってもかまわないかなど、総合的な案内をすることができる。
【0020】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の視覚障害者用誘導案内システムは、十分な情報が提供され、視覚障害者を安全、かつ的確に誘導案内することができ、視覚障害者の強力なツールとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの全体模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの携帯端末装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの使用状態を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例を示す外部案内情報を送信する信号機の概略ブロック図である。
【図5】本発明の実施例を示す視覚障害者用誘導案内システムの動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0023】
1 携帯端末装置
2 入出力装置(音声認識・音声合成装置)
2A マイク
2B 第1の増幅回路
2C 音声認識回路
2D 音声合成回路
2E 第2の増幅回路
2F スピーカ
3 記憶装置
4 処理装置
5 受信装置(受信機)
6 データ受信装置
7 GPS情報受信装置
8 電池
10 案内用杖
11 タグリーダー
12 杖内部の送信装置(送信機)
16 外部装置
20,30,40,51 タグ
60 信号機
62 制御装置
63 信号表示装置
64 外部装置の送信装置(送信機)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4