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明細書 :列車模型による実験装置における制動装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4361442号 (P4361442)
公開番号 特開2006-044609 (P2006-044609A)
登録日 平成21年8月21日(2009.8.21)
発行日 平成21年11月11日(2009.11.11)
公開日 平成18年2月16日(2006.2.16)
発明の名称または考案の名称 列車模型による実験装置における制動装置
国際特許分類 B61K   7/06        (2006.01)
B61K  13/00        (2006.01)
F16D  63/00        (2006.01)
B61D  17/02        (2006.01)
FI B61K 7/06
B61K 13/00 Z
F16D 63/00 L
B61D 17/02
請求項の数または発明の数 8
全頁数 10
出願番号 特願2004-232130 (P2004-232130)
出願日 平成16年8月9日(2004.8.9)
審査請求日 平成19年2月19日(2007.2.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】592244376
【氏名又は名称】住友金属テクノロジー株式会社
【識別番号】000182993
【氏名又は名称】住金関西工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】浦部 正男
【氏名】上野 眞
【氏名】吉満 信彦
【氏名】池永 健二
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】西中村 健一
参考文献・文献 特開平07-151648(JP,A)
特開平08-271383(JP,A)
特開昭60-185670(JP,A)
特開2001-165821(JP,A)
調査した分野 B61K 7/00- 7/22
B61H 7/00- 7/12
B61H 11/06
F16D 49/00-71/04
G01M 9/06、08
G01M 17/08
特許請求の範囲 【請求項1】
列車模型を高速で発射させ、試験区間通過後に停止させる実験装置において、
(a)突入する弾丸形状の列車模型の中心線に対応した円形状の空間が形成される複数枚の摩擦板と、
(b)前記列車模型の中心線に対応した前記摩擦板の円形状の空間よりも大きめの円形状の空間を有し、前記複数枚の摩擦板それぞれの間に配置される剛性の高いスペーサと、
(c)前記摩擦板と前記スペーサが挟着される制動筒とを備え
(d)該制動筒を複数個直列に配置してなることを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
【請求項2】
請求項1記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記摩擦板がゴム板からなることを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
【請求項3】
請求項2記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記ゴム板に形成される前記円形状の空間が前記列車模型が通過する円形状の空間と該円形状の空間に連通する垂直方向の空間からなることを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
【請求項4】
請求項3記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記ゴム板及びスペーサは、半割りカセットにより二分割され、それぞれ個別に支持されており、互いに離間されて対向配置されることを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
【請求項5】
請求項4記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記二分割されたゴム板及びスペーサの、互いに離間された間隔を調整可能な前記制動筒のゴム板押し当て量調整ハンドルを具備することを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
【請求項6】
請求項5記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記制動筒のゴム板押し当て量を直列に配置された前記制動筒毎に前記列車模型の速度に応じて調整することを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
【請求項7】
請求項1記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記制動筒の前記摩擦板の数を前記列車模型の走行速度に応じて調整することを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
【請求項8】
請求項1又は7記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記制動筒の数を前記列車模型の走行速度に応じて調整することを特徴とする列車模型による実験装置における制動装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、列車が高速で所定空間やトンネル内を通過する際や、トンネルに突入及び退出する際に発生する圧力変動や低周波音の解明のため、列車模型を高速で発射させ、試験区間通過後に停止させる実験装置において、その発射装置から発射された列車模型を停止させる列車模型による実験装置における制動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
列車模型による実験装置において、発射装置と制動装置の間は所定の距離が設けられており、その区間で列車通過による圧力変動や低周波音の測定を行う。
【0003】
発射装置から制動装置までは、ワイヤー(ピアノ線)が緊張装置によって張られており、列車模型はそのワイヤーに沿って、案内されて進む(下記特許文献1、2参照)。
【0004】
発射装置は、高速回転する一対の車輪を複数装備した装置からなり、列車模型をその高速回転する車輪の周囲に貼ってあるゴムの摩擦で挟んで放つ方式を採用しているが、制動装置はその列車模型が高速で発射されても確実に列車模型を停止させる必要がある。
【0005】
そこで、従来の列車模型による実験装置における制動装置は、高速発射された列車模型を減速させるため、エネルギーを吸収させるエアダンパー付きのクッションを装備している。すなわち、列車模型の先頭部でクッション材を押しながら減速する方式である。

【特許文献1】特開2002-082013号公報
【特許文献2】特開2003-177664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の制動装置では、列車模型の速度が高速になるとエネルギーが増え制動距離も延びるので、その制動装置の長さも長くなってしまう。
【0007】
また、エアダンパー付きのクッションではその制動を安定に行うのに難があった。
【0008】
本発明は、上記状況に鑑みて、多くの直列に配置された摩擦板で模型車両を的確に安定に制動し停止させることができる列車模型による実験装置における制動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕列車模型を高速で発射させ、試験区間通過後に停止させる実験装置において、突入する弾丸形状の列車模型(31)の中心線に対応した円形状の空間が形成される複数枚の摩擦板(7)と、前記列車模型(31)の中心線に対応した前記摩擦板(7)の円形状の空間よりも大きめの円形状の空間(8A)を有し、前記複数枚の摩擦板(7)それぞれの間に配置される剛性の高いスペーサ(8)と、前記摩擦板(7)と前記スペーサ(8)が挟着される制動筒(9)を備え、この制動筒(9)を複数個直列に配置するようにしたものである。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記摩擦板がゴム板からなることを特徴とする。
【0011】
〔3〕上記〔2〕記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記ゴム板に形成される前記円形状の空間が前記列車模型が通過する円形状の空間とこの円形状の空間に連通する垂直方向の空間からなることを特徴とする。
【0012】
〔4〕上記〔3〕記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記ゴム板及びスペーサは、半割りカセットにより二分割され、それぞれ個別に支持されており、互いに離間されて対向配置されることを特徴とする。
【0013】
〔5〕上記〔4〕記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記二分割されたゴム板及びスペーサの、互いに離間された間隔を調整可能な前記制動筒のゴム板押し当て量調整ハンドルを具備することを特徴とする。
【0014】
〔6〕上記〔5〕記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記制動筒のゴム板押し当て量を直列に配置された前記制動筒毎に前記列車模型の速度に応じて調整することを特徴とする。
【0015】
〔7〕上記〔1〕記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記制動筒の前記摩擦板の数を前記列車模型の走行速度に応じて調整することを特徴とする。
【0016】
〔8〕上記〔1〕又は〔7〕記載の列車模型による実験装置における制動装置において、前記制動筒の数を前記列車模型の走行速度に応じて調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0018】
(1)列車模型の形状をくりぬいたゴム板を複数並べた制動筒の中を列車模型がゴムと擦れながら通り抜ける際、列車模型の表面とゴム板との摩擦により減速させる。このように、直列に配置された制動筒の複数の摩擦板で列車模型を的確に制動し停止させることができる。
【0019】
(2)制動筒毎に摩擦板の列車模型への押し付け圧の調整を行うことができる。
【0020】
(3)摩擦板の押し付け圧が異なる制動筒の配置を適宜変更して配置し列車模型の的確な停止を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
列車模型を高速で発射させ、試験区間通過後に停止させる実験装置において、突入する弾丸形状の列車模型の中心線に対応した円形状の空間が形成される複数枚の摩擦板と、前記列車模型の中心線に対応した前記摩擦板の円形状の空間よりも大きめの円形状の空間を有し、前記複数枚の摩擦それぞれの間に配置される剛性の高いスペーサと、前記摩擦板と前記スペーサが挟着される制動筒とを備え、この制動筒を複数個直列に配置する。よって、直列に配置された前記制動筒の複数の摩擦板で模型列車を的確に制動して停止させることができる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施例を示す列車模型による実験装置における制動装置の要部断面図、図2はゴム板の模式図であり、図2(a)はその平面図、図2(b)はその側面図である。図3はスペーサの模式図であり、図3(a)はその平面図、図3(b)はその側面図である。図4は図1の正面図、図5は図1の右側面図、図6はその制動装置を直列に配置した図、図7はその列車模型による実験装置の全体模式図、図8はその実験装置の全体を示す図面代用写真である。
【0024】
まず、本発明の列車模型による実験装置の全体構成について、図7及び図8を参照しながら説明する。
【0025】
本発明にかかる列車模型による実験装置は、以下のように構成される。
【0026】
緊張装置Aと緊張装置Gとの間でピンと張られているワイヤー(ピアノ線)Bに案内される弾丸形状の列車模型Cが配置され、その列車模型Cは、一対の車輪を複数(ここでは4組)装備し、その一対の車輪をそれぞれ高速回転させることで車輪外周のゴムと列車模型との摩擦により列車模型Cを発射する発射装置Dで発射されて、列車模型Cは走行路(トンネルなどをセットする)Eを高速で走行し、その高速の列車模型Cは制動装置Fで制動されて停止する。ここで、発射装置Dから発射された列車模型Cが、例えば走行路E(試験区間)のトンネルに突入・退出したとき、トンネル内部に圧力波が形成されるだけでなく、トンネル外部には低周波音が形成される。本発明にかかる列車模型による実験装置は、このような圧力波や低周波音の分析を行うための装置である。そして、本発明は、特に、その列車模型Cの制動装置Fに特徴を有する。
【0027】
図1~図6において、1は脚フレーム、2,3はチャンネルビーム、6は半割カセット、7はゴム板(天然ゴム)、7Aはゴム板7の列車模型が通過する空間、7Bはその空間7Aに連通する垂直方向の空間、8はスペーサ(鋼材)、9は制動筒、10A,10Bは把手、11はクランクレバー、12は位置決めピン、13はワイヤー(ピアノ線)、14はロッド棒、15はガイドブラケット、16はL金具、17はネジ軸、18はカラー、19はメネジナット、20はベースフレーム、21は制動筒9のゴム板7押し当て量調整ハンドル、31は弾丸形状の列車模型である。
【0028】
かかる制動装置の制動筒9は、基礎部に固定される脚フレーム1、チャンネルビーム2,3、ベースフレーム20を介してその上に配置される。その構造としては、図2に示すような、突入する列車模型31の中心線に対応して、列車模型31が擦れながら通過するようにくり抜かれた空間7A及び垂直方向の空間7Bが形成される摩擦板としてのゴム板7と、図3に示すような列車模型31の中心線に対応した空間7A,7Bよりも大きめの空間8A,8Bが形成され、摩擦板としてのゴム板7のに配置される剛性の高いスペーサ8が交互に挟着されている。ただし、種々の変形が可能であり、ゴム板7とスペーサ8は必ずしも交互に挟着されなくともよい。
【0029】
このように構成するので、可撓性部材としてのゴム板7の円周基部は、剛体としてのスペーサ8で挟着されるので、ゴム板7の円周基部は強固に固定されるとともに、空間7Aの周辺のゴム板は円周基部からはフリーとなるために、突入する列車模型31に十分に接触して擦られ制動作用を呈することができる。
【0030】
そして、本発明の制動装置はこのようにして作製された制動筒9を複数個直列(9-1,9-2,9-3,9-4)に配置するようにしている。
【0031】
このように、本発明の制動装置では、列車模型31の径より小さい形状をくりぬいたゴム板7を複数並べた制動筒9の中を列車模型31がゴム板7と擦れながら通り抜ける際、列車模型31の表面とゴム板7との摩擦により列車模型31を減速させ、停止させることができる。
【0032】
更に詳述すると、ゴム板7に形成される空間が列車模型が通過する空間7Aとこの空間7Aに連通する垂直方向の空間7Bからなる。つまり、ゴム板7及びスペーサ8は、半割りカセット6により左右に二分割され、それぞれ個別に支持されており、互いに離間されて対向配置される。
【0033】
そして、二分割されたゴム板7及びスペーサ8の、互いに離間された間隔をゴム板押し当て量調整ハンドル21でネジ軸17、カラー18、メネジナット19を介して調整できるように構成している。
【0034】
この制動筒9のゴム板7押し当て量は直列に配置された制動筒9毎に調整することができる。よって、列車模型31の制動態様を変更させることができる。
【0035】
また、制動筒9のゴム板7の数を列車模型31の走行速度に応じて調整することができる。よって、各制動筒9の制動特性を変更させることができる。
【0036】
更に、制動筒9の数を列車模型31の走行速度に応じて調整することができる。よって、列車模型31の突入速度に対応した制動装置を構成することができる。
【0037】
要するに、本発明の制動装置では、摩擦板としてのゴム板7の枚数を調整することができる。また、列車模型31が通り抜ける部分の面積を狭めることにより制動性能を上げることができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の列車模型による実験装置における制動装置は、高速化した鉄道車両の走行が環境に及ぼす影響をテストするための試験装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例を示す列車模型による実験装置における制動装置の要部水平断面図である。
【図2】本発明の列車模型による実験装置における制動装置のゴム板の模式図である。
【図3】本発明の列車模型による実験装置における制動装置のスペーサの模式図である。
【図4】図1の正面図である。
【図5】図1の右側面図である。
【図6】本発明の制動装置を直列に配置した図である。
【図7】本発明の列車模型による実験装置の全体模式図である。
【図8】本発明の列車模型による実験装置の全体を示す図面代用写真である。
【符号の説明】
【0041】
1 脚フレーム
2,3 チャンネルビーム
6 半割カセット
摩擦板〔ゴム板(天然ゴム)
7A 列車模型が通過する空間
7B 垂直方向の空間
8 スペーサ(鋼材)
8A,8B 空間
9 制動筒
10A,10B 把手
11 クランクレバー
12 位置決めピン
13 ワイヤー(ピアノ線)
14 ロッド棒
15 ガイドブラケット
16 L金具
17 ネジ軸
18 カラー
19 メネジナット
20 ベースフレーム
21 制動筒のゴム板押し当て量調整ハンドル
31 列車模型
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7