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明細書 :球体中子を有する偏芯スペーサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4133440号 (P4133440)
公開番号 特開2004-256055 (P2004-256055A)
登録日 平成20年6月6日(2008.6.6)
発行日 平成20年8月13日(2008.8.13)
公開日 平成16年9月16日(2004.9.16)
発明の名称または考案の名称 球体中子を有する偏芯スペーサ
国際特許分類 F16B  43/02        (2006.01)
F16B   5/02        (2006.01)
B61B  13/08        (2006.01)
E01B  25/32        (2006.01)
FI F16B 43/02
F16B 5/02 B
B61B 13/08 B
E01B 25/32
請求項の数または発明の数 4
全頁数 7
出願番号 特願2003-051035 (P2003-051035)
出願日 平成15年2月27日(2003.2.27)
審査請求日 平成17年8月10日(2005.8.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
発明者または考案者 【氏名】浦部 正男
【氏名】上野 眞
【氏名】永長 隆昭
【氏名】斉藤 正樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】森本 康正
参考文献・文献 特開昭63-092810(JP,A)
実開昭59-094610(JP,U)
実開昭49-109061(JP,U)
実開平04-097110(JP,U)
特開平10-318240(JP,A)
特開2000-110238(JP,A)
特開平04-351309(JP,A)
特開2003-222108(JP,A)
調査した分野 F16B 23/00-43/02
F16B 5/00- 5/12
B61B 13/08
E01B 25/32
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)基礎に植設されるボルトを受け入れる第1の偏芯貫通穴と該第1の偏芯貫通穴の上部に連通する半球形凹部とを有する円筒状の下部ブロックと、
(b)前記ボルトを受け入れる第1の偏芯貫通穴と該第1の偏芯貫通穴の下部に連通する半球形凹部とを有する円筒状の上部ブロックと、
(c)前記ボルトを受け入れる第2の偏芯貫通穴を有する球体中子とを備え、
(d)前記下部ブロックと上部ブロックとを組み合わせた内側に形成される球形をした空間部に前記球体中子を有する組み立て体を貫通穴を有する被固定体に収容するとともに、
(e)前記ボルトが前記球体中子の前記第2の偏芯貫通穴に適合して貫通され、前記基礎に対して前記被固定体を所定位置に固定する球体中子を有する偏芯スペーサ。
【請求項2】
請求項1記載の球体中子を有する偏芯スペーサにおいて、前記下部ブロックと上部ブロックの浮き上がり防止板を具備する球体中子を有する偏芯スペーサ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の球体中子を有する偏芯スペーサにおいて、前記下部ブロック及び上部ブロックと前記被固定体の貫通穴との空隙部に装填される詰め物を具備する球体中子を有する偏芯スペーサ。
【請求項4】
請求項1記載の球体中子を有する偏芯スペーサにおいて、前記基礎が路盤であり、前記被固定体がガイドウェイの側壁である磁気浮上式鉄道に用いる球体中子を有する偏芯スペーサ。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気浮上式鉄道のガイドウェイの側壁の取付けなどに用いられる球体中子を有する偏芯スペーサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基礎に植設されるボルトに被固定体を取り付ける際には、被固定体を基礎の所定位置に正しく設置する必要があるが、ボルトを基礎の所定位置に合うように正確に植設することが困難であるために、被固定体の固定を行う時点でボルトの位置の狂いに対応できるように被固定体を調整して取り付けることを可能にするためのスペーサが不可欠になる。
【0003】
そのような状況を考慮して、本願発明者は既に偏芯スペーサ(特願2002-024561)を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁気浮上鉄道のガイドウェイ側壁などの固定用ボルトは、基礎であるコンクリートに植設される際に、必ずしも基礎に対して垂直な状態になっているとは限らない。
【0005】
ところが、上記した偏芯スペーサは中子が円筒形状であり、その中子を貫通している貫通穴も円柱形状になっているため、基礎に植設されたボルトが基礎に対して傾斜している場合には、その円柱形状の貫通穴にボルトを貫通させることができないといった問題があった。
【0006】
本発明は、上記状況に鑑みて、基礎に対して位置ずれを有するあるいは傾斜して植設されるボルトに対しても簡単に適合でき、取付けが円滑な、球体中子を有する偏芯スペーサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕球体中子を有する偏芯スペーサであって、基礎に植設されるボルトを受け入れる第1の偏芯貫通穴とこの第1の偏芯貫通穴の上部に連通する半球形凹部とを有する円筒状の下部ブロックと、前記ボルトを受け入れる第1の偏芯貫通穴とこの第1の偏芯貫通穴の下部に連通する半球形凹部とを有する円筒状の上部ブロックと、前記ボルトを受け入れる第2の偏芯貫通穴を有する球体中子とを備え、前記下部ブロックと上部ブロックとを組み合わせた内側に形成される球形をした空間部に前記球体中子を有する組み立て体を貫通穴を有する被固定体に収容するとともに、前記ボルトが前記球体中子の前記第2の偏芯貫通穴に適合して貫通され、前記基礎に対して前記被固定体を所定位置に固定する。
【0008】
〔2〕上記〔1〕記載の球体中子を有する偏芯スペーサにおいて、前記下部ブロックと上部ブロックの浮き上がり防止板を具備する。
【0009】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の球体中子を有する偏芯スペーサにおいて、前記下部ブロック及び上部ロブロックと前記被固定体の貫通穴との空隙部に装填される詰め物を具備する。
【0010】
〔4〕上記〔1〕記載の球体中子を有する偏芯スペーサにおいて、前記基礎が路盤であり、前記被固定体がガイドウェイの側壁である磁気浮上式鉄道に用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施例を示す球体中子を有する偏芯スペーサの垂直断面図、図2はその球体中子を有する偏芯スペーサの水平断面図、図3はその斜視図、図4は本発明の実施例を示す球体中子を有する偏芯スペーサを用いた基礎への被固定体の取付け状態を示す分解斜視図である。
【0013】
これらの図において、1は円筒状の下部ブロックであり、この下部ブロック1は、基礎20に植設されるボルト21を受け入れる第1の偏芯貫通穴2と、この第1の偏芯貫通穴2の上部に連通し、球体中子8を載せるための半球形凹部3、螺着用雌ねじ孔4を有している。5は円筒状の上部ブロックであり、この上部ブロック5は基礎20に植設されるボルト21を受け入れる第1の偏芯貫通穴2′と、この第1の偏芯貫通穴2′の下部に連通し、球体中子8上部と接する半球形凹部3′とねじ挿入孔6を有する。
【0014】
一方、球体中子8には、第2の偏芯貫通穴9が形成されており、基礎20に植設されるボルト21が貫通する構造となっている。
【0015】
そこで、下部ブロック1の半球形凹部3に球体中子8を載せて、上部ブロック5の半球形凹部3′に球体中子8の上部が収容できるように上部ブロック5を球体中子8に載せる。すなわち、上部ブロック5と下部ブロック1を組み合わせた内側に形成される球形をした空間部に球体中子8が形成されるように、下部ブロック1と上部ブロック5とをねじ棒7により螺着する。なお、10はこのようにして組み合わされた下部ブロック1と上部ブロック5の第1の偏芯貫通穴2,2′の内周面、11は下部ブロック1と上部ブロック5の外周面を示している。
【0016】
因みに、この組み立て体の寸法例(図1参照)を示すと、第1の偏芯貫通穴2,2′の直径φ1 は64mm、球体中子8の直径φ2 は80mm、第2の偏芯貫通穴9の直径φ3 は35.5mm、下部ブロック1と上部ブロック5の高さL1 はそれぞれ50mm、下部ブロック1と上部ブロック5の半球形凹部を除いて最も薄い部分の幅L2 はそれぞれ15mm、最も厚い部分の幅L3 はそれぞれ42mm、下部ブロック1と上部ブロック5の外径φ4 は121mmである。
【0017】
なお、図2において、12は球体中子8の中心、13は下部ブロック1と上部ブロック5の中心であり、それらの中心12と13のシフト量L4 は13.5mm、14はこの寸法例の偏芯スペーサにおいて基礎20に植設されるボルト21を受入れでき得る範囲であり、その範囲の直径φ5 は89mmである。
【0018】
次に、図4を参照しながら、球体中子を有する偏芯スペーサの適用について説明する。
【0019】
上記したように、球体中子8が下部ブロック1と上部ブロック5によって収容されるように組み立てられた偏芯スペーサを、被固定体30の所定位置に形成される貫通穴31(その直径φ7 は121mm)に装着し、基礎20に植設されるボルト21に適合するように配置する。すなわち、その際、基礎20の決められた点線位置に被固定体30を固定するために、ボルト21が球体中子8の第2の偏芯貫通穴9を貫通するように上部ブロック5および下部ブロック1の半球形凹部3,3′の位置と球体中子8の第2の偏芯貫通穴9の位置と角度を調整して組み合わせた偏芯スペーサが配置され、その上に厚めの座金24を介して、ボルト21の先端部をナット25によって締着する。
【0020】
このように構成することにより、基礎20に植設されるボルト21が少々傾斜していても、球体中子8を回転させ、第2の偏芯貫通穴9をボルト21の傾斜に対応するように傾斜させることにより、簡単に適合でき、基礎20の正しい位置へ被固定体30を円滑に取り付けることができる。
【0021】
また、上記実施例において、下部ブロック1及び上部ブロック5と被固定体30の貫通穴31との空隙部に、図示しないが詰め物を装填して、より強固な固定を行うようにすることができる。
【0022】
図5は上記した球体中子を有する偏芯スペーサを磁気浮上式鉄道のガイドウェイの構築に適用した例を示す図、図6はそのA部の拡大断面図である。
【0023】
この図において、40はガイドウェイであり、このガイドウェイ40は、路盤41にボルト42が植設され、ガイドウェイ側壁44の脚部の取付部45の貫通穴46に、上記した球体中子を有する偏芯スペーサ47を介してボルト42を貫通させ固定することにより、路盤41に被固定体としてのガイドウェイ側壁44を固定する構成となっている。
【0024】
すなわち、図1~図4に示したように、球体中子8が下部ブロック1と上部ブロック5によって収容されるように組み立てられた偏芯スペーサ47を、被固定体としてのガイドウェイ側壁44の脚部の取付部45の所定位置に形成される貫通穴46(その直径φ7 は121mm)に装着し、基礎としての路盤41に植設されるボルト42に適合するように配置する。つまり、図6に示すように、ボルト42が球体中子8の第2の偏芯貫通穴9を貫通するように球体中子を有する偏芯スペーサ47が配置され、浮き上がり防止板51(例えば、直径φ6 118mm)を配置した後、その上に厚めの座金52とスプリングワッシャ53,54を介して、ボルト42の先端部をナット55によって締着する。
【0025】
本実施例は路盤に植設されるボルトの傾斜、位置ずれに対する適用を述べているが、路盤に雌ネジを埋め込んでナット締結の代わりに上からボルトで締結する場合にも同様の効果を奏することができる。
【0026】
なお、本発明の球体中子を有する偏芯スペーサは、この磁気浮上式鉄道のガイドウェイの構築への適用をはじめ広範な用途を有するものであることは言うまでもない。
【0027】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0028】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、基礎への被固定体の取付けにあたり、基礎に設けられるボルトの位置ずれ、傾斜があっても一定の範囲内であれば、簡単に適合でき、取付けを円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す球体中子を有する偏芯スペーサの垂直断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す球体中子を有する偏芯スペーサの水平断面図である。
【図3】本発明の実施例を示す球体中子を有する偏芯スペーサの斜視図である。
【図4】本発明の実施例を示す球体中子を有する偏芯スペーサを用いた基礎への被固定体の取付け状態を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施例を示す球体中子を有する偏芯スペーサを磁気浮上式鉄道のガイドウェイの構築に適用した例を示す図である。
【図6】図5のA部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 下部ブロック
2,2′ 第1の偏芯貫通穴
3,3′ 半球形凹部
4 螺着用雌ねじ孔
5 上部ブロック
6 ねじ挿入孔
7 ねじ棒
8 球体中子
9 第2の偏芯貫通穴
10 第1の偏芯貫通穴の内周面
11 下部ブロックと上部ブロックの外周面
12 球体中子の中心
13 下部ブロックと上部ブロックの中心
14 偏芯スペーサが受け入れでき得るボルトの存在範囲
20 基礎
21,42 ボルト
24 座金
25,55 ナット
30 被固定体
31,46 貫通穴
40 ガイドウェイ
41 路盤
44 ガイドウェイ側壁
45 ガイドウェイ側壁の脚部の取付部
47 球体中子を有する偏芯スペーサ
51 浮き上がり防止板
52 厚めの座金
53,54 スプリングワッシャ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5